JP2000061967A - 眼用レンズ材料の成形用型及び眼用レンズの製造方法 - Google Patents

眼用レンズ材料の成形用型及び眼用レンズの製造方法

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JP2000061967A
JP2000061967A JP23555698A JP23555698A JP2000061967A JP 2000061967 A JP2000061967 A JP 2000061967A JP 23555698 A JP23555698 A JP 23555698A JP 23555698 A JP23555698 A JP 23555698A JP 2000061967 A JP2000061967 A JP 2000061967A
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mold
molding
ophthalmic lens
die
raw material
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JP23555698A
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Isateru Tanaka
勇輝 田中
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Menicon Co Ltd
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Menicon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 均一な材質や品質を有する眼用レンズ材料
を、優れた生産効率をもって大量に且つ安価に製造し得
る成形用型と、眼用レンズを工業的に有利に製造し得る
方法とを提供する。 【解決手段】 型閉された第一の型と第二の型14の間
に、複数の成形キャビティ16を形成すると共に、原料
モノマー液が注入せしめられる注入口26と、各成形キ
ャビティ16からの排気を行ない得る排気口28とを形
成する一方、複数の成形キャビティ16を互いに連通
し、且つそれら互いに連通された複数の成形キャビティ
16を介して、注入口26と該排気口28とを接続せし
める連通路30を設けて、注入口26から注入された原
料モノマー液が、連通路30を通じて複数の成形キャビ
ティ16内にそれぞれ充填させられつつ、排気口28に
導かれ得るように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、眼用レンズ材料の成形用型及び
眼用レンズ材料の製造方法に係り、特に、コンタクトレ
ンズや眼内レンズ等の眼用レンズを与え得る大きさの眼
用レンズ材料を成形する成形用型と、そのような成形用
型を用いて、目的とする眼用レンズを有利に製造する方
法に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、眼用レンズ、例えばコンタクト
レンズを製造するために、一般に、試験管内にて原料モ
ノマー液を重合して得られる棒状のコンタクトレンズ材
料を用い、その外周部を軸方向に沿って所定厚さ切削、
除去せしめた後、バイトにて所定長さ毎に切り分け、個
々のブランクを得、その後、その得られたブランクに対
して、その一方の面を切削加工して、コンタクトレンズ
のベースカーブ面(内面:角膜に接する側の面)を形成
する一方、その他方の面を切削加工することにより、コ
ンタクトレンズのフロントカーブ面(外面:角膜に接触
する側の面とは反対側の面)を形成せしめて、目的とす
るコンタクトレンズを得る、所謂切削加工成形法が採用
されてきている。しかしながら、この切削加工成形法に
あっては、高価なコンタクトレンズ材料の大部分が切削
加工にて無駄に捨てられてしまうという問題があり、そ
のために、材料コストが必然的に高くなることに加え
て、棒状のコンタクトレンズ材料の長手方向において、
重合時の原料モノマー液の組成変動に基づき、重合体組
成が変化し、それから切り出される部位によっては、微
妙に屈折率に変動が生じて、切削加工後の屈折度数検査
では規格外レンズとされて、歩留りに悪影響を及ぼすこ
とがあるという問題も内在している。
【0003】一方、かかる切削加工成形法の如く、コン
タクトレンズを与えるブランクを作製した後、それを切
削加工するのではなく、特開平1−92719号公報等
に記載されるように、型閉された上型と下型との間に、
実質的に密閉された構造の成形キャビティが形成される
成形用型を用い、この成形用型の成形キャビティ内に、
原料モノマー液を充填して、重合せしめることにより、
一つのコンタクトレンズを与え得る大きさのコンタクト
レンズ材料(レンズブランク)を成形し、その後、この
成形されたコンタクトレンズ材料の両面に対して、コン
タクトレンズのフロントカーブ面とベースカーブ面とを
それぞれ切削加工して、目的とするコンタクトレンズを
得る方法も、知られている。
【0004】このような成形用型を用いたコンタクトレ
ンズの製造方法によれば、始めから、目的とするコンタ
クトレンズに近い大きさのコンタクトレンズ材料を作製
することが出来るため、無駄に捨ててしまう高価なコン
タクトレンズ材料部分を最小限と為すことが可能とな
り、それによって、材料コストが有利に低く抑えられ
得、また、成形されるコンタクトレンズ材料間におい
て、その材質や品質等にバラツキが生ずるようなこと
も、効果的に回避され得るのである。
【0005】ところが、かかる製造方法で用いられる従
来の成形用型にあっては、成形キャビティを一つしか有
していないところから、1回の成形操作で、コンタクト
レンズ材料が一つだけしか形成され得ず、そのために、
コンタクトレンズ材料、ひいてはコンタクトレンズを大
量に製造するに際して、その生産効率が、前記切削加工
成形法を採用する場合に比して著しく劣るものとなると
いった大きな欠点が存していたのである。
【0006】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述せる如き事
情を背景にして為されたものであって、その解決課題と
するところは、均一な材質や品質等を有する眼用レンズ
材料を、優れた生産効率をもって、大量に且つ安価に製
造し得る眼用レンズ材料の成形用型を提供することにあ
り、また、そのような成形用型を用いて成形して得られ
た眼用レンズ材料から、目的とする眼用レンズを工業的
に有利に製造し得る方法を提供することにある。
【0007】
【解決手段】そして、本発明にあっては、かかる課題の
解決のために、型閉された第一の型と第二の型との間に
形成される実質的に密閉された構造の成形キャビティ内
に、原料モノマー液を充填して、重合せしめることによ
り、眼用レンズを与え得る大きさの眼用レンズ材料を成
形する成形用型において、前記型閉された第一の型と第
二の型との間に、前記成形キャビティを複数形成すると
共に、前記原料モノマー液が注入せしめられる注入口
と、前記成形キャビティからの排気を行ない得る排気口
とを形成する一方、該複数の成形キャビティを互いに連
通し、且つそれら互いに連通された複数の成形キャビテ
ィを介して、該注入口と該排気口とを接続せしめる連通
路を設けて、該注入口から注入された原料モノマー液
が、該連通路を通じて該複数の成形キャビティ内にそれ
ぞれ充填させられつつ、前記排気口に導かれ得るように
構成したことを特徴とする眼用レンズ材料の成形用型
を、その要旨とするものである。
【0008】要するに、本発明に従う眼用レンズ材料の
成形用型にあっては、複数の成形キャビティ内に原料モ
ノマー液を一つ一つ注入する操作を何等行なうことな
く、単に、型閉された状態下で、注入口から所定量の原
料モノマー液を注入するだけで、複数の成形キャビティ
内の空気が排気口を通じて排気されつつ、原料モノマー
液が、それら複数の成形キャビティ内に、連通路を通じ
てそれぞれ充填され、そして、各成形キャビティ内に充
填された原料モノマー液を同時に重合せしめることによ
り、各成形キャビティ内において、目的とする眼用レン
ズに近い大きさの眼用レンズ材料がそれぞれ成形される
ようになっているのである。
【0009】それ故、そのような構造を有する眼用レン
ズ材料の成形用型においては、一つの成形キャビティ内
への原料モノマー液の充填に続いて、該成形キャビティ
内の原料モノマー液に対する重合を行なう、成形キャビ
ティを一つしか有しない従来の成形用型を使用する場合
と略同様な成形操作を一回行なうだけで、複数の眼用レ
ンズ材料が、極めて容易に且つ一挙に成形され得、しか
も、かくして成形される複数の眼用レンズ材料のそれぞ
れが、始めから、目的とする眼用レンズに近い形状を有
して構成され得て、フロントカーブ面やベースカーブ面
等の切削加工等による眼用レンズ材料に対する仕上げ加
工時に、無駄に捨てられてしまう部分が可及的に少なく
為され得ると共に、成形される眼用レンズ材料間におけ
る材質や品質等の均一化が有利に図られ得ることとな
る。
【0010】従って、本発明に従う眼用レンズ材料の成
形用型を用いれば、均一な材質や品質等を有する眼用レ
ンズ材料を、優れた生産効率をもって、大量に且つ安価
に製造することが、極めて効果的に可能ならしめられ得
るのである。
【0011】なお、かかる本発明に従う眼用レンズ材料
の成形用型の好ましい態様の一つによれば、前記第一の
型と前記第二の型の少なくとも一方が、樹脂フィルム若
しくは厚肉の樹脂型からなり、それら樹脂フィルム若し
くは厚肉の樹脂型が互いに重ね合わされて、一体的に結
合乃至は固定されることにより、それら樹脂フィルム若
しくは厚肉の樹脂型間に前記複数の成形キャビティを形
成しつつ、型閉されるように構成される。このような態
様において、第一の型と第二の型の少なくとも一方が樹
脂フィルムからなる構成が採用される場合には、かかる
少なくとも一方の型が有利に薄肉化され得、それによっ
て、薄肉化された分だけ型材料の使用量が節約され得
て、成形用型が安価に製造され得ることに加えて、該少
なくとも一方の型における、成形キャビティのキャビテ
ィ面を形成するキャビティ面形成部位も薄肉に構成され
得て、該キャビティ面形成部位の光透過性が十分に確保
され得、以て、紫外線等の電磁波照射による光重合が行
なわれる際に、それがより良好に行なわれ得る。また、
第一の型と第二の型の少なくとも一方が、厚肉の樹脂型
からなる構成が採用される場合には、かかる少なくとも
一方の型が、切削加工や射出成形等によって容易に得ら
れ、以て該少なくとも一方の型に対して、微細な成形キ
ャビティを与えるキャビティ形成部が、所定の形状をも
って、確実に且つ容易に形成され得ることとなる。
【0012】また、そのように、第一の型と第二の型の
少なくとも一方が樹脂フィルム若しくは厚肉の樹脂型に
て構成される場合においては、有利には、第一の型と第
二の型との一体的な結合乃至は固定が、それらの熱溶着
により実現され、それによって、それら第一の型と第二
の型の一体的な結合に伴う型閉操作が、より容易に為さ
れ得る。なお、この熱溶着とは、第一の型と第二の型の
それぞれの結合面を加熱し、溶融状態と為した状態下
で、互いに重ね合わせて接触させることにより一体化せ
しめて、それら第一の型と第二の型とを結合面同士にお
いて結合することを言う。
【0013】さらに、かかる場合にあっては、第一の型
と第二の型の少なくとも何れか一方に、接着剤からなる
接着剤層を設けて、それら第一の型と第二の型との一体
的な結合乃至は固定が、該接着剤層を介した該第一の型
と該第二の型との接着により実現されるように為しても
良い。これによれば、接着剤層を構成する接着剤の種類
を変更することによって、第一の型と第二の型のそれぞ
れの材質等に関係なく、それらの結合強度を任意に変化
させることが出来、また、第一の型と第二の型の結合に
際して、それらを加熱を要するか否か等の結合条件を自
在に選択することが可能となる。
【0014】また、特に、第一の型と第二の型の両方が
厚肉の樹脂型からなる場合にあっては、それらの一体的
な結合乃至は固定が、例えば、第一の型に設けられた嵌
合凹部に対する、第二の型に設けられた嵌合凸部の嵌合
と、それら第一の型と第二の型のネジ止め等にて行なわ
れる該第一の型と該第二の型との機械的な固定により、
実現され得るように為すことも可能である。このような
構成を採用すれば、ネジの締緩により、第一の型と第二
の型との一体的な結合、及びその結合状態の解除が極め
て容易に為され得、しかも、それら第一の型と第二の型
との間の凹凸嵌合によって、ネジ止めによる歪みに起因
する成形キャビティ内からの原料モノマー液の液漏れも
有利に防止され得る。
【0015】さらに、本発明に従う眼用レンズ材料の成
形用型の望ましい態様の一つによれば、前記第一の型と
前記第二の型との間に、前記複数の成形キャビティが上
下方向に並んで配置せしめられて形成される一方、前記
注入口と前記排気口とが、第一及び第二の型の上端部に
おいて開口するようにそれぞれ形成され、更に、前記連
通路が、該注入口から注入される前記原料モノマー液
を、該複数の成形キャビティに対して、下方に位置する
ものから順に充填せしめ得るように形成される。このよ
うな構成を採用すれば、原料モノマー液が、複数の成形
キャビティの全べてに、それらを確実に満たした状態で
充填され得るのであり、それによって、成形される眼用
レンズにおいて、成形キャビティ内への原料モノマー液
の充填不足に起因する欠け等の成形不良が生ずるような
ことが、効果的に防止され得る。
【0016】更にまた、本発明に従う眼用レンズ材料の
成形用型の別の有利な態様の一つによれば、前記複数の
成形キャビティが、上下方向に並んで配置され、且つ前
記連通路の、前記注入口から下方に向かって延びる下向
部位を挟んで、その両側に並列して位置するように形成
される一方、該複数の成形キャビティのうち、各列の最
も下方に位置する成形キャビティのそれぞれに向かっ
て、該連通路の下向部位の下端から横方向に分岐して延
びる分岐路部位が、上傾して形成されることとなる。そ
れによって、複数の成形キャビティのそれぞれに、原料
モノマー液がバランス良く均一に充填され得ると共に、
成形キャビティ内の空気が、排気口を通じてより良好に
排気され得る。なお、そのように、前記連通路の分岐路
部位が上傾して形成される場合には、上述の如き機能を
より有効に発揮せしめる上で、かかる連通路における分
岐路部位が、水平面に対して3°以上の傾斜角度をもっ
て設けられていることが、望ましい。
【0017】また、本発明に従う眼用レンズ材料の成形
用型の好ましい他の態様の一つによれば、前記複数の成
形キャビティのそれぞれにおける、前記第一の型にて与
えられるキャビティ面及び/又は前記第二の型にて与え
られるキャビティ面が、前記眼用レンズのベースカーブ
面及び/又はフロントカーブ面に対応した形状を有して
構成されて、前記原料モノマー液の重合により、前記眼
用レンズ材料に対して眼用レンズのベースカーブ面及び
/又はフロントカーブ面が形成されるように構成され
る。即ち、換言すれば、第一の型のキャビティ面と第一
の型のキャビティ面の形状は、特に限定されるものでは
ないものの、それら第一の型のキャビティ面と第二の型
のキャビティ面の何れか一方を、眼用レンズのベースカ
ーブ面またはフロントカーブ面に対応した形状と為し
て、成形される眼用レンズ材料に対して、眼用レンズの
ベースカーブ面またはフロントカーブ面の何れか一方が
形成されるように構成しても良く、或いは、第一及び第
二の型のキャビティ面の両方を、眼用レンズのベースカ
ーブ面とフロントカーブ面にそれぞれ対応した形状と為
して、成形される眼用レンズ材料に対して、それらベー
スカーブ面とフロントカーブ面の両方が形成されるよう
に構成することも可能なのである。このような構成を採
用することによって、成形される眼用レンズ材料を用い
て眼用レンズを得る際に、かかる眼用レンズ材料に対し
て行なわれるベースカーブ面とフロントカーブ面の少な
くとも一方の切削加工が有利に省かれ得て、より優れた
効率性をもって、眼用レンズが製造され得ることとな
る。
【0018】さらに、本発明に従う眼用レンズ材料の成
形用型の他の有利な態様の一つによれば、前記連通路
が、前記複数の成形キャビティ内において形成される眼
用レンズ材料を容易に分離可能と為す易分離部を形成す
る易分離部形成部を有して、構成される。それによっ
て、成形される複数の眼用レンズ材料を、個々のものに
分離するための手間が容易に軽減され得る。なお、その
ような連通路の易分離部形成部は、有利には、該連通路
の他の部位に比して流路断面積が小さくされた部位に
て、構成される。
【0019】そして、本発明は、上述の如き眼用レンズ
材料の成形用型を用いて得られる眼用レンズ材料から、
目的とする眼用レンズを製造する方法をも、要旨とする
ものであって、その特徴とするところは、眼用レンズを
与え得る大きさの眼用レンズ材料を用いて、目的とする
眼用レンズを製造する方法において、(a)上述の如き
本発明に従う、第一の型と第二の型とからなる成形用型
を準備する工程と、(b)かかる成形用型の型閉状態下
で外部に開口して形成される注入口から、前記眼用レン
ズ材料を構成する重合体を与える原料モノマー液を注入
し、前記第一の型と第二の型との間に形成される複数の
成形キャビティに連通する連通路を通じて、該複数の成
形キャビティのそれぞれに該原料モノマー液を充填せし
める工程と、(c)前記複数の成形キャビティ内に充填
された原料モノマー液を重合せしめることにより、前記
眼用レンズ材料を複数個成形する工程と、(d)該成形
された複数の眼用レンズ材料のそれぞれに対して仕上げ
加工を施して、各眼用レンズ材料を目的とする眼用レン
ズと為す工程とを含むことにある。
【0020】このような本発明に従う眼用レンズの製造
方法にあっては、前記眼用レンズの成形用型における複
数の成形キャビティ内において、目的とする眼用レンズ
に近い大きさの眼用レンズ材料が、複数個、一挙に成形
され、そして、この成形された複数の眼用レンズ材料に
対して、それぞれ所定の仕上げ加工が施されることによ
り、各眼用レンズ材料が、目的とする眼用レンズとして
形成されるようになっており、それによって、成形キャ
ビティを一つしか有しない従来の成形用型を使用する場
合とは異なり、眼用レンズ材料、ひいては眼用レンズが
優れた生産効率をもって大量に製造され得、また、従来
の切削加工成形法を採用する場合とも異なって、眼用レ
ンズ材料に対する切削加工等の仕上げ加工時に、無駄に
捨てられる眼用レンズ材料部分が最小限に抑えられ得る
と共に、重合体の組成変動に伴う各眼用レンズ材料間に
おける材質や品質等のバラツキの発生も有利に防止され
得るのである。
【0021】従って、本発明に従う眼用レンズの製造方
法によれば、均質な眼用レンズが、大量に且つ安価に、
しかも工業的に有利に製造することが出来るのである。
【0022】なお、このような本発明に従う眼用レンズ
の製造方法の好ましい態様の一つによれば、前記複数の
成形キャビティ内に充填された原料モノマー液を重合せ
しめる前に、前記成形用型の注入口と排気口とがそれぞ
れ気密に封止される。それによって、各成形キャビティ
内の原料モノマー液が、注入口や排気口を通じて、大気
中に揮発するようなことが有利に阻止され得ると共に、
それら注入口や排気口から成形キャビティ内に侵入した
大気中の酸素と、各成形キャビティ内の原料モノマー液
とが接触せしめられて、形成される眼用レンズ材料が黄
変したり、或いは重合不良が生じたりするようなこと
も、効果的に回避乃至は抑制され得る。また、各成形キ
ャビティ内の原料モノマー液の酸素との接触を回避する
ためには、例えば、成形用型の注入口と排気口に対し
て、脱酸素を目的としたガス置換を実施して、それら各
成形キャビティ内の原料モノマー液の重合を脱酸素雰囲
気中で行なうようにすることも、有効である。
【0023】さらに、かかる本発明に従う眼用レンズの
製造方法の他の有利な態様の一つによれば、前記複数の
成形キャビティのそれぞれに充填された原料モノマー液
が加圧された後、重合せしめられることとなる。これに
よって、原料モノマー液の重合収縮により惹起されたヒ
ケに基づくところの眼用レンズの欠けの発生が、効果的
に防止され得る。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明をより具体的に明ら
かにするために、本発明に係る眼用レンズ材料の成形用
型及び眼用レンズの製造方法の構成について、図面を参
照しつつ、詳細に説明することとする。
【0025】先ず、図1及び図2には、本発明に従う眼
用レンズ材料の成形用型の一例として、コンタクトレン
ズのレンズブランクを成形するための成形用型が、型閉
された状態において示されている。それらの図からも明
らかなように、レンズブランク成形用型10は、第一の
型としての雄型12と第二の型としての雌型14とを有
して、構成されている。
【0026】より具体的には、このレンズブランク成形
用型10を構成する雄型12と雌型14は、何れも、同
一の樹脂材料からなる、矩形状の薄いフィルムから成っ
ている。即ち、ここでは、例えば、ポリプロピレン、ポ
リエチレン、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂材料
の何れかを用いて、真空成形操作や圧空成形操作等によ
り成形して得られる、比較的安価な薄い樹脂フィルムの
成形物が、雄型12及び雌型14として用いられている
のである。なお、それら雄型12と雌型14とを与える
樹脂材料としては、同一種類のものに何等限定されるも
のではなく、互いに異なる種類のものを種々組み合わせ
て用いることも可能である。そして、かかる雄型12と
雌型14の厚さは、薄ければ薄い程、その製造時に使用
される型材料が節約され得て、より大きな経済的メリッ
トが得られるところではあるが、それら雄型12と雌型
14の強度を十分に確保する上で、その厚さが0.1m
m以上とされていることが好ましく、更に、成形性等を
考慮すると、0.1〜0.5mm程度とされていること
が、望ましい。
【0027】また、そのような同一種類の樹脂フィルム
からなる雄型12と雌型14とにあっては、それらは、
互いに重ね合わされ、接触せしめられた部位同士におい
て熱溶着されて、一体化されており、それによって、成
形用型10が、型閉された状態で、構成されている。な
お、かくして結合され、型閉された雄型12と雌型14
とにあっては、その結合強度が著しく大きくなって、型
開が困難となる恐れがあることから、それを容易と為す
上で、例えば、適当な力で剥離され得、且つ後述するレ
ンズブランクを重合成形せしめる原料モノマー液に悪影
響を及ぼすことのない接着剤からなる接着剤層を、雄型
12と雌型14の少なくとも何れか一方に設け、この接
着剤層を介して、それら雄型12と雌型14とを互いに
重ね合わせて接着し、一体化するようにしても良い。ま
た、互いに異なる種類の樹脂材料にて雄型12と雌型1
4とをそれぞれ構成する場合にあっては、上述の如き接
着剤からなる接着剤層を介して、雄型12と雌型14と
を一体的に接着しても良いが、雄型12と雌型14の何
れか一方を構成する樹脂材料と同一種類の樹脂材料や、
それら雄型12と雌型14を構成する互いに種類の異な
る樹脂材料の混合物を、その何れか他方に層状に形成
し、この樹脂層と雄型12及び雌型14の何れか一方と
を熱溶着することにより、それら雄型12と雌型14と
を一体化せしめることも可能である。
【0028】そして、本実施形態では、特に、それら型
閉された雄型12と雌型14との間に、複数の成形キャ
ビティ16が形成されているのであるが、それら各成形
キャビティ16は、図3からも明らかなように、雄型1
2と雌型14の互いの対向面にそれぞれ形成された雄型
側キャビティ形成部18と雌型側キャビティ形成部20
とに囲まれて、成っている。
【0029】すなわち、この各成形キャビティ16を構
成する雄型側キャビティ形成部18は、雄型12の雌型
14との対向面が部分的に円形に凹陥され、且つその底
壁部が外周縁部を除いた内周部位において球面形状をも
って突出せしめられて形成された円形凹所にて構成され
ており、かかる円形凹所の球状凸面形状を呈する底面
が、後述するレンズブランクの内面形状に対応した内面
形成面22とされている。一方、雌型側キャビティ形成
部20は、雌型14の雄型12との対向面が、部分的
に、球状凹面からなる底壁部を有するように凹陥されて
形成された、前記雄型側キャビティ形成部18を与える
円形凹所と、好ましくは同一径を有する円形凹所にて構
成されており、かかる円形凹所の球状凹面形状を呈する
底面が、レンズブランクの外面形状に対応した外面形成
面24とされている。更に、それら雄型側キャビティ形
成部18と雌型側キャビティ形成部20は、雄型12と
雌型14の互いの対向面における幅方向の右側半分の部
位と左側半分の部位とに、それぞれ、縦に10列、横に
4列の配列形態で、40個ずつ、合計80個が、互いに
対応した位置で、縦横に整然と配置された状態において
形成されている。従って、図1に示される如く、成形用
型10においては、型閉された雄型12と雌型14との
間に、目的とするレンズブランクの外形形状に対応した
形状を有する80個の成形キャビティ16が、雄型側キ
ャビティ形成部18と雌型側キャビティ形成部20の雄
型12と雌型14に対する配設形態に対応して、縦横に
整然と配置された状態で、設けられているのである。
【0030】なお、この複数の成形キャビティ16にあ
っては、それぞれ、その最大厚みが、好ましくは5mm
以下、より好ましくは2mm以下、更に好ましくは1m
m以下とされる。けだし、各成形キャビティ16が、そ
のような最大厚みを有することによって、成形されるレ
ンズブランクの厚さが、最終的に得ようとするコンタク
トレンズの厚さに有利に近似せしめられ得、以てレンズ
ブランクの内面及び外面に対する切削加工に要する時間
が有利に短縮され得ると共に、かかる切削加工等により
無駄に捨てられるレンズブランク部分が可及的に少なく
抑えられ得て、コンタクトレンズを安価に且つ工業的に
有利に製造することが可能となるからである。また、図
1及び図2中、21は、雌型14の一部が凹陥して形成
された位置決め凹部であり、雄型12と雌型14とが重
ね合わされた際に、雄型12に突出形成された、図示し
ない位置決め凸部が嵌合せしめられることにより、それ
ら雄型12と雌型14とが常に一定の位置で型閉され
て、該雄型12と雌型14との間に形成される成形キャ
ビティ16が、常時、一定の位置に、安定した形状をも
って形成され得るように為すためのものである。
【0031】さらに、図1及び図2からも明らかなよう
に、型閉された雄型12と雌型14との間において、成
形用型10の縦方向(図1中、上下方向)に対向する二
つの辺縁部のうちの一方の中央には、外部に開口し、目
的とするレンズブランクを与える、後述する原料モノマ
ー液が注入される円形の注入口26が、所定深さをもっ
て形成されており、また、該一方の辺縁部における該注
入口26の形成部位を挟んだ左右両側には、外部に開口
する円形の排気口28が、それぞれ四つずつ、合計八つ
設けられている。そして、この八つの排気口28は、前
記一方の辺縁部に近接位置する八つの成形キャビティ1
6に達する深さを有しており、それら八つの成形キャビ
ティ16を外部に連通せしめて、各成形キャビティ16
内の空気を外部に排出し得るように構成されている。な
お、ここでは、注入口26が、各排気口28よりも大径
とされており、それによって、後述する如く、原料モノ
マー液を注入するためのノズルが注入口26内に容易に
挿入され得るようになっている。
【0032】また、それら型閉された雄型12と雌型1
4との間には、横断面円形形状を呈する連通路30が、
設けられている。この連通路30は、注入口26に連通
され、且つ成形用型10を、成形キャビティ16がそれ
ぞれ40個ずつ配設された右側部分と左側部分とに二分
する中心線に沿って、該成形用型10の縦方向に向かっ
て延びる、下向部位としての縦向部位32と、該縦向部
位32の先端で左右二つに分岐して延びる、分岐路部位
としての左向部位34及び右向部位36と、それら左向
及び右向部位34,36から縦方向に更に四つずつ枝分
かれし、前記成形用型10の左側部分と右側部分におい
て、前記二つの辺縁部のうちの他方に近接位置する八つ
の成形キャビティ16に向かってそれぞれ延び、且つそ
れら八つの成形キャビティ16と左向及び右向部位3
4,36とを連通する八つの枝分かれ部位38と、該他
方の辺縁部に近接位置する八つの成形キャビティ16を
先頭に、それぞれ、縦方向に並んで配置された複数の成
形キャビティ16のうちの隣り合うもの同士の間におい
て縦方向に延び、且つそれらを連通する多数のキャビテ
ィ連通部位40とから構成されている。なお、かかる連
通路30の左向部位34と右向部位36は、前記他方の
辺縁部から前記一方の辺縁部に向かって、前記縦向部位
32に垂直な平面に対して3°以上(ここでは、約10
°)の傾斜角度をもって傾斜せしめられている。
【0033】かくして、成形用型10にあっては、連通
路30が、複数の成形キャビティ16を、縦方向に並べ
られた各列毎に相互に連通せしめ、且つそれら互いに連
通された複数の成形キャビティ16を介して、前記注入
口26と排気口28とを連通状態下で接続して、構成さ
れている。そして、それによって、目的とするレンズブ
ランクを与える原料モノマー液が、注入口26から注入
された後、連通路30の縦向部位32から左向部位34
及び右向部位36を通り、各枝分かれ部位38を経て、
前記他方の辺縁部に近接位置する八つの成形キャビティ
16内に導入され、更に、それら八つの成形キャビティ
16のそれぞれから、連通路30のキャビティ連通部位
40を通じて、残りの全べての成形キャビティ16に充
填され、そして、前記一方の辺縁部に近接位置する八つ
の成形キャビティ16から排気口28内に導かれるよう
になっているのである。また、その際、注入口26、連
通路30、及び全べての成形キャビティ16内の空気
は、排気口28を通じて外部に排出されることとなる。
従って、かかる連通路30は、各成形キャビティ16内
への原料モノマー液の充填性を考慮すると、0.1mm
以上の内径を有していることが望ましく、また、排気性
の点を加味するならば、内径が0.4mm以上とされて
いることが、より望ましい。
【0034】なお、かかる成形用型10においては、そ
のような原料モノマー液の流通及び全べての成形キャビ
ティ16内への充填を行なわしめる注入口26、連通路
30、及び排気口28は、図2乃至図5からも明らかな
ように、雄型12と雌型14の互いの対向面に対して、
それぞれ連続的に延び、且つそれら注入口26、連通路
30、及び排気口28の各半分ずつを与える横断面半円
形状をもって形成された雄型側溝状凹部42と雌型側溝
状凹部44とによって、成っている。そして、ここで
は、特に、かかる雄型側溝状凹部42のうち、連通路3
0のキャビティ連通部位40を与える部分の、各成形キ
ャビティ16との接続部が、浅底とされ、且つ狭幅化さ
れた雄型側狭幅部46とされている一方、雌型側溝状凹
部42のそれと同一部分が、雄型側狭幅部46と対応し
た幅となるように狭幅化された雌型側狭幅部48とされ
ており、以て連通路30のキャビティ連通部位40にお
ける各成形キャビティ16との接続部が、該連通路30
の他の部位に比して、流路断面積が小さくなるように狭
窄化された狭窄部50として、構成されている。
【0035】而して、このような構造とされた成形用型
10を用いて、所定のレンズブランクを作製し、更にそ
の得られたレンズブランクからコンタクトレンズを製造
する際には、例えば、以下の如き操作手順に従って、そ
の作業が進められることとなる。
【0036】すなわち、先ず、図1に示されるように、
雄型12と雌型14とを、互いに重ね合わせて熱溶着
し、一体化することにより型閉して、前述の如く、それ
ら雄型12と雌型14との間に、80個の成形キャビテ
ィ16、注入口26、8個の排気口28、及び連通路3
0を、それぞれ形成する。
【0037】次いで、かくして型閉された成形用型10
を、その縦方向が上下方向に一致する状態、換言すれ
ば、80個の成形キャビティ16が上下方向と横方向と
に並んで配置されるような状態と為した後、図6に示さ
れる如く、目的とするコンタクトレンズを構成する重合
体を与える、従来と同様な原料モノマー液52を、適当
なノズル53等を通じて、注入口26から注入する。
【0038】なお、この原料モノマー液52は、一般
に、従来から用いられているラジカル重合可能な化合物
の1種若しくは2種以上が配合されてなるものである
が、また、マクロマーやプレポリマーから構成されるも
のであっても、何等差支えない。そして、そのような化
合物は、ビニル基、アリル基、アクリル基、またはメタ
クリル基を分子中に1個以上含むものであって、通常、
ハードコンタクトレンズやソフトコンタクトレンズの原
料として使用されている物質である。具体的には、アル
キル(メタ)アクリレート、シロキサニル(メタ)アク
リレート、フルオロアルキル(メタ)アクリレート、ヒ
ドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ポリエチレン
グリコール(メタ)アクリレート、多価アルコール(メ
タ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類、
スチレンの誘導体、N−ビニルラクタム等が挙げられ、
また必要に応じて、エチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト等の多官能モノマーが、架橋剤として配合せしめら
れ、更に、必要な重合開始剤、例えば熱重合開始剤、光
重合開始剤等や、増感剤等の添加剤が配合されて、原料
モノマー液52として調製される。
【0039】そして、このような原料モノマー液52
が、上述の如き注入操作により、注入口26から連通路
30の縦向部位32内を流下せしめられた後、該縦向部
位32の先端で分岐して延びる左向部位34内と右向部
位36内とを流通せしめられつつ、それらの各枝分かれ
部位38を通って、最下方に位置する八つの成形キャビ
ティ16内に導入され、更に、該八つの成形キャビティ
16から、それらのそれぞれの上方に位置する各成形キ
ャビティ16内に、連通路30のキャビティ連通部位4
0を通じて次々に導入された後、各排気口28内に導か
れる。これによって、複数の成形キャビティ16内に気
泡等が残存することなく、それら複数の成形キャビティ
16内の空気が各排気口28から外部に確実に排出され
つつ、原料モノマー液52が、各成形キャビティ16に
対して、それらを確実に満たした状態で、下方に位置す
るものから順に充填せしめられることとなる。
【0040】引き続き、各排気口28を、所定の栓等に
て液密に閉塞した後、注入口26から所定量の原料モノ
マー液52を更に注入し、その後、該注入口26も、各
排気口28と同様に液密に閉塞する。それによって、各
成形キャビティ16内の原料モノマー液52を加圧状態
と為すのである。なお、この各成形キャビティ16内の
原料モノマー液52に対する加圧操作は、何等これに限
定されるものではなく、例えば、注入口26や各排気口
28を閉塞する栓等をそれらの内方に押し込んだり、或
いはそれら注入口26及び各排気口28の閉塞状態下
で、連通路30を部分的に押し潰すように、外部から押
圧したりして、成形用型10において、原料モノマー液
52が充填される空間の全容積を減少させることによ
り、各成形キャビティ16内の原料モノマー液52に対
する加圧を行なうようにすることも、可能である。
【0041】その後、そのような原料モノマー液52の
注入操作の終了後、加圧状態とされた各成形キャビティ
16内の原料モノマー液52に対して、通常の加熱によ
る重合や、紫外線等の電磁波照射による光重合等の重合
手法に従って、重合操作を行なうことにより、図7に示
される如く、各成形キャビティ16における雄型側キャ
ビティ形成部18の内面形成面22に対応し、且つ目的
とするコンタクトレンズのベースカーブ面に近い形状と
された内面54と、雌型側キャビティ形成部20の外面
形成面24に対応し、且つ該コンタクトレンズのフロン
トカーブ面に近似する形状とされた外面56とを有する
レンズブランク58が、成形キャビティ16の数と同数
個(80個)、一挙に形成される。
【0042】なお、かかる重合操作では、注入口26内
と各排気口28内、更には連通路30の各部位内の原料
モノマー液52も重合せしめられるため、80個のレン
ズブランク52は、連通路30におけるキャビティ連通
部位40内で重合生成される連結体57にて一体的に連
結された状態で得られることとなる。また、そのような
連結体57のうち、各レンズブランク58との接続部分
は、前記連通路30におけるキャビティ連通部位40の
狭窄部50内で、それの形状に対応して、他の部位より
も小さな断面積を有する、即ち、他の部位よりも細く、
従って、接続されるレンズブランク58から容易に分離
され得る形状とされた易分離部60として、形成され
る。
【0043】さらに、このようにして得られたレンズブ
ランク58に対しては、必要に応じて、加熱処理、所謂
焼入れ処理が施され、レンズブランク58中に残存する
未反応モノマーの重合を進行せしめ、以てレンズブラン
クを与える原料モノマー液52の重合の完結を図ると共
に、そのようなレンズブランク58に内在する残留歪み
(応力)の更なる緩和や曇りの除去が図られることとな
る。
【0044】次いで、図8に示される如く、雄型12と
雌型14とを剥離して、型開することにより、各成形キ
ャビティ16内でそれぞれ形成された複数のレンズブラ
ンク58を離型させる。その際、離型された複数のレン
ズブランク58は、連結体57にて一体的に連結された
状態で離型されることとなるが、かかる離型操作の最中
に、或いはその操作後に、連結体57の易分離部60に
おいて、該連結体57から分離することにより、それら
複数のレンズブランク58が1個1個独立した状態で容
易に得られることとなる。
【0045】なお、雄型12と雌型14との熱溶着によ
る結合強度が大きく、それらの剥離による型開が容易に
行なわれ得ない場合には、図9に示されるように、雌型
14における各雌型側キャビティ形成部20の外面を、
手指等にて、一つずつ押圧して、各成形キャビティ16
内で形成されたレンズブランク58にて雄型12におけ
る各雄型側キャビティ形成部18を突き破り、それぞれ
のレンズブランク58を各成形キャビティ16内から取
り出して、離型させるようにしても良い。その際、各レ
ンズブランク58が、それらを一体的に連結する連結体
57から、その易分離部60において分離(切断)さ
れ、それによって、80個のレンズブランク58が、そ
れぞれ独立した状態で、離型せしめられる。また、雄型
12における各雄型側キャビティ形成部18の外面を押
圧することにより、各成形キャビティ16内のレンズブ
ランク58にて雌型14の各雌型側キャビティ形成部2
0を突き破って、該レンズブランク58を離型させるよ
うに為すことも、勿論可能である。
【0046】その後、かくして得られたレンズブランク
58を用い、前記連結体57に対する被連結部位として
のエッジ部53に対する切削乃至は研磨加工や、内面5
4に対するベースカーブ面の切削加工、或いは外面56
に対するフロントカーブ面の切削加工等の仕上げ加工
を、従来より公知の方法や特願平9−206743号に
記載の方法等により行なう。これによって、目的とする
コンタクトレンズを得るのである。
【0047】このように、本実施形態においては、単
に、型閉状態とされた成形用型10の注入口26から原
料モノマー液52を注入するだけで、80個の成形キャ
ビティ16の全べてに原料モノマー液52が充填され、
そして、かかる充填状態下で、公知の重合手法にて原料
モノマー液52が重合されることによって、80個のレ
ンズブランク58が一挙に形成されるようになっている
ことから、成形キャビティを一つしか有しない従来の成
形用型を用いる場合に比して、レンズブランク58、ひ
いてはコンタクトレンズが、優れた生産効率をもって、
極めて大量に且つ容易に作製され得る。
【0048】しかも、本実施形態にあっては、そのよう
にして作製される80個のレンズブランク58のそれぞ
れが、目的とするコンタクトレンズのベースカーブ面や
フロントカーブ面に近い形状の内面54や外面56を有
し、全体として、該コンタクトレンズに近似する形状を
もって構成されるところから、かかるレンズブランク5
8に対する切削加工等による仕上げ加工時に無駄に捨て
られてしまう部分が可及的に少なくされ得て、レンズブ
ランク58及びコンタクトレンズの製造時における材料
コストの低減が効果的に図られ得ると共に、材質や品質
にバラツキのない均質なコンタクトレンズが有利に得ら
れる。
【0049】また、本実施形態では、成形用型10の各
成形キャビティ16内に、原料モノマー液52が加圧状
態で充填されるようになっていることから、各成形キャ
ビティ16内で、原料モノマー液52の重合収縮が生ぜ
しめられても、それによって、ヒケ等の成形不良が生ず
ることが可及的に回避され得、以て所望の形状を有する
レンズブランク58が、常時、安定的に形成され得る。
【0050】さらに、本実施形態においては、成形用型
10が、複数の成形キャビティ16を上下方向と横方向
とに並んで配置せしめた状態で使用されて、注入口26
から注入される原料モノマー液52が、それら複数の成
形キャビティ16に対して、それらを確実に満たした状
態で、下方に位置するものから順に充填されるようにな
っていることから、形成されるレンズブランク58にお
いて、各成形キャビティ16内への原料モノマー液52
の充填不足による欠け等の成形不良が惹起されるような
ことも、有利に防止され得る。
【0051】また、かかる本実施形態にあっては、成形
用型10の上述の如き使用状態下で、原料モノマー液5
2が、先ず、注入口26から連通路30の縦向部位32
にて下方に流通せしめられ、その後、水平方向に対して
3°以上の角度で上傾せしめられて形成された、連通路
30の左向部位34と右向部位36内を流通せしめられ
た後、各成形キャビティ16内に導かれるようになって
いるところから、原料モノマー液52が、上下方向と横
方向に並ぶ複数の成形キャビティ16内にバランス良く
均一に充填され得ると共に、それら複数の成形キャビテ
ィ16内の空気が、各排気口28を通じてより良好に排
気され得る。
【0052】さらに、本実施形態にあっては、複数の成
形キャビティ16を互いに連通せしめる連通路30のキ
ャビティ連通部位40において形成される連結体57に
て、成形される複数のレンズブランク58が一体的に連
結された状態で得られることとなるものの、かかるキャ
ビティ連通部位40の狭窄部50において形成される易
分離部60により、それら複数のレンズブランク58
が、個々のものに容易に分離され得るようになっている
ことから、大量のレンズブランク58が、個々のものに
分離された状態で、より手間なく簡単に得られることと
なる。
【0053】さらに、本実施形態においては、成形用型
10の雄型12と雌型14とが、薄い樹脂フィルムから
構成されているため、それら雄型12と雌型14とを与
える樹脂材料の使用量が有利に節約され得て、成形用型
10の製造コストが効果的に低減され得るばかりでな
く、各成形キャビティ16を形成する雄型12の雄型側
キャビティ形成部18と雌型14の雌型側キャビティ形
成部20も有利に薄肉とされ得て、それらの部位の光透
過性が十分に確保され得、それによって、各成形キャビ
ティ16内の原料モノマー液52に対する重合手法とし
て、紫外線等の電磁波照射による光重合が採用される場
合に、かかる光重合が、極めて安定的に且つ良好に行な
われ得ることとなる。
【0054】更にまた、さらに、かかる本実施形態で
は、雄型12と雌型14とが、熱溶着により一体化され
て、型閉されているところから、それらの型閉操作が比
較的に容易に為され得る利点がある。
【0055】以上、本発明の具体的な構成について詳述
してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないのであっ
て、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも受
けるものではない。
【0056】例えば、前記実施形態では、型閉された雄
型12と雌型14との間に、成形キャビティ16が、縦
横の整然と配置された状態で、80個形成されていた
が、かかる成形キャビティ16の配置形態や配設個数
は、何等これに限定されるものではなく、雄型12及び
雌型14の大きさ等に応じて、適宜に選択され得るもの
である。
【0057】また、前記実施形態では、注入口26と排
気口28とが、成形用型10の同一の辺縁部に設けられ
ていたが、それらを互いに異なる辺縁部に設けるように
しても良い。なお、そのような構成とされた成形用型
は、成形キャビティが水平方向に並んで配置される状態
で、使用されることとなる。
【0058】さらに、それら注入口26と排気口28の
配設個数も、前記実施形態に示されるものに、何等限定
されるものではない。
【0059】更にまた、前記実施形態では、注入口26
から注入された原料モノマー液52を複数の成形キャビ
ティ16内に導入し、更に排気口28に導く連通路30
が、注入口26から真っ直ぐ縦に延びる縦向部位32
と、その先端で左右に分岐して延びる左向部位34及び
右向部位36と、それらから更に枝分かれして、所定の
成形キャビティ16に向かって延びる、複数の枝分かれ
部位38と、複数の成形キャビティ16のうち、互いに
縦方向に隣り合うもの同士を連通するキャビティ連通部
位40とにて、構成されていたが、かかる連通路30
は、複数の成形キャビティ16の配置形態や、注入口2
6及び排気口28の配設位置及び配設個数等によって種
々変更され得るものである。
【0060】また、かかる連通路30の横断面形状も、
前記実施形態に示されるものに決して限定されるもので
はなく、例えば、連通路30の横断面形状が、多角形形
状や真円形状、楕円形状等であっても、何等差し支えな
い。
【0061】さらに、連通路30のキャビティ連通部位
40に設けられた、易分離部形成部としての狭窄部50
の形状も、前記実施形態に示されるものに特に限定され
るものではなく、流路断面積が他の部位に比して小さく
なるものであれば、如何なる形状も採用され得のであ
り、例えば、雄型側溝状凹部42の形状と雌型側溝状凹
部44の形状とを取り換えて、狭窄部50を構成するよ
うにしても良い。
【0062】更にまた、前記実施形態では、雄型12と
雌型14とが、薄いフィルムから成っていたが、雄型1
2と雌型14の何れか一方を薄いフィルムにて構成する
一方、それらの何れか他方を厚肉の樹脂型にて構成して
も良く、また、雄型12と雌型14の両方を厚肉の樹脂
型にて構成することも可能である。なお、雄型12や雌
型14を厚肉の樹脂型にて構成する場合には、切削加工
や射出成形等によって、それら雄型12や雌型14が容
易に得られ、以て厚肉の樹脂型からなる雄型12や雌型
14に対して、微細な成形キャビティを与えるキャビテ
ィ形成部が、所定の形状をもって、確実に且つ容易に形
成され得る。
【0063】また、特に、雄型12と雌型14の両方
が、厚肉の樹脂型からなる場合にあっては、前記実施形
態に例示されるように、それら雄型12と雌型14とを
熱溶着したり、所定の接着剤層を介して接着したりし
て、型閉することも可能であるが、例えば、図10及び
図11に示される如く、雄型12の雌型14との対向面
に、深くなるに従って次第に狭幅となる溝状の嵌合凹部
62を設ける一方、雌型14の雄型12との対向面に、
雄型12の嵌合凹部62に対応した形状の突条形態を有
し、該嵌合凹部62に対して圧入嵌合な嵌合凸部64を
設けて、かかる嵌合凸部64を嵌合凹部62内に圧入嵌
合せしめつつ、雄型12と雌型14とを互いに重ね合わ
せた状態下で、それら雄型12と雌型14とを貫通して
形成されたネジ孔66にネジ68を螺入して、雄型12
と雌型14とを機械的に結合せしめることにより、型閉
するように為すことも可能である。これによって、ネジ
68のネジ孔66に対する螺入、螺脱(締緩)により、
雄型12と雌型14の型閉、型開が容易に為され得、し
かも、かかるネジ68の締付けに伴う雄型12と雌型1
4の歪みに起因する成形キャビティ16内からの原料モ
ノマー液の液漏れも有利に防止され得る。
【0064】さらに、雄型12と雌型14とを樹脂フィ
ルムや厚肉の樹脂型にて構成する場合、それらを与える
樹脂材料として、有利には、前記実施形態において示さ
れる如き樹脂材料のうちから適宜に選択されたものが、
使用されることとなるが、熱溶着により一体的に結合さ
れる雄型12と雌型14の構成材料としては、型開時の
それら雄型12と雌型14との剥離性を考慮して、ポリ
プロピレンやポリエチレンを使用することが望ましく、
また、原料モノマー液52の熱重合によってレンズブラ
ンク58を生成する雄型12と雌型14の構成材料とし
ては、耐熱性の点で、ポリプロピレンやポリエチレンテ
レフタレートが有利に使用される。尤も、60℃以下の
温度での熱重合では、それらポリプロピレンとポリエチ
レンテレフタレートに加えて、ポリエチレンも有利に使
用され得ることとなる。
【0065】また、雄型12と雌型14を与える材料
は、上述の如き樹脂材料に何等限定されるものではな
く、その他、ガラス材料等も、好適に用いられる。な
お、その場合、雄型と雌型14は、何れも、厚い肉厚を
もって構成されることとなる。
【0066】さらに、前記実施形態では、複数の成形キ
ャビティ16のキャビティ面を与える雄型側キャビティ
形成部18の内面形成面22と雌型側キャビティ形成部
20の外面形成面24とが、それぞれ、目的とするコン
タクトレンズのベースカーブ面とフロントカーブ面とに
それぞれ近似した形状をもって構成されていたが、それ
ら雄型側キャビティ形成部18の内面形成面22と雌型
側キャビティ形成部20の外面形成面24の少なくとも
一方を、コンタクトレンズのベースカーブ面またはフロ
ントカーブ面に対応した形状を呈するように構成するこ
とも、可能である。このような構成によれば、レンズブ
ランク58が、ベースカーブ面と同一形状の内面54、
またはフロントカーブ面と同一形状の外面56をもって
成形され得、それによって、かかるレンズブランク58
からコンタクトレンズを作製する際に、レンズブランク
58に対して行なわれるベースカーブ面またはフロント
カーブ面の切削加工が有利に省略され得るのであり、そ
の結果として、目的とするコンタクトレンズがより一層
効率的に製造され得ることとなる。
【0067】さらに、前記実施形態では、複数の成形キ
ャビティ16内に、原料モノマー液52が加圧状態下で
充填されるようになっていたが、それら複数の成形キャ
ビティ16内に、気泡等が残存することなく、原料モノ
マー液52が確実に満たされた状態で充填されておれ
ば、必ずしも、各成形キャビティ16内の原料モノマー
液52を加圧状態と為す必要はない。
【0068】また、各成形キャビティ16内の原料モノ
マー液52を加圧しない場合にあっても、各成形キャビ
ティ16内に充填された原料モノマー液52を重合せし
める前に、注入口26と各排気口28を所定の栓等にて
液密且つ気密に閉塞することが望ましい。それによっ
て、各成形キャビティ16内の原料モノマー液52が、
注入口26や各排気口28を通じて、大気中に揮発する
ようなことが有利に阻止され得ると共に、それら注入口
26や各排気口28から成形キャビティ内に大気が侵入
して、かかる大気中の酸素と、各成形キャビティ16内
の原料モノマー液52とが接触せしめられて、形成され
るレンズブランク58が黄変したり、或いは重合不良が
生じたりするようなことが、効果的に回避乃至は抑制さ
れ得る。
【0069】なお、そのように、各成形キャビティ16
内の原料モノマー液52の酸素との接触を回避するため
には、上述の如き方法の他、例えば、成形用型10の注
入口26と各排気口28に対して、脱酸素を目的とした
ガス置換を実施し、各成形キャビティ16内の原料モノ
マー液52を脱酸素雰囲気中で重合することも有効であ
り、また、注入口26や各排気口28のそれぞれの開口
端縁部から、それらに最も近い位置に配設された成形キ
ャビティ16までの距離(図1中、mにて示される寸
法)を、好ましくは5mm以上、より好ましくは10m
m以上、更に好ましくは15mm以上に設定して、注入
口26や各排気口28を通じて侵入する大気中の酸素
が、それらの開口端縁部から成形キャビティ16までの
間に存在する原料モノマー液52に接触しても、成形キ
ャビティ16内の原料モノマー液52とは接触しないよ
うにすることも有効である。
【0070】加えて、前記実施形態では、コンタクトレ
ンズの製造に用いられるレンズブランク、即ち内面と外
面の両面に対する切削加工を含む仕上げ加工が施される
ことによりコンタクトレンズと為される眼用レンズ材料
の成形用型に対して、本発明を適用したものの具体例を
示したが、本発明は、その他、内面と外面の何れか一面
のみに対する切削加工を含む仕上げ加工が施されること
により、或いは、そのような内面や外面に対する切削加
工は何等要しないものの、エッジ部に対する切削加工や
研磨加工等が行なわれることにより、それぞれ、コンタ
クトレンズと為される眼用レンズ材料の成形用型、更に
は、眼内レンズ等、コンタクトレンズ以外の眼用レンズ
を与える、上記と同様な眼用レンズ材料の成形用型の何
れに対しても、有利に適用され得るものであることは、
勿論である。
【0071】その他、一々列挙しないが、本発明は、当
業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良を加え
た形態において実施され得るものであり、また、そのよ
うな実施形態が、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおい
て、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであること
が、理解されるべきである。
【0072】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に従う眼用レンズ材料の成形用型を用いれば、均一な材
質や品質等を有する眼用レンズ材料が、優れた生産効率
をもって、大量に且つ安価に製造され得るのであり、ま
た、本発明に従う眼用レンズの製造方法によれば、かか
る眼用レンズ材料から、目的とする眼用レンズを、極め
て工業的に有利に製造することが出来るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従うレンズブランク成形用型の一例に
おける型閉状態を示す正面説明図である。
【図2】図1におけるA矢視拡大説明図である。
【図3】図1の III−III 断面における要部拡大断面説
明図である。
【図4】図1のIV−IV断面における要部拡大断面説明図
である。
【図5】図1における要部拡大説明図である。
【図6】図1に示されたレンズブランク成形用型を用い
た、本発明に従うコンタクトレンズの製造方法の一工程
を示す、一部切欠図を含む説明図であって、注入口から
原料モノマー液を注入した状態を示す。
【図7】原料モノマー液を注入した後、それを重合させ
て、レンズブランクを生成せしめた状態を示す要部拡大
断面説明図である。
【図8】図6において得られたレンズブランクを離型せ
しめた状態を示す要部拡大断面説明図である。
【図9】図6において得られたレンズブランクの別の離
型状態を示す要部拡大断面説明図である。
【図10】本発明に従うレンズブランク成形用型の別の
例を示す、図1に対応する図である。
【図11】図10におけるXI−XI断面拡大説明図であ
る。
【符号の説明】
10 レンズブランク成形用型 12 雄型 14 雌型 16 成形キャビ
ティ 18 雄型側キャビティ形成部 20 雌型側キャ
ビティ形成部 26 注入口 28 排気口 30 連通路 50 狭窄部 52 原料モノマー液 57 連結体 58 レンズブランク 60 易分離部

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 型閉された第一の型と第二の型との間に
    形成される実質的に密閉された構造の成形キャビティ内
    に、原料モノマー液を充填して、重合せしめることによ
    り、眼用レンズを与え得る大きさの眼用レンズ材料を成
    形する成形用型にして、 前記型閉された第一の型と第二の型との間に、前記成形
    キャビティを複数形成すると共に、前記原料モノマー液
    が注入せしめられる注入口と、前記成形キャビティから
    の排気を行ない得る排気口とを形成する一方、該複数の
    成形キャビティを互いに連通し、且つそれら互いに連通
    された複数の成形キャビティを介して、該注入口と該排
    気口とを接続せしめる連通路を設けて、該注入口から注
    入された原料モノマー液が、該連通路を通じて該複数の
    成形キャビティ内にそれぞれ充填させられつつ、前記排
    気口に導かれ得るように構成したことを特徴とする眼用
    レンズ材料の成形用型。
  2. 【請求項2】 前記第一の型と前記第二の型の少なくと
    も一方が、樹脂フィルム若しくは厚肉の樹脂型からな
    り、かかる樹脂フィルム若しくは厚肉の樹脂型が、他方
    の型に対して重ね合わされて、一体的に結合乃至は固定
    されることにより、それら樹脂フィルム若しくは厚肉の
    樹脂型間に前記複数の成形キャビティを形成しつつ、型
    閉されるようになっている請求項1に記載の眼用レンズ
    材料の成形用型。
  3. 【請求項3】 前記第一の型と第二の型との一体的な結
    合乃至は固定が、それら第一の型と第二の型との熱溶着
    により実現されている請求項2に記載の眼用レンズ材料
    の成形用型。
  4. 【請求項4】 前記第一の型と第二の型の少なくとも何
    れか一方に、接着剤からなる接着剤層が設けられ、それ
    ら第一の型と第二の型との一体的な結合乃至は固定が、
    該接着剤層を介した該第一の型と該第二の型との接着に
    より実現されるようになっている請求項2に記載の眼用
    レンズ材料の成形用型。
  5. 【請求項5】 前記厚肉の樹脂型からなる第一の型と第
    二の型との一体的な結合乃至は固定が、それら第一の型
    と第二の型との機械的な固定により実現されている請求
    項2に記載の眼用レンズ材料の成形用型。
  6. 【請求項6】 前記厚肉の樹脂型からなる第一の型と第
    二の型との機械的な固定が、第一の型に設けられた嵌合
    凹部に対する、第二の型に設けられた嵌合凸部の嵌合
    と、それら第一の型と第二の型のネジ止めとにて、行な
    われるようになっている請求項5に記載の眼用レンズ材
    料の成形用型。
  7. 【請求項7】 前記第一の型と前記第二の型との間に、
    前記複数の成形キャビティが上下方向に並んで配置せし
    められて形成される一方、前記注入口と前記排気口とが
    それら第一及び第二の型の上端部において開口するよう
    にそれぞれ形成され、更に、前記連通路が、該注入口か
    ら注入される前記原料モノマー液を、該複数の成形キャ
    ビティに対して、下方に位置するものから順に充填せし
    め得るように形成されている請求項1乃至請求項6の何
    れかに記載の眼用レンズ材料の成形用型。
  8. 【請求項8】 前記複数の成形キャビティが、上下方向
    に並んで配置され、且つ前記連通路の、前記注入口から
    下方に向かって延びる下向部位を挟んで、その両側に並
    列して位置するように形成される一方、該複数の成形キ
    ャビティのうち、各列の最も下方に位置する成形キャビ
    ティのそれぞれに向かって、該連通路の下向部位の下端
    から横方向に分岐して延びる分岐路部位が、上傾して形
    成されている請求項7に記載の眼用レンズ材料の成形用
    型。
  9. 【請求項9】 前記連通路の上傾する分岐路部位が、水
    平面に対して3°以上の傾斜角度をもって設けられてい
    る請求項8に記載の眼用レンズ材料の成形用型。
  10. 【請求項10】 前記複数の成形キャビティのそれぞれ
    における、前記第一の型にて与えられるキャビティ面及
    び/又は前記第二の型にて与えられるキャビティ面が、
    前記眼用レンズのベースカーブ面及び/又はフロントカ
    ーブ面に対応した形状を有して構成されて、前記原料モ
    ノマー液の重合により、前記眼用レンズ材料に対して眼
    用レンズのベースカーブ面及び/又はフロントカーブ面
    が形成されるようになっている請求項1乃至請求項9の
    何れかに記載の眼用レンズ材料の成形用型。
  11. 【請求項11】 前記連通路が、前記複数の成形キャビ
    ティ内において形成される眼用レンズ材料を容易に分離
    可能と為す易分離部を形成する易分離部形成部を有して
    いる請求項1乃至は請求項10の何れかに記載の眼用レ
    ンズ材料の成形用型。
  12. 【請求項12】 前記連通路の易分離部形成部が、該連
    通路の他の部位に比して流路断面積が小さくされた部位
    にて構成されている請求項11に記載の眼用レンズ材料
    の成形用型。
  13. 【請求項13】 眼用レンズを与え得る大きさの眼用レ
    ンズ材料を用いて、目的とする眼用レンズを製造する方
    法にして、 請求項1乃至請求項12の何れかに記載の、第一の型と
    第二の型とからなる成形用型を準備する工程と、 かかる成形用型の型閉状態下で外部に開口して形成され
    る注入口から、前記眼用レンズ材料を構成する重合体を
    与える原料モノマー液を注入して、前記第一の型と第二
    の型との間に形成される複数の成形キャビティに連通す
    る連通路を通じて、該複数の成形キャビティのそれぞれ
    に、該原料モノマー液を充填せしめる工程と、 前記複数の成形キャビティ内に充填された原料モノマー
    液を重合せしめることにより、前記眼用レンズ材料を複
    数個成形する工程と、 該成形された複数の眼用レンズ材料のそれぞれに対して
    仕上げ加工を施して、各眼用レンズ材料を目的とする眼
    用レンズと為す工程とを、含むことを特徴とする眼用レ
    ンズの製造方法。
  14. 【請求項14】 前記複数の成形キャビティ内に充填さ
    れた原料モノマー液を重合せしめる前に、前記成形用型
    の注入口と排気口とをそれぞれ気密に封止するようにし
    た請求項13に記載の眼用レンズの製造方法。
  15. 【請求項15】 前記成形用型の注入口と排気口に対し
    て、脱酸素を目的としたガス置換を実施し、前記原料モ
    ノマー液を脱酸素雰囲気中で重合せしめるようにした請
    求項13または請求項14に記載の眼用レンズの製造方
    法。
  16. 【請求項16】 前記複数の成形キャビティのそれぞれ
    に充填された原料モノマー液を加圧した後、重合せしめ
    るようにした請求項13乃至請求項15の何れかに記載
    の眼用レンズの製造方法。
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