JP2600707Y2

JP2600707Y2 - 焼却炉用石灰粉散布装置

Info

Publication number: JP2600707Y2
Application number: JP1993064131U
Authority: JP
Inventors: 正三工藤
Original assignee: 株式会社工藤工作所
Priority date: 1993-11-30
Filing date: 1993-11-30
Publication date: 1999-10-25
Anticipated expiration: 2008-11-30
Also published as: JPH0732324U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、焼却炉、特に、金属を
除き、一般に燃焼が困難である産業廃棄物の焼却用の焼
却炉のための石灰粉散布装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、一般の産業廃棄物は、その処理に
当たり、金属を除く可燃物は、焼却炉により焼却処理す
る方法が、多く採用されている。また、このための焼却
炉としては、一般的に、火格子を備えた炉が使用され、
燃料の供給の下に燃焼させているが、この場合に、廃棄
物の中に、例えば、プラスチック材料などが含まれる時
には、その燃焼が高温度で行われるために、火格子や、
炉壁に損傷を与えることが多く、この修理のために、焼
却炉の運転を休止する必要がある外、多大な修理費用を
必要としたり、焼却炉の耐用年数を著しく短縮すると言
う問題点を有している。

【０００３】その上、焼却処理されるべき産業廃棄物の
中に、プラスチック材料などが多く含まれている場合に
は、その焼却の際に、煤煙や、硫黄酸化物や、窒素酸化
物や、塩化水素などの有害ガスをはなはだしく発生し、
その飛散の防止のための付帯設備を必要とするが、この
飛散防止は、必ずしも、満足な程度には行われることが
出来ないので、煤煙や、硫黄酸化物や、窒素酸化物や、
塩化水素などの有害ガスが煙突から大気中に拡散され、
大きな公害問題を引き起こしているのが現状である。

【０００４】本出願人は、従来の金属を除く、一般に燃
焼が困難である各種の産業廃棄物の焼却による処理にお
ける上記のような各種の問題点を解消することが出来
る、新規な改善された焼却方法及び焼却炉の発明を既に
提案している（特開平４ー２４４０７号公報参照、以下
「先の発明」と呼ぶ。）が、この先の発明における焼却
炉は、主燃焼室の炉床を天然露地とすることにより、こ
の天然露地から発生する湿気が、主燃焼室内の温度が不
当に高温度となることを防止すると共に、投入された廃
棄物をその最上層から最下層へと順次燃焼させることに
よって完全燃焼させることが出来る点に、最も大きな特
徴を有するものである。

【０００５】先の発明による焼却炉は、その実際に使用
の結果、その解決すべき課題を実質的に解決すすること
の出来ることが確認されているが、しかしながら、先の
発明による焼却炉においては、被焼却産業廃棄物の中に
プラスチック材料などが多量に含まれている場合には、
その焼却の際に、煤煙や、硫黄酸化物や、窒素酸化物
や、塩化水素などの有害ガスをの発生を防止する点にお
いては、必ずしも、満足する結果が得られない場合のあ
ることが分かった。そのために、このような有害ガスの
発生を一層完全に防止することが要望されている。

【０００６】従来、この種の有害ガスを除去するため
に、例えば、「ＨＣｌ、ＳＯ₂除去方法」として、乾式
法が公知となっており、この方法においては、燃焼によ
って発生する排ガス中のＨＣｌ、ＳＯ₂をアルカリ剤と
反応させて除去するものである。また、この方法の中で
全乾式法として、「粉体噴射方式」が知られており、こ
の方式においては、炉内高温部に炭酸カルシウム（Ｃａ
ＣＯ₃）や、ドロマイト（ＣａＣＯ₃＋ＭｇＣＯ₃）を噴
射するものである。

【０００７】また、この「粉体噴射方式」を実施するた
めの装置としても、種々の形式のものが公知となってい
るが、これらの装置は、構成が複雑であったり、その有
害ガスの除去能率が、必ずしも、満足するに足りるもの
では無いのが現状である。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】そこで、本考案は、特
に、先の発明による産業廃棄物用焼却炉に適用するのに
適しているが、他の一般的な産業廃棄物用焼却炉にも適
用することが可能である、構造が簡単であり、作動が確
実であり、また、既存の焼却炉にも容易に設置すること
が可能である石灰粉散布装置を得ることを、その解決す
べき課題とするものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本考案においては、この
課題を解決するために、投入された被焼却廃棄物をその
最上層から最下層へと順次燃焼させる焼却炉の主燃焼室
の上方部分に、その周壁を貫通して形成された石灰粉散
布口と、この石灰粉散布口に主燃焼室の外側から接続さ
れている石灰粉圧送管路と、この石灰粉圧送管路に連結
された石灰粉噴射機構と、石灰粉噴射機構に連結された
石灰粉撹拌機構とから成ることを特徴とする焼却炉用石
灰粉散布装置を提供するものである。

【００１０】

【実施例】以下、本考案の実施例を添付図面の図１〜３
に示された焼却炉に基づいて詳細に説明する。図１に
は、本考案の実施例による石灰粉散布装置が、先の発明
による焼却炉３０に適用された場合について示されてい
る。すなわち、同図において、参照数字５１が付されて
いるのは、後に詳細に説明をする本考案の実施例による
石灰粉散布装置の構成である石灰粉散布口である。この
装置を説明をする前に、先ず、先の発明による焼却炉３
０の構成及び作用などを簡単に説明をする。

【００１１】まず、図１に示すように、この炉３０は、
炉床１_Bを天然露地とした、ほぼ垂直な主燃焼室１と、
その一つの周壁の上部部分に連結された、ほぼ水平な二
次燃焼室(煙道)２と、その端部に連結された煙突３とを
主体とし、主燃焼室１の二次燃焼室２を設けられている
周壁１₀と反対側の周壁の下部部分には、灰出しピット
４が接続されている。そして、これらの主燃焼室１、二
次燃焼室２及び灰出しピット４は、原則として、全部を
地中に埋め込んだ地下式とするか、又は、その一部を埋
め込んだ半地下式としてある。

【００１２】更に、主燃焼室１の上方の開口部の上に
は、これを包囲するように水冷壁７が設置されており、
その上面には、主燃焼室１の全開口面積を覆うような水
平箱状のカバー５が、水平移動自在に設置されている
が、このカバー５には、これを垂直に貫通して数個の一
次空気口６が開口されている。

【００１３】また、主燃焼室１の周壁には、垂直方向に
間隔を置かれて数列の水平な二次空気口８_１〜８_３が設
けられており、これらの二次空気口８_１〜８_３には、そ
れぞれ、管路９_１〜９_３を介して、地上に設置してある
送風機１０から強制通風が行われるようになっている
が、各管路９_１〜９_３には、それらへの供給空気量を別
個に制御するために、それぞれ、弁１１_１〜１１_３が設
置してある。

【００１４】更に、二次燃焼室２の周壁には、その内部
に開口する少なくとも1個の予備バーナ１２が設置して
ある外、その上方には二次燃焼室２内に二次空気供給口
１３が開口している。

【００１５】このような構成を有している焼却炉３０
は、次のように使用される。まず、主燃焼室１の上部の
開口部を閉鎖しているカバー５を水平移動させることに
より開放し、この開口部を経て焼却すべき被焼却廃棄物
を主燃焼室１内に、二次燃焼室２の開口部のほぼ底面の
高さに到達するまで投入する。この状態において、主燃
焼室１の上部の開口部を、カバー５を元の位置に戻すこ
とにより、図１に示す状態に閉鎖する。

【００１６】次いで、主燃焼室１内に投入された被焼却
廃棄物の層の上表面において、適宜な可燃物を適宜な手
段により燃焼させることにより、最上層の被焼却廃棄物
に点火し、その燃焼を開始させる。この場合、被焼却廃
棄物には、カバー５に明けられた一次空気口６から入る
一次空気及び送風機１０から弁１１_１〜１１_３及び管路
９_１〜９_３を介して、二次空気口８_１〜８_３から二次空
気を制御して供給することにより、主燃焼室１内に特殊
な波状の空気の対流を生じさせ、これにより、最上層の
被焼却廃棄物に水性ガス化反応を生じさせ、高温燃焼を
起こさせ、この層の被焼却廃棄物を、特別に燃料を供給
する必要無しに、被焼却廃棄物自体が発生する高温度の
燃焼熱により完全燃焼をさせる。

【００１７】また、この際に発生する、硫黄酸化物や、
窒素酸化物や、塩化水素などを含有する燃焼ガスは、二
次燃焼室２及び煙突３を経て大気中に排出される。ま
た、この燃焼は、高温度の下に行われるので、初期の点
火時を除き、燃焼期間中における煙や、硫黄酸化物や、
窒素酸化物や、塩化水素などの発生は、最少限に抑制さ
れると共に悪臭のある有害ガスの発生も低い値に抑制さ
れる。

【００１８】同時に、この燃焼の際に発生する高熱は、
最上層の被焼却廃棄物から、その直下部の下層の被焼却
廃棄物に伝達され、この被焼却廃棄物を、高温状態に導
き、これをガス化すると同時に、それよりも下方の被焼
却廃棄物層へも熱を伝達し、これを乾燥化させる。この
ようにして、最上層の被焼却廃棄物の下部のガス化され
た被焼却廃棄物層は、最上層の被焼却廃棄物の場合と同
様に、一次及び二次空気の供給の下に高温の下に完全に
燃焼され、発生した排ガスは、二次燃焼室２及び煙突３
を経て大気中に、無煙・無臭の排ガスとして排出され
る。

【００１９】このようにして、主燃焼室１内において
は、ガス化された被焼却廃棄物層が、今度は、最上層の
被焼却廃棄物層として完全燃焼をし、その間に、その下
方にある下層の乾燥化された被焼却廃棄物層が、一次及
び二次空気の供給の下にガス化されると共にその下方の
被焼却廃棄物層を、同様に、一次及び二次空気の供給の
下に乾燥化する。このような熱作用が、順次、上方の被
焼却廃棄物層から、下方の被焼却廃棄物層へと連続的に
移行して行われ、最終的には、最下層の被焼却廃棄物の
完全燃焼が、行われるようになる。

【００２０】さて、図１には、上記のような構成を有し
ている先の発明による廃棄物焼却炉３０に、本考案の実
施例である石灰粉散布装置が適用されているところが示
されている。すなわち、この焼却炉３０において、図１
に示されるように、先の発明による焼却炉３０の主燃焼
室１の周壁の上方部分に、その長手方向のほぼ中央部分
に、その周壁を貫通して、本考案の実施例の一構成を形
成している石灰散布口５１が形成されており、この石灰
粉散布口５１から圧縮空気により石灰粉を燃焼中の被焼
却廃棄物の上方部分内に散布することが可能であるよう
にしてある。

【００２１】このために、図２に示すように、この石灰
粉散布口５１は、主燃焼室１の外部において水平な石灰
粉圧送管路５２の１端部に連結されており、また、この
管路５２の他端部は、５２₀において適宜な手段により
閉塞されている。この管路５２には、垂直管状の本体５
０₀から成る石灰粉噴射機構５０が、本体５０₀の下端部
において連結されており、その上方には、垂直な中空円
筒状の本体６０₀から成る石灰粉撹拌機構６０が設置さ
れている。

【００２２】まず、石灰粉噴射機構５０には、その本体
５０_０の垂直軸線に対して傾斜している傾斜管部分５３
_１と、それに接続されている水平管部分５３_２とから成
る圧縮空気噴射管５３が付属されており、傾斜管部分５
３_１の端部は、石灰粉圧送機構５０の本体５０_０に、そ
の高さのほぼ中間部分において開口しており、また、そ
の水平管部分５３_２の端部には、別に設置したブロワー
５４が接続されている。このようにして、このブロワー
５４が駆動されると、このブロワー５４からの圧縮空気
が、圧縮空気噴射管５３を経て石灰粉噴射機構５０の本
体５０_０の中に噴射される。

【００２３】一方、石灰粉撹拌機構６０は、図３に示さ
れるように、垂直な中空円筒状の本体６０_０から成り、
その下端の閉塞下端部６０_１の中心では、それを貫通し
て撹拌軸６１が垂直に配置されており、この撹拌軸６１
は、本体６０_０の外部に設置してある電気モータ６２か
ら、適当な伝動装置を介して回転・駆動されるようにな
っている。また、撹拌軸６１には、垂直方向に間隔を置
いて数個の撹拌棒６３が放射方向に取り付けられてい
る。なお、上下の水平面内に配置されている各撹拌棒６
３は、垂直方向からみて相互に重なり合わないように円
周方向に角度をずらして配置されている。なお、撹拌棒
６３は、横断面が円形であり、適宜な長さを有している
が、その長さや、個数は、上下の水平面内において、変
えても良い。また、棒状の代わりに、適宜な輪郭を有す
る羽根状などとすることも可能である。

【００２４】このようにして、石灰粉撹拌機構６０の本
体６０₀の中には、その上端部の開口部６０₂から石灰粉
Ｌが投入され、撹拌軸６１をモータ６２により回転・駆
動させると、石灰粉Ｌは、本体６０₀の内周壁部分と、
回転する撹拌棒６３の先端部分との間並びに上下の撹拌
棒６３の間において撹拌され、万一、石灰粉Ｌが水分な
どにより塊状に固まっていたとしても、粉砕され、均一
な微粒子の粉体となり、閉塞端部６０₁に設けてある管
状の排出口６４から排出され、その下方に配置されてい
る石灰粉噴射機構５０の管状の本体５０₀の内部に、そ
の上端部に形成されたホッパ５０₁を経て落下・供給さ
れる。

【００２５】このようにして、石灰粉撹拌機構６０に供
給され、その作用により均一な微粒子の粉体とされた石
灰粉Ｌは、石灰粉噴射機構５０の本体５０₀の内部に、
その上端部に形成されているホッパ５０₁を経て落下・
供給されるが、この本体５０₀の高さ方向の中間部分に
は、圧縮空気噴射管５３の傾斜管部分５３₁が開口して
おり、この開口部から圧縮空気が管状本体５０₀の垂直
軸線に対して下方に傾斜して噴射されるようになってい
る。

【００２６】従って、石灰粉噴射機構５０の管状の本体
５０₀の内部に落下・供給された石灰粉Ｌは、その落下
の途中において、圧縮空気噴射管路５３の傾斜管部分５
３₁から噴射する圧縮空気に出会う。この場合、管状の
本体５０₀の圧縮空気噴射管５３の傾斜管部分５３₁との
連結開口部と反対側において、石灰粉噴射機構５０の管
状の本体５０₀の外壁部分と石灰粉圧送管５２の外壁部
分との間に、傾斜管部分５３₁と同一方向に傾斜する斜
辺５５を持つ直角三角刑状の横断面及び薄い厚さを有す
る偏平な連結室５６を配置し、その周壁部分をそれらの
外壁部分に固着し、この連結室５６の内部を、石灰粉噴
射機構５０の管状の本体５０₀及び石灰粉圧送管５２の
内部に連結して置くことにより、石灰粉噴射機構５０の
管状の本体５０₀の内部を落下しつつある石灰粉は、傾
斜管部分５３₁から噴射される圧縮空気の中に均一に分
散された状態となり、この状態において連結室５６の内
部を、その斜辺５５により流れ方向を規制され、圧縮空
気により圧縮空気噴射管５３の傾斜管部分５３₁の方向
に石灰粉圧送管路５２の中に圧送されるようになる。

【００２７】また、この時、圧縮空気噴射管５３の傾斜
管部分５３₁と、石灰粉噴射機構５０の管状の本体５０₀
との連結部分においては、圧縮空気噴射管５３から噴射
する圧縮空気による吸引作用が現れ、石灰粉は圧縮空気
の中に強力に吸引されると共に石灰粉圧送管路５２の中
に圧縮空気により圧送されることとなる。なお、この場
合、傾斜管部分５３₁の管軸と、石灰粉噴射機構５０の
本体５０₀の垂直軸線との間に形成される角度αは、圧
縮空気の石灰粉に対する分散作用に大きな関係を有して
おり、ある特定の角度αにおいて最大の効果の現れるこ
とが見いだされた。

【００２８】このようにして、石灰粉Ｌは、石灰粉圧送
管路５２を経て石灰粉散布口５１から、焼却炉３０の主
燃焼室１の内部に噴射される。従って、被焼却廃棄物の
中に、例えば、ポリ塩化ビニールなどのプラスチック材
料が多量に含まれている場合には、多量の塩化水素など
の有害ガスが発生するが、このガスは、石灰粉散布口５
１から主燃焼室１内に噴射・散布される石灰粉と反応
し、先に記載したような「ＨＣＬ，ＳＯ₂除去装置」の
「全乾式粉体噴射方式」におけるのと同様な作用を受
け、有害ガスはほとんど完全に除去されることが出来る
ようになる。その結果、煙突３から塩化水素などの有害
ガスが排出することを、ほどんど完全に防止することが
出来る。なお、この場合には、燃焼かすとして、少量の
硬化灰が発生するが、しかしながら、この硬化灰も、灰
出しピット４から取り出すことは容易である。

【００２９】以上のように、本考案においては、焼却炉
３０の主燃焼室１の中において燃焼中の燃焼ガスの中に
石灰粉Ｌを圧縮空気により微粒子として一様に散布する
ものであるが、石灰粉Ｌとしては、例えば、市販の農業
用石灰粉などを使用することが出来る。しかしながら、
このような石灰粉は、貯蔵中に空中の湿気を吸収して塊
状となることが多い。従って、若しも、このような塊状
の石灰を直接的に主燃焼室１の中に散布したものとする
ならば、本考案の所期の目的を達成することは、決して
出来ないところである。

【００３０】これに対し、本考案においては、貯蔵中の
石灰粉が、たとえ、塊状に固化されたとしても、これを
石灰粉撹拌機構６０及び石灰粉噴射機構５０により処理
することにより、本来の微粒子の状態の石灰粉とし、こ
れを圧縮空気により、均一な微粒子の状態で主燃焼室１
内に散布することが出来る点に、最も重要な特徴がある
ものであり、これにより、始めて、本考案の所期の目的
を達成することが出来るものである。

【００３１】以上、本考案の実施例である石灰粉散布装
置を、先の発明による廃棄物焼却炉３０に適用した場合
について説明をしたが、本考案は、このような投入され
た被焼却廃棄物をその最上層から最下層へと順次燃焼さ
せる焼却炉、特に、被焼却廃棄物が産業廃棄物である焼
却炉に適用して、それから有害ガスが発散することを有
効に阻止することが出来る。また、本考案による石灰粉
散布装置は、この種の既存の産業廃棄物用焼却炉にも容
易に設置し、その炉からの有害ガスの発散を有効に阻止
することが出来る。

【００３２】

【考案の効果】本考案による石灰粉散布装置は、簡単な
構成を有しているにもかかわらず、この種の投入された
被焼却廃棄物をその最上層から最下層へと順次燃焼させ
る焼却炉、特に、被燃焼廃棄物が産業廃棄物である焼却
炉に適用して、被焼却廃棄物の中にプラスチック材料な
どが含まれている場合に発生することがある塩化水素の
ような有害ガスの発生を、最少限に減少させることが出
来ると言う優れた効果を発揮することが出来るものであ
る。また、本考案装置は、既存のこの種の産業廃棄物用
焼却炉にも、容易に設置し、有害ガスの発散を防止する
ことが出来ると言う効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の１実施例を備えた産業廃棄物焼却炉の
例を示す略縦断面である。

【図２】図１の炉に使用される石灰粉撹拌機構及び石灰
粉噴射機構を示す一部縦断面正面図である。

【図３】図２の一部分を示す側面図である。

【符号の説明】

１主燃焼室１_B 炉床２二次燃焼室３煙突４灰出しピット５カバー６一次空気口７水冷壁８二次空気口１０送風機３０先の発明による廃棄物用焼却炉５０石灰粉噴射機構５０₀ 管状本体５０₁ ホッパ５１石灰粉散布口５２石灰粉圧送管路５３圧縮空気噴射管５４ブロワー６０石灰粉撹拌機構６０₀ 本体６０₂ 石灰粉供給口６１撹拌軸６２電気モータ６３撹拌棒６４石灰粉排出口

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) F23G 5/00 ZAB F23G 5/44 ZAB F23G 7/00 ZAB

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】投入された被焼却廃棄物をその最上層か
ら最下層へと順次燃焼させる焼却炉（３０）の主燃焼室
（１）の上方部分に、その周壁を貫通して形成された石
灰粉散布口（５１）と、この石灰粉散布口（５１）に主
燃焼室（１）の外側から接続されている石灰粉圧送管路
（５２）と、この石灰粉圧送管路（５２）に連結された
石灰粉噴射機構（５０）と、石灰粉噴射機構（５０）に
連結された石灰粉撹拌機構（６０）とから成ることを特
徴とする焼却炉用石灰粉散布装置。
【請求項２】石灰粉噴射機構（５０）が、下端部にお
いて石灰粉圧送管路（５２）に連結されている垂直管状
の本体（５０_０）と、この本体（５０_０）の中間部分
に、その垂直軸線に対して傾斜する傾斜管部分（５
３_１）を介して連結された圧縮空気噴射管（５３）とか
ら成り、この圧縮空気噴射管（５３）にはブロワー（５
４）から圧縮空気が供給されるところの請求項１記載の
焼却炉用石灰粉散布装置。
【請求項３】石灰粉噴射機構（５０）の本体（５
０_０）と石灰粉圧送管路（５２）とが、石灰粉噴射機構
（５０）の本体（５０_０）と圧縮空気噴射管（５３）の
傾斜管部分（５３_１）との連結部分の反対側において、
圧縮空気噴射管（５３）の傾斜管部分（５３_１）の延長
方向に延びる斜辺（５５）を有する直角三角形状の薄い
厚さを有する連絡室（５６）を介して相互に連結されて
いるところの請求項２記載の焼却炉用石灰粉散布装置。
【請求項４】石灰粉撹拌機構（６０）が、閉塞下端部
（６０_１）を有する垂直中空円筒状の本体（６０_０）
と、この本体（６０_０）の内部にその閉塞下端部（６０
_１）の中心を垂直に貫通して延びる回転自在な撹拌軸
（６１）と、この撹拌軸（６１）に垂直方向に間隔を置
いて放射方向に取り付けられている数個の撹拌棒（６
３）と、閉塞下端部（６０_１）に明けられた排出口（６
４）とから構成されているところの請求項１，２又は３
記載の焼却炉用石灰粉散布装置。
【請求項５】石灰粉噴射機構（５０）の本体（５
０_０）の上端部には、石灰粉撹拌機構（６０）の本体
（６０_０）の閉塞下端部（６０_１）に明けられた排出口
（６４）から石灰粉を受け取るためのホッパ（５０_１）
が設けられているところの請求項４記載の焼却炉用石灰
粉散布装置。