JP2000053611A - アクリル酸混合ガス中のプロピオン酸の低減方法 - Google Patents

アクリル酸混合ガス中のプロピオン酸の低減方法

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JP2000053611A
JP2000053611A JP10226815A JP22681598A JP2000053611A JP 2000053611 A JP2000053611 A JP 2000053611A JP 10226815 A JP10226815 A JP 10226815A JP 22681598 A JP22681598 A JP 22681598A JP 2000053611 A JP2000053611 A JP 2000053611A
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propionic acid
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propylene
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Hisao Kinoshita
久夫 木下
Tsutomu Teshigawara
力 勅使河原
Nariyasu Kanuka
成康 嘉糠
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プロピレン及び/又はプロパンの気相酸化に
より得られるアクリル酸混合ガス中のプロピオン酸を選
択的に低減する方法の提供。 【解決手段】 原料ガスとしてプロピレン及び/又はプ
ロパンの気相酸化により得られるアクリル酸混合ガス
を、モリブデンと鉄、コバルト及びニッケルのうち少な
くとも一種とを含有する複合酸化物の存在下、熱処理す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクリル酸混合ガ
ス中のプロピオン酸の低減方法に関する。詳しくは、プ
ロピレン及び/又はプロパンの気相酸化により得られる
アクリル酸混合ガスを触媒の存在下に熱処理して混合ガ
ス中のプロピオン酸を選択的に低減させる方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】アクリル酸の製造方法としては、プロピ
レン及び/又はプロパンを原料とし、気相酸化する方法
が知られている。プロピレンを原料とするアクリル酸の
製造方法としては、 1.一挙に同一の触媒でプロピレンからアクリル酸まで
酸化する一段酸化法。 2.第一段の酸化工程で主としてアクロレインを製造
し、これを副生するアクリル酸等の副生成物と分離し、
得られたアクロレインを第二段酸化工程で酸化する二段
法。 3.第一段酸化工程で主としてアクロレインを製造し、
これを副生するアクリル酸やオフガスと分離することな
く一緒に第二段酸化工程で酸化する方法。(以下、連続
法という) 等があり、現在3の方法が主として工業的に実施されて
いる。また、プロパンを原料として直接酸化してアクリ
ル酸を製造する方法は、現在まで工業化には至っていな
いが、一挙に同一の触媒でプロパンからアクリル酸まで
酸化する一段酸化法が特開平6−279351号或いは
特開平7−10801号各公報に開示されている。
【0003】いずれの方法によっても、製造されるアク
リル酸中には副生した微量のプロピオン酸が含まれてい
る。ところが、アクリル酸と分子量がほぼ同じプロピオ
ン酸はアクリル酸と沸点が近接しており、又、化学的性
質もよく似ているため、蒸留その他の物理的手段或いは
化学的手段により分離することは困難である。
【0004】しかも、プロピオン酸又はそのエステルは
重合しないので、用途によってはアクリル酸又はアクリ
ル酸エステルの品質に及ぼす影響は大きく、特にプロピ
レン又はプロパンの一段酸化法によるアクリル酸製造の
場合には、プロピオン酸の生成が多いため製品としては
大きな問題となる。しかしながら、アクリル酸を製造す
る場合に副生するプロピオン酸の量を低減させる方法に
ついてはこれ迄に殆んど開示されておらず、唯一、特開
昭48−91014号又は特開昭52−29483号各
公報に、連続法の第二段の触媒としてプロピオン酸生成
の少ない触媒が開示されているのみである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記方
法の触媒においてもプロピオン酸の副生量は生成アクリ
ル酸に対して数百ppm以上であり、満足し得るもので
はない。本発明の目的は、プロピレン及び/又はプロパ
ンの気相酸化により得られるアクリル酸混合ガス中のプ
ロピオン酸を選択的に低減する方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記事情
に鑑み鋭意検討した結果、アクリル酸混合ガスを、特定
の複合酸化物の存在下、熱処理することにより、アクリ
ル酸を殆んど分解することなく、選択的にプロピオン酸
を分解できることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。即ち、本発明の要旨は、原料ガスとしてプロピレン
及び/又はプロパンの気相酸化により得られるアクリル
酸混合ガスを、モリブデンと鉄、コバルト及びニッケル
のうち少なくとも一種とを含有する複合酸化物の存在
下、熱処理することを特徴とするアクリル酸混合ガス中
のプロピオン酸の低減方法、にある。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において処理の対象となるプロピレン及び/又は
プロパンの気相酸化により得られるアクリル酸混合ガス
とは、従来公知のプロピレン及び/又はプロパンの気相
酸化により得られるアクリル酸含有ガスである。本発明
の効果上、特に好ましいものとして、下記のものが挙げ
られる。 (1)プロピレンの二段酸化により得られるアクリル酸
混合ガス (2)プロピレンの一段酸化により得られるアクリル酸
混合ガス (3)プロパンの一段酸化により得られるアクリル酸混
合ガス 該アクリル酸混合ガスは、アクリル酸及びプロピオン酸
を含有する限り、他の未反応の原料、副生成物等を含有
していてもよい。一般的な混合ガス成分を挙げるなら
ば、アクリル酸、プロピオン酸の他、CO、CO2 、酢
酸、アセトアルデヒド、アクロレイン、酸素、窒素、ス
チーム、未反応プロピレン又はプロパン等が含まれる。
ガス中のアクリル酸及びプロピオン酸の含有量としては
それぞれ1〜10モル%及び0.001〜0.1モル%
である。
【0008】本発明に用いられるモリブデンと鉄、コバ
ルト及びニッケルのうち少なくとも一種とを含有する複
合酸化物については、モリブデンと鉄、コバルト及びニ
ッケルのうち少なくとも一種とを含有する限り、通常の
酸化反応に用いられる複合酸化物を限定することなく使
用することができる。その中、特に好ましいものとし
て、式(I)で示される複合酸化物が挙げられる。
【0009】
【化2】Moa b x (I)
【0010】(式中、Moはモリブデン、Oは酸素、且
つAは鉄、コバルト及びニッケルのうち少なくとも一種
をそれぞれ表し、a及びbは各元素の原子比を表し、a
=1、0<b≦1、xは前記各成分の原子価を満足する
のに必要な酸素の原子数を表す) 式(I)中、Aが二種以上の元素を表わすとき、bの値
は、それらの原子比の和となる。
【0011】上記複合酸化物を製造する方法としては特
殊な方法である必要はなく、従来からよく知られている
調製法が採用できる。例えば各成分元素を含有する化合
物を水の存在下に溶解して混合させ、得られた混合物溶
液又はスラリーを蒸発乾固し、乾燥後成形し、焼成して
触媒を得る。複合酸化物の調製に用いる原料化合物とし
ては、各元素の硝酸塩、アンモニウム塩、ハロゲン化
物、炭酸塩、硫酸塩或いは酸化物等を組み合わせて使用
することができる。例えばモリブデン原料としてパラモ
リブデン酸アンモニウム、三酸化モリブデン等が、鉄原
料として硝酸第二鉄、炭酸鉄、硫酸第二鉄、硫酸第一
鉄、水酸化第二鉄等が、コバルト原料として硝酸コバル
ト、炭酸コバルト、一酸化コバルト等が、ニッケル原料
として硝酸ニッケル、炭酸ニッケル、一酸化ニッケル等
が使用できる。
【0012】複合酸化物を製造する際の、各成分化合物
の混合順序については特に制限はない。混合する場合の
温度は20〜100℃が好ましく、混合時間は均一に混
合できれば特に制限されず、混合後50〜100℃で1
〜20時間熟成するのが望ましい。こうして得られた触
媒前駆体スラリーを濃縮乾固した後、焼成工程を経て複
合酸化物とするが、焼成条件は250〜650℃の温度
で焼成するのが適当である。本発明で用いる複合酸化物
の形状は、特に限定されるものではなく、円柱状、リン
グ状、球状に触媒粉末を単独で成形したもの、不活性な
担体と混合し成形したもの或いは不活性担体に担持した
ものが挙げられる。用いられる担体としてはアルミナ、
シリカ、シリコンカーバイト、軽石等が挙げられる。
【0013】本発明におけるプロピオン酸低減のための
熱処理条件としては、 (1)圧力が、一般に常圧から数気圧までが良好で、特
に常圧〜3気圧が最適であり、 (2)温度は300〜500℃の範囲が良好で、特に3
50〜450℃の範囲内が有効であり、更に好ましくは
400〜450℃の範囲内が最適である。上記範囲以外
の低い温度ではプロピオン酸分解が遅く、逆に高い温度
ではアクリル酸の分解も進行する惧れがある。 (3)ガス空間速度(SV)はSV=5,000〜8
0,000hr-1の範囲が好ましく、SV=10,00
0〜50,000hr-1の範囲内が最適である。上記範
囲以外の大きいSVではプロピオン酸分解が少なく、逆
に小さいSVではアクリル酸の分解も進行する惧れがあ
る。
【0014】
【実施例】以下、実施例及び比較例を用いて本発明の内
容を具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない
限り本実施例により限定されるものではない。実施例及
び比較例中、アクリル酸の残存率及びプロピオン酸の残
存率は以下のように定義される。
【0015】
【数1】
【0016】
【数2】
【0017】実施例1 (a)複合酸化物の製造 パラモリブデン酸アンモニウム78.3gを純水500
mlに加熱して溶解し、次に、硝酸第二鉄14.9g、
硝酸コバルト96.8gを純水100mlに加熱し溶解
した。この二液を十分に撹拌しながら徐々に混合し、こ
の混合液に、シリカ60.0gを加えて、撹拌混合し
た。次に、このスラリーを加熱乾燥した後、空気雰囲気
で300℃/1時間熱処理し、得られた粒状固体を粉砕
し粒径12〜16メッシュの粒子とし、次にマッフル炉
にて500℃/4時間焼成を行って複合酸化物を得た。
仕込み原料から計算される触媒の金属成分の組成比は、
次の原子比を有する複合酸化物であった。 Mo:Fe:Co:Si=12:1:9:27
【0018】(b)原料ガスの製造 プロピレン酸化用触媒として特公平6−13097号公
報に開示される方法にて調製した下記組成の触媒40m
l Mo:Bi:Co:Fe:Na:B:K:Si=12:
1:0.6:7:0.1:0.2:0.1:18 を内径20mmのステンレス鋼製ナイタージャケット付
き反応器に充填し、プロピレン濃度10%、スチーム濃
度17%、及び空気濃度73%の原料ガスを常圧にてガ
ス空間速度750hr-1、反応浴温310℃にて通過さ
せ、更に連結部にノズルを設け連続して接続した内径2
0mmのステンレス鋼製ナイタージャケット付き反応器
に、アクロレイン酸化用触媒として特公平6−3891
8号公報に開示される方法にて調製した下記組成の触媒
50ml Sb:Ni:Mo:V:Nb:Cu:Si=100:4
3:35:7:3:3:80 を充填し、ノズルより中間空気を導入し、ガス空間速度
1350hr-1、反応浴温270℃にて通過させた。そ
の結果、アクリル酸8.9%、プロピオン酸0.003
%、酢酸0.3%、プロピレン0.3%、アクロレイン
0.03%、酸素3.5%、スチーム23%、CO+C
2 +窒素バランス、が含まれたアクリル酸混合ガスを
得た。
【0019】(c)プロピオン酸低減のための熱処理 得られた複合酸化物1mlを内径4mmのガラス製反応
器に充填し、常圧、ガス空間速度19,000hr-1
アクリル酸混合ガスを供給し反応温度400℃で反応を
行った。生成物を捕集し、ガスクロマトグラフィーで分
析した結果、アクリル酸残存率91.4%、プロピオン
酸残存率34%であった。
【0020】実施例2 実施例1の複合酸化物を用い、実施例1と同様に原料ガ
スを製造し、プロピオン酸低減のための熱処理温度を4
50℃とした以外は実施例1と同様にプロピオン酸低減
のための熱処理を行った。生成物を捕集し、ガスクロマ
トグラフィーで分析した結果、アクリル酸残存率86.
0%、プロピオン酸残存率11%であった。
【0021】実施例3 (a)複合酸化物の製造 パラモリブデン酸アンモニウム76.5gを純水500
mlに加熱して溶解し、次に、硝酸第二鉄102.1g
を純水100mlに加熱し溶解した。この二液を十分に
撹拌しながら徐々に混合し、この混合液に、シリカ7
1.6gを加えて、撹拌混合した。次に、このスラリー
を加熱乾燥した後、空気雰囲気で300℃/1時間熱処
理し、得られた粒状固体を粉砕し粒径12〜16メッシ
ュの粒子とし、次にマッフル炉にて500℃/4時間焼
成を行って複合酸化物を得た。仕込み原料から計算され
る触媒の金属成分の組成比は、次の原子比を有する複合
酸化物であった。 Mo:Fe:Si=12:7:33
【0022】(b)原料ガスの製造 実施例1と同様に行い、アクリル酸8.9%、プロピオ
ン酸0.003%、酢酸0.3%、プロピレン0.3
%、アクロレイン0.03%、酸素3.5%、スチーム
23%、CO+CO2 +窒素バランス、が含まれたアク
リル酸混合ガスを得た。
【0023】(c)プロピオン酸低減のための熱処理 実施例1と同様に行った。生成物を捕集し、ガスクロマ
トグラフィーで分析した結果、アクリル酸残存率89.
3%、プロピオン酸残存率24%であった。
【0024】実施例4 実施例3の複合酸化物を用い、実施例3と同様に原料ガ
スを製造し、プロピオン酸低減のための熱処理温度を4
50℃とした以外は実施例3と同様にプロピオン酸低減
のための熱処理を行った。生成物を捕集し、ガスクロマ
トグラフィーで分析した結果、アクリル酸残存率79.
6%、残存するプロピオン酸はトレース量であった。
【0025】実施例5 (a)複合酸化物の製造 パラモリブデン酸アンモニウム75.6gを純水500
mlに加熱して溶解し、次に、硝酸コバルト103.8
gを純水100mlに加熱し溶解した。この二液を十分
に撹拌しながら徐々に混合し、この混合液に、シリカ7
0.8gを加えて、撹拌混合した。次に、このスラリー
を加熱乾燥した後、空気雰囲気で300℃/1時間熱処
理し、得られた粒状固体を粉砕し粒径12〜16メッシ
ュの粒子とし、次にマッフル炉にて500℃/4時間焼
成を行って複合酸化物を得た。仕込み原料から計算され
る触媒の金属成分の組成比は、次の原子比を有する複合
酸化物であった。 Mo:Co:Si=12:10:27
【0026】(b)原料ガスの製造 実施例1と同様に行い、アクリル酸8.9%、プロピオ
ン酸0.003%、酢酸0.3%、プロピレン0.3
%、アクロレイン0.03%、酸素3.5%、スチーム
23%、CO+CO2 +窒素バランス、が含まれたアク
リル酸混合ガスを得た。
【0027】(c)プロピオン酸低減のための熱処理 プロピオン酸低減のための熱処理温度を450℃とした
以外は実施例1と同様に行った。生成物を捕集し、ガス
クロマトグラフィーで分析した結果、アクリル酸残存率
92.7%、プロピオン酸残存率24%であった。
【0028】実施例6 (a)複合酸化物の製造 実施例1と同様な方法で同一の複合酸化物を得た。 (b)原料ガスの製造 プロピレン一段酸化用触媒として特開平7−53448
号公報実施例1に準じて調製した下記組成の触媒0.5
ml Mo:V:Te:Nb:=1:0.3:0.23:0.
12 を内径6mmのガラス製反応管に充填し、プロピレン濃
度3%、酸素濃度10%、窒素濃度57%、スチーム濃
度30%の原料ガスを常圧にてガス空間速度7200h
-1、反応温度320℃にて通過させた。その結果、ア
クリル酸1.0%、プロピオン酸0.045%、酢酸
0.16%、プロピレン1.44%、アセトン0.23
%、酸素5.5%、CO+CO2 +窒素+スチームバラ
ンス、が含まれたアクリル酸混合ガスを得た。
【0029】(c)プロピオン酸低減のための熱処理 得られた複合酸化物1mlを内径4mmのガラス製反応
器に充填し、常圧、ガス空間速度19,000hr-1
反応温度400℃で反応を行った。生成物を捕集し、ガ
スクロマトグラフィーで分析した結果、アクリル酸残存
率91.0%、プロピオン酸残存率37%であった。
【0030】実施例7 (a)複合酸化物の製造 実施例1と同様な方法で同一の複合酸化物を得た。 (b)原料ガスの製造 プロパン一段酸化用触媒として特開平6−279351
号公報実施例1に準じて調製した下記組成の触媒0.1
ml Mo:V:Te:Nb:=1:0.3:0.23:0.
12 を内径6mmのガラス製反応管に充填し、プロパン濃度
6%、酸素濃度20%、窒素濃度64%、スチーム濃度
10%の原料ガスを常圧にてガス空間速度6000hr
-1、反応温度400℃にて通過させた。その結果、アク
リル酸0.4%、プロピオン酸0.0014%、酢酸
0.023%、プロピレン0.16%、プロパン5.2
%、酸素18%、CO+CO2 +窒素+スチームバラン
ス、が含まれたアクリル酸混合ガスを得た。
【0031】(c)プロピオン酸低減のための熱処理 得られた複合酸化物1mlを内径4mmのガラス製反応
器に充填し、常圧、ガス空間速度19,000hr-1
反応温度400℃で反応を行った。生成物を捕集し、ガ
スクロマトグラフィーで分析した結果、アクリル酸残存
率90.8%、プロピオン酸残存率35%であった。
【0032】比較例1 実施例1の複合酸化物に代えてガラスウールを用いた以
外、実施例1と同様にして原料ガスを製造し、実施例1
と同様にプロピオン酸低減のための熱処理を行った。生
成物を捕集し、ガスクロマトグラフィーで分析した結
果、アクリル酸及びプロピオン酸とも量に変化はなかっ
た。
【0033】比較例2 実施例1の複合酸化物に代えてFePO4 (市販品)を
用い、実施例1と同様にして原料ガスを製造し、プロピ
オン酸低減のための熱処理温度を反応温度を450℃、
SVを12000hr-1とした以外は実施例1と同様に
プロピオン酸低減のための熱処理を行った。生成物を捕
集し、ガスクロマトグラフィーで分析した結果、アクリ
ル酸残存率94.9%、プロピオン酸残存率77.7%
であった。
【0034】比較例3 実施例1の複合酸化物に代えてRuO2 (市販品 キシ
ダ化学)を用い、実施例1と同様にして原料ガスを製造
し、プロピオン酸低減のための熱処理温度を反応温度を
300℃、SVを53,000hr-1とした以外は実施
例1と同様にプロピオン酸低減のための熱処理を行っ
た。生成物を捕集し、ガスクロマトグラフィーで分析し
た結果、アクリル酸残存率82.0%、プロピオン酸残
存率160%であった。
【0035】
【発明の効果】本発明の方法は、プロピレン及び/又は
プロパンの気相酸化により得られるアクリル酸混合ガス
からプロピオン酸を選択的に低減させることができるた
め、製品としてのアクリル酸中のプロピオン酸含有量を
減らし、高純度のものを得ることができ、また、アクリ
ル酸エステルを重合するに際しても、不純物としてのプ
ロピオン酸の含有量が少ないので純度の高いアクリル酸
エステルを得ることができ、その工業的意義は大きいも
のである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 嘉糠 成康 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市事業所内 Fターム(参考) 4G069 AA03 BA02B BC59A BC59B BC66A BC66B BC67A BC67B BC68A CB17 DA06 4H006 AA02 AC46 AD30 BA14 BA19 BA20 BA21 BA30 BC13 BC50 BC51 BE30 BS10 4H039 CL00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料ガスとしてプロピレン及び/又はプ
    ロパンの気相酸化により得られるアクリル酸混合ガス
    を、モリブデンと鉄、コバルト及びニッケルのうち少な
    くとも一種とを含有する複合酸化物の存在下、熱処理す
    ることを特徴とするアクリル酸混合ガス中のプロピオン
    酸の低減方法。
  2. 【請求項2】 前記複合酸化物が式(I)で示されるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のアクリル酸混合ガス中
    のプロピオン酸の低減方法。 【化1】Moa b x (I) (式中、Moはモリブデン、Oは酸素、且つAは鉄、コ
    バルト及びニッケルのうち少なくとも一種をそれぞれ表
    し、a及びbは各元素の原子比を表し、a=1、0<b
    ≦1、xは前記各成分の原子価を満足するのに必要な酸
    素の原子数を表す)
  3. 【請求項3】 熱処理温度が、300〜500℃の範囲
    にあることを特徴とする請求項1又は2に記載のアクリ
    ル酸混合ガス中のプロピオン酸の低減方法。
  4. 【請求項4】 熱処理が、ガス空間速度SV=5,00
    0〜80,000hr-1で行うことを特徴とする請求項
    1ないし3のいずれかに記載のアクリル酸混合ガス中の
    プロピオン酸の低減方法。
  5. 【請求項5】 原料ガスが、プロピレンの二段酸化によ
    り得られるアクリル酸混合ガスであることを特徴とする
    請求項1ないし4のいずれかに記載のアクリル酸混合ガ
    ス中のプロピオン酸の低減方法。
  6. 【請求項6】 原料ガスが、プロピレンの一段酸化によ
    り得られるアクリル酸混合ガスであることを特徴とする
    請求項1ないし4のいずれかに記載のアクリル酸混合ガ
    ス中のプロピオン酸の低減方法。
  7. 【請求項7】 原料ガスが、プロパンの一段酸化により
    得られるアクリル酸混合ガスであることを特徴とする請
    求項1ないし4のいずれかに記載のアクリル酸混合ガス
    中のプロピオン酸の低減方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7253311B2 (en) 2001-10-01 2007-08-07 Basf Aktiengesellschaft Method for the production of acrylic acid by heterogeneously-catalysed gas-phase oxidation
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