JP2000055324A - 小動物用焼却炉 - Google Patents

小動物用焼却炉

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JP2000055324A
JP2000055324A JP10222487A JP22248798A JP2000055324A JP 2000055324 A JP2000055324 A JP 2000055324A JP 10222487 A JP10222487 A JP 10222487A JP 22248798 A JP22248798 A JP 22248798A JP 2000055324 A JP2000055324 A JP 2000055324A
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Japan
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combustion chamber
burner
incinerator
grate
incineration
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JP10222487A
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Takeshi Inoue
健 井上
Shigeo Tagami
重夫 田上
Minoru Ochi
稔 越智
Takeo Shibata
丈夫 柴田
Tatsumi Kageyama
立美 影山
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RENDAA KOGYO KK
Original Assignee
RENDAA KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】安楽死処分された小動物の燃焼、焼却効率の低
下を防止し、併せて、燃焼効率の低下等によって生じる
諸問題を解決する。 【解決手段】地方自治体が運営管理する動物保護管理施
設で使用され、捕獲されてきた小動物を被焼却体Eとし
て焼却処分するための燃焼室Bを備え、この燃焼室B
に、被焼却体投入用開口部3、傾斜炉床6、プッシャー
部8、火格子7および、この火格子を挟んだ上側の主燃
焼室B1に備え付られた第1バーナー12と、下側の下
部燃焼室に備え付けられた第2バーナー13とを設けた
小動物焼却炉Aにおいて、主燃焼室内B1に火炎噴射口
を向けて備え付けられる高圧噴射型補助バーナー38
と、この高圧噴射型補助バーナー38の火炎噴射口を任
意の方向に首ふり自在に支持する支持部とを備えたこと
を特徴とする小動物焼却炉A。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地方自治体が運営
管理する動物保護管理施設で安楽死処分した、犬、猫等
の小動物(以下、被焼却体という)を焼却処分するバッ
チ式焼却炉に関する。
【0002】
【従来の技術】捕獲された小動物は、所定の機関( 地方
自治体が運営管理する動物保護管理施設等) での保護管
理期間終了後、安楽死処分される。この安楽死処分は、
主に二酸化炭素ガスを利用して行われ、死後10分以内
に小動物用焼却炉(以下、焼却炉という)に投入される
のが一般的である。つまり、この安楽死処分された小動
物(被焼却体)は、まだ、硬直化が進んでいない柔らか
な状態で焼却炉に一括大量に投入され、一度に焼却処分
されている。
【0003】この焼却炉を、図9および図10に基づい
て説明する。ちなみに、図9は従来の焼却炉の縦断面図
であり、図10はこの焼却炉に設けられた火格子の概略
図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のT−T断
面図である。
【0004】図9中の燃焼室N1は、水平態に設けられ
た平面火焼盤型火格子N4,平面スリット状火格子N5
の各火格子を挟んで上下の部屋に別れており、上側の燃
焼室(主燃焼室)Naの天井に開口部N7が設けられて
おり、さらに、この開口部N7の鉛直下方には傾斜炉床
N2の下端が位置する。
【0005】傾斜炉床N2には、直角に左右の炉壁が連
なり、さらに、この左右の炉壁には、傾斜炉床N2と対
向する垂直炉壁が連なっている。つまり、傾斜炉床N2
と前記左右の炉壁、および、傾斜炉床N2と対向する垂
直炉壁とが主燃焼室Naを囲っており、さらに、前記傾
斜炉床N2に連なる左右の炉壁の内、片側の炉壁にのみ
バーナーN3が備え付けられている。
【0006】前記炉壁は、一般に、耐火コンクリートと
も言われるキャスタブル耐火物を利用したキャスタ打ち
込み式炉壁である。このキャスタ打ち込み式炉壁では、
外側に耐熱塗料が塗られた鋼板の内側に、キャスターア
ンカーと呼ばれるステンレススチールが溶接され、さら
に、このステンレススチールを芯材としつつ、鋼板の内
側にキャスタブル耐火物が打設されて炉壁が形成されて
いる。
【0007】前記傾斜炉床N2の下端は切り欠かれてお
り、この切り欠きにプッシャー部N6が備え付けられて
いる。プッシャー部N6は、シリンダー等の作用によっ
て燃焼室Na内を進退運動する。なお、この従来例で
は、プッシャー部N6の先端形状を傾斜炉床N2の下端
部分と同一面状に形成しているが、この先端形状は、従
来から円形や円すい形等の様々な形状が使用されてい
る。
【0008】平面火焼盤型火格子N4および平面スリッ
ト状火格子N5を挟んだ下方には、下側の燃焼室(下部
燃焼室)Nbがある。この下部燃焼室Nbは、灰出しの
ために形成された部屋であり、この下部燃焼室Nbの傾
斜炉床N2側炉壁にも、バーナーN3が備え付けられて
いる。
【0009】主燃焼室Naから煙道につながる入口N1
6(煙道連通口)は、傾斜炉床N2に対向する垂直炉壁
の上部に形成されており、この煙道連通口N16を介し
てつながる煙道が、煙突N13に連通している。煙突N
13には、エジェクタ用ブロアN15が備え付けられて
おり、煙突N13から強制的に未燃焼有機ガスを排出さ
せる。なお、前記煙道にもバーナーN3が備え付けられ
ている。
【0010】以上説明した焼却炉Nにより、被焼却体で
ある小動物は、以下の様な燃焼、焼却過程をたどる。つ
まり、バーナーN3が発する高温の火炎によって炉内が
昇温されると、この昇温による熱伝導とバーナーN3の
直炎により、まず被焼却体が予熱、乾燥され、獣毛が燃
焼し、表皮等に残る水分が被焼却体の表面で蒸気化す
る。さらに、表皮や内臓等の破裂、破壊を経て、体内部
より水分、脂肪油分が流出し、燃焼室N1内の温度上昇
に伴ってガス化した可燃物(炭素、水素、硫黄等)が燃
焼、つまり、酸素と結びついて酸化物を生成する。
【0011】小動物である被焼却体は、前記の如く、一
般のごみとは異なった燃焼、焼却過程をたどるため、一
般のごみと比較して非常に燃焼し難い。つまり、前記被
焼却体を燃焼させると、まず表面にある獣毛が燃え、次
に表皮が燃焼して炭化するという現象を生じる。この炭
化は、被焼却体内部の燃焼を阻害し、特に、被焼却体が
重積、圧着、密着している状態で、この燃焼阻害が顕著
である。更に、前述した如く、被焼却体の多くは、硬直
しておらず軟らかいため密着し易く、一層燃えにくいと
いう現象を生じる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の焼却
炉Nには、以下のような問題点があった。 (1) 従来の焼却炉Nでは、プッシャー部N6が被焼
却体を攪乱して、燃焼の促進を図る。しかし、前記プッ
シャー部N6で被焼却体を攪乱しても、一部で燃焼の偏
りが生じるため、火掻棒を使用した人力による掻きまわ
し作業が必要となる。この掻きまわし作業では、火掻棒
が熱くなって不便であり、かつ、燃焼している被焼却体
の直火が顔や手を焦がして大変危険であった。また、火
掻棒による攪乱時、被焼却体の内臓破裂によって生じた
肉汁や肉片が飛散して皮膚や衣服に附着し、火傷の原因
となった。さらに、この作業は、「きつい、汚い、危
険」という作業上の大きな問題をはらんでおり、作業者
にとって大きな負担となっていた。
【0013】(2) 主燃焼室Na内で発生した未燃焼
有機ガスは、不完全な燃焼状態であるため一部に有機化
合物が含まれている。この未燃焼有機ガスの放出は、異
臭の原因となるが、従来の焼却炉Nでは、燃焼効率が低
いため、未燃焼有機ガスの発生を、効果的に押さえるこ
とが困難であった。また、この未燃焼有機ガスは、黒煙
の原因ともなる。つまり、有機化合物の一種であり、被
焼却体における可燃物がガス化することによって発生す
る炭化水素は、炭素と水素から構成されるが、水素の方
が炭素に比べてはるかに燃焼性が高いため、よほど燃焼
条件が良くないと水素だけが燃えてしまう。その結果、
後に未燃の炭素が残り、これが黒煙の原因となるのであ
る。したがって、黒煙の発生を押さえるためには、焼却
炉内の燃焼条件を高めることが必要となるが、前記従来
の焼却炉Nで高い燃焼条件を確保するのは困難であっ
た。
【0014】(3) 被焼却体が破裂等すると、油脂等
が滲み出る。この油脂等は、平面火焼盤型火格子N4も
しくは平面スリット状火格子N5に設けた円穴N8や格
子穴N9から下部燃焼室Nbに垂れ落ちる(図10参
照)。ここで、従来の焼却炉Nで示す各穴N8,N9の
上部と下部は、同一径(円穴N8は円柱形状、格子穴N
9は長方体形状)にて形成されているため、油脂等が垂
れ落ちる途中で各穴N8,N9の内壁に付着し易く、各
穴N8,N9が閉塞し易い。この閉塞が生じると下部燃
焼室Nbで発生する未燃焼有機ガスや余剰の空気が、そ
の流出を阻害されて下部燃焼室Nb内の失火を招く。下
部燃焼室Nb内で失火すると、垂れ落ちた油脂等が気化
してガス化し、さらに余剰の空気と混ざり合って混合ガ
スとなる。この混合ガス状態は、下部燃焼室Nb内で圧
縮状態を形成するため、点火されれば爆発してしまう危
険な状態である。ここで、主燃焼室Na内のプッシャー
部N6が作用し、前記閉塞が部分的に開放されてわずか
な隙間ができると、その隙間から引火(前記点火と同じ
状態)して爆発が起きるため、大変危険であった。一
方、この危険を回避するために、前記各火格子N4,N
5に設けた各穴N8,N9の面積を大きくして、前記閉
塞を防止することが考えられる。しかし、この場合に
は、主燃焼室Naから肉塊等が下部燃焼室Nbに落下し
易くなり、燃え残ってしまうという不都合を招く。特
に、火焼盤型火格子N4では、円穴N8のために、この
不都合が特に顕著であった。したがって、前記各穴N
8,N9の面積を必要以上に大きくとることは出来ず、
従来の焼却炉Nで前記爆発の危険を効果的に回避するこ
とは出来なかった。本発明は、以上の各問題点を、それ
ぞれ解決し、燃え残りの発生や燃焼、焼却効率の低下に
よって生じる諸問題を解決することを主な課題としてい
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上の課題を
解決するため、以下の手段を採用した。つまり、地方自
治体が運営管理する動物保護管理施設で使用され、捕獲
されてきた小動物を被焼却体として焼却処分するための
燃焼室を備え、この燃焼室に、前記被焼却体を投入する
ための被焼却体投入用開口部と、この被焼却体投入用開
口部の鉛直下方に形成する傾斜炉床と、この傾斜炉床の
下端部に備え付けられ、前記燃焼室内を水平方向に進退
運動するプッシャー部と、このプッシャー部の下方であ
り、前記傾斜炉床の下端に水平態に設けられた火格子
と、この火格子を挟んだ上側の主燃焼室に備え付られた
第1バーナーと、下側の下部燃焼室に備え付けられた第
2バーナーとを設けた小動物焼却炉において、主燃焼室
内に火炎噴射口を向けて備え付けられる高圧噴射型補助
バーナーと、この高圧噴射型補助バーナーの火炎噴射口
を任意の方向に首ふり自在に支持する支持部とを備えた
ことを特徴とする小動物焼却炉とした。この手段を採用
すれば、例えば、主燃焼室の壁際に燃え残りが生じて
も、この燃え残りを前記高圧噴射型補助バーナーで集中
的に燃焼することができ、燃え残りの発生阻止、および
燃焼効率の向上を図ることができる。また、前記主燃焼
室から煙突までを連通する煙道に、第2燃焼室および第
3燃焼室を設け、前記主燃焼室から吹き出す未燃焼有機
ガスを、この第2燃焼室および第3燃焼室内で再燃焼さ
せるとともに、この未燃焼有機ガスを前記第2燃焼室お
よび第3燃焼室内で、所定の温度を保ちながら所定の時
間滞留させて完全燃焼ガスとし、その後、この完全燃焼
ガスを前記煙突から強制的に外部に排出させることを特
徴とすることもできる。その結果、未燃焼有機ガスを再
度燃焼させて完全燃焼化を図ることができ、異臭、黒煙
の発生を効果的に防止できるるとともに、保温効果を維
持することもできる。また、前記火格子の隙間開口部
を、上部から下部に向けて拡開させると、前記隙間開口
部の閉塞を効果的に防止し、下部燃焼室での失火を防ぐ
ことができ、さらに、前記下部燃焼室と前記主燃焼室を
連通する爆発回避安全貫通穴を、前記燃焼室の側壁もし
くは前記傾斜炉床に設けると、この失火を、一層効果的
に防止することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図面に基
づいて説明する。ちなみに、図1は小動物用焼却炉の縦
断面図、図2は主燃焼室を囲う炉壁の断面図、図3は図
1のV−V断面図であり、高圧噴射型補助所バーナー取
付壁部の断面および高圧噴射型補助所バーナーを示す。
図4は図1のW−W断面図であり、主に、除塵脱臭塔の
内部を示す。図5(a)は火格子の平面図、(b)は
(a)のZ−Z断面図、(c),(d),(e)は
(a)のY−Y断面図であり、(c)は本実施の形態に
係り、(d),(e)は他の実施の形態に係る。図6は
小動物用焼却炉におけるプッシャー部の作用図、図7は
傾斜炉床下降端位置の拡大図であり、(a)は本実施の
形態に係り、(b)は傾斜炉床下降端位置に切り欠き部
を形成した状態を示す斜視図、図8(a)は傾斜炉床下
降端位置に切り欠き部を複数形成した状態を示す斜視図
であり、(b)は幅広の切り欠き部を形成した状態を示
す斜視図である。
【0017】図1に示すように小動物用焼却炉Aは、耐
火物で構築され、特に、燃焼室Bを囲う炉壁は、レンガ
積築炉式にて構築されている。このレンガ積築炉式を、
図2に基づいて説明する。図2は炉壁の断面図であり、
図面下方が燃焼室B内であり、上方が炉壁外を示してい
る。炉壁の構築にあたっては、まず、鉄枠が組み立てら
れ、この鉄枠に沿って鉄板30が嵌め込まれてフレーム
が形成される。この鉄板30の外側には、耐熱塗料31
が塗られ、鉄板30の内側には、まず、グラスウール等
の断熱材32が配設される。次に、この断熱材32に沿
って第1耐火レンガ33を縦方向に並べて積み重ね、第
1耐火レンガ壁を形成する。さらに、この第1耐火レン
ガ壁に沿って第2耐火レンガ34を横方向に並べて積み
重ね、第2耐火レンガ壁を形成する。前記第1耐火レン
ガ33は、シャモットレンガであり、耐熱温度は140
0℃、第2耐火レンガ34は、珪石を主原料とした耐火
レンガであり、耐熱温度は1700℃である。このよう
に、二層の耐火レンガ壁を形成することにより、耐火
性、保温性が高く、かつ、比較的安価な炉壁を形成する
ことができる。ちなみに、各耐火レンガ33,34の寸
法は、縦径が230mm,横径が115mmである。ま
た、断熱材32の厚さは、75mmであり、鉄板30お
よび耐熱塗料31を合わせた厚さは、5mmである。ま
た、このレンガ積築炉式炉壁は、従来例として説明した
キャスタ打ち込み式炉壁に比べ、特に、保温性に優れ
る。キャスタ打ち込み式炉壁では、導熱性の高いキャス
ターアンカー(ステンレススチールからなる芯材)の使
用によって、熱量損失が大きいからである。
【0018】この炉壁で囲まれた燃焼室Bの天井壁に
は、図1に示すように被焼却体投入用開口部3(以下、
開口部という)が形成されている。この開口部3の上部
には、電動シリンダ、油圧シリンダ等によって開閉する
断熱型スライド式開閉扉4(以下、開閉扉という)が設
けられ、さらに、この開閉扉4の上部に被焼却体Eを炉
内に投入するための投入ホッパー5が設けられている。
また、燃焼室Bの炉内には、開口部3の鉛直下方に下り
勾配の傾斜炉床6が形成されており、この傾斜炉床6の
下部にプッシャー部8が配設されている。さらに、この
プッシャー部8の下であり、傾斜炉床6の下端に、水平
態の火格子7が配設されている。この火格子7は、燃焼
室Bを上下に区分けしており、この火格子7を挟んだ上
側の燃焼室が、被焼却体Eの燃焼、焼却を行う主燃焼室
B1であり、下側の燃焼室が、灰出しのための下部燃焼
室B2である。
【0019】主燃焼室B1には、火格子7上の被焼却体
Eを包囲燃焼する第1バーナ12が取り付けられてい
る。本実施の形態における第1バーナ12は、傾斜炉床
6と対向する炉壁に備えつけられている。したがって、
被焼却体Eが、プッシャー部8によって攪乱される際、
第1バーナー12側に押し出されるため、燃焼、焼却に
偏りが生じ難く、燃焼むらが軽減する。
【0020】さらに、本実施の形態に係る小動物用焼却
炉Aには、高圧噴射型補助バーナー38(以下、補助バ
ーナーという)を備え付けている。この補助バーナー3
8は、被焼却体Eの燃え残りをねらって集中的に燃焼さ
せ、完全燃焼を図ることを目的とするものであり、作業
員による火掻き作業を不必要なものにする。以下、補助
バーナー38の詳細を図3に基づいて説明する。ちなみ
に、図3(a)は図1のV−V断面図であり、同図
(b)は補助バーナー38を主燃焼室B1側から見た正
面図である。
【0021】本実施の形態に係る補助バーナー38は、
球面軸受39を介して主燃焼室B1の炉壁55に備えつ
けられている。球面軸受39は、球面ジャーナル40を
任意の方向に回動自在に支持しており、さらに、この球
面ジャーナル40には、補助バーナー38が差し込まれ
る設置穴50が形成されている。この設置穴50は、炉
壁55の外側から主燃焼室B1内に向けて貫通形成され
ており、補助バーナー38が、この設置穴50に差し込
まれると、火炎噴射口38aは主燃焼室B1側に向くこ
とになる。補助バーナー38が所定位置まで差し込まれ
ると、ストッパーが働き、設置が完了する。つまり、こ
の設置が完了した後、トリガー部38bを操作すること
により、火炎放射口38aを補助バーナー38の中心線
L1まわり、および上下左右方向に自由に向けることが
できる(図3(a),(b)の帯状矢印参照)。つま
り、本実施の形態において、球面軸受39と球面ジャー
ナル40が支持部に相当する。
【0022】また、この補助バーナー38のトリガー部
38bを、図3の如く、例えば天井から、吊り部材42
が吊り下げた状態で支持したり、さらに、トリガー部3
8bの下端を、受け座43で安定保持することもでき
る。この吊り部材42はスプリング等を介して柔軟性を
もたせた部材であり、作業員による操作を容易にするこ
とを目的としており、また、受け座43は伸縮自在かつ
回動自在な支柱上に形成され、補助バーナー38の移動
を補助しながら適切な位置で保持することを目的として
いる。なお、図3中の符号44は、空気供給用のフレキ
シブルホースであり、符号45は燃料供給用のフレキシ
ブルホースである。
【0023】補助バーナー38が設置される球面ジャー
ナル40を支持する球面軸受39は、高圧噴射型補助バ
ーナー取付壁部46(以下、補助バーナー取付壁部とい
う)に備え付けられている。補助バーナー取付壁部46
には、主燃焼室B1側を切り欠いてバーナータイルの窪
み52(以下、窪みという)を形成している。この窪み
52は、設置された補助バーナー38の中心線L1を挟
んで上方が狭く(図中のOA)、下方が広くなっており
(図中のOB)、かつ、左右に幅を持たせて形成されて
いる。したがって、補助バーナー38は、この窪み52
によって切り開かれた範囲内に向けて火炎噴射口38a
を自由に移動させることができる。なお、この窪み38
は下方が広くなっているため、火格子7上の被焼却体E
を狙いやすくなっている。また、この窪み52には、後
に詳述する二次燃焼用空気噴出口10bが形成されてい
る。この二次燃焼用空気噴出口10bから吹き出す二次
燃焼用空気は、窪み52内に一時的な空気層を形成する
ため、被焼却体Eからの直火による火炎噴射口38aの
損傷が防止される。
【0024】また、この窪み52の上方には、ピープホ
ール47、つまり覗き窓が耐熱ガラスによって形成され
ている。ただ、この耐熱ガラスから失われる保温熱量が
大きいため、補助バーナー38を使用しない時には、断
熱カバー48を嵌め込み、熱量の損失を防止する。
【0025】本実施の形態では、球面ジャーナル40に
形成した設置穴50に、補助バーナー38を差し込んで
設置している。しかし、この球面ジャーナル40と補助
バーナー38とが固着一体的に形成されていても良く、
また逆に、補助バーナー38の差し込み設置位置を適宜
調節可能とすることもできる。さらに、補助バーナー3
8の火炎噴射口38aが、任意の方向に回動自在となる
構造も、前記構造に限定されず、ユニバーサルジョイン
ト、ボールジョイント等を利用した構造とすることもで
きる。さらに、本実施の形態の如く、手動にて操作する
構造に限定される理由はなく、例えば、補助バーナー3
8に回動運動を行わせる駆動制御手段および火炎噴射口
38aからの火炎力を制御する火炎制御手段を備えて遠
隔操作可能とすることもできる。
【0026】図1、図6〜図8で示すように、火格子7
の上側であり、かつ、前記傾斜炉床6における下部に
は、複数個のプッシャー部8を炉幅方向(図1における
奥行方向)に並列配設している。このプッシャー部8
は、傾斜炉床6に設けた鞘(さや)部35内を摺動し、
かつ、火格子7に対して平行に進退運動する。このプッ
シャー部8のストロークは、その前進位置の先端部が火
格子7の中間付近まで到達するように設定しており、こ
のプッシャー部8の進退運動によって、堆積する被焼却
体Eが攪乱される。
【0027】この進退運動は、図示しない制御手段から
の命令によって駆動手段9が行い、本実施の形態では、
複数個(五機)のプッシャー部8が間欠的かつ一斉に進
退運動すべく制御されている。しかし、この進退運動
は、被焼却体Eの燃焼状態に応じて適宜に行われれば良
く、前記複数個のプッシャー部8を個々独立に、また、
任意に進退運動させてもよい。また、前記駆動手段は、
空圧シリンダー、油圧シリンダー、電気式シリンダー、
電動モーター等を利用した構造であり、燃焼室Bの温度
上昇に伴って生じる悪影響を考慮して、燃焼室B外に備
え付けられている。
【0028】本実施の形態におけるプッシャー部8は、
図7(a)のごとく、その先端部分を、前記傾斜炉床6
の勾配と同角度に切り欠いた円柱状部材であり、プッシ
ャー部8が後退位置にあるとき、その先端面が傾斜炉床
6と同一面上に位置するように形成されている。これ
は、傾斜炉床6上の被焼却体Eが、プッシャー部8の先
端部分に引っ掛かって押し出しの抵抗となったり、前記
先端部分の下側に被焼却体Eがもぐり込んで燃え残ると
いった不具合を軽減するためである。しかし、プッシャ
ー部8の先端面の形状を、前記傾斜炉床6の勾配に合わ
せた形状にする必要は必ずしも無く、堆積した被焼却体
Eを、プッシャー部8の進退運動によって押し出し可能
である形状であれば良い。
【0029】尚、プッシャー部8の先端面には、耐熱タ
イル等の耐熱部材36が取り付けられ、プッシャー部8
の熱膨張による変形を防止している。また、鞘部35の
主燃焼室B1側入口には、オイルスメタル等のクリーナ
ー37が埋め込まれており、進退運動するプッシャー部
8のロッド周面に付着した焦げ付き等の塊を削ぎ落と
す。
【0030】プッシャー部8本体の形状は、前記の如く
円柱形状とするのが、摩擦抵抗を軽減するという観点か
ら好適である。しかし、かかる形状に限定されず、多角
柱部材、その他燃焼室Bの炉壁等を摺動貫通して進退自
在となる形状であれば良い。一方、傾斜炉床6の下降端
位置を部分的に切り欠いて切欠き部6aを形成し、傾斜
炉床6の一部に鉛直面を形成することもできる(図7
(b)参照)。さらに、図8(a)で示すように、切欠
き部6aを幅広に形成し、さらに、この切欠き部6aの
鉛直面に複数のプッシャー部8を設けることもできる。
【0031】主燃焼室B1を囲う炉壁には、図1の如
く、煙道Fへの入口となる煙道連通口1を形成する。本
実施の形態では、特に、傾斜炉床6の上部に形成してい
る。以下、この位置に煙道連通口1を形成することによ
って得られる作用について説明する。
【0032】この煙道連通口1から連通する煙道Fは、
煙突2までつながっており、主燃焼室B1で発生した未
燃焼有機ガスは、煙道連通口1を通り抜け、煙道Fを通
って煙突2まで達する。ここでまず、主燃焼室B1から
煙道連通口1に至る過程で、高温の未燃焼有機ガスは、
傾斜炉床6に案内されながら上昇する。つまり、この上
昇途中で、傾斜炉床6に堆積する被焼却体Eを乾燥等し
て燃焼を補助し、効率的な燃焼を可能にする。特に、本
実施の形態の如く、焼却対象が、死後間も無い小動物で
ある場合には、圧着、密着して重積し易いため、この未
燃焼有機ガスによる燃焼の補助は非常に重要である。
【0033】つまり、傾斜炉床6の上方に積もる被焼却
体Eが、高温の炉内で中途半端に燃焼すると、傾斜炉床
6の上方で付着してしまい、もはや火格子7へ落下しな
くなる。すると、プッシャー部8が、いくら作用しても
被焼却体Eの攪乱はできず、燃え残りを発生させてしま
う。ちなみに、前述の従来例では、傾斜炉床N2に対向
する垂直炉壁の上部に煙道連通口N16を形成している
ので、前記作用を奏しない(図9参照)。したがって、
従来例にてこの不都合を回避しようとすると、図9の如
く、傾斜炉床N2の下端から鉛直上方の位置に、被焼却
体Eを投入する開口部N7を形成する必要を生じ、設計
上不便であった。一方、本実施の形態によれば、煙道連
通口1を傾斜炉床6の上部に形成することにより、前記
不都合は軽減されるため、開口部3を形成する位置の制
約が緩和される。
【0034】前記第1バーナ12、再燃焼用バーナー1
4の火炎によって、被焼却体Eや未燃焼有機ガスは着火
燃焼する。しかし、この燃焼を維持し、被焼却体E等の
完全燃焼を図るためには、主燃焼室B1内や第3次燃焼
室D(以下、除塵脱臭塔Dという)内等を所定の燃焼条
件に保たなければならない。この燃焼条件を維持するた
めには、可燃物、温度、空気からなる燃焼3要素を維持
することが必須条件である。しかし、本実施の形態の如
く、閉鎖された空間内で燃焼を行う場合、燃焼用の空気
は不足し易く、十分な空気の供給が、完全燃焼を行う上
で大きな課題となる。また、単に空気を混入するだけで
は、温度低下が著しく不完全燃焼の要因となってしま
う。そこで本実施の形態では、二次燃焼用空気を小動物
用焼却炉A内に供給する特別な構造を備えている。以
下、この構造の詳細について説明する。
【0035】燃焼室B、第2燃焼室C、除塵脱臭塔Dの
炉内には、二次燃焼用空気噴出口10b(以下、噴出口
という)が複数設けられており、この二次燃焼用空気噴
出口10bの各々に二次燃焼用空気分岐通路10a(以
下、空気分岐通路という)が連通している。これらの各
空気分岐通路10aは、それぞれ風量調節弁10cを介
して二次燃焼用空気通路10に連通している。
【0036】飛煤等を含む未燃焼有機ガス等が煙突2に
向けて流動する煙道Fと、二次燃焼用空気通路10とは
熱交換器(節炭型)11によって互いに接触している。
したがって、二次燃焼用ブロア19(もしくはファン
等)によって吸気された空気が、熱交換器11の作用に
よって熱交換され、高温の二次燃焼用空気として燃焼室
Bに送り込まれ、逆に熱量を奪われた燃焼ガスが、煙突
2側へ流動する。なお、煙突2にはエジェクタ用ブロア
15が備え付けられており、エジェクタ用ブロア15の
作用によって、燃焼室Bで発生する未燃焼有機ガスが煙
道F内を流動し、煙突2から強制的に排出される。ちな
みに、符号18は、除塵濾過フィルター器である。
【0037】煙道Fの途中には、第2燃焼室C、除塵脱
臭塔Dが設けられている。この第2燃焼室C、除塵脱臭
塔Dには、再燃焼用バーナー14が備え付けられてお
り、送り込まれてきた未燃焼有機ガスを再度燃焼させ
る。前記燃焼室Bから送り出されてきた燃焼ガスは、有
機化合物を含んでいる場合が多いため、本実施の形態で
は意図的に未燃焼有機ガスと呼んでいるが、この未燃焼
有機ガスを、このまま煙突2から排出すると、異臭を放
ったり、黒煙となって具合が悪い。しかし、この第2燃
焼室C,除塵脱臭塔Dでは、前記未燃焼有機ガスを再び
燃焼させ、さらに一定の温度を保ちながら一定の時間滞
留させることが可能となる。その結果、燃え残った有機
化合物が完全に焼却されて完全燃焼ガスとすることがで
き、前記した不具合が解消される。
【0038】また、近年問題となっているダイオキシン
等の環境ホルモンも前記有機化合物の一種であり、前記
未燃焼有機ガスがダイオキシン等を含んでいたとして
も、本実施の形態に係る小動物用焼却炉Aによれば、こ
のダイオキシン等の放出を効果的に防止することが出来
る。この理由を以下に説明する。
【0039】ダイオキシンと呼ばれる有機塩素化合物や
塩化ジベンゾフランは毒性が強く、燃焼によるその発
生、および、放出は極力抑えなければならない。このダ
イオキシンの発生を抑える手段として考えられているの
が、高温再燃焼による熱分解である。しかし、ダイオキ
シン等は、一度熱分解しても、温度低下に伴って再結合
する可能性が非常に高いことが近年の研究によって解明
されてきた。
【0040】そこで本実施の形態では、第2燃焼室C,
除塵脱臭塔Dを設けて、この再結合を防止している。つ
まり、第2燃焼室C、除塵脱臭塔D内で850℃以上の
温度を保ちつつ、かつ、3秒間以上滞留させることによ
り、有機塩素化合物が完全に燃焼させダイオキシン等の
放出を抑制している。従来の焼却炉Nと比較した本実施
の形態に係る小動物用焼却炉Aの効果については、表1
にて示しており、この表については後述する。ちなみ
に、ダイオキシン等の放出を防止するための所定の温度
は、850℃であり、所定の時間は3秒間である。ま
た、この所定の温度を保ちながら所定の時間を維持する
ため、煙道Fの距離を長くする構造でも良い。
【0041】本実施の形態では、未燃焼有機ガスの完全
燃焼化をより促進するため、除塵脱臭塔Dを特別な構造
にて構築しており、この除塵脱臭塔Dについて以下に詳
細する。ちなみに、図4は図1のW−W断面図である。
この除塵脱臭塔Dは図1、図4で示すように、中空の塔
が鉛直方向に立設しており、下端側面が第2燃焼室Cに
つながり、上端側面が煙突2に通じる煙道Fにつながっ
ている。また、この除塵脱臭塔D内の中空内を前記未燃
焼有機ガスが流動するが、この流路方向に軸線を有する
円柱形状のガイド支柱21が、除塵脱臭塔Dの底面から
立設している。また、本実施の形態における除塵脱臭塔
D内の中空形状は、断面円形かつ、途中がくびれた形状
をしているが、この中空の側壁に備え付けられた再燃焼
用バーナー14は、火炎放射方向を中空内の一円周方向
(図4における時計方向)向けている。
【0042】この再燃焼用バーナー14、ガイド支柱2
1および前記中空の関係およびその作用について図4に
基づいて説明する。図4において第2燃焼室Cを通って
きた未燃焼有機ガスは、除塵脱臭塔Dの下端に設けた流
入口51から、前記中空内の一円周方向に向けて流入す
る。この流入してきた未燃焼有機ガスは、ガイド支柱2
1に案内され、このガイド支柱21回りを前記一円周方
向に旋回しつつ上昇するが、再燃焼用バーナー14の火
炎噴射方向も前記一円周方向に向けられているため、こ
の回転がより促進される(図4における帯状矢印参
照)。
【0043】この回転によって、遠心力が働き、中空の
側壁に飛煤が打ち付けられる。この飛煤は、個々では細
かな粒子状であるが、側壁に打ち付けられることによっ
て静電気が働き、互いに引き付け合う。その結果、個々
の粒子が集合して粒の大きな粉塵となり、下方に落下し
てくる。つまり、この除塵脱臭塔Dの特徴の一つである
除塵効果が、遠心力を利用して図られる。
【0044】前記回転は、4〜5回転するように設定し
ており、未燃焼有機ガスは、この第2燃焼室Cおよび除
塵脱臭塔D内で3秒以上滞留する。また、この回転によ
って二次燃焼用空気との攪拌混合が促進され、未燃焼有
機ガスの再燃焼が促進される。さらに、再燃焼用バーナ
ー14の作用により、第2燃焼室Cおよび除塵脱臭塔D
内温度は、850℃以上に保たれる。つまり、この滞留
攪拌作用および保温作用により、脱臭効果つまり有機化
合物の完全燃焼効果が図られている。
【0045】なお、本実施の形態では、ガイド支柱21
が前記中空内の中心線に沿って立設している。これは、
流入してきた未燃焼有機ガスの回転を促進して遠心力を
増すためであるが、ガイド支柱21の中心線を、前記中
心線からを意図的に偏心させることもできる。この偏心
によって、今度は、未燃焼有機ガスが乱流となり、滞留
攪拌作用を増加させることができる。
【0046】以上が本実施の形態における除塵脱臭塔D
の詳細であるが、除塵脱臭塔D内の中空形状は、必ずし
も断面円形である必要はなく、第2燃焼室Cから煙突2
に通じる煙道Fまでの燃焼ガス流路が確保できる形状で
あれば良い。また、この中空形状の側壁に、例えば、流
路方向に沿った縦溝等の抵抗手段を形成することもでき
る。この抵抗手段の形成により、前記滞留攪拌作用が促
進され、効率良い完全燃焼化を達成することができるか
らである。さらに、前記ガイド支柱21から高温の二次
燃焼用空気を旋回方向へ向けて噴射することもできる。
【0047】以上,主燃焼室B1および煙道Fさらには
第2燃焼室C,除塵脱臭塔D等について詳述した。次
に、燃焼室Bを主燃焼室B1および下部燃焼室B2に区
分けする火格子7および前記下部燃焼室B2について詳
述する。
【0048】傾斜炉床6の下端には、火格子7を設けて
いる。本実施の形態において火格子7は、傾斜炉床6の
下端の位置で、水平態に設けられており、この火格子7
と前記傾斜炉床6上に被焼却体Eが散在した状態で堆積
する。
【0049】この火格子7の詳細を図5に基づいて説明
する。ちなみに、図5(a)は火格子7の平面図であ
り、同図(b)は(a)のZ−Z断面図、同図(c)〜
(e)は(a)のY−Y断面図であり、(c)は本実施
の形態、(d),(e)は他の実施の形態である。火格
子7は、図5(a)に示すように長穴7a(以下、隙間
開口部という)を均等かつ並列状に複数配設してスリッ
ト状にした平面スリット状火格子である。隙間開口部7
aは、図5(c)で示すごとく、上面側の断面径d1よ
り下面側の断面径d2の方が長く、上方から下方に向け
て拡開したテーパ形状になっている。したがって、上面
側で堆積する被焼却体Eから滲み出る油脂等が、隙間開
口部7aの壁面に付着し難く、閉塞が原因となる下部燃
焼室B2での失火を防止する。その結果、下部燃焼室B
2内で油脂等が気化して二次燃焼用空気と混合し、さら
に圧縮されて混合圧縮状態になるという危険が回避で
き、安全性が向上する。
【0050】本実施の形態に係る隙間開口部7aは、図
5(c)の如く、断面視で台形状に形成されている。し
かし、この形状に限定される必要は必ずしも無く、例え
ば、同図(d)や(e)で示す形状であっても良い。ち
なみに、同図(d)で示す形状は、断面視で逆椀状の形
状をしており、この逆椀状の頂部に垂直壁7bを形成し
ている。また、同図(e)で示す隙間開口部7aは、テ
ーパ形状の上部を切り欠いて垂直壁7bを形成した形状
をしている。同図(d)および同図(e)で示す隙間開
口部7aは、両方とも垂直壁7bを有するために、同図
(c)の隙間開口部7aに比較して上部の強度が保たれ
る形状となっている。
【0051】また、火格子7は、図5(b)で示すよう
に中心部分が下方に湾曲した逆アーチ状をしている。こ
の逆アーチ形状により、被焼却体Eから滲み出る油脂等
が、主に火格子7の中心部分から効率良く垂れ落ちる。
そのため、火格子7の周縁部分で生じ易い付着残りを最
小限に押さえることが可能となる。
【0052】この火格子7によって主燃焼室B1から区
切られる下部燃焼室B2は、灰出しのための部屋であ
る。しかし、この部屋には、前述の如く、油脂等が垂れ
落ち、また、肉片がこぼれ落ち、下部燃焼室B2内で燃
え残りとなって残る場合がある。したがって、下部燃焼
室B2にも、主燃焼室B1に備え付けられる第1バーナ
ー12と同一構造の第2バーナー13が備え付けられて
おり、前記燃え残りの完全燃焼化が図られる。
【0053】本実施の形態では、さらに、燃焼室Bの側
壁に、下部燃焼室B2と主燃焼室B1とを連通する爆発
回避安全貫通穴20(以下、貫通穴という)を形成して
いる。したがって、下部燃焼室B2内の未燃焼有機ガス
や余剰の二次燃焼用空気がこの貫通穴20を通じて、主
燃焼室B1に抜けるため、失火を防止し、前述した危険
が一層回避される。
【0054】次に、本実施の形態に係る小動物用焼却炉
Aと従来の焼却炉Nとの条件および試験結果の比較を以
下の表にて示す。
【0055】
【表1】
【0056】表1から分かる通り、本実施の形態に係る
小動物用焼却炉Aは、従来の焼却炉Nと比較し、燃焼効
率が向上し、一方、排出煤塵量、一酸化炭素濃度、ダイ
オキシン毒性換算値の減少を図ることができる。なお、
表1における「焼却煤の灼熱減量」について補足説明す
る。被焼却体Eにおける可燃物は、炉内温度の上昇に伴
ってガス化し、このガス化した可燃物が酸化することに
よって燃焼する。従って、燃焼後には、不燃物である骨
灰が残る。しかし、この骨灰も内部に可燃物(骨髄等)
を含んでおり、おき燃焼(炭の燃焼状態)と称される燃
焼によって、さらに効率良く燃焼させないと、内部に可
燃物(骨髄等)を含んだ状態の灰、つまり、骨髄を含ん
だ状態の生焼成骨灰として残る場合がある。この生焼成
骨灰の量を「焼却煤の灼熱減量」の量から推し量ること
ができる。つまり、重量%で示す「焼却煤の灼熱減量」
の低い方が、前記生焼成骨灰の量が少ない骨灰である。
【0057】続いて本実施の形態の作用を図1および図
6に基づいて説明する。まず、断熱型スライド式開閉扉
4を開いた後、投入用ホッパー5にて被焼却体Eを燃焼
室B内に投入し、傾斜炉床6および火格子7の上に被焼
却体Eを堆積させる。そして第1バーナ12によって被
焼却体Eを適当に加熱し、適宜、プッシャー部8を作動
して被焼却体Eを攪拌する。この攪拌している状態が図
6にて示されている。
【0058】まず、図6(a)は投入用ホッパー5によ
って被焼却体Eが投げ込まれた状態である。ここでプッ
シャー部8を作用させると、傾斜炉床6と火格子7に堆
積する被焼却体Eが同図(b)の如く押し出される。被
焼却体Eが押し出される同図右側には、第1バーナー1
2が備え付けられており(図1参照)、燃焼促進が図ら
れる。次に図6(c)の如く、プッシャー部8が傾斜炉
床6側に引っ込むと、上方の傾斜炉床6から被焼却体E
がずり落ちてくる。続いて、プッシャー部8が、再び進
退運動をすると、同図(d),(e)の如く、ずり落ち
てきた被焼却体Eが同図右方向に押し出され、被焼却体
Eの攪乱、さらには、隙間開口部7a上に隙間を形成す
る。この進退運動を繰り返すことにより、燃焼促進、燃
焼効率の向上を図ることができる。
【0059】被焼却体Eの燃焼が進むと、適宜、二次燃
焼用空気が燃焼室B内等に送り込まれる。この場合、風
量調節弁10cの調節によって二次燃焼用空気の風量が
調節され、この二次燃焼用空気の混入により、燃焼の促
進を図ることができる。また、火格子7から下部燃焼室
B2に垂れ落ちる油脂等も第2バーナー13にて完全焼
却される。
【0060】また、この焼却によって発生した燃焼ガス
等は、エジェクタ用ブロア15の作用によって煙突2ま
で流動する。この場合、途中の第2燃焼室C,除塵脱臭
塔Dで再燃焼し、かつ、所定の温度を保ったまま、所定
の時間滞留するため、有機化合物が完全に焼却され、無
害である完全燃焼ガスが煙突2から排出される。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、被焼却体の燃え残りを
効果的に防止し、燃焼効率を維持、向上させることがで
きる。さらに、主燃焼室内で発生した未燃焼有機ガス
を、第2燃焼室、第3燃焼室内で再度燃焼し、完全燃焼
を図るとともに、粉塵等の発生を効果的に押さえること
が可能となる。その結果、未燃焼有機ガス中に含まれる
有機化合物を完全に燃焼し、完全燃焼ガスとして外部に
排出するため、異臭や黒煙等の発生を効果的に防止でき
る。また、火格子の隙間開口部の閉塞を効果的に防止
し、下部燃焼室での失火を防ぎ、安全性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】小動物用焼却炉の縦断面図である。
【図2】主燃焼室を囲う炉壁の断面図である。
【図3】図1のV−V断面図であり、高圧噴射型補助所
バーナー取付壁部の断面および高圧噴射型補助所バーナ
ーを示す。
【図4】図1のW−W断面図であり、主に、除塵脱臭塔
の内部を示す。
【図5】(a)は火格子の平面図、(b)は(a)のZ
−Z断面図、(c),(d),(e)は(a)のY−Y
断面図であり、(c)は本実施の形態に係り、(d),
(e)は他の実施の形態に係る。
【図6】小動物用焼却炉におけるプッシャー部の作用図
である。
【図7】傾斜炉床下降端位置の拡大図であり、(a)は
本実施の形態に係り、(b)は傾斜炉床下降端位置に切
り欠き部を形成した状態を示す斜視図である。
【図8】(a)は傾斜炉床下降端位置に切り欠き部を複
数形成した状態を示す斜視図であり、(b)は幅広の切
り欠き部を形成した状態を示す斜視図である。
【図9】従来の小動物用焼却炉の縦断面図である。
【図10】(a)は従来の火格子の平面図、(b)は
(a)のT−T断面図である。
【符号の説明】
A:小動物用焼却炉 B:燃焼室 B1:主燃焼室 B2:下部燃焼室 C:第2燃焼室 D:第3燃焼室(除塵脱臭塔) E:被焼却体 F:煙道 1:煙道連通口 2:煙突 3:被焼却体投入用開口部(開口部) 6:傾斜炉床 7:火格子 7a:隙間開口部 8:プッシャー部 12:第1バーナ(火格子上バーナー) 13:第2バーナ(火格子下バーナー) 14:再燃焼用バーナ 20:爆発回避安全貫通穴(貫通穴) 21:ガイド支柱 38:高圧噴射型補助バーナー(補助バーナー) 39:球面軸受 41:球面ジャーナル 50:設置穴 52:バーナータイルの窪み 55:炉壁 L1:中心線(高圧噴射型補助バーナー) N:従来の焼却炉 N1:燃焼室 Na:主燃焼室 Nb:下部燃焼室 N2:傾斜炉床 N3:バーナー N4:平面火焼盤型火格子 N5:平面スリット状火格子 N6:プッシャー部 N7:開口部 N8:円穴 N9:格子穴 N10:二次燃焼用空気噴出口 N12:節炭器 N13:煙突 N14:二次燃焼用空気ブロア N15:エジェクタ用ブロア N16:煙道連通口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 影山 立美 大阪府大阪狭山市西山台5−2−27−101

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】地方自治体が運営管理する動物保護管理施
    設で使用され、捕獲されてきた小動物を被焼却体として
    焼却処分するための燃焼室を備え、この燃焼室に、前記
    被焼却体を投入するための被焼却体投入用開口部と、こ
    の被焼却体投入用開口部の鉛直下方に形成する傾斜炉床
    と、この傾斜炉床の下部に備え付けられ、前記燃焼室内
    を水平方向に進退運動するプッシャー部と、このプッシ
    ャー部の下方であり、前記傾斜炉床の下端に水平態に設
    けられた火格子と、この火格子を挟んだ上側の主燃焼室
    に備え付けられた第1バーナーと、下側の下部燃焼室に
    備え付けられた第2バーナーとを設けた小動物焼却炉に
    おいて、 前記主燃焼室内に火炎噴射口を向けて備え付けられる高
    圧噴射型補助バーナーと、 この高圧噴射型補助バーナーの火炎噴射口を任意の方向
    に首ふり自在に支持する支持部とを備えたことを特徴と
    する小動物焼却炉。
  2. 【請求項2】前記主燃焼室から煙突までを連通する煙道
    に、第2燃焼室および第3燃焼室を設け、前記主燃焼室
    から吹き出す未燃焼有機ガスを、この第2燃焼室および
    第3燃焼室内で再燃焼させるとともに、この未燃焼有機
    ガスを前記第2燃焼室および第3燃焼室内で、所定の温
    度を保ちながら所定の時間滞留させて完全燃焼ガスと
    し、その後、この完全燃焼ガスを前記煙突から強制的に
    外部に排出させることを特徴とする請求項1に記載され
    た小動物用焼却炉。
  3. 【請求項3】前記火格子の隙間開口部を、上部から下部
    に向けて拡開させたことを特徴とする請求項1又は請求
    項2のいずれか一つに記載された小動物用焼却炉。
  4. 【請求項4】前記下部燃焼室と前記主燃焼室を連通する
    爆発回避安全貫通穴を、前記燃焼室の側壁もしくは前記
    傾斜炉床に設けたことを特徴とする請求項1から請求項
    3のいずれか一つに記載された小動物用焼却炉。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101156579B1 (ko) * 2012-01-09 2012-06-21 주식회사 대경에스코 이동식 동물소각로
CN104807014A (zh) * 2015-04-20 2015-07-29 华南农业大学 一种畜禽热解焚化无害化处理装置
JP2023104028A (ja) * 2022-01-17 2023-07-28 村瀬炉工業株式会社 火葬炉

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