JP2000058373A - 電子部品 - Google Patents

電子部品

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JP2000058373A
JP2000058373A JP10222028A JP22202898A JP2000058373A JP 2000058373 A JP2000058373 A JP 2000058373A JP 10222028 A JP10222028 A JP 10222028A JP 22202898 A JP22202898 A JP 22202898A JP 2000058373 A JP2000058373 A JP 2000058373A
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dielectric constant
electronic component
capacitor
resin
ceramic
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JP10222028A
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Minoru Takatani
稔 高谷
Masami Sasaki
正美 佐々木
Toshiichi Endo
敏一 遠藤
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Original Assignee
TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高誘電率材料と低誘電率材料とを誘電体として
使用するコンデンサを含む電子部品において、製造時に
おけるクラック発生等の問題がなく、機械的強度、電気
的特性等の信頼性の高い電子部品を提供する。 【解決手段】コンデンサ3〜5を形成する部分の誘電体
12〜14は、セラミック、またはセラミックと樹脂材
料からなる高誘電率材料でなる。コンデンサを形成する
部分以外の誘電体15は、樹脂材料またはセラミックと
樹脂材料からなる低誘電率材料でなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数のコンデンサ
を内蔵する電子部品に係り、特に複数のノイズフィルタ
を内蔵する複合フィルタや、複数のコンデンサを内蔵す
る複合コンデンサ、あるいはこれらと共にストリップラ
イン共振器を内蔵する電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、誘電体材料を用いた複数のコンデ
ンサを含む電子部品は、複数のノイズフィルタの電極、
あるいは複数のコンデンサの電極を内蔵する部品の基体
全体が高い誘電率を有する誘電体材料によって構成され
る。このような電子部品においては、基体自体が高誘電
率材料による構造体であるため、各素子の電極間あるい
は入力端子、出力端子、接地端子等の端子間に分布容量
が発生し、隣接する素子へ信号の漏洩によるクロストー
クあるいはノイズの漏洩が起こり易く、また、共振器の
場合には、共振周波数等の設定周波数にずれが生じると
いう問題点があった。このような問題点を解決するた
め、高誘電率セラミック材料により構成される複数のコ
ンデンサ間に低誘電率セラミック材料を設けた提案が例
えば特開平3−35515号公報等においてなされてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ものは、低誘電率材料、高誘電率材料が共にセラミック
であって、一体焼成時の処理工程で個々のセラミックの
熱膨張係数の違いにより熱クラックが発生するという問
題点があった。
【0004】本発明は、上記問題点に鑑み、高誘電率材
料と低誘電率材料とを誘電体として使用するコンデンサ
を含む電子部品において、製造時におけるクラック発生
等の問題がなく、機械的強度、電気的特性等の信頼性の
高い電子部品を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の電子部品は、
少なくとも複数のコンデンサを有する電子部品であっ
て、コンデンサを形成する部分の誘電体は、セラミック
からなる高誘電率材料でなり、該コンデンサを形成する
部分以外の誘電体は、樹脂材料からなる低誘電率材料で
なることを特徴とする。
【0006】請求項2の電子部品は、コンデンサを形成
する部分の誘電体は、セラミックからなる高誘電率材料
でなり、該コンデンサを形成する部分以外の誘電体は、
樹脂材料にセラミックを混合した低誘電率材料でなるこ
とを特徴とする。
【0007】請求項3の電子部品は、請求項1または2
において、前記高誘電率材料は樹脂材料にセラミックを
混合した複合材料でなることを特徴とする。
【0008】請求項1ないし3の電子部品のように、高
誘電率材料と低誘電率材料のうち、少なくとも低誘電率
材料に樹脂材料または樹脂とセラミックからなる複合材
料を用いれば、樹脂の柔軟性から、クラックの発生を防
止することができる。
【0009】請求項4の電子部品は、請求項1から3ま
でのいずれかにおいて、前記電子部品がさらにインダク
タを有しており、前記インダクタ部分の低誘電率材料を
磁性材料としたことを特徴とする。このように、インダ
クタを含む電子部品においても、前記各請求項の効果を
得ることができる。
【0010】請求項5の電子部品は、請求項1から4ま
でのいずれかにおいて、前記電子部品はさらにストリッ
プライン共振器を有しており、前記共振器内の誘電体は
前記低誘電率材料より高い誘電率を有することを特徴と
する。このように、共振器の誘電率を高くすることによ
り、全体として小型の電子部品が得られる。
【0011】請求項6の電子部品は、請求項1から5ま
でのいずれかにおいて、前記電子部品を構成する基体の
表面に導体および厚膜抵抗を印刷して基板とし、該基板
に他のチップ型電子部品を搭載して複合部品としたこと
を特徴とする。このように、前記電子部品を基板として
その上に電子部品を搭載することにより、高密度実装の
電子部品が得られる。
【0012】請求項7の電子部品は、請求項1から6ま
でのいずれかにおいて、高誘電率材料と低誘電率材料の
比誘電率の比が5以上、15000以下であることを特
徴とする。このように、比誘電率の比を5以上とすれ
ば、各コンデンサ間の分布容量を小さく抑制することが
でき、共振周波数のずれや高周波信号の漏洩を防止する
ことができる。実用可能な高誘電率材料は、比誘電率が
おおよそ30000程度であり、後述のように低誘電率
材料として使用可能な材料の比誘電率がおおよそ2程度
であることを考慮すると、比誘電率の最大値は約150
00となる。
【0013】請求項8の電子部品は、請求項1から7ま
でのいずれかにおいて、前記低誘電率材料の比誘電率が
2以上、10以下であることを特徴とする。低誘電率材
料の比誘電率を10以下とすることにより、前記比誘電
率の比を大きく設定することが容易となり、請求項1の
効果がよりよく達成できる。最も低誘電率の材料は、比
誘電率が2程度である。
【0014】
【発明の実施の形態】図1(A)は本発明による電子部
品の一実施の形態を示す斜視図、図1(B)は図1
(A)のE−E断面図である。1はシート法または印刷
法により製造される積層体であり、図1(B)に示すよ
うに、内部にストリップライン共振器2が内蔵されると
共に、該共振器2に重畳して一体に、複数のコンデンサ
3、4、5が同一層に横並びに形成される。共振器2の
グランド電極6a、6bとストリップ導体7a、7bと
の間の誘電体8と、各コンデンサ3、4、5のそれぞれ
内部電極9aと9b、10aと10b、11aと11b
との間の誘電体12、13、14は、高誘電率の誘電体
材料により構成される。
【0015】前記高誘電率材料の誘電体8、12〜14
は、それぞれ同一または異なるセラミックまたはセラミ
ックを樹脂材料に混合した複合材料でなる。これらの共
振器2間、およびコンデンサ3、4、5の間、および積
層体1の外被部の誘電体15は、共振器2やコンデンサ
3、4、5の誘電体8、12、13、14の誘電率より
低い誘電体材料により構成される。該低誘電率材料の誘
電体15は、樹脂材料、または樹脂材料にセラミックを
混合した複合材料によりなる。
【0016】17は積層体1の表面部に形成した厚膜抵
抗、18は導体である。また、図1(A)において、1
9〜23は該積層体1を基板として用いて該基板に搭載
したトランジスタ、ダイオードや容量のさらに大きなコ
ンデンサあるいは抵抗あるいはインダクタであり、構成
する回路によって変わる電子部品である。25〜42は
該積層体1でなるチップの側面に設けられた端子電極で
あり、内蔵コンデンサ3〜5や共振器2間あるいはこれ
らと搭載電子部品19〜23や厚膜抵抗17間の接続あ
るいは外部回路との接続の為に設けられるものである。
【0017】このように、共振器2やコンデンサ3〜5
に高誘電率の誘電体8、12、13、14を配設し、こ
れらの高い誘電体8、12、13、14間に低誘電率材
料でなる誘電体15を介在させて構成することにより、
コンデンサ3〜5間の分布容量や、コンデンサ3〜5の
内部電極9aと9b、10aと10b、11aと11b
と端子電極25〜42との間の分布容量を低減し、また
これらのコンデンサ電極と共振器2のグランド電極6b
との間の分布容量を低減することができる。したがっ
て、これらのコンデンサ3〜5間、コンデンサ3〜5と
共振器2間、コンデンサ3〜5や共振器2と端子電極2
5〜42間の容量結合を低減し、相互の間隔を近接させ
ることができる、薄型化、小型化が達成できる。
【0018】この電子部品は、シート法を適用し、後述
する各工程によりグリーンシートを形成した後、複数枚
をスタックし、硬化することにより製造される。積層体
である基体1を構成する樹脂シート、コンデンサ3〜5
部や共振器2を構成するために樹脂にセラミックを混合
したコンポジットシート導体パターンの形成は、印刷法
や一般的なフォトエッチング法を用いて行われる。
【0019】基体(積層体)1を形成する樹脂として
は、低い誘電率を有するエポキシ樹脂、フェノール樹脂
等を用い、また、高い誘電率を有する材料としては、表
1に示すSrO−CaO−TiO2系、表2に示すBa
O−ZrO−TiO2系等を用いることができ、また、
エポキシ樹脂にこれらの高誘電率材料を混合した複合材
料を用いることができる。また、低誘電率材料として
は、前記エポキシ樹脂やフェノール樹脂単独あるいは樹
脂に表1、表2の誘電率材料を混合した複合材料を用い
ることができる。好ましくは、特性を考慮して比誘電率
が10以下に設定することが好ましい。
【0020】ここで、前記エポキシ樹脂としては、樹脂
組成物であれば、多官能性エポキシ樹脂と、ビスフェノ
ールA型高分子エポキシ樹脂と、硬化剤としてのビスフ
ェノールA型ノボラック樹脂との混合物であって、特開
平9−59486号公報に示されている材料を用いるこ
とができる。より詳しくは、多官能性エポキシ樹脂30
wt%〜80wt%、ビスフェノールA型高分子エポキ
シ樹脂10wt%〜40wt%、テトラフェニロールエ
タン型エポキシ樹脂5wt%〜35wt%を主成分と
し、該主成分100重量部に対して硬化剤としてビスフ
ェノールA型ノボラック樹脂5〜30重量部、硬化促進
剤としてイミダゾール0.1〜5重量部のエポキシ樹脂
組成物である。
【0021】なお、本発明において、使用できるセラミ
ックの平均粒度範囲は、誘電体材料、磁性体材料とも
0.1μm〜50μm、より最適平均粒度範囲は0.5
μm〜30μmである。0.1μmより小さいと、粒体
が嵩ばり、表面積が大となり、ペーストが製造しくくな
る。また、粒度が50μmを超えると、成形品の凹凸が
激しくなり、成形性が悪くなる。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】具体例により説明すると、高誘電率材料で
なる図1で示した誘電体8、12〜14として、表1に
示すNo.2の誘電体材料を用いた。これは前記SrO
−CaO−TiO2系セラミック粉をエポキシ樹脂に混
合した混合物(比誘電率ε=70)である。また、低誘
電率材料の誘電体15には、表1のNo.9の誘電体材
料(比誘電率ε=4)を使用した。
【0025】なお、誘電率材料として用いた前記SrO
−CaO−TiO2系のセラミック組成物は、例えばS
rTiO=67.69wt%、CaTiO=32.
31wt%に混合し、1300℃、2時間で熱処理した
ものを所定の粒度まで粉砕したものを使用した。また、
表2のセラミック粉であるBaO−ZrO−TiO2
の組成物としては、BaCO3=67.95wt%、T
iO2=28.33wt%、ZrO2=3.72wt%に
混合し、焼成、粉砕した。
【0026】また、エポキシ樹脂は、多官能性エポキシ
樹脂として、エピビス型エポキシ系樹脂(油化シェルエ
ポキシ社製エピコート1001:エポキシ当量470お
よびエピコート1007:エポキシ当量1950)をそ
れぞれ26.9wt%ずつ含有させ、また、ビスフェノ
ールA型高分子エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製
エピコート1225:エポキシ当量2000)23.1
wt%、特殊骨格を持つエポキシ樹脂として、テトラフ
ェニロールエタン型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ
社製エピコート1031S:エポキシ当量196)2
3.1wt%をそれぞれ含むものを主成分とし、硬化剤
として、ビスフェノールA型ノボラック樹脂(油化シェ
ルエポキシ社製YLH129B65:水産基当量118
g/eq)と、硬化促進剤としてイミダゾール化合物
(四国化成工業社製2E4MZ)とを加えたものを使用
した。
【0027】樹脂とセラミックとの混合方法は、これら
の混合物を500mlのポリポット中に入れ、撹拌のた
めに10mmφのジルコニアボールに入れた。これをボ
ールミル法により10時間以上回転させ混合させた。
【0028】次に上述のように混合を終えたペーストの
シート化は、これらに溶剤を加えるかあるいは加えない
で一般的なドクターブレード法によりシートが所定の厚
みになるように行った。そして、このシートを乾燥後、
積層し、140℃で12時間加熱した。また、低誘電率
材料15と高誘電率材料8、12〜14が横並びになる
部分については、低誘電率材料15のシートに高誘電率
材料8、12〜14の形成される部分に穴を打ち抜きそ
の穴に高誘電率材料8、12〜14を印刷により埋め込
み、乾燥後、共振器2のグランド電極6a、6bやスト
リップ導体7a、7b、あるいは各コンデンサ3、4、
5のそれぞれ内部電極9aと9b、10aと10b、1
1aと11bを、銀ペーストの印刷により形成した。
【0029】このように積層したものを切断後、端子電
極25〜42の形成を行った。これらの端子電極25〜
42の形成は、熱硬化性導体ペーストを印刷あるいは転
写して加熱硬化させるか、あるいは無電解メッキやスパ
ッタリングもしくは蒸着等により行った。また、電子部
品19〜23の搭載は、導体18との接続をリフローに
よる半田付けにより行った。この電子部品19〜23の
接続には、導電性接着剤を用いてもよい。
【0030】上記した電子部品を信頼性の面で重要な耐
熱性の試験を、これらの電子部品を260℃の温度に1
0秒間さらすことによって行った。従来技術のように、
低誘電率材料と高誘電率材料の双方にセラミックを用い
たものを比較例として、高誘電率の誘電体にチタン酸バ
リウム系のものを用い、低誘電率の誘電体にチタン酸カ
ルシウム系のものを用い、従来の印刷法により積層後、
切断し、900℃で焼成することにより図1(B)に示
す積層体1を製造した。
【0031】一方、本発明による供試試料として、表1
のNo.2の組成のものを高誘電率材料に用い、No.
9の組成のものを低誘電率材料を用いた。このように、
高誘電率材料と低誘電率材料とが共にセラミックからな
る比較例と、本発明のように樹脂材料を用いた供試試料
について、それぞれ100個のサンプルについて前記耐
熱試験を行ったところ、比較例の場合には55%のもの
についてクラック発生が見られたが、本発明による場合
には、クラック発生率は0%であった。
【0032】このように、従来の異種焼結セラミックを
用いると、クラックが発生しやすくなり、このクラック
発生を防止するには、個々の熱膨張係数差が小さい材料
で組み合わせなければならず、材料の選択の余地が少な
くなる。一方、本発明品は少なくとも低誘電率材料につ
いては樹脂または樹脂とセラミックとの複合材料を用い
ているので、樹脂の柔軟性から、クラックが入らず、歩
留りが向上する。
【0033】図2は本発明による電子部品の別の実施例
を示す断面図である。図2の例は、図1(B)のストリ
ップライン共振器2に代えて、インダクタ50、51を
内蔵している。そして、これらのインダクタ50、51
に一体に重畳して、複数のコンデンサ3〜5が同一層に
横並びに形成される。さらにコンデンサ3〜5に一体に
重畳して、高誘電率材料12A〜14Aを用いた複数の
コンデンサ3A〜5Aが同一層に横並びに形成される。
つまり、2組のコンデンサを基体1の厚み方向に積み重
ねていることになる。
【0034】前記インダクタ50、51部を構成するた
め、樹脂に磁性体を混合したコンポジットシートを、前
記低誘電率材料15でなるシートと共に横並びに形成し
たものに導体パターンを印刷し、これらの各シートを所
定の形で形成した。なお、磁性体材料としては、Ni−
Cu−Zn系の組成物を720℃、2時間で熱処理した
ものを所定の粒度まで粉砕したものを使用した。
【0035】なお、Ni−Cu−Zn系の組成物として
は、Fe23=64.33wt%、NiO=10.92
wt%、CuO=6.13wt%、ZnO=18.62
wt%に混合し、焼成、粉砕した。
【0036】ここで、インダクタ50、51を構成する
各導体は前記表3で示したような磁性材料でかつ低誘電
率材料52、53の内部に巻回して埋設されている。こ
のように、表3で示すような低誘電率材料を用いれば、
表1、表2のような比透磁率1の材料の内部にインダク
タ導体を構成していわば空心コイルを構成する場合に比
較し、表3の磁性材料は比透磁率が高いため、インダク
タンス値を大きくすることが可能である。逆に同じイン
ダクタンス値の場合には、巻数を少なくすることが可能
となり、小型化に寄与する。また、Qを高くすることが
可能となる。
【0037】また、インダクタ50、51の導体を埋設
する磁性材料52、53を表3で示すような低誘電率材
料とすることにより、インダクタ50、51の導体とコ
ンデンサ3〜5の電極との間に、低誘電率材料15と低
誘電率材料である磁性材料52、53が介在することに
なるので、インダクタ50、51の導体とコンデンサ3
〜5の電極との間の分布容量による結合は低く抑えられ
る。
【0038】また、インダクタ50、51の巻回された
導体間においても、低誘電率(表3の場合はいずれも比
誘電率ε≦14)の磁性材料52、53で構成すること
で、比誘電率ε=70の高誘電率材料に対して比誘電率
を1/5以下にすることができ、分布容量が低くなるの
で、インダクタ50、51の自己共振周波数を高く保つ
ことができる。
【0039】また、インダクタ50、51間に低誘電率
材料15を配しているので、インダクタ50、51間の
誘導結合を小さくすることが可能である。さらに、イン
ダクタ50、51の引出導体部分は低誘電率材料15中
に構成するので、引出電極間や他のコンデンサ電極等の
電極との間の分布容量を小さく抑えることができる。ま
た、コンデンサ3〜5と、これらに対して積層方向に対
向するコンデンサ3A〜5Aとの間にも低誘電率材料1
5を介在させているので、これらのコンデンサ間の分布
容量も小さく抑えることができる。また、積層方向のコ
ンデンサの間隔を小さくすることができるので、電子部
品全体の薄型化に寄与できる。
【0040】
【表3】
【0041】(高誘電率材料と低誘電率材料との誘電率
の比についての検討)本発明によると、少なくとも複数
のコンデンサ3〜5を有する電子部品であって、コンデ
ンサ3〜5や共振器2を形成する部分の材料12〜14
は高誘電率材料であり、これら以外を形成する材料15
は低誘電率材料であり、高誘電率材料と低誘電率材料と
の比誘電率の比を5以上とすることが好ましい。
【0042】比誘電率を5以上とする根拠は以下の通り
である。以下の説明は、ケース1として、部品内部に1
つのコンデンサを設け、そのコンデンサの端子と共振器
2の端子とが近接することによる共振周波数のずれと、
ケース2として、コンデンサの電極と共振器のグランド
電極とが近接することによる共振周波数のずれについて
述べる。
【0043】(1)コンデンサと共振器の端子近接によ
る共振周波数のずれについて:図3(A)に示す回路図
のような共振回路を作成した場合を考える。図中、Lは
共振器2のインダクタンス、Cは電子部品内に共振器2
に近接して配置したコンデンサで、例えば図1(B)に
おけるコンデンサ4である。Csはコンデンサ4と共振
器2のグランド電極6bとの間に形成される分布容量で
ある。
【0044】図3(A)において、L=3nH、C=2
pFとし、理想状態の共振周波数fは、f=1/2π
(LC)1/2の式から、f=2.05GHzとなる。ま
た、共振周波数の無調整化のため、±5%程度の公差範
囲が要求される。
【0045】部品内部には、記載された回路以外にコン
デンサが内蔵されており、共振周波数より、パスコンと
して50pF〜100pF程度のものを使用するため、
高誘電率材料の比誘電率を70とした。
【0046】このような電子部品の場合、各素子の分布
容量以外に発生する端子間の分布容量も考慮しなければ
ならない。図3(B)に示すように、端子25、26で
代表する端子間の間隔Wが、一般的に実現可能な最小間
隔である300μm、端子25、26の厚みtが200
μm、端子25、26の高さhが2mmである場合につ
いて考える。43は端子25、26間の低誘電率材料で
なる外被部分である。この端子25、26間の分布容量
は外被部分43の誘電率に大きく影響され、その低誘電
率材料の比誘電率の変化に対して分布容量、共振周波数
の変化率を示したものが表4、図4である。ただし、こ
の場合、高誘電率材料は比誘電率を70とした。
【0047】
【表4】
【0048】図4より、外被部分の比誘電率(ε)が高
誘電率材料の比誘電率70に対して1/5となる比誘電
率(ε)が14のとき、共振周波数の変化率は、−3.
7%以内となっており、この例からは比誘電率の比が5
以上であれば、端子間容量の共振周波数への影響を±5
%以内に抑えることができる。
【0049】(2)コンデンサの内部電極9a、10
a、11aと共振器のグランド電極6bとの近接による
共振周波数のずれについて:コンデンサを積層構造によ
り製造する場合、ばらつきを考慮して、容量を形成する
誘電体の層数を2層以上とするのが一般的である。そこ
で最も誘電体の層数が少ない場合を想定し、2層のコン
デンサについて検討した。すなわち、部品をできるだけ
薄形にするため、コンデンサの層間およびコンデンサ電
極とグランド電極間は、構成可能な範囲で最も薄いもの
を使用する。また、コンデンサ電極間の誘電体層の厚
さ、およびコンデンサ電極9a、10a、11aと共振
器のグランド電極6bとの間の誘電体層の厚さは同じと
した。図1(B)のコンデンサ4を例にあげて説明する
と、分布容量で最も大きくなるのは、コンデンサ4の電
極10aとグランド電極6bとの間である。その他のコ
ンデンサ3(あるいは5)との間の分布容量も実際には
あるが、上記の構造にした場合は、該コンデンサ3の電
極10aとグランド電極6bとの間の分布容量に比較し
て十分に小さいことが分かる。
【0050】容量の計算式は以下の通りである。 C=εo×εr×S×N/d …(1) ここで、εoは真空の誘電率、εrは誘電体の比誘電率、
Sはコンデンサ電極の対向面積、Nは誘電体の層数、d
は誘電体の層間厚さである。
【0051】上式より、コンデンサ4(誘電体の層数を
2とする)の容量C4は、高誘電率材料12〜14の誘
電体の比誘電率をεr1とすると、 C4=εo×εr1×S×2/d …(2) となる。また、コンデンサ電極と共振器のグランド電極
との間の容量は、両者間の低誘電率材料15の比誘電率
をεr2とすると、 Cs=εo×εr2×S×1/d …(3) となる。(2)、(3)式から、 Cs=C4×εr2/2εr1 …(4) となる。
【0052】ここで、一般電子部品の許容差としてのK
公差(±10%)を満足するためには、(4)式から、 Cs/C4=εr2/2εr1≦0.1 …(5) (5)式から、高誘電率材料の誘電率εr1と低誘電率材
料の誘電率εr2の比rは、 r=εr1/εr2≧5 …(6) となる。
【0053】つまり、形状を可能な限り小さく(コンデ
ンサを2層にし、しかもコンデンサの誘電体層とコンデ
ンサと共振器のグランド電極との間の誘電体層の厚みを
同じとする)しても、(6)式から、高誘電率材料と低
誘電率材料の誘電率の比rを5以上にしておけば、分布
容量の影響を±10%以内に抑えることができる。
【0054】このように、5倍以上の比誘電率の差があ
れば、それぞれの素子に対してK公差に相当する±10
%以下に分布容量の影響を抑えることができる。しか
し、複数の素子を内蔵した場合、それぞれの分布容量が
積み重なって製品特性に大きな影響を与える場合が多
い。この影響をほとんど無くすためには、分布容量を無
視できる程度にすることがより好ましい。電気業界で
は、一般的に、有効桁数を2桁とする慣行があり、1/
100以下はほとんど影響を無視できると考えてよい。
また、容量の計算式から、分布容量の大きさは比誘電率
に比例しており、実際の容量を構成する部分に対して分
布容量を構成する部分の比誘電率を1/100以下にす
れば、分布容量をほとんど無視することができることに
なる。よって、高誘電率材料と低誘電率材料との比誘電
率rが100以上であれば分布容量の素子特性への影響
を実質的に無視することが可能となる。
【0055】
【発明の効果】請求項1ないし3によれば、各コンデン
サ間あるいは電子部品に内蔵するコンデンサと他の素子
との結合を低減するために、低誘電率材料を介在させた
ので、コンデンサ間またはコンデンサと他の素子との分
布容量を小さく抑えることができ、高調波信号のもれや
素子間の結合を小さく抑制することができ、特性のずれ
を小さくすることができる。
【0056】また、コンデンサに用いる高誘電率材料は
セラミックまたはセラミックと樹脂との複合材料であ
り、かつ他の材料は樹脂材料または樹脂とセラミックの
複合材料でなるため、クラック発生を減少させ、機械的
強度、電気的特性等の信頼性の高い電子部品を提供する
ことができ、かつ歩留りを向上させることができる。
【0057】請求項4によれば、請求項1から3までの
いずれかにおいて、前記電子部品はコンデンサ以外の素
子としてインダクタを有しており、前記インダクタ部分
の低誘電率材料を磁性材料であってかつ低誘電率材料と
したので、インダクタとコンデンサ間の結合を低減で
き、かつクラックの発生防止、信頼性の向上、歩留りの
向上を達成できる。
【0058】請求項5によれば、請求項1から4までの
いずれかにおいて、前記電子部品はさらにストリップラ
イン共振器を有しており、前記共振器内の誘電体は前記
低誘電率材料より高い誘電率を有するので、ストリップ
導体の長さを短くすることができ、全体として小型の電
子部品が得られる。
【0059】請求項6によれば、請求項1から5までの
いずれかにおいて、前記電子部品を構成する基体の表面
に導体および厚膜抵抗を印刷して基板とし、該基板に他
のチップ型電子部品を搭載して複合部品としたので、さ
らに、高密度実装化が図れる。
【0060】請求項7によれば、請求項1から6までの
いずれかにおいて、高誘電率材料と低誘電率材料の比誘
電率の比が5以上であるため、コンデンサの特性を得る
ための分布容量の影響を±10%以下に容易に抑えるこ
とができる。
【0061】請求項8によれば、請求項1から7までの
いずれかにおいて、前記低誘電率材料の比誘電率が10
以下であるため、前記比誘電率の大きな材料を容易に得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明による電子部品の一実施の形態
を示す斜視図、(B)は(A)のE−E断面図である。
【図2】本発明の他の実施の形態を示す断面図である。
【図3】(A)は図1の回路の一部の等価回路図、
(B)は図1の電子部品の端子の一例を示す斜視図であ
る。
【図4】電子部品を構成する低誘電率材料の比誘電率の
変化に対して分布容量、共振周波数の変化率を示した図
である。
【符号の説明】
1:基体、2:ストリップライン共振器、3〜5、3A
〜5A:コンデンサ、6a、6b:グランド電極、7
a、7b:ストリップ導体、8、12〜14:高誘電率
材料、9a、9b、10a、10b、11a、11b:
内部電極、17:厚膜抵抗、18:導体、19〜23:
搭載電子部品、25〜42:端子電極、50、51:イ
ンダクタ、52、53:磁性材料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 遠藤 敏一 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ −ディ−ケイ株式会社内 Fターム(参考) 4E351 AA01 AA06 BB09 BB17 BB22 BB31 BB43 CC01 CC07 CC11 CC17 DD41 DD50 EE01 GG03 GG07 5E082 AB03 BB02 BC31 BC38 DD02 DD07 FF14 FG26 FG34 PP01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも複数のコンデンサを有する電子
    部品であって、 コンデンサを形成する部分の誘電体は、セラミックから
    なる高誘電率材料でなり、 該コンデンサを形成する部分以外の誘電体は、樹脂材料
    からなる低誘電率材料でなることを特徴とする電子部
    品。
  2. 【請求項2】少なくとも複数のコンデンサを有する電子
    部品であって、 コンデンサを形成する部分の誘電体は、セラミックから
    なる高誘電率材料でなり、 該コンデンサを形成する部分以外の誘電体は、樹脂材料
    にセラミックを混合した低誘電率材料でなることを特徴
    とする電子部品。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、 前記高誘電率材料として、前記セラミックの代わりに、
    樹脂材料にセラミックを混合した複合材料を用いたこと
    を特徴とする電子部品。
  4. 【請求項4】請求項1から3までのいずれかにおいて、 前記電子部品はさらにインダクタを有しており、 前記インダクタ部分の低誘電率材料は磁性材料であるこ
    とを特徴とする電子部品。
  5. 【請求項5】請求項1から4までのいずれかにおいて、 前記電子部品はさらにストリップライン共振器を有して
    おり、 前記共振器内の誘電体は前記低誘電率材料より高い誘電
    率を有することを特徴とする電子部品。
  6. 【請求項6】請求項1から5までのいずれかにおいて、
    前記電子部品を構成する基体の表面に導体および厚膜抵
    抗を印刷して基板とし、該基板に他のチップ型電子部品
    を搭載して複合部品としたことを特徴とする電子部品。
  7. 【請求項7】請求項1から6までのいずれかにおいて、 高誘電率材料と低誘電率材料の比誘電率の比が5以上、
    15000以下であることを特徴とする電子部品。
  8. 【請求項8】請求項1から7までのいずれかにおいて、 前記低誘電率材料の比誘電率が2以上、10以下である
    ことを特徴とする電子部品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005099328A1 (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Zeon Corporation 回路基板及びその製造方法
JPWO2005099328A1 (ja) * 2004-03-31 2007-08-16 大見 忠弘 回路基板及びその製造方法

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