JP2000053912A - 粉体塗料用ポリエステル樹脂及び組成物、並びにこれを用いた粉体塗料 - Google Patents

粉体塗料用ポリエステル樹脂及び組成物、並びにこれを用いた粉体塗料

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JP2000053912A
JP2000053912A JP10221427A JP22142798A JP2000053912A JP 2000053912 A JP2000053912 A JP 2000053912A JP 10221427 A JP10221427 A JP 10221427A JP 22142798 A JP22142798 A JP 22142798A JP 2000053912 A JP2000053912 A JP 2000053912A
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Yumi Kamiyoshi
由美 神吉
Takeshi Sato
健 佐藤
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Nippon Ester Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 実用上十分な強度を有し、外観や耐候性に優
れた塗膜を与えるとともに、耐ブロッキング性の良好な
粉体塗料用ポリエステル樹脂及び組成物、並びにこれを
用いた粉体塗料を提供する。 【解決手段】 イソフタル酸及びネオペンチルグリコー
ルを主成分とし、極限粘度が0.15〜0.40dl/
g、水酸基価が13〜85mgKOH/gのポリエステ
ル樹脂であって、全グリコール成分の0.5〜15モル
%が特定のフルオレン系グリコールからなる粉体塗料用
ポリエステル樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、実用上十分な強度
を有し、外観や耐候性に優れた塗膜を与えるとともに、
耐ブロッキング性の良好な粉体塗料用ポリエステル樹脂
及び組成物、並びにこれを用いた粉体塗料に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、メンテナンスフリーなどの理由か
ら、耐候性の良好な塗料が求められている。粉体塗料で
は、アクリル樹脂系のものが、耐候性の良好なものとし
て知られている。しかしながら、アクリル樹脂系粉体塗
料は、高価であるうえ、他の塗料との相溶性が極めて悪
く、他の塗料に混入した場合、ハジキの原因となるた
め、塗装ラインを隔離しなくてはならないという問題が
あった。
【0003】ポリエステル樹脂系粉体塗料はこのような
問題がないが、一般に耐候性が十分でないという問題が
あり、耐候性の改良された粉体塗料用ポリエステル樹脂
の開発が進められている。
【0004】例えば、特開平2−284974号公報には、イ
ソフタル酸とシクロヘキサンジカルボン酸を主たる酸成
分とし、末端基が主としてカルボキシル基であるポリエ
ステル樹脂に、硬化剤としてトリグリシジルイソシアヌ
レートを配合した耐候性の改良された粉体塗料用ポリエ
ステル樹脂組成物が開示されている。しかし、トリグリ
シジルイソシアヌレートは、最近、変異原性などに関す
る衛生上の問題が指摘されており、使用に問題がある。
【0005】また、特開平6−234941号公報には、イソ
フタル酸とネオペンチルグリコールを主たる構成成分と
し、末端基が水酸基であるポリエステル樹脂に、イソシ
アネート系硬化剤を配合した耐候性の改良された粉体塗
料用ポリエステル樹脂組成物が開示されている。しか
し、この樹脂組成物を用いた粉体塗料は、実用上塗膜の
強度がやや低下するという問題があった。
【0006】上記した問題を解決するために、分子量が
160〜400 程度の脂肪族ジカルボン酸や脂肪族グリコー
ルを共重合する方法があるが、実用上十分な強度の塗膜
とするためには、これらの成分を多量に共重合しなけれ
ばならず、樹脂のガラス転移温度が大幅に低下し、塗料
が再固化するブロッキング現象を起こし易くなるという
問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、実用上十分
な強度を有し、外観や耐候性に優れた塗膜を与えるとと
もに、耐ブロッキング性の良好な粉体塗料用ポリエステ
ル樹脂及び組成物、並びにこれを用いた粉体塗料を提供
するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達
した。すなわち、本発明の要旨は次の通りである。 (1) イソフタル酸及びネオペンチルグリコールを主成分
とし、極限粘度が0.15〜0.40dl/g、水酸基価が13〜85 m
gKOH/gのポリエステル樹脂であって、全グリコール成分
の 0.5〜15モル%が下記式で示されるフルオレン系グ
リコールであることを特徴とする粉体塗料用ポリエステ
ル樹脂。
【化2】 (式中、R1、R2は炭素数が2〜10のアルキレン基を表
し、R3〜R6は炭素数が1〜10のアルキル基、アルコキシ
ル基又はフェニル基を表す。) (2) 上記(1) 記載のポリエステル樹脂を構成する成分の
割合が、全酸成分の70〜100 モル%がイソフタル酸、0
〜15モル%が脂肪族ジカルボン酸、0〜30モル%がテレ
フタル酸であり、全グリコール成分の70〜99.5モル%が
ネオペンチルグリコール、0.5 〜15モル%が上記式で
示されるフルオレン系グリコール、0〜29.5モル%がネ
オペンチルグリコールを除く脂肪族グリコールであるこ
とを特徴とする粉体塗料用ポリエステル樹脂。但し、全
酸成分及び全グリコール成分は、それぞれ全体を 100モ
ル%とする。 (3) 上記(1) 又は(2) 記載のポリエステル樹脂にイソシ
アネート系硬化剤を配合した粉体塗料用ポリエステル樹
脂組成物。 (4) 上記(3) 記載の粉体塗料用ポリエステル樹脂組成物
を用いた粉体塗料。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0010】本発明のポリエステル樹脂は、イソフタル
酸及びネオペンチルグリコールを主成分とし、全グリコ
ール成分の 0.5〜15モル%が上記式で示されるフルオ
レン系グリコールからなるものである。
【0011】上記のポリエステル樹脂のより好ましいも
のは、全酸成分の70〜100 モル%がイソフタル酸、0〜
15モル%が脂肪族ジカルボン酸、0〜30モル%がテレフ
タル酸であり、全グリコール成分の70〜99.5モル%がネ
オペンチルグリコール、0.5〜15モル%が上記式で示
されるフルオレン系グリコール、0〜29.5モル%がネオ
ペンチルグリコールを除く脂肪族グリコール(但し、全
酸成分及び全グリコール成分は、それぞれ全体を 100モ
ル%とする。)からなるものである。
【0012】酸成分としては、主にイソフタル酸が用い
られ、その割合は全酸成分の70〜100 モル%であること
が好ましい。この割合が70モル%未満では十分な耐候性
が得られない。また、必要に応じてテレフタル酸を共重
合しても良いが、その割合は30モル%以下であることが
好ましい。この割合が30モル%を超えると、十分な耐候
性が得られない。さらに、必要に応じて脂肪族ジカルボ
ン酸を共重合しても良いが、その割合は15モル%以下が
好ましい。この割合が15モル%を超えると、ポリエステ
ル樹脂のガラス転移温度が低下して粉体塗料としたとき
耐ブロッキング性が低下する。
【0013】共重合する脂肪族ジカルボン酸としては、
アジピン酸、アゼライン酸、1,10−デカンジカルボン
酸、ダイマー酸、シクロヘキサンジカルボン酸などが挙
げられる。
【0014】上記した酸成分と共に、本発明の効果を損
なわない範囲で、(無水)フタル酸、ナフタレンジカル
ボン酸などの芳香族ジカルボン酸や、トリメリット酸、
ピロメリット酸、トリメシン酸などの三価以上のカルボ
ン酸を併用してもよい。
【0015】グリコール成分としては、主にネオペンチ
ルグリコールが用いられ、その割合は全グリコール成分
70〜99.5モル%が好ましい。この割合が70モル%未満で
は、十分な耐候性が得られない。また、上記式で示さ
れるフルオレン系グリコールが0.5 〜15モル%の割合で
共重合されている必要がある。この割合が0.5 モル%未
満では、ポリエステル樹脂のガラス転移温度を上げる効
果が十分でなく耐ブロッキング性を改善できず、逆に15
モル%を超えると耐候性が低下する。さらに、必要に応
じてネオペンチルグリコールを除く脂肪族グリコールを
共重合しても良いが、その割合は29.5モル%以下が好ま
しい。この割合が29.5モル%を超えると十分な耐候性が
得られない。
【0016】式で表されるフルオレン系グリコールと
しては、例えば、9,9-ビス〔4-(2-ヒドロキシエトキシ)
フェニル〕フルオレン、9,9-ビス〔4-(2- ヒドロキシ
プロポキシ) フェニル)〕フルオレン、9,9-ビス〔4-(2
- ヒドロキシブトキシ) フェニル)〕フルオレン、9,9-
ビス〔4-(2- ヒドロキシエトキシ)-3-メチルフェニル〕
フルオレン、9,9-ビス〔4-(2- ヒドロキシエトキシ)-3,
5-ジメチルフェニル〕フルオレン、9,9-ビス〔4-(2- ヒ
ドロキシエトキシ)-3-エチルフェニル〕フルオレン、9,
9-ビス〔4-(2- ヒドロキシエトキシ)-3,5-ジエチルフェ
ニル〕フルオレン、9,9-ビス〔4-(2- ヒドロキシエトキ
シ)-3-プロピルフェニル〕フルオレン、9,9-ビス〔4-(2
- ヒドロキシエトキシ)-3,5-ジプロピルフェニル〕フル
オレン、9,9-ビス〔4-(2- ヒドロキシエトキシ)-3-フェ
ニルフェニル〕フルオレン、9,9-ビス〔4-(2- ヒドロキ
シエトキシ)-3,5-ジフェニルフェニル〕フルオレンなど
が挙げられるが、これらは単独で用いても、2種類以上
を組み合わせて用いても良い。これらの中でも、9,9-ビ
ス〔4-(2- ヒドロキシエトキシ) フェニル〕フルオレン
が耐熱性などの点で最も好適である。
【0017】また、ネオペンチルグリコールを除く脂肪
族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオ
ール、1,6-ヘキサンジオールなどの直鎖脂肪族グリコー
ル、2-エチル-2- ブチル-1,3- プロパンジールなどの分
岐型脂肪族グリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノー
ルなどの脂環族グリコール、ビスフェノールAのエチレ
ンオキサイド付加物、ビスフェノールSのエチレンオキ
サイド付加物などの芳香族グリコール、トリメチロール
プロパン、グリセリン、ペンタエリスリトールなどの三
価以上のアルコール、4-ヒドロキシ安息香酸、ε−カプ
ロラクトンなどのオキシカルボン酸が挙げられる。
【0018】本発明のポリエステル樹脂は、極限粘度が
0.15〜0.40dl/gのものであることが必要であり、好まし
くは0.20〜0.35dl/gのものである。極限粘度が0.15dl/g
に満たないと、樹脂のガラス転移温度が低下して耐ブロ
ッキング性が低下したり、塗膜の強度が低下したりする
傾向にあり、0.40dl/gを超えると、樹脂の粉砕性が悪く
なる傾向がある。
【0019】本発明のポリエステル樹脂は、水酸基価が
13〜85 mgKOH/gのものであることが必要であり、好まし
くは25〜60mgKOH/g のものである。水酸基価が13 mgKOH
/gに満たないと、塗膜の表面に大きな凹凸が生じて平滑
性が低下する傾向にあり、85mgKOH/gを超えると、塗膜
の強度が低下する傾向にある。
【0020】さらに、本発明のポリエステル樹脂は、ガ
ラス転移温度が45〜75℃の範囲のものであることが好ま
しい。ガラス転移温度が45℃に満たないと、粉体化した
樹脂が凝集固化して耐ブロッキング性が低下する傾向に
あり、75℃を超えると、塗料製造時の混練温度を高くす
ることが必要となり、混練中に樹脂と硬化剤の反応が進
み、結果として塗膜の平滑性や強度が低下する傾向があ
る。
【0021】本発明のポリエステル樹脂は、イソフタル
酸、ネオペンチルグリコール及び式で示されるフルオ
レン系グリコール、さらに必要に応じて、前記したカル
ボン酸成分(脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸
もしくは三価以上のカルボン酸)やネオペンチルグリコ
ールを除く脂肪族グリコール成分(それらのエステル形
成性誘導体を含む)を原料とし、常法によって、200 〜
280 ℃の温度でエステル化又はエステル交換反応を行っ
た後、5 hPa以下の減圧下、200 〜300 ℃、好ましくは
230〜290 ℃の温度で重縮合反応を行って高重合度のポ
リエステルとし、これにトリメチロールプロパン、グリ
セリン、ネオペンチルグリコールなどのアルコール成分
を添加して、解重合反応を行う方法で調製することがで
きる。
【0022】また、常法によって、エステル化又はエス
テル交換反応を行った後、常圧下、又は50〜100hPa程度
の減圧下、200 〜300 ℃、好ましくは 220〜280 ℃の温
度で所定の極限粘度となるまで重縮合反応を行う方法に
よって調製することもできる。
【0023】また、エステル化、エステル交換反応及び
重縮合反応において、公知の反応触媒などを用いること
ができる。
【0024】このようにして得られたポリエステル樹脂
は、イソシアネート系硬化剤を配合して粉体塗料用樹脂
組成物とされる。
【0025】イソシアネート系硬化剤としては、一定の
温度以下では活性を示さないブロックドイソホロンジイ
ソシアネート系硬化剤及びブロックド水添ジフェニルメ
タンジイソシアネート系硬化剤が好ましく、具体例とし
ては、ε−カプロラクタムでブロックしたイソホロンジ
イソシアネート系硬化剤であるヒュルス社製「ベスタゴ
ンB 1530」、ブロック剤を含有せずイソシアネート基が
自己ブロックしているイソホロンジイソシアネート系硬
化剤である同社製「ベスタゴンBF 1540 」やバイエル社
製「TPLS 2147 」、ε−カプロラクタムでブロックした
水添ジフェニルメタンジイソシアネート系硬化剤である
McWHORTER 社製「24-2430 」及び「24-2431 」などが挙
げられる。
【0026】硬化剤の配合量は、ポリエステル樹脂の水
酸基価に対して 0.5〜1.5 倍当量、好ましくは 1.0倍当
量とするのが適当である。
【0027】本発明の粉体塗料は、上記ポリエステル樹
脂組成物に、必要に応じて公知の硬化触媒、レベリング
剤、その他の添加剤、例えば二酸化チタン、カーボンブ
ラック等の顔料などからなる混合物を、ニーダ又はロー
ルを用いて70〜150 ℃で溶融混練することにより調製す
ることができる。
【0028】
【実施例】次に、実施例及び比較例によって、本発明を
具体的に説明する。なお、実施例及び比較例において、
ポリエステル樹脂と樹脂組成物の特性値、及び粉体塗料
と塗膜性能の評価は、以下に示す方法で測定した。 (a) 極限粘度 フェノールと四塩化エタンとの等重量混合物を溶媒と
し、20℃で測定した。 (b) 水酸基価 無水酢酸でアセチル化した後、0.1 規定の水酸化カリウ
ムメタノール溶液で滴定して求めた。 (c) 共重合成分の割合 ポリエステル樹脂を重水素化トリフルオロ酢酸に溶解さ
せ、1H-NMR(日本電子社製、JNM-LA400 )を用いて求め
た。 (d) ガラス転移温度 示差走査型熱量計(セイコー電子工業社製、DSC-220
型)を用い、昇温速度10℃/分で求めた。 (e) 耐ブロッキング性 直径3cm、高さ7cmの有底ガラス管に、粉体塗料を高さ
4cmまで入れ、40℃の恒温槽中に1週間放置した後、ガ
ラス管を逆さにして粉体塗料を取り出し、塗料の状態に
より、次の2段階で評価した。 ○:塗料に塊がないか、もしくは塊が小さく手で持ち上
げられない。 ×:塗料が凝集して固化した大きな塊があり、その塊を
持ち上げることができる。 (f) 塗膜外観 塗膜の平滑性を目視により、次の2段階で評価した。 ○:塗膜に凹凸が少なく平滑性が良好なもの。 ×:塗膜に大きな凹凸があり平滑性がよくないもの。 (g) 60度鏡面光沢度 JIS K 5400に準じて求めた。 (h) 耐衝撃性 JIS K 5400に準じ、直径1.27cmの球面を持つ撃ち台とそ
れにあう窪みを持った受け台との間に塗膜が球面に接触
するように塗装鋼板を挟み込み、その上から1kgのおも
りを垂直に落下させ、塗膜の破壊する高さを求めた。
(この値が20cm以上であれば合格である。) (i) 促進耐候性 JIS K 5400に準じ、WEL-6XS-HC-B・ EC 型サンシャイン
ウェザーメーター(スガ試験機社製)を用いて1000時間
照射後の光沢保持率を求めた。(この値が80%以上であ
れば合格である。)
【0029】実施例1〜5及び比較例1〜4 表1に示した原料化合物を、表1に示した量(モル部)
でエステル化反応槽に仕込み、圧力 0.1〜0.5 MPaG、温
度 200〜260 ℃で4時間エステル化反応を行った。得ら
れたエステル化物を重縮合反応槽に移送した後、三酸化
アンチモンを4×10-4モル/酸成分1モル添加し、0.4h
Paに減圧し、280 ℃で4時間重縮合反応を行い、極限粘
度0.45dl/gのポリエステルを得た。次いで、このポリエ
ステルに、表1に示した解重合剤を表1に示した量(モ
ル部)で添加し、常圧下、270 ℃で1時間解重合反応を
行い、表1に示す特性値のポリエステル樹脂を得た。得
られたポリエステル樹脂に、ブロックドイソシアネート
系硬化剤(ヒュルス社製「ベスタゴンB 1530」又は「ベ
スタゴンBF 1540 」)、ジオクチル錫マレエート系硬化
触媒(三共有機合成社製「Stann OMF 」)、ブチルポリ
アクリレート系レベリング剤(BASF社製「アクロナ
ール4F」)、ベンゾイン及びルチル型二酸化チタン顔料
(石原産業社製「CR−90」)を表2に示す量(重量部)
で配合し、ヘンシェルミキサー(三井三池製作所製、FM
10B型)でドライブレンドした後、コ・ニーダ(ブッス
社製、PR-46 型)を用いて 110℃で溶融混練し、冷却、
粉砕後、140 メッシュの金網で分級して粉体塗料を得
た。得られた粉体塗料を、リン酸亜鉛処理鋼板上に膜厚
が50〜60μm となるように静電塗装して、180 ℃×20分
間の条件で焼付けを行った。塗膜の性能を評価した結果
を表2に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】実施例1〜5で得られた粉体塗料は、いず
れも耐ブロッキング性が良好で、外観、強度及び耐候性
を満足する塗膜を与えるものであった。
【0033】これに対して、比較例では次のような問題
があった。比較例1及び比較例3では、9,9-ビス〔4-(2
- ヒドロキシエトキシ) フェニル〕フルオレンが共重合
されておらず、ポリエステル樹脂のガラス転移温度が低
かったため、塗料の耐ブロッキング性が劣るものであっ
た。比較例2では、イソフタル酸の共重合割合が低かっ
たため、塗膜の耐候性に劣るものであった。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、実用上十分な強度を有
し、外観や耐候性に優れた塗膜を与えるとともに、耐ブ
ロッキング性の良好な粉体塗料用ポリエステル樹脂及び
組成物、並びにこれを用いた粉体塗料が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J029 AA03 AB01 AC02 AD01 AD03 AD07 AE11 BA02 BA03 BA05 BA07 BA08 BA10 BD07A BF03 BF09 BF19 BF26 BH02 BH07 CA02 CA06 CB05A CD03 DB13 EB05A EG09 FC03 FC05 FC08 HA01 KB02 4J038 DD061 DD071 DD081 GA03 GA05 JB18 KA03 MA02 MA15 NA01 NA03 NA10 PA02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イソフタル酸及びネオペンチルグリコー
    ルを主成分とし、極限粘度が0.15〜0.40dl/g、水酸基価
    が13〜85 mgKOH/gのポリエステル樹脂であって、全グリ
    コール成分の 0.5〜15モル%が下記式で示されるフル
    オレン系グリコールであることを特徴とする粉体塗料用
    ポリエステル樹脂。 【化1】 (式中、R1、R2は炭素数が2〜10のアルキレン基を表
    し、R3〜R6は炭素数が1〜10のアルキル基、アルコキシ
    ル基又はフェニル基を表す。)
  2. 【請求項2】 請求項1記載のポリエステル樹脂を構成
    する成分の割合が、全酸成分の70〜100 モル%がイソフ
    タル酸、0〜15モル%が脂肪族ジカルボン酸、0〜30モ
    ル%がテレフタル酸であり、全グリコール成分の70〜9
    9.5モル%がネオペンチルグリコール、0.5 〜15モル%
    が上記式で示されるフルオレン系グリコール、0〜2
    9.5モル%がネオペンチルグリコールを除く脂肪族グリ
    コールであることを特徴とする粉体塗料用ポリエステル
    樹脂。但し、全酸成分及び全グリコール成分は、それぞ
    れ全体を 100モル%とする。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のポリエステル樹脂
    にイソシアネート系硬化剤を配合した粉体塗料用ポリエ
    ステル樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の粉体塗料用ポリエステル
    樹脂組成物を用いた粉体塗料。
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CN114149575A (zh) * 2021-12-20 2022-03-08 黄山正杰新材料有限公司 一种高流平、持久耐高温型聚酯树脂及其制备方法

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