JP2000058452A - 半導体作製方法 - Google Patents

半導体作製方法

Info

Publication number
JP2000058452A
JP2000058452A JP20692999A JP20692999A JP2000058452A JP 2000058452 A JP2000058452 A JP 2000058452A JP 20692999 A JP20692999 A JP 20692999A JP 20692999 A JP20692999 A JP 20692999A JP 2000058452 A JP2000058452 A JP 2000058452A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
island
semiconductor
semiconductor device
field effect
shaped semiconductor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP20692999A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3142836B2 (ja
Inventor
Shunpei Yamazaki
舜平 山崎
Koyu Cho
宏勇 張
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Original Assignee
Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd filed Critical Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Priority to JP11206929A priority Critical patent/JP3142836B2/ja
Publication of JP2000058452A publication Critical patent/JP2000058452A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3142836B2 publication Critical patent/JP3142836B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Physical Deposition Of Substances That Are Components Of Semiconductor Devices (AREA)
  • Thin Film Transistor (AREA)
  • Recrystallisation Techniques (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】格子歪を有する微結晶半導体を得ることを課題
とする。 【解決手段】絶縁ゲート型電界効果半導体装置であっ
て、基板上に島状半導体層が前記基板と前記島状半導体
層の間にバッファ層を伴って形成され、前記島状半導体
は、前記半導体装置の活性領域を有し、ゲート電極がゲ
ート絶縁膜を介して前記島状半導体に隣接して設けら
れ、ソース、ドレイン及びチャネル形成領域を有し、結
晶粒の平均直径がラマンスペクトルの半値幅から平均直
径が5Å〜400Åと計算される構造を有し、電子移動
度が5cm2/V sec 〜300cm2/V sec であり、酸素濃度
が7×1019atmoscm3 以下である珪素を、前記島状半
導体は有し、前記島状半導体の前記チャネル形成領域の
ラマンスペクトルは、ピークが520cm-1より低周波数
側にシフトし、前記ゲート絶縁膜は、前記島状半導体の
側端を越えて延長している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、格子歪を有するマ
イクロクリスタル構造の半導体の作製方法に関するもの
である。
【0002】〔発明の概要〕本発明は、水素または水素
を主成分気体( 残りはアルゴン等の不活性気体) 雰囲気
中における不純物濃度5×1018cm-3以下の半導体タ−ゲ
ットをスパッタさせることによって、7×1019cm-3以下
好ましくは1×1019cm-3以下の酸素濃度のアモルファス
半導体を熱結晶化させることにより、7 ×1019cm-3以下
の酸素濃度の格子歪を有するマイクロクリスタル構造の
半導体を形成する方法に関するものである。
【0003】
【従来の技術】従来、多結晶半導体装置は、減圧CVDま
たはプラズマCVD法によって形成された半導体膜を550
〜650℃の温度で数時間〜数十時間熱処理し熱結晶化さ
せることにより多結晶半導体膜を得て、この多結晶半導
体膜を用いて作製されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】減圧CVD 法によって非
単結晶半導体膜を得る場合、大面積基板に均一に成膜す
るのは困難であるという問題がある。
【0005】またプラズマCVD法によって非単結晶半導
体膜を得る場合、その成膜工程に時間がかかるという問
題があった。
【0006】従来、水素を添加したスパッタ法によって
得られたa-Si(アモルファスシリコン)膜を用いて薄膜
トランジスタを作製する例が知られているが、その電気
的特性は低い( 電子移動度は0.1cm2/Vsec 以下) ことが
知られている。
【0007】そこで、一般的には水素を添加しないアル
ゴンガスを用い、スパッタ法によってa-Si膜を得てい
る。
【0008】また水素のみまたは水素を主成分とする気
体を用いたスパッタ法での成膜は不可能であるとされて
いた。
【0009】
【課題を解決するための手段】この様な問題を解決する
手段としてはスパッタ法を用いる方法がある。特にマグ
ネトロン型スパッタ法は イ)電子が磁場でターゲット付近に閉じ込められ高エネ
ルギー電子による基板表面への損傷が抑えられる。 ロ)低温で大面積にわたり高速成膜できる。 ハ)危険なガスを使用しないので、安全性と工業性が高
い。 などの利点がある。しかし、スパッタ法によって得た非
単結晶半導体膜には、珪素原子の存在に偏りがあり、ア
ルゴン原子および酸素の不純物の混在によりまたは同時
に水素を混在していないため700 ℃以下の温度での熱結
晶化は不可能であることが知られている。
【0010】〔発明の目的〕本発明は、工業的に量産生
のよいスパッタ法により得られた非単結晶半導体を熱結
晶化させることによって格子歪を有する微結晶半導体を
得ることを発明の目的とする。
【0011】
【発明の実施の形態】〔発明の構成〕本発明は、水素ま
たは水素と不活性気体とを水素を主成分として有する雰
囲気中における基板上へのスパッタ法による非晶質性(
アモルファスまたはそれにきわめて近い) 半導体膜( 以
下a−Siという) の成膜工程と、前記スパッタ法によっ
て得た非晶質性の半導体膜を450 〜700 ℃代表的には60
0 ℃の温度で結晶化させる工程を有することを特徴とす
る半導体作製方法である。
【0012】本発明者は、スパッタ法において水素を雰
囲気気体として20%以上添加する(雰囲気中の酸素濃度
は0.01% 以下とし、水素も5N(99.999%以上) の高純度水
素を用いている) ことで、成膜されるa-Si膜中に予め水
素を均一に分散させて混入せしめて、このa-Si膜を450
〜700 ℃、代表的には600℃以下の温度でのアニ−ルに
よって熱結晶化できることを発見した。本発明は、この
上記実験事実に基づくものである。
【0013】 この結晶化は、平均の結晶粒径が5〜
400 Åと小さく、かつその中の水素含有量は5原子%以
下である。特に不純物としての酸素は7×1019cm-3また
はそれ以下好ましくは1×1019cm-3以下とすることに特
長を有する。そしてそれぞれの微結晶に格子歪をもたせ
ることにより、ミクロにそれの結晶界面が互いに強く密
接し、結晶粒界でのキャリアにとってのバリアを消滅さ
せんとしている。 このため、単に格子歪のない多結晶
の結晶粒界では、酸素等がそこに偏析し障壁( バリア)
がキャリアの移動を阻害するが、本発明においては、か
かる格子歪により、バリアがないまたは無視できる程度
であるため、電子の移動度も5〜300cm2/Vsec と桁違い
に優れた特長を有せしめた。
【0014】
【実施例】(実施例1)本実施例は、マグネトロン型RF
(高周波)スパッタ装置によって作製したa-Si膜を熱結
晶化させて、格子歪を有せしめるとともに、その平均結
晶粒径を5〜400 Åと小さく、また含有水素の量は5原
子%以下であり、かつ不純物としての酸素は7×1019cm
-3以下、好ましくは1×1019cm-3以下の凖結晶( セミア
モルファス Quasi-crystal またはSemi-amrphasともい
う) の多結晶珪素半導体層を形成した。そしてその電気
特性であるキャリア移動度、スレッシュホ−ルド電圧、
界面準位密度等の電気特性を知るのに最も有効な手段で
あるこの微結晶珪素半導体層を用い、薄膜ランジスタを
作製した。
【0015】図1 に本実施例において作製した薄膜トラ
ンジスタの作製工程を示す。まず、ガラス基板(11)上に
酸化珪素膜(12)を以下の条件においてマグネトロン型RF
スパッタ法により200nmの厚さに形成した。 O2 100 %雰囲気 成膜温度 150℃ RF(13.56MHz)出力 400W 圧力 0.5 Pa 単結晶シリコンをターゲットに使用 さらにその上に高純度のマグネトロン型RFスパッタ装置
によってチャネル形成領域となるa-Si膜(13)を100nmの
厚さに成膜する。
【0016】このスパッタ法として背圧を1×10-7Pa以
下とし、排気はタ−ボ分子ポンプとクライオポンプとを
用いた。供給する気体の量は5N(99.999%) 以上の純度
を有し、添加気体としては必要に応じて用いるアルゴン
4N以上を有せしめた。タ−ゲットの単結晶シリコンも
5×1018cm-3以下の酸素濃度、例えば1×1018cm-3の酸
素濃度とし、形成される被膜中の不純物としての酸素を
きわめて少なくした。
【0017】成膜条件は、水素含有比20〜100%、アルゴ
ン含有比80〜0%、例えば水素含有100 %とした。かかる
雰囲気下において、 H2/(H2+Ar)=100%(分圧比) 成膜温度 150 ℃ RF(13.56MHz) 出力 400W 全圧力 0.5Pa とし、ターゲットは高純度Siターゲットを用いた。 こ
の後、450 〜700 ℃、例えば600℃の温度で10時間の時
間をかけ、水素または不活性気体中、本実施例において
は水素100%雰囲気中においてa-Si膜(13)の熱結晶化を
行った。いわゆる微結晶( またはセミアモルファス) と
いわれるものであった。
【0018】かかる方法にて形成されたアモルファスシ
リコン膜および熱処理により結晶化後の被膜中の不純物
純度をSIMS( 二次イオン等量分析) 法により調べた。す
ると成膜中の不純物濃度のうち、酸素8×1018cm-3、炭
素3×1016cm-3であった。また水素は4×1020cm-3を有
し、珪素の密度を4×1022cm-3とすると、1原子%に相
当する量であった。これらをタ−ゲットの単結晶シリコ
ンの酸素濃度1×1018cm-3を基準として調べた。またこ
のSIMS分析は成膜後被膜の深さ方向の分布( デプスプロ
フィル) を調べ、その最小値を基準とした。なぜなら表
面は大気との自然酸化した酸化珪素があるからである。
これらの値は結晶化処理後であっても特に大きな変化は
なく、酸素の不純物濃度は8×1018cm-3であった。この
実施例において、酸素を念のために増やし、例えばN2O
を0.1cc/sec 、10cc/secと添加してみた。すると結晶化
後の酸素濃度は1×1020cm-3、4×1020cm-3と多くなっ
た。しかしかかる被膜を用いた時、同時に、結晶化に必
要な温度を700 ℃以上にするか、または結晶化時間を少
なくとも5倍以上にすることによって、初めて結晶化が
できた。即ち工業的に基板のガラスの軟化温度を考慮す
ると、700 ℃以下好ましくは600 ℃以下での処理は重要
であり、またより結晶化に必要な時間を少なくすること
も重要である。しかし酸素濃度等の不純物をどのように
少なくしても、450 ℃以下では熱アニ−ルによるa-Si半
導体の結晶化は実験的には不可能であった。
【0019】また本発明においては、もしかかる高品質
のスパッタ装置を用いた結果として、装置からのリ−ク
等により成膜中の酸素濃度が1×1020cm-3またはそれ以
上となった場合は、かかる本発明の特性を期待すること
ができない。
【0020】かくの如くにして7×1019cm-3以下の酸素
濃度であること、および熱処理温度が450 〜700 ℃であ
ることが決められた。
【0021】もちろん、ゲルマニウムにおいては、また
はシリコンとゲルマニウムとの化合物半導体である場合
にはアニ−ル温度を約100 ℃下げることができた。
【0022】この微結晶半導体は格子歪を有し、以下図
4に示されたレ−ザラマン分析デ−タで明らかなよう
に、低波数側に単結晶シリコンに比べてシフトしてい
た。電気特性を調べるため、以下に絶縁ゲイト型電解効
果トランジスタの作製方法を記す。即ち、本発明方法に
よって得られた熱結晶化させた微結晶珪素半導体に対し
てデバイス分離パターニングを行い、図1(a) の形状を
得た。
【0023】つぎに、n+a-Si膜(14)を以下に示す条件で
マグネトロン型RFスパッタ法により50nmの厚さに成膜
した。
【0024】成膜条件は、水素分圧比20〜99%以上(本
実施例では80%) 、アルゴン分圧比80〜0%(本実施例
では19%)、PH3分圧比0.1 %〜10%(実施例では1%)の
雰囲気中において、 成膜温度 150 ℃ RF(13.56MHz) 出力 400W 全圧力 0.5Pa であり、ターゲットとして単結晶( 酸素濃度1×1018cm
-3)Si をターゲットとして用いた。
【0025】また、この一導電型を有する半導体層の作
製のためには、はPCVD法を用いてもよい。さらに、活性
層を形成した後、ソ−スおよびドレインを形成するた
め、不純物(例えばB( ホウ素) 、P( リン) 、As( 砒
素))をイオン注入法により添加してもよい。
【0026】この後ゲート領域パターニングを行い図1
(b )の形状を得た。
【0027】つぎにゲート酸化珪素膜(15)を100nmの厚
さにマグネトロン型RFスパッタ法により以下の条件で
成膜し、図1(c) の形状を得た。 酸素雰囲気 100% 圧力0.5pa, 成膜温度100℃ RF(13.56MHz)出力400W 単結晶シリコンのターゲットまたは合成石英のターゲッ
ト使用した。
【0028】つぎにコンタクトホール開けパターニング
を行い、図1(d)の形状をえた。
【0029】最後に真空蒸着によりアルミニウム電極(1
6)を300nmの厚さに形成し、パターニングすることにに
より図1(e)の形状を得、その後水素熱アニ−ルを水素10
0%雰囲気中において375℃の温度で30min 行い、薄膜ト
ランジスタを完成させた。この水素熱アニールは多結晶
珪素半導体と酸化珪素絶縁膜との界面凖位を低減させ、
デバイス特性を向上させるためである。
【0030】なお図1(e) に示す薄膜トランジスタにお
いて、Sはソ−ス電極、Gはゲイト電極、Dはドレイン
電極である。
【0031】また本実施例において作製した薄膜トラン
ジスタ図1(e) のチャンネル部(17)の大きさは100×100
μmの大きさである。
【0032】以上が本実施例において作製した多結晶珪
素半導体層を用いた薄膜トランジスタの作製方法である
が、本発明の効果を示すためにチャネル形成領域である
図1(a) のa-Si層(13)をマグネトロン型RFスパッタ法
により成膜する際の条件である水素の濃度および不本意
に混入する酸素濃度を変化させた実施例を5例作製した
ので以下にその作製方法を示す。
【0033】(実施例2)本実施例は実施例1の作製法
においてチャネル形成領域となる図1(a) の(13)を作製
する際のスパッタ時における雰囲気の分圧比をH2/(H2+A
r)=0%(分圧比)とし、他は実施例1と同様な方法によ
って作製したものである。酸素濃度は2×1020cm-3を有
していた。
【0034】(実施例3)本実施例は実施例1の作製法
においてチャネル形成領域となる図1(a) の(13)を作製
する際のスパッタ時における雰囲気の分圧比を H2/(H2+Ar)=20% (分圧比) とし、他は実施例1と同様な方法によって作製したもの
である。成膜中の酸素濃度は7×1019cm-3を有してい
た。
【0035】(実施例4)本実施例は実施例1の作製法
においてチャネル形成領域となる図1(a) の(13)を作製
する際のスパッタ時における雰囲気の分圧比を H2/(H2+Ar)=50% (分圧比) とし、他は実施例1と同様な方法によって作製したもの
である。成膜中の酸素濃度は3×1019cm-3を有してい
た。
【0036】(実施例5)本実施例は実施例1の作製法
においてチャネル形成領域となる図1(a) の(13)を作製
する際のスパッタ時における雰囲気の分圧比を H2/(H2+Ar)= 80% (分圧比) とし、他は実施例1と同様な方法によって作製したもの
である。成膜中の酸素濃度は1×1019cm-3を有してい
た。
【0037】以下、上記実施例の電気的特性を比較した
結果を示す。
【0038】図2は完成した本実施例1〜5のチャネル
部(図1(E)の(17))におけるキャリアの移動度μ(FIELD
MOBILITY)とスパッタ時における水素分圧比比(PH/PTOTA
=H 2/(H2+Ar))の関係をグラフ化したものである。図2
におけるプロット点と実施例との対応関係を以下に表1
として示す。
【0039】
【表1】
【0040】図2によれば水素分圧が0%の時は酸素濃度
が2×1020cm-3もあるため、3×10 -1cm2V/secときわめ
て小さく、また他方、本発明の如く20%以上また酸素濃
度7×1019cm-3以下において顕著に高い移動度2cm2/Vs
ec以上μ(FIELD MOBILITY)が得られていることがわか
る。
【0041】これは水素を添加すると、スパッタ内のチ
ャンバ中での酸素を水とし、それをクライオポンプで積
極的に除去できたためと推定される。
【0042】図3はしきい値電圧とスパッタ時における
水素分圧比(PH/PTOTAL=H2/(H2+Ar))の関係をグラフ化
したものである。
【0043】水素分圧比(PH/PTOTAL=H2/(H2+Ar))と実
施例番号の対応関係は表1の場合と同じである。
【0044】しきい値電圧が低いほど薄膜トランジスタ
を動作させる動作電圧、すなわちゲイト電圧が低くてよ
いことになり、デバイスとしての良好な特性が得られる
ことを考えると、図3の結果は、水素の分圧比の高い20
%以上条件のスパッタ法によって、スレッシュホ−ルド
電圧8V以下のノ−マリオフの状態を得ることができ
る。即ち、チャネル形成領域となる図1(a) の(13)に示
されるa-Si膜を得て、このa-Si膜を再結晶化させること
によって得られる微結晶珪素半導体層を用いたデバイス
(本実施例では薄膜トランジスタ)は良好な電気的特性
を示すことがわかる。
【0045】a-Si膜を熱結晶化させた多結晶珪素半導体
層のレ−ザラマンスペクトルを示したものである。図4
に表された表示記号と実施例番号およびスパッタ時の水
素分圧比との関係を第2表に示す。
【0046】
【表2】
【0047】 図4を見ると曲線(42)に比較して曲線(4
3)、すなわちチャネル形成領域(図1(e) の(17))となる
a-Si半導体層を作製する際のスパッタ時における水素の
分圧比が0%の場合と100 %の場合を比較すると、熱ア
ニ−ルにより結晶化させた場合は、スパッタ時における
水素の分圧比が100%の場合のラマンスペクトルは顕著に
その結晶性を有し、かつその平均の結晶粒径は半値幅よ
り5〜400 Å代表的には100 〜200 Åである。そして単
結晶シリコンのピ−ク値の520cm -1よりも低波数側にず
れ、明らかに格子歪を有する。このことは本発明の特徴
を顕著に示している。すなわち水素を添加したスパッタ
法によるa-Si膜の作製の効果は、そのa-Si膜を熱結晶化
させて初めて現れるものであるということである。
【0048】このように格子歪を有すると、微結晶粒の
互いが無理に縮んでいるため、互いの結晶粒界での密接
が強くなり、結晶粒界でのキャリアにとってのエネルギ
バリアもそこでの酸素等の不純物の偏析も発生しにく
い。結果として高いキャリア移動度を期待することがで
きる。
【0049】一般に電界効果トランジスタである薄膜ト
ランジスタにおいてドレイン電圧VDが低い場合、ドレイ
ン電流IDとドレイン電圧VDとの関係は以下の式によって
表される。 ID=(W/L)μC(VG-VT)VD (Solid.State electronics.Vol.24.No.11.pp.1059.198
1.Printed in Britain)
【0050】上式において、Wはチャンネル幅、Lはチ
ャネル長、μはキャリアの移動度、Cはゲイト酸化膜の
静電容量、VGはゲート電圧、VTはしきい値電圧として定
着している。
【0051】上記スパッタ時における不活性気体として
はArを用いたが、その他Heなどの他の不活性気体、また
はSiH4、Si2H6などの反応性気体をプラズマ化させたも
のを雰囲気気体の一部に添加して用いても良い。本実施
例のマグネトロン型RFスパッタ法によるa-Si膜の成膜に
おいて、水素濃度は5〜100 %、成膜温度は室温〜500℃
の範囲、RF出力は500 Hz〜100GHzの範囲において、出力
100W〜10MWの範囲で任意に選ぶことができ、またパルス
エネルギー発信源と組み合わせてもよい。さらに強力な
光照射( 波長100 〜500nm 以下) エネルギーを加えて光
スパッタを行ってもよい。
【0052】これは、水素という軽い原子をよりプラズ
マ化させ、スパッタリングに必要な正イオンを効率よく
生成させて、スパッタによって成膜される膜中に水素ま
たは水素原子を均一に添加し、結果として酸素の混入を
7×1019cm-3以下、好ましくは1×1019cm-3以下におさ
えた半導体の成膜のためである。本発明は明細書におい
て非晶質性の半導体膜を単にa-Si膜として略記した。し
かしこれはシリコン半導体を主な半導体とするが、ゲル
マニウム、SixGe1-x(0<x<1) であってもよい。
【0053】これは真性半導体のみならずPまたはN型
の半導体であってもよい。また前記他の反応性気体を上
記の手段に応用してもよい。
【0054】
【発明の効果】本発明の構成とすることによって、工業
的に有用なスパッタ法により得られた非単結晶半導体を
熱結晶化させ多結晶半導体を得る工程において、問題と
なる熱結晶化困難の問題を解決することができ、しかも
この多結晶半導体層を用いて高性能な薄膜トランジスタ
を作製することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例1〜6の作製工程を示す。
【図2】本実施例で作製した薄膜トランジスタの作製工
程において、チャネル形成領域となるa-Si膜の作製時に
添加する水素の分圧比と本実施例で作製した薄膜トラン
ジスタにおけるキャリアの移動度との関係を示したもの
である。
【図3】本実施例で作製した薄膜トランジスタの作製工
程において、チャネル形成領域となるa-Si膜の作製時に
添加する水素の分圧比と、本実施例で作製した薄膜トラ
ンジシタにおけるしきい値との関係を示したものであ
る。
【図4】本実施例において作製した多結晶珪素半導体の
ラマンスペクトルを示したものである。 (11)・・・ガラス基板 (12)・・・酸化珪素膜 (13)・・・微結晶半導体の活性層 (14)・・・n+a-Si膜 (15)・・
・ゲート酸化膜 (16)・・・アルミ電極 (17)・・・チャネル形成領域 (S)・・・ソ−ス電極 (G)・・・ゲイト電極 (D)・・・ドレイン電極

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁ゲート型電界効果半導体装置であっ
    て、 基板上に島状半導体層が前記基板と前記島状半導体層の
    間にバッファ層を伴って形成され、 前記島状半導体は、前記半導体装置の活性領域を有し、 ゲート電極がゲート絶縁膜を介して前記島状半導体に隣
    接して設けられ、 ソース、ドレイン及びチャネル形成領域を有し、結晶粒
    の平均直径がラマンスペクトルの半値幅から平均直径が
    5Å〜400Åと計算される構造を有し、電子移動度が
    5cm2/V sec 〜300cm2/V sec であり、酸素濃度が7
    ×1019atmoscm3 以下である珪素を、前記島状半導体
    は有し、 前記島状半導体の前記チャネル形成領域のラマンスペク
    トルは、ピークが520cm-1より低周波数側にシフト
    し、 前記ゲート絶縁膜は、前記島状半導体の側端を越えて延
    長していることを特徴とする絶縁ゲート型電界効果半導
    体装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記島状半導体は水
    素を5atom%以下含んでいることを特徴とする絶縁ゲー
    ト型電界効果半導体装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記島状半導体は、
    n型半導体、p型半導体、及び真性半導体から選ばれた
    半導体を有することを特徴とする絶縁ゲート型電界効果
    半導体装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、絶縁膜は前記半導体
    装置のゲート絶縁物であることを特徴とする絶縁ゲート
    型電界効果半導体装置。
  5. 【請求項5】 請求項1において、前記絶縁膜は前記バ
    ッファ層の前記島状半導体があるところ以外の一部の上
    に延長していることを特徴とする絶縁ゲート型電界効果
    半導体装置。
  6. 【請求項6】 請求項1において、前記ゲート電極はア
    ルミニウムを含むことを特徴とする絶縁ゲート型電界効
    果半導体装置。
  7. 【請求項7】 請求項1において、前記島状半導体は珪
    素及びゲルマニウムから選ばれた元素でなることを特徴
    とする絶縁ゲート型電界効果半導体装置。
  8. 【請求項8】 請求項1において、前記島状半導体はS
    x Ge1-x (0<x<1)を有することを特徴とする
    絶縁ゲート型電界効果半導体装置。
  9. 【請求項9】 請求項1において、前記島状半導体は前
    記島状半導体の結晶が格子歪みを有することで実質的に
    バリアがないことを特徴とする絶縁ゲート型電界効果半
    導体装置。
  10. 【請求項10】 基板上に設けられた島状半導体と、 前記基板と島状半導体の間のバッファ層と、 絶縁膜を介して前記島状半導体に隣接して設けられたゲ
    ート電極とを有し、 前記島状半導体はソース、ドレイン、及びチャネル形成
    領域を有し、珪素又はゲルマニウムを含み、5cm2/V se
    c 〜300cm2/V sec の電子移動度を有し、 前記島状半導体のチャネル形成領域のラマンスペクトル
    は、ピークが520cm -1より低周波数側にシフトしてい
    ることを示し、 前記絶縁膜は前記島状半導体の側端を越えて延長してお
    り、 前記バッファ層は前記基板上の前記島状半導体を囲う領
    域において前記島状半導体と前記絶縁膜とで覆われてい
    ることを特徴とする絶縁ゲート型電界効果半導体装置。
  11. 【請求項11】 請求項10において、ソース電極とド
    レイン電極は前記絶縁膜に形成された開孔を介して島状
    半導体に接続されており、前記絶縁膜は前記ソース電極
    及びドレイン電極と前記島状半導体との接続部を除いて
    前記半導体層の全表面を直接覆っていることを特徴とす
    る絶縁ゲート型電界効果半導体装置。
  12. 【請求項12】 請求項10において、前記島状半導体
    は該島状半導体の結晶が格子歪みを有することで実質的
    にバリアがないことを特徴とする絶縁ゲート型電界効果
    半導体装置。
  13. 【請求項13】 絶縁ゲート型電界効果半導体装置であ
    って、 基板上に、ソース、ドレイン、及びチャネル形成領域を
    有し珪素又はゲルマニウムを含む島状半導体と、 前記基板と前記島状半導体の間のバッファ層と、 絶縁膜を介して前記島状半導体に隣接して設けられたア
    ルミニウムを含むゲート電極とを有し、 前記島状半導体のチャネル形成領域のラマンスペクトル
    は、ピークが520cm -1より低周波数側にシフトしてい
    ることを示し、 前記絶縁膜は、前記島状半導体の側端を越えた外側であ
    って、前記バッファ層の前記島状半導体が設けられてい
    る領域以外の上に延長していることを特徴とする絶縁ゲ
    ート型電界効果半導体装置。
  14. 【請求項14】 請求項1又は請求項10又は請求項1
    3において、前記バッファ層は酸化珪素を有することを
    特徴とする絶縁ゲート型電界効果半導体装置。
JP11206929A 1999-07-21 1999-07-21 半導体装置 Expired - Lifetime JP3142836B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11206929A JP3142836B2 (ja) 1999-07-21 1999-07-21 半導体装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11206929A JP3142836B2 (ja) 1999-07-21 1999-07-21 半導体装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2277134A Division JP3030366B2 (ja) 1990-10-15 1990-10-15 半導体作製方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000344138A Division JP2001177108A (ja) 2000-11-10 2000-11-10 半導体装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000058452A true JP2000058452A (ja) 2000-02-25
JP3142836B2 JP3142836B2 (ja) 2001-03-07

Family

ID=16531401

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11206929A Expired - Lifetime JP3142836B2 (ja) 1999-07-21 1999-07-21 半導体装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3142836B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8860037B2 (en) 2011-10-12 2014-10-14 Panasonic Corporation Thin-film transistor device

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8860037B2 (en) 2011-10-12 2014-10-14 Panasonic Corporation Thin-film transistor device

Also Published As

Publication number Publication date
JP3142836B2 (ja) 2001-03-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5236850A (en) Method of manufacturing a semiconductor film and a semiconductor device by sputtering in a hydrogen atmosphere and crystallizing
EP0608503B1 (en) A semiconductor device and its manufacturing method
US5744818A (en) Insulated gate field effect semiconductor device
KR100327086B1 (ko) 박막 반도체 장치의 제조방법, 박막 반도체 장치,액정표시장치 및 전자기기
TW515101B (en) Method for fabrication of field-effect transistor
EP0481777B1 (en) Method of manufacturing gate insulated field effect transistors
JP3142836B2 (ja) 半導体装置
JP3065528B2 (ja) 半導体装置
JP4031021B2 (ja) 薄膜トランジスタの作製方法
JP3153202B2 (ja) 半導体装置の作製方法
JP3160269B2 (ja) 半導体装置の作製方法
JP3030366B2 (ja) 半導体作製方法
JP4001281B2 (ja) 絶縁ゲイト型電界効果薄膜トランジスタの作製方法
JP2987987B2 (ja) 結晶半導体薄膜の形成方法並びに薄膜トランジスタの製造方法
KR100524874B1 (ko) 비정질실리콘박막의결정화방법
JP2001177108A (ja) 半導体装置
JP2001035791A (ja) 半導体装置の作製方法
JP2001053291A (ja) 半導体および半導体装置
JP3614333B2 (ja) 絶縁ゲイト型電界効果トランジスタ作製方法
JP2001053289A (ja) 薄膜トランジスタの作製方法
JP3241705B2 (ja) 薄膜トランジスタの作製方法
JP3397760B2 (ja) 薄膜トランジスタの作製方法
JP2001053007A (ja) 半導体装置の作製方法
JP3051363B2 (ja) 半導体装置の作製方法
JP3614331B2 (ja) 結晶性珪素膜の形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 7

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071222

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081222

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091222

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091222

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091222

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 10

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101222

EXPY Cancellation because of completion of term