JP2000047309A - レンズ付きフイルムユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 カートリッジ室の開口した底面を塞ぐ蓋の、
閉じ位置での係止力を向上させる。 【解決手段】 カートリッジ室の開口した底面を塞ぐ蓋
３１は、周縁が３つの係止部３３，３４，３５によって
前カバー２２の内壁に結合され、閉じ位置で係止され
る。係止部３３，３４は、係止爪３３ａ，３４ａと係合
突起３３ｂ，３４ｂとの係合の方向がユニット本体の前
後方向になっており、係止部３５は、係止爪３５ａと係
合突起３５ｂとの係合の方向が左右方向になっている。
衝撃によって前カバー２２がいずれの向きに歪んだとし
ても、３つの係止部３３〜３５のうち少なくとも１つは
係合状態が保持される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、本体基部の底面を
塞ぐ蓋が、カバー部材との間の爪係合によって閉じ位置
に係止されるレンズ付きフイルムユニットに関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】いつでも手軽に写真撮影を楽しむことが
できるように、本出願人によりレンズ付きフイルムユニ
ットが市販されている。レンズ付きフイルムユニット
は、簡単な撮影機構を組み込んだユニット本体に予め未
露光の写真フイルムを内蔵させたもので、購入したその
場ですぐに写真撮影ができ、また撮影後にもそのまま現
像取扱い店に出せばよいという簡便性から、一般に広く
利用されている。

【０００３】このようなレンズ付きフイルムユニットで
は、低価格化を実現するために構造が非常に簡略化され
ている。ユニット本体は、基本的に、撮影機構を取り付
けるとともにカートリッジ付きの写真フイルムを収納す
る本体基部と、この前後を覆うように被せられる前カバ
ーおよび後カバーとから構成されている。本体基部の両
側部には、カートリッジ本体を収納するカートリッジ室
と、ロール状にした写真フイルムを収納するフイルムロ
ール室とが一体に設けられている。カートリッジ室およ
びフイルムロール室の底部は、カートリッジ本体および
写真フイルムの組み込み作業を容易にするために開口と
なっており、一般に後カバーの底辺に連続させて設けた
蓋によってそれぞれ塞がれる。

【０００４】フイルムロール室の開口を塞ぐ蓋は、その
周縁に設けられた凹み部を、フイルムロール室の開口縁
に形成されたリブに嵌合させて係止され、この蓋とフイ
ルムロール室とは開口の全周にわたって連結されるよう
になっている。

【０００５】一方、カートリッジ室の開口を塞ぐ蓋は、
現像所において、露光済みの写真フイルムが巻き込まれ
ているカートリッジ本体をカートリッジ室から取り出す
ときの取出し蓋として用いられる。このため、カートリ
ッジ室側の蓋は、部分的な爪係合によって閉じ位置に係
止され、比較的容易に開放できるようになっている。従
来のレンズ付きフイルムユニットでは一般に、後カバー
の底辺と連続した辺を中心として屈伸する蓋の先端部に
係止爪が設けられ、前カバーの前面側の内壁面に係合突
起が設けられる。蓋を閉じると、係止爪がユニット本体
の背面側に弾性変形して係合突起を乗り越え、蓋が閉じ
位置に達したときに係止爪と係合突起とが係合される。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のレン
ズ付きフイルムユニットでは、特にユニット本体の側面
側から衝撃が加えられたときに、前カバーが歪んで係止
爪と係合突起との係合が外れてしまい、蓋が開放してカ
ートリッジ本体が脱落しやすいという問題がある。しか
も、最近ではレンズ付きフイルムユニットの小型化に伴
ってユニット本体を構成する各部材の肉厚が薄くなって
おり、衝撃によってユニット本体が歪みやすくなってい
る。

【０００７】本発明は、上記の事情を考慮してなされた
もので、カートリッジ室の開口した底面を塞ぐ蓋の、閉
じ位置での係止力を向上させたレンズ付きフイルムユニ
ットを提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のレンズ付きフイルムユニットは、本体基部
の底面を塞ぐ蓋を、周縁の少なくとも２箇所で係止爪と
係合突起との係合によってカバー部材の内壁に結合させ
て閉じ位置に係止するとともに、これら２箇所におい
て、係止爪と係合突起との係合の方向が互いに異なるよ
うにするものである。

【０００９】

【発明の実施の形態】図３は、レンズ付きフイルムユニ
ットの外観を示すものである。レンズ付きフイルムユニ
ット１０は、ユニット本体２０の中央部に外装用のラベ
ル１２を巻き付けて構成される。ユニット本体２０は、
主にプラスチック成形され、前面に撮影レンズ１３，フ
ァインダ対物窓１４が、また上面にはシャッタボタン１
５，巻上げノブ１６，およびカウンタ窓１７が、さらに
背面にはファインダ接眼窓１８がそれぞれ設けられてい
る。ラベル１２はレンズ付きフイルムユニット１０の外
観を綺麗にするためのもので、表面に化粧用の印刷が施
されている。ラベル１２の所要部には、ユニット本体２
０に設けられた撮影レンズ１３，ファインダ対物窓１
４，カウンタ窓１７，およびファインダ接眼窓１８を露
呈させるための開口が設けられており、このラベル１２
をユニット本体２０に巻き付けたままの状態で撮影操作
ができるようになっている。

【００１０】図４に示すように、ユニット本体２０は、
撮影機構が組み付けられた本体基部２１と、本体基部２
１の上面，前面，及び左右側面を覆うように被せられる
前カバー２２と、背面及び底面を覆うように被せられる
後カバー２３とから構成されている。本体基部２１の両
側部には、カートリッジ本体２４を収納するカートリッ
ジ室２５と、写真フイルム２６をロール状にして収納す
るフイルムロール室２７とが一体に設けられており、こ
れらの間には写真フイルム２６への露光範囲を規定する
ためのアパーチャー２８が形成されている。

【００１１】カートリッジ室２５およびフイルムロール
室２７の底部は開口となっており、後カバー２３の底辺
に連続させて設けられた蓋３１，３２によってそれぞれ
塞がれる。本体基部２１の背面に後カバー２３を被せ、
蓋３１，３２を閉じると、本体基部２１と後カバー２３
との間で写真フイルム２６が光密に収納される。

【００１２】図１及び図２に示すように、カートリッジ
室２５の開口した底面を塞ぐ蓋３１は、閉じ位置にある
ときに、その周面が前カバー２２の内壁面に密着するよ
うに構成されている。蓋３１の周縁と前カバー２２の内
壁面との間には、蓋３１を閉じ位置に係止するための３
つの係止部３３，３４，３５が設けられている。係止部
３３は、一対の係止爪３３ａと係合突起３３ｂとからな
り、係止爪３３ａは蓋３１の周縁に、係合突起３３ｂは
前カバー２２の内壁面にそれぞれ一体に設けられる。蓋
３１を閉じる際には、係止爪３３ａが弾性変形して係合
突起３３ｂを乗り越え、蓋３１が閉じ位置に達したとき
に係止爪３３ａと係合突起３３ｂとが係合される。な
お、係止部３４，３５も係止部３３と同じ構成であるの
で、符号のみを付してある。

【００１３】２つの係止部３３，３４はユニット本体２
０の前面側に設けられ、係止爪３３ａ，３４ａと係合突
起３３ｂ，３４ｂとの係合の方向がユニット本体２０の
前後方向になっている。また係止部３５はユニット本体
２０の側面側に設けられ、係止爪３５ａと係合突起３５
ｂとの係合の方向がユニット本体２０の左右方向になっ
ている。

【００１４】上記構成のレンズ付きフイルムユニット１
０の使用中に、例えば誤って落としてしまい、大きな衝
撃が加えられることがある。この際、落下時の衝撃によ
って前カバー２２が歪み、蓋３１と前カバー２２との間
の爪係合が外れてカートリッジ室２５が開放されること
が危惧される。しかし、レンズ付きフイルムユニット１
０では、蓋３１と前カバー２２との間を結合する３つの
係止部３３，３４，３５が異なる２方向に向けて設けら
れ、係止爪３３ａ，３４ａと係合突起３３ｂ，３４ｂと
の係合の方向がユニット本体２０の前後方向に、また係
止爪３５ａと係合突起３５ｂとの係合の方向がユニット
本体２０の左右方向に向けられているので、前カバー２
２がいずれの向きに歪んだとしても、３つの係止部３３
〜３５のうち少なくとも１つは係合状態が保持される。
したがって、落下時の衝撃によってカートリッジ室２５
が開放されることはない。

【００１５】なお、上記実施形態では、カートリッジ室
の底面を塞ぐ蓋に本発明を実施したが、フイルムロール
室の底面を塞ぐ底蓋に適用してもよい。また、ストロボ
装置を内蔵するレンズ付きフイルムユニットの場合、カ
ートリッジ室とフイルムロール室との間に、電源用の電
池を収納するための電池室が設けられるが、この電池室
の底面を塞ぐ蓋にも適用することができる。

【００１６】また、本発明は、筒状をした金属薄板製の
パトローネ本体に、３５ｍｍ幅の写真フイルムを収納し
た１３５タイプの写真フイルムパトローネを内蔵するレ
ンズ付きフイルムユニットにも、もちろん適用すること
ができる。

【００１７】

【発明の効果】以上のように、本発明のレンズ付きフイ
ルムユニットによれば、カートリッジ室用の蓋は、周縁
の少なくとも２箇所で係止爪と係合突起との係合によっ
てカバー部材の内壁に結合されて閉じ位置に係止される
とともに、これらの２箇所において、係止爪と係合突起
との係合の方向が互いに異なっているので、ユニット本
体に衝撃が加えられてカバー部材が歪んでしまったとし
ても、少なくとも１つの係止部の係合状態が保持され
る。したがって、このレンズ付きフイルムユニットの使
用中に誤って落としてしまっても、不用意にカートリッ
ジ室が開放されることがなくなり、カートリッジ本体の
脱落事故の発生を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】カートリッジ室側の蓋の閉じ位置での係止状態
を示す概略図である。

【図２】係止爪と係合突起との相対方向を示す概略図で
ある。

【図３】レンズ付きフイルムユニットの外観図である。

【図４】ユニット本体の構成を示す概略図である。

【符号の説明】

１０ レンズ付きフイルムユニット ２０ ユニット本体 ２１ 本体基部 ２２ 前カバー ２３ 後カバー ２４ カートリッジ本体 ２５ カートリッジ室 ２６ 写真フイルム ２７ フイルムロール室 ３１，３２ 蓋 ３３，３４，３５ 係止部 ３３ａ，３４ａ，３５ａ 係止爪 ３３ｂ，３４ｂ，３５ｂ 係合突起

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 カートリッジ本体を収納するカートリッ
   ジ室と、ロール状にした写真フイルムを収納するフイル
   ムロール室とが設けられた本体基部に、カバー部材を被
   せ、前記本体基部の底面を、前記カバー部材の前面また
   は背面の底辺に連続させて一体に設けた蓋で塞ぐように
   したレンズ付きフイルムユニットにおいて、 前記蓋は、周縁の少なくとも２箇所で係止爪と係合突起
   との係合によって前記カバー部材の内壁に結合されて閉
   じ位置に係止されるとともに、前記２箇所で、前記係止
   爪と係合突起との係合の方向が互いに異なっていること
   を特徴とするレンズ付きフイルムユニット。