JP2000060148A - スイッチングモジュールおよび電力変換装置 - Google Patents

スイッチングモジュールおよび電力変換装置

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JP2000060148A
JP2000060148A JP10230779A JP23077998A JP2000060148A JP 2000060148 A JP2000060148 A JP 2000060148A JP 10230779 A JP10230779 A JP 10230779A JP 23077998 A JP23077998 A JP 23077998A JP 2000060148 A JP2000060148 A JP 2000060148A
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conductor
wiring
switching
conductors
switching module
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Masaya Inoue
正哉 井上
Takeshi Oi
健史 大井
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Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 並列スイッチング素子間の分流が均等で、配
線のインダクタンスが低く、かつ直流側と交流側の入出
力を同じ側に接続できるようにする。 【解決手段】 近接平行配置した第2、第3の配線導体
36、37で折り返し配線導体を構成し、折り返し部5
とは反対側の端部で、第1、第2の配線導体35、36
に外部接続用の端子部41、43を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複数のスイッチ
ング素子を並列に用いて構成したスイッチングモジュー
ル、およびこのスイッチングモジュールを用いて構成し
た交直流間の電力変換装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インバータ、コンバータなどの電力変換
装置において、スイッチング素子によって大電流を制御
する場合には、スイッチング素子の並列接続が要求され
る。この場合、各素子の電流が不均等に流れると素子破
壊の原因となるため、電流の分流の均等化が必要であ
る。図20に電力変換装置の回路例としてその結線図を
示す。図において、1は上アーム、2は下アームで、そ
れぞれ3つずつスイッチング素子11〜13、21〜2
3が並列になって構成されている。31〜34は配線導
体、41,42は直流側の端子部、43は交流側の端子
部である。図20に示した回路をいくつか組み合わせ
て、単相または多相の電力変換装置を構成する。
【0003】図21は、例えば特開平6−261556
号公報に示された従来の電力変換装置の平面図であり、
配線導体31で上アーム1のスイッチング素子11〜1
3のコレクタ端子を共通に接続して直流側の一方の端子
部41へ引き出し、配線導体32で下アーム2のスイッ
チング素子21〜23のエミッタ端子を共通に接続して
直流側の他方の端子部42へ引き出している。また、配
線導体33でスイッチング素子11〜13のエミッタ端
子を共通に接続し、配線導体34でスイッチング素子2
1〜23のコレクタ端子を共通に接続して、ともに交流
側の端子部43へ引き出している。直流側の端子部4
1,42と交流側の端子部とは反対側に分かれて配置さ
れている。
【0004】次に、動作について説明する。直流側の端
子部41,42が図示しない直流電源に接続され、交流
側の端子部43は図示しない負荷に接続されている。上
アーム1のスイッチング素子11〜13がオン、下アー
ム2のスイッチング素子21〜23がオフのとき、図2
0中の矢印Aの方向へ電流が流れ、モータなどの交流側
の負荷に電流が流出する。逆に、上アーム1のスイッチ
ング素子11〜13がオフ、下アーム2のスイッチング
素子21〜23がオンになると、図20中の矢印Bの方
向へ電流が流入して交流負荷に流れる電流の極性は反転
する。通常は本回路を端子部41,42間に複数配置し
て多相インバータなどの電力変換装置として用い、複数
の端子部43間から交流電力を得る。
【0005】ここで、回路を構成する配線導体31〜3
4の配線インダクタンスLが大きいと、スイッチング素
子のオフと同時に、逆起電力−Ldi/dtが発生し、
スイッチング素子に高圧が発生して素子破壊の原因とな
るため、配線インダクタンスの低減が求められている。
また、素子の分流が均等化されない場合においては、一
部の素子に電流の負担が偏り、素子破壊などの原因とな
るため、素子の電流を均等に分流することも求められて
いる。図21の場合、直流側の端子部41から交流側の
端子部43の電流路、交流側の端子部43から直流側の
端子部42への電流路において各並列になったスイッチ
ング素子11〜13あるいは21〜23に対する回路の
配線長を等しくして分流を均等化している。同時に直流
側の端子41,42と交流側の端子43の距離をできる
だけ短くして配線を短くすることで配線インダクタンス
も低減している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このように
構成された電力変換装置の配線においては、上記分流の
均等化のために、交流側の端子部と直流側の端子部はス
イッチング素子を挟んで両側に配置せねばならない。そ
のためインバータなどの電力変換装置において配置制約
上、交流、直流の双方を同じ側とする場合には、交流側
の端子部から別途導体によって直流側へ導く必要があ
る。この際に交流側の端子部が高電圧の場合には絶縁距
離を確保する必要があり機器が大型化してしまうという
問題があった。また、配線インダクタンスについては、
上記従来例でも比較的配線回路は低いものの、近年IG
BT素子に代表されるスイッチング素子の大電流化、高
速化にともなって更なる低インダクタンス化が要求され
ているという課題もあった。低インダクタンス化には、
直流側、交流側の両端子部をスイッチング素子の並び方
向の同一側に設けるのが有利であるが、そうすると、ス
イッチング素子間の電流の分流が不均一になるという問
題があった。そこで本発明は、直流側、交流側がスイッ
チング素子の並び方向の同一側から入出力可能であると
同時に、電流が並列素子間に均等に分流し、さらに低イ
ンダクタンスであるスイッチングモジュールおよび電力
変換装置を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係るスイッチ
ングモジュールは、並列に整列して設置され、端子が一
つの端子配置平面上に配置された複数のスイッチング素
子と、複数のスイッチング素子の一方の端子を共通に接
続する第1の配線導体と、この第1の配線導体に近接し
て平行に配置された折り返し配線導体を備え、この折り
返し配線導体は、複数のスイッチング素子の他方の端子
を共通に接続する第2の配線導体と、第2の配線導体に
近接して平行に配置された第3の配線導体と、スイッチ
ング素子の並び方向の一方側の第2、第3の配線導体の
端部を互い接続する折り返し部とからなり、スイッチン
グ素子の並び方向の他方側の第1、第3の配線導体の端
部にそれぞれ外部接続用の端子部を備えたものである。
【0008】請求項2に係るスイッチングモジュール
は、請求項1記載のものにおいて、第1の配線導体は端
子配置平面に垂直な第1の平板導体部を有し、第2の配
線導体は端子配置平面に平行な平板導体であり、第3の
配線導体は端子配置平面に垂直な第2の平板導体部と端
子配置平面に平行な第3の平板導体部とからなる断面が
L字状の導体であり、かつ、第1の平板導体部と第2の
平板導体部、および第2の配線導体と第3の平板導体部
がそれぞれ近接して平行に配置されたものである。請求
項3に係るスイッチングモジュールは、請求項1記載の
ものにおいて、第1、第2の配線導体はそれぞれ端子配
置平面に垂直な第1、第4の平板導体部を有し、第3の
配線導体は端子配置平面に垂直な平板導体であり、か
つ、第1の平板導体部と第4の平板導体部、および第4
の平板導体部と第3の配線導体がそれぞれ近接して平行
に配置されたものである。
【0009】請求項4に係るスイッチングモジュール
は、請求項2または請求項3記載のものにおいて、導体
板を折りまげて、折り返し部を作成したものである。請
求項5に係るスイッチングモジュールは、請求項2また
は請求項3記載のものにおいて、第2,第3の配線導体
の端部間に導体片を挿入して、折り返し部作成したもの
である。請求項6に係るスイッチングモジュールは、請
求項2または請求項3記載のものにおいて、第2、第3
の配線導体の間に、絶縁シートを挿入したものである。
請求項7に係るスイッチングモジュールは、請求項6記
載のものにおいて、絶縁シートの両面側に、接着層を設
けたものである。
【0010】請求項8に係るスイッチングモジュール
は、請求項2または請求項3記載のものにおいて、第
1、第2の配線導体の間を絶縁する断面がT字状の絶縁
体を設け、絶縁体のT字脚部を第1、第2の配線導体の
間に挿入するとともに、絶縁体のT字頭部をスイッチン
グ素子の方へ第1、第2の配線導体の間から突出させ、
絶縁体のT字頭部を第1、第2の配線導体から離隔した
ものである。請求項9に係るスイッチングモジュール
は、請求項8記載のものにおいて、複数のスイッチング
素子を収納するケースを設け、このケースに絶縁体のT
字脚部を埋め込んだものである。請求項10に係る電力
変換装置は、請求項1から請求項9のいずれかに記載の
スイッチングモジュールを上アーム、下アームとして用
いて構成したものである。
【0011】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1はこの発明の
実施の形態1のスイッチングモジュールを示す斜視図で
あり、図20の結線図の上アーム1に相当する。図1に
おいて、11〜13は並列に接続されて同時にオン、オ
フするスイッチング素子である。3はスイッチング素子
11〜13からなる素子モジュールで、スイッチング素
子3個を一つにまとめたものである。内部には図におい
て左右方向に3つのスイッチング素子11〜13が並ん
で収納されている。14〜19はスイッチング素子11
〜13の各端子であり、端子14〜16が一列に配列さ
れるとともに、端子17〜19が一列に配列され、全端
子14〜19が同一の平面、つまり端子配置平面4上に
配置されている。ここで例えば、スイッチング素子をI
GBTなど半導体素子とすると、端子14、17がスイ
ッチング素子11の一組のコレクタ端子とエミッタ端子
となる。同様に端子15、18、および端子16、19
がそれぞれスイッチング素子12、13の一組の端子と
なる。
【0012】35、36、37は第1、第2、第3の配
線導体、351は端子配置平面4に垂直な第1の平板導
体部、352は端子配置平面4に平行な第5の平板導体
部であり、第1、第5の平板導体部351、352が一
体になって、断面がL字状の第1の配線導体35を構成
している。第5の平板導体部352は端子14〜16を
共通に接続しているが、図では見易いように第1〜第3
の配線導体35〜37を上方へ離して示している。第2
の配線導体36は端子配置平面4と平行な平板導体であ
り、端子17〜19を共通に接続している。371は端
子配置平面4に垂直な第2の平板導体部、372は端子
配置平面4に平行な第3の平板導体部であり、第2、第
3の平板導体部371、372が一体になって、断面が
L字状の第3の配線導体を構成している。そして、第
1、第2の平板導体部351、371が互いに接近して
平行に配置されるとともに、第2の配線導体36と第3
の平板導体部372が近接して平行して配置されてい
る。
【0013】5は第2の配線導体36と第3の平板導体
部372の端部同士を接続する折り返し部であり、スイ
ッチング素子11〜13の並び方向の一方側、図では左
側端に設けられている。41、43は外部接続用の直流
側および交流側の端子部であり、スイッチング素子11
〜13の並び方向の他方側、図では右側端に設けられて
いる。第2、第3の配線導体36、37と折り返し部5
で折り返し配線導体を構成している。
【0014】図2は、図1のスイッチングモジュールの
配線を簡略化して表した説明図であり、この図により電
流の流れを説明する。直流側の端子部41から流入した
電流は、スイッチング素子11〜13を通って交流側の
端子部43から流出する。このとき、端子部41−第1
の配線導体35−端子14−端子17−第2の配線導体
36−折り返し部5−第3の配線導体37−端子部43
の経路も、端子部41−端子15−端子18−折り返し
部5−端子部43の経路も、端子部41−端子16−端
子19−折り返し部5−端子部43の経路も全て同じ長
さになる。そのため、配線長に起因する配線抵抗を等し
くできる。
【0015】さらに、端子部41、43からの流入出の
電流量の和は0であり、例えば断面A1−A2において
も、断面B1−B2においても、断面C1−C2におい
ても、断面を通過する電流量の和は0である。同時に第
1、第2、第3の配線導体35、36、37は近接した
平行平板導体を用いて構成しているので、各配線導体の
電流により生じる磁束が互いに打ち消し合って、極めて
低インダクタンスになり、さらに、単位長さ当たりのイ
ンダクタンスもほぼ一定にすることもできる。このよう
に、各スイッチング素子11〜13を通る電流の経路の
抵抗、インダクタンスを等しくでき、また配線インダク
タンスの大きさも小さくできるので、各スイッチング素
子11〜13間の電流の分流を均等化できるとともに、
スイッチング素子がオフしたときの跳ね上がり電圧を抑
制することが可能になる。また、交流側と直流側の端子
部41、43を同じ側へ配置したので、導体端子位置の
集約により電力変換装置の小型化、メンテナンス性向上
などの効果も得られる。
【0016】次に、折り返し部5の構成について説明す
る。図3は折り返し部5を示す斜視図であり、分かり易
くするため各部材が分離して示されているが、実際は一
体になっている。6は第2の配線導体36と第3の平板
導体部372との端部間に設けられた導体片としての接
続部導体であり、接続部導体6と第2の配線導体36、
第3の平板導体部372とは互いに接合している。第2
の配線導体36および第3の平板導体部372の板厚が
薄い場合は、両者を共通の平板導体から折り曲げて製作
することにより、その曲げ部分を折り返し部5として形
成することができる。しかし、両者の板厚が厚くて折り
曲げが困難な場合は、図3の構成が適している。
【0017】図4は上記の3つの部材の接合の方法を示
す斜視図である。7は接合用のねじであり、接続部導体
6は第2の配線導体36に対してろう付け8により接合
されている。同時に接続部導体6にねじ穴を設けて第3
の平板導体部372を貫通する方向Cにねじ7を締め付
けることにより、接続部導体6と第3の平板導体372
を接合する。この接合はろう付け8の代わりに、ねじ7
によって第2の配線導体36、第3の平板導体372、
接続部導体6を同時に接合するようにしてもよい。
【0018】図5は素子モジュールへの配線導体の取り
付け方法を示す斜視図で、9は取り付け用のねじであ
る。スイッチング素子の各端子14〜19の部分にはね
じ穴が形成されている。まず、第2の配線導体36をね
じ9によりスイッチング素子の端子14〜16とねじ止
めによって接合する。次に、接続用導体6を間に挟み、
ねじ7により第3の平板導体部372、接続用導体6、
第2の配線導体36を一体接合する。以上においては、
ねじ締め込み方向が端子配置平面4と垂直の方向、即ち
図中z軸方向に統一される。従って、配線導体の周囲空
間の制限によりねじ締め方向が限定される場合でもスイ
ッチングモジュールの組み立てが極めて容易となり量産
性が向上するという効果が得られる。
【0019】実施の形態2.上記における第2の配線導
体36と第3の平板導体部372間の電位差は一般に小
さいので、この間隔を極力小さくして両者間の相互イン
ダクタンスによる磁束キャンセル効果を大きくすること
により、配線インダクタンスを小さくすることができ
る。図6は本発明の実施の形態2におけるスイッチング
モジュールを示す斜視図であり、図は見易くするために
上下方向に離して示している。51は両面に接着層を設
けた絶縁シートであり、52は両面に接着層を設けた導
体シートであり、実施の形態1における接続部導体6に
代わるものである。その他は実施の形態1の場合と同様
であるので説明を省略する。
【0020】この実施の形態では、第2の配線導体36
をねじ止めなどにより素子モジュール3と接合する。次
に絶縁シート51と導体シート52を第2の配線導体3
6に接着して、その上からさらに第3の平板導体部37
2を絶縁シート51、導体シート52に接着する。絶縁
シート51としてはアラミドシート、PET(ポリエチ
レンテレフタレート)シートなどが利用できる。また、
導体シート52は導電性接着剤を塗布した銅箔などが使
える。また、導体シート52の部分に関しては図4に記
したようにねじ止め接合する方法でもよい。なお、絶縁
シート51の厚さが極く薄く、かつ折り返し部5をねじ
止めする場合などで、導体シート52がなくても第2の
配線導体36と第3の平板導体部372の間の導通がと
れるときは、導体シート52を省略してもよい。第1の
配線導体35は折り返し部がないのでそのまま素子モジ
ュール3と接合する。図6のスイッチングモジュールの
断面図を図7に示す。図7で明示されるように、第1の
平板導体部351と第2の平板導体部371、および第
2の配線導体36と第3の平板導体部372が、近接し
た往復平行平板によって配線導体を構成していて、しか
も第2の配線導体36と第3の平板導体部372は極め
て近接して配置できるため、この間の配線インダクタン
スを極めて小さくできるという効果が得られる。
【0021】実施の形態3.この実施の形態において
は、折り返し部を介してつながった2つの導体が互いに
対向する面を、端子配置平面と垂直にした例を示す。図
8は実施の形態3におけるスイッチングモジュールの斜
視図であり、図では素子モジュールと配線部分とは離し
て示している。図において、361は端子配置平面4に
垂直な第4の平板導体部、362は端子配置平面4に平
行な第6の平板導体部であり、第4、第6の平板導体部
361、362が一体になって、断面がL字状の第2の
配線導体36を構成していて、第6の平板導体部362
でスイッチング素子の端子17〜19を共通に接続する
ようになっている。37は端子配置平面4に垂直な第3
の配線導体である。その他は実施の形態1の場合と同様
であるので説明を省略する。
【0022】図8の構成において、第1の平板導体部3
51と第4の平板導体部361、および第4の平板導体
部361と第3の配線導体37を近接した平行平板導体
とすることにより、実施の形態1の場合と同様に配線イ
ンダクタンスを小さく、かつ電流の分流を均等化するこ
とができる。なお、図8において、z軸方向について空
間的な余裕がある場合には、第1、第4の平板導体部3
51、361および第3の配線導体37をz軸方向に対
して長くすることで配線インダクタンスをさらに小さく
することができる。
【0023】実施の形態4.第1の配線導体35と第2
の配線導体36(および第3の配線導体37)の間は電
位差が大きいので絶縁距離を確保する必要がある。しか
し配線インダクタンスの低減には、これらの距離を近接
させる必要があり、相反する課題となる。図9は本実施
の形態との比較のための配線導体間の絶縁方法の一例を
示す断面図である。第1、第2の配線導体35、36間
の電位差は大きいので、絶縁を確保するために、PE
T、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)樹
脂などの厚い絶縁体53によって、これを絶縁する。し
かし、図9に示すように絶縁体53を挟むだけでは沿面
距離D1−D2間の距離が小さくて問題となる場合があ
る。
【0024】図10はこの発明の実施の形態4における
スイッチングモジュールの配線導体を示す断面図であ
り、上記の問題に対処している。図10において、絶縁
体53を断面T字状に形成し、絶縁体53のT字脚部5
4を第1、第4の平板導体部351、361で挟み込
み、かつ絶縁体53のT字頭部55を第5、第6の平板
導体部352、362から、スイッチング素子の方、即
ち図において下方へ突出させ、T字頭部55と第5、第
6の平板導体部352、362との間に距離Eを設けて
互いに離隔させる。これにより絶縁の沿面距離D1−D
2が長くなり、絶縁距離の確保が可能となる。その他は
実施の形態3の場合と同様であるので説明を省略する。
【0025】図10では配線導体と絶縁体の構成につい
て説明したが、素子モジュールとの組み合わせについて
以下に説明する。図11は本実施の形態との比較のため
の、配線導体間の絶縁方法の一例を示す断面図であり、
図において、56は素子モジュール3のケースであり、
絶縁材で作られている。ケース56内にはスイッチング
素子が収納され、ゼリー状の絶縁物が充填されている。
端子15、18は、図示しないスイッチング素子(例え
ばIGBT)へと接続されている。絶縁体53の端面と
第5、第6の平板導体部352、362の下面が同一面
にあるとして、接着によって絶縁体53と素子モジュー
ル3のケース56を接合する場合には、接着層内に含ま
れる気泡等により絶縁性能が低下するため、高電界で使
用される場合は図11中D1−D2間で絶縁破壊が発生
する可能性がある。これを避けるために絶縁体53をケ
ース56と一体化することは、ケース56を作る金型が
複雑化して生産性が低下する。
【0026】図12は本実施の形態におけるスイッチン
グモジュールを示す断面図であり、上記のような問題に
対処するために、ケース56に絶縁体53のT字頭部5
5をはめ込むことができるように、ケース56の図にお
いて上部を同じ形状の雌型にくり貫き、埋め込み構造と
する。これによりD1−D2間の絶縁距離は図の破線で
示すようにT字頭部55に沿って迂回するため、この間
を簡易な接着等で構成してその接着層に気泡が含まれる
ような場合でも、絶縁距離が確保されるため絶縁性能が
向上する。また、素子モジュール3との接合部をT字状
とすることで絶縁体53と素子モジュール3の接合の機
械強度が増す。さらに絶縁体53と素子モジュール3の
接合位置の位置決めも容易になり組み立て性が向上す
る。
【0027】なお、上記では図8の配線導体構成に対し
てT字状の絶縁体を適用した場合を示したが、図3のも
のなど他の配線導体構成に対しても適用できる。また、
実施の形態1〜4では、図20の上アーム1に対応する
スイッチングモジュールとして説明したが、下アーム2
であっても同様の構成を適用することができる。
【0028】実施の形態5.実施の形態1〜4では、図
20の片方のアームに対応するスイッチングモジュール
を示したが、この実施の形態では、例えば2つのそのよ
うなスイッチングモジュールを用いて構成した電力変換
装置を示す。図13は実施の形態5における電力変換装
置を示す斜視図である。図8に示したスイッチングモジ
ュールを上アームとして用い、また、これと対称的にし
たものを下アームとして用いている。両方の第3の配線
導体37は端部で直角方向に延伸して互いにつながり、
そこに交流側の端子部43が設けられている。その他は
実施の形態3と同様であるので説明を省略する。なお、
24〜29はスイッチング素子の端子である。また、図
では素子モジュールと配線部分とを上下方向に離して示
している。
【0029】図14は、図13の電力変換装置の配線を
簡略化して表した説明図であり、図2で示した回路が2
つある形になっている。したがって、その各々におい
て、図2で説明したように、スイッチング素子を流れる
電流の分流の均等化や、スイッチング素子オフ時の電圧
抑制の効果がある。また、電力変換装置全体としても、
直流側の両端子部41、42と交流側の端子部43間の
配線ループは小さく、平行平板導体によって作成されて
いるので、この間を接続する配線が作る磁束は少ない。
したがって、スイッチング素子14〜16あるいは17
〜19のスイッチング動作に伴う磁束変化すなわちLd
i/dtは極めて小さくなり、高速にスイッチングする
ことができる。同時に、交流側の端子部43と直流側の
端子部41、42各導体端子位置を集約することで電力
変換装置の小型化、メンテナンス性向上などの効果も得
られる。なお、上下アームでそれぞれ複数のスイッチン
グモジュールを並列に用いて電流容量を増大させること
もできる。
【0030】実施の形態6.図13と図14とを対照と
すると、図14は、図13の電力変換装置の配線の簡略
平面図と見なすことができる。図15はこの発明の実施
の形態6における電力変換装置の配線の簡略平面図であ
り、図14と同じようにして表したものである。図14
では第3の配線導体37が最も内側に配置されていたの
に対し、図15では逆に配置され、内側から第1、第
2、第3の配線導体35、36、37の順になってい
る。この場合も、実施の形態1や実施の形態3と同様の
効果が得られる。
【0031】あるいは、図16の簡略平面図に示すよう
に、一方のスイッチングモジュールには図14のもの
を、他方のスイッチングモジュールには図15のものを
用いるというように、混用して電力変換装置を構成して
もよい。なお、実施の形態1〜6においてスイッチング
素子が3並列のものを示したが、並列素子数は2あるい
は4以上であってもよい。また、スイッチング素子とし
てはGTO、FETなども用いることができ、高速に電
流をオン、オフできるものであればよい。
【0032】実施の形態7.図17は、この発明の実施
の形態7における電力変換装置を示す斜視図である。両
スイッチングモジュールの第6の平板導体部362同士
がつながって一体になっている。その他は実施の形態5
と同様であるので説明を省略する。第6の平板導体部3
62同士の一体化、即ち、第2の配線導体同士の一体化
により、部品点数を削減することができ、量産に有利と
なる。この場合も、実施の形態5と同様の効果がある。
【0033】実施の形態8.この実施の形態では、図3
に示したスイッチングモジュールを2つ用いて電力変換
装置を構成した例を示す。図18、図19は実施の形態
8における電力変換装置の配線導体を示す斜視図であ
り、図18は上方から、図19は下方から見た斜視図で
ある。両方の第2の平板導体部371が直角方向に延伸
して互いにつながり、そこに交流側の端子部43が設け
られている。スイッチングモジュールのその他の部分は
図3と同様になっており、また、全体の構成は実施の形
態5と同様であるので説明を省略する。この場合も実施
の形態5と同様の効果がある。
【0034】
【発明の効果】請求項1から請求項3に係るスイッチン
グモジュールによれば、第2、第3の配線導体間を折り
返し部で接続するとともに2つの外部接続用の端子部同
士を同じ側に配置し、かつ、配線導体同士を近接して平
行配置したので、スイッチング素子間の分流が均等化
し、また、配線が低インダクタンスとなってスイッチン
グ素子オフ時の発生電圧が抑制される。請求項4、請求
項5に係るスイッチングモジュールによれば、それぞれ
配線導体が薄いとき、厚いときに容易に折り返し部を作
成することができる。
【0035】請求項6、請求項7に係るスイッチングモ
ジュールによれば、第2、第3の配線導体間に挿入した
絶縁シートのために両導体間の距離を短縮でき、したが
って、さらに低インダクタンスにできる。請求項8、請
求項9に係るスイッチングモジュールによれば、第1、
第2の配線導体間にT字状の絶縁体を設けたので、両導
体間の絶縁が確実になる。請求項10に係る電力変換装
置によれば、請求項1から請求項9のいずれかのスイッ
チングモジュールを用いて構成したので、スイッチング
素子間の分流の均等化、配線の低インダクタンス化によ
るスイッチング素子オフ時の電圧抑制とともに、直流側
と交流側が同じ側から入出力するに適した装置が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1におけるスイッチン
グモジュールの斜視図である。
【図2】 図1のスイッチングモジュールの配線の説明
図である。
【図3】 図1のスイッチングモジュールの折り返し部
の斜視図である。
【図4】 図1のスイッチングモジュールの折り返し部
の接合を示す斜視図である。
【図5】 図1のスイッチングモジュールにおける配線
導体の取り付け方法を示す斜視図である。
【図6】 この発明の実施の形態2におけるスイッチン
グモジュールの斜視図である。
【図7】 図6のスイッチングモジュールの断面図であ
る。
【図8】 この発明の実施の形態3におけるスイッチン
グモジュールの斜視図である。
【図9】 比較のための配線導体と絶縁体の断面図であ
る。
【図10】 この発明の実施の形態4におけるスイッチ
ングモジュールの配線導体と絶縁体の断面図である。
【図11】 比較のためのスイッチングモジュールの断
面図である。
【図12】 この発明の実施の形態4におけるスイッチ
ングモジュールの断面図である。
【図13】 この発明の実施の形態5における電力変換
装置の斜視図である。
【図14】 図13の電力変換装置の配線の説明図であ
る。
【図15】 この発明の実施の形態6における電力変換
装置の配線の簡略平面図である。
【図16】 この発明の実施の形態6における別の電力
変換装置の配線の簡略平面図である。
【図17】 この発明の実施の形態7における電力変換
装置の斜視図である。
【図18】 この発明の実施の形態8における電力変換
装置の配線導体の斜視図である。
【図19】 この発明の実施の形態8における電力変換
装置の配線導体の斜視図である。
【図20】 電力変換装置の回路の結線図である。
【図21】 従来の電力変換装置の平面図である。
【符号の説明】
1 上アーム、2 下アーム、4 端子配置平面、5
折り返し部、6 接続部導体、11〜13,21〜23
スイッチング素子、35〜37 第1〜第3の配線導
体、41〜43 端子部、51 絶縁シート、53 絶
縁体、54 T字脚部、55 T字頭部、351,37
1,372,361 第1〜第4の平板導体部。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 並列に整列して設置され、端子が一つの
    端子配置平面上に配置された複数のスイッチング素子
    と、上記複数のスイッチング素子の一方の端子を共通に
    接続する第1の配線導体と、この第1の配線導体に近接
    して平行に配置された折り返し配線導体とを備え、この
    折り返し配線導体は、上記複数のスイッチング素子の他
    方の端子を共通に接続する第2の配線導体と、上記第2
    の配線導体に近接して平行に配置された第3の配線導体
    と、上記スイッチング素子の並び方向の一方側の上記第
    2、第3の配線導体の端部を互い接続する折り返し部と
    からなり、上記スイッチング素子の並び方向の他方側の
    上記第1、第3の配線導体の端部にそれぞれ外部接続用
    の端子部を備えたことを特徴とするスイッチングモジュ
    ール。
  2. 【請求項2】 第1の配線導体は端子配置平面に垂直な
    第1の平板導体部を有し、第2の配線導体は上記端子配
    置平面に平行な平板導体であり、第3の配線導体は上記
    端子配置平面に垂直な第2の平板導体部と上記端子配置
    平面に平行な第3の平板導体部とからなる断面がL字状
    の導体であり、かつ、上記第1の平板導体部と第2の平
    板導体部、および上記第2の配線導体と第3の平板導体
    部がそれぞれ近接して平行に配置されたことを特徴とす
    る請求項1記載のスイッチングモジュール。
  3. 【請求項3】 第1、第2の配線導体はそれぞれ端子配
    置平面に垂直な第1、第4の平板導体部を有し、第3の
    配線導体は上記端子配置平面に垂直な平板導体であり、
    かつ、上記第1の平板導体部と第4の平板導体部、およ
    び上記第4の平板導体部と第3の配線導体がそれぞれ近
    接して平行に配置されたことを特徴とする請求項1記載
    のスイッチングモジュール。
  4. 【請求項4】 導体板を折りまげて、折り返し部を作成
    したことを特徴とする請求項2または請求項3記載のス
    イッチングモジュール。
  5. 【請求項5】 第2,第3の配線導体の端部間に導体片
    を挿入して、折り返し部作成したことを特徴とする請求
    項2または請求項3記載のスイッチングモジュール。
  6. 【請求項6】 第2、第3の配線導体の間に、絶縁シー
    トを挿入したことを特徴とする請求項2または請求項3
    記載のスイッチングモジュール。
  7. 【請求項7】 絶縁シートの両面側に、接着層を設けた
    ことを特徴とする請求項6記載のスイッチングモジュー
    ル。
  8. 【請求項8】 第1、第2の配線導体の間を絶縁する断
    面がT字状の絶縁体を設け、上記絶縁体のT字脚部を上
    記第1、第2の配線導体の間に挿入するとともに、上記
    絶縁体のT字頭部をスイッチング素子の方へ上記第1、
    第2の配線導体の間から突出させ、上記絶縁体のT字頭
    部を上記第1、第2の配線導体から離隔したことを特徴
    とする請求項2または請求項3記載のスイッチングモジ
    ュール。
  9. 【請求項9】 複数のスイッチング素子を収納するケー
    スを設け、このケースに絶縁体のT字脚部を埋め込んだ
    ことを特徴とする請求項8記載のスイッチングモジュー
    ル。
  10. 【請求項10】 直流側回路と交流側回路の間に設られ
    て、スイッチング素子のスイッチング作用により上記直
    流側回路と交流側回路の間の電流を制御する電力変換装
    置において、請求項1から請求項9のいずれかに記載の
    スイッチングモジュールを上アーム、下アームとして用
    いて構成したことを特徴とする電力変換装置。
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