JPH0957106A - メタクロレイン及びメタクリル酸合成用触媒の製造法 - Google Patents

メタクロレイン及びメタクリル酸合成用触媒の製造法

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JPH0957106A
JPH0957106A JP7216404A JP21640495A JPH0957106A JP H0957106 A JPH0957106 A JP H0957106A JP 7216404 A JP7216404 A JP 7216404A JP 21640495 A JP21640495 A JP 21640495A JP H0957106 A JPH0957106 A JP H0957106A
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catalyst
methacrylic acid
antimony trioxide
crystal phase
methacrolein
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JP7216404A
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Seigo Watanabe
聖午 渡辺
Hitoshi Yoshioka
仁 吉岡
Jinko Izumi
仁子 泉
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 イソブチレン又は三級ブタノールを分子状酸
素により気相接触酸化して、メタクロレイン及びメタク
リル酸を高収率で製造し得る新規な触媒の製造法を提供
する。 【解決手段】 少なくともモリブデン、ビスマス、鉄、
コバルト及び三酸化アンチモンを含む水性スラリーを調
製した後、該水性スラリーを100℃以上の温度で加熱
処理し、得られたスラリー状物を乾燥し、しかる後得ら
れた乾燥物を焼成して複合酸化物を得、かかる複合酸化
物を触媒成分として含有せしめるメタクロレイン及びメ
タクリル酸合成用触媒の製造法であって、かつ加熱処理
後のスラリー状物の固形分のX線回折像について、三酸
化アンチモン結晶相に起因するピーク(2θ=約27.
7°)強度がモリブデン酸コバルト又はその同型置換体
結晶相に起因するピーク(2θ=約23.2°)強度の
20%以下とするメタクロレイン及びメタクリル酸合成
用触媒の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メタクロレイン及
びメタクリル酸合成用触媒の製造法に関する。より詳し
くは、イソブチレン又は三級ブタノールを分子状酸素に
より気相接触酸化して、メタクロレイン及びメタクリル
酸を合成する際に使用する触媒の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、イソブチレン又は三級ブタノール
を高温気相下で接触酸化してメタクロレイン及びメタク
リル酸を製造する際に用いられる触媒については、例え
ば特開昭55−127328号公報、特開昭56−29
26号公報、特開昭56−161341号公報、特開昭
59−31727号公報等に種々提案されている。しか
しながら、これら提案されているものは主として触媒を
構成する成分及びその比率に関するものであり、触媒そ
のものを製造する方法についての詳細に関する記載は殆
どない。
【0003】又、特開昭57−12827号公報には、
モリブデン、ビスマス及びアンチモンを含有するプロピ
レンのアンモ酸化触媒の製造法として、モリブデン、ビ
スマス及び三酸化アンチモンを含む水性スラリーをpH
7以下に調整した後、40〜150℃の温度条件下で3
0分以上加熱処理する方法が開示されている。しかし、
本発明者らがかかる開示される方法に基づいてモリブデ
ン、ビスマス、鉄、コバルト及びアンチモンを含むメタ
クロレイン及びメタクリル酸合成用触媒の製造を試みた
ところ、100℃未満の温度条件下で加熱処理した場合
には、得られる触媒は、触媒活性、目的生成物選択性な
どの点で不十分であった。又、100℃以上の温度条件
下で加熱処理した場合でも必ずしも良好な触媒が得られ
るものではなく、工業触媒としては未だ不十分であっ
た。
【0004】このように、一般に上記した方法で得られ
る触媒では、工業的見地から更に改良が望まれているの
が現状である。
【0005】本発明者らは、上述した現状に鑑み鋭意検
討した結果、不十分な性能を示した触媒では、加熱処理
後のスラリー状物中に三酸化アンチモン結晶相の存在が
確認され、一方、良好な性能を示した触媒では、加熱処
理後のスラリー状物中に三酸化アンチモン結晶相が殆ど
存在していないことが確認され、加熱処理後のスラリー
状物中の三酸化アンチモン結晶相の有無が大きく影響す
ること、又、かかる加熱処理過程は触媒活性構造前駆体
の形成及び成長の過程であり、かかる前駆体形成反応に
アンチモンが深く関与しているとの考えに基づき本発明
に到達した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、メタクロレ
イン及びメタクリル酸合成用触媒の新規な製造法、即ち
イソブチレン又は三級ブタノールを分子状酸素により気
相接触酸化して、メタクロレイン及びメタクリル酸を合
成する際に使用する触媒の新規な製造法の提供を目的と
している。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくともモ
リブデン、ビスマス、鉄、コバルト及び三酸化アンチモ
ンを含む水性スラリーを調製した後、該水性スラリーを
100℃以上の温度で加熱処理し、次いで得られた加熱
処理したスラリー状物を乾燥し、しかる後得られた乾燥
物を焼成して複合酸化物を得、かかる複合酸化物を実質
的な触媒成分として含有せしめるメタクロレイン及びメ
タクリル酸合成用触媒の製造法であって、かつ加熱処理
後のスラリー状物の固形分のX線回折像(対陰極Cu−
Kα)について、三酸化アンチモン結晶相に起因するピ
ーク(2θ=約27.7°)強度がモリブデン酸コバル
ト又はその同型置換体結晶相に起因するピーク(2θ=
約23.2°)強度の20%以下とすることを特徴とす
るメタクロレイン及びメタクリル酸合成用触媒の製造法
である。
【0008】本発明において、触媒を構成する元素の種
類としては、モリブデン、ビスマス、鉄、コバルト及び
アンチモンの他に、ニッケル、マグネシウム、亜鉛、マ
ンガン、スズ、鉛、リン、ホウ素、イオウ、テルル、ケ
イ素、ゲルマニウム、セリウム、ニオブ、チタン、ジル
コニウム、タングステン、カリウム、ナトリウム、ルビ
ジウム、セシウム、タリウム等を適宜加えても良い。
【0009】本発明において、触媒を構成する元素の原
料としては特に限定はないが、通常は酸化物又は強熱す
ることにより酸化物になり得る塩化物、水酸化物、硫酸
塩、硝酸塩、炭酸塩、アンモニウム塩又はそれらの混合
物が用いられる。ただし、アンチモンの原料だけは三酸
化アンチモンに限定される。
【0010】本発明の特徴は、モリブデン、ビスマス、
鉄、コバルト及び三酸化アンチモンを含有する水性スラ
リーを調製した後、直ちに乾燥するのではなく、加熱処
理することである。一般にこの分野で多用されているモ
リブデン−ビスマス−鉄系の触媒は、まず触媒成分元素
を含む水性スラリーを調製し、必要に応じて加熱処理し
た後、乾燥し、続いて焼成することにより製造されてい
る例が多い。
【0011】本発明者らは、特にモリブデン、ビスマ
ス、鉄及びコバルトの他にアンチモンを含む触媒の製造
法について鋭意検討を重ねた結果、該水性スラリーの加
熱処理過程におけるモリブデン酸コバルト又はその同型
置換体結晶相の形成・成長度合い及びアンチモンの反応
状態が最終的な触媒の性能に大きく依存することを見出
したものである。即ち、アンチモン原料として三酸化ア
ンチモンを用いた場合、調製された水性スラリーを加熱
処理することにより、目的とする触媒の基本構造である
モリブデン酸コバルト又はその同型置換体結晶相がある
程度成長し、かつ三酸化アンチモンの大部分が消滅する
まで十分に反応させることが重要であることを見出した
ものである。ここで、三酸化アンチモンが十分に反応し
た状態とは、かかる加熱処理後のスラリー状物中に三酸
化アンチモン結晶相の残存量が十分に少ない状態をさ
し、具体的にはかかる加熱処理後におけるスラリー状物
の固形分のX線回折像(対陰極Cu−Kα)による三酸
化アンチモン結晶相に起因するピーク(2θ=約27.
7°)強度が十分に小さい状態、さらに具体的には、該
ピーク強度がモリブデン酸コバルト又はその同型置換体
結晶相に起因するピーク(2θ=約23.2°)強度に
対して20%以下となっている状態をさす。
【0012】本発明において、調製した水性スラリーの
加熱処理において、モリブデン酸コバルト又はその同型
置換体結晶相を形成・成長させるには加熱処理時の温度
として95℃程度でも十分であるが、三酸化アンチモン
を十分に反応させるためには、100℃以上の温度が必
要であり、101〜110℃の温度範囲がより好まし
い。
【0013】又、加熱処理時間としては、三酸化アンチ
モンを十分に反応させるためにもある程度の処理時間が
必要であり、40分以上の加熱処理が好ましい。なお、
加熱処理としては、加熱処理後においてもスラリー状の
形態を保持していることが重要であり、スラリー状物を
過度の加熱濃縮により蒸発乾固してはならない。
【0014】本発明において、モリブデン酸コバルトの
同型置換体結晶とは、モリブデン酸コバルトと実質的に
同型の結晶型を有するコバルト以外の金属のモリブデン
酸塩の結晶、もしくはモリブデン酸コバルト結晶中の一
部のコバルト原子が他元素と置換された結晶を意味する
ものである。
【0015】本発明において、加熱処理後のスラリー状
物を乾燥する方法としては特に限定はなく、汎用の箱型
乾燥機、噴霧乾燥機、ドラムドライヤー、スラリードラ
イヤー等を用いることができる。なお、本発明における
乾燥とは、該スラリー状物からある程度の水分を除去す
ることにより、実質的に固形状物にすることであり、乾
燥後の含水量等に関しては特に規定はない。又、乾燥物
の形状についても特に限定はなく、粉体状でもブロック
状でもよい。
【0016】本発明において、上述した方法で得られた
乾燥物から最終的な実用触媒を得る方法としてかかる乾
燥物を焼成する。焼成の方法としては特に限定はない
が、通常は該乾燥物を200〜400℃の範囲で1〜5
時間程度仮焼し、続いて必要に応じて成型するか、ある
いは不活性担体に担持し、その後400〜650℃の範
囲で1〜20時間程度焼成する方法が用いられる。
【0017】本発明の製造法で得られた触媒は成型体又
は担持体として固定床で使用することが好ましいが、粒
状物として流動床で使用してもよい。
【0018】本発明の製造法により得られた触媒を用い
て、イソブチレン又は三級ブタノールを分子状酸素によ
り気相接触酸化して、メタクロレイン及びメタクリル酸
を製造するに際しては、イソブチレン又は三級ブタノー
ル対酸素のモル比は1:0.5〜3が好ましい。原料の
イソブチレン又は三級ブタノールは不活性ガスで希釈し
て用いることが好ましい。酸化に用いられる分子状酸素
は純酸素ガスでも良いが、工業的には空気が有利であ
る。反応圧力は常圧ないし数気圧まで用いられる。反応
温度は300〜450℃の範囲が好ましい。
【0019】
【実施例】以下、本発明による触媒の製造法及び得られ
た触媒を用いての反応例についての実施例を比較例と共
に具体的に説明する。ただし、下記実施例及び比較例中
の「部」は重量部を意味する。反応用原料としてのイソ
ブチレン又は三級ブタノールの反応率、生成されるメタ
クロレイン及びメタクリル酸の選択率は以下のように定
義される。又、反応試験分析はガスクロマトグラフィー
によった。
【0020】反応用原料の反応率(%)={(反応した
原料のモル数)/(供給した原料のモル数)}×100 メタクロレインの選択率(%)={(生成したメタクロ
レインのモル数)/(反応した原料のモル数)}×10
0 メタクリル酸の選択率(%)={(生成したメタクリル
酸のモル数)/(反応した原料のモル数)}×100 [実施例1]水6000部にパラモリブデン酸アンモニ
ウム3000部及びパラタングステン酸アンモニウム1
84.8部を加え加熱攪拌しA液とした。これとは別に
水5500部に60%硝酸水溶液100部、硝酸ビスマ
ス1030.3部、硝酸第二鉄915.3部、硝酸ニッ
ケル1235.0部、硝酸コバルト1235.9部、硝
酸鉛469.0部、硝酸マンガン325.2部及び硝酸
ルビジウム104.4部を順次加え溶解しB液とした。
攪拌下、A液にB液を混合し、さらに三酸化アンチモン
206.4部を添加し、水性スラリーを得た。
【0021】得られた水性スラリーを104℃に加熱
し、50分間加熱処理した。得られたスラリー状物のう
ち若干量を採取し、濾過により固液分離した。固液分離
された固形分についてX線回折像(対陰極Cu−Kα)
を測定したところ、三酸化アンチモン結晶相に起因する
ピーク(2θ=約27.7°)はほぼ消滅していて、検
出下限以下であった。
【0022】続いて、該スラリー状物を噴霧乾燥した。
得られた乾燥物を300℃で1時間仮焼した後、直径及
び高さが共に3mmの円柱状に成型し、これを510℃
で3時間焼成した。
【0023】得られた触媒の組成は分析した結果次のと
おりであった。
【0024】Mo12Bi1.5Fe1.6Ni3Co3Pb1
0.80.5Sb1Rb0.5x (式中、Mo、Bi、Fe、Ni、Co、Pb、Mn、
W、Sb、Rb及びOはそれぞれモリブデン、ビスマ
ス、鉄、ニッケル、コバルト、鉛、マンガン、タングス
テン、アンチモン、ルビジウム及び酸素を表す。又、元
素記号の右に併記の添数字は各元素の原子比であり、x
は前記各成分の原子価を満足するのに必要な酸素原子数
である。) この触媒をステンレス製反応管に充填し、イソブチレン
5%、酸素12%、水蒸気10%及び窒素73%(容量
%)の原料混合ガスを接触時間4.5秒で触媒層を通過
させ、350℃で反応させた。生成物を捕集し、ガスク
ロマトグラフィーで分析したところ、イソブチレンの反
応率97.6%、メタクロレインの選択率88.0%、
メタクリル酸の選択率5.8%であった。
【0025】[実施例2]実施例1において、水性スラ
リーの加熱処理温度を101℃及び加熱処理時間を80
分とするほかは実施例1と同じ方法によりスラリー状物
を得た。その後、実施例1と同じ方法によりX線回折像
を測定したところ、三酸化アンチモン結晶相に起因する
ピークはぼ消滅していて、検出下限以下であった。
【0026】以下実施例1と同じ方法により仮焼、成
型、焼成を行い、実施例1と同じ触媒組成を有する触媒
を得た。
【0027】得られた触媒を用いて、実施例1と同じ方
法により同じ原料混合ガスを用いて反応を行ったとこ
ろ、イソブチレンの反応率97.6%、メタクロレイン
の選択率88.0%、メタクリル酸の選択率5.8%で
あり、触媒の性能は実施例1と同等であった。
【0028】[比較例1]実施例1において、水性スラ
リーの加熱処理温度を95℃及び加熱処理時間を100
分に変更するほかは実施例1と同様の方法によりスラリ
ー状物を得、さらに実施例1と同様の方法によりX線回
折像を測定し、モリブデン酸コバルト又はその同型置換
体結晶相に起因するピーク(2θ=約23.2°)強度
(a)及び三酸化アンチモン結晶相に起因するピーク
(2θ=約27.7°)強度(b)を求めたところ、b
/a=1.2であった。即ち、加熱処理後においても多
量の三酸化アンチモン結晶相が残存していることがわか
った。
【0029】以下実施例1と同じ方法により仮焼、成
型、焼成を行い、実施例1と同じ触媒組成を有する触媒
を得た。
【0030】得られた触媒を用いて、実施例1と同じ方
法により同じ原料混合ガスを用いて反応を行ったとこ
ろ、イソブチレンの反応率94.1%、メタクロレイン
の選択率86.1%、メタクリル酸の選択率4.7%で
あり、得られた触媒の性能は実施例1と比べ劣るもので
あった。
【0031】[比較例2]実施例1において、水性スラ
リーの加熱処理温度を103℃及び加熱処理時間を20
分に変更するほかは実施例1と同様の方法によりスラリ
ー状物を得、さらに実施例1と同様の方法によりX線回
折像を測定し、モリブデン酸コバルト又はその同型置換
体結晶相に起因するピーク強度(c)及び三酸化アンチ
モン結晶相に起因するピーク強度(d)を求めたとこ
ろ、d/c=0.3であった。即ち、加熱処理後におい
てもある程度の三酸化アンチモン結晶相が残存している
ことがわかった。
【0032】以下実施例1と同じ方法により仮焼、成
型、焼成を行い、実施例1と同じ触媒組成を有する触媒
を得た。
【0033】得られた触媒を用いて、実施例1と同じ方
法により同じ原料混合ガスを用いて反応を行ったとこ
ろ、イソブチレンの反応率95.2%、メタクロレイン
の選択率86.9%、メタクリル酸の選択率4.9%で
あり、得られた触媒の性能は実施例1と比べ劣るもので
あった。
【0034】[実施例3]水6000部にパラモリブデ
ン酸アンモニウム3000部を加え加熱攪拌しC液とし
た。これとは別に水5500部に60%硝酸水溶液10
0部、硝酸ビスマス686.9部、硝酸第二鉄858.
1部、硝酸ニッケル411.7部、硝酸コバルト247
1.9部、硝酸マグネシウム290.5部、硝酸セシウ
ム110.4部及び硝酸カリウム7.2部を順次加え溶
解しD液とした。攪拌下、C液にD液を混合し、さらに
三酸化アンチモン165.1部及び二酸化チタン22.
6部を添加し、水性スラリーを得た。
【0035】得られた水性スラリーを102℃に加熱
し、40分間加熱処理した。得られたスラリー状物のう
ち若干量を採取し、濾過により固液分離した。固液分離
された固形分について実施例1と同じ方法によりX線回
折像を測定し、モリブデン酸コバルト又はその同型置換
体結晶相に起因するピーク強度(f)及び三酸化アンチ
モン結晶相に起因するピーク強度(g)を求めたとこ
ろ、g/f=0.15であった。即ち、三酸化アンチモ
ン結晶相は痕跡程度残っているだけであった。
【0036】続いて、該スラリー状物を噴霧乾燥した。
得られた乾燥物を300℃で1時間仮焼した後、直径及
び高さが共に3mmの円柱状に成型し、これを510℃
で3時間焼成した。
【0037】得られた触媒の組成は次のとおりであっ
た。
【0038】Mo12Bi1Fe1.5Ni1Co6Mg0.8
0.2Sb0.8Cs0.40.05X (式中、Mo、Bi、Fe、Ni、Co、Mg、Ti、
Sb、Cs、K及びOはそれぞれモリブデン、ビスマ
ス、鉄、ニッケル、コバルト、マグネシウム、チタン、
アンチモン、セシウム、カリウム及び酸素を表す。又、
元素記号の右に併記の添数字は各元素の原子比であり、
xは前記各成分の原子価を満足するのに必要な酸素原子
数である。) この触媒を用いて、原料混合ガスの構成成分としてイソ
ブチレンの代わりに三級ブタノールに変更するほかは実
施例1と同じ方法により反応を行ったところ、三級ブタ
ノールの反応率100%、メタクロレインの選択率8
8.1%、メタクリル酸の選択率5.3%であった。
【0039】[比較例3]実施例3において、水性スラ
リーの加熱処理温度を90℃及び加熱処理時間を150
分に変更するほかは実施例1と同じ方法によりスラリー
状物を得、実施例1と同じ方法によりX線回折像を測定
し、モリブデン酸コバルト又はその同型置換体結晶相に
起因するピーク強度(h)及び三酸化アンチモン結晶相
に起因するピーク強度(i)を求めたところ、i/h=
0.9であった。即ち、加熱処理後においても多量の三
酸化アンチモン結晶相が残存していることがわかった。
【0040】以下実施例3と同じ方法により仮焼、成
型、焼成を行い、実施例3と同じ触媒組成を有する触媒
を得た。
【0041】得られた触媒を用いて、実施例3と同じ方
法により同じ原料混合ガスを用いて反応を行ったとこ
ろ、三級ブタノールの反応率100%、メタクロレイン
の選択率85.4%、メタクリル酸の選択率4.3%で
あり、得られた触媒の性能は実施例3と比べ劣るもので
あった。
【0042】
【発明の効果】本発明のメタクロレイン及びメタクリル
酸合成用触媒の製造法によると、触媒活性及び目的生成
物の選択性に優れた触媒を容易に再現性よく製造するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 45/37 C07C 45/37 47/22 9049−4H 47/22 A 9049−4H J // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともモリブデン、ビスマス、鉄、
    コバルト及び三酸化アンチモンを含む水性スラリーを調
    製した後、該水性スラリーを100℃以上の温度で加熱
    処理し、次いで得られた加熱処理したスラリー状物を乾
    燥し、しかる後得られた乾燥物を焼成して複合酸化物を
    得、かかる複合酸化物を実質的な触媒成分として含有せ
    しめるメタクロレイン及びメタクリル酸合成用触媒の製
    造法であって、かつ加熱処理後のスラリー状物の固形分
    のX線回折像(対陰極Cu−Kα)について、三酸化ア
    ンチモン結晶相に起因するピーク(2θ=約27.7
    °)強度がモリブデン酸コバルト又はその同型置換体結
    晶相に起因するピーク(2θ=約23.2°)強度の2
    0%以下とすることを特徴とするメタクロレイン及びメ
    タクリル酸合成用触媒の製造法。
  2. 【請求項2】 加熱処理が40分以上であることを特徴
    とする請求項1のメタクロレイン及びメタクリル酸合成
    用触媒の製造法。
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