JP2000055921A - 尿素定量用試験片 - Google Patents
尿素定量用試験片Info
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Abstract
値に対する液体試料の物性の影響が小さい、尿素測定用
試験片を提供する。 【解決手段】 尿素の定量に必要な量のo−フタルアル
デヒドまたはその誘導体、発色化合物および酸、ならび
に、液体試料に溶解したときに0.1〜20%(w/
v)となる量のポリオキシエチレンアルキルフェニルエ
ーテルまたはポリオキシエチレンアルキルエーテルを含
む。
Description
液体試料中の尿素(尿素窒素)を定量するための試験片
に関する。
む試料、o−フタルアルデヒドおよび発色化合物を酸性
条件下で混合し、生じた混合物を比色定量することから
なる方法が知られている(例えば、特開昭51−195
90号公報、特開昭53−60694号公報、特公昭6
2−1220号公報、特開昭55−69038号公報、
特公平3−73818号公報)。
い、長期の貯蔵において不安定な強い酸化剤や酵素を使
用しない、比色定量が可能であるなどの点から、乾式試
験片による尿素定量法に用いられている。
ルデヒド、発色化合物および酸を含む試薬層を有し、試
験片に適用された液体試料(血清、血漿など)が、試薬
層に含まれる試薬を溶解し反応が進行するようにされて
いる。液体試料中の尿素はo−フタルアルデヒドと反応
して、1,3−ジヒドロキシイソインドリン(DHI)
を生成し、生成したDHIのカルボニウムイオンは、酸
性下で発色化合物と反応し呈色物質を生成する。そし
て、生成された呈色物質を比色定量することによって尿
素が定量される。
尿素を簡単な操作で定量できるため、液体試料中の尿素
の定量に幅広く使用されるようになっている。
の測定では、溶液系測定系を用いた測定と比べ、液体試
料中の尿素以外の窒素含有成分の影響を受けやすい(尿
素に対する特異性が低い)、液体試料のタンパク質濃
度、pH、粘度などの物性の影響を受けやすいなど、改
善すべき点があることが判明した。
定値に対する液体試料の物性の影響の少ない、液体試料
中の尿素の定量を行うための試験片を提供することを課
題とする。
面活性剤を、界面活性剤として従来添加されている量よ
りも多量に試薬層に添加することにより尿素に対する特
異性が向上し、液体試料の物性の測定値に対する影響が
低減することを見い出し、本発明を完成した。
量用試験片であって、尿素の定量に必要な量のo−フタ
ルアルデヒドまたはその誘導体、発色化合物および酸、
ならびに、液体試料に溶解したときに0.1〜20%
(w/v)となる量のポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテルまたはポリオキシエチレンアルキルエーテ
ルを含むことを特徴とする試験片(以下、本発明試験片
ともいう)を提供する。
チレンアルキルフェニルエーテルまたはポリオキシエチ
レンアルキルエーテルの量は、好ましくは、前記液体試
料に溶解したときに1〜10%(w/v)となる量であ
り、さらに好ましくは、4〜10%(w/v)となる量
である。
ましくは、8以上のHLBを有し、さらに好ましくはポ
リオキシエチレン(40)p−t−オクチルフェニルエーテ
ルである。
ましくは、N−1−ナフチル−N’−ジエチルエチレン
ジアミンである。
細に説明する。本発明試験片は、液体試料中の尿素定量
用であり、尿素の定量に必要な量のo−フタルアルデヒ
ドまたはその誘導体、発色化合物および酸に加えて、液
体試料に溶解したときに0.1〜20%(w/v)とな
る量のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルま
たはポリオキシエチレンアルキルエーテルを含むことを
特徴とする。
の誘導体とは、液体試料に溶解したときにo−フタルア
ルデヒドを生じる化合物を意味する。このような化合物
としては、o−フタルアルデヒドグリセリンアセタール
が挙げられる。
インドリンと酸性条件で反応して呈色物質を生成するも
のであれば、特に制限はなく、特開昭51−19590
号公報、特開昭53−60694号公報、特公昭62−
1220号公報、特開昭55−69038号公報、特公
平3−73818号公報などに記載されている公知の発
色化合物を使用できる。
アミン、N−1−ナフチル−N’−ジエチルエチレンジ
アミンおよびそれらの塩が挙げられる。塩としては、塩
酸、シュウ酸等の酸との塩が挙げられる。
む層の担体に影響を与えないものであれば、特に限定は
なく、4−スルホフタル酸や特公平3−73818号公
報に記載の重合体酸物質などが挙げられる。
発色化合物および酸の量は、尿素の定量に必要な量であ
ればよい。すなわち、これらの量は従来のo−フタルア
ルデヒドまたはその誘導体、発色化合物および酸を用い
る尿素の定量法におけるものと同様でよい。通常には、
o−フタルアルデヒドまたはその誘導体は、液体試料に
溶解したときに、0.05〜2Mのo−フタルアルデヒ
ドを与える量である。発色化合物は、通常には、液体試
料に溶解したときに、0.35〜3Mとなる量である。
酸は、通常には、液体試料に溶解したときに、溶液のp
Hを2.0以下にするのに十分な量である。
テルまたはポリオキシエチレンアルキルエーテルとして
は、ポリオキシエチレン(9.5)p−t−オクチルフェニ
ルエーテル(HLB:13.5、商品名:トリトンX−
100)ポリオキシエチレン(40)p−t−オクチルフェ
ニルエーテル(HLB:17.9、商品名:トリトンX
−405)、ポリオキシエチレン(20)オクチルフェニル
エーテル(HLB:16.2、商品名:ニッサンノニオ
ンHS−220)、ポリオキシエチレン(30)ノニルフェ
ニルエーテル(HLB:17.1、商品名:ニッサンノ
ニオンNS−230)、ポリオキシエチレン(23)ラウリ
ルエーテル(HLB:15.3、商品名:Brij3
5)、ポリオキシエチレン(20)パルミチルエーテル(H
LB:15.7、商品名:Brij58)、ポリオキシ
エチレン(20)ラウリルエーテル(HLB:16.2、商
品名:ニッサンノニオンK−220)、ポリオキシエチ
レン(20)ステアリルエーテル(HLB:15.3、商品
名:ニッサンノニオンS−220)などが挙げられる。
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルまたはポ
リオキシエチレンアルキルエーテルは、8以上のHLB
を有するものが好ましい。ポリオキシエチレン(40)p−
t−オクチルフェニルエーテルが特に好ましい。
テルまたはポリオキシエチレンアルキルエーテルの量
は、液体試料に溶解したときに0.1〜20%(w/
v)、好ましくは1〜10%(w/v)、さらに好まし
くは4〜10%(w/v)となる量である。液体試料に
溶解したときの濃度は、試験片に液体試料を適用したと
きに試験片に保持される液体試料の容量に基づき計算す
ることができる。
い。このような添加剤としては、ホウ酸などの安定化
剤、界面活性剤などがある。従来、界面活性剤は、液体
試料の展延性、試薬の溶解性、製造の際の溶液の塗布性
などを向上する目的で添加されていたが、本発明におい
て必要な特定の界面活性剤の量は、従来の目的のための
使用量を超えるものである。
o−フタルアルデヒドまたはその誘導体、発色化合物、
酸、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルまた
はポリオキシエチレンアルキルエーテル等の試薬が、試
験片に液体試料を適用したときに液体試料に溶解するよ
うに含まれていればよい。従って、液体試料を適用した
ときに液体試料に溶解するように、液体試料に溶解した
ときに0.1〜20%(w/v)となる量のポリオキシ
エチレンアルキルフェニルエーテルまたはポリオキシエ
チレンアルキルエーテルを含ませる他は、従来の尿素測
定用試験片と同様にして本発明の試験片を製造すること
ができる。
うに、支持体1の一端に試薬部分2が設けられ、試薬部
分2は、その断面図が図2に示されるように、前記支持
体1上に設けられた試薬層3、および、試薬層3上に設
けられた展開層(試料保持層)4を備えるものが挙げら
れる。この例では、試薬層3および展開層4が液体試料
の到達する部分であり、これらの層に含まれる試薬は液
体試料に溶解する。
成する際に通常に用いられるプラスチック樹脂、例え
ば、ポリエチレンテレフタレート等が挙げられる。光透
過性の素材を用いた場合には、試験片を使用する際に、
呈色を支持体側から観察、測定することが可能になる。
応系を作るためのものであり、素材としては、濾紙、織
布、不織布、ガラス繊維、ニトロセルロース、親水性合
成ポリマー等、多孔性の素材が挙げられる。
することができ、各試薬を保持するためのものである。
試薬層3は複数の層にし、試薬をこれらの層に分けて含
ませるようにしてもよい。さらに、複数の層の間に中間
層を設けてもよい。試薬は全て試薬層3に含ませる必要
はなく、試薬の一部を展開層4に含ませてもよい。
(血清、血漿など)が一定量点着されると、液体試料は
先ず展開層全面に均一に展延する。展延した液体試料
は、試薬層に到達し、試薬層に含まれる試薬を溶解し反
応が進行する。液体試料中の尿素はo−フタルアルデヒ
ドと反応して、1,3−ジヒドロキシイソインドリン
(DHI)を生成し、生成したDHIのカルボニウムイ
オンは、酸性下で発色化合物と反応し呈色物質を生成す
る。これらの反応が進行しながら試薬層に含まれる試薬
は完全に溶解し、展開層中に拡散し、試薬層と展開層と
が一体となって検出層を形成する。この検出層で生成さ
れた呈色物質を比色定量することによって尿素が定量さ
れる。
清、血漿等)を滴下した後、呈色物質の吸収波長(例え
ば、発色化合物がN−1−ナフチル−N’−ジエチルエ
チレンジアミンの場合、610nm)における反射率の
変化速度を、反射率測定装置(例えば、スポットケム
(商標)SP−4420(株式会社京都第一科学製))
等の装置を用いて測定し、あらかじめ既知濃度系列の尿
素溶液を滴下して測定しておいた結果から作成した検量
線を用いて、前記変化速度から尿素または尿素窒素の濃
度を算出する。
に説明する。
(厚さ125μmのポリエチレンテレフタレート(PE
T)製白色フィルム)上に、濡れ厚さ150μmの厚さ
で塗工した後、40℃で10分間乾燥させ、試薬層を作
製した。
て得た含浸液を、化学合成繊維生地(ポリエステル編み
物、「ザヴィーナ・ミニマックス」(商標)、(株)鐘
紡)に、50ml/m2の割合で含浸させた後、40℃
で15分間乾燥させ、展開層を作製した。
む蒸留水で湿らせた展開層を、試薬層の上にのせて圧着
することによりラミネートした後、この積層物を裁断機
で5mm×7mmの大きさに裁断した。裁断して得られ
たパッドを、面積が5mm×70mm、厚さが0.25
mmのストリップ状の白色PET片(支持体)の先端部
分に貼り付け、最終的な試験片を得た。この試験片で
は、血清を試験片に適用したときの血清中に溶解する界
面活性剤の濃度は8%(w/v)となる。
て、血清中の尿素窒素を測定した。ヒトプール血清に尿
素窒素が5〜200mg/dlとなるように添加したも
のを試料とし、ウレアーゼおよびGlDHを用いた市販
の溶液系自動分析装置用試薬(「尿素窒素II−HAテス
トワコー」、和光純薬工業(株))と、本発明の試験片
とをそれぞれ用いて、相関試験を行った。
lとし、自動分析装置(「スポットケムSP−441
0」(商標)、(株)京都第一科学)を使用して、61
0nmにおける反射率を展開層側から測定した。得られ
た反射率は、下記のクベルカ−ムンク(Kubelka-Munk)の
式に従ってK/S値に換算し、試料滴下後240〜30
0秒の間の増加量(ΔK/S)から1分間あたりの増加
量を求めた。
1分間当たりのΔK/Sと各尿素窒素濃度とから検量線
を得た。得られた検量線に基づいてΔK/Sから尿素窒
素測定値を得た。
測定された結果(対照法)と、本発明の試験片を用いて
測定された結果(本法)との相関は下記の通りであっ
た。
y:本発明の試験片による測定値) 血清および血漿中に含まれる尿素窒素の濃度は、個人差
があるものの、一般的に20mg/dlまでの範囲であ
り、本発明の試験片による測定で得られる検量線は20
0mg/dlまで直線性を示しており、血清および血漿
中の尿素窒素を定量するのに十分な測定範囲を有してい
る。
清中の尿素窒素を定量した。両測定による結果の相関は
下記の通りであった。このように両測定は、実血清に対
しても良好な相関関係を示した。
y:本発明の試験片による測定値)
の量を、血清中に溶解したときの濃度が0%(w/v)
(界面活性剤不使用)、4%(w/v)および8%(w
/v)となるように変更した他は、実施例1と同様にし
て試験片を作製した。
した方法(但し、使用した実血清は異なる)により、尿
素窒素の定量を行った。試験片を用いて得られた尿素窒
素測定値を、対照法で測定された尿素窒素測定値に対し
プロットした結果を図3に示す。
ることよって、対照法に対する相関性が改善されている
ことが分かる。対照法は、尿素に対する特異性が高いこ
とが知られているので、本発明の試験片を用いる測定は
尿素に対する特異性が高いと考えられる。
さくなり誤差が減少していることが分かる。これは、各
実血清間の物性の相違による影響が小さくなっているた
めと考えられる。
小さくなっており実用的な測定範囲が拡大していること
がわかる。
特異性が改良され、また、測定値に対する液体試料の物
性の影響が小さくなるため、誤差の小さい尿素定量が可
能になる。
る。
尿素窒素測定値を、対照法で得られた尿素窒素測定値に
対しプロットした結果を示す。
Claims (6)
- 【請求項1】 液体試料中の尿素定量用試験片であっ
て、尿素の定量に必要な量のo−フタルアルデヒドまた
はその誘導体、発色化合物および酸、ならびに、液体試
料に溶解したときに0.1〜20%(w/v)となる量
のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルまたは
ポリオキシエチレンアルキルエーテルを含むことを特徴
とする試験片。 - 【請求項2】 前記ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテルまたはポリオキシエチレンアルキルエーテル
の量が、液体試料に溶解したときに1〜10%(w/
v)となる量であることを特徴とする請求項1記載の試
験片。 - 【請求項3】 前記ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテルまたはポリオキシエチレンアルキルエーテル
の量が、液体試料に溶解したときに4〜10%(w/
v)となる量であることを特徴とする請求項1記載の試
験片。 - 【請求項4】 前記ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテルまたはポリオキシエチレンアルキルエーテル
が8以上のHLBを有することを特徴とする請求項1〜
3のいずれか1項に記載の試験片。 - 【請求項5】 前記ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテルまたはポリオキシエチレンアルキルエーテル
がポリオキシエチレン(40)p−t−オクチルフェニルエ
ーテルであることを特徴とする請求項4記載の試験片。 - 【請求項6】 発色化合物がN−1−ナフチル−N’−
ジエチルエチレンジアミンであることを特徴とする請求
項1〜5のいずれか1項に記載の試験片。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10229023A JP2000055921A (ja) | 1998-08-13 | 1998-08-13 | 尿素定量用試験片 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10229023A JP2000055921A (ja) | 1998-08-13 | 1998-08-13 | 尿素定量用試験片 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000055921A true JP2000055921A (ja) | 2000-02-25 |
Family
ID=16885550
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10229023A Pending JP2000055921A (ja) | 1998-08-13 | 1998-08-13 | 尿素定量用試験片 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000055921A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2236393A1 (en) | 2009-03-30 | 2010-10-06 | Honda Motor Co., Ltd. | Rear wheel toe angle control system |
US8198073B2 (en) | 2006-01-19 | 2012-06-12 | Lattec I/S | Dry stick device and method for determining an analyte in a sample |
AU2007207241B2 (en) * | 2006-01-19 | 2012-07-26 | Lattec I/S | A novel dry stick device construction and method for determining an analyte in a sample using said dry stick device |
-
1998
- 1998-08-13 JP JP10229023A patent/JP2000055921A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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AU2007207241B2 (en) * | 2006-01-19 | 2012-07-26 | Lattec I/S | A novel dry stick device construction and method for determining an analyte in a sample using said dry stick device |
AU2007207242B2 (en) * | 2006-01-19 | 2012-08-02 | Lattec I/S | Dry stick device and method for determining an analyte in a sample |
US8460863B2 (en) | 2006-01-19 | 2013-06-11 | Lattec I/S | Dry stick device and method for determining an analyte in a sample |
EP2236393A1 (en) | 2009-03-30 | 2010-10-06 | Honda Motor Co., Ltd. | Rear wheel toe angle control system |
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