JP2001115064A - アクリル系粉体塗料用樹脂およびその製造方法 - Google Patents

アクリル系粉体塗料用樹脂およびその製造方法

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JP2001115064A
JP2001115064A JP29839699A JP29839699A JP2001115064A JP 2001115064 A JP2001115064 A JP 2001115064A JP 29839699 A JP29839699 A JP 29839699A JP 29839699 A JP29839699 A JP 29839699A JP 2001115064 A JP2001115064 A JP 2001115064A
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Yoko Harada
陽子 原田
Motoji Inagaki
元司 稲垣
Susumu Sugiura
将 杉浦
Junya Nakamura
純也 中村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗料化の際の高温での溶融混練時に臭気がな
く、また塗膜の外観、耐候性、耐ブロッキング性を犠牲
にすることなく、耐溶剤性と耐酸性を両立しうる粉体塗
料用樹脂およびその製造方法。 【解決手段】 スチレン系単量体5〜50重量%、エポ
キシ基含有ビニル系単量体20〜50重量%、ヒドロキ
シル基含有ビニル系単量体1〜30重量%を必須成分と
して重合した共重合体であって、ガラス転移温度が40
〜90℃、かつ、テトラヒドロフラン可溶分のゲルパー
ミエーションクロマトグラフィーにおける分子量測定に
おいて重量平均分子量(Mw)が4000〜3000
0、かつ、有機揮発成分量が1000ppm以下である
アクリル系樹脂を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐溶剤性、耐酸
性、耐ブロッキング性に優れた高外観、高耐候性の熱硬
化性粉体塗料に関する。
【0002】
【従来の技術】塗料には、顔料と高分子物質を有機溶剤
で分散させた溶剤型塗料、加熱により不溶化する水溶性
樹脂を使用した水溶性樹脂塗料、樹脂を水中に分散させ
たエマルジョン塗料、樹脂を粉末にして塗布し、加熱、
造膜させる粉体塗料があるが、塗膜の平滑性や光沢、耐
久性等の点から、溶剤型塗料が主として使用されてい
た。しかしながら、近年、大気汚染、火災の危険性等の
問題から、有機溶剤に対する規制が厳しくなり、無溶剤
型塗料が注目されている。中でも、粉体塗料は環境保護
の観点から、特に脚光を浴びてきている。従来の粉体塗
料はエポキシ系、ポリエステル系、アクリル系等が一般
的であるが、特に高外観、高耐候性等を要求される分野
においてはアクリル系の粉体塗料が中心となっている。
中でもアクリルの特徴を活かし、将来の自動車用トップ
コートまでも視野に入れて研究され、エポキシ基を有す
るアクリルを多塩基酸で硬化させる系を中心に研究され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、要求さ
れる諸性能は益々高度化し、未だ満足できる粉体塗料は
存在しない状況にある。特に、耐溶剤性と耐酸性の高度
なバランスを有する塗料の開発が望まれている。特開平
4−359971号公報、特開平5−112743号公
報、特開平7−166103号公報、特開平7−179
789号公報、特開平9−87552号公報などによ
り、塗膜の外観、硬化性、耐候性、耐ブロッキング性、
耐黄変性の改良研究が進められている。耐酸性に関して
は、特開平7−216266公報、特開平7−2162
67公報などにより改良研究が進められているが、いず
れもブロックイソシアネート化合物を含有する熱硬化性
ビニル系樹脂粉体塗料組成物についてであり、耐酸性は
向上するものの、ブロック剤の揮散による塗膜の黄変や
ヤニの発生が問題となるばかりか、コスト面でも不利で
ある。耐溶剤性に関しては、特開平4−159734公
報により改良研究が進められているが、ここで実施され
ている耐溶剤性試験方法は満足な試験方法とは言えず、
又架橋密度が十分でないことから耐溶剤性が良好である
とは言い難い。特開平5−230404号公報において
は、特定のエポキシ当量の高軟化点アクリル系共重合体
と低軟化点アクリル系共重合体をドライブレンドし、塗
料製造時に熱ロールにより溶融混練する技術が開示され
ている。しかしながら、軟化点の異なる樹脂の溶融混練
においては、樹脂の溶融粘度が異なるため均一混合が達
成できず、充分な性能を発現するには至っていなかっ
た。ところで、粉体塗料においては、平滑な塗膜を形成
させるために樹脂の低分子量化が必要である。このため
粉体塗料用樹脂の製造方法としては、塊状重合法、懸濁
重合法、溶液重合法等が提案されているが、実際には低
分子量化が容易な溶液重合法が採用されていることが多
い(特開昭53−138437号公報等)。しかし溶液
重合法は溶剤の除去工程が必要であり、溶剤の除去には
一般的に高温減圧の条件が必要であるために、エネルギ
ー的に不利であるとともに、生産性が劣ると言う欠点を
有する。さらにこのような溶剤除去工程において、樹脂
中の溶剤を十分に除去することは極めて困難である。さ
らにまた、塗料化の際、高温に加熱して溶融混練する時
に臭気が生じる問題がある。
【0004】本発明は前記課題を解決するためになされ
たもので、塗料化の際の高温での溶融混練時に臭気がな
く、また塗膜の外観、耐候性、耐ブロッキング性を犠牲
にすることなく、耐溶剤性と耐酸性を両立しうる粉体塗
料用樹脂およびその製造方法を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の目
的を達成するために、鋭意検討を重ねた結果、エポキシ
基含有ビニル系単量体とヒドロキシル基含有ビニル系単
量体の使用量を限定することにより、耐酸性と耐溶剤性
の両立を達成しうることを見いだし、本発明に到ったも
のである。すなわち本発明の粉体塗料用樹脂は、スチレ
ン系単量体5〜50重量%、エポキシ基含有ビニル系単
量体20〜50重量%、ヒドロキシル基含有ビニル系単
量体1〜30重量%を必須成分として重合した共重合体
であって、ガラス転移温度が40〜90℃、かつ、テト
ラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマト
グラフィーにおける分子量測定において重量平均分子量
(Mw)が4000〜30000、かつ、有機揮発成分
量が1000ppm以下であるアクリル系樹脂を有する
ことを特徴とするものである。このアクリル系樹脂は、
懸濁重合法で製造されたものが望ましい。本発明の粉体
塗料用樹脂の製造方法は、スチレン系単量体5〜50重
量%、エポキシ基含有ビニル系単量体20〜50重量
%、ヒドロキシル基含有ビニル系単量体1〜30重量%
を必須成分とする単量体混合物を重合温度100℃以
上、重合圧力196kPa以上の条件で懸濁重合するこ
とを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の粉体塗料用樹脂(アクリ
ル系樹脂とも称する)は、少なくとも、スチレン系単量
体、エポキシ基含有ビニル系単量体、ヒドロキシル基含
有ビニル系単量体を必須成分として含むビニル系単量体
を重合することにより得ることができる。
【0007】本発明に用いられるスチレン系単量体は、
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、
p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチル
スチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチル
スチレン、p−t−ブチルスチレン、p−n−ヘキシル
スチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニル
スチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−フェニルス
チレン等が挙げられる。中でもスチレンの使用が好まし
い。これらのスチレン系単量体は、1種または2種以上
を組み合わせて使用することができる。スチレン系単量
体の使用量は、アクリル系樹脂中、5〜50重量%の範
囲となるように使用することが必要である。これは、そ
の使用量が5重量%未満では、耐酸性、塗膜の外観が劣
る傾向にあり、また、50重量%を超えると、耐候性が
劣る傾向にあるためである。好ましくは、10〜40重
量%である。
【0008】また、本発明に用いられるエポキシ基含有
ビニル系単量体は、具体例として(メタ)アクリル酸グ
リシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジル、グリ
シジルアリルエーテル、(メタ)アクリル酸オキソシク
ロヘキシルメチル等が挙げられる。これらのエポキシ基
含有ビニル系単量体は、1種または2種以上を組み合わ
せて使用することができる。エポキシ基含有ビニル系単
量体の使用量は、アクリル系樹脂中、20〜50重量%
の範囲となるように使用することが必要である。これ
は、その使用量が20重量%未満では耐溶剤性、耐酸
性、塗膜の硬度が劣る傾向にあり、また50重量%を越
えると、塗膜の平滑性、光沢が劣る傾向にあるためであ
る。好ましくは25〜45重量%である。
【0009】本発明において用いられるヒドロキシル基
含有ビニル系単量体は、(メタ)アクリル酸2−ヒドロ
キシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピ
ル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メ
タ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリ
ル酸6−ヒドロキシヘキシル等の(メタ)アクリル酸ヒ
ドロキシアルキルエステル、上記ヒドロキシル基を含有
するビニル系単量体であるカプロラクトン変性(メタ)
アクリレートが挙げられる。ヒドロキシル基含有ビニル
系単量体は、これらの1種または2種以上を組み合わせ
て使用することができる。ヒドロキシル基含有ビニル系
単量体の使用量は、アクリル系樹脂中、1〜30重量%
の範囲となるように使用することが必要である。これ
は、その使用量が1重量%未満では、耐溶剤性が劣る傾
向にあり、また、30重量%を超えると、耐酸性が劣る
傾向にあるためである。好ましくは3〜20重量%であ
る。
【0010】本発明においては、エポキシ基含有ビニル
系単量体とヒドロキシル基含有ビニル系単量体の合計の
使用量は、アクリル系樹脂中30〜70重量%の範囲と
なるように使用することが必要である。これは、30重
量%未満では、耐溶剤性が劣る傾向にあり、また、70
重量%を越えると、塗膜の外観が劣る傾向にあるためで
ある。好ましくは40〜60重量%である。
【0011】本発明のアクリル系樹脂は、上記のスチレ
ン系単量体、エポキシ基含有ビニル系単量体、ヒドロキ
シル基含有ビニル系単量体を必須成分として構成される
が、必要に応じて他のビニル系単量体を併用することが
できる。他のビニル系単量体としては、(メタ)アクリ
ル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アク
リル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、
(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n
−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メ
タ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル
酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)
アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキ
シル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル
酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフル
フリル、(メタ)アクリル酸アリル等の(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル、マレイン酸ジメチル、マレイン
酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジメチル、
フマル酸ジエチル、フマル酸ジブチル等の不飽和脂肪族
二塩基酸ジアルキルエステル等が挙げられる。これらの
ビニル系単量体は、1種または2種以上を組み合わせて
使用することができる。
【0012】本発明のアクリル系樹脂のガラス転移温度
(Tg)は、40〜90℃である。Tgが40℃未満で
は、耐ブロッキング性、耐溶剤性が劣る傾向にあり、9
0℃を越えると塗膜の外観が劣る傾向にあるためであ
る。好ましくは45〜80℃、さらに好ましくは45℃
〜70℃である。本発明のアクリル系樹脂の重量平均分
子量(Mw)は、テトラヒドロフラン可溶分のゲルパー
ミエーションクロマトグラフィーにおける分子量測定に
おいて4000〜30000である。重量平均分子量が
4000未満であると、耐溶剤性、塗膜硬度が劣る傾向
にあり、また30000を超えると塗膜の外観が劣る傾
向にあるためである。より好ましくは6000〜200
00である。また、本発明のアクリル系樹脂の有機揮発
成分量は1000ppm以下である必要がある。これ
は、揮発成分量を1000ppm以下とすることで、粉
体塗料で必要な高温での溶融混練工程の際、残存する揮
発成分による臭気の問題が無く、形成される塗膜におけ
るピンホールの発生を低減できるためであり、より好ま
しくは700ppm以下である。なお、本発明で言う有
機揮発成分とは、主に重合に用いられた溶剤、残存単量
体からなるものである。本発明においては懸濁重合法に
より樹脂を得ることが望ましく、この場合、溶剤に関し
ては考慮する必要が無く、残存単量体の低減は重合末期
に加熱したり重合後に懸濁液を蒸留したりして留去する
ことにより、容易に低減することができる。
【0013】本発明の粉体塗料用樹脂の製造方法は、ス
チレン系単量体5〜50重量%、エポキシ基含有ビニル
系単量体20〜50重量%、ヒドロキシル基含有ビニル
系単量体1〜30重量%を必須成分とする単量体混合物
を重合温度100℃以上、重合圧力196kPa(2.
0kg/cm2)以上の条件で懸濁重合することを特徴
としている。重合温度が100℃以上、重合圧力が19
6kPa(2.0kg/cm2)とすることで、得られる
アクリル系樹脂を低分子量化させることができ、塗膜の
平滑性に優れた粉体塗料用樹脂を得ることができるため
である。より好ましくは重合温度100〜180℃、重
合圧力196〜784kPa(2.0〜8.0kg/cm
2)の範囲であり、さらに好ましくは重合温度100℃
〜150℃、重合圧力294〜784kPa(3.0〜
8.0kg/cm2)である。
【0014】上記アクリル系樹脂を製造するときに用い
る重合開始剤は、とくに限定されるものではなく、公知
のものを用いることができる。例えば、ラウロイルパー
オキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパ
ーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパ
ーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチ
ルヘキシルカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプ
ロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシベンゾエー
ト等の過酸化物、2,2'−アゾビスイソブチロニトリ
ル、2,2'−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル、2,2'−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、
1,1'−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル
等のアゾ系化合物が挙げられる。これらの重合開始剤
は、1種または2種以上を組み合わせて使用することが
できる。また、必要に応じて公知の連鎖移動剤を用いて
もよい。連鎖移動剤としては、α−メチルスチレンダイ
マー、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカ
プタン、2−エチルヘキシルチオグリコール酸エステ
ル、チオフェノール、テルピノレン等が挙げられる。中
でも塗料の臭気、塗膜の耐候性の低下や黄変等の弊害の
ないα−メチルスチレンダイマーの使用が好ましい。こ
れらの連鎖移動剤は、1種または2種以上を組み合わせ
て使用することができる。本発明のアクリル系樹脂は硬
化剤として多塩基酸と配合して粉体塗料として使用され
る。使用される硬化剤としては、グルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ドデカン二酸、エイコサン二酸等の直鎖脂肪族二塩
基酸;マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸等の脂肪
族二塩基酸;フタル酸、イソフタル酸、ヘキサヒドロフ
タル酸等の芳香族二塩基酸;クエン酸、トリメリット
酸、ピロメリット酸、ブタンテトラカルボン酸等の多塩
基酸が挙げられる。中でも直鎖脂肪族二塩基酸が好まし
く、特にドデカン二酸が好ましい。
【0015】硬化剤の使用量は、ビニル系共重合体のエ
ポキシ基と硬化剤のカルボキシル基の当量比が1/2〜
2/1の範囲が好ましい。これは、当量比を1/2以上
とすることで充分な塗膜の耐水性が得られ、2/1以下
とすることで十分な耐溶剤性が得られる傾向にあるため
である。より好ましくは当量比が2/3〜3/2となる
量で、さらに好ましくは1/1となる量である。本発明
の粉体塗料は、必要に応じて周知の顔料、可塑剤、紫外
線吸収剤、酸化防止剤、ワキ防止剤、顔料分散剤等の改
質剤を、本発明の効果を失わない範囲でブレンドして用
いることができる。さらに、他の樹脂、例えばアクリル
樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等を、本発明の
効果を失わない範囲でブレンドしても良い。本発明の粉
体塗料の製造方法は、予備混合、溶融混練、粉砕、分級
する方法、溶液状態で混合した後、スプレードライ法で
粉末にする方法等により行うことができる。本発明の粉
体塗料の塗装方法は、特に限定されるものではないが、
例えば、静電スプレー法、流動浸漬法が挙げられる。塗
装される被塗物としては、例えば、金属、ガラス、耐熱
性プラスチック等が挙げられる。塗装体の焼き付け温度
は、120〜200℃の範囲で行われ、焼き付け時間は
5〜30分の範囲である。
【0016】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明
する。尚、実施例および比較例における物性の評価は次
の方法を用いて行った。 (1)ガラス転移温度(Tg) サンプルを100℃まで昇温してメルトクエンチした
後、DSC法(示差走査熱量測定法、昇温速度10℃/
分、セイコー電子工業(株)製「DSC22システ
ム」)におけるショルダー値として求めた。 (2)軟化温度 フローテスター((株)島津製作所製「CFT−500
型」)を用い、昇温速度3℃/分、荷重2.94MPa
(30kgf)、ノズル径1mmφ、ノズル長さ10m
m、プランジャー断面積を1cm2、サンプル量1gの
条件で測定し、サンプルの1/2が流出した温度を採用
した。 (3)重量平均分子量(Mw) ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC法)
による測定値であり、テトラヒドロフランを溶剤とし、
東ソー(株)製「HCL−8020」により測定し、ポ
リスチレン換算により求めた。 (4)揮発成分量 ガスクロマトグラフィー((株)島津製作所製「GC−
8A」)により、樹脂中の残存単量体および溶剤量を測
定し、その総量を揮発成分量とした。 (5)貯蔵安定性 塗料10gを45℃で一週間加熱した後の凝集状態を、
下記の基準で評価した。 ◎:ブロッキングはみられず、極めて良好である ○:弱いブロッキングが若干みられるのみで、十分に実
用レベルである △:ブロッキングがみられ、辛うじて実用レベルである ×:著しくブロッキングし、実用レベルを下回る (6)高温溶融時臭気 乾燥した樹脂10gを蓋付き容器中にて100℃の電気
炉で1時間加熱した後、蓋を取り、樹脂から発生する臭
気を下記の基準で評価した。 ◎:臭気はない又は弱く、十分な実用レベルにある ○:臭気は若干あるが、実用レベルにある ×:臭気が強く、実用レベルにない (7)平滑性 塗膜表面の平滑性を目視外観にて以下の基準で評価し
た。 ◎:極めて良好である ○:良好であり、実用レベルである △:辛うじて実用レベルである ×:不良であり、実用レベルを下回る (8)硬度 JIS K−5400に準拠して塗膜を鉛筆こすり法に
て評価し、塗膜が傷つかない最も硬い鉛筆を以て硬度と
した。 (9)耐酸性 塗膜に40%硫酸を0.3mlスポイトで滴下し、80
℃の熱風乾燥機中に15分間放置後、水洗し、乾燥後塗
膜の変化を目視で判定した ◎:塗膜に異常なし ○:環状のシミがでるが乾燥後消失する。実用上問題な
し。 △:環状のシミがでるが辛うじて実用レベル。 ×:シミ、塗膜消失等の欠陥が出るため実用に耐えな
い。 (10)塗膜膨潤率 PP板上に40μmに塗装した粉体塗料を硬化させた
後、5cm角の塗膜を切り出しPP板から剥離し、初期
の塗膜重量とキシレン中に室温で30分間放置し膨潤さ
せた後の塗膜重量の増分より算出した。 (11)耐溶剤性 塗装した塗膜をキシレンに浸漬し、1時間後と24時間
後に引き上げた塗膜について表面の溶剤を除去した後、
以下の評価を行い耐溶剤性を判定した。 (11−1)塗膜外観の変化 以下の基準により目視にて判定した。 ○:24時間浸漬後も塗膜外観に異常は無く、良好なレ
ベルである △:1時間浸漬後は塗膜外観に異常は見られないもの
の、24時間浸漬後には塗膜外観に異常が出る。かろう
じて実用レベルである ×:1時間浸漬後に外観に異常が見られ、実用レベルを
下回る (11−2)碁盤目テープ剥離法による付着性の評価 JIS K−5400に準拠し、塗膜に隙間間隔1mm
でます目100ます碁盤目状にカッターで傷を付けセロ
ハン粘着テープを用いた剥離試験を行い、塗板に付着し
ている塗膜のます目の数を目視で観察した。
【0017】[実施例1]硫酸マンガン0.005重量
部及び4%水溶液の20℃での粘度が24cpsである
ポリビニルアルコール(信越化学工業(株)製「LA−
18」)0.225重量部を十分に溶解させた脱イオン
水200重量部を反応容器に投入した。次いで、その反
応容器にスチレン30重量部、メタクリル酸メチル18
重量部、メタクリル酸グリシジル40重量部、メタクリ
ル酸2−ヒドロキシプロピル12重量部、2,2−アゾ
ビス−イソブチロニトリル(大塚化学(株)製)4重量
部およびα−メチルスチレンダイマー(日本油脂(株)
製「ノフマーMSD」)4重量部からなる混合物を反応
容器中に投入し、密閉系にて110℃で1時間の懸濁重
合を行って重合物を得た。重合中の反応容器内の圧力は
460.6kPa(4.7kg/cm2)であった。次い
で、その懸濁重合物を常圧で1.5時間の蒸留操作を行
って、投入量の10%の脱イオン水とともに残存単量体
を留出させて除去した後40℃に冷却し、得られた重合
体を十分に水洗して乾燥させて、平均粒子径が320μ
mであるアクリル系粉体塗料用樹脂を得た。表1に得ら
れた樹脂の特性の評価結果を示す。次いで、その樹脂7
5重量部と硬化剤(ドデカンジカルボン酸)25重量部
とを100℃の温度で30分間溶融混練し、粉砕、分級
して、平均粒径20μmの塗料を得た。それを静電塗装
法により表面プラスト加工を施したアルミニウム板に塗
装し、170℃で20分焼き付けして80μm厚の塗膜
を有する塗装板を得た。得られた塗料および塗装板の塗
膜についての評価結果を表1に示す。塗膜特性は概ね良
好であった。
【0018】[実施例2]硫酸マンガン0.005重量
部及び4%水溶液の20℃での粘度が24cpsである
ポリビニルアルコール(信越化学工業(株)製「LA−
18」)0.225重量部を十分に溶解させた脱イオン
水200重量部を反応容器に投入した。次いで、その反
応容器にスチレン30重量部、メタクリル酸シクロヘキ
シル18重量部、メタクリル酸グリシジル40重量部、
メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル12重量部、2,
2−アゾビス−イソブチロニトリル(大塚化学(株)
製)4重量部およびα−メチルスチレンダイマー(日本
油脂(株)製「ノフマーMSD」)4重量部からなる混
合物を反応容器中に投入し、密閉系にて110℃で1時
間の懸濁重合を行って重合物を得た。重合中の反応容器
内の圧力は450.8kPa(4.6kg/cm2)であ
った。次いで、その懸濁重合物を常圧で1.5時間の蒸
留操作を行って、投入量の10%の脱イオン水とともに
残存単量体を留出させて除去した後40℃に冷却し、得
られた重合体を十分に水洗して乾燥させて、平均粒子径
が330μmであるアクリル系粉体塗料用樹脂を得た。
表1に得られた樹脂の特性の評価結果を示す。次いで、
その樹脂75重量部と硬化剤(ドデカンジカルボン酸)
25重量部とを100℃の温度で30分間溶融混練し、
粉砕、分級して、平均粒径30μmの塗料を得た。それ
を静電塗装法により表面プラスト加工を施したアルミニ
ウム板に塗装し、170℃で20分焼き付けして80μ
m厚の塗膜を有する塗装板を得た。得られた塗料および
塗装板の塗膜についての評価結果を表1に示す。塗膜特
性は概ね良好であった。
【0019】[実施例3]硫酸マンガン0.005重量
部及び4%水溶液の20℃での粘度が24cpsである
ポリビニルアルコール(信越化学工業(株)製「LA−
18」)0.225重量部を十分に溶解させた脱イオン
水200重量部を反応容器に投入した。次いで、その反
応容器にスチレン28重量部、メタクリル酸メチル18
重量部、メタクリル酸グリシジル30重量部、メタクリ
ル酸2−ヒドロキシプロピル24重量部、2,2−アゾ
ビス−イソブチロニトリル(大塚化学(株)製)4重量
部およびα−メチルスチレンダイマー(日本油脂(株)
製「ノフマーMSD」)4重量部からなる混合物を反応
容器中に投入し、密閉系にて110℃で1時間の懸濁重
合を行って重合物を得た。重合中の反応容器内の圧力は
470.4kPa(4.8kg/cm2)であった。次い
で、その懸濁重合物を常圧で1.5時間の蒸留操作を行
って、投入量の10%の脱イオン水とともに残存単量体
を留出させて除去した後40℃に冷却し、得られた重合
体を十分に水洗して乾燥させて、平均粒子径が350μ
mであるアクリル系粉体塗料用樹脂を得た。表1に得ら
れた樹脂の特性の評価結果を示す。次いで、その樹脂8
0重量部と硬化剤(ドデカンジカルボン酸)20重量部
とを100℃の温度で30分間溶融混練し、粉砕、分級
して、平均粒径20μmの塗料を得た。それを静電塗装
法により表面プラスト加工を施したアルミニウム板に塗
装し、170℃で20分焼き付けして80μm厚の塗膜
を有する塗装板を得た。得られた塗料および塗装板の塗
膜についての評価結果を表1に示す。塗膜特性は概ね良
好であった。
【0020】[実施例4]硫酸マンガン0.005重量
部及び4%水溶液の20℃での粘度が24cpsである
ポリビニルアルコール(信越化学工業(株)製「LA−
18」)0.225重量部を十分に溶解させた脱イオン
水200重量部を反応容器に投入した。次いで、その反
応容器にスチレン27重量部、メタクリル酸メチル18
重量部、メタクリル酸n−ブチル7重量部、メタクリル
酸グリシジル30重量部、メタクリル酸2−ヒドロキシ
プロピル18重量部、2,2−アゾビス−イソブチロニ
トリル(大塚化学(株)製)4重量部およびα−メチル
スチレンダイマー(日本油脂(株)製「ノフマーMS
D」)4重量部からなる混合物を反応容器中に投入し、
密閉系にて110℃で1時間の懸濁重合を行って重合物
を得た。重合中の反応容器内の圧力は460.6kPa
(4.7kg/cm2)であった。次いで、その懸濁重合
物を常圧で1.5時間の蒸留操作を行って、投入量の1
0%の脱イオン水とともに残存単量体を留出させて除去
した後40℃に冷却し、得られた重合体を十分に水洗し
て乾燥させて、平均粒子径が310μmであるアクリル
系粉体塗料用樹脂を得た。表1に得られた樹脂の特性の
評価結果を示す。次いで、その樹脂80重量部と硬化剤
(ドデカンジカルボン酸)20重量部とを100℃の温
度で30分間溶融混練し、粉砕、分級して、平均粒径2
0μmの塗料を得た。それを静電塗装法により表面プラ
スト加工を施したアルミニウム板に塗装し、170℃で
20分焼き付けして80μm厚の塗膜を有する塗装板を
得た。得られた塗料および塗装板の塗膜についての評価
結果を表1に示す。塗膜特性は概ね良好であった。
【0021】[実施例5]硫酸マンガン0.005重量
部及び4%水溶液の20℃での粘度が24cpsである
ポリビニルアルコール(信越化学工業(株)製「LA−
18」)0.225重量部を十分に溶解させた脱イオン
水200重量部を反応容器に投入した。次いで、その反
応容器にスチレン28重量部、メタクリル酸メチル17
重量部、メタクリル酸アルキル(示性式:CH2=C(C
3)COOCn2n-1 n=12,13 平均分子量:
263)7重量部、メタクリル酸グリシジル30重量
部、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル18重量部、
2,2−アゾビス−イソブチロニトリル(大塚化学
(株)製)4重量部およびα−メチルスチレンダイマー
(日本油脂(株)製「ノフマーMSD」)4重量部から
なる混合物を反応容器中に投入し、密閉系にて110℃
で1時間の懸濁重合を行って重合物を得た。重合中の反
応容器内の圧力は470.4kPa(4.8kg/c
2)であった。次いで、その懸濁重合物を常圧で1.5
時間の蒸留操作を行って、投入量の10%の脱イオン水
とともに残存単量体を留出させて除去した後40℃に冷
却し、得られた重合体を十分に水洗して乾燥させて、平
均粒子径が290μmであるアクリル系粉体塗料用樹脂
を得た。表1に得られた樹脂の特性の評価結果を示す。
次いで、その樹脂80重量部と硬化剤(ドデカンジカル
ボン酸)20重量部とを100℃の温度で30分間溶融
混練し、粉砕、分級して、平均粒径20μmの塗料を得
た。それを静電塗装法により表面プラスト加工を施した
アルミニウム板に塗装し、170℃で20分焼き付けし
て80μm厚の塗膜を有する塗装板を得た。得られた塗
料および塗装板の塗膜についての評価結果を表1に示
す。塗膜特性は概ね良好であった。
【0022】[実施例6]硫酸マンガン0.005重量
部及び4%水溶液の20℃での粘度が24cpsである
ポリビニルアルコール(信越化学工業(株)製「LA−
18」)0.225重量部を十分に溶解させた脱イオン
水200重量部を反応容器に投入した。次いで、その反
応容器にスチレン28重量部、メタクリル酸メチル15
重量部、アクリル酸n−ブチル9重量部、メタクリル酸
グリシジル30重量部、メタクリル酸2−ヒドロキシプ
ロピル18重量部、2,2−アゾビス−イソブチロニト
リル(大塚化学(株)製)4重量部およびα−メチルス
チレンダイマー(日本油脂(株)製「ノフマーMS
D」)4重量部からなる混合物を反応容器中に投入し、
密閉系にて110℃で1時間の懸濁重合を行って重合物
を得た。重合中の反応容器内の圧力は460.6kPa
(4.7kg/cm2)であった。次いで、その懸濁重合
物を常圧で1.5時間の蒸留操作を行って、投入量の1
0%の脱イオン水とともに残存単量体を留出させて除去
した後40℃に冷却し、得られた重合体を十分に水洗し
て乾燥させて、平均粒子径が300μmであるアクリル
系粉体塗料用樹脂を得た。表1に得られた樹脂の特性の
評価結果を示す。次いで、その樹脂80重量部と硬化剤
(ドデカンジカルボン酸)20重量部とを100℃の温
度で30分間溶融混練し、粉砕、分級して、平均粒径2
0μmの塗料を得た。それを静電塗装法により表面プラ
スト加工を施したアルミニウム板に塗装し、170℃で
20分焼き付けして80μm厚の塗膜を有する塗装板を
得た。得られた塗料および塗装板の塗膜についての評価
結果を表1に示す。塗膜特性は概ね良好であった。
【0023】[比較例1]硫酸マンガン0.005重量
部及び4%水溶液の20℃での粘度が24cpsである
ポリビニルアルコール(信越化学工業(株)製「LA−
18」)0.225重量部を十分に溶解させた脱イオン
水200重量部を反応容器に投入した。次いで、その反
応容器にスチレン16重量部、メタクリル酸メチル33
重量部、メタクリル酸n−ブチル21重量部、メタクリ
ル酸グリシジル30重量部、2,2−アゾビス−イソブ
チロニトリル(大塚化学(株)製)5重量部およびα−
メチルスチレンダイマー(日本油脂(株)製「ノフマー
MSD」)4重量部からなる混合物を反応容器中に投入
し、密閉系にて110℃で2時間の懸濁重合を行って重
合物を得た。重合中の反応容器内の圧力は519.4k
Pa(5.3kg/cm 2)であった。次いで、その懸濁
重合物を常圧で1.5時間の蒸留操作を行って、投入量
の10%の脱イオン水とともに残存単量体を留出させて
除去した後40℃に冷却し、得られた重合体を十分に水
洗して乾燥させて、平均粒子径が350μmであるアク
リル系粉体塗料用樹脂を得た。表2に得られた樹脂の特
性の評価結果を示す。次いで、その樹脂80重量部と硬
化剤(ドデカンジカルボン酸)20重量部とを100℃
の温度で30分間溶融混練し、粉砕、分級して、平均粒
径20μmの塗料を得た。それを静電塗装法により表面
プラスト加工を施したアルミニウム板に塗装し、170
℃で20分焼き付けして80μm厚の塗膜を有する塗装
板を得た。得られた塗料および塗装板の塗膜についての
評価結果を表2に示す。塗膜特性は耐溶剤性が劣ってい
た。
【0024】[比較例2]硫酸マンガン0.005重量
部及び4%水溶液の20℃での粘度が24cpsである
ポリビニルアルコール(信越化学工業(株)製「LA−
18」)0.225重量部を十分に溶解させた脱イオン
水200重量部を反応容器に投入した。次いで、その反
応容器にスチレン30重量部、メタクリル酸メチル18
重量部、メタクリル酸グリシジル40重量部、メタクリ
ル酸2−ヒドロキシプロピル12重量部、2,2−アゾ
ビス−イソブチロニトリル(大塚化学(株)製)4重量
部およびα−メチルスチレンダイマー(日本油脂(株)
製「ノフマーMSD」)4重量部からなる混合物を反応
容器中に投入し、密閉系にて110℃で1時間の懸濁重
合を行って重合物を得た。重合中の反応容器内の圧力は
460.6kPa(4.6kg/cm2)であった。次い
で、40℃に冷却し、得られた重合体を十分に水洗して
乾燥させて、平均粒子径が320μであるアクリル系粉
体塗料用樹脂を得た。表2に得られた樹脂の特性の評価
結果を示す。次いで、その樹脂75重量部と硬化剤(ド
デカンジカルボン酸)25重量部とを100℃の温度で
30分間溶融混練し、粉砕、分級して、平均粒径20μ
mの塗料を得た。それを静電塗装法により表面プラスト
加工を施したアルミニウム板に塗装し、170℃で20
分焼き付けして80μm厚の塗膜を有する塗装板を得
た。得られた塗料および塗装板の塗膜についての評価結
果を表2に示す。塗膜特性は概ね良好であったが、塗料
化の際の高温での溶融混練時にやや強い臭気が認められ
た。
【0025】[比較例3]トルエン70重量部を反応器
中に仕込み、105℃に加温し、スチレン25重量部、
メタクリル酸t−ブチル25重量部、アクリル酸n−ブ
チル5重量部、メタクリル酸グリシジル30重量部、メ
タクリル酸2−ヒドロキシプロピル15重量部、2,2
−アゾビス−イソブチロニトリル3重量部からなる単量
体と開始剤の混合物とを3時間で滴下し、30分間保温
した。次いで、15分毎に2,2−アゾビス−イソブチ
ロニトリル0.1重量部を5回添加し、1時間保温して
重合を完結させた。次いで、130℃の加熱減圧下で3
時間溶剤を除去した。得られた樹脂を粉砕機で粉砕し、
アクリル系粉体塗料用樹脂を得た。表2に得られた樹脂
の特性を示す。次いで、その樹脂80重量部と硬化剤
(ドデカンジカルボン酸)20重量部とを100℃の温
度で30分間溶融混練し、粉砕、分級して、平均粒径2
0μmの塗料を得た。それを静電塗装法により表面プラ
スト加工を施したアルミニウム板に塗装し、170℃で
20分焼き付けして80μm厚の塗膜を有する塗装板を
得た。得られた塗料および塗装板の塗膜についての評価
結果を表2に示す。塗膜特性は概ね良好であったが、塗
料化の際の高温での溶融混練時に強い臭気が認められ
た。
【0026】[比較例4]硫酸マンガン0.005重量
部及び4%水溶液の20℃での粘度が24cpsである
ポリビニルアルコール(信越化学工業(株)製「LA−
18」)0.225重量部を十分に溶解させた脱イオン
水200重量部を反応容器に投入した。次いで、その反
応容器にメタクリル酸メチル25重量部、メタクリル酸
エチル30重量部、メタクリル酸グリシジル30重量
部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル15重量部、
2,2−アゾビス−イソブチロニトリル(大塚化学
(株)製)4重量部およびα−メチルスチレンダイマー
(日本油脂(株)製「ノフマーMSD」)4重量部から
なる混合物を反応容器中に投入し、密閉系にて110℃
で1時間の懸濁重合を行って重合物を得た。重合中の反
応容器内の圧力は470.4kPa(4.8kg/c
2)であった。次いで、その懸濁重合物を常圧で1.5
時間の蒸留操作を行って、投入量の10%の脱イオン水
とともに残存単量体を留出させて除去した後40℃に冷
却し、得られた重合体を十分に水洗して乾燥させて、平
均粒子径300μmがであるアクリル系粉体塗料用樹脂
を得た。表2に得られた樹脂の特性の評価結果を示す。
次いで、その樹脂80重量部と硬化剤(ドデカンジカル
ボン酸)20重量部とを100℃の温度で30分間溶融
混練し、粉砕、分級して、平均粒径20μmの塗料を得
た。それを静電塗装法により表面プラスト加工を施した
アルミニウム板に塗装し、170℃で20分焼き付けし
て80μm厚の塗膜を有する塗装板を得た。得られた塗
料および塗装板の塗膜についての評価結果を表2に示
す。塗膜特性は耐酸性が悪く、又平滑性も劣っていた。
【0027】[比較例5]硫酸マンガン0.005重量
部及び4%水溶液の20℃での粘度が24cpsである
ポリビニルアルコール(信越化学工業(株)製「LA−
18」)0.225重量部を十分に溶解させた脱イオン
水200重量部を反応容器に投入した。次いで、その反
応容器にスチレン30重量部、メタクリル酸n−ブチル
25重量部、メタクリル酸グリシジル30重量部、メタ
クリル酸2−ヒドロキシプロピル15重量部、2,2−
アゾビス−イソブチロニトリル(大塚化学(株)製)4
重量部およびα−メチルスチレンダイマー(日本油脂
(株)製「ノフマーMSD」)4重量部からなる混合物
を反応容器中に投入し、密閉系にて110℃で1時間の
懸濁重合を行って重合物を得た。重合中の反応容器内の
圧力は460.6kPa(4.7kg/cm2)であっ
た。次いで、その懸濁重合物を常圧で1.5時間の蒸留
操作を行って、投入量の10%の脱イオン水とともに残
存単量体を留出させて除去した後40℃に冷却し、得ら
れた重合体を十分に水洗して乾燥させて、平均粒子径が
320μmであるアクリル系粉体塗料用樹脂を得た。表
2に得られた樹脂の特性の評価結果を示す。次いで、そ
の樹脂80重量部と硬化剤(ドデカンジカルボン酸)2
0重量部とを100℃の温度で30分間溶融混練し、粉
砕、分級して、平均粒径20μmの塗料を得た。それを
静電塗装法により表面プラスト加工を施したアルミニウ
ム板に塗装し、170℃で20分焼き付けして80μm
厚の塗膜を有する塗装板を得た。得られた塗料および塗
装板の塗膜についての評価結果を表2に示す。塗膜特性
は耐溶剤性が劣っていた。また、塗料の貯蔵安定性も実
用レベルを下回っていた。
【0028】[比較例6]硫酸マンガン0.005重量
部及び4%水溶液の20℃での粘度が24cpsである
ポリビニルアルコール(信越化学工業(株)製「LA−
18」)0.225重量部を十分に溶解させた脱イオン
水200重量部を反応容器に投入した。次いで、その反
応容器にスチレン30重量部、メタクリル酸メチル18
重量部、メタクリル酸グリシジル40重量部、メタクリ
ル酸2−ヒドロキシプロピル12重量部、2,2−アゾ
ビス−イソブチロニトリル(大塚化学(株)製)4重量
部およびα−メチルスチレンダイマー(日本油脂(株)
製「ノフマーMSD」)4重量部からなる混合物を反応
容器中に投入し、75℃で3時間の懸濁重合を行って重
合物を得た。次いで、その懸濁重合物を常圧で1.5時
間の蒸留操作を行って、投入量の10%の脱イオン水と
ともに残存単量体を留出させて除去した後40℃に冷却
し、得られた重合体を十分に水洗して乾燥させて、平均
粒子径が370μmであるアクリル系粉体塗料用樹脂を
得た。表2に得られた樹脂の特性の評価結果を示す。次
いで、その樹脂75重量部と硬化剤(ドデカンジカルボ
ン酸)25重量部とを100℃の温度で30分間溶融混
練し、粉砕、分級して、平均粒径20μmの塗料を得
た。それを静電塗装法により表面プラスト加工を施した
アルミニウム板に塗装し、170℃で20分焼き付けし
て80μm厚の塗膜を有する塗装板を得た。得られた塗
料および塗装板の塗膜についての評価結果を表2に示
す。塗膜特性は平滑性が劣っていた。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、塗料化の際の溶融混練
時に臭気が無く、かつ塗膜の平滑性をはじめとする塗膜
性能を犠牲にすることなく耐溶剤性と耐酸性を両立した
塗膜を形成し得るための粉体塗料用樹脂を実現できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) (C08F 220/26 (C08F 220/26 212:06 212:06 216:14) 216:14) (72)発明者 杉浦 将 愛知県豊橋市牛川通四丁目1番地の2 三 菱レイヨン株式会社豊橋事業所内 (72)発明者 中村 純也 愛知県豊橋市牛川通四丁目1番地の2 三 菱レイヨン株式会社豊橋事業所内 Fターム(参考) 4J011 AA05 AB02 AB04 JA07 JB02 JB03 JB07 JB26 4J038 CC011 CG141 CH121 CH171 DB211 MA02 MA13 MA14 NA04 NA10 4J100 AB02P AB03P AE18Q AL08Q AL09R AL10Q BC04Q BC54Q CA05 DA01 DA25 FA21 FA28 FA29 JA01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン系単量体5〜50重量%、エポ
    キシ基含有ビニル系単量体20〜50重量%、ヒドロキ
    シル基含有ビニル系単量体1〜30重量%を必須成分と
    して重合した共重合体であって、 ガラス転移温度が40〜90℃、かつ、テトラヒドロフ
    ラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー
    における分子量測定において重量平均分子量(Mw)が
    4000〜30000、かつ、有機揮発成分量が100
    0ppm以下であるアクリル系樹脂を有することを特徴
    とする粉体塗料用樹脂。
  2. 【請求項2】 懸濁重合法で製造されたものであること
    を特徴とする請求項1記載の粉体塗料用樹脂。
  3. 【請求項3】 スチレン系単量体5〜50重量%、エポ
    キシ基含有ビニル系単量体20〜50重量%、ヒドロキ
    シル基含有ビニル系単量体1〜30重量%を必須成分と
    する単量体混合物を重合温度100℃以上、重合圧力1
    96kPa以上の条件で懸濁重合することを特徴とする
    粉体塗料用樹脂の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006143763A (ja) * 2004-11-16 2006-06-08 Showa Highpolymer Co Ltd 共重合体エマルジョンおよび塗料用組成物
CN112011244A (zh) * 2020-09-02 2020-12-01 合肥工业大学 一种gma类丙烯酸树脂粉末涂料的连续生产方法

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006143763A (ja) * 2004-11-16 2006-06-08 Showa Highpolymer Co Ltd 共重合体エマルジョンおよび塗料用組成物
CN112011244A (zh) * 2020-09-02 2020-12-01 合肥工业大学 一种gma类丙烯酸树脂粉末涂料的连续生产方法

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