JP2000051002A - シートクッションパッドの製造装置及びその製造方法 - Google Patents
シートクッションパッドの製造装置及びその製造方法Info
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- JP2000051002A JP2000051002A JP10228117A JP22811798A JP2000051002A JP 2000051002 A JP2000051002 A JP 2000051002A JP 10228117 A JP10228117 A JP 10228117A JP 22811798 A JP22811798 A JP 22811798A JP 2000051002 A JP2000051002 A JP 2000051002A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 簡単な構成により、一種類の金型により上層
及び下層が成形可能であるようにした、シートクッショ
ンパッドの製造方法そ装置を提供する。 【解決手段】 金型10内に画成したキャビティC内
に、表層成形用の第一のウレタン原液14を注入する第
一の段階と、続いて、金型を加熱することにより、ガス
抜きしながら発泡させると共に、金型を回動させて、発
泡する第一のウレタン原液をキャビティ表面に亘って付
着させて表層21を成形する第二の段階と、第一のウレ
タン原液による成形品がある程度硬化した後、金型を閉
じたまま、金型のゲート11aを介して、金型キャビテ
ィC内の表層を除く空洞内にコア層成形用の第二のウレ
タン原液16を注入して、ガス抜きしながら発泡させて
コア層22を成形する第三の段階と、最後に、金型か
ら、成形品を脱型する第四の段階とを含むようにしてシ
ートクッションパッド20を製造する。
及び下層が成形可能であるようにした、シートクッショ
ンパッドの製造方法そ装置を提供する。 【解決手段】 金型10内に画成したキャビティC内
に、表層成形用の第一のウレタン原液14を注入する第
一の段階と、続いて、金型を加熱することにより、ガス
抜きしながら発泡させると共に、金型を回動させて、発
泡する第一のウレタン原液をキャビティ表面に亘って付
着させて表層21を成形する第二の段階と、第一のウレ
タン原液による成形品がある程度硬化した後、金型を閉
じたまま、金型のゲート11aを介して、金型キャビテ
ィC内の表層を除く空洞内にコア層成形用の第二のウレ
タン原液16を注入して、ガス抜きしながら発泡させて
コア層22を成形する第三の段階と、最後に、金型か
ら、成形品を脱型する第四の段階とを含むようにしてシ
ートクッションパッド20を製造する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用シートの
座部を構成するシートクッションパッドの製造装置及び
その製造方法に関するものである。
座部を構成するシートクッションパッドの製造装置及び
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車用シートは座部及び背当て
部から成り、このうち、座部(シートクッション)は、
例えば図4に示すようにシートクッションパッド2が内
設されている。
部から成り、このうち、座部(シートクッション)は、
例えば図4に示すようにシートクッションパッド2が内
設されている。
【0003】ここで、上記シートクッションパッド2
は、図4に示すように、座り心地を良くするために、上
層4及び下層5から成る二層構造になっている。上層4
は比較的柔らかい材料から構成されていると共に、下層
5は比較的固い材料から構成されている。これにより、
シートクッション1上に座った人の体圧分布が、シート
クッション1全体に亘って均一に分散されることにな
り、局部的な圧迫疲労が回避され得るようになってい
る。
は、図4に示すように、座り心地を良くするために、上
層4及び下層5から成る二層構造になっている。上層4
は比較的柔らかい材料から構成されていると共に、下層
5は比較的固い材料から構成されている。これにより、
シートクッション1上に座った人の体圧分布が、シート
クッション1全体に亘って均一に分散されることにな
り、局部的な圧迫疲労が回避され得るようになってい
る。
【0004】このような構成のシートクッション1は、
例えば図5に示すようにして製造される。先ず図5
(A)において、下型6と上層4を形成すべき第一の上
型7との間のキャビティ内に、ノズル8aから上層4を
形成すべき第一のウレタン原液が注入され、このウレタ
ン原液をガス抜きしながら発泡させることにより、上層
4が成形される。その後、図5(B)に示すように、第
一の上型7が除去されることにより、上層4が得られ
る。
例えば図5に示すようにして製造される。先ず図5
(A)において、下型6と上層4を形成すべき第一の上
型7との間のキャビティ内に、ノズル8aから上層4を
形成すべき第一のウレタン原液が注入され、このウレタ
ン原液をガス抜きしながら発泡させることにより、上層
4が成形される。その後、図5(B)に示すように、第
一の上型7が除去されることにより、上層4が得られ
る。
【0005】次に、図5(C)に示すように、下層成形
用の第二の上型9により下型6が閉塞される。そして、
下型6と第二の上型9との間に、ノズル8bから第二の
ウレタン原液が注入され、例えばキュアを2分間行なっ
て、このウレタン原液をガス抜きしながら発泡させるこ
とにより、下層5が成形される。そして、図5(D)に
示すように、第二の上型9が除去されることにより、上
層4に対して一体成形された下層5が得られる。最後
に、下型6から、上層4及び下層5から成る成形品が脱
型されることにより、図5(E)に示すようにシートク
ッションパッド2が完成する。
用の第二の上型9により下型6が閉塞される。そして、
下型6と第二の上型9との間に、ノズル8bから第二の
ウレタン原液が注入され、例えばキュアを2分間行なっ
て、このウレタン原液をガス抜きしながら発泡させるこ
とにより、下層5が成形される。そして、図5(D)に
示すように、第二の上型9が除去されることにより、上
層4に対して一体成形された下層5が得られる。最後
に、下型6から、上層4及び下層5から成る成形品が脱
型されることにより、図5(E)に示すようにシートク
ッションパッド2が完成する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成のシートクッション1においては、その製造の
際に、図5に示すように、上型として上層4を成形する
ための第一の上型7と、下層を成形するための第二の上
型9との二つの上型が必要となる。従って、これらの上
型のコストが高くなってしまうという解決すべき課題が
あった。また、上型7,9は、それぞれ下型6を閉塞す
るように組み合わせられた状態で、上層4及び下層5を
成形することから、これらの型構造が複雑になり、成形
コストが高くなってしまうという解決すべき課題があっ
た。
うな構成のシートクッション1においては、その製造の
際に、図5に示すように、上型として上層4を成形する
ための第一の上型7と、下層を成形するための第二の上
型9との二つの上型が必要となる。従って、これらの上
型のコストが高くなってしまうという解決すべき課題が
あった。また、上型7,9は、それぞれ下型6を閉塞す
るように組み合わせられた状態で、上層4及び下層5を
成形することから、これらの型構造が複雑になり、成形
コストが高くなってしまうという解決すべき課題があっ
た。
【0007】さらに、下層5を成形するために第二のウ
レタン原液を金型即ち下型6及び第二の上型9内に導入
するためには、第一の上型7を一旦開いた後、第二の上
型9を組み合わせる必要がある。このため、第一の上型
7を開くときには、下型6内で成形された上層4が既に
成形終了している必要がある。従って、上層4の成形
後、第一の上型7を開くまでに十分な時間をとる必要が
あり、生産効率が低下してしまっていた。
レタン原液を金型即ち下型6及び第二の上型9内に導入
するためには、第一の上型7を一旦開いた後、第二の上
型9を組み合わせる必要がある。このため、第一の上型
7を開くときには、下型6内で成形された上層4が既に
成形終了している必要がある。従って、上層4の成形
後、第一の上型7を開くまでに十分な時間をとる必要が
あり、生産効率が低下してしまっていた。
【0008】そこで、本発明は以上の点に鑑み、簡単な
構成により、一種類の金型により上層及び下層が成形可
能であるようにした、シートクッションパッドの製造装
置及びその製造方法を提供することを目的としている。
構成により、一種類の金型により上層及び下層が成形可
能であるようにした、シートクッションパッドの製造装
置及びその製造方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明によ
れば、金型内に画成されたキャビティ内に、表層成形用
の第一のウレタン原液を注入する第一の段階と、続い
て、金型を加熱することにより、ガス抜きしながら発泡
させると共に、金型を回動させて、発泡する上記第一の
ウレタン原液をキャビティ表面に亘って付着させて、表
層を成形する第二の段階と、上記第一のウレタン原液に
よる成形品がある程度硬化した後、上記金型を閉じたま
ま、金型のゲートを介して金型キャビティ内の表層を除
く空洞内にコア層成形用の第二のウレタン原液を注入し
て、ガス抜きしながら発泡させて、コア層を成形する第
三の段階と、最後に、上記金型から、成形品を脱型する
第四の段階とを含んでいることを特徴とするシートクッ
ションパッドの製造方法により、達成される。本発明に
よるシートクッションパッドの製造方法は、好ましく
は、上記第一の段階にて、第一のウレタン原液の注入が
金型を開いた状態で行なわれる。本発明によるシートク
ッションパッドの製造方法は、好ましくは、上記第一の
段階にて、第一のウレタン原液の注入が金型を閉じた状
態で行なわれる。本発明によるシートクッションパッド
の製造方法は、好ましくは、上記第二の段階にて、金型
が回転されることにより、第一のウレタン原液が金型キ
ャビティの表面全体に亘って付着される。本発明による
シートクッションパッドの製造方法は、好ましくは、上
記第二の段階において、金型が揺動されることにより、
第一のウレタン原液が金型キャビティの表面のうちシー
トクッションパッドの上面領域に対応する部分に付着さ
れる。
れば、金型内に画成されたキャビティ内に、表層成形用
の第一のウレタン原液を注入する第一の段階と、続い
て、金型を加熱することにより、ガス抜きしながら発泡
させると共に、金型を回動させて、発泡する上記第一の
ウレタン原液をキャビティ表面に亘って付着させて、表
層を成形する第二の段階と、上記第一のウレタン原液に
よる成形品がある程度硬化した後、上記金型を閉じたま
ま、金型のゲートを介して金型キャビティ内の表層を除
く空洞内にコア層成形用の第二のウレタン原液を注入し
て、ガス抜きしながら発泡させて、コア層を成形する第
三の段階と、最後に、上記金型から、成形品を脱型する
第四の段階とを含んでいることを特徴とするシートクッ
ションパッドの製造方法により、達成される。本発明に
よるシートクッションパッドの製造方法は、好ましく
は、上記第一の段階にて、第一のウレタン原液の注入が
金型を開いた状態で行なわれる。本発明によるシートク
ッションパッドの製造方法は、好ましくは、上記第一の
段階にて、第一のウレタン原液の注入が金型を閉じた状
態で行なわれる。本発明によるシートクッションパッド
の製造方法は、好ましくは、上記第二の段階にて、金型
が回転されることにより、第一のウレタン原液が金型キ
ャビティの表面全体に亘って付着される。本発明による
シートクッションパッドの製造方法は、好ましくは、上
記第二の段階において、金型が揺動されることにより、
第一のウレタン原液が金型キャビティの表面のうちシー
トクッションパッドの上面領域に対応する部分に付着さ
れる。
【0010】さらに本発明によるシートクッションパッ
ドの製造装置は、シートクッションパッドの外形を構成
するキャビティを内部に画成する上型と下型とからなる
金型と、この金型を全体的に回転可能な回転機構とを有
し、キャビティ内に成形材料を注入するためのゲートを
金型に備えるものである。
ドの製造装置は、シートクッションパッドの外形を構成
するキャビティを内部に画成する上型と下型とからなる
金型と、この金型を全体的に回転可能な回転機構とを有
し、キャビティ内に成形材料を注入するためのゲートを
金型に備えるものである。
【0011】上記構成によれば、シートクッションパッ
ドを構成する表層及びコア層に対してそれぞれ成形用の
金型、即ち上型を用意する必要がなく、一種類の金型に
よって表層及びコア層を成形することができる。従っ
て、金型構造が比較的簡単であることから、金型コスト
が大幅に低減される。また、製造途中で、例えば上型を
交換するために、金型を開く必要がないことから、表層
を形成すべき第一のウレタン原液による成形品がある程
度硬化した後、コア層を形成すべき第二のウレタン原液
を金型内に注入することができる。従って、従来のよう
に、表層を形成すべき第一のウレタン原液が完全に硬化
するまで待つ必要がないので、製造工程における待ち時
間が短縮されることになり、生産効率が向上する。
ドを構成する表層及びコア層に対してそれぞれ成形用の
金型、即ち上型を用意する必要がなく、一種類の金型に
よって表層及びコア層を成形することができる。従っ
て、金型構造が比較的簡単であることから、金型コスト
が大幅に低減される。また、製造途中で、例えば上型を
交換するために、金型を開く必要がないことから、表層
を形成すべき第一のウレタン原液による成形品がある程
度硬化した後、コア層を形成すべき第二のウレタン原液
を金型内に注入することができる。従って、従来のよう
に、表層を形成すべき第一のウレタン原液が完全に硬化
するまで待つ必要がないので、製造工程における待ち時
間が短縮されることになり、生産効率が向上する。
【0012】上記第二の段階にて、金型を回転すること
により、第一のウレタン原液が金型キャビティの表面全
体に亘って付着される場合には、完成した成形品につい
て、その表面全体に表層が形成されることになるが、第
一のウレタン原液の金型キャビティの表面全体への付着
は管理が容易である。従って、コストがより低減され
る。
により、第一のウレタン原液が金型キャビティの表面全
体に亘って付着される場合には、完成した成形品につい
て、その表面全体に表層が形成されることになるが、第
一のウレタン原液の金型キャビティの表面全体への付着
は管理が容易である。従って、コストがより低減され
る。
【0013】上記第二の段階にて、金型が揺動されるこ
とにより、第一のウレタン原液が金型キャビティの表面
のうち、シートクッションパッドの上面領域に対応する
部分に付着される場合には、完成した成形品について、
表層が必要な領域即ち上面のみに形成されることにな
る。
とにより、第一のウレタン原液が金型キャビティの表面
のうち、シートクッションパッドの上面領域に対応する
部分に付着される場合には、完成した成形品について、
表層が必要な領域即ち上面のみに形成されることにな
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面に示した実施形態に基
づいて本発明を詳細に説明する。図1は、本発明による
シートクッションパッドの製造方法の一実施形態を示し
ている。図2は、図1の製造方法で使用される製造装置
の金型の概略斜視図である。図1(A)及び図2に示す
ように、シートクッションパッドの製造装置の金型10
は、上型11及び下型12とから構成されており、上型
11及び下型12が互いに閉じられたとき、内部にシー
トクッションパッドの外形を形成するキャビティCが画
成され得ると共に、回転機構(図示せず)を備えてい
て、全体が回転軸の周りに矢印A方向に回転可能に支持
されている。さらに、上型11は、キャビティC内に成
形材料を注入するためのゲート11aを備えている。
づいて本発明を詳細に説明する。図1は、本発明による
シートクッションパッドの製造方法の一実施形態を示し
ている。図2は、図1の製造方法で使用される製造装置
の金型の概略斜視図である。図1(A)及び図2に示す
ように、シートクッションパッドの製造装置の金型10
は、上型11及び下型12とから構成されており、上型
11及び下型12が互いに閉じられたとき、内部にシー
トクッションパッドの外形を形成するキャビティCが画
成され得ると共に、回転機構(図示せず)を備えてい
て、全体が回転軸の周りに矢印A方向に回転可能に支持
されている。さらに、上型11は、キャビティC内に成
形材料を注入するためのゲート11aを備えている。
【0015】このようなシートクッションパッドの製造
装置の金型10を使用することにより、シートクッショ
ンパッドは以下のようにして製造される。先ず図1
(A)に示すように、金型10は、図示の場合、上型1
1が下型12に対して開かれており、キャビティC内に
ノズル13を介して表層を形成するための第一のウレタ
ン原液14を注入する。この第一のウレタン原液4を、
金型10を閉じた状態で注入する場合は、ゲート11a
からキャビティC内に導入すればよい。そして、図1
(B)に示すように、金型10を図示しない加熱手段に
より加熱して、上記ウレタン原液14をガス抜きしなが
ら発泡させると共に、金型10全体を矢印Aで示すよう
に回転させる。加熱することにより発泡反応が促進され
且つ粘度が上昇したウレタン原液14は、金型10の回
転と共に重力により流れて、金型10のキャビティ表面
に拡がることになる。
装置の金型10を使用することにより、シートクッショ
ンパッドは以下のようにして製造される。先ず図1
(A)に示すように、金型10は、図示の場合、上型1
1が下型12に対して開かれており、キャビティC内に
ノズル13を介して表層を形成するための第一のウレタ
ン原液14を注入する。この第一のウレタン原液4を、
金型10を閉じた状態で注入する場合は、ゲート11a
からキャビティC内に導入すればよい。そして、図1
(B)に示すように、金型10を図示しない加熱手段に
より加熱して、上記ウレタン原液14をガス抜きしなが
ら発泡させると共に、金型10全体を矢印Aで示すよう
に回転させる。加熱することにより発泡反応が促進され
且つ粘度が上昇したウレタン原液14は、金型10の回
転と共に重力により流れて、金型10のキャビティ表面
に拡がることになる。
【0016】即ち、図3(A)に示すように、下型12
のキャビティ表面に付着したウレタン原液14は、キャ
ビティ表面に接触した部分14aが発泡を開始すると共
に、図3(B)に示すように、金型10の回転により金
型10が傾斜したとき、キャビティ表面に接触せず発泡
があまり進行していない上層部のウレタン原液14bの
粘度が低いことから、重力により流れて金型10のキャ
ビティ表面に拡がる。このようにして、図3(C)に示
すように、金型10をさらに回転させると、同様にして
ウレタン原液14の上層部が重力に従って流れることに
なる。尚、ウレタン原液14の拡がり範囲は、ウレタン
原液14の温度及び粘度,金型温度そして金型10の回
転角度によって決まることになる。
のキャビティ表面に付着したウレタン原液14は、キャ
ビティ表面に接触した部分14aが発泡を開始すると共
に、図3(B)に示すように、金型10の回転により金
型10が傾斜したとき、キャビティ表面に接触せず発泡
があまり進行していない上層部のウレタン原液14bの
粘度が低いことから、重力により流れて金型10のキャ
ビティ表面に拡がる。このようにして、図3(C)に示
すように、金型10をさらに回転させると、同様にして
ウレタン原液14の上層部が重力に従って流れることに
なる。尚、ウレタン原液14の拡がり範囲は、ウレタン
原液14の温度及び粘度,金型温度そして金型10の回
転角度によって決まることになる。
【0017】かくして、図1(C)に示すように、金型
10を回転させることにより、金型10のキャビティC
の表面全体に亘ってウレタン原液14による成形品、即
ち表層21が付着することになる。その際、金型10の
回転に伴って、ウレタン原液14が流れ出して、金型1
0のキャビティC表面に触れることにより、反応して発
泡し、且つ、硬化するので、表層21の内部には、空洞
21aが形成されることになる。
10を回転させることにより、金型10のキャビティC
の表面全体に亘ってウレタン原液14による成形品、即
ち表層21が付着することになる。その際、金型10の
回転に伴って、ウレタン原液14が流れ出して、金型1
0のキャビティC表面に触れることにより、反応して発
泡し、且つ、硬化するので、表層21の内部には、空洞
21aが形成されることになる。
【0018】上記表層21がある程度硬化した後、図1
(D)に示すように、金型10を閉じたままで、上型1
1のゲート11aのノズル15から、上記空洞21a内
にコア層成形用の第二のウレタン原液16を注入する。
そして、金型10を図示しない加熱手段により加熱し
て、図1(E)に示すように、上記ウレタン原液16を
ガス抜きしながら発泡させることにより、上記ウレタン
原液16の発泡及び硬化によって上記空洞21a内の全
体に表層21に対して一体成形されたコア層22が得ら
れる。最後に、図1(F)に示すように、金型10が開
かれ、表層21及びコア層22から成る成形品、即ちシ
ートクッションパッド20が完成する。
(D)に示すように、金型10を閉じたままで、上型1
1のゲート11aのノズル15から、上記空洞21a内
にコア層成形用の第二のウレタン原液16を注入する。
そして、金型10を図示しない加熱手段により加熱し
て、図1(E)に示すように、上記ウレタン原液16を
ガス抜きしながら発泡させることにより、上記ウレタン
原液16の発泡及び硬化によって上記空洞21a内の全
体に表層21に対して一体成形されたコア層22が得ら
れる。最後に、図1(F)に示すように、金型10が開
かれ、表層21及びコア層22から成る成形品、即ちシ
ートクッションパッド20が完成する。
【0019】このようなシートクッションパッド20の
製造方法においては、シートクッションパッド20の成
形用金型10は、上型11及び下型12により表層21
を画成すると共に、表層21の内部の空洞21a内にコ
ア層22を画成することになることから、シートクッシ
ョンパッド20全体を成形するために一種類の金型20
で済むことになる。従って、従来のように表層21及び
コア層22のために成形用金型をそれぞれ用意する必要
がないので、金型コストが大幅に低減され得ると共に、
金型構造が単純であることから、より一層金型コストが
低減され得ることになる。
製造方法においては、シートクッションパッド20の成
形用金型10は、上型11及び下型12により表層21
を画成すると共に、表層21の内部の空洞21a内にコ
ア層22を画成することになることから、シートクッシ
ョンパッド20全体を成形するために一種類の金型20
で済むことになる。従って、従来のように表層21及び
コア層22のために成形用金型をそれぞれ用意する必要
がないので、金型コストが大幅に低減され得ると共に、
金型構造が単純であることから、より一層金型コストが
低減され得ることになる。
【0020】さらに、従来のように、製造途中で、コア
層22を成形するための金型に交換する必要がないこと
から、金型10を途中で開く必要がない。従って、表層
21を形成すべき第一のウレタン原液14による成形
品、即ち表層21が完全に硬化しなくても、ある程度硬
化した段階で、コア層22を形成すべき第二のウレタン
原液16を金型10内に注入することができる。これに
より、表層21が完全に硬化するまで待つ必要がないこ
とから、製造に要する時間が短縮され、生産性が向上す
ることになる。
層22を成形するための金型に交換する必要がないこと
から、金型10を途中で開く必要がない。従って、表層
21を形成すべき第一のウレタン原液14による成形
品、即ち表層21が完全に硬化しなくても、ある程度硬
化した段階で、コア層22を形成すべき第二のウレタン
原液16を金型10内に注入することができる。これに
より、表層21が完全に硬化するまで待つ必要がないこ
とから、製造に要する時間が短縮され、生産性が向上す
ることになる。
【0021】尚、図1に示した本発明実施形態による製
造方法においては、金型10が回転されることにより、
表層21が金型10のキャビティCの表面全体に亘って
成形されるようになっているが、これに限らず、表層2
1は、シートクッションパッド20の上面に形成されて
いればよいので、金型10が揺動されることにより、金
型10の傾斜に基づいて、表層21がシートクッション
パッドの上面に対応する領域のみに拡がるように構成さ
れていてもよい。したがって、この場合の金型10は揺
動可能に支持され、金型10全体を揺動又は回転させる
機構を備えていればよい。
造方法においては、金型10が回転されることにより、
表層21が金型10のキャビティCの表面全体に亘って
成形されるようになっているが、これに限らず、表層2
1は、シートクッションパッド20の上面に形成されて
いればよいので、金型10が揺動されることにより、金
型10の傾斜に基づいて、表層21がシートクッション
パッドの上面に対応する領域のみに拡がるように構成さ
れていてもよい。したがって、この場合の金型10は揺
動可能に支持され、金型10全体を揺動又は回転させる
機構を備えていればよい。
【0022】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、シ
ートクッションパッドを構成する表層及びコア層に対し
てそれぞれ成形用の金型、即ち上型を用意する必要がな
く、一種類の金型によって表層及びコア層を成形するこ
とができる。従って、金型構造が比較的簡単であること
から、金型コストが大幅に低減される。また、製造途中
で、例えば上型を交換するために金型を開く必要がない
ことから、表層を形成すべき第一のウレタン原液による
成形品がある程度硬化した後、コア層を成形すべき第二
のウレタン原液を金型内に注入することができる。従っ
て、従来のように、表層を形成すべき第一のウレタン原
液が完全に硬化するまで待つ必要がないので、製造工程
における待ち時間が短縮されることになり、生産効率が
向上することになる。
ートクッションパッドを構成する表層及びコア層に対し
てそれぞれ成形用の金型、即ち上型を用意する必要がな
く、一種類の金型によって表層及びコア層を成形するこ
とができる。従って、金型構造が比較的簡単であること
から、金型コストが大幅に低減される。また、製造途中
で、例えば上型を交換するために金型を開く必要がない
ことから、表層を形成すべき第一のウレタン原液による
成形品がある程度硬化した後、コア層を成形すべき第二
のウレタン原液を金型内に注入することができる。従っ
て、従来のように、表層を形成すべき第一のウレタン原
液が完全に硬化するまで待つ必要がないので、製造工程
における待ち時間が短縮されることになり、生産効率が
向上することになる。
【0023】かくして、本発明によれば、簡単な構成に
より、一種類の金型により上層及び下層が成形可能であ
るようにした、極めて優れたシートクッションパッドの
製造方法及びその装置が提供される。
より、一種類の金型により上層及び下層が成形可能であ
るようにした、極めて優れたシートクッションパッドの
製造方法及びその装置が提供される。
【図1】本発明によるシートクッションパッドの製造方
法の一実施形態の工程を順次に示す工程図である。
法の一実施形態の工程を順次に示す工程図である。
【図2】図1の製造方法で使用される金型の概略斜視図
である。
である。
【図3】図1の製造方法における第一のウレタン原液の
発泡及び拡がりの状態を順次に示す概略図である。
発泡及び拡がりの状態を順次に示す概略図である。
【図4】従来のシートクッションの一例を示す概略斜視
図である。
図である。
【図5】図4のシートクッションにおけるシートクッシ
ョンパッドの製造方法の一例の工程を順次に示す工程図
である。
ョンパッドの製造方法の一例の工程を順次に示す工程図
である。
10 金型 11 上型 11a ゲート 12 下型 13 ノズル 14 第一のウレタン原液 15 ノズル 16 第二のウレタン原液 20 シートクッションパッド 21 表層 22 コア層
Claims (6)
- 【請求項1】 金型内に画成されたキャビティ内に、表
層成形用の第一のウレタン原液を注入する第一の段階
と、 続いて、金型を加熱することにより、ガス抜きしながら
発泡させると共に、金型を回動させて、発泡する上記第
一のウレタン原液をキャビティ表面に亘って付着させ
て、表層を成形する第二の段階と、 上記第一のウレタン原液による成形品がある程度硬化し
た後、上記金型を閉じたまま、金型のゲートを介して金
型キャビティ内の表層を除く空洞内にコア層成形用の第
二のウレタン原液を注入して、ガス抜きしながら発泡さ
せて、コア層を成形する第三の段階と、 最後に、上記金型から、成形品を脱型する第四の段階
と、を含んでいることを特徴とする、シートクッション
パッドの製造方法。 - 【請求項2】 前記第一の段階にて、第一のウレタン原
液の注入が、金型を開いた状態で行なわれることを特徴
とする、請求項1に記載の製造方法。 - 【請求項3】 前記第一の段階にて、第一のウレタン原
液の注入が、金型を閉じた状態で行なわれることを特徴
とする、請求項1に記載の製造方法。 - 【請求項4】 前記第二の段階にて、金型が回転される
ことにより、第一のウレタン原液が、金型キャビティの
表面全体に亘って付着されることを特徴とする、請求項
1に記載の製造方法。 - 【請求項5】 前記第二の段階にて、金型が揺動される
ことにより、第一のウレタン原液が、金型キャビティの
表面のうちシートクッションパッドの上面領域に対応す
る部分に付着されることを特徴とする、請求項1に記載
の製造方法。 - 【請求項6】 シートクッションパッドの外形を構成す
るキャビティを内部に画成する上型と下型とからなる金
型と、この金型を全体的に回転可能な回転機構とを有
し、上記キャビティ内に成形材料を注入するためのゲー
トを上記金型に備えているシートクッションパッドの製
造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10228117A JP2000051002A (ja) | 1998-08-12 | 1998-08-12 | シートクッションパッドの製造装置及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10228117A JP2000051002A (ja) | 1998-08-12 | 1998-08-12 | シートクッションパッドの製造装置及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000051002A true JP2000051002A (ja) | 2000-02-22 |
Family
ID=16871482
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10228117A Pending JP2000051002A (ja) | 1998-08-12 | 1998-08-12 | シートクッションパッドの製造装置及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000051002A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103171471A (zh) * | 2011-12-22 | 2013-06-26 | 格拉默股份公司 | 汽车座椅和用于制造设有衬垫的汽车座椅部分的方法 |
-
1998
- 1998-08-12 JP JP10228117A patent/JP2000051002A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103171471A (zh) * | 2011-12-22 | 2013-06-26 | 格拉默股份公司 | 汽车座椅和用于制造设有衬垫的汽车座椅部分的方法 |
CN103171471B (zh) * | 2011-12-22 | 2015-07-22 | 格拉默股份公司 | 汽车座椅和用于制造设有衬垫的汽车座椅部分的方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060309 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060425 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060912 |