JP2000053830A - ポリ塩化ビニル組成物並びにその製造方法 - Google Patents

ポリ塩化ビニル組成物並びにその製造方法

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JP2000053830A
JP2000053830A JP10236354A JP23635498A JP2000053830A JP 2000053830 A JP2000053830 A JP 2000053830A JP 10236354 A JP10236354 A JP 10236354A JP 23635498 A JP23635498 A JP 23635498A JP 2000053830 A JP2000053830 A JP 2000053830A
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polymer
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shell
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Taiji Nishi
泰治 西
Koichi Suzuki
弘一 鈴木
Yukiatsu Furumiya
行淳 古宮
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性と耐衝撃性の両方に優れるポリ塩化ビ
ニル組成物を提供する。 【解決手段】 本発明は、ポリ塩化ビニル(A)及び下
記(1)〜(4)の条件を満足する3層コアシェルポリ
マー(B)を含有するポリ塩化ビニル組成物である。 (1)ガラス転移温度50℃以上のガラス状ポリマーか
らなるコア層、ガラス転移温度−35℃以下のゴム状ポ
リマーからなる中間層、及びガラス転移温度50℃以上
のガラス状ポリマーからなるシェル層から構成される。 (2)ポリ塩化ビニル(A)の屈折率Xと3層コアシェ
ルポリマー(B)の屈折率Yが式:|X−Y|≦0.0
05を満足する。 (3)コア層を構成するガラス状ポリマーの屈折率y1
と中間層を構成するゴム状ポリマーの屈折率y2が式:
|y1−y2|≦0.15を満足する。 (4)平均粒径が120〜200nmである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリ塩化ビニルに
特定のコアシェルポリマーを含有させてなるポリ塩化ビ
ニル組成物及びその製造方法に関する。本発明のポリ塩
化ビニル組成物は、ポリ塩化ビニル本来の透明性を高度
に保持しながら、ポリ塩化ビニルと対比して改善された
耐衝撃性を発揮する。
【0002】
【従来の技術】ポリ塩化ビニルは透明性が良好であるが
耐衝撃性に劣るため、ポリ塩化ビニルに、ゴム状ポリマ
ー層とガラス状ポリマー層とを含む2以上の層からなる
コアシェルポリマーを配合することによって、耐衝撃性
を改良する方法が知られている。しかしながら、ポリ塩
化ビニル本来の透明性を保持しながら十分な耐衝撃性向
上を達成することは容易でなく、それを可能にするコア
シェルポリマーとして、以下のような提案がなされてい
る。
【0003】(1)特公昭50−23067号公報に
は、スチレン系化合物を主体とする単量体成分からなる
ガラス状ポリマーから構成されるコア層、共役ジエン又
はアクリレートを主体とする単量体成分からなるゴム状
ポリマーから構成される中間層、及びメタクリレートを
主体とする単量体成分からなるガラス状ポリマーから構
成されるシェル層を含有する3層コアシェルポリマーが
提案されている。同公報には、該3層コアシェルポリマ
ーをポリ塩化ビニルに配合してなる組成物について透明
性を重視するのであれば、該3層コアシェルポリマーの
粒径を70〜110nmの範囲内とし、かつ該コア層と
該中間層からなる2層粒子部分の屈折率を実質的にポリ
塩化ビニルの屈折率と等しくすることが重要であること
が記載されている。
【0004】(2)特許第2515013号公報には、
ブタジエンを主体とする単量体成分からなるゴム状ポリ
マーから構成されるコア層、並びにスチレン系化合物及
びシアン化ビニル化合物を主体とする単量体成分からな
るガラス状ポリマーから構成されるシェル層を含有し、
コア層とシェル層の重量比が65/35〜85/15の
範囲内である2層コアシェルが提案されている。同公報
には、該2層コアシェルポリマーをポリ塩化ビニルに配
合してなる組成物について透明性を重視するのであれ
ば、該2層コアシェルポリマーの重量平均粒径を50〜
250nmの範囲内とし、かつ該2層コアシェルポリマ
ーの屈折率とポリ塩化ビニルの屈折率とを、両者の差が
0.01以下となるように十分に近づけることが好まし
いと記載されている。
【0005】(3)特開平6−145263号公報に
は、共役ジエン、アクリレート又はスチレン系化合物を
主体とする単量体成分からなるゴム状ポリマーから構成
されるコア層、スチレン系化合物を主体とする単量体成
分からなるガラス状ポリマーから構成されるシェル層、
及び所望により両層の間にゴム状又はガラス状のポリマ
ーから構成される中間層を含有する2以上の層からなる
コアシェルポリマーが提案されている。同公報には、該
コアシェルポリマーを熱可塑性樹脂に配合してなる組成
物について透明性を発現させるためには、該コア層を構
成するゴム状ポリマーの屈折率と該シェル層を構成する
ガラス状ポリマーの屈折率の差が0.06以下となり、
両屈折率の間に該熱可塑性樹脂の屈折率が位置付けら
れ、かつ該コアシェルポリマーと該熱可塑性樹脂との屈
折率差が0.005未満となるような関係を満足するこ
とが必要であると記載されている。そして、中間層を含
有する場合、中間層がガラス状ポリマーから構成される
ときにはそれをその割合に応じてシェル層の一部とみな
してシェル層のガラス状ポリマーの屈折率を算出すれば
よく、また中間層がゴム状ポリマーから構成されるとき
にはそれをその割合に応じてコア層の一部とみなしてコ
ア層のゴム状ポリマーの屈折率を算出すればよいと説明
されている。ただし、同公報においては、実施例として
記載されている樹脂組成物の具体的製造例で使用されて
いる熱可塑性樹脂は、ポリ(メチルメタクリレート−ス
チレン)樹脂(MS)、ポリ(アクリロニトリル−メチ
ルメタクリレート−スチレン)樹脂(MAS)及びポリ
メチルメタクリレート樹脂(PMMA)であり、ポリ塩
化ビニルを使用した樹脂組成物の具体的製造例は記載さ
れていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者等の検討によれば、コアシェルポリマーを使用する上
記の公知の方法においても、そのコアシェルポリマーを
ポリ塩化ビニルに配合する場合、優れた透明性と優れた
耐衝撃性を高度に両立しうる樹脂組成物が得られるよう
な条件を選択することは極めて難しいことが判明した。
例えば、上記特公昭50−23067号公報に記載され
ているような粒径が70〜110nmの範囲内である3
層コアシェルポリマーを使用する場合、耐衝撃性の向上
効果に限界があり、十分な耐衝撃性を有するポリ塩化ビ
ニル組成物を得ることができなかった。上記特許第25
15013号公報に記載されているような、ポリ塩化ビ
ニルとの屈折率差が0.01以下となる2層コアシェル
ポリマーを使用してポリ塩化ビニル組成物を製造する場
合、優れた透明性が発揮される条件を採用すれば耐衝撃
性が必ずしも十分でなく、逆に、優れた耐衝撃性が発揮
される条件を採用すれば透明性が必ずしも十分ではなか
った。また、特開平6−145263号公報に記載され
ているような、シェル層を構成するガラス状ポリマーと
の屈折率差が0.06以下であるゴム状ポリマーからな
るコア層を含有し、かつ配合しようとする熱可塑性樹脂
との屈折率差が0.005未満となるような屈折率を有
するコアシェルポリマーを使用する方法では、ポリ塩化
ビニルが特異的に高い屈折率を有するため(例えば、可
塑剤等の添加剤を含まないポリ塩化ビニルでは屈折率
1.540)、他の熱可塑性樹脂に配合した場合のよう
な透明性と耐衝撃性の両立は困難であることが判明し
た。すなわち、シェル層を構成するガラス状ポリマーと
の屈折率差が0.06以下であるゴム状ポリマーからな
るコア層を含有し、ポリ塩化ビニルとの屈折率差が0.
005未満となるコアシェルポリマーを実際に製造しよ
うとすると、高い屈折率を発現しうるスチレン系化合物
のコア層への含有率を高めざるえないため、コア層のガ
ラス転移温度が高くなり、耐衝撃性向上効果が不十分と
なる。逆に、耐衝撃性向上効果が十分に発揮される程度
にコア層のスチレン系化合物の含有率を低くすると、透
明性の低下を招く結果となった。
【0007】本発明の目的は、ポリ塩化ビニルにコアシ
ェルポリマーを配合してなるポリ塩化ビニル組成物にお
いて、透明性と耐衝撃性の両方に優れるポリ塩化ビニル
組成物を提供することにあり、また、該両方の性質に優
れるポリ塩化ビニル組成物の製造方法を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は透
明性と耐衝撃性の両方に優れるポリ塩化ビニル組成物を
与えるコアシェルポリマーとポリ塩化ビニルの組合せに
関して鋭意研究した結果、ガラス状ポリマーからなるコ
ア層、ゴム状ポリマーからなる中間層及びガラス状ポリ
マーからなるシェル層を含有する3層構造を有し、ポリ
塩化ビニルとの屈折率の差が一定範囲内であり、コア層
を構成するポリマーのみの屈折率と中間層を構成するシ
ェルのみの屈折率との関係を一定範囲内とすると共に、
平均粒径が所定の範囲内になるような特定のコアシェル
ポリマーを使用することによって上記目的を達成するこ
とができることを見出して、本発明に至った。
【0009】本発明によれば、上記の目的の一つは、
【0010】(1)ポリ塩化ビニル(A)、並びに、ガ
ラス転移温度が50℃以上であるガラス状ポリマーから
なるコア層、ガラス転移温度が−35℃以下であるゴム
状ポリマーからなる中間層、及びガラス転移温度が50
℃以上であるガラス状ポリマーからなるシェル層から構
成される3層コアシェルポリマー(B)を含有するポリ
塩化ビニル組成物であって;
【0011】(2)上記ポリ塩化ビニル(A)の屈折率
Xと上記3層コアシェルポリマー(B)の屈折率Yが式
【0012】
【数7】|X−Y|≦0.005 (I)
【0013】で示される条件を満足し;
【0014】(3)上記コア層を構成するガラス状ポリ
マーの屈折率y1と中間層を構成するゴム状ポリマーの
屈折率y2が式
【0015】
【数8】|y1−y2|≦0.15 (II)
【0016】で示される条件を満足し;かつ
【0017】(4)上記3層コアシェルポリマー(B)
の平均粒径が120〜200nmの範囲内である;
【0018】ことを特徴とするポリ塩化ビニル組成物を
提供することによって達成される。
【0019】また、上記の他の目的は、
【0020】(1)ポリ塩化ビニル(A)にコアシェル
ポリマーを配合するに際し、該コアシェルポリマーとし
て;
【0021】(2)ガラス転移温度が50℃以上である
ガラス状ポリマーからなるコア層、ガラス転移温度が−
35℃以下であるゴム状ポリマーからなる中間層、及び
ガラス転移温度が50℃以上であるガラス状ポリマーか
らなるシェル層から構成される3層コアシェルポリマー
(B)であって;
【0022】(3)上記ポリ塩化ビニル(A)の屈折率
Xと上記3層コアシェルポリマー(B)の屈折率Yが上
記式(I)で示される条件を満足し;
【0023】(4)上記コア層を構成するガラス状ポリ
マーの屈折率y1と中間層を構成するゴム状ポリマーの
屈折率y2が上記式(II)で示される条件を満足し;か
【0024】(5)平均粒径が120〜200nmの範
囲内である;
【0025】コアシェルポリマーを使用することを特徴
とするポリ塩化ビニル組成物の製造方法を提供すること
によって達成される。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明で使用するポリ塩化ビニル
(A)は、塩化ビニルを主体とする単量体単位からなる
単独重合体又は共重合体であり、さらに可塑剤、安定
剤、滑剤等の添加剤が含有されていてもよい。なお、ポ
リ塩化ビニルに添加剤が配合されている場合、上記式
(I)中のポリ塩化ビニルの屈折率Xとは、添加剤が含
有された状態での屈折率を意味する。
【0027】本発明で使用する3層コアシェルポリマー
(B)は、粒子状の形態を有し、ガラス状ポリマーから
なるコア層(最内層)、ゴム状ポリマーからなる中間層
及びガラス状ポリマーからなるシェル層(最外層)の3
層構造を有する。なお、本発明において「ガラス状ポリ
マー」とはガラス転移温度が50℃以上であるポリマー
を意味し、「ゴム状ポリマー」とはガラス転移温度が−
35℃以下であるポリマーを意味する。コア層を構成す
るポリマーのガラス転移温度が50℃より低い場合、上
記式(I)を満足させることが困難となり、透明性に優
れたポリ塩化ビニル組成物を得ることができない。中間
層を構成するポリマーのガラス転移温度が−35℃より
高い場合、耐衝撃性に優れたポリ塩化ビニル組成物を得
ることができない。また、シェル層を構成するポリマー
のガラス転移温度が50℃より低い場合、コアシェルポ
リマーが軟化するため、コアシェルポリマー製造時にお
ける重合装置からの取出物の凝集粒径が大きくなり、取
り扱い性が低下する。
【0028】本発明では、ポリ塩化ビニル(A)の屈折
率Xと3層コアシェルポリマー(B)の屈折率Yが上記
式(I)で示される条件、すなわち該Xと該Yの差の絶
対値が0.005以下であること、を満足することが必
要である。式(I)を満足しない場合、透明性に優れた
ポリ塩化ビニル組成物を得ることができない。得られる
ポリ塩化ビニル組成物の透明性が特に良好となる点にお
いては、該Xと該Yの差の絶対値は0.004以下であ
ることがより好ましい。
【0029】本発明では、3層コアシェルポリマー
(B)におけるコア層を構成するガラス状ポリマーの屈
折率y1と中間層を構成するゴム状ポリマーの屈折率y
2が、上記式(II)で示される条件、すなわち該y1と
該y2の差の絶対値が0.15以下であること、を満足
することが必要である。式(II)を満足しない場合、透
明性に優れたポリ塩化ビニル組成物を得ることができな
い。
【0030】また本発明では、3層コアシェルポリマー
(B)の平均粒径が120〜200nmの範囲内である
ことが必要である。平均粒径が120nm未満の場合、
耐衝撃性に優れたポリ塩化ビニル組成物を得ることがで
きない。平均粒径が120〜160nmの範囲内では平
均粒径の増大に伴って3層コアシェルポリマーの耐衝撃
性向上効果が増大する傾向がある。耐衝撃性向上効果の
高い3層コアシェルポリマーを使用すると、ポリ塩化ビ
ニルに対する3層コアシェルポリマーの添加量を低減さ
せることが可能となり、透明性等のポリ塩化ビニル本来
の優れた物性を保持する上で一層有利となる場合があ
る。平均粒径が160nmより大きくなると平均粒径増
大に伴う耐衝撃性向上効果の増大傾向はなくなり、逆に
ポリ塩化ビニルとの組成物における透明性を低下させる
傾向が生じ始め、平均粒径が200nmより大きい場
合、透明性に優れたポリ塩化ビニル組成物を得ることが
できない。透明性及び耐衝撃性の両方が特に高度に両立
されたポリ塩化ビニル組成物が得られる点において、平
均粒径は140〜180nmの範囲内であることが好ま
しく、150〜170nmの範囲内であることが特に好
ましい。
【0031】本発明における3層コアシェルポリマー
(B)が含有するコア層を構成するガラス状ポリマー、
中間層を構成するゴム状ポリマー及びシェル層を構成す
るガラス状ポリマーについては、各ポリマーが上記所定
のガラス転移温度条件、上記式(I)の条件及び上記式
(II)の条件が満足されるような組合せを適宜選択すれ
ばよいが、コア層を構成するガラス状ポリマーがスチレ
ン系化合物を主体とする単量体成分から形成され、中間
層を構成するゴム状ポリマーがアルキル基の炭素数が2
〜8であるアルキルアクリレートを主体とする単量体成
分から形成され、シェル層を構成するガラス状ポリマー
がメチルメタクリレートを主体とする単量体成分から形
成され、かつコア層を構成するガラス状ポリマーの屈折
率y1と中間層を構成するゴム状ポリマーの屈折率y2
が式
【0032】
【数9】 0.05≦y1−y2≦0.15 (III)
【0033】で示される条件を満足するような組合せを
採用することが、汎用性の高い単量体を用いることがで
きる点、上記諸条件を満足しうる単量体の組合せの範囲
が広く、3層コアシェルポリマーに適宜所望の性質を付
与させやすい点などから好ましい。
【0034】なお、コア層、中間層及びシェル層を構成
するポリマーを、スチレン系化合物を主体とする単量体
成分、アルキル基の炭素数が2〜8であるアルキルアク
リレートを主体とする単量体成分及びメチルメタクリレ
ートを主体とする単量体成分からそれぞれ形成しようと
する場合、上記定義に従うy1−y2の値を0.05以
上に設定することが、中間層を構成するポリマーのガラ
ス転移温度を−35℃以下に制御しながら3層コアシェ
ルポリマーの平均粒径を200nm以下に制御する上で
好ましい。
【0035】3層コアシェルポリマー(B)中のコア層
を構成するガラス状ポリマーを形成させるに好適なスチ
レン系化合物を主体とする単量体成分は、スチレン系化
合物を単独で使用する場合及びスチレン系化合物をそれ
と共重合可能な他の単量体と併用して使用する場合を包
含する。スチレン系化合物としては、例えば、スチレ
ン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等が挙げら
れ、これらの中でもスチレンが好ましい。スチレン系化
合物はコア層形成のために使用する全単量体中75重量
%以上の割合で使用することが好ましい。また、スチレ
ン系化合物と共重合可能な他の単量体としては、例え
ば、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレ
ート等のアルキルアクリレート;メチルメタクリレート
等のアルキルメタクリレートなどが挙げられる。
【0036】本発明においては、上記のスチレン系化合
物と共重合可能な他の単量体として、架橋性単量体又は
グラフト用単量体を少量用いることが、得られるポリ塩
化ビニル組成物の耐衝撃性を特に高めることができるの
で好ましい。上記架橋性単量体としては、例えば、ジビ
ニルベンゼン等の芳香族ジビニル化合物、ヘキサンジオ
ールジアクリレート等のアルカンポリオールポリアクリ
レートなどを挙げることができる。グラフト用単量体と
しては、例えば、アリルメタクリレート等の不飽和カル
ボン酸アリルエステルなどを挙げることができる。
【0037】このような架橋性単量体及びグラフト用単
量体は、それぞれをコア層形成のための重合に用いる全
単量体の0.25〜3重量%の範囲で用いるのが好まし
く、0.5〜1重量%の範囲で用いるのがより好まし
い。
【0038】架橋性単量体及びグラフト用単量体のそれ
ぞれを上記の範囲内の量で使用する場合、3層コアシェ
ルポリマーの耐衝撃性向上効果を損なうことなく、コア
層を構成するガラス状ポリマーに適度な架橋密度及びグ
ラフト化率が実現されるため、3層コアシェルポリマー
のポリ塩化ビニルへの混合時におけるコアシェル構造の
破壊による透明性低下が抑制されるので好ましい。
【0039】3層コアシェルポリマー(B)中の中間層
を構成するゴム状ポリマーを形成させるに好適なアルキ
ル基の炭素数が2〜8であるアルキルアクリレートを主
体とする単量体成分は、該アルキルアクリレートを単独
で使用する場合及び該アルキルアクリレートをそれと共
重合可能な他の単量体と併用して使用する場合を包含す
る。該アルキルアクリレートとしては、例えば、ブチル
アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等を挙
げることができる。該アルキルアクリレートは中間層形
成のために使用される全単量体中75重量%以上の割合
で使用するのが好ましい。該アルキルアクリレートと共
重合可能な他の単量体としては、例えば、スチレン等の
スチレン系化合物、メチルメタクリレート等のアルキル
メタクリレートなどが挙げられる。
【0040】中間層を構成するゴム状ポリマーにおいて
は、アルキルアクリレートと共重合可能な他の単量体と
して、上記のような架橋性単量体及び/又はグラフト用
単量体を少量用いることが、得られるポリ塩化ビニル組
成物の耐衝撃性を一層高めることができるので好まし
い。この場合、架橋性単量体及び/又はグラフト用単量
体としては、コア層形成のための重合に使用可能なもの
として例示したものを、同様に用いることができる。架
橋性単量体及び/又はグラフト用単量体は、透明性及び
耐衝撃性の両立の点において、中間層形成のための重合
に用いられる全単量体の0.25〜3重量%の範囲で用
いるのが好ましく、0.5〜1重量%の範囲で用いるの
がより好ましい。
【0041】3層コアシェルポリマー(B)中のシェル
層を構成するガラス状ポリマーを形成させるに好適なメ
チルメタクリレートを主体とする単量体成分は、メチル
メタクリレートを単独で使用する場合及びメチルメタク
リレートをそれと共重合可能な他の単量体と併用して使
用する場合を包含する。メチルメタクリレートはシェル
層形成のために使用される全単量体中80重量%以上の
割合で使用するのが好ましい。メチルメタクリレートと
共重合可能な他の単量体としては、例えば、ブチルアク
リレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアルキ
ルアクリレート、スチレン等のスチレン系化合物などが
挙げられる。
【0042】本発明で使用する3層コアシェルポリマー
(B)を構成する各層の含有率は必ずしも限定されるも
のではないが、3層コアシェル全体を基準として、コア
層の含有率が20〜55重量%の範囲内であり、中間層
の含有率が25〜72重量%の範囲内であり、かつシェ
ル層の含有率が8〜20重量%の範囲内であることが、
ポリ塩化ビニル組成物における透明性及び耐衝撃性の点
から好ましい。
【0043】本発明で使用する3層コアシェルポリマー
は、一般的なコアシェルポリマーを製造するための公知
の方法に準じて製造することができる。すなわち、例え
ば、公知のシード重合法に従い、所定の単量体を段階的
に反応系に添加することによって、コア層、中間層及び
シェル層を順次形成させることにより製造することがで
きる。
【0044】本発明のポリ塩化ビニル組成物は、ポリ塩
化ビニル(A)に3層コアシェルポリマー(B)を配合
することによって製造することができる。ポリ塩化ビニ
ル(A)への3層コアシェルポリマーの配合方法として
は、通常の熱可塑性樹脂組成物の製造のために使用され
る各種方法を採用することができるが、両者を溶融条件
下で混練することによって行うことが好ましい。溶融混
練には、加熱ロール、又は、単軸若しくは多軸の押出機
等の混合装置を使用することができる。溶融混練におい
て採用される温度条件としては、熱劣化を実質的に伴う
ことなく3層コアシェルポリマー(B)を均一に分散で
きるような条件であれば必ずしも限定されるものではな
く、使用するポリ塩化ビニル(A)及び3層コアシェル
ポリマー(B)の種類等に応じて適宜好適な温度条件を
採用することができるが、通常は150℃〜200℃の
範囲内である。
【0045】ポリ塩化ビニル組成物を製造する際におけ
るポリ塩化ビニル(A)と3層コアシェルポリマー
(B)との使用割合は、透明性等のポリ塩化ビニルの長
所を保持させながら、改善された耐衝撃性を発揮させる
観点において、(A)/(B)の重量比で96/4〜8
0/20の範囲内であることが好ましく、95/5〜8
5/15の範囲内であることがより好ましい。なお、こ
の重量比におけるポリ塩化ビニル(A)の重量は、可塑
剤、安定剤、滑剤等の添加剤の重量を含ませたものであ
る。
【0046】本発明のポリ塩化ビニル組成物は、ポリ塩
化ビニルに適用されるような各種の成形方法に供するこ
とができ、それによって任意の形状の成形品を製造する
ことができる。かかる成形方法としては、例えば、射出
成形、押出成形、圧縮成形、ブロー成形、カレンダー成
形などを挙げることができる。本発明のポリ塩化ビニル
組成物から製造しうる成形品の形状としては、シート
状、板状、中空状、異型状などが例示される。
【0047】本発明のポリ塩化ビニル組成物から製造さ
れる成形品は、透明性及び耐衝撃性に優れるため、壁
材、天井材、一般建材、波板などとして特に有用であ
る。
【0048】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定される
ものではない。
【0049】なお、参考例として以下に示したコアシェ
ルポリマーの製造例中において用いた化学物質は下記の
とおりである。
【0050】・単量体:スチレン(St)、メチルメタ
クリレート(MMA)、ブチルアクリレート(BA)、
アリルメタクリレート(ALMA)、ジビニルベンゼン
(DVB)、ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)
スルフィド(MPSMA)
【0051】・界面活性剤:ラウロイルサルコシンナト
リウム
【0052】・重合開始剤:ペルオキソ2硫酸カリウム
(KPS)
【0053】参考例1(3層コアシェルポリマー(B−
1)の製造) 還流冷却器付きの2.0リットル容量の重合容器内に、
超純水600g及びラウロイルサルコシンナトリウム
3.36gを仕込み、窒素気流下に撹拌しながら、80
℃に昇温した。これに、St157.5g、DVB0.
79g及びALMA0.79gからなる単量体混合物を
一括添加し、30分間かけて乳化させた後、KPSを1
58mg添加し、2時間撹拌することによってコア層形
成のためのシード重合を行った。上記のようにしてシー
ド重合を行った後、KPS105mgを添加し、5分間
撹拌した後、BA105.0g及びALMA0.53g
からなる単量体混合物を60分間かけて連続フィード
し、中間層形成のためのシード重合を行った。上記のよ
うにしてシード重合を行った後、1時間熟成し、次いで
KPS38mgを添加し、5分間撹拌した後、MMA3
7.5gを30分間かけて連続フィードし、シェル形成
のためのシード重合を行った。この、シェル形成のため
のシード重合の後、1時間熟成し、次いで室温まで冷却
し、目開き150(μm)のプラスチック製網で濾過
し、3層コアシェルポリマーラテックスを得た。このラ
テックスを−30℃にて凍結させ、吸引濾過器で脱水洗
浄した後、60℃にて一昼夜送風乾燥して、コアシェル
ポリマー(B−1)を得た。得られたコアシェルポリマ
ー(B−1)について、下記方法で、ガラス転移温度、
平均粒径及び屈折率の測定を行った。
【0054】ガラス転移温度の測定 ガラス転移温度測定の試料は、該ポリマーを熱プレス成
形にて1.2mm厚さの平板とし、これを幅5mm、長
さ30mmに切り出すことによって作製した。3層コア
シェルポリマーにおける各層のガラス転移温度は、粘弾
性測定に基づいて決定した。すなわち、レオロジ社製の
粘弾性測定装置を用いて、試料に対し、周波数を固定し
て一定ひずみ振幅を強制的に与え、温度を変えながら応
力を測定することによって、各層ポリマーの動的損失
(tanδ)の温度分散を求め、損失ピークを示す温度
をガラス転移温度とした。
【0055】平均粒径の測定 平均粒径測定は、粒子のブラウン運動が大きな粒子では
遅く、小さな粒子になるほど早くなる原理を利用して、
動的光散乱法によって行った。すなわち、重合によって
得られたコアシェルポリマーのラテックスから採取した
試料を超純水で希釈したうえで測定セルに取り出し、大
塚電子社製の動的光散乱法粒径測定装置のセル室にセッ
トし、基準散乱強度値が8000〜12000の範囲に
なるよう調節してコアシェルポリマー粒子にレーザー光
を照射し、それぞれの粒径に対応した散乱光のゆらぎを
光子相関法を用いて解析することにより、平均粒径を測
定した。
【0056】屈折率の測定 3層コアシェルポリマー全体の屈折率については、該ポ
リマーを熱プレス成形にて1.2mm厚さの平板とし、
これをアタゴ社製アッベ屈折率計を用いて、JIS K
7105に準拠した方法で測定した。なお、コア層を構
成するポリマーの屈折率は、上記コア層形成のためのシ
ード重合によって得られたラテックスから採取したポリ
マー試料を同様にして平板に成形し、その屈折率を測定
したものであり、中間層の屈折率は、コア層形成のため
の重合工程を省略する以外は上記中間層形成のためのシ
ード重合と同様の条件で重合することによって得られた
ラテックスから採取したポリマー試料を同様にして平板
に成形し、その屈折率を測定したものである。
【0057】なお、コアシェルポリマー(B−1)にお
ける上記方法によるガラス転移温度、平均粒径及び屈折
率の測定結果は、後で説明する実施例1のデータの一部
として以下の表3に示す。
【0058】参考例2〜10(各種3層コアシェルポリ
マーの製造) 下記の表1又は表2に示す量の化学物質を使用する以外
は、参考例1と同様の操作を行うことによって、3層コ
アシェルポリマー(B−2)〜(B−10)を製造し、
参考例1と同様のガラス転移温度、平均粒径及び屈折率
の測定を行った。なお、測定結果は、後で説明する実施
例又は比較例のデータの一部として以下の表3及び表4
にそれぞれ示す。
【0059】参考例11(2層コアシェルポリマーの製
造) 下記の表2に示す量の化学物質を使用する以外は、参考
例1の中間層及びシェル層形成のためのシード重合と同
様の操作を行って、2層コアシェルポリマー(B−1
1)を製造し、参考例1と同様のガラス転移温度、平均
粒径及び屈折率の測定を行った。なお、測定結果は、後
で説明する比較例6のデータの一部として以下の表4に
示す。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】実施例1 上記参考例1で得られた3層コアシェルポリマー(B−
1)の8、10、12又は14重量部を、安定剤及び滑
剤をそれぞれ4.8重量%及び0.6重量%の割合で含
む透明なポリ塩化ビニル(平均重合度:800;上記測
定方法による屈折率:1.538)100重量部と予備
混合し、この混合物を190℃のロールで8分間混練
後、190℃の熱プレスで5分間圧縮成形することによ
って、それぞれポリ塩化ビニル組成物からなる所定厚さ
の平板状成形品を作製した。得られた平板状成形品を用
いて、以下に示す方法で、耐衝撃性試験及び透明性試験
を行った。
【0063】耐衝撃性試験 得られた成形品に切削工具にてノッチを入れ、JIS
K7110に規定する3.2mm厚さのアイゾット衝撃
試験片を作製した。この試験片を用いて温度23℃、湿
度47%の条件における衝撃値をJIS K7110に
準拠した方法で測定した。10回の測定を行いその平均
値を採用した。
【0064】透明性試験 得られた1.2mm厚さの平板について全光線透過率及
びヘイズをJIS K6714に準拠した方法で測定し
た。2回の測定を行い、その平均値を採用した。
【0065】上記の測定結果を以下の表3に示す。
【0066】実施例2〜5及び比較例1〜6 コアシェルポリマーとして下記の表3又は表4に示すと
おりのコアシェルポリマー(B−2)〜(B−11)の
うちの1種を使用する以外は実施例1と同様にして、そ
れぞれポリ塩化ビニル組成物からなる所定厚さの平板状
成形品を作製し、耐衝撃性試験及び透明性試験を行っ
た。得られた測定結果を、以下の表3及び表4にそれぞ
れ示す。
【0067】
【表3】
【0068】
【表4】
【0069】参考例12 実施例1で用いたものと同じポリ塩化ビニルを、コアシ
ェルポリマーを配合することなくそのまま使用する以外
は実施例1と同様にして、ポリ塩化ビニルからなる所定
厚さの平板状成形品を作製し、耐衝撃性試験及び透明性
試験を行った。耐衝撃強度は3.6kgf・cm/cm
2であり、全光線透過率は92.0%であり、ヘイズは
2.0%であった。
【0070】上記表3及び参考例12の結果から、実施
例1〜5で得られた本発明に従うポリ塩化ビニル組成物
は、参考例12におけるポリ塩化ビニル単独の場合とほ
ぼ同程度の高い全光線透過率又は低いヘイズのデータで
示されるように透明性に優れ、しかも同時に、ポリ塩化
ビニル単独の場合と比較して格段に高い耐衝撃強度のデ
ータで示されるように耐衝撃性にも優れることが分か
る。そして、これらの中でも、平均粒径が150〜17
0nmの範囲内にある実施例3及び5で得られたポリ塩
化ビニル組成物では、優れた透明性と優れた耐衝撃性と
を特に高度に両立することができることが分かる。ま
た、式(I)の数値が|X−Y|=0.004の3層コ
アシェルポリマーを使用する実施例5で得られたポリ塩
化ビニル組成物では、透明性において特に優れることが
分かる。
【0071】それに対し、上記表4から、比較例1〜6
で得られた本発明以外のポリ塩化ビニル組成物では、優
れた透明性と優れた耐衝撃性を両立させることができな
いことが分かる。すなわち、中間層を構成するポリマー
のガラス転移温度が高すぎる(−30℃)3層コアシェ
ルポリマーを使用する点で本発明とは相違する比較例1
で得られたポリ塩化ビニル組成物では、コアシェルポリ
マーの耐衝撃性向上効果が不十分であり、耐衝撃性をあ
まり高めることができないことが分かる。式(I)の数
値が|X−Y|=0.006の3層コアシェルポリマー
を使用する点で本発明とは相違する比較例2で得られた
ポリ塩化ビニル組成物では、透明性が低いことが分か
る。式(II)の数値が|y1−y2|=0.17の3層
コアシェルポリマーを使用する点で本発明とは相違する
比較例3で得られたポリ塩化ビニル組成物では、透明性
が低いことが分かる。平均粒径が小さすぎる(110n
m)3層コアシェルポリマーを使用する点で本発明とは
相違する比較例4で得られたポリ塩化ビニル組成物で
は、耐衝撃性が低いことが分かる。平均粒径が大きすぎ
る(220nm)3層コアシェルポリマーを使用する点
で本発明とは相違する比較例5で得られたポリ塩化ビニ
ル組成物では、透明性が低いことが分かる。また、シェ
ル層を構成するガラス状ポリマーとの屈折率差が0.0
5であるゴム状ポリマーからなるコア層(ガラス転移温
度−12.8℃)を含有する2層コアシェルポリマーを
使用する点で本発明とは相違する比較例6で得られたポ
リ塩化ビニル組成物では、耐衝撃性が低いことが分か
る。
【0072】
【発明の効果】本発明のポリ塩化ビニル組成物は、ポリ
塩化ビニルの優れた透明性を高度に保持しながら、ポリ
塩化ビニルと対比して改善された耐衝撃性を発揮するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 BC072 BC082 BC092 BD041 BD051 BG043 BG064 BN202 BN214 GL00 4J026 AA17 AA18 AA45 AA46 AC34 AC36 BA05 BA27 BB03 BB04 BB07 BB10 DA04 DA07 DA09 DA14 DB04 DB14 FA07 GA08 GA09

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)ポリ塩化ビニル(A)、並びに、
    ガラス転移温度が50℃以上であるガラス状ポリマーか
    らなるコア層、ガラス転移温度が−35℃以下であるゴ
    ム状ポリマーからなる中間層、及びガラス転移温度が5
    0℃以上であるガラス状ポリマーからなるシェル層から
    構成される3層コアシェルポリマー(B)を含有するポ
    リ塩化ビニル組成物であって; (2)上記ポリ塩化ビニル(A)の屈折率Xと上記3層
    コアシェルポリマー(B)の屈折率Yが式 【数1】|X−Y|≦0.005 で示される条件を満足し; (3)上記コア層を構成するガラス状ポリマーの屈折率
    y1と中間層を構成するゴム状ポリマーの屈折率y2が
    式 【数2】|y1−y2|≦0.15 で示される条件を満足し;かつ (4)上記3層コアシェルポリマー(B)の平均粒径が
    120〜200nmの範囲内である;ことを特徴とする
    ポリ塩化ビニル組成物。
  2. 【請求項2】 3層コアシェルポリマー(B)における
    コア層を構成するガラス状ポリマーがスチレン系化合物
    を主体とする単量体成分から形成され、中間層を構成す
    るゴム状ポリマーがアルキル基の炭素数が2〜8である
    アルキルアクリレートを主体とする単量体成分から形成
    され、かつシェル層を構成するガラス状ポリマーがメチ
    ルメタクリレートを主体とする単量体成分から形成さ
    れ、かつコア層を構成するガラス状ポリマーの屈折率y
    1と中間層を構成するゴム状ポリマーの屈折率y2が式 【数3】0.05≦y1−y2≦0.15 で示される条件を満足する請求項1記載のポリ塩化ビニ
    ル組成物。
  3. 【請求項3】 (1)ポリ塩化ビニル(A)にコアシェ
    ルポリマーを配合するに際し、該コアシェルポリマーと
    して; (2)ガラス転移温度が50℃以上であるガラス状ポリ
    マーからなるコア層、ガラス転移温度が−35℃以下で
    あるゴム状ポリマーからなる中間層、及びガラス転移温
    度が50℃以上であるガラス状ポリマーからなるシェル
    層から構成される3層コアシェルポリマー(B)であっ
    て; (3)上記ポリ塩化ビニル(A)の屈折率Xと上記3層
    コアシェルポリマー(B)の屈折率Yが式 【数4】|X−Y|≦0.005 で示される条件を満足し; (4)上記コア層を構成するガラス状ポリマーの屈折率
    y1と中間層を構成するゴム状ポリマーの屈折率y2が
    式 【数5】|y1−y2|≦0.15 で示される条件を満足し;かつ (5)平均粒径が120〜200nmの範囲内である;
    コアシェルポリマーを使用することを特徴とするポリ塩
    化ビニル組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】 3層コアシェルポリマー(B)における
    コア層を構成するガラス状ポリマーがスチレン系化合物
    を主体とする単量体成分から形成され、中間層を構成す
    るゴム状ポリマーがアルキル基の炭素数が2〜8である
    アルキルアクリレートを主体とする単量体成分から形成
    され、かつシェル層を構成するガラス状ポリマーがメチ
    ルメタクリレートを主体とする単量体成分から形成さ
    れ、かつコア層を構成するガラス状ポリマーの屈折率y
    1と中間層を構成するゴム状ポリマーの屈折率y2が式 【数6】0.05≦y1−y2≦0.15 で示される条件を満足する請求項3記載の製造方法。
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