JP2000047435A - 電子写真用現像剤およびその製造方法 - Google Patents

電子写真用現像剤およびその製造方法

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JP2000047435A
JP2000047435A JP21141498A JP21141498A JP2000047435A JP 2000047435 A JP2000047435 A JP 2000047435A JP 21141498 A JP21141498 A JP 21141498A JP 21141498 A JP21141498 A JP 21141498A JP 2000047435 A JP2000047435 A JP 2000047435A
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magnetic
particles
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Toshinao Ishida
稔尚 石田
Tatsuo Imafuku
達夫 今福
Yoshitaka Urata
佳孝 浦田
Yoko Honda
陽康 本田
Takahiro Bito
貴広 尾藤
Katsuaki Sumida
克明 隅田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期使用時の帯電量の減少によって起こる下
地カブリ、トナー飛散、および画質の劣化を、補償また
は未然に防止することができる電子写真用現像剤を提供
する。 【解決手段】 電子写真用現像剤は、トナーおよびキャ
リアからなり、キャリアが、磁性粒子1と磁性粒子1表
面を覆う磁性粒子被覆樹脂層2および外郭樹脂層3とを
備えるキャリア粒子を含み、上記各キャリア粒子には複
数の磁性粒子1が含まれている。電子写真用現像剤は、
15万枚の用紙に対する画像形成を行うと、画像形成後
のキャリアの個数平均粒径が画像形成前のキャリアの個
数平均粒径の95%以下となるようなものである。キャ
リアは、磁性粒子と磁性粒子表面を覆う磁性粒子被覆樹
脂層とからなる複数のキャリア芯粒子を磁力または静電
引力により凝集させ、凝集させたキャリア芯粒子を合成
樹脂で被覆することにより好適に製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電複写機および
レーザプリンター等の電子写真法を用いた画像形成装置
において用いられる、トナーおよびキャリアからなる2
成分系の電子写真用現像剤およびその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子写真法にて静電潜像を可
視化する手段として、絶縁性および非磁性のトナーと磁
性キャリアを混合することによりトナーに摩擦帯電によ
る電荷を付与させて、静電潜像と接触させることで現像
・可視化する2成分系現像剤が広く一般的に使用されて
いる。
【0003】このような2成分系現像方式に用いられる
磁性キャリアとしては、鉄、コバルト、ニッケル等の強
磁性金属;フェライトやマグネタイト等のような上記強
磁性金属の化合物(酸化物、窒化物、炭化物等);上記
強磁性金属とアルミニウム、亜鉛、スズ、鉛、マンガ
ン、バナジウム等の他の金属との合金または混合物等の
磁性体からなる粒子を用いることが多い。
【0004】また、近年では、バインダー樹脂中にこれ
らの磁性体粒子(磁性粉)を分散した形のキャリアも提
案されている。そして、帯電安定性の向上、長寿命な現
像剤を得るためのキャリア表面の汚染防止、表面の酸化
防止、環境に対する安定性の向上等の目的で、各種の合
成樹脂にて磁性体粒子をコーティングする様々な提案が
なされている(例えば、特許2663017号公報、特
許2670781号公報、特許2621187号公報参
照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の2成
分系現像剤では、2成分系現像剤を用いたプロセスによ
って多数枚の連続複写を重ねていくと、キャリア表面に
トナーが融着(スペント)する現象が増加する。これに
より、帯電付与に有効なキャリア表面が減少していき、
トナーとキャリアとの正常な摩擦帯電が不可能になる。
この結果、トナー飛散による機内汚染や下地カブリの増
加、および画質の悪化をもたらすという問題を生じてい
る。
【0006】本発明は、上記従来の問題に鑑みなされた
ものであり、その目的は、長期使用時の帯電量の減少に
よって起こる下地カブリ、トナー飛散、および画質の劣
化を、補償または未然に防止することができる電子写真
用現像剤およびその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
電子写真用現像剤は、上記の課題を解決するために、ト
ナーおよびキャリアからなる電子写真用現像剤であっ
て、上記キャリアが、磁性粒子と上記磁性粒子表面を覆
う合成樹脂層とを備えるキャリア粒子を含み、上記電子
写真用現像剤を用いて15万枚の用紙に対する画像形成
を行うと、画像形成後のキャリアの個数平均粒径が画像
形成前のキャリアの個数平均粒径の95%以下となるよ
うなものであることを特徴としている。
【0008】上記構成の電子写真用現像剤を用いて15
万枚の用紙に対する画像形成を行うと、合成樹脂層が大
きく摩耗し、複数の磁性粒子を有している場合にはキャ
リア粒子が分裂する。これにより、新たなキャリア粒子
表面が形成され、帯電性が向上する。この結果、長期使
用時に、キャリア粒子表面の融着が進行することによっ
て起こる帯電量の減少を、補償または未然に防止するこ
とができる。それゆえ、長期使用時の帯電量の減少によ
って起こる下地カブリ、トナー飛散、および画質の劣化
を、補償または未然に防止することができる。
【0009】本発明の請求項2記載の電子写真用現像剤
は、上記の課題を解決するために、トナーおよびキャリ
アからなる電子写真用現像剤であって、上記キャリア
が、磁性粒子と上記磁性粒子表面を覆う合成樹脂層とを
備えるキャリア粒子を含み、上記キャリア粒子に複数の
磁性粒子が含まれていることを特徴としている。
【0010】上記構成によれば、長期使用時に、キャリ
ア粒子が磁性粒子間にて分割され、キャリア粒子が、磁
性粒子と磁性粒子被覆樹脂層とからなる複数のキャリア
芯粒子に分裂する。これにより、新たなキャリア粒子表
面が形成され、帯電性が向上する。この結果、長期使用
時に、キャリア粒子表面の融着が進行することによって
起こる帯電量の減少を、補償または未然に防止すること
ができる。それゆえ、長期使用時の帯電量の減少によっ
て起こる下地カブリ、トナー飛散、および画質の劣化
を、補償または未然に防止することができる。
【0011】本発明の請求項3記載の電子写真用現像剤
は、上記の課題を解決するために、請求項2記載の電子
写真用現像剤において、上記合成樹脂層が、上記各磁性
粒子表面を覆う複数の磁性粒子被覆樹脂層と、上記の複
数の磁性粒子被覆樹脂層を覆う外郭樹脂層とを有し、上
記磁性粒子被覆樹脂層と外郭樹脂層とが、互いに異なる
合成樹脂からなることを特徴としている。
【0012】上記構成によれば、初期状態では、主に外
郭樹脂層の機能が発現する一方、長期使用後には、外郭
樹脂層が摩耗により消失し、磁性粒子被覆樹脂層および
磁性粒子からなる複数のキャリア芯粒子に分裂して、外
郭樹脂層とは異なる合成樹脂によって形成された磁性粒
子被覆樹脂層の機能が発現する。これにより、初期状態
におけるキャリア粒子の性能と、長期使用後におけるキ
ャリア粒子の性能とを独立して調節することが可能とな
る。
【0013】なお、「互いに異なる合成樹脂」とは、各
種物性が互いに異なる合成樹脂を指し、種類が互いに異
なる合成樹脂だけでなく、種類が同一で硬化度や分子量
等が互いに異なる合成樹脂を含むものとする。
【0014】本発明の請求項4記載の電子写真用現像剤
は、上記の課題を解決するために、請求項2または3記
載の電子写真用現像剤において、上記合成樹脂層が、気
泡を含んでいることを特徴としている。
【0015】上記構成によれば、長期使用時におけるキ
ャリア粒子の分裂を促進することができる。それゆえ、
長期使用時の帯電量の減少によって起こる下地カブリ、
トナー飛散、および画質の劣化を、さらに効果的に補償
または未然に防止することができる。
【0016】本発明の請求項5記載の電子写真用現像剤
の製造方法は、上記の課題を解決するために、磁性粒子
と該磁性粒子表面を覆う磁性粒子被覆樹脂層とからなる
複数のキャリア芯粒子に対して磁化または電荷を付与す
ることにより各キャリア芯粒子間に引力を発生させて複
数のキャリア芯粒子を凝集させる工程と、凝集させたキ
ャリア芯粒子を合成樹脂で被覆することによりキャリア
を得る工程と、上記キャリアとトナーとを混合する工程
とを含むことを特徴としている。
【0017】上記方法によれば、複数の磁性粒子を有す
るキャリア粒子の比率がより高いキャリアとトナーとか
らなる本発明の電子写真用現像剤を製造することができ
る。従って、長期使用時の帯電量の減少によって起こる
下地カブリ、トナー飛散、および画質の劣化を、より効
果的に補償または未然に防止することができる電子写真
用現像剤を製造できる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について図
1ないし図5に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。本発明に係る電子写真用現像剤は、トナーおよびキ
ャリアからなる電子写真用現像剤であって、上記キャリ
アが、磁性粒子と上記磁性粒子表面を覆う合成樹脂層と
を備えるキャリア粒子を含み、上記電子写真用現像剤を
用いて15万枚の用紙に対する画像形成(例えば、15
万枚の用紙への複写)を行うと、画像形成後のキャリア
の個数平均粒径が画像形成前のキャリアの個数平均粒径
の95%以下、好ましくは65%以下、さらに好ましく
は50%以下となるようなものである。
【0019】これにより、初期のキャリアの個数平均粒
径と分裂時のキャリアの個数平均粒径との間に十分に大
きい差が生じる。すなわち、上記電子写真用現像剤を用
いて15万枚の用紙に対する画像形成を行うと、合成樹
脂層が大きく摩耗し、複数の磁性粒子を有している場合
にはキャリア粒子が分裂する。これにより、新たなキャ
リア粒子表面が形成され、帯電性が向上する。この結
果、長期使用時(多数枚複写時)に、キャリア粒子表面
の融着(スペント)が進行することによって起こる帯電
量の減少を、補償または未然に防止することができる。
それゆえ、長期使用時の帯電量の減少によって起こる下
地カブリ、トナー飛散、および画質の劣化を、補償また
は未然に防止することができる電子写真用現像剤を提供
できる。
【0020】本発明に係る電子写真用現像剤は、トナー
およびキャリアからなり、上記キャリアが、図1に示す
ように、磁性粒子1と磁性粒子1表面を覆う合成樹脂層
とを備えるキャリア粒子を含み、上記各キャリア粒子に
は複数の磁性粒子1が含まれ、上記合成樹脂層は、各磁
性粒子1表面を覆う複数の磁性粒子被覆樹脂層2と、各
キャリア粒子における全ての磁性粒子被覆樹脂層2を覆
う外郭樹脂層3とからなっている。
【0021】上記電子写真用現像剤を用いて画像形成
(例えば、複写)を進めていくと、所定の枚数(例え
ば、15万枚)の用紙への画像形成が終了した後に、キ
ャリア粒子が磁性粒子1間、例えば、磁性粒子1同士の
近接部にて分割され、キャリア粒子が、核としての磁性
粒子1と磁性粒子被覆樹脂層2とからなる複数のキャリ
ア芯粒子4に分裂する。これにより、新たなキャリア粒
子表面が形成され、帯電性が向上する。この結果、長期
使用時(多数枚複写時)に、キャリア粒子表面の融着
(スペント)が進行することによって起こる帯電量の減
少を、補償または未然に防止することができる。それゆ
え、長期使用時の帯電量の減少によって起こる下地カブ
リ、トナー飛散、および画質の劣化を、補償または未然
に防止することができる。
【0022】磁性粒子1としては、例えば、鉄、コバル
ト、ニッケル等の強磁性金属;フェライトやマグネタイ
ト等のような上記強磁性金属の化合物(酸化物、窒化
物、炭化物等);上記強磁性金属とアルミニウム、亜
鉛、スズ、鉛、マンガン、バナジウム等の他の金属との
合金または混合物等の磁性体からなる粒子を用いること
ができる。また、磁性粒子1の個数平均粒径(磁性粒子
1の粒径rの個数平均)は、30〜200μmであるこ
とが好ましい。
【0023】初期のキャリア粒子の個数平均粒径に対し
て分裂時のキャリア粒子の個数平均粒径が小さくなりす
ぎると、帯電性の変化が大きくなり、画像形成性能(複
写性能)への影響が大きくなる。この結果、感光体への
キャリア付着やキャリア飛散等の弊害が起こる。このた
め、分裂時のキャリア粒子の個数平均粒径を主に決める
磁性粒子1の個数平均粒径は、初期のキャリア粒子の個
数平均粒径(キャリア粒子の粒径Rの個数平均)の10
%〜90%の範囲内であることが望ましい。
【0024】また、キャリア粒子分裂時のキャリアの個
数平均粒径がトナーの個数平均粒径に対して小さくなり
すぎると、逆に、帯電能力が下がり、トナーの帯電量が
減少する。この結果、画像形成性能(例えば、複写性
能)や画質の悪化をまねく。このため、キャリア粒子分
裂時のキャリアの個数平均粒径を主に決める磁性粒子1
の個数平均粒径は、トナーの個数平均粒径の2倍以上で
あることが望ましい。
【0025】磁性粒子被覆樹脂層2および外郭樹脂層3
を形成する合成樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、
ポリスチレン系重合体、スチレン−アクリル共重合体
(スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体)、
ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系重
合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、
エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、フェノー
ル樹脂、キシレン樹脂等を用いることができる。
【0026】磁性粒子被覆樹脂層2および外郭樹脂層3
は、全く同一の材料からなっていてもよいが、互いに異
なる合成樹脂で形成されていることがより好ましい。磁
性粒子被覆樹脂層2および外郭樹脂層3を互いに異なる
合成樹脂で形成することにより、キャリア芯粒子4が分
裂前のキャリア粒子とは異なる機能を発現することがで
き、例えば、長期使用時における画像形成性能(例え
ば、多数枚複写時における複写性能)の悪化を未然に防
ぐことができる。なお、磁性粒子被覆樹脂層2および外
郭樹脂層3は、種類や分子量などが互いに異なる合成樹
脂で形成するか、あるいは、磁性粒子被覆樹脂層2の形
成(コーティング)と外郭樹脂層3の形成(コーティン
グ)とを異なる条件で行うことにより得られる。
【0027】磁性粒子被覆樹脂層2および外郭樹脂層3
は、硬化度が互いに異なる合成樹脂で形成されている
か、あるいは、種類が互いに異なる合成樹脂で形成され
ていることがさらに好ましい。
【0028】磁性粒子被覆樹脂層2および外郭樹脂層3
を同じ種類の合成樹脂で形成する場合、合成樹脂として
は、シリコーン樹脂が好ましく、メチルフェニルシリコ
ーン樹脂が特に好ましい。これにより、長期使用後にお
けるキャリア粒子の帯電性を向上させることができると
ともに、キャリア粒子の耐久性を向上させることがで
き、それゆえ画質劣化を防止することができる。
【0029】硬化度が互いに異なる合成樹脂を磁性粒子
被覆樹脂層2および外郭樹脂層3に用いる場合には、磁
性粒子被覆樹脂層2を形成する合成樹脂の硬化度を、外
郭樹脂層3を形成する合成樹脂の硬化度より高くするこ
とが望ましい。磁性粒子被覆樹脂層2を形成する合成樹
脂の硬化度をより高くすることにより、キャリア粒子の
帯電性を向上させるとともに磁性粒子被覆樹脂層2の耐
摩耗性を向上させることができる。また、外郭樹脂層3
を形成する合成樹脂の硬化度をより低くすることによ
り、外郭樹脂層3が摩耗して複数のキャリア芯粒子4に
分裂することを促進することができる。
【0030】種類が互いに異なる合成樹脂を磁性粒子被
覆樹脂層2および外郭樹脂層3に用いる場合には、上記
合成樹脂の組み合わせとして、磁性粒子被覆樹脂層2の
帯電性(誘電率)が外郭樹脂層3の帯電性(誘電率)よ
り高くなるような組み合わせが好ましい。
【0031】磁性粒子被覆樹脂層2の帯電性(誘電率)
が外郭樹脂層3の帯電性(誘電率)より高くなるような
合成樹脂の組み合わせとしては、(1)磁性粒子被覆樹
脂層2にシリコーン樹脂を用い外郭樹脂層3にアクリル
樹脂を用いる組み合わせ、(2)磁性粒子被覆樹脂層2
にフッ素樹脂を用い外郭樹脂層3にシリコーン樹脂を用
いる組み合わせ、および、(3)磁性粒子被覆樹脂層2
にフッ素樹脂を用い外郭樹脂層3にアクリル樹脂を用い
る組み合わせが特に好ましい。
【0032】(1)の組み合わせでは、外郭樹脂層3に
アクリル樹脂を用いたことにより、初期状態におけるキ
ャリア粒子の帯電安定性を向上させることができる。さ
らに、磁性粒子被覆樹脂層2にシリコーン樹脂を用いた
ことにより、長期使用後におけるキャリア粒子の帯電性
を向上させることができるとともに、キャリア粒子の耐
久性を向上させることができ、それゆえ画質劣化を防止
することができる。これらにより、初期状態における帯
電安定性に優れ、かつ、長期使用後の帯電性に優れた寿
命の長い電子写真用現像剤を提供できる。
【0033】また、(2)および(3)の組み合わせで
は、磁性粒子被覆樹脂層2にフッ素樹脂を用いたことに
より、長期使用後にキャリア粒子が複数のキャリア芯粒
子4に分裂したときに、フッ素樹脂がキャリア粒子表面
に露出して帯電性を向上させる機能を発揮する。この結
果、長期使用後におけるキャリア粒子の帯電性が向上
し、電子写真用現像剤の寿命が向上する。さらに、
(3)の組み合わせでは、外郭樹脂層3にアクリル樹脂
を用いたことにより、初期状態におけるキャリア粒子の
帯電安定性を向上させることができる。
【0034】なお、上記アクリル樹脂としては、フッ素
化アルキルメタクリレートが好ましく、上記シリコーン
樹脂としては、メチルフェニルシリコーン樹脂が好まし
い。また、上記フッ素樹脂としては、ポリフッ化ビニリ
デンが好ましい。なお、外郭樹脂層3を形成する合成樹
脂は、初期における所望の性能および帯電性を満たすよ
うに適宜選択すればよい。
【0035】また、種類が互いに異なる合成樹脂を磁性
粒子被覆樹脂層2および外郭樹脂層3に用いる場合の合
成樹脂の組み合わせとして、キャリア粒子の分裂が起こ
りやすくなるとともに分裂後のキャリア粒子が十分な耐
摩耗性を持つように、磁性粒子被覆樹脂層2の耐摩耗性
が外郭樹脂層3の耐摩耗性より高くなるような組み合わ
せ、例えば、前記の(2)または(3)の組み合わせが
好ましい。
【0036】上記キャリア粒子は、図1に示したよう
に、同じ構成の磁性粒子被覆樹脂層2のみからなってい
てもよいが、図2に示すように、一部の磁性粒子1を覆
うように形成された磁性粒子被覆樹脂層12と、他の磁
性粒子1を覆うように形成された磁性粒子被覆樹脂層1
2と異なる性質を有する磁性粒子被覆樹脂層22とを有
していてもよい。これにより、キャリア粒子は、長期使
用により外郭樹脂層3が摩耗して消失した時に、磁性粒
子1および磁性粒子被覆樹脂層12からなるキャリア芯
粒子14と、磁性粒子1および磁性粒子被覆樹脂層22
からなるキャリア芯粒子24とを含む複数のキャリア芯
粒子に分裂する。従って、長期使用時に、互いに異なる
性質を有するキャリア芯粒子14およびキャリア芯粒子
24、例えば、帯電性を向上させる機能を有するキャリ
ア芯粒子14と、耐久性を向上させる機能を有するキャ
リア芯粒子24とを出現させることができ、機能分離に
よる全体的な性能向上を図ることができる。
【0037】磁性粒子被覆樹脂層12と磁性粒子被覆樹
脂層22とは、性質が異なるものであれば特に限定され
るものではなく、例えば、層を形成する合成樹脂の種類
が異なっていてもよく、層を形成する合成樹脂の硬化度
が異なっていてもよく、層の厚みが異なっていてもよ
く、層の形状が異なっていてもよい。
【0038】磁性粒子被覆樹脂層12および磁性粒子被
覆樹脂層22を形成する合成樹脂の種類を異ならせる場
合、磁性粒子被覆樹脂層12としてシリコーン樹脂を用
い磁性粒子被覆樹脂層22としてフッ素樹脂を用いると
よい。これにより、長期使用後にキャリアが複数のキャ
リア芯粒子に分裂したときに、フッ素樹脂がトナー粒子
表面に露出して帯電性を向上させる機能を発揮する。こ
の結果、長期使用後の帯電性が向上し、寿命が向上す
る。なお、上記シリコーン樹脂としては、メチルフェニ
ルシリコーン樹脂が好ましく、上記フッ素樹脂として
は、ポリフッ化ビニリデンが好ましい。
【0039】また、磁性粒子被覆樹脂層12の硬化度を
磁性粒子被覆樹脂層22の硬化度より低くすると、硬化
度のより高い合成樹脂からなる磁性粒子被覆樹脂層12
により長期使用後(キャリア粒子の分裂後)における帯
電性の向上を図ることができるとともに、硬化度のより
低い合成樹脂からなる磁性粒子被覆樹脂層22を混在さ
せることにより、帯電のバランスを図ることができる。
【0040】さらに、磁性粒子被覆樹脂層12および磁
性粒子被覆樹脂層22の厚みを独立して調節すると、磁
性粒子被覆樹脂層12・22同士の融着(スペント)が
起こった時に、融着した磁性粒子被覆樹脂層12・22
が少しずつ摩耗することにより常に新しいキャリア粒子
表面を形成するという作用を調節することができる。磁
性粒子被覆樹脂層12および磁性粒子被覆樹脂層22の
厚みを独立して調節するには、磁性粒子被覆樹脂層12
および磁性粒子被覆樹脂層22を形成する合成樹脂の量
を独立して調節すればよい。
【0041】上記各キャリア粒子には、図1および図2
に示したように、ただ1種の磁性粒子1を含んでいても
よいが、図3に示すように、互いに異なる磁性粒子11
および磁性粒子21を含んでいてもよい。これにより、
キャリア粒子は、長期使用により外郭樹脂層3が摩耗し
て消失した時に、磁性粒子11および磁性粒子被覆樹脂
層2からなるキャリア芯粒子34と、磁性粒子21およ
び磁性粒子被覆樹脂層2からなるキャリア芯粒子44と
を含む複数のキャリア芯粒子に分裂する。従って、長期
使用時に、互いに異なる性質を有するキャリア芯粒子3
4およびキャリア芯粒子44、例えば、帯電性を向上さ
せる機能を有するキャリア芯粒子34と、耐久性を向上
させる機能を有するキャリア芯粒子44とを出現させる
ことができ、機能分離による全体的な性能向上を図るこ
とができる。
【0042】磁性粒子11および磁性粒子21として、
図3では、表面が平滑な磁性粒子11と、ディンプル加
工により表面に凹凸が形成された磁性粒子21との組み
合わせを示している。上記構成では、磁性粒子11と磁
性粒子21との間に表面形状の差があるので、平滑な表
面を有する磁性粒子11により流動性を向上させキャリ
ア粒子が小粒径化されても応力をかかりにくくできると
ともに、凹凸表面を有する磁性粒子21により表面積を
増大させ、キャリア粒子の帯電性を向上させることがで
きる。
【0043】なお、磁性粒子11および磁性粒子21
は、図3に示す構成に限定されるものではなく、互いに
異なっていればよい。磁性粒子11および磁性粒子21
は、構成材料が互いに異なるものであってもよく、表面
形状(表面性または表面形状)が互いに異なるものであ
ってもよく、磁気特性が互いに異なるものであってもよ
く、体積抵抗率が互いに異なるものであってもよく、個
数平均粒径(粒径r1および粒径r2の個数平均)が互
いに異なるものであってもよい。
【0044】磁性粒子11および21の構成材料を異な
らせることにより、画質に対する寄与の機能分離を図る
ことができる。例えば、磁性粒子11として鉄粉を用い
て帯電性の向上を図るとともに、磁性粒子21としてフ
ェライトを用いて画像の階調性の向上を図ることができ
る。
【0045】また、磁性粒子11の飽和磁気誘導(飽和
磁化)を磁性粒子21の飽和磁気誘導より高くすると、
飽和磁気誘導がより高い磁性粒子11によりキャリアの
飛散(キャリア飛び)が起こりにくい電子写真用現像剤
にすることができるとともに、飽和磁気誘導がより低い
磁性粒子11により穂圧を低くすることができ、ソフト
な画質が得られる。なお、穂圧とは、磁性ローラ(マグ
ローラ)上に現像剤の磁気ブラシによって形成された穂
が、感光体に触れるときの圧力を指す。
【0046】さらに、磁性粒子11の体積抵抗率を磁性
粒子21の体積抵抗率より高くすると、次のような効果
が得られる。すなわち、体積抵抗率がより高い磁性粒子
11によりγ値(γ特性曲線の傾き)を小さくして階調
性を良好とし、かつ、帯電性に優れた構成とすることが
できる。それとともに、体積抵抗率がより低い磁性粒子
21により、エッジ効果を抑制でき、高い画像濃度が得
られる。
【0047】磁性粒子11および磁性粒子21の配合比
を調節することにより、磁性粒子11の効果と磁性粒子
21の効果とのバランスを調節することができ、所望の
性能を有する電子写真用現像剤を得ることができる、キ
ャリア粒子は、図4に示すように、磁性粒子1間に気泡
6を含む外郭樹脂層13を有していてもよい。これによ
り、長期使用時(多数枚複写時)におけるキャリア粒子
の分裂を促進することができるという効果が得られる。
気泡6の平均径は、キャリアの個数平均粒径の0.1%
〜10%の範囲内であることが好ましい。
【0048】上記キャリアは、15万枚の用紙への画像
形成により個数平均粒径が5%以上減少する性質を得る
ために、2つ以上の磁性粒子1を有するキャリア粒子を
10重量%以上含むことが望ましい。
【0049】上記キャリアは、2つ以上の磁性粒子1を
有するキャリア粒子を2種以上含んでいてもよい。すな
わち、磁性粒子1、磁性粒子被覆樹脂層2、および外郭
樹脂層3の少なくともいずれかが異なる2種以上のキャ
リア粒子が、ある割合で複合あるいは混在してキャリア
を構成していてもよい。キャリア粒子が2種以上含まれ
るキャリアにおいては、その外郭樹脂層3の強度または
キャリア芯粒子4間の密着性を変えることで、電子写真
用現像剤の寿命までにキャリア粒子の分裂が起こる時期
を2回以上にすることができ、帯電挙動の細かな調整が
可能になる。
【0050】本発明に係る電子写真用現像剤におけるト
ナーは、少なくとも結着樹脂を含み、必要に応じて、着
色剤、荷電制御剤、離型剤、分散剤等の添加剤を含んで
いる。上記結着樹脂としては、例えば、ポリスチレン系
重合体、アクリル樹脂、スチレン−アクリル共重合体、
ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系ポリマ
ー、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリウレタン、エ
ポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
【0051】上記着色剤としては、例えば、カーボンブ
ラック、ニグロシン、クロムイエロー、ハンザイエロ
ー、ヘンジジンイエロー、キノリンイエロー、フタロシ
アニンブルー、アニリンブルー、ウルトラマリンブル
ー、デュポンオイルレッド、ローズベンガル等の染料や
顔料が挙げられる。上記荷電制御剤としては、例えば、
4級アンモニウム塩、金属錯体系染料、ニグロシン染
料、アンモニウム系化合物が挙げられる。また、離型剤
や分散剤としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピ
レン等のポリオレフィン、脂肪酸エステル、高級脂肪
酸、パラフィンワックス等が挙げられる。
【0052】トナーは、例えば、結着樹脂と各種の添加
剤とを溶融混練し、粉砕および分級を行った後、必要に
応じて、適当な外添剤(表面処理剤)を外添することに
より得られるものである。上記外添剤としては、例え
ば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ス
ズ等の金属酸化物、重合体微粒子等が挙げられる。
【0053】次に、本発明に係る電子写真用現像剤の製
造方法について説明する。本発明に係る電子写真用現像
剤の製造方法は、複数の磁性粒子1表面を合成樹脂で覆
うことによりキャリアを得る工程と、上記キャリアとト
ナーとを混合する工程とを含んでいる。
【0054】上記のキャリアを得る工程では、図5に示
すように、磁性粒子1と合成樹脂5とを混合してなる混
合物中に気泡6を含ませたスポンジ状混合物を粉砕する
ことが望ましい。これにより、混合物が、混合物中の気
泡6を分裂面として分裂しやすくなり、粉砕および分級
によりキャリアの個数平均粒径の調節を容易に行うこと
ができる。また、混合物中に含ませる気泡6の個数平均
径を、キャリアの個数平均粒径の10%以下とすれば、
図4に示す磁性粒子1間に気泡6を含む外郭樹脂層13
を有するキャリア粒子が容易に得られる。
【0055】上記混合物中に気泡6を含ませる方法とし
ては、気泡6を発生する物質である発泡剤とともに磁性
粒子1および合成樹脂5を混合する方法が好ましく、加
熱により気泡6を発生する発泡剤とともに磁性粒子1お
よび合成樹脂5を混合した後に加熱する方法が特に好ま
しい。また、上記混合物中に気泡6を含ませる方法は、
合成樹脂5の原料として中空の合成樹脂粒子を用いる方
法であってもよい。
【0056】本発明に係る電子写真用現像剤の製造方法
は、複数の磁性粒子1表面上にそれぞれ合成樹脂で磁性
粒子被覆樹脂層2を形成することにより、磁性粒子1お
よび磁性粒子被覆樹脂層2からなるキャリア芯粒子4を
複数得る第1工程と、複数のキャリア芯粒子4表面上に
合成樹脂で外郭樹脂層3を形成することによりキャリア
を得る第2工程と、上記キャリアとトナーとを混合する
第3工程とを含むことが好ましい。これにより、磁性粒
子被覆樹脂層2を形成する合成樹脂と、外郭樹脂層3を
形成する合成樹脂とを異ならせることができる。また、
磁性粒子被覆樹脂層2および外郭樹脂層3を形成する合
成樹脂の量をそれぞれ独立して調節することが可能とな
り、それゆえ、キャリア粒子の体積抵抗率を調節するこ
とができる。この結果、電子写真用現像剤のγ特性およ
び帯電性を制御することが可能となる。
【0057】上記第1工程では、例えば、芯材である磁
性粒子1に対し、有機溶剤に溶解した合成樹脂(コーテ
ィング剤)を、浸漬法やスプレー法等によりコーティン
グした後、合成樹脂を焼成または乾燥等により硬化さ
せ、解粒、粒度調整、および磁気選別をすることで、キ
ャリア芯粒子4を得る。
【0058】また、上記第2工程では、第1工程で得ら
れたキャリア芯粒子4に対し、スプレードライ法、浸漬
法、溶融混練法等にて合成樹脂をコーティングした後、
粉砕、解粒、粒度調整、および磁力選別を行う。これに
より、本発明に係る複数の磁性粒子1を有するキャリア
粒子を含むキャリアが得られる。
【0059】本発明に係る電子写真用現像剤の製造方法
は、磁性粒子1と磁性粒子1表面を覆う磁性粒子被覆樹
脂層2とからなる複数のキャリア芯粒子4に対して磁化
または電荷を付与することにより各キャリア芯粒子4間
に引力(磁力または静電引力)を発生させて複数のキャ
リア芯粒子4を凝集させる工程と、凝集させたキャリア
芯粒子4を合成樹脂で被覆することによりキャリアを得
る工程と、上記キャリアとトナーとを混合する工程とを
含むことが好ましい。
【0060】すなわち、前記の第1工程では、磁性粒子
被覆樹脂層2を形成する前に磁性粒子1に磁化を付与す
るか、あるいは、磁性粒子被覆樹脂層2を形成した後に
キャリア芯粒子4に電荷を付与することにより、各キャ
リア芯粒子4間に引力を発生させて複数のキャリア芯粒
子4を凝集させることが好ましい。さらに、前記の第2
工程では、上述のようにして凝集させた状態のキャリア
芯粒子4を合成樹脂で被覆することが好ましい。これに
より、キャリアにおける複数の磁性粒子1を有するキャ
リア粒子の比率を高めることができる。
【0061】また、前記の第2工程において、キャリア
芯粒子4と合成樹脂とを溶融混練した後に、粉砕および
分級によりキャリアの個数平均粒径を調節する方法によ
っても、キャリアにおける複数の磁性粒子1を有するキ
ャリア粒子の比率を高めることができる。
【0062】前記の第3工程では、前記第2工程により
得られたキャリアとトナーとを、ナウターミキサー、ヘ
ンシェルミキサー、V型混合機、Y型混合機等の混合機
にて混合すればよい。これにより、本発明に係る電子写
真用現像剤が得られる。
【0063】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限
定されるものではない。
【0064】〔実施例1〕磁性粒子として個数平均粒径
が35μmで粒径分布が20〜50μmのフェライトを
用い、メチルフェニルシリコーン樹脂0.5重量部でス
プレードライ法にて上記フェライトをコーティングした
後、焼成、解粒、および磁気選別を行った。これによ
り、キャリア芯粒子を得た。
【0065】このキャリア芯粒子を、再度メチルフェニ
ルシリコーン樹脂1.0重量部でスプレードライ法にて
コーティングした後、焼成、解粒、粒度調整、および磁
気選別を行った。これにより、個数平均粒径100μm
の本発明に係るキャリアを得た。
【0066】一方、結着樹脂としてのスチレン−アクリ
ル共重合体90重量部、荷電制御剤としての4級アンモ
ニウム塩3重量部、着色剤としてのカーボンブラック5
重量部、離型剤としてのポリプロピレン2重量部を混練
(混合)した後、粉砕および分級し、さらに、外添剤と
してのシリカ0.3重量部を加えて混合し、個数平均粒
径10μmのトナーを得た。
【0067】上記のキャリア97重量部およびトナー3
重量部をナウターミキサーにて混合して、本発明に係る
電子写真用現像剤を得た。
【0068】〔実施例2〕磁性粒子として個数平均粒径
が35μmで粒径分布が20〜50μmのフェライトを
用い、メチルフェニルシリコーン樹脂0.3重量部でス
プレードライ法にて上記フェライトをコーティングした
後、焼成、解粒、および磁気選別を行った。これによ
り、キャリア芯粒子を得た。
【0069】このキャリア芯粒子を、フッ素化アルキル
メタクリレート樹脂1.0重量部でスプレードライ法に
てコーティングした後、焼成、解粒、粒度調整、および
磁気選別を行った。これにより、個数平均粒径100μ
mの本発明に係るキャリアを得た。
【0070】電子写真用現像剤は、上記のキャリアと実
施例1で得たトナーとを用いて、実施例1と同様の方法
により得た。
【0071】〔実施例3〕磁性粒子として個数平均粒径
が35μmで粒径分布が20〜50μmのフェライトを
用い、メチルフェニルシリコーン樹脂0.5重量部でス
プレードライ法にて上記フェライトをコーティングした
後、窒素雰囲気下で150℃にて焼成し、次いで、解粒
および磁気選別を行った。これにより、キャリア芯粒子
を得た。
【0072】このキャリア芯粒子を、再度メチルフェニ
ルシリコーン樹脂0.5重量部でスプレードライ法にて
コーティングした後、窒素雰囲気下で140℃にて焼成
し、次いで、焼成、解粒、粒度調整、および磁気選別を
行った。これにより、個数平均粒径100μmの本発明
に係るキャリアを得た。
【0073】電子写真用現像剤は、上記のキャリアと実
施例1で得たトナーとを用いて、実施例1と同様の方法
により得た。
【0074】〔実施例4〕磁性粒子として個数平均粒径
が35μmで粒径分布が20〜50μmのフェライトを
用い、メチルフェニルシリコーン樹脂0.2重量部でス
プレードライ法にて上記フェライトをコーティングした
後、焼成、解粒、および磁気選別を行った。これによ
り、第1のキャリア芯粒子を得た。
【0075】また、メチルフェニルシリコーン樹脂1.
0重量部でスプレードライ法にて上記フェライトをコー
ティングした後、焼成、解粒、および磁気選別を行っ
た。これにより、第2のキャリア芯粒子を得た。
【0076】これらの2種類のキャリア芯粒子を混合し
た後、これらのキャリア芯粒子を再度メチルフェニルシ
リコーン樹脂1.0重量部でスプレードライ法にてコー
ティングし、次いで、焼成、解粒、粒度調整、および磁
気選別を行った。これにより、個数平均粒径100μm
の本発明に係るキャリアを得た。
【0077】電子写真用現像剤は、上記のキャリアと実
施例1で得たトナーとを用いて、実施例1と同様の方法
により得た。
【0078】〔実施例5〕磁性粒子として個数平均粒径
が35μmで粒径分布が20〜50μmのフェライトを
用い、メチルフェニルシリコーン樹脂を0.3重量部ス
プレードライ法にて上記フェライトをコーティングした
後、焼成、解粒、および磁気選別を行った。これによ
り、第1のキャリア芯粒子を得た。
【0079】また、ポリフッ化ビニリデン樹脂0.3重
量部でスプレードライ法にて上記フェライトをコーティ
ングした後、焼成、解粒、および磁気選別を行った。こ
れにより、第2のキャリア芯粒子を得た。
【0080】これらの2種類のキャリア芯粒子を混合し
た後、これらのキャリア芯粒子を再度メチルフェニルシ
リコーン樹脂1.0重量部でスプレードライ法にてコー
ティングし、次いで、焼成、解粒、粒度調整、および磁
気選別を行った。これにより、個数平均粒径100μm
の本発明に係るキャリアを得た。
【0081】電子写真用現像剤は、上記のキャリアと実
施例1で得たトナーとを用いて、実施例1と同様の方法
により得た。
【0082】〔実施例6〕磁性粒子として個数平均粒径
が35μmで粒径分布が20〜50μmのフェライトを
用い、メチルフェニルシリコーン樹脂0.3重量部でス
プレードライ法にて上記フェライトをコーティングした
後、窒素雰囲気下で150℃にて焼成し、次いで、解粒
および磁気選別をした。これにより、第1のキャリア芯
粒子を得た。
【0083】また、メチルフェニルシリコーン樹脂0.
3重量部でスプレードライ法にて上記フェライトをコー
ティングした後、窒素雰囲気下で130℃にて焼成し、
次いで、解粒および磁気選別をした。これにより、第2
のキャリア芯粒子を得た。
【0084】これらの2種類のキャリア芯粒子を混合し
た後、これらのキャリア芯粒子を再度メチルフェニルシ
リコーン樹脂1.0重量部でスプレードライ法にてコー
ティングし、次いで、焼成、解粒、粒度調整、および磁
気選別を行った。これにより、個数平均粒径100μm
の本発明に係るキャリアを得た。
【0085】電子写真用現像剤は、上記のキャリアと実
施例1で得たトナーとを用いて、実施例1と同様の方法
により得た。
【0086】〔実施例7〕磁性粒子として個数平均粒径
が35μmで粒径分布が20〜50μmのフェライトを
用い、メチルフェニルシリコーン樹脂0.3重量部で上
記フェライトをスプレードライ法にてコーティングした
後、焼成、解粒、および磁気選別を行った。これによ
り、第1のキャリア芯粒子を得た。
【0087】また、磁性粒子として個数平均粒径が50
μmで粒径分布が30〜70μmの鉄粉を用い、メチル
フェニルシリコーン樹脂0.3重量部で上記鉄粉をスプ
レードライ法にてコーティングした後、焼成、解粒、お
よび磁気選別を行った。これにより、第2のキャリア芯
粒子を得た。
【0088】これらの2種類のキャリア芯粒子を混合し
た後、これらのキャリア芯粒子を再度メチルフェニルシ
リコーン樹脂1.0重量部でスプレードライ法にてコー
ティングし、次いで、焼成、解粒、粒度調整、および磁
気選別を行った。これにより、個数平均粒径100μm
の本発明に係るキャリアを得た。
【0089】電子写真用現像剤は、上記のキャリアと実
施例1で得たトナーとを用いて、実施例1と同様の方法
により得た。
【0090】〔実施例8〕磁性粒子として個数平均粒径
が35μmで粒径分布が20〜50μmの球状フェライ
トを用い、メチルフェニルシリコーン樹脂0.3重量部
でスプレードライ法にて上記球状フェライトをコーティ
ングした後、焼成、解粒、および磁気選別を行った。こ
れにより、第1のキャリア芯粒子を得た。
【0091】また、磁性粒子として、個数平均粒径50
μmで粒径分布が30〜70μmであり、ディンプル加
工を施した細孔比率の高いフェライトを用い、メチルフ
ェニルシリコーン樹脂0.3重量部でスプレードライ法
にて上記フェライトをコーティングした後、焼成、解
粒、および磁気選別を行った。これにより、第2のキャ
リア芯粒子を得た。
【0092】これらの2種類のキャリア芯粒子を混合し
た後、これらのキャリア芯粒子を再度メチルフェニルシ
リコーン樹脂1.0重量部でスプレードライ法にてコー
ティングし、次いで、焼成、解粒、粒度調整、および磁
気選別を行った。これにより、個数平均粒径100μm
の本発明に係るキャリアを得た。
【0093】電子写真用現像剤は、上記のキャリアと実
施例1で得たトナーとを用いて、実施例1と同様の方法
により得た。
【0094】以上の実施例1〜8における電子写真用現
像剤の構成および製造条件を、表1にまとめて示す。な
お、表1において、「シリコーン」はメチルフェニルシ
リコーン樹脂を表し、「フッ素化アクリル樹脂」はフッ
素化アルキルメタクリレートを表し、「PVDF」はポ
リフッ化ビニリデンを表す。また、「部」は重量部を表
し、「平均粒径」は個数平均粒径を表す。
【0095】以上の実施例1〜8で得られた電子写真用
現像剤を用い、シャープ株式会社製複写機(商品名「S
D−2260」)にて、初期(使用前)の画像濃度、下
地カブリ、帯電量、およびトナー飛散、並びに、上記複
写機にて15万枚複写(15万枚の用紙への複写)およ
び30万枚複写(30万枚の用紙への複写)を行った後
の画像濃度、下地カブリ、帯電量、およびトナー飛散を
測定した。得られた結果を表2に示す。
【0096】画像濃度は、マクベス濃度計(マクベス社
製)を用いて測定した。また、下地カブリは、白度計
(商品名「Z−II OPTICAL SENSOR」、
日本電色株式会社製)を用いて測定した。さらに、帯電
量は、ブローオフ粉体帯電量測定装置(東芝ケミカル株
式会社製)を用いて測定した。また、トナー飛散は、現
像槽の現像部の近傍に堆積したトナー量、機内汚染した
部分のテープ取りおよび目視による評価、コピー紙の汚
れの度合い等により、「◎」(極めて良好)、「○」
(良好)、「△」(やや不良)、「×」(不良)の4段
階で評価した。
【0097】さらに、以上の実施例1〜8で得られた電
子写真用現像剤について、初期のキャリアの個数平均粒
径とシャープ株式会社製複写機(商品名「SD−226
0」)を用いて15万枚複写を行った時のキャリアの個
数平均粒径との比、2つ以上の磁性粒子を有するキャリ
ア粒子の比率、および、キャリアの粒径分布を測定し
た。得られた結果を表3に示す。
【0098】初期のキャリアの個数平均粒径と15万枚
複写を行った時のキャリアの個数平均粒径との比は、1
5万枚複写時のキャリアの個数平均粒径および初期のキ
ャリアの個数平均粒径をそれぞれ、レーザー解析装置に
よる解析またはCCD(Charge Coupled Device;電荷結
合素子)カメラにより撮像したキャリア画像の解析によ
り測定し、15万枚複写時のキャリアの個数平均粒径を
初期のキャリアの個数平均粒径で割った値とした。
【0099】また、2つ以上の磁性粒子を有するキャリ
ア粒子の比率は、配合比や、初期のキャリアの個数平均
粒径と15万枚複写を行った時のキャリアの個数平均粒
径との比から推測した。例えば、実施例1により得られ
たキャリアと比較例1(後述する)により得られたキャ
リアとを所望の比率にて配合し、本発明のキャリア10
%と比較例1のキャリア90%とを配合した場合を、2
つ以上の磁性粒子を有するキャリア粒子の比率が10%
とした。
【0100】さらに、キャリアの粒径分布は、レーザー
解析装置による解析またはCCDカメラにより撮像した
キャリア画像の解析により所定の方法で測定した。な
お、キャリアの個数平均粒径および粒径分布の測定方法
は、メッシュによる篩分けを用いる方法であってもよ
い。
【0101】
【表1】
【0102】
【表2】
【0103】
【表3】
【0104】〔実施例9〕磁性粒子として、個数平均粒
径が35μmで粒径分布が20〜50μmであり、10
kOeの磁界での磁束密度(飽和磁気誘導)が50em
u/gであるフェライトを用い、メチルフェニルシリコ
ーン樹脂0.3重量部でスプレードライ法にて上記フェ
ライトをコーティングした後、焼成、解粒、および磁気
選別を行った。これにより、第1のキャリア芯粒子を得
た。
【0105】磁性粒子として、個数平均粒径が35μm
で粒径分布が20〜50μmであり、10kOeの磁界
での磁束密度(飽和磁気誘導)が60emu/gである
フェライトを用い、メチルフェニルシリコーン樹脂0.
3重量部でスプレードライ法にて上記フェライトをコー
ティングした後、焼成、解粒、および磁気選別を行っ
た。これにより、第2のキャリア芯粒子を得た。
【0106】これらの2種類のキャリア芯粒子を混合し
た後、これらのキャリア芯粒子を再度メチルフェニルシ
リコーン樹脂1.0重量部でスプレードライ法にてコー
ティングし、次いで、焼成、解粒、粒度調整、および磁
気選別を行った。これにより、個数平均粒径100μm
の本発明に係るキャリアを得た。
【0107】電子写真用現像剤は、上記のキャリアと実
施例1で得たトナーとを用いて、実施例1と同様の方法
により得た。
【0108】〔実施例10〕磁性粒子として、個数平均
粒径が35μmで粒径分布が20〜50μmであり、1
000Vの電圧を印加したときの体積抵抗率が2×10
8 Ω・cmであるフェライトを用い、メチルフェニルシ
リコーン樹脂0.3重量部でスプレードライ法にて上記
フェライトをコーティングした後、焼成、解粒、および
磁気選別を行った。これにより、第1のキャリア芯粒子
を得た。
【0109】また、磁性粒子として、個数平均粒径が3
5μmで粒径分布が20〜50μmであり、1000V
の電圧を印加したときの体積抵抗率が5×109 Ω・c
mであるフェライトを用い、メチルフェニルシリコーン
樹脂0.3重量部でスプレードライ法にて上記フェライ
トをコーティングした後、焼成、解粒、および磁気選別
を行った。これにより、第2のキャリア芯粒子を得た。
【0110】これらの2種類のキャリア芯粒子を混合し
た後、これらのキャリア芯粒子を再度メチルフェニルシ
リコーン樹脂1.0重量部でスプレードライ法にてコー
ティングし、次いで、焼成、解粒、粒度調整、および磁
気選別を行った。これにより、個数平均粒径100μm
の本発明に係るキャリアを得た。
【0111】電子写真用現像剤は、上記のキャリアと実
施例1で得たトナーとを用いて、実施例1と同様の方法
により得た。
【0112】〔実施例11〕実施例1で得られたキャリ
アと、実施例2で得られたキャリアとを1:1の混合比
で混合し、本発明に係るキャリアを得た。電子写真用現
像剤は、上記のキャリアと実施例1で得たトナーとを用
いて、実施例1と同様の方法により得た。
【0113】〔実施例12〕磁性粒子として個数平均粒
径が35μmで粒径分布が20〜50μmのフェライト
を用い、ポリフッ化ビニリデン樹脂0.5重量部スプレ
ードライ法にて上記フェライトをコーティングした後、
焼成、解粒、および磁気選別を行った。これにより、キ
ャリア芯粒子を得た。
【0114】次に、これらのキャリア芯粒子100重量
部とメチルフェニルシリコーン樹脂40重量部とをミキ
サーで混合した後、押し出し式混練機にて溶融混練する
ことにより、混練物を得た。さらに、該混練物を粉砕
し、篩により粒度調整をした後、磁力選別を行った。こ
れにより、個数平均粒径100μmの本発明に係るキャ
リアを得た。
【0115】電子写真用現像剤は、上記のキャリアと実
施例1で得たトナーとを用いて、実施例1と同様の方法
により得た。
【0116】〔実施例13〕磁性粒子として、個数平均
粒径が35μmで粒径分布が20〜50μmであり、1
kOeの磁界での残留磁気が2emu/gであるフェラ
イトを、ポリエチレンワックスの溶剤溶液中に分散させ
て、分散液を得た。次に、該分散液に対し、10kOe
の磁界を印加した後、磁場を解除した。続いて、この分
散液を溶剤が蒸発する温度である150℃に保った状態
でスプレードライヤーにて噴霧した後、冷却した。これ
により、キャリア芯粒子を得た。
【0117】次に、上記キャリア芯粒子を、再度メチル
フェニルシリコーン樹脂1.0重量部でスプレードライ
法にてコーティングした後、焼成、解粒、粒度調整、お
よび磁気選別を行った。これにより、個数平均粒径10
0μmの本発明に係るキャリアを得た。
【0118】電子写真用現像剤は、上記のキャリアと実
施例1で得たトナーとを用いて、実施例1と同様の方法
により得た。
【0119】〔実施例14〕磁性粒子として個数平均粒
径が35μmで粒径分布が20〜50μmのフェライト
を用い、ポリフッ化ビニリデン樹脂0.5重量部でスプ
レードライ法にて上記フェライトをコーティングした
後、焼成、解粒、および磁気選別を行った。これによ
り、キャリア芯粒子を得た。
【0120】次に、このキャリア芯粒子100重量部と
メチルフェニルシリコーン樹脂40重量部および炭酸水
素ナトリウム10重量部とをミキサーで混合した後、押
し出し式混練機にて溶融混練することにより、平均径5
0μmの気泡を有するスポンジ状の混練物を得た。さら
に、該混練物をハンマーミルにて粉砕し、篩にて粒度調
整をした後、磁力選別を行った。これにより、個数平均
粒径100μmの本発明に係るキャリアを得た。
【0121】電子写真用現像剤は、上記のキャリアと実
施例1で得たトナーとを用いて、実施例1と同様の方法
により得た。
【0122】〔実施例15〕磁性粒子として個数平均粒
径が35μmで粒径分布が20〜50μmのフェライト
を用い、ポリフッ化ビニリデン樹脂0.5重量部でスプ
レードライ法にて上記フェライトをコーティングした
後、焼成、解粒、および磁気選別を行った。これによ
り、キャリア芯粒子を得た。
【0123】次に、このキャリア芯粒子100重量部、
メチルフェニルシリコーン樹脂40重量部、および、ス
チレン−アクリル共重合体をスプレードライ法により発
泡させることにより得た熱硬化性中空粒子20重量部を
ミキサーで混合し、押し出し式混練機にて溶融混練する
ことにより、混練物を得た。さらに、該混練物をハンマ
ーミルにて粉砕し、篩にて粒度調整をした後、磁力選別
を行った。これにより、個数平均粒径100μmの本発
明に係るキャリアを得た。このキャリアは、キャリア中
に平均1μmの気泡を有していた。
【0124】電子写真用現像剤は、上記のキャリアと実
施例1で得たトナーとを用いて、実施例1と同様の方法
により得た。
【0125】〔比較例1〕磁性粒子として個数平均粒径
100μmのフェライトを用い、メチルフェニルシリコ
ーン樹脂1.5重量部でスプレードライ法にて上記フェ
ライトをコーティングした後、焼成、解粒、および磁気
選別を行った。これにより、比較用のキャリアを得た。
【0126】電子写真用現像剤は、上記の比較用キャリ
アと実施例1で得たトナーとを用いて、実施例1と同様
の方法により得た。
【0127】実施例9〜10および12〜15並びに比
較例1における電子写真用現像剤の構成および製造条件
を、表4にまとめて示す。なお、表4において、「シリ
コーン」はメチルフェニルシリコーン樹脂を表し、「P
VDF」はポリフッ化ビニリデンを表し、「PE」はポ
リエチレンを表し、「部」は重量部を示す。
【0128】また、以上の実施例9〜15および比較例
1で得られた電子写真用現像剤を用い、シャープ株式会
社製複写機(商品名「SD−2260」)にて、初期
(使用前)の画像濃度、下地カブリ、帯電量、およびト
ナー飛散、並びに、上記複写機にて15万枚複写(15
万枚の用紙への複写)および30万枚複写(30万枚の
用紙への複写)を行った後の画像濃度、下地カブリ、帯
電量、およびトナー飛散を実施例1〜8と同様にして測
定した。得られた結果を表5に示す。
【0129】さらに、以上の実施例9〜15および比較
例1で得られた電子写真用現像剤について、初期のキャ
リアの個数平均粒径とシャープ株式会社製複写機(商品
名「SD−2260」)を用いて15万枚複写を行った
時のキャリアの個数平均粒径との比、2つ以上の磁性粒
子を有するキャリア粒子の比率、および、キャリアの粒
径分布を、実施例1〜8と同様にして測定した。得られ
た結果を表6に示す。
【0130】
【表4】
【0131】
【表5】
【0132】
【表6】
【0133】また、実施例1のキャリア(個数平均粒径
100μm)を用い、シャープ株式会社製複写機(商品
名「SD−2260」)にて30万枚複写(30万枚の
用紙への複写)を行った時の現像剤中のキャリアの個数
平均粒径を測定すると、94.5μmであった。一方、
比較例1のキャリア(個数平均粒径100μm)にて同
様に30万枚複写を行った時の現像剤中のキャリアの個
数平均粒径を測定すると、初期と変化なく100μmで
あった。以上より、本発明に係る実施例1のキャリアに
おいては、多数枚複写によりキャリアの粒径変化が確認
され、この効果によって表2に示すような安定した複写
性能が得られたことが分かる。
【0134】以上の各実施例および比較例より、本発明
に係る各実施例の電子写真用現像剤は、比較例の電子写
真用現像剤に対して寿命が延びるという結果が得られ
た。すなわち、本発明に係る各実施例の電子写真用現像
剤は、多数枚複写時における、帯電量の減少、下地カブ
リ、トナー飛散、および画質の劣化に関して、比較例の
電子写真用現像剤に対する優位性が認められた。
【0135】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の電子写真用現像
剤は、以上のように、トナーおよびキャリアからなる電
子写真用現像剤であって、上記キャリアが、磁性粒子と
上記磁性粒子表面を覆う合成樹脂層とを備えるキャリア
粒子を含み、上記電子写真用現像剤を用いて15万枚の
用紙に対する画像形成を行うと、画像形成後のキャリア
の個数平均粒径が画像形成前のキャリアの個数平均粒径
の95%以下となるようなものである構成である。
【0136】上記構成によれば、長期使用時の帯電量の
減少によって起こる下地カブリ、トナー飛散、および画
質の劣化を、補償または未然に防止することができる電
子写真用現像剤を提供することができるという効果を奏
する。
【0137】本発明の請求項2記載の電子写真用現像剤
は、以上のように、トナーおよびキャリアからなる電子
写真用現像剤であって、上記キャリアが、磁性粒子と上
記磁性粒子表面を覆う合成樹脂層とを備えるキャリア粒
子を含み、上記キャリア粒子に複数の磁性粒子が含まれ
ている構成である。
【0138】上記構成によれば、長期使用時の帯電量の
減少によって起こる下地カブリ、トナー飛散、および画
質の劣化を、補償または未然に防止することができる電
子写真用現像剤を提供することができるという効果を奏
する。
【0139】本発明の請求項3記載の電子写真用現像剤
は、以上のように、上記合成樹脂層が、上記各磁性粒子
表面を覆う複数の磁性粒子被覆樹脂層と、上記の複数の
磁性粒子被覆樹脂層を覆う外郭樹脂層とを有し、上記磁
性粒子被覆樹脂層と外郭樹脂層とが、互いに異なる合成
樹脂からなる構成である。
【0140】上記構成によれば、初期状態における性能
と、長期使用後における性能とを独立して調節すること
が可能な電子写真用現像剤を提供することができるとい
う効果を奏する。
【0141】本発明の請求項4記載の電子写真用現像剤
は、以上のように、上記合成樹脂層が、気泡を含んでい
る構成である。
【0142】上記構成によれば、長期使用時の帯電量の
減少によって起こる下地カブリ、トナー飛散、および画
質の劣化を、さらに効果的に補償または未然に防止する
ことができるという効果を奏する。
【0143】本発明の請求項5記載の電子写真用現像剤
の製造方法は、以上のように、磁性粒子と該磁性粒子表
面を覆う磁性粒子被覆樹脂層とからなる複数のキャリア
芯粒子に対して磁化または電荷を付与することにより各
キャリア芯粒子間に引力を発生させて複数のキャリア芯
粒子を凝集させる工程と、凝集させたキャリア芯粒子を
合成樹脂で被覆することによりキャリアを得る工程と、
上記キャリアとトナーとを混合する工程とを含む方法で
ある。
【0144】上記方法によれば、長期使用時の帯電量の
減少によって起こる下地カブリ、トナー飛散、および画
質の劣化を、より効果的に補償または未然に防止するこ
とができる電子写真用現像剤を製造できるという効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るキャリア粒子の一例を示す断面図
である。
【図2】本発明に係るキャリア粒子の他の一例を示す断
面図である。
【図3】本発明に係るキャリア粒子のさらに他の一例を
示す断面図である。
【図4】本発明に係るキャリア粒子のさらに他の一例を
示す断面図である。
【図5】本発明に係るキャリア粒子の製造に好適に用い
られる混合物の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 磁性粒子 2 磁性粒子被覆樹脂層 3 外郭樹脂層 4 キャリア芯粒子 5 合成樹脂 6 気泡 11 磁性粒子 12 磁性粒子被覆樹脂層 13 外郭樹脂層 21 磁性粒子 22 磁性粒子被覆樹脂層 24 キャリア芯粒子 34 キャリア芯粒子 44 キャリア芯粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浦田 佳孝 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 本田 陽康 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 尾藤 貴広 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 隅田 克明 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2H005 BA03 BA06 BA11 BA15 EA05 FA02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トナーおよびキャリアからなる電子写真用
    現像剤であって、 上記キャリアが、磁性粒子と上記磁性粒子表面を覆う合
    成樹脂層とを備えるキャリア粒子を含み、 上記電子写真用現像剤を用いて15万枚の用紙に対する
    画像形成を行うと、画像形成後のキャリアの個数平均粒
    径が画像形成前のキャリアの個数平均粒径の95%以下
    となるようなものであることを特徴とする電子写真用現
    像剤。
  2. 【請求項2】トナーおよびキャリアからなる電子写真用
    現像剤であって、 上記キャリアが、磁性粒子と上記磁性粒子表面を覆う合
    成樹脂層とを備えるキャリア粒子を含み、 上記キャリア粒子に複数の磁性粒子が含まれていること
    を特徴とする電子写真用現像剤。
  3. 【請求項3】上記合成樹脂層が、 上記各磁性粒子表面を覆う複数の磁性粒子被覆樹脂層
    と、 上記の複数の磁性粒子被覆樹脂層を覆う外郭樹脂層とを
    有し、 上記磁性粒子被覆樹脂層と外郭樹脂層とが、互いに異な
    る合成樹脂からなることを特徴とする請求項2記載の電
    子写真用現像剤。
  4. 【請求項4】上記合成樹脂層が、気泡を含んでいること
    を特徴とする請求項2または3記載の電子写真用現像
    剤。
  5. 【請求項5】磁性粒子と該磁性粒子表面を覆う磁性粒子
    被覆樹脂層とからなる複数のキャリア芯粒子に対して磁
    化または電荷を付与することにより各キャリア芯粒子間
    に引力を発生させて複数のキャリア芯粒子を凝集させる
    工程と、 凝集させたキャリア芯粒子を合成樹脂で被覆することに
    よりキャリアを得る工程と、 上記キャリアとトナーとを混合する工程とを含むことを
    特徴とする電子写真用現像剤の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009103787A (ja) * 2007-10-22 2009-05-14 Fuji Xerox Co Ltd 静電荷像現像用キャリア、静電荷像現像用現像剤、静電荷像現像用現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置および画像形成方法
US8628904B2 (en) 2009-03-26 2014-01-14 Fuji Xerox Co., Ltd. Carrier, developer for replenishment, developer cartridge for replenishment, and image forming apparatus

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