JP2000049461A - 多層プリント配線板の製造方法 - Google Patents

多層プリント配線板の製造方法

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JP2000049461A
JP2000049461A JP21331498A JP21331498A JP2000049461A JP 2000049461 A JP2000049461 A JP 2000049461A JP 21331498 A JP21331498 A JP 21331498A JP 21331498 A JP21331498 A JP 21331498A JP 2000049461 A JP2000049461 A JP 2000049461A
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resin
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Isao Hirata
勲夫 平田
Daisuke Kanetani
大介 金谷
Masayuki Ishihara
政行 石原
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Panasonic Electric Works Co Ltd
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Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内層基材のスルーホールに樹脂を簡便に、か
つ充填性良く充填することができ、また形成される多層
プリント配線板の信頼性を向上することができる多層プ
リント配線板の製造方法を提供する。 【解決手段】 フィラーのみを300kg/cm2で圧
縮成形して成形体とした際に圧縮前のフィラーの平均粒
径が圧縮成形後も保持され、かつ前記成形体におけるフ
ィラーの体積分率が70体積%以上となるフィラーを用
いる。このようなフィラーを5〜60体積%含有する樹
脂組成物4を基材3に塗工して樹脂付き基材5を得る。
この樹脂付き基材5をスルーホール8を形成した内層材
2に、樹脂付き基材5の樹脂組成物4と内層材2とが対
向するように重ね、加熱加圧成形により積層一体化す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スルーホールを形
成した内層材に樹脂層を積層して形成される多層プリン
ト配線板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】多層プリント配線板を製造するにあたっ
て、スルーホールを形成した内層材の表面に樹脂層を形
成する際、従来は図3(a)のような回路7の形成及び
スルーホール8を形成した内層材2に、スクリーン印刷
法等を用いて図3(b)のようにスルーホール8内を樹
脂組成物4で充填し、露光硬化させた後、加熱して本硬
化させ、更に図3(c)に示すように表面を研磨して平
坦化していた。そしてこのようにスルーホール8内に樹
脂を充填した内層材2の表面に樹脂層を形成して、多層
化を行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
方法で多層化を行うようにすると、製造工程が煩雑とな
り、また樹脂の一様な硬化が困難で冷熱衝撃試験時のク
ラックの発生要因となっていた。またスルーホール内に
空隙が残存してしまうおそれもあった。本発明は上記の
点に鑑みてなされたものであり、内層基材のスルーホー
ルに樹脂を簡便に、かつ充填性良く充填することがで
き、また形成される多層プリント配線板の信頼性を向上
することができる多層プリント配線板の製造方法を提供
することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の多層プリント配線板の製造方法は、フィラーのみを3
00kg/cm2で圧縮成形して成形体とした際に圧縮
前のフィラーの平均粒径が圧縮成形後も保持され、かつ
前記成形体におけるフィラーの体積分率が70体積%以
上となるフィラーを5〜60体積%含有する樹脂組成物
4を基材3に塗工して得られる樹脂付き基材5を、スル
ーホール8を形成した内層材2に、樹脂付き基材5の樹
脂組成物4と内層材2とが対向するように重ね、加熱加
圧成形により積層一体化することを特徴とするものであ
る。
【0005】また本発明の請求項2に記載の多層プリン
ト配線板の製造方法は、請求項1の構成に加えて、上記
基材3として金属箔3aを用いることを特徴とするもの
である。
【0006】また本発明の請求項3に記載の多層プリン
ト配線板の製造方法は、請求項1又は2の構成に加え
て、上記基材3として樹脂フィルムを用いることを特徴
とするものである。
【0007】また本発明の請求項4に記載の多層プリン
ト配線板の製造方法は、請求項1乃至3のいずれかの構
成に加えて、上記樹脂組成物4中のフィラーの含有量
を、20〜50体積%とすることを特徴とするものであ
る。
【0008】また本発明の請求項5に記載の多層プリン
ト配線板の製造方法は、請求項1乃至4のいずれかの構
成に加えて、フィラーとして、非晶質シリカを含むもの
を用いることを特徴とするものである。
【0009】また本発明の請求項6に記載の多層プリン
ト配線板の製造方法は、請求項1乃至5のいずれかの構
成に加えて、フィラーとして、アルミナを含むものを用
いることを特徴とするものである。
【0010】また本発明の請求項7に記載の多層プリン
ト配線板の製造方法は、請求項1乃至6のいずれかの構
成に加えて、フィラーとして、中空のガラス粒子を含む
ものを用いることを特徴とするものである。
【0011】また本発明の請求項8に記載の多層プリン
ト配線板の製造方法は、請求項1乃至7のいずれかの構
成に加えて、カップリング剤にて表面処理を施されたフ
ィラーを用いることを特徴とするものである。
【0012】また本発明の請求項9に記載の多層プリン
ト配線板の製造方法は、請求項1乃至8のいずれかの構
成に加えて、長径と短径の比率が1〜2:1であるフィ
ラーを用いることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0014】本発明において、内層材2のスルーホール
8を充填し、かつ内層材の表面に絶縁樹脂層6を形成す
るために用いる樹脂組成物4としては、熱硬化性樹脂を
有機溶剤に溶解し、更にフィラーを配合したものを用い
ることができる。
【0015】上記の熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹
脂やポリイミド樹脂を用いることができ、その配合割合
は、樹脂組成物4全量に対して40〜50重量%とする
ことが好ましい。
【0016】また有機溶剤としては、DMF(ジメチル
ホルムアミド)等のアミン系溶剤や、MC(メチルセロ
ソルブ)、PC(プロピルセロソルブ)、MEK(メチ
ルエチルケトン)等のケトン系溶剤等を用いることがで
き、その配合割合は、樹脂組成物4全量に対して20〜
40重量%とすることが好ましい。
【0017】またフィラーとしては、非晶質シリカ、ア
ルミナ、中空ガラス粒子、チタニア、樹脂ビーズ等を用
いることができ、これらを単独で又は二種以上を適宜配
合して用いることができる。このうち、非晶質シリカは
安価であり、かつ粒度分布や平均粒径等の種類が多く、
選択の幅が大きいものである。またアルミナを用いる
と、樹脂組成物4を硬化して形成される絶縁樹脂層の熱
伝導性を向上して、本発明にて製造される多層プリント
配線板1の放熱性を向上することができる。また中空ガ
ラスを用いると、樹脂組成物4を硬化して形成される絶
縁樹脂層6の重量を低減して、本発明にて製造される多
層プリント配線板1を軽量化することができる。
【0018】ここでこのフィラーとしては、フィラーの
みを300kg/cm2で圧縮成形して成形体とした際
に圧縮前のフィラーの平均粒径が圧縮成形後も保持さ
れ、かつ前記成形体におけるフィラーの体積分率が70
体積%以上となるものを用いるものである。フィラーの
平均粒径とは、フィラーを構成する各フィラー粒子の複
数箇所の粒径を測定し、その測定値を平均化したもので
ある。フィラーの体積分率は大きい程好ましいものであ
るが、実質上の上限は95体積%である。これは理論上
100体積%となることは不可能であり、また成形体中
の大きい粒子間の空隙を小さい粒子で埋め、更にその空
隙を更に小さい粒子で埋めるというふうにしていくと、
限りなく100%に近づいていくが、実際そのような小
さな粒径のフィラー粒子は存在せず、また存在したとし
ても表面エネルギーが極めて大きくなるため樹脂組成物
4中に分散させることができないと思われるからであ
る。
【0019】上記のフィラーの成形体におけるフィラー
の体積分率について説明する。まずフィラー成形体中の
フィラー全体の真比重dが、下記の数式(A)を用いて
算出される。
【0020】
【数1】 式(A)中のnはフィラー全体の中のフィラーの種類の
数、di(iは1〜nの整数)は各フィラーの真比重、
Wi(iは1〜nの整数)は各フィラーの配合重量をそ
れぞれ示すものである。このようにして算出されたフィ
ラー全体の真比重dから、下記の数式(B)を用いてフ
ィラーの成形体におけるフィラーの体積分率P(%)が
算出される。
【0021】
【数2】 式(B)中のW(g)はフィラー全体の重量、V(c
c)はフィラー成形体の体積を示すものである。
【0022】上記のようにフィラーを圧縮成形して得ら
れるフィラー成形体中におけるフィラー粒子の密な充填
状態は、樹脂組成物4中のフィラーの配合割合を高くさ
せて得られる高濃度の樹脂組成物4中のフィラー粒子の
充填状態に近似しているものである。ここでフィラー成
形体を圧縮成形にて形成する際は、その成形圧力を、圧
縮成形前のフィラーの平均粒径が圧縮成形後のフィラー
成形体中においても保持されるような圧力とすることが
重要であり、この圧力が高過ぎるとフィラー成形体中の
フィラー粒子が破壊され、圧縮成形後の平均粒径は圧縮
成形前の平均粒径とは異なるものとなり、測定される体
積分率Pは熱伝導性シリコーンゴム組成物中のフィラー
の性質を示さなくなるという不都合が生じる。なお、圧
縮成形前のフィラーの平均粒径が圧縮成形後も保持され
る最高の圧力未満で成形したフィラー成形体中のフィラ
ーの体積分率Pは、前記の最高の圧力で成形した場合の
フィラー成形体のフィラーの体積分率Pよりも小さい値
となる。本発明ではこのフィラー成形体を形成する際の
圧縮圧力を300kg/cm2と設定した。種々のフィ
ラーの圧縮成形を300kg/cm2の圧力で単軸加圧
により行って円筒状の成形体を得たところ、この成形体
を解砕して得られるフィラーの粒子の平均粒径の測定結
果は、成形前のフィラーの粒子の平均粒径の測定結果と
同一であったものであり、300kg/cm2の圧力で
フィラーの圧縮成形を行ってもフィラー粒子の破壊は生
じていないといえる。
【0023】またフィラー成形体におけるフィラーの体
積分率が大きいということは、成形体中のフィラー粒子
間に残っている空隙が少ないことを意味するものであ
り、この空隙部分を液状成分で埋めた複合材を考える
と、液状成分の体積が空隙部分の体積と等しいか又は空
隙部分の体積よりも少ない場合には複合材中のフィラー
粒子同士の接触により複合材全体の変形が妨げられ、こ
の複合材は全く流動しないものとなり、一方液状成分の
体積が空隙部分の体積よりも大きい場合には、複合材中
のフィラー粒子同士は液状成分にて隔てられることにな
り、フィラー粒子はある程度自由に移動することが可能
となって複合材全体として変形可能なもの、すなわち流
動可能なものとなるものである。従ってフィラーの含有
率が等しい樹脂組成物4では、上記のようにフィラー成
形体中のフィラーの平均粒径が圧縮成形前の状態のまま
保持されており、その際のフィラー成形体中のフィラー
の体積分率が70体積%以上となるフィラーを使用する
ほうが、フィラーの含有率を高くしても、フィラー間の
空隙部分の体積が小さいため、その空隙を熱硬化性樹脂
を溶剤に溶解させたワニスにて充分に埋めることがで
き、樹脂組成物4の流動性を向上することができるもの
である。一方、フィラー成形体中のフィラーの体積分率
が70体積%に満たないフィラーを用いると、フィラー
の含有率を高くした樹脂組成物4の流動性が低下して好
ましくないものである。
【0024】また上記のフィラーとしては、シランカッ
プリング剤にて表面処理を施したものを用いることが好
ましく、このようにすると、樹脂組成物4中のフィラー
の分散性が向上して樹脂組成物中でのフィラーの凝集を
抑制し、樹脂組成物の流動性を更に向上することができ
て、樹脂組成物4を小径のスルーホール8に流し込むよ
うな場合にも容易に流し込んで充填することができるも
のである。また、このようにすると樹脂組成物の粘度を
低減することができ、樹脂組成物4を金属箔3aや樹脂
フィルム等の基材3に塗工する際の塗工性を向上するこ
とができるものである。
【0025】また上記のフィラーとしては、構成粒子の
形状が球形に近いもの、好ましくは長径と短径の比が1
〜2:1となるようなものを用いると、フィラーの分散
性が向上し、樹脂組成物4を小径のスルーホール8に流
し込むような場合にも容易に流し込んで充填することが
できるものである。
【0026】上記のようなフィラーの配合割合は、樹脂
組成物4全量に対して5〜60体積%、好ましくは20
〜50体積%とするものであり、このようにすると、樹
脂組成物4の粘度を低減して、金属箔3aや樹脂フィル
ム等の基材3へ樹脂組成物4を塗工する際の塗工性を向
上することができるものである。ここでフィラーの配合
割合が5体積%に満たないと、樹脂組成物4にて形成さ
れる絶縁樹脂層6の熱膨張率が大きくなって耐熱性が低
下し、冷熱衝撃性試験においてクラックが発生するおそ
れがあるものであり、また60体積%を超えると、樹脂
組成物4の粘度が上がって金属箔3aや樹脂フィルム等
の基材3へ樹脂組成物4を塗工する際の塗工性が低下
し、樹脂付き金属箔5aや樹脂付き樹脂フィルム等の樹
脂付き基材5を形成することが困難になるものである。
【0027】多層プリント配線板1を製造するにあたっ
ては、まず図1(a)に示すような、絶縁樹脂層11に
スルーホール8の形成及び回路7の形成がなされた内層
材2、及び樹脂付き基材5を用意する。この内層材2
は、積層板にスルーホール8用の貫通孔を所定の箇所に
穿設し、セミアディティブ法にて回路7の形成及びスル
ーホールめっき12の形成を行ったもの、あるいは金属
箔張積層板にスルーホール8用の貫通孔を所定の箇所に
穿設し、サブトラクティブ法にて回路7の形成を行い、
まためっき処理を施してスルーホールめっき12を形成
したもの等を用いることができる。また樹脂付き基材5
としては、銅箔等の金属箔3a、あるいはアセテートフ
ィルム等の絶縁樹脂フィルム等の基材3の一面に、上記
のような樹脂組成物4を塗工した後、乾燥させて半硬化
状態として、乾燥膜厚40〜120μmのBステージ状
態の樹脂組成物4の層を形成することによって得られる
樹脂付き金属箔5aや樹脂付き樹脂フィルムを用いるこ
とができる。
【0028】そして上記の内層材2の両側に、樹脂付き
金属箔5aや樹脂付き樹脂フィルム等の樹脂付き基材5
を、樹脂組成物4の層が内層材2と対向するように重
ね、例えば30Torrの減圧雰囲気下で、30kg/
cm2の圧力をかけると共に、図2に示すように、加熱
後5分間かけて室温から130℃まで昇温し、この13
0℃の温度で20分間保持し、次に5分間かけて175
℃まで昇温し、この175℃の温度で70分間保持し、
そして5分間かけて室温まで降温することにより加熱加
圧成形して積層一体化する。このとき上記のように樹脂
組成物4は流動性が向上しているので、内層材2のスル
ーホール8内に樹脂組成物4が流れ込み、スルーホール
8内に樹脂組成物4が完全に充填される。そして樹脂組
成物4は金属箔3aや樹脂フィルムのような基材3と、
内層材2との間に配置され、かつスルーホール8内に充
填された状態で硬化されて、絶縁樹脂層6が形成され
る。
【0029】そしてこのように形成される積層物14の
所定箇所にレーザー加工等を施すことにより、絶縁樹脂
層6を一部取り除いてバイアホール10用の凹部を形成
し、更に樹脂付き金属箔5aを用いた場合はサブトラク
ティブ法による回路9の形成及びめっき処理によるバイ
アホールめっき13の形成を行い、樹脂付き樹脂シート
を用いた場合は、セミアディティブ法による回路9の形
成及びバイアホールめっき13の形成を行うことにより
回路9及びバイアホール10を形成して、多層プリント
配線板1を製造することができる。
【0030】また必要に応じて、この多層プリント配線
板1を内層材2とし、上記と同様に樹脂付き金属箔5a
や樹脂付き樹脂シートのような樹脂付き基材5と積層一
体化し、バイアホール加工及び回路形成を行うことによ
り、更に多層の多層プリント配線板1を製造することも
できる。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳述する。 (樹脂組成物の調製)ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(東都化成社性製、品番「YDB500」)100重量
部とジシアンジアミド2重量部を、メチルエチルケト
ン、ジメチルホルムアミド、プロピルセロソルブの1
8:50:32混合溶媒100重量部に混合溶解して、
樹脂ワニスを調製した。
【0032】各実施例及び比較例について、この樹脂ワ
ニスに、表1に示すフィラーを、表2乃至4に示す配合
割合で配合し、更にカップリング剤(日本ユニカー社
製、品番「A−151」)を、フィラー100重量部に
対して1重量部添加し、4枚翼の攪拌機(千代田技研工
業(株)製、商品名「オムニミキサー」)を用いて10
分間攪拌することにより、フィラーを分散させて、樹脂
組成物4を得た。 (実施例1乃至6、比較例1乃至3)厚み18μmの銅
箔(古河サーキット社製、品番「GT−18μm」)の
片面に、上記樹脂組成物4を、乾燥後の膜厚が80μm
になるように塗工し、180℃で20分間乾燥させて半
硬化(Bステージ化)させることにより、樹脂付き銅箔
5aを作製した。
【0033】一方、板厚1.0mmのFR−4タイプの
積層板(松下電工株式会社製、品番「R1766」)の
所定箇所に直径0.20mm及び直径0.30mmのス
ルーホール8用の貫通孔をドリルで穿設し、更に両面に
回路7の形成を行うと共に、スルーホールめっき12を
形成して、内層材2を作製した。そしてこの内層材2の
回路7の表面を、10%以下のギ酸溶液(メック株式会
社製、商品名「メックエッチボンド」)で処理して表面
を粗面化した。
【0034】次に、内層材2の両面に、樹脂付き銅箔5
aをその樹脂組成物4の層が内層材2側を向くように重
ね、30Torrの減圧雰囲気下で、30kg/cm2
の圧力をかけると共に加熱して一体成形した。ここで加
熱条件は、図2に示すように、加熱後5分間かけて室温
から130℃まで昇温し、この130℃の温度で20分
間保持し、次に5分間かけて175℃まで昇温し、この
175℃の温度で70分間保持し、そして5分間かけて
室温まで降温したものである。
【0035】そしてこのようにして形成した積層物14
の両面の所定箇所にレーザ加工を施してバイアホール1
0用の凹部を形成し、サブトラクティブ法により回路9
の形成を行うと共に、バイアホールめっき13を形成し
て、多層プリント配線板1を作製した。 (実施例7乃至12、比較例4乃至6)厚み40μmの
アセテートフィルム(オルボ社製)の片面に、上記樹脂
組成物4を、乾燥後の膜厚が80μmになるように塗工
し、180℃で20分間乾燥させて半硬化(Bステージ
化)させることにより、樹脂付き樹脂フィルムを作製し
た。
【0036】次に、実施例1乃至6及び比較例1乃至3
と同様の内層材2の両面に、樹脂付き樹脂フィルムをそ
の樹脂組成物4の層が内層材2側を向くように重ね、実
施例1乃至6及び比較例1乃至3と同様の条件にて加熱
加圧成形して積層一体化した。
【0037】そしてこのようにして形成した積層物14
の両面の所定箇所にレーザ加工を施してバイアホール1
0用の凹部を形成し、セミアディティブ法により回路9
の形成及びバイアホールめっき13の形成を行って、多
層プリント配線板1を作製した。 (評価試験)各実施例及び比較例に用いた樹脂組成物4
の粘度を、B型粘度計(TOKIMEC INC.社
製、ローターNO.3、30rpm)にて測定した。
【0038】また上記のようにして作製した各実施例及
び比較例の多層プリント配線板1について、−55℃の
温度条件下に5分間放置した後、室温に1分間放置し、
更に125℃の温度条件下に5分間放置する操作を10
00サイクル繰り返す冷熱衝撃試験を行った。そして試
験後の多層プリントは配線板1を、内層材2のスルーホ
ール8を横切るように切断し、内層材2のスルーホール
8に充填されている樹脂の様子を観察して、完全に樹脂
が充填され、クラックやボイドの発生がないものを
「○」として評価した。
【0039】また実施例3、4、8、9の多層プリント
配線板1について、熱伝導率を、熱伝導率が既知のガラ
スサンプルと測定サンプルを、60℃〜20℃の温度勾
配中で直列に接続してた状態で定常状態とし、このとき
のサンプル温度を測定することによって導出する、定常
状態比較法にて、測定した。
【0040】これらの評価結果を、表2乃至4に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】 表1乃至5から明らかなように、樹脂組成物4中のフィ
ラーの配合量が5体積%に満たない比較例1、4では、
絶縁樹脂層の熱膨張によるクラックが発生した。また樹
脂組成物4中のフィラーの配合量が60体積%を超える
比較例2、5では、樹脂組成物の粘度が測定不能なほど
大きくなって、樹脂組成物の塗工性が低下したものであ
り、また樹脂組成物の流動性が低下して、スルーホール
8が完全には充填されず、ボイドが発生した。またフィ
ラー成形体中のフィラーの体積分率が70体積%を超え
る比較例3、6では、樹脂組成物4の流動性が低下し
て、スルーホール8が完全には充填されず、ボイドが発
生した。
【0045】それに対して実施例1乃至12では、冷熱
衝撃試験の結果、ボイドやクラックの発生が認められな
かった。またフィラーとして非晶質シリカを樹脂組成物
4に対して30体積%配合した実施例1、2、6、7、
12のうち、球状のフィラーのみを用い、かつフィラー
にカップリング処理を施した実施例1、7では、カップ
リング処理を施さなかった実施例2、8、及び破砕シリ
カを含む実施例6、12よりも樹脂組成物4の粘度を低
減することができ、樹脂組成物の塗工性が向上したこと
が確認できた。また、フィラーを樹脂組成物4に対して
50体積%配合した実施例3乃至5、及び9乃至11の
うち、フィラーとしてアルミナを用いた実施例4、10
では熱伝導率が向上し、またフィラーとして中空ガラス
粒子を用いた実施例5、11では樹脂組成物4中のフィ
ラーの重量が低減し、多層プリント配線板1を軽量化す
ることができることが確認できた。
【0046】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に記載の
多層プリント配線板の製造方法は、フィラーのみを30
0kg/cm2で圧縮成形して成形体とした際に圧縮前
のフィラーの平均粒径が圧縮成形後も保持され、かつ前
記成形体におけるフィラーの体積分率が70体積%以上
となるフィラーを5〜60体積%含有する樹脂組成物を
基材に塗工して得られる樹脂付き基材を、スルーホール
を形成した内層材に、樹脂付き基材の樹脂組成物と内層
材とが対向するように重ね、加熱加圧成形により積層一
体化するため、樹脂組成物中のフィラーの分散性を向上
して樹脂組成物中でのフィラーの凝集を抑制し、樹脂組
成物の流動性を向上して、樹脂組成物をスルーホールに
流し込む場合に容易に流し込んで充填することができる
ものであり、また樹脂組成物の粘度を低減して樹脂組成
物を基材に塗工する際の塗工性を向上することができる
ものであり、また樹脂組成物にて形成される絶縁樹脂層
の熱膨張率を低減して、この樹脂組成物にて形成された
絶縁樹脂層の耐熱性を向上し、このようにして製造され
る多層プリント配線板の冷熱衝撃試験を行っても、絶縁
樹脂層にクラックが発生することを防ぐことができ、信
頼性の高い多層プリント配線板を得ることができるもの
である。
【0047】また本発明の請求項2に記載の多層プリン
ト配線板の製造方法は、上記基材として金属箔を用いる
ため、内層材と樹脂付き基材を積層一体化した後、サブ
トラクティブ法による回路の形成を行うことができるも
のである。
【0048】また本発明の請求項3に記載の多層プリン
ト配線板の製造方法は、上記基材として樹脂フィルムを
用いるため、内層材と樹脂付き基材を積層一体化した
後、セミアディティブ法による回路の形成を行うことが
できるものである。
【0049】また本発明の請求項4に記載の多層プリン
ト配線板の製造方法は、上記樹脂組成物中のフィラーの
含有量を、20〜50体積%とするため、樹脂組成物の
粘度と熱膨張率のバランスを特に良好にすることができ
るものである。
【0050】また本発明の請求項5に記載の多層プリン
ト配線板の製造方法は、フィラーとして、非晶質シリカ
を含むものを用いるため、フィラーを安価に入手するこ
とができ、かつフィラーの粒度分布や平均粒径等の選択
の幅が大きいものである。
【0051】また本発明の請求項6に記載の多層プリン
ト配線板の製造方法は、フィラーとして、アルミナを含
むものを用いるため、樹脂組成物を硬化して形成される
絶縁樹脂層の熱伝導性を向上して、本発明にて製造され
る多層プリント配線板の放熱性を向上することができる
ものである。
【0052】また本発明の請求項7に記載の多層プリン
ト配線板の製造方法は、フィラーとして、中空のガラス
粒子を含むものを用いるため、樹脂組成物を硬化して形
成される樹脂層の重量を低減して、本発明にて製造され
る多層プリント配線板を軽量化することができるもので
ある。
【0053】また本発明の請求項8に記載の多層プリン
ト配線板の製造方法は、カップリング剤にて表面処理を
施されたフィラーを用いるため、樹脂組成物中のフィラ
ーの分散性を更に向上して樹脂組成物中でのフィラーの
凝集を抑制し、樹脂組成物の流動性を更に向上して、樹
脂組成物を小径のスルーホールに流し込むような場合に
も容易に流し込んで充填することができるものであり、
また樹脂組成物の粘度を更に低減して樹脂組成物を基材
に塗工する際の塗工性を更に向上することができるもの
である。
【0054】また本発明の請求項9に記載の多層プリン
ト配線板の製造方法は、長径と短径の比率が1〜2:1
であるフィラーを用いるため、樹脂組成物中のフィラー
の分散性が更に向上して樹脂組成物中でのフィラーの凝
集を抑制し、樹脂組成物の流動性を更に向上して、樹脂
組成物を小径のスルーホールに流し込むような場合にも
容易に流し込んで充填することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)乃至(c)は本発明の実施の形態の一例
を示す概略断面図である。
【図2】実施例において、内層材と樹脂付き基材とを積
層一体化させる際の加熱条件を示すグラフである。
【図3】(a)乃至(c)は従来例を示す概略断面図で
ある。
【符号の説明】
1 多層プリント配線板 2 内層材 3 基材 3a 金属箔 4 樹脂組成物 5 樹脂付き基材 5a 樹脂付き金属箔 8 スルーホール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石原 政行 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 5E346 AA02 AA04 AA06 AA12 AA15 AA43 CC08 CC09 CC10 CC16 CC31 CC51 DD03 DD12 DD22 DD32 DD33 EE02 EE06 EE07 EE08 EE14 FF04 GG02 GG15 GG17 GG22 GG27 GG28 HH17 HH23 HH33

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィラーのみを300kg/cm2で圧
    縮成形して成形体とした際に圧縮前のフィラーの平均粒
    径が圧縮成形後も保持され、かつ前記成形体におけるフ
    ィラーの体積分率が70体積%以上となるフィラーを5
    〜60体積%含有する樹脂組成物を基材に塗工して得ら
    れる樹脂付き基材を、スルーホールを形成した内層材
    に、樹脂付き基材の樹脂組成物と内層材とが対向するよ
    うに重ね、加熱加圧成形により積層一体化することを特
    徴とする多層プリント配線板の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記基材として金属箔を用いることを特
    徴とする請求項1に記載の多層プリント配線板の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 上記基材として樹脂フィルムを用いるこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の多層プリント配
    線板の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記樹脂組成物中のフィラーの含有量
    を、20〜50体積%とすることを特徴とする請求項1
    乃至3のいずれかに記載の多層プリント配線板の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 フィラーとして、非晶質シリカを含むも
    のを用いることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか
    に記載の多層プリント配線板の製造方法。
  6. 【請求項6】 フィラーとして、アルミナを含むものを
    用いることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記
    載の多層プリント配線板の製造方法。
  7. 【請求項7】 フィラーとして、中空のガラス粒子を含
    むものを用いることを特徴とする請求項1乃至6のいず
    れかに記載の多層プリント配線板の製造方法。
  8. 【請求項8】 カップリング剤にて表面処理を施された
    フィラーを用いることを特徴とする請求項1乃至7のい
    ずれかに記載の多層プリント配線板の製造方法。
  9. 【請求項9】 長径と短径の比率が1〜2:1であるフ
    ィラーを用いることを特徴とする請求項1乃至8のいず
    れかに記載の多層プリント配線板の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002064272A (ja) * 2000-08-16 2002-02-28 Ibiden Co Ltd 多層プリント配線板及びその製造方法
JP2002261442A (ja) * 2001-03-06 2002-09-13 Hitachi Chem Co Ltd 多層プリント配線板の製造方法
JPWO2015056523A1 (ja) * 2013-10-17 2017-03-09 住友ベークライト株式会社 エポキシ樹脂組成物、樹脂層付きキャリア材料、金属ベース回路基板および電子装置

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