JP2000058668A - デュアルゲートcmos型半導体装置およびその製造方法 - Google Patents
デュアルゲートcmos型半導体装置およびその製造方法Info
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Abstract
S型素子の短チャネル効果を抑制することができる、デ
ュアルゲートCMOS型半導体装置を提供する。 【解決手段】デュアルゲートCMOS型半導体装置は、
シリコン半導体基板101と、シリコン半導体基板10
1上にそれぞれ形成されたPウェル102およびNウェ
ル103と、Pウェル102およびNウェル103上に
形成されたフィールド酸化膜104と、Pウェル102
上に形成されたNMOSトランジスタと、Nウェル10
3上に形成されたPMOSトランジスタとを含む。NM
OS型素子のゲート電極106aの膜厚はPMOS型素
子のゲート電極106bの膜厚よりも薄い。ゲート電極
106aの膜厚は50〜250nmであり、ゲート電極
106bの膜厚は100〜350nmである。また、ゲ
ート電極106bの膜厚は、ゲート電極106aの膜厚
の1.5倍以上である。
Description
mentary Metal Oxide Semiconductor )型半導体装置お
よびその製造方法に関し、特にPチャネルMOS(以下
「PMOS」という。)型素子にはP型不純物(アクセ
プタ)を導入したポリシリコンゲート電極を備え、Nチ
ャネルMOS(以下「NMOS」という。)型素子には
N型不純物(ドナー)を導入したポリシリコンゲート電
極を備えたデュアルゲートCMOS型半導体装置および
その製造方法に関するものである。
消費電力が小さいCMOS型半導体装置が使用されてい
る。このCMOS型半導体装置はPMOS型素子とNM
OS型素子とにより構成されている。また、PMOS型
素子およびNMOS型素子のいずれのポリシリコンゲー
ト電極にもN+ ポリシリコン膜が広く用いられている。
このため、NMOS型素子は表面チャネル型構造にな
り、PMOS型素子は埋込チャネル型構造になる。
進むにつれ、短チャネル効果やホットキャリア効果など
の問題が生じてきた。特に、PMOS型素子にはこのよ
うな問題がより切実に現われてくる。というのも、PM
OS型素子は埋込チャネル型構造になっている。このた
め、表面チャネル型構造のNMOS型素子に比べて短チ
ャネル効果を抑制することが困難になるからである。こ
のような課題を解決するためにデュアルゲートCMOS
型半導体装置が近年使われるようになってきた。この、
デュアルゲートCOMS型半導体装置では、PMOS型
素子を短チャネル効果の抑制が可能な表面チャネル型構
造にするため、新たにP+ ポリシリコンゲート電極(ア
クセプタイオン注入により低抵抗化されたポリシリコン
ゲート電極)を用いている。
体装置においては、P+ ポリシリコンゲート電極の導入
不純物としてボロンが用いられ、N+ ポリシリコンゲー
ト電極の導入不純物として砒素またはリンが用いられて
いる。P+ ポリシリコンゲート電極の採用にあたり、ゲ
ート電極の低抵抗化を行なうためには不純物注入による
手法を用いる必要がある。しかし、不純物注入による手
法を用いたのでは、注入時またはその注入不純物の活性
化時において、ゲート電極に注入された不純物がゲート
酸化膜を突き抜けて基板チャネル部へ侵入して、しきい
値電圧がシフトしたり、ゲート酸化膜の耐圧信頼性が劣
化するなどの諸問題が生じる。このため、所望のMOS
FET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Tra
nsistor)特性が得られなくなる。この問題を解決する
ために、プロセス温度を下げてボロンの拡散を抑制する
こと、またはポリシリコン膜の膜厚を大きくすることが
有効である。しかしながら、プロセス温度を下げるとN
型ポリシリコンゲート電極に導入される砒素の拡散はボ
ロン以上に抑えられ、N型ポリシリコンゲート電極を部
分空乏化させたり、高抵抗化させるという問題が生じ
る。ゲート電極が部分空乏化すると、ゲート電圧がシリ
コン基板に十分印加されない。このため、所望の素子性
能が得られなくなる。一方、部分空乏化や高抵抗化を防
ぐために注入エネルギーを大きくすることが考えられ
る。しかし、ゲート電極への不純物注入は、一般的にソ
ース・ドレイン領域への不純物注入と同時に行なわれ
る。このため、ソース・ドレイン領域の接合が深くな
り、その結果、短チャネル効果が比較的長いゲート長の
素子から出始め、微細なトランジスタが形成できくな
る。
導体装置を試作した。そのときのNMOS型素子に対す
る実験結果を図8および図9に示す。図8はNMOS型
素子のしきい値電圧とゲート長との関係を示す。図9は
NMOS型素子のゲート電極のC−V特性を示す。砒素
の注入エネルギーの他はすべて同じ条件で試作し、ポリ
シリコン膜の膜厚は150nmである。これらの図よ
り、注入エネルギーを小さくすると短チャネル効果は抑
制される(図8)が、ゲート電極は空乏化する(図9)
ことがわかる。よって、短チャネル効果の抑制とゲート
電極の空乏化とはトレードオフの関係にあることがわか
る。このときのPMOS型素子では正常な特性が得られ
ていた。そこで、NMOS型素子の空乏化を抑制するた
めにポリシリコン膜厚を小さくした。図10に示すよう
に、ポリシリコン膜の膜厚が100nm以下のとき、N
MOS型素子は短チャネル効果を抑制することができ、
かつゲート電極も空乏化しなかった。しかしながら、こ
のときPMOS型素子に特性不良が発生した。これはボ
ロンがゲート電極からシリコン基板に突き抜けたためと
思われる。このようにPMOS型素子のボロン突き抜け
を抑えつつ、NMOS型素子の短チャネル効果を抑制す
ることは難しい。また、仮にPMOS型素子におけるボ
ロンの突き抜けとNMOS型素子におけるゲート電極空
乏化とを同時に抑制できるゲート電極膜厚の条件が、1
00〜150nmに存在するとしても、プロセスマージ
ンが非常に小さくなってしまう。
開示のデュアルゲートCMOS型半導体装置の製造方法
では、N型ポリシリコンゲート電極が空乏化しないよう
に、N型ポリシリコンゲート電極を形成するノンドープ
ポリシリコン膜の代わりに、リンドープポリシリコン膜
(リン濃度:5×1019/cm3 )を用いる方法が提案
されている。このリンドープポリシリコン膜は、ジシラ
ンとホスフィンとを反応ガスとし、LPCVD(Low Pr
essure Chemical Vapor Deposition)装置で成膜され
る。
ドープポリシリコン膜は、通常のノンドープポリシリコ
ン膜を成膜するLPCVD装置と同一の装置では成膜す
ることができない。具体的には通常のLPCVD装置の
石英ボートよりもウエハ間隔の大きい(通常2倍以
上)、特殊な石英ボートを使用する必要がある。このた
め、8インチウエハの場合、1回の処理で50枚程度の
処理能力しかない。また、リンドープポリシリコン膜の
堆積速度は小さい。このため、通常の成膜に比べてスル
ープットが大幅に減少する。さらに、ポリシリコン膜中
のリン濃度を5×1019/cm3 に設定するためには、
ガス導入用ノズルを特殊なものにするとともに、ボート
を回転させるなど、通常の装置にはない機能を備える必
要がある。このため、LPCVD装置が高価なものにな
り、製造コストが高くなるという問題がある。
されたもので、その目的は、PMOS型素子のボロン突
き抜けを抑えつつ、NMOS型素子の短チャネル効果を
抑制することができる、デュアルゲートCMOS型半導
体装置を提供することである。
様のスループットを得ることができ、かつ製造コストが
高くなることがない、PMOS型素子のボロン突き抜け
を抑えつつ、NMOS型素子の短チャネル効果を抑制す
ることができるデュアルゲートCMOS型半導体装置の
製造方法を提供することである。
係るデュアルゲートCMOS型半導体装置は、シリコン
基板上にそれぞれ形成されたPMOS型素子と、NMO
S型素子とを含み、前記PMOS型素子は、P型不純物
を導入した第1の電極を含み、前記NMOS型素子は、
N型不純物を導入した第2の電極を含み、前記第2の電
極の膜厚は、前記第1の電極の膜厚よりも小さい。
トCMOS型半導体装置は、NMOS型素子のゲート電
極の膜厚が十分に小さいため、NMOS型素子のゲート
電極が空乏化することがない。それと同時に、注入エネ
ルギーを低く設定できるため、短チャネル効果を抑制で
きる。また、PMOS型素子のゲート電極膜厚は十分に
大きい。このため、ボロンがゲート酸化膜を突き抜けて
トランジスタ特性が劣化することもない。
の発明の構成に加えて、前記第1および第2の電極は、
ポリシリコンからなる。
の発明の構成に加えて、前記第1の電極は、第3の電極
と、前記第3の電極の上に形成された絶縁膜と、前記絶
縁膜の上に形成された第4の電極とを含む。
の発明の作用、効果に加えて、PMOS型素子のゲート
電極は、第3の電極、絶縁膜および第4の電極を備えた
堆積構造であることを特徴とする。このため、NMOS
型素子領域をエッチングする際に、絶縁膜上で制御よく
蝕刻をとめることができる。これにより、NMOS型素
子のゲート電極膜厚を均一性よく加工でき、特性ばらつ
きを抑えることができる。さらに、この堆積構造中に絶
縁膜があることによって、NMOS型素子のゲート電極
へ導入される不純物(砒素やリン)がPMOS型素子の
ゲート電極と絶縁膜の界面付近に拡散(相互拡散)し
て、PMOS型素子のしきい値電圧がシフトすることを
抑制することができる。これは、砒素やリンの酸化膜中
の拡散速度が非常に遅いためである。
の発明の構成に加えて、前記第2、第3および第4の電
極は、ポリシリコンからなる。
4に記載の発明の構成に加えて、前記絶縁膜は、シリコ
ン酸化膜である。
4に記載の発明の作用、効果に加えて、シリコン酸化膜
中のボロンの拡散速度は非常に大きいので、PMOS型
素子は空乏化し難いという特徴がある。
いずれかに記載の発明の構成に加えて、前記第1の電極
の膜厚は、前記第2の電極の膜厚の1.5倍以上であ
る。
いずれかに記載の発明の作用、効果に加えて、NMOS
型素子のゲート電極の膜厚はPMOS型素子のゲート電
極の膜厚に比べて十分小さい。このため、NMOS型素
子におけるゲート電極の空乏化の防止および短チャネル
効果の抑制と、PMOS型素子におけるボロンのゲート
酸化膜突き抜け防止とを同時に満足できるプロセスマー
ジンが大きくなる。我々の実験では、図4に示すよう
に、PMOS型素子とNMOS型素子のゲート電極膜厚
の比が1.5以上のとき、良好な結果が得られている。
れかに記載の発明の構成に加えて、前記第1の電極の膜
厚は、50nm以上250nm以下であり、前記第2の
電極の膜厚は、100nm以上350nm以下である。
れかに記載の発明の作用、効果に加えて、NMOS型素
子のゲート電極の膜厚がPMOS型素子のそれに比べて
十分小さい。このため、NMOS型素子におけるゲート
電極の空乏化の防止および短チャネル効果の抑制と、P
MOS型素子におけるボロンのゲート酸化膜突き抜け防
止とを同時に満足できるプロセスマージンが大きくな
る。NMOS型素子のゲート電極膜厚の下限値が50n
mなのは、50nm以下では均一なポリシリコン膜を成
長させることが困難だからである。ポリシリコン膜は一
般的に化学気相成長法(LPCVD)により形成される
が、ポリシリコン膜の粒径は約50nmなので、この膜
厚以下で均一な膜を形成することは困難である。また、
ゲート電極膜厚が50nm以下になると、不純物として
砒素を注入する際に砒素がシリコン基板まで突き抜けて
特性劣化を起こしやすくなる。一方、NMOS型素子の
ゲート電極膜厚を250nmより大きくすると、ゲート
電極の空乏化を防ぐために砒素の注入エネルギーを大き
く設定する必要がある。このため、ソース・ドレインの
接合が深くなって短チャネル効果が顕著になる。PMO
S型素子においてゲート電極膜厚を100nmより小さ
くすると、ボロンがシリコン基板中に突き抜けて素子の
特性劣化を起こしやすくなる。一方、PMOS型素子の
ゲート電極膜厚を350nmより大きくすると、NMO
S型素子のときと同様に、ゲート電極の空乏化を防ぐた
めにボロンの注入エネルギーを大きく設定する必要があ
る。このため、ソース・ドレインの接合が深くなって短
チャネル効果が顕著になる。
CMOS型半導体装置の製造方法である。デュアルゲー
トCMOS型半導体装置は、シリコン基板上にそれぞれ
形成されたPMOS型素子と、NMOS型素子とを含
み、前記PMOS型素子は、P型不純物を導入した第1
の電極を含み、前記NMOS型素子は、N型不純物を導
入した第2の電極を含み、前記第2の電極の膜厚は、前
記第1の電極の膜厚よりも小さい。その製造方法は、前
記シリコン基板上にゲート絶縁膜を形成する工程と、前
記ゲート絶縁膜の上にポリシリコン膜を形成する工程
と、NMOS型素子領域の前記ポリシリコン膜をエッチ
ングし、PMOS型素子領域の前記ポリシリコン膜より
も膜厚を小さくする工程と、前記ポリシリコン膜をパタ
ーニングして、前記PMOS型素子領域に前記第1の電
極を形成する工程と、前記ポリシリコン膜をパターニン
グして、前記NMOS型素子領域に前記第2の電極を形
成する工程とを含む。
ロセスを用いずに、通常使用されている一般的なプロセ
スを用いて簡単にデュアルゲートMOS型半導体装置を
形成できる。このため、通常のプロセスと同様のスルー
プットを得ることができる。また、特殊な装置を用いる
必要がないため、製造コストが高くなることもない。こ
のプロセスで形成されたデュアルゲートCMOS型半導
体装置は、PMOS型素子のゲート電極の膜厚よりもN
MOS型素子のゲート電極の膜厚が小さいことを特徴と
する。NMOS型素子のゲート電極の膜厚が十分に小さ
いため、NMOS型素子のゲート電極が空乏化すること
がない。それと同時に、注入エネルギーを低く設定でき
るため、短チャネル効果を抑制できる。また、PMOS
型素子のゲート電極膜厚は十分に大きい。このため、ボ
ロンがゲート酸化膜を突き抜けてトランジスタ特性が劣
化することもない。
CMOS型半導体装置の製造方法である。デュアルゲー
トCMOS型半導体装置は、シリコン基板上にそれぞれ
形成されたPMOS型素子と、NMOS型素子とを含
み、前記PMOS型素子は、P型不純物を導入した第1
の電極を含み、前記NMOS型素子は、N型不純物を導
入した第2の電極を含み、前記第2の電極の膜厚は、前
記第1の電極の膜厚よりも小さい。その製造方法は、前
記シリコン基板上にゲート絶縁膜を形成する工程と、前
記ゲート絶縁膜の上に第1のポリシリコン膜を形成する
工程と、前記第1のポリシリコン膜の上に絶縁膜を形成
する工程と、前記絶縁膜の上に第2のポリシリコン膜を
形成する工程と、NMOS型素子領域の前記第2のポリ
シリコン膜を前記絶縁膜の表面が露出するまでエッチン
グする工程と、前記PMOS型素子領域の前記第1およ
び第2のポリシリコン膜をパターニングして前記第1の
電極を形成する工程と、前記NMOS型素子領域の前記
第1のポリシリコン膜をパターニングして前記第2の電
極を形成する工程とを含む。
リシリコン膜を形成し、その上に絶縁膜を形成し、さら
に絶縁膜の上に第2のポリシリコン膜を形成する。この
ように、ポリシリコン膜の堆積構造を形成する。NMO
S型素子領域では、第2のポリシリコン膜を絶縁膜の表
面が露出するまでエッチングが施される。このため、N
MOS型素子領域をエッチングする際に、絶縁膜上で制
御よく蝕刻を止めることができる。これにより、NMO
S型素子のゲート電極膜厚を均一性よく加工でき、特性
ばらつきを抑えることができる。さらに、この堆積構造
中に絶縁膜があることによって、NMOS型素子のゲー
ト電極へ導入される不純物(砒素やリン)がPMOS型
素子のゲート電極と絶縁膜の界面付近に拡散(相互拡
散)して、PMOS型素子のしきい値電圧がシフトする
ことを抑制することができる。これは、砒素やリンの酸
化膜中の拡散速度が非常に遅いためである。
ずに、通常使用されている一般的なプロセスを用いて簡
単にデュアルゲートMOS型半導体装置を形成できる。
このため、通常のプロセスと同様のスループットを得る
ことができる。また、特殊な装置を用いる必要がないた
め、製造コストが高くなることもない。
CMOS型半導体装置は、PMOS型素子のゲート電極
の膜厚よりもNMOS型素子のゲート電極の膜厚が小さ
いことを特徴とする。NMOS型素子のゲート電極の膜
厚が十分に小さいため、NMOS型素子のゲート電極が
空乏化することがない。それと同時に、注入エネルギー
を低く設定できるため、短チャネル効果を抑制できる。
また、PMOS型素子のゲート電極膜厚は十分に大き
い。このため、ボロンがゲート酸化膜を突き抜けてトラ
ンジスタ特性が劣化することもない。
載の発明の構成に加えて、前記第1のポリシリコン膜を
形成する前記工程と、前記絶縁膜を形成する前記工程
と、前記第2のポリシリコン膜を形成する前記工程と
は、同一装置にて連続的に行われる。
載の発明の作用、効果に加えて、堆積構造を形成する工
程が、同一装置にて連続的に行われることを特徴とす
る。第1のポリシリコン膜を形成直後に第2のポリシリ
コン膜を形成することにより、第1のポリシリコン膜と
第2のポリシリコン膜の界面に自然酸化膜やカーボンな
どの不純物が混入するのを防止することができる。この
ため、良好な特性をもったPMOS型素子を得ることが
できるとともに、ゲート電極加工が単層のポリシリコン
膜のときと同様にデュアルゲートCMOS型半導体装置
の製造を円滑に行なうことができる。
は10に記載の発明の構成に加えて、前記絶縁膜は、シ
リコン酸化膜である。
は10に記載の発明の作用、効果に加えて、シリコン酸
化膜中のボロンの拡散速度は非常に大きい。このため、
PMOS型素子は空乏化し難い。また、ポリシリコン膜
のシリコン酸化膜に対する選択比は100〜200と非
常に大きいので、NMOS型素子領域の第2のポリシリ
コン膜をエッチングする際、制御よく加工することがで
きる。
トCMOS型半導体装置の製造方法である。デュアルゲ
ートCMOS型半導体装置は、シリコン基板上にそれぞ
れ形成された、PMOS型素子と、NMOS型素子とを
含み、前記PMOS型素子は、P型不純物を導入した第
1の電極を含み、前記NMOS型素子は、N型不純物を
導入した第2の電極を含み、前記第2の電極の膜厚は、
前記第1の電極の膜厚よりも小さい。その製造方法は、
前記シリコン基板上にゲート絶縁膜を形成する工程と、
前記ゲート絶縁膜の上にポリシリコン膜を形成する工程
と、前記ポリシリコン膜の上に耐酸化性を有する絶縁膜
を形成する工程と、前記絶縁膜をパターニングしてNM
OS型素子領域の前記絶縁膜のみを除去する工程と、熱
酸化により前記NMOS型素子領域の前記ポリシリコン
膜の上部をシリコン酸化膜に変える工程と、前記PMO
S型素子領域の前記ポリシリコン膜をパターニングして
前記第1の電極を形成する工程と、前記NMOS型素子
領域の前記ポリシリコン膜をパターニングして前記第2
の電極を形成する工程とを含む。
プロセスはウエハ面内で良好な均一性を有する。このた
め、NMOS型素子のゲート電極膜厚を均一性よく加工
でき、特性ばらつきを抑えることができる。
ずに、通常使用されている一般的なプロセスを用いて簡
単にデュアルゲートMOS型半導体装置を形成できる。
このため、通常のプロセスと同様のスループットを得る
ことができる。また、特殊な装置を用いる必要がないた
め、製造コストが高くなることもない。
CMOS型半導体装置は、PMOS型素子のゲート電極
の膜厚よりもNMOS型素子のゲート電極の膜厚が小さ
いことを特徴とする。NMOS型素子のゲート電極の膜
厚が十分に小さいため、NMOS型素子のゲート電極が
空乏化することがない。それと同時に、注入エネルギー
を低く設定できるため、短チャネル効果を抑制できる。
また、PMOS型素子のゲート電極膜厚は十分に大き
い。このため、ボロンがゲート酸化膜を突き抜けてトラ
ンジスタ特性が劣化することもない。
記載の発明の構成に加えて、前記絶縁膜は、シリコン窒
化膜である。
記載の発明の作用、効果に加えて、シリコン窒化膜は他
工程においても広く使用されている。このため、特殊な
プロセス装置を必要とせずにデュアルゲートCMOS型
半導体装置を製造することができる。
トCMOS型半導体装置の製造方法である。デュアルゲ
ートCMOS型半導体装置は、シリコン基板上にそれぞ
れ形成された、PMOS型素子と、NMOS型素子とを
含み、前記PMOS型素子は、P型不純物を導入した第
1の電極を含み、前記NMOS型素子は、N型不純物を
導入した第2の電極を含み、前記第2の電極の膜厚は、
前記第1の電極の膜厚よりも小さい。その製造方法は、
前記シリコン基板上にゲート絶縁膜を形成する工程と、
前記ゲート絶縁膜の上にポリシリコン膜を形成する工程
と、前記ポリシリコン膜の上に絶縁膜を形成する工程
と、前記絶縁膜をパターニングしてPMOS型素子領域
の前記絶縁膜を除去する工程と、ポリシリコン膜を前記
PMOS型素子領域のみに選択的に堆積する工程と、前
記PMOS型素子領域の前記ポリシリコン膜をパターニ
ングして前記第1の電極を形成する工程と、前記NMO
S型素子領域の前記ポリシリコン膜をパターニングして
前記第2の電極を形成する工程とを含む。
にPMOS型素子領域およびNMOS型素子領域のそれ
ぞれのポリシリコン膜を堆積していく。このため、NM
OS型素子およびPMOS型素子のゲート電極膜厚を均
一性よく加工できるので、特性ばらつきを抑えることが
できる。
CMOS型半導体装置は、PMOS型素子のゲート電極
の膜厚よりもNMOS型素子のゲート電極の膜厚が小さ
いことを特徴とする。NMOS型素子のゲート電極の膜
厚が十分に小さいため、NMOS型素子のゲート電極が
空乏化することがない。それと同時に、注入エネルギー
を低く設定できるため、短チャネル効果を抑制できる。
また、PMOS型素子のゲート電極膜厚は十分に大き
い。このため、ボロンがゲート酸化膜を突き抜けてトラ
ンジスタ特性が劣化することもない。
記載の発明の構成に加えて、前記絶縁膜はシリコン窒化
膜である。
記載の発明の作用、効果に加えて、シリコン窒化膜は耐
湿性に優れている。このため、ポリシリコン膜をPMO
S型素子領域のみに選択的に堆積する際に、下地のポリ
シリコン膜との界面に自然酸化膜などが成長することな
く、PMOS型素子の特性ばらつきを抑えることができ
る。
5のいずれかに記載の発明の構成に加えて、前記第1の
電極の膜厚は、前記第2の電極の膜厚の1.5倍以上で
ある。
5のいずれかに記載の発明の作用、効果に加えて、NM
OS型素子のゲート電極の膜厚はPMOS型素子のゲー
ト電極の膜厚に比べて十分小さい。このため、NMOS
型素子におけるゲート電極の空乏化の防止および短チャ
ネル効果の抑制と、PMOS型素子におけるボロンのゲ
ート酸化膜突き抜け防止とを同時に満足できるプロセス
マージンが大きくなる。我々の実験では、図4に示すよ
うに、PMOS型素子とNMOS型素子のゲート電極膜
厚の比が1.5以上のとき、良好な結果が得られてい
る。
いずれかに記載の発明の構成に加えて、前記第1の電極
の膜厚は、50nm以上250nm以下であり、前記第
2の電極の膜厚は、100nm以上350nm以下であ
る。
いずれかに記載の発明の作用、効果に加えて、NMOS
型素子のゲート電極の膜厚がPMOS型素子のそれに比
べて十分小さい。このため、NMOS型素子におけるゲ
ート電極の空乏化の防止および短チャネル効果の抑制
と、PMOS型素子におけるボロンのゲート酸化膜突き
抜け防止とを同時に満足できるプロセスマージンが大き
くなる。NMOS型素子のゲート電極膜厚の下限値が5
0nmなのは、50nm以下では均一なポリシリコン膜
を成長させることが困難だからである。ポリシリコン膜
は一般的にLPCVD法により形成されるが、ポリシリ
コン膜の粒径は約50nmなので、この膜厚以下で均一
な膜を形成することは困難である。また、ゲート電極膜
厚が50nm以下になると、不純物として砒素を注入す
る際に砒素がシリコン基板まで突き抜けて特性劣化を起
こしやすくなる。一方、NMOS型素子のゲート電極膜
厚を250nmより大きくすると、ゲート電極の空乏化
を防ぐために砒素の注入エネルギーを大きく設定する必
要がある。このため、ソース・ドレインの接合が深くな
って短チャネル効果が顕著になる。PMOS型素子にお
いてゲート電極膜厚を100nmより小さくすると、ボ
ロンがシリコン基板中に突き抜けて素子の特性劣化を起
こしやすくなる。一方、PMOS型素子のゲート電極膜
厚を350nmより大きくすると、NMOS型素子のと
きと同様に、ゲート電極の空乏化を防ぐためにボロンの
注入エネルギーを大きく設定する必要がある。このた
め、ソース・ドレインの接合が深くなって短チャネル効
果が顕著になる。
て、本実施の形態に係るデュアルゲートCMOS型半導
体装置は、シリコン半導体基板101と、シリコン半導
体基板101上にそれぞれ形成されたPウェル102お
よびNウェル103と、Pウェル102およびNウェル
103上に形成されたフィールド酸化膜(素子分離領
域)104と、Pウェル102上に形成されたNMOS
トランジスタと、Nウェル103上に形成されたPMO
Sトランジスタとを含む。
05aと、N+ ポリシリコンゲート電極106aと、サ
イドウォールスペーサ110aと、ソース・ドレイン領
域(深いN型拡散層)111と、LDD(Lightly Dope
d Drain )領域(浅いN型拡散層)108と、シリサイ
ド膜113aと、層間絶縁膜114と、メタル配線11
5aおよび115bとを含む。
05bと、P+ ポリシリコンゲート電極106bと、サ
イドウォールスペーサ110bと、ソース・ドレイン領
域(深いP型拡散層)112と、LDD領域(浅いP型
拡散層)109と、シリサイド膜113bと、層間絶縁
膜114と、メタル配線115cおよび115dとを含
む。
において、NMOS型素子のゲート電極106aの膜厚
はPMOS型素子のゲート電極106bの膜厚よりも小
さい。ゲート電極106aの膜厚は50〜250nmで
あり、ゲート電極106bの膜厚は100〜350nm
である。また、ゲート電極106bの膜厚は、ゲート電
極106aの膜厚の1.5倍以上である。
厚は十分小さい。このため、ゲート電極106aが空乏
化することがない。また、注入エネルギーを低く設定で
きるため、短チャネル効果を抑制できる。PMOS型素
子のゲート電極106bの膜厚は十分大きい。このた
め、ボロンがゲート酸化膜105bを突き抜けて、トラ
ンジスタの特性を劣化させることもない。
S型半導体装置では、ゲート電極106aおよび106
bとして、ポリシリコン膜を用いたが、アモルファスシ
リコン膜を用いても同様の効果が得られる。ただし、ア
モルファスシリコン膜を用いる場合はアモルファスシリ
コン膜を堆積後、結晶化のためのアニールを800℃以
下(好ましくは、650〜700℃)の温度で行なうこ
とが望ましい。結晶化アニールを行なわずに850〜9
00℃の不純物の活性化アニールを行なうと、アモルフ
ァスシリコン膜の結晶化のときに発生する応力が大きく
なる。このため、ゲート酸化膜105aおよび105b
が特性劣化を起こす危険性がある。
デュアルゲートCMOS型半導体装置の製造工程を説明
する。
板101上に、Pウェル102、Nウェル103、およ
びフィールド酸化膜(素子分離領域)104を形成す
る。次に、しきい値電圧制御および短チャネル効果防止
のために、NMOS型素子(Pウェル102)にはボロ
ンの、PMOS型素子(Nウェル103)にはリンの、
不純物イオン注入をそれぞれ行なう。さらに、膜厚5n
mのゲート酸化膜205を形成後、LPCVD法により
ポリシリコン膜206を100〜200nm程度(好ま
しくは150nm)堆積する。
ィおよびエッチングを含む周知の工程を経て、NMOS
型素子領域のポリシリコン膜206を所望の膜厚(50
〜130nm、好ましくは100nm)までエッチング
してポリシリコン膜207を得る。PMOS型素子領域
のポリシリコン膜208はエッチングされることなく、
当初堆積したときの膜厚のままである。図2(C)を参
照して、フォトリソグラフィおよびエッチングを含む周
知の工程を経て、ポリシリコン膜207および208を
所望のパターンにパターニングする。その後、ポリシリ
コン膜(ゲート電極106aおよび106b)表面およ
び活性化領域(ソース・ドレイン)(図示せず)上のシ
リコン酸化膜(図示せず)をフッ酸溶液などにより完全
に除去する。さらに、不純物の注入保護膜としてシリコ
ン窒化膜209を3〜30nm程度(好ましくは5n
m)堆積する。次に、NMOS型素子領域のチャネル近
傍に浅い接合を形成する。このため、フォトリソグラフ
ィ工程によりPMOS型素子をフォトレジスト膜によっ
て覆う。NMOS型素子には、砒素が2〜30keVの
エネルギー、注入量0.5〜5×10 14/cm2 程度で
イオン注入される。砒素は、シリコン半導体中でドナー
として振る舞う。NMOS型素子の不純物としてアンチ
モンイオンを用いる場合は、3〜35keVのエネルギ
ー、注入量0.5〜5×1014/cm2 程度で注入が行
なわれる。
を除去した後、PMOS型素子領域のチャネル近傍に浅
い接合を形成する。このため、フォトリソグラフィ工程
によりNMOS型素子をフォトレジスト膜によって覆
う。PMOS型素子にはシリコン半導体中でアクセプタ
として振る舞う不純物イオンとしてBF2 イオンを5〜
40keVのエネルギー、注入量0.5〜5×1014/
cm2 程度で注入する。
aおよび106bのそれぞれの側壁にサイドウォールス
ペーサ110aおよび110bを形成する。具体的に
は、シリコン酸化膜を100〜200nm程度堆積す
る。その後、シリコン酸化膜のシリコン窒化膜に対する
選択比が50〜100程度あるC4 F8 +COガス系反
応性イオンエッチング(RIE)によりシリコン窒化膜
の表面が露出するまでエッチバックを行なう。これによ
り、サイドウォールスペーサ110aおよび110bが
形成される。深い接合であるソース・ドレイン拡散層
(深いN型拡散層)111を形成する。フォトリソグラ
フィ工程により、PMOS型素子をフォトレジスト膜に
よって覆う。NMOS型素子にはシリコン半導体中でド
ナーとして振る舞う不純物イオンとして砒素を15〜5
0keVのエネルギー、注入量1〜5×1015/cm2
程度で注入する。
を除去した後、窒素雰囲気中で850〜900℃程度の
アニールを施すことにより注入不純物を活性化させ、N
MOS型素子に浅いN型拡散層108および深いN型拡
散層111を形成する。このとき、PMOS型素子にお
いては、ボロンが活性化され浅いP型拡散層216が形
成される。次に、NMOS型素子をフォトレジスト膜に
よって覆う。PMOS型素子にはチャンネリング効果を
防ぐために、注入エネルギー30keV、注入量1×1
015/cm2 の条件でシリコンイオンを注入する。その
後、シリコン半導体中でアクセプタとして振る舞う不純
物イオンとしてボロンイオンを10〜30keVのエネ
ルギー、注入量1〜5×1015/cm2 程度で注入す
る。
を除去した後、急速熱処理(RTA(Rapid Thermal An
nealing )、1000℃、10秒)により注入不純物を
活性化させ、PMOS型素子に深いP型拡散層(ソース
・ドレイン拡散層)112を形成する。
を経て、図3(D)に示すような所望のデュアルゲート
CMOS型半導体装置が形成される。
CMOS型半導体装置は、NMOS型素子のゲート電極
106aの膜厚が十分小さい。そのためゲート電極10
6aが空乏化することがない。また、注入エネルギーを
低く設定できるため短チャネル効果を抑制できる。さら
に、PMOS型素子のゲート電極106bの膜厚は十分
大きいので、ボロンがゲート酸化膜を突き抜けてトラン
ジスタ特性を劣化させることもない。また、特開平6−
275788号公報に開示のデュアルゲートCMOS型
半導体装置の製造方法のようにリンドープポリシリコン
膜を成膜させるような特別なプロセス装置を使用してい
ない。このため、成膜のスループットが向上するととも
に、製造コストも削減できる。また、図4に示すよう
に、NMOS型素子のゲート電極106aの膜厚に対す
るPMOS型素子のゲート電極106bの膜厚の比が
1.5以上で良好なデバイス特性が得られている。この
ため、PMOS型素子およびNMOS型素子のゲート電
極106bおよび106aのそれぞれの膜厚が同じもの
に比べてプロセスマージンが飛躍的に向上する。
の形態に係るデュアルゲートCMOS型半導体装置の製
造工程を説明する。図5(C)を参照して、この製造工
程により作成されるデュアルゲートCMOS型半導体装
置は、図1を参照して説明した実施の形態1のデュアル
ゲートCMOS型半導体装置のゲート電極106bの代
わりに、間にシリコン酸化膜407を挟んだ、2層のポ
リシリコン膜412よりなるゲート電極を用いたもので
ある。両者のデュアルゲートCMOS型半導体装置の特
性は、同等である。
様に、シリコン半導体基板101上に、Pウェル10
2、Nウェル103、およびフィールド酸化膜(素子分
離領域)104を形成する。
効果防止のために、NMOS型素子(Pウェル102)
にはボロンの、PMOS型素子(Nウェル103)には
リンの、不純物イオン注入をそれぞれ行なう。次に、膜
厚5nmのゲート酸化膜205を形成後、第1のポリシ
リコン膜406を50〜130nm程度(好ましくは1
00nm)、シリコン酸化膜407を0.5〜2nm程
度、第2のポリシリコン膜408を50〜100nm程
度、それぞれLPCVD法により堆積する。
ィおよびエッチングを含む周知の工程を経て、シリコン
酸化膜407に対する選択比が100〜200程度のC
l2/HBr/O2 ガス系反応性イオンエッチング(R
IE)により、NMOS型素子領域の第2のポリシリコ
ン膜408をシリコン酸化膜407の表面が露出するま
でエッチングする。
したのと同様な工程を経て、図5(C)に示すような所
望のデュアルゲートCMOS型半導体装置を形成する。
CMOS型半導体装置は、実施の形態1のデュアルゲー
トCMOS型半導体装置と同様の効果が得られる。それ
に加えて、NMOS型素子のゲート電極106aの膜厚
の均一性を実施の形態1のそれよりも小さくすることが
できる。このため、NMOS型素子特性のばらつきを抑
制することができる。実施の形態1のNMOS型素子の
ゲート電極106aの膜厚のばらつきは、ポリシリコン
膜206の堆積時のばらつきとエッチング時のばらつき
との和になる。これに対して、本実施の形態のNMOS
型素子のゲート電極106aの膜厚のばらつきは第1の
ポリシリコン膜406の堆積時のばらつきのみで決定さ
れる。したがって、実施の形態1のゲート電極106a
の膜厚のばらつきが4〜5%(1σ)なのに対して、本
実施の形態のゲート電極106aの膜厚のばらつきは1
〜2%(1σ)に抑えることができる。これらのばらつ
きは第1のポリシリコン膜406の膜厚をテンコール社
製の膜厚測定器で測定することにより評価した。
のポリシリコン膜406および408の間に形成される
絶縁膜としてシリコン酸化膜407を用いたが、シリコ
ン酸化膜407の代わりにシリコン窒化膜を用いてもN
MOS型素子のゲート電極106aを所望の膜厚にする
ことが可能である。しかし、絶縁膜にシリコン窒化膜を
用いた場合、シリコン窒化膜中のボロンの拡散速度は非
常に小さい。このため、PMOS型素子のゲート電極4
12におけるボロンの拡散がシリコン窒化膜によりブロ
ックされ、PMOS型素子が空乏化するといった問題が
生じる。一方、絶縁膜にシリコン酸化膜407を用いた
場合では、シリコン酸化膜407中のボロンの拡散速度
は非常に大きいため、このような問題は発生しない。ま
た、第2のポリシリコン膜408のエッチングの際、ポ
リシリコン膜408のシリコン酸化膜407に対する選
択比は100〜200と非常に大きい。これに対して、
ポリシリコン膜408のシリコン窒化膜に対する選択比
は30〜50と小さい。このため、シリコン酸化膜40
7を用いる方が有効である。なお、シリコン酸化膜40
7の膜厚は加工に必要なエッチング選択性を満たしつ
つ、ボロンが十分拡散できる範囲に設定する。
408をエッチングするために反応性イオンエッチング
技術を用いたが、ケミカルドライエッチング(CDE)
やウエットエッチングを用いても同様の加工は可能であ
る。
コン酸化膜407および第2のポリシリコン膜408は
同一の装置で連続的に形成した。上記3層膜406、4
07および408を連続的に形成することにより、それ
ぞれの界面にカーボンなどの不純物が混入しない。この
ため、特性ばらつきが少なく信頼性の高い素子を得るこ
とができる。
の形態に係るデュアルゲートCMOS型半導体装置の製
造工程を説明する。この製造工程を用いて形成されるデ
ュアルゲートCMOS型半導体装置は、図1を参照して
説明した実施の形態1のデュアルゲートCMOS型半導
体装置と同様の構成をとる。このため、説明は繰返さな
い。
様に、シリコン半導体基板101上に、Pウェル10
2、Nウェル103、およびフィールド酸化膜(素子分
離領域)104を形成する。
制御および短チャネル効果防止のために、NMOS型素
子(Pウェル102)にはボロンの、PMOS型素子
(Nウェル103)にはリンの、不純物イオン注入をそ
れぞれ行なう。次に、膜厚5nmのゲート酸化膜205
を形成後、ポリシリコン膜506を50〜130nm程
度(好ましくは100nm)、シリコン窒化膜507を
5〜50nm程度、それぞれLPCVD法により堆積す
る。
ィおよびエッチングを含む周知の工程を経て、PMOS
型素子領域のシリコン窒化膜507を除去した後、フォ
トレジスト膜(図示せず)を除去する。
堆積が可能なLPCVD装置にて、PMOS型素子領域
のみにポリシリコン膜508を選択的に成長させる。具
体的には、ポリシリコン膜506上の自然酸化膜を除去
するため、水素による900℃、1分のベークを行なっ
た後、SiH2 Cl2 /HCl系の混合ガスで、850
℃で50〜130nm程度ポリシリコン膜508を成長
させる。
後、実施の形態1の図2(C)以降で示したのと同様な
工程を経て、図6(D)に示すような所望のデュアルゲ
ートCMOS型半導体装置を形成する。
CMOS型半導体装置は、実施の形態1のデュアルゲー
トCMOS型半導体装置と同様の効果が得られる。それ
に加えて、NMOS型素子のゲート電極106aの膜厚
の均一性を実施の形態1のそれよりも小さくすることが
できる。このため、NMOS型素子特性のばらつきを抑
制することができる。実施の形態1のNMOS型素子の
ゲート電極106aの膜厚のばらつきは、ポリシリコン
膜206の堆積時のばらつきとエッチング時のばらつき
との和になる。これに対して、本実施の形態のNMOS
型素子のゲート電極106aの膜厚のばらつきはポリシ
リコン膜506の堆積のばらつきのみで決定される。し
たがって、実施の形態1のゲート電極106aの膜厚の
ばらつきが4〜5%(1σ)なのに対して、本実施の形
態のゲート電極106aの膜厚のばらつきは1〜2%
(1σ)に抑えることができる。これらのばらつきはポ
リシリコン膜506の膜厚をテンコール社製の膜厚測定
器で測定することにより評価した。
リコン窒化膜507を用いたが、シリコン窒化膜507
の代わりにシリコン酸化膜を用いてもポリシリコン膜5
08を選択的に成長させることは可能である。しかし、
絶縁膜にシリコン酸化膜を用いた場合、選択的に堆積さ
せたポリシリコン膜508と下地のポリシリコン膜50
6との界面に自然酸化膜が成長する。自然酸化膜は選択
的に成長するシリコン膜の成長を抑制する。このため、
膜厚のばらつきが大きくなるといった問題が発生する。
また、シリコン酸化膜は一般的にCVD(Chemical Vap
or Deposition)法により形成されるため、耐湿性がシ
リコン窒化膜507よりも著しく劣る。したがって、ポ
リシリコン膜508の選択成長時に耐湿性に優れている
シリコン窒化膜を用いた方が、界面の自然酸化膜を抑制
することができ、良好な特性のPMOS型素子を得るこ
とができる。また、シリコン熱酸化膜をシリコン窒化膜
507の代わりに使用しても同様のPMOS型素子を得
ることができる。これは、シリコン熱酸化膜がシリコン
窒化膜507と同様に耐湿性に優れていることに起因す
る。
の形態に係るデュアルゲートCMOS型半導体装置の製
造工程を説明する。この製造工程を用いて形成されるデ
ュアルゲートCMOS型半導体装置は、図1を参照して
説明した実施の形態1のデュアルゲートCMOS型半導
体装置と同様の構成をとる。このため、説明は繰返さな
い。
様に、シリコン半導体基板101上に、Pウェル10
2、Nウェル103、およびフィールド酸化膜(素子分
離領域)104を形成する。
効果防止のために、NMOS型素子(Pウェル102)
にはボロンの、PMOS型素子(Nウェル103)には
リンの、不純物イオン注入をそれぞれ行なう。次に、膜
厚5nmのゲート酸化膜205を形成後、ポリシリコン
膜606を100〜200nm程度、シリコン窒化膜6
07を10〜50nm程度、それぞれLPCVD法によ
り堆積する。
ィおよびエッチングを含む周知の工程を経て、NMOS
型素子領域のシリコン窒化膜607を除去した後、フォ
トレジスト膜(図示せず)を除去する。
06表面を熱酸化することによりNMOS型素子領域の
みにシリコン酸化膜608を形成する。PMOS型素子
領域は耐酸化性に優れたシリコン窒化膜607に覆われ
ている。このため、ポリシリコン膜606表面は酸化し
ない。このときの酸化条件は、所望の膜厚(50〜10
0nm)のNMOS型素子のゲート電極が得られるよう
に設定されている。
ン窒化膜607を除去した後、実施の形態1の図2
(C)以降に示したのと同様な工程を経て、図7(D)
に示すような所望のデュアルゲートCMOS型半導体装
置を形成する。
デュアルゲートCMOS型半導体装置は、実施の形態1
のデュアルゲートCMOS型半導体装置と同様の効果が
得られる。それに加えて、NMOS型素子のゲート電極
106aの膜厚の均一性を実施の形態1のそれよりも小
さくすることができる。このため、NMOS型素子特性
のばらつきを抑制することができる。実施の形態1のN
MOS型素子のゲート電極106aの膜厚のばらつき
は、ポリシリコン膜206の堆積時のばらつきとエッチ
ング時のばらつきとの和になる。これに対して、本実施
の形態の製造方法におけるNMOS型素子のゲート電極
106aの膜厚のばらつきはポリシリコン膜606の堆
積時のばらつきおよび熱酸化時のばらつきで決定され
る。しかし、熱酸化時のばらつきは、エッチング時のば
らつきに比べ0.5%(1σ)程度と非常に小さい。こ
のため、実施の形態1のゲート電極106aの膜厚のば
らつきが4〜5%(1σ)なのに対して、本実施の形態
の製造方法を用いるとゲート電極106aの膜厚のばら
つきは2%(1σ)程度に抑えることができる。これら
のばらつきはポリシリコン膜606の膜厚をテンコール
社製の膜厚測定器で測定することにより評価した。ま
た、本実施の形態の製造方法を用いて製造した半導体装
置では、実施の形態2の半導体装置のようにPMOS型
素子のゲート電極106bに界面が存在しない。このた
め、良好な素子特性を得ることができる。
点で例示であって、制限的なものではないと考えられる
べきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特
許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の
意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意
図される。
体装置によれば、NMOS型素子のゲート電極の膜厚が
十分小さい。そのため、ゲート電極が空乏化することが
ないと同時に、注入エネルギーを低く設定できる。これ
により短チャネル効果を抑制できる。また、PMOS型
素子のゲート電極膜厚は十分大きいので、ボロンがゲー
ト酸化膜を突き抜けてトランジスタ特性を劣化されるこ
ともない。また、特開平6−275788号公報に開示
のデュアルゲートCMOS型半導体装置の製造方法のよ
うにリンドープポリシリコン膜を成膜させるような特別
なプロセス装置を使用していない。このため、成膜のス
ループットが向上するとともに、製造コストも削減でき
る。
半導体装置の製造方法によれば、均一性が良いNMOS
型素子のゲート電極を形成できる。このため、特性ばら
つきの少ないNMOS型素子を得ることができる。
半導体装置の構成を示す断面図である。
半導体装置の製造方法を説明する図である。
半導体装置の製造方法を説明する図である。
装置の性能を評価する図である。
半導体装置の製造方法を説明する図である。
半導体装置の製造方法を説明する図である。
半導体装置の製造方法を説明する図である。
係を示す図である。
す図である。
の性能を評価する図である。
Claims (17)
- 【請求項1】 シリコン基板上にそれぞれ形成されたP
チャネルMOS型素子と、NチャネルMOS型素子とを
含み、 前記PチャネルMOS型素子は、P型不純物を導入した
第1の電極を含み、 前記NチャネルMOS型素子は、N型不純物を導入した
第2の電極を含み、 前記第2の電極の膜厚は、前記第1の電極の膜厚よりも
小さい、デュアルゲートCMOS型半導体装置。 - 【請求項2】 前記第1および第2の電極は、ポリシリ
コンからなる、請求項1に記載のデュアルゲートCMO
S型半導体装置。 - 【請求項3】 前記第1の電極は、 第3の電極と、 前記第3の電極の上に形成された絶縁膜と、 前記絶縁膜の上に形成された第4の電極とを含む、請求
項1に記載のデュアルゲートCMOS型半導体装置。 - 【請求項4】 前記第2、第3および第4の電極は、ポ
リシリコンからなる、請求項3に記載のデュアルゲート
CMOS型半導体装置。 - 【請求項5】 前記絶縁膜は、シリコン酸化膜である、
請求項3または4に記載のデュアルゲートCMOS型半
導体装置。 - 【請求項6】 前記第1の電極の膜厚は、前記第2の電
極の膜厚の1.5倍以上である、請求項1〜5のいずれ
かに記載のデュアルゲートCMOS型半導体装置。 - 【請求項7】 前記第1の電極の膜厚は、50nm以上
250nm以下であり、 前記第2の電極の膜厚は、100nm以上350nm以
下である、請求項6に記載のデュアルゲートCMOS型
半導体装置。 - 【請求項8】 シリコン基板上にそれぞれ形成されたP
チャネルMOS型素子と、NチャネルMOS型素子とを
含み、 前記PチャネルMOS型素子は、P型不純物を導入した
第1の電極を含み、 前記NチャネルMOS型素子は、N型不純物を導入した
第2の電極を含み、 前記第2の電極の膜厚は、前記第1の電極の膜厚よりも
小さい、デュアルゲートCMOS型半導体装置の製造方
法であって、 前記シリコン基板上にゲート絶縁膜を形成する工程と、 前記ゲート絶縁膜の上にポリシリコン膜を形成する工程
と、 NチャネルMOS型素子領域の前記ポリシリコン膜をエ
ッチングし、PチャネルMOS型素子領域の前記ポリシ
リコン膜よりも膜厚を小さくする工程と、 前記ポリシリコン膜をパターニングして、前記Pチャネ
ルMOS型素子領域に前記第1の電極を形成する工程
と、 前記ポリシリコン膜をパターニングして、前記Nチャネ
ルMOS型素子領域に前記第2の電極を形成する工程と
を含む、デュアルゲートCMOS型半導体装置の製造方
法。 - 【請求項9】 シリコン基板上にそれぞれ形成されたP
チャネルMOS型素子と、NチャネルMOS型素子とを
含み、 前記PチャネルMOS型素子は、P型不純物を導入した
第1の電極を含み、 前記NチャネルMOS型素子は、N型不純物を導入した
第2の電極を含み、 前記第2の電極の膜厚は、前記第1の電極の膜厚よりも
小さい、デュアルゲートCMOS型半導体装置の製造方
法であって、 前記シリコン基板上にゲート絶縁膜を形成する工程と、 前記ゲート絶縁膜の上に第1のポリシリコン膜を形成す
る工程と、 前記第1のポリシリコン膜の上に絶縁膜を形成する工程
と、 前記絶縁膜の上に第2のポリシリコン膜を形成する工程
と、 NチャネルMOS型素子領域の前記第2のポリシリコン
膜を前記絶縁膜の表面が露出するまでエッチングする工
程と、 前記PチャネルMOS型素子領域の前記第1および第2
のポリシリコン膜をパターニングして前記第1の電極を
形成する工程と、 前記NチャネルMOS型素子領域の前記第1のポリシリ
コン膜をパターニングして前記第2の電極を形成する工
程とを含む、デュアルゲートCMOS型半導体装置の製
造方法。 - 【請求項10】 前記第1のポリシリコン膜を形成する
前記工程と、前記絶縁膜を形成する前記工程と、前記第
2のポリシリコン膜を形成する前記工程とは、同一装置
にて連続的に行われる、請求項9に記載のデュアルゲー
トCMOS型半導体装置の製造方法。 - 【請求項11】 前記絶縁膜は、シリコン酸化膜であ
る、請求項9または10に記載のデュアルゲートCMO
S型半導体装置の製造方法。 - 【請求項12】 シリコン基板上にそれぞれ形成され
た、PチャネルMOS型素子と、NチャネルMOS型素
子とを含み、 前記PチャネルMOS型素子は、P型不純物を導入した
第1の電極を含み、 前記NチャネルMOS型素子は、N型不純物を導入した
第2の電極を含み、 前記第2の電極の膜厚は、前記第1の電極の膜厚よりも
小さい、デュアルゲートCMOS型半導体装置の製造方
法であって、 前記シリコン基板上にゲート絶縁膜を形成する工程と、 前記ゲート絶縁膜の上にポリシリコン膜を形成する工程
と、 前記ポリシリコン膜の上に耐酸化性を有する絶縁膜を形
成する工程と、 前記絶縁膜をパターニングしてNチャネルMOS型素子
領域の前記絶縁膜のみを除去する工程と、 熱酸化により前記NチャネルMOS型素子領域の前記ポ
リシリコン膜の上部をシリコン酸化膜に変える工程と、 前記PチャネルMOS型素子領域の前記ポリシリコン膜
をパターニングして前記第1の電極を形成する工程と、 前記NチャネルMOS型素子領域の前記ポリシリコン膜
をパターニングして前記第2の電極を形成する工程とを
含む、デュアルゲートCMOS型半導体装置の製造方
法。 - 【請求項13】 前記絶縁膜は、シリコン窒化膜であ
る、請求項12に記載のデュアルゲートCMOS型半導
体装置の製造方法。 - 【請求項14】 シリコン基板上にそれぞれ形成され
た、PチャネルMOS型素子と、NチャネルMOS型素
子とを含み、 前記PチャネルMOS型素子は、P型不純物を導入した
第1の電極を含み、 前記NチャネルMOS型素子は、N型不純物を導入した
第2の電極を含み、 前記第2の電極の膜厚は、前記第1の電極の膜厚よりも
小さい、デュアルゲートCMOS型半導体装置の製造方
法であって、 前記シリコン基板上にゲート絶縁膜を形成する工程と、 前記ゲート絶縁膜の上にポリシリコン膜を形成する工程
と、 前記ポリシリコン膜の上に絶縁膜を形成する工程と、 前記絶縁膜をパターニングしてPチャネルMOS型素子
領域の前記絶縁膜を除去する工程と、 ポリシリコン膜を前記PチャネルMOS型素子領域のみ
に選択的に堆積する工程と、 前記PチャネルMOS型素子領域の前記ポリシリコン膜
をパターニングして前記第1の電極を形成する工程と、 前記NチャネルMOS型素子領域の前記ポリシリコン膜
をパターニングして前記第2の電極を形成する工程とを
含む、デュアルゲートCMOS型半導体装置の製造方
法。 - 【請求項15】 前記絶縁膜はシリコン窒化膜である、
請求項14に記載のデュアルゲートCMOS型半導体装
置の製造方法。 - 【請求項16】 前記第1の電極の膜厚は、前記第2の
電極の膜厚の1.5倍以上である、請求項8〜15に記
載のデュアルゲートCMOS型半導体装置の製造方法。 - 【請求項17】 前記第1の電極の膜厚は、50nm以
上250nm以下であり、 前記第2の電極の膜厚は、100nm以上350nm以
下である、請求項16に記載のデュアルゲートCMOS
型半導体装置の製造方法。
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