JP2000053893A - グリシジル基含有粉体塗料用樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents

グリシジル基含有粉体塗料用樹脂組成物およびその製造方法

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JP2000053893A
JP2000053893A JP22208598A JP22208598A JP2000053893A JP 2000053893 A JP2000053893 A JP 2000053893A JP 22208598 A JP22208598 A JP 22208598A JP 22208598 A JP22208598 A JP 22208598A JP 2000053893 A JP2000053893 A JP 2000053893A
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resin
glycidyl
coating
coating film
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JP22208598A
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Yoko Harada
陽子 原田
Motoji Inagaki
元司 稲垣
Kosei Okada
孝生 岡田
Hiroyuki Kumaoka
宏之 熊岡
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗膜性能と貯蔵安定性とを両立しうる粉体塗
料用樹脂組成物およびその製造方法。 【解決手段】 スチレン系単量体および(メタ)アクリ
ル酸グリシジルを必須成分とするビニル系単量体を重合
して得た共重合体と、グリシジルエーテルとを含有す
る。塗膜の平滑性をはじめとする塗膜性能と、塗料の貯
蔵安定性を両立するものである。また、グリシジルエー
テルの存在下で重合を行うことにより、平滑性のより優
れた粉体塗料用樹脂組成物を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉体塗料用樹脂組
成物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】塗料には、顔料と高分子物質を有機溶剤
で分散させた溶剤型塗料、加熱により不溶化する水溶性
樹脂を使用した水溶性樹脂塗料、樹脂を水中に分散させ
たエマルジョン塗料、樹脂を粉末にして塗布し、加熱・
造膜させる粉体塗料等があるが、塗膜の平滑性や光沢、
耐久性等の点から、溶剤型塗料が主として使用されてい
る。しかしながら、近年、大気汚染、火災の危険性等の
問題から、有機溶剤に対する規制が厳しくなり、無溶剤
型塗料が注目されている。中でも、粉体塗料は環境保護
の観点から、特に脚光を浴びてきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】粉体塗料において、平
滑な塗膜を形成させるためには、樹脂の軟化温度を低下
させる必要がある。この手法として、樹脂の低分子量
化、モノマー組成の調節等が考えられる。粉体塗料用樹
脂の低分子量化による低軟化温度化の手法としては、塊
状重合、溶液重合、懸濁重合法等による製造方法が提案
されている。これらのうち、生産性の点から、溶液重合
法が粉体塗料用樹脂の製造方法として広く採用されてい
る。しかしながら、溶液重合法では、溶剤の除去工程が
必要となるため工程が長く生産性が劣ると共に、溶剤の
完全除去が困難であるために、残存溶剤に起因する臭気
が得られる樹脂から生じやすいという問題があった。ま
た、無溶剤、かつ無触媒条件にて塊状重合する場合は、
重合時の発熱の制御が困難であり、また、臭気の強いメ
ルカプタン類等の分子量調節剤を多量に添加する必要が
あり、コスト高になると共に、臭気、塗膜の耐候性の劣
化が問題であった。さらに、懸濁重合法で分子量調節剤
を添加して分子量を低下させる方法もあるが、臭気の強
いメルカプタン類の分子量調節剤を使用する場合、製造
した樹脂にメルカプタン類の臭気が残存し、粉体塗料で
必要な高温での溶融混練工程の際、残存する臭気が問題
となる可能性があると共に、得られた塗膜は耐候性が劣
る傾向にあることが大きな問題であった。また、臭気の
改良された分子量調節剤であるテルピノレンを使用する
方法もあるが、その場合には塗膜が黄変する問題があっ
た。このように、低分子量化による軟化温度低下につい
ては、平滑性は向上するものの、樹脂臭気、塗膜の耐候
性悪化や黄変等、他の塗膜性能に及ぼす悪影響が大き
く、良好な塗膜性能を有する樹脂を得るには至っていな
かった。
【0004】モノマー組成の調節による低軟化温度化に
おいては、軟化温度の低下に伴いTgの低下がみられ、
塗料の貯蔵安定性が悪化することが問題であった。この
ように、塗膜の黄変や樹脂臭気がなく良好な塗膜性能を
有し、且つ塗料の貯蔵安定性に優れる樹脂を得ることは
極めて困難であった。本発明は前記課題を解決するため
になされたもので、その目的とするところは、塗膜性能
と貯蔵安定性とを両立しうる粉体塗料用樹脂組成物およ
びその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の目
的を達成するために、鋭意検討を重ねた結果、特定の成
分を含有するビニル系共重合体が、上記の目的を達成し
うることを見いだし、本発明に到ったものである。本発
明の粉体塗料用樹脂組成物は、スチレン系単量体および
(メタ)アクリル酸グリシジルを必須成分とするビニル
系単量体を重合して得た共重合体と、グリシジルエーテ
ルとを含有することを特徴とするものである。粉体塗料
用樹脂組成物中のグリシジルエーテル含有量は、ビニル
系共重合体100重量部に対して0.1〜10重量部の
範囲であることが望ましい。粉体塗料用樹脂組成物は、
スチレン系単量体および(メタ)アクリル酸グリシジル
を必須成分とするビニル系単量体をグリシジルエーテル
の存在下で重合して製造することが望ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、スチレン系単量体及び
(メタ)アクリル酸グリシジルを必須成分とするビニル
系単量体を重合して得たビニル系共重合体を主成分と
し、必須成分としてグリシジルエーテルを含有する粉体
塗料用樹脂組成物にある。グリシジルエーテルを必須成
分として含有することにより、塗料の貯蔵安定性を損ね
ることなく軟化温度が低下し、他の塗膜性能に弊害を与
えることなく平滑性に優れた塗膜を得ることができる。
本発明において使用されるグリシジルエーテルとして
は、メチルグリシジルエーテル(沸点111℃/101
kPa(760mmHg))、ブチルグリシジルエーテ
ル(同165℃/101kPa(760mmHg))、
2−エチルヘキシルグリシジルエーテル(同110℃/
665Pa(5mmHg))、デシルグリシジルエーテ
ル(同278℃/101kPa(760mmHg))、
ステアリルグリシジルエーテル(同171〜230℃/
266Pa(2mmHg))、アリルグリシジルエーテ
ル(同154℃/101kPa(760mmHg))、
フェニルグリシジルエーテル(同245℃/101kP
a(760mmHg))、sec−ブチルフェニルグリ
シジルエーテル(同160℃/1.46kPa(11m
mHg))等が挙げられる。
【0007】中でも、常圧下での沸点が150℃以上の
ものの使用が好ましい。これは、グリシジルエーテルの
沸点が150℃未満である場合、塗料化の際に必要な高
温での溶融混練の際にグリシジルエーテルが逃散し塗膜
の平滑性向上効果が薄れたり、焼き付け時にグリシジル
エーテルが揮発し形成される塗膜にピンホールが生じる
可能性があるためである。さらに好ましくは常圧下での
沸点が200℃以上である。これらグリシジルエーテル
の使用量は、ビニル系共重合体100重量部に対し、
0.1〜10重量部であることが好ましい。これは、0.
1重量部以上とすることによって塗膜の平滑性向上の効
果が十分に発揮される傾向にあり、10重量部以下とす
ることによって樹脂の貯蔵安定性が良好となる傾向にあ
るためである。更に好ましくは0.5〜5重量部の範囲
である。
【0008】グリシジルエーテルの添加方法について
は、単量体成分に添加して存在下で重合を行っても良い
し、塗料化の際に添加しても良いが、グリシジルエーテ
ルを樹脂中に均一に分散させ、平滑性向上効果を十分に
発揮させるためには、重合前に単量体成分に添加し、存
在下で重合を行うことが好ましい。本発明の粉体塗料用
樹脂は、懸濁重合法、溶液重合法、塊状重合法等の重合
方法で得ることができるが、グリシジルエーテルの存在
下で重合を行う場合は、懸濁重合法、塊状重合法が適し
ている。これは、溶液重合法の場合、溶剤除去工程にお
いて添加したグリシジルエーテルが溶剤と共に留去され
てしまう可能性があるためである。なかでも、系を密閉
として80℃以上かつ196kPa(2.0kgf/c
2)以上の条件下で行う高温加圧懸濁重合法が、樹脂
の低分子量化がはかりやすく、塗膜の平滑性がさらに向
上する傾向にあり、特に好ましい。
【0009】本発明の粉体塗料用樹脂は、スチレン系単
量体および(メタ)アクリル酸グリシジルを必須成分と
して含むビニル系単量体を重合することにより得ること
ができる。本発明に用いられるビニル系単量体として挙
げられるスチレン系単量体は、粉体塗料の保存安定性や
塗膜の平滑性を付与する成分であり、例えばスチレン、
o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチル
スチレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、
2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、
p−t−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、
p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、
p−n−デンシルスチレン、p−n−ドデシルスチレ
ン、p−フェニルスチレン、3,4−ジシクロシルスチ
レン等が挙げられる。中でもスチレンの使用が好まし
い。これらのスチレン系単量体は、1種または2種以上
を組み合わせて使用することができる。スチレン系単量
体の使用量は、ビニル系共重合体中、スチレン系単量体
単位を10〜50重量部含有するように用いることが好
ましい。これは、その使用量を10重量部以上とするこ
とによって、保存安定性、塗膜の平滑性が良好となる傾
向にあり、また、50重量部以下とすることによって、
塗膜の耐衝撃性、耐候性が良好になる傾向にあるためで
ある。
【0010】また、本発明において用いられる(メタ)
アクリル酸グリシジルは、塗膜に硬度や耐溶剤性等を付
与する為の成分であり、メタクリル酸グリシジルおよび
アクリル酸グリシジルから選ばれる少なくとも1種の単
量体である。この(メタ)アクリル酸グリシジルは、ビ
ニル系共重合体のエポキシ当量が350〜1200g/
eq.の範囲となるように使用することが好ましい。こ
れは、エポキシ当量を350g/eq.以上とすること
によって、塗膜の平坦性、保存安定性が良好となる傾向
にあり、また1200g/eq.以下とすることによっ
て、塗膜の硬度、耐溶剤性が良好となる傾向にあるため
である。なお、ここでいうエポキシ当量は、エポキシ基
を1モル得るために必要な樹脂のグラム数であり、
「(メタ)アクリル酸グリシジルエステルの分子量」/
「(メタ)アクリル酸グリシジルエステルの重合体中に
占める重量割合」で表される数値である。
【0011】本発明の粉体塗料用樹脂は、上記のスチレ
ン系単量体および(メタ)アクリル酸グリシジルの単量
体を用いて構成されるが、必要に応じて他の共重合性単
量体を併用することができる。例えば、さらに塗膜の平
坦性および強度を向上させたい場合には、他の共重合性
単量体として、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)ア
クリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、
(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸2−
エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の
(メタ)アクリル酸アルキルエステル、マレイン酸ジメ
チル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、フマ
ル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジブチル等
の不飽和脂肪族二塩基酸ジアルキルエステル等が適宜使
用できる。また塗膜の硬度、耐溶剤性を向上させたい場
合には、他の共重合性単量体として、(メタ)アクリル
酸メチルを適宜使用できる。その使用量は、アクリル系
樹脂中50重量部以下であることが好ましい。これは、
この範囲において塗膜の平坦性、耐水性が優れる傾向に
あるためである。
【0012】また、さらに塗膜の硬度、耐溶剤性を向上
させたい場合には、他の共重合性単量体として、(メ
タ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリ
ル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−
ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシア
ルキルエステルを適宜使用することができる。これらの
他の共重合性単量体の共重合比率は、得られるビニル系
共重合体のガラス転移温度が40℃以上となる範囲であ
ることが好ましく、より好ましくは40〜70℃となる
範囲である。これは、得られるビニル系共重合体のガラ
ス転移温度を40℃以上とすることによって、保存安定
性が良好となる傾向にあり、また、70℃以下とするこ
とによって、塗膜特性、耐衝撃性が良好となる傾向にあ
るためである。また、本発明の粉体塗料用樹脂において
は、軟化温度が80〜150℃の範囲のものが好まし
い。これは、軟化温度を80℃以上とすることによっ
て、塗膜硬度が良好となる傾向にあり、一方、軟化温度
を150℃以下とすることによって、塗膜の平滑性が良
好となる傾向にあるためである。さらに好ましくは90
〜140℃の範囲である。
【0013】さらに、本発明の粉体塗料用樹脂において
は、有機揮発成分が1000ppm以下であることが好
ましい。これは、有機揮発成分が1000ppmを超え
ると、粉体塗料で必要な高温での溶融混練工程や微粉砕
工程の際、残存する揮発成分の臭気が問題となったり、
形成される塗膜にピンホールが発生する可能性があるた
めである。より好ましくは700ppm以下である。樹
脂中の残存揮発成分量は、脱揮操作、重合後の熱処理、
蒸留操作等により低減することができる。なお、本発明
でいう有機揮発成分は、ビニル系共重合体中に含まれる
有機揮発成分をいい、重合に用いられた残存単量体、残
存溶剤(溶液重合法により樹脂を得た場合のみ)からな
る。また、本発明の粉体塗料用樹脂においては、重量平
均分子量が3000〜20000の範囲であることが好
ましい。これは、重量平均分子量を3000以上とする
ことによって塗膜硬度が良好となる傾向にあり、また2
0000以下とすることによって塗膜表面の平滑性が良
好となる傾向にあるためである。より好ましくは500
0〜15000の範囲である。
【0014】本発明の粉体塗料用樹脂の重合において
は、一般的に使用される溶剤(溶液重合の場合)、分散
剤(懸濁重合の場合)等を適宜使用できる。本発明の粉
体塗料用樹脂の重合において使用できる重合開始剤とし
ては、2,2−アゾビス−2、4−ジメチルバレロニト
リル、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−ア
ゾビス−2−メチルブチロニトリル、1,1−アゾビス
−1−シクロヘキサンカーボニトリルなどのアゾ化合
物、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサ
イド、t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエー
ト)、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネー
ト、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ヘキシル
パーオキシピバレートなどの有機過酸化物等が挙げられ
る。ただし、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパ
ーオキシベンゾエート等のようなベンゼン環を有する有
機過酸化物開始剤を使用する場合は、開始剤から副生成
する安息香酸によるグリシジル基の開環を抑制するた
め、Clark−Lubsの緩衝液、Sφrensen
の緩衝液、Kolthoffの緩衝液、Michael
isの緩衝液、McIlvaineの広域緩衝液、Br
itton−Robinsonの広域緩衝液、Carm
odyの広域緩衝液、Gomoriの緩衝液、Bate
s−BowerのTris緩衝液、HEPES緩衝液等
の緩衝液を用い、pHを7.0〜8.0とした水溶液中で
懸濁重合法により樹脂を得ることが好ましい。
【0015】本発明の粉体塗料用樹脂の重合において使
用できる連鎖移動剤としては、n−オクチルメルカプタ
ン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプ
タン、チオグリコール酸2−エチルヘキシルなどのメル
カプタン類、テルピノレン(1−メチル−4−イソプロ
ピリデン−1−シクロヘキセン)、α−メチルスチレン
ダイマー等が挙げられる。なかでも、樹脂臭気、塗膜性
能の点から、α−メチルスチレンダイマーの使用が好ま
しい。本発明の粉体塗料用樹脂は、50〜1500μm
の平均粒子径を有し、硬化剤と配合して塗料として使用
される。使用される硬化剤としては、多価カルボキシ化
合物、多価フェノール等が挙げられる。硬化剤の使用量
は、アクリル系樹脂の官能基と硬化剤の官能基の当量比
が1/2〜2/1の範囲、好ましくは1/1となる量で
ある。これは、当量比が1/2未満であると、塗膜の耐
水性が低下する傾向にあるためであり、一方、当量比が
2/1を超えると耐溶剤性が低下する傾向にあるためで
ある。また、本発明の粉体塗料用樹脂には、必要に応じ
て、レベリング剤、紫外線吸収剤、顔料等を配合するこ
とができる。塗装できる非塗装体としては、例えば、金
属、ガラス、耐熱性プラスチック等が挙げられる。塗装
体の焼き付け温度は、一般的には約120〜250℃の
温度範囲で行われ、焼き付け時間は約5〜30分の範囲
である。
【0016】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明
する。実施例および比較例における部は重量部を示す。
また、実施例および比較例における物性の評価は次の方
法を用いて行った。 (1)ガラス転移温度 サンプルを100℃まで昇温してメルトクエンチした
後、DSC法(示差走査熱量測定法、昇温速度10℃/
分)におけるショルダー値として求めた。 (2)軟化温度 フローテスター((株)島津製作所製,CFT−500
型)を用い、昇温速度3℃/分、荷重294N(30k
gf)、ノズル径1mmφ、ノズル長さ10mm、プラ
ンジャー断面積を1cm2 、サンプル量1gの条件で測
定し、サンプルの1/2が流出した温度を採用した。 (3)重量平均分子量 ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC法)
による測定値であり、テトラヒドロフランを溶剤とし、
東ソー(株)製、HCL−8020により測定し、ポリ
スチレン換算により求めた。
【0017】(4)揮発成分量 ガスクロマトグラフィー((株)島津製作所製、GC−
8A)により、樹脂中の残存単量体を測定し、その総量
を揮発成分量とした。 (5)平滑性 塗膜表面を目視し下記の基準にて評価した。 ◎:極めて良好である ○:良好であり、実用レベルである △:辛うじて実用レベルである ×:不良であり、実用レベルを下回る (6)貯蔵安定性 塗料10gを45℃にて一週間加熱した後の状態を下記
の基準で評価した。 ◎:ブロッキングはみられず、極めて良好である ○:弱いブロッキングが若干みられるのみで、十分に実
用レベルである △:ブロッキングがみられ、辛うじて実用レベルである ×:著しくブロッキングし、実用レベルを下回る
【0018】(7)硬度 JIS K−5400に準拠して塗膜を鉛筆こすり法に
て評価し、塗膜が傷つかない最も硬い鉛筆を以て硬度と
した。 (8)耐衝撃性 JIS K−5400に準拠し、500gの錘りを塗膜
上に落下させ、塗面に割れを生じない最大の高さを測定
し、この値を耐衝撃性とした。 (9)耐汚染性 油性赤インクを塗膜に塗り、室温で1時間乾燥した後、
キシレンで拭き取り、インクの残存状態を目視にて下記
の基準で評価した。 ◎:残存しない ○:若干残存する ×:多く残存する
【0019】[実施例1]硫酸マンガン0.005部お
よび4%水溶液の20℃での粘度が24cpsであるポ
リビニルアルコール(信越化学工業(株)製、LA−1
8)0.225部を十分に溶解させた脱イオン水200
部を反応容器に投入した。次いで、その反応容器にスチ
レン16部、メタクリル酸メチル33部、メタクリル酸
n−ブチル21部、メタクリル酸グリシジル30部、
2,2−アゾビス−イソブチロニトリル(和光純薬工業
(株)製)5部、α−メチルスチレンダイマー(日本油
脂(株)製、ノフマーMSD)4部およびsec−ブチ
ルフェニルグリシジルエーテル(日本油脂(株)製、エ
ピオールSB)1部からなる混合物を反応容器中に投入
し、密閉系にて110℃で2時間の懸濁重合を行って重
合物を得た。重合中の反応容器内の圧力は558.6k
Pa(5.7kg/cm2)であった。次いで、その懸濁
重合物を常圧で3時間の蒸留操作を行って、投入量の2
0%の脱イオン水とともに残存単量体を留出させて除去
した後40℃に冷却し、得られた重合体を十分に水洗し
乾燥させて、平均粒子径が300μmであるビニル系共
重合体からなる粉体塗料用樹脂を得た。表1に得られた
樹脂の特性の評価結果を示す。次いで、その樹脂80部
と硬化剤(ドデカンジカルボン酸)20部とを100℃
の温度で30分間溶融混練し、粉砕、分級して、平均粒
径30μmの塗料を得た。それを静電塗装法により表面
プラスト処理を施したアルミニウム板に塗装し、170
℃で20分焼き付けして80μm厚の塗膜を有する塗装
板を得た。得られた塗料及び塗装板の塗膜についての評
価結果を表1に示す。塗膜特性は概ね良好であり、塗料
の貯蔵安定性も良好であった。
【0020】[実施例2]硫酸マンガン0.005部お
よび4%水溶液の20℃での粘度が24cpsであるポ
リビニルアルコール(信越化学工業(株)製、LA−1
8)0.225部を十分に溶解させた脱イオン水200
部を反応容器に投入した。次いで、その反応容器にスチ
レン16部、メタクリル酸メチル33部、メタクリル酸
n−ブチル21部、メタクリル酸グリシジル30部、
2,2−アゾビス−イソブチロニトリル(和光純薬工業
(株)製)5部、α−メチルスチレンダイマー(日本油
脂(株)製、ノフマーMSD)4部およびsec−ブチ
ルフェニルグリシジルエーテル(日本油脂(株)製、エ
ピオールSB)3部からなる混合物を反応容器中に投入
し、密閉系にて110℃で2時間の懸濁重合を行って重
合物を得た。重合中の反応容器内の圧力は519.4k
Pa(5.3kg/cm2)であった。次いで、その懸濁
重合物を常圧で3時間の蒸留操作を行って、投入量の2
0%の脱イオン水とともに残存単量体を留出させて除去
した後40℃に冷却し、得られた重合体を十分に水洗し
乾燥させて、平均粒子径が320μmであるビニル系共
重合体からなる粉体塗料用樹脂を得た。表1に得られた
樹脂の特性の評価結果を示す。次いで、その樹脂80部
と硬化剤(ドデカンジカルボン酸)20部とを100℃
の温度で30分間溶融混練し、粉砕、分級して、平均粒
径30μmの塗料を得た。それを静電塗装法により表面
プラスト処理を施したアルミニウム板に塗装し、170
℃で20分焼き付けして80μm厚の塗膜を有する塗装
板を得た。得られた塗料及び塗装板の塗膜についての評
価結果を表1に示す。塗膜特性は概ね良好であり、塗料
の貯蔵安定性も良好であった。
【0021】[実施例3]硫酸マンガン0.005部お
よび4%水溶液の20℃での粘度が24cpsであるポ
リビニルアルコール(信越化学工業(株)製、LA−1
8)0.225部を十分に溶解させた脱イオン水200
部を反応容器に投入した。次いで、その反応容器にスチ
レン16部、メタクリル酸メチル33部、メタクリル酸
n−ブチル21部、メタクリル酸グリシジル30部、
2,2−アゾビス−イソブチロニトリル(和光純薬工業
(株)製)5部、α−メチルスチレンダイマー(日本油
脂(株)製、ノフマーMSD)4部およびsec−ブチ
ルフェニルグリシジルエーテル(日本油脂(株)製、エ
ピオールSB)5部からなる混合物を反応容器中に投入
し、密閉系にて110℃で2時間の懸濁重合を行って重
合物を得た。重合中の反応容器内の圧力は578.2k
Pa(5.9kg/cm2)であった。次いで、その懸濁
重合物を常圧で3時間の蒸留操作を行って、投入量の2
0%の脱イオン水とともに残存単量体を留出させて除去
した後40℃に冷却し、得られた重合体を十分に水洗し
乾燥させて、平均粒子径が300μmであるビニル系共
重合体からなる粉体塗料用樹脂を得た。得られた樹脂は
ややブロッキングがみられた。表1に得られた樹脂の特
性の評価結果を示す。次いで、その樹脂80部と硬化剤
(ドデカンジカルボン酸)20部とを100℃の温度で
30分間溶融混練し、粉砕、分級して、平均粒径30μ
mの塗料を得た。それを静電塗装法により表面プラスト
処理を施したアルミニウム板に塗装し、170℃で20
分焼き付けして80μm厚の塗膜を有する塗装板を得
た。得られた塗料及び塗装板の塗膜についての評価結果
を表1に示す。塗膜特性は概ね良好であり、塗料の貯蔵
安定性も実用レベルであった。
【0022】[実施例4]硫酸マンガン0.005部お
よび4%水溶液の20℃での粘度が24cpsであるポ
リビニルアルコール(信越化学工業(株)製、LA−1
8)0.225部を十分に溶解させた脱イオン水200
部を反応容器に投入した。次いで、その反応容器にスチ
レン16部、メタクリル酸メチル33部、メタクリル酸
n−ブチル21部、メタクリル酸グリシジル30部、
2,2−アゾビス−イソブチロニトリル(和光純薬工業
(株)製)5部およびα−メチルスチレンダイマー(日
本油脂(株)製、ノフマーMSD)4部からなる混合物
を反応容器中に投入し、密閉系にて110℃で2時間の
懸濁重合を行って懸濁重合物を得た。重合中の反応容器
内の圧力は519.4kPa(5.3kg/cm2)であ
った。次いで、その懸濁重合物を常圧で3時間の蒸留操
作を行って、投入量の20%の脱イオン水とともに残存
単量体を留出させて除去した後40℃に冷却し、得られ
た重合体を十分に水洗し乾燥させて、平均粒子径が35
0μmであるビニル系共重合体からなる粉体塗料用樹脂
を得た。表1に得られた樹脂の特性の評価結果を示す。
次いで、その樹脂79.2部、硬化剤(ドデカンジカル
ボン酸)20部およびsec−ブチルフェニルグリシジ
ルエーテル(日本油脂(株)製、エピオールSB)0.
8部を100℃の温度で30分間溶融混練し、粉砕、分
級して、平均粒径30μmの塗料を得た。それを静電塗
装法により表面プラスト処理を施したアルミニウム板に
塗装し、170℃で20分焼き付けして80μm厚の塗
膜を有する塗装板を得た。得られた塗料及び塗装板の塗
膜についての評価結果を表1に示す。塗膜特性は概ね良
好であり、塗料の貯蔵安定性も良好であった。
【0023】[実施例5]硫酸マンガン0.005部お
よび4%水溶液の20℃での粘度が24cpsであるポ
リビニルアルコール(信越化学工業(株)製、LA−1
8)0.225部を十分に溶解させた脱イオン水200
部を反応容器に投入した。次いで、その反応容器にスチ
レン16部、メタクリル酸メチル33部、メタクリル酸
n−ブチル21部、メタクリル酸グリシジル30部、
2,2−アゾビス−イソブチロニトリル(和光純薬工業
(株)製)5部、α−メチルスチレンダイマー(日本油
脂(株)製、ノフマーMSD)4部およびフェニルグリ
シジルエーテル(日本油脂(株)製、エピオールP)1
部からなる混合物を反応容器中に投入し、密閉系にて1
10℃で2時間の懸濁重合を行って懸濁重合物を得た。
重合中の反応容器内の圧力は578.2kPa(5.9k
g/cm2)であった。次いで、その懸濁重合物を常圧
で3時間の蒸留操作を行って、投入量の20%の脱イオ
ン水とともに残存単量体を留出させて除去した後40℃
に冷却し、得られた重合体を十分に水洗し乾燥させて、
平均粒子径が330μmであるビニル系共重合体からな
る粉体塗料用樹脂を得た。表1に得られた樹脂の特性の
評価結果を示す。次いで、その樹脂80部と硬化剤(ド
デカンジカルボン酸)20部とを100℃の温度で30
分間溶融混練し、粉砕、分級して、平均粒径30μmの
塗料を得た。それを静電塗装法により表面プラスト処理
を施したアルミニウム板に塗装し、170℃で20分焼
き付けして80μm厚の塗膜を有する塗装板を得た。得
られた塗料及び塗装板の塗膜についての評価結果を表1
に示す。塗膜特性は概ね良好であり、塗料の貯蔵安定性
も良好であった。
【0024】[実施例6]硫酸マンガン0.005部お
よび4%水溶液の20℃での粘度が24cpsであるポ
リビニルアルコール(信越化学工業(株)製、LA−1
8)0.225部を十分に溶解させた脱イオン水200
部を反応容器に投入した。次いで、その反応容器にスチ
レン16部、メタクリル酸メチル33部、メタクリル酸
n−ブチル21部、メタクリル酸グリシジル30部、
2,2−アゾビス−イソブチロニトリル(和光純薬工業
(株)製)5部、α−メチルスチレンダイマー(日本油
脂(株)製、ノフマーMSD)4部およびステアリルグ
リシジルエーテル(日本油脂(株)製、エピオールS
K)1部からなる混合物を反応容器中に投入し、密閉系
にて110℃で2時間の懸濁重合を行って重合物を得
た。重合中の反応容器内の圧力は558.6kPa(5.
7kg/cm2)であった。次いで、その懸濁重合物を
常圧で3時間の蒸留操作を行って、投入量の20%の脱
イオン水とともに残存単量体を留出させて除去した後4
0℃に冷却し、得られた重合体を十分に水洗し乾燥させ
て、平均粒子径が290μmであるビニル系共重合体か
らなる粉体塗料用樹脂を得た。表1に得られた樹脂の特
性の評価結果を示す。次いで、その樹脂80部と硬化剤
(ドデカンジカルボン酸)20部とを100℃の温度で
30分間溶融混練し、粉砕、分級して、平均粒径30μ
mの塗料を得た。それを静電塗装法により表面プラスト
処理を施したアルミニウム板に塗装し、170℃で20
分焼き付けして80μm厚の塗膜を有する塗装板を得
た。得られた塗料および塗装板の塗膜についての評価結
果を表1に示す。塗膜特性は概ね良好であり、塗料の貯
蔵安定性も良好であった。
【0025】[実施例7]硫酸マンガン0.005部お
よび4%水溶液の20℃での粘度が24cpsであるポ
リビニルアルコール(信越化学工業(株)製、LA−1
8)0.225部を十分に溶解させた脱イオン水200
部を反応容器に投入した。次いで、その反応容器にスチ
レン16部、メタクリル酸メチル33部、メタクリル酸
n−ブチル21部、メタクリル酸グリシジル30部、
2,2−アゾビス−イソブチロニトリル(和光純薬工業
(株)製)5部、α−メチルスチレンダイマー(日本油
脂(株)製、ノフマーMSD)4部およびブチルグリシ
ジルエーテル(日本油脂(株)製、エピオールB)1部
からなる混合物を反応容器中に投入し、密閉系にて11
0℃で2時間の懸濁重合を行って重合物を得た。重合中
の反応容器内の圧力は558.6kPa(5.7kg/c
2)であった。次いで、その懸濁重合物を常圧で3時
間の蒸留操作を行って、投入量の20%の脱イオン水と
ともに残存単量体を留出させて除去した後、40℃に冷
却し、得られた重合体を十分に水洗し乾燥させて、平均
粒子径が320μmであるビニル系共重合体からなる粉
体塗料用樹脂を得た。表1に得られた樹脂の特性の評価
結果を示す。次いで、その樹脂80部と硬化剤(ドデカ
ンジカルボン酸)20部とを100℃の温度で30分間
溶融混練し、粉砕、分級して、平均粒径30μmの塗料
を得た。それを静電塗装法により表面プラスト処理を施
したアルミニウム板に塗装し、170℃で20分焼き付
けして80μm厚の塗膜を有する塗装板を得た。得られ
た塗料および塗装板の塗膜についての評価結果を表1に
示す。塗料の貯蔵安定性は良好で、塗膜の平滑性は使用
レベルであった。
【0026】[実施例8]硫酸マンガン0.005部お
よび4%水溶液の20℃での粘度が24cpsであるポ
リビニルアルコール(信越化学工業(株)製、LA−1
8)0.225部を十分に溶解させた脱イオン水200
部を反応容器に投入した。次いで、その反応容器にスチ
レン16部、メタクリル酸メチル33部、メタクリル酸
n−ブチル21部、メタクリル酸グリシジル30部、
2,2−アゾビス−イソブチロニトリル(和光純薬工業
(株)製)4部、α−メチルスチレンダイマー(日本油
脂(株)製、ノフマーMSD)1部およびsec−ブチ
ルフェニルグリシジルエーテル(日本油脂(株)製、エ
ピオールSB)3部からなる混合物を反応容器中に投入
し、密閉系にて110℃で2時間の懸濁重合を行って重
合物を得た。重合中の反応容器内の圧力は450.8k
Pa(4.6kg/cm2)であった。次いで、その懸濁
重合物を常圧で3時間の蒸留操作を行って、投入量の2
0%の脱イオン水とともに残存単量体を留出させて除去
した後、40℃に冷却し、得られた重合体を十分に水洗
し乾燥させて、平均粒子径が350μmであるビニル系
共重合体からなる粉体塗料用樹脂を得た。表1に得られ
た樹脂の特性の評価結果を示す。次いで、その樹脂80
部と硬化剤(ドデカンジカルボン酸)20部とを100
℃の温度で30分間溶融混練し、粉砕、分級して、平均
粒径30μmの塗料を得た。それを静電塗装法により表
面プラスト処理を施したアルミニウム板に塗装し、17
0℃で20分焼き付けして80μm厚の塗膜を有する塗
装板を得た。得られた塗料および塗装板の塗膜について
の評価結果を表1に示す。塗料の貯蔵安定性は良好で、
塗膜の平滑性は使用レベルであった。
【0027】[比較例1]硫酸マンガン0.005部お
よび4%水溶液の20℃での粘度が24cpsであるポ
リビニルアルコール(信越化学工業(株)製、LA−1
8)0.225部を十分に溶解させた脱イオン水200
部を反応容器に投入した。次いで、その反応容器にスチ
レン16部、メタクリル酸メチル33部、メタクリル酸
n−ブチル21部、メタクリル酸グリシジル30部、
2,2−アゾビス−イソブチロニトリル(和光純薬工業
(株)製)4部、α−メチルスチレンダイマー(日本油
脂(株)製、ノフマーMSD)1部からなる混合物を反
応容器中に投入し、密閉系にて110℃で2時間の懸濁
重合を行って重合物を得た。重合中の反応容器内の圧力
は450.8kPa(4.6kg/cm2)であった。次
いで、その懸濁重合物を常圧で3時間の蒸留操作を行っ
て、投入量の20%の脱イオン水とともに残存単量体を
留出させて除去した後、40℃に冷却し、得られた重合
体を十分に水洗し乾燥させて、平均粒子径が380μm
であるビニル系共重合体からなる粉体塗料用樹脂を得
た。表1に得られた樹脂の特性の評価結果を示す。次い
で、その樹脂80部と硬化剤(ドデカンジカルボン酸)
20部とを100℃の温度で30分間溶融混練し、粉
砕、分級して、平均粒径30μmの塗料を得た。それを
静電塗装法により表面プラスト処理を施したアルミニウ
ム板に塗装し、170℃で20分焼き付けして80μm
厚の塗膜を有する塗装板を得た。得られた塗料および塗
装板の塗膜についての評価結果を表1に示す。塗料の貯
蔵安定性は良好であったが、塗膜の平滑性が劣ってい
た。
【0028】[比較例2]硫酸マンガン0.005部お
よび4%水溶液の20℃での粘度が24cpsであるポ
リビニルアルコール(信越化学工業(株)製、LA−1
8)0.225部を十分に溶解させた脱イオン水200
部を反応容器に投入した。次いで、その反応容器に、メ
タクリル酸メチル40部、メタクリル酸n−ブチル30
部、メタクリル酸グリシジル30部、2,2−アゾビス
−イソブチロニトリル(和光純薬工業(株)製)5部、
α−メチルスチレンダイマー(日本油脂(株)製、ノフ
マーMSD)4部およびsec−ブチルフェニルグリシ
ジルエーテル(日本油脂(株)製、エピオールSB)1
部からなる混合物を反応容器中に投入し、密閉系にて1
10℃で2時間の懸濁重合を行って重合物を得た。重合
中の反応容器内の圧力は509.6kPa(5.2kg/
cm2)であった。次いで、その懸濁重合物を常圧で3
時間の蒸留操作を行って、投入量の20%の脱イオン水
とともに残存単量体を留出させて除去した後、40℃に
冷却し、得られた重合体を十分に水洗し乾燥させて、平
均粒子径が520μmであるビニル系共重合体からなる
粉体塗料用樹脂を得た。表1に得られた樹脂の特性の評
価結果を示す。次いで、その樹脂80部と硬化剤(ドデ
カンジカルボン酸)20部とを100℃の温度で30分
間溶融混練し、粉砕、分級して、平均粒径30μmの塗
料を得た。それを静電塗装法により表面プラスト処理を
施したアルミニウム板に塗装し、170℃で20分焼き
付けして80μm厚の塗膜を有する塗装板を得た。得ら
れた塗料及び塗装板の塗膜についての評価結果を表1に
示す。塗膜特性は、平滑性及び硬度が劣り、また、塗料
の貯蔵安定性は辛うじて実用レベルであった。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明の粉体塗料用樹脂組成物は、塗膜
の平滑性をはじめとする塗膜性能と、塗料の貯蔵安定性
を両立するものである。また、グリシジルエーテルの存
在下で重合を行うことにより、平滑性のより優れた粉体
塗料用樹脂組成物を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡田 孝生 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60号 三菱レイヨン株式会社商品開発研究所内 (72)発明者 熊岡 宏之 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60号 三菱レイヨン株式会社商品開発研究所内 Fターム(参考) 4J038 CG141 CH171 CJ031 CJ131 DB231 JA25 NA03 NA26 NA27 PA02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン系単量体および(メタ)アクリ
    ル酸グリシジルを必須成分とするビニル系単量体を重合
    して得た共重合体と、グリシジルエーテルとを含有する
    ことを特徴とする粉体塗料用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 グリシジルエーテル含有量が、ビニル系
    共重合体100重量部に対して0.1〜10重量部の範
    囲であることを特徴とする請求項1記載の粉体塗料用樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】 スチレン系単量体および(メタ)アクリ
    ル酸グリシジルを必須成分とするビニル系単量体をグリ
    シジルエーテルの存在下で重合することを特徴とする粉
    体塗料用樹脂組成物の製造方法。
JP22208598A 1998-08-05 1998-08-05 グリシジル基含有粉体塗料用樹脂組成物およびその製造方法 Withdrawn JP2000053893A (ja)

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