JP2000046890A - 異常検知センサ付きワイヤーハーネス、ワイヤーハーネス用異常検知センサ及びワイヤーハーネスの異常検出装置 - Google Patents

異常検知センサ付きワイヤーハーネス、ワイヤーハーネス用異常検知センサ及びワイヤーハーネスの異常検出装置

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JP2000046890A JP21539598A JP21539598A JP2000046890A JP 2000046890 A JP2000046890 A JP 2000046890A JP 21539598 A JP21539598 A JP 21539598A JP 21539598 A JP21539598 A JP 21539598A JP 2000046890 A JP2000046890 A JP 2000046890A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワイヤーハーネスが損傷する前に異常がある
ことを検知できる異常検知センサ付きワイヤーハーネ
ス、ワイヤーハーネスが損傷する前に異常があることを
検知するために使用できるワイヤーハーネス用異常検知
センサ及びワイヤーハーネスが損傷する前に異常を検出
できるワイヤーハーネスの異常検出装置を提供する。 【解決手段】 ワイヤーハーネス1aの異常を検知する
ワイヤーハーネス用異常検知センサ1bが取り付けられ
た異常検知センサ付きワイヤーハーネス1の異常検知に
基づいて第1の検出回路2aがワイヤーハーネス1aが
損傷する前に、デッドショート、レアショートに至るよ
うな異常を検出し、また、第2の検出回路2bがワイヤ
ーハーネス1aが損傷する前に、ワイヤーハーネス1a
が発煙に至るような異常を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワイヤーハーネス
に異常があることを検知するための異常検知センサが取
り付けられた異常検知センサ付きワイヤーハーネス、ワ
イヤーハーネスの異常検知に使用するためのワイヤーハ
ーネス用異常検知センサ及びワイヤーハーネスに取り付
けた異常検知センサによる検知によりワイヤーハーネス
の異常を検出するワイヤーハーネスの異常検出装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両においては、一般にバッテリ
やオルタネータ等の電源から、ワイヤーハーネスを介し
て各負荷に電源を供給するようになっている。このワイ
ヤーハーネスは一般に、各心線をポリ塩化ビニルなどの
絶縁被膜層でそれぞれ被覆してなる複数の絶縁被覆電線
(以下単に電線という)をビニルテープ等により集束し
た構成となっている。
【0003】ここで各電線には保護ヒューズが設けら
れ、この電線がショートして過電流が流れたときに、電
線が溶断される前に、保護ヒューズが溶断して電源供給
を停止し、電線を保護するようになっている。また、こ
の保護ヒューズは負荷に過電流が流れたときに、負荷が
故障する前に溶断して電源供給を停止し、負荷を保護す
るようにも働く。
【0004】上述したワイヤーハーネスは、車両に多用
され、常時振動しているエンジンルーム内等において車
体に沿って配索されることがあるが、このとき、車体の
角部に接近して位置されていると、振動により角部と断
続的な接触を繰り返すようになり、これが長時間続くと
ワイヤーハーネスを構成する電線の絶縁被覆層が車体の
角部により徐々に削られ、心線が露出するようになる。
この露出している心線が、車体の角部と接触し、いわゆ
るデッドショートやレアショート状態となることがあ
る。このとき、保護ヒューズが溶断して、電源供給を停
止すればよいが、ショート部に流れる過電流が保護ヒュ
ーズを溶断させるほど大きくない場合は、溶断には至ら
ない。このような場合、電線が発熱して絶縁被膜層が加
熱される結果、絶縁被膜層が発煙するおそれがある。
【0005】そこで従来、特開昭61−139216号
公報に示すように、ワイヤーハーネスの各電線を流れる
電流波形を検出し、この電流波形に基づいてワイヤーハ
ーネスの各電線のデッドショートやレアショートの有無
を判断して、ワイヤーハーネスにデッドショートやレア
ショートが発生している場合に電源供給を停止して、そ
の旨を知らせる警報を発する装置が提案されている。
【0006】つまり、バッテリと複数の負荷とを接続す
るワイヤーハーネスの各電線に設けた電流センサにより
電線を流れる時間的に変化する電流を電流変化検出回路
によって検出し、A/Dコンバータを介して電流変化の
値をディジタル信号に変換して波形識別回路に送出す
る。
【0007】波形識別回路はA/Dコンバータの出力で
ある電流変化のディジタル値に基づいて、電流変化の要
因が負荷のオンオフによるものか、ワイヤーハーネスの
デッドショートによるものか、又はレアショートによる
ものかの3つのレベルに識別する。そしてワイヤーハー
ネスのデッドショートやレアショートによるものであっ
た場合には、電源供給を停止すると共に、ワイヤーハー
ネスが損傷していることを表す警報を発するようになっ
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記公
報に開示される従来技術において、ワイヤーハーネスが
損傷してデッドショート、レアショート状態になって初
めて電源を停止すると共に警報を発するようになってい
るので、特にワイヤーハーネスにデッドショートが起き
た場合は電源を遮断する前に絶縁被膜層等の可燃物に着
火する可能性があり、安全面において不十分である。ま
た、ワイヤーハーネスを構成する各電線毎に電流値の検
出を行わなければならないため、電流センサなどの部品
点数も非常に多くなり、コストが嵩むという問題があ
る。
【0009】本発明は、このような従来の問題点に着目
してなされたもので、ワイヤーハーネスが損傷する前に
異常があることを検知できる異常検知センサ付きワイヤ
ーハーネスを提案しようとするものである。
【0010】本発明は、また、ワイヤーハーネスに周回
して使用すれば、ワイヤーハーネスが損傷する前に異常
があることを検知するために使用できるワイヤーハーネ
ス用異常検知センサを提案しようとするものである。
【0011】本発明は、さらに、ワイヤーハーネスが損
傷する前に異常を検出できるワイヤーハーネスの異常検
出装置を提案しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ためになされた請求項1に記載の本発明は、多数の電源
供給対象に電源を供給するための多数の電線からなるワ
イヤーハーネスと、ワイヤーハーネスの異常を検知する
異常検知センサとを備え、前記異常検知センサは、帯状
絶縁性基材に導体を付与してなる第1の導体シートと、
帯状絶縁性基材に抵抗値が大きくなる形状に導体を付与
した第2の導体シートとを有し、前記第1の導体シート
と前記第2の導体シートとを両者の導体が互いに絶縁さ
れるようにして一体化すると共に、前記第1の導体シー
トを構成する帯状絶縁性基材が外側になるように前記ワ
イヤーハーネスに周回したことを特徴とする異常検知セ
ンサ付きワイヤーハーネスに存する。
【0013】請求項1記載の発明によれば、第1の導体
シートと、第2の導体シートとを両者の導体が互いに絶
縁されるようにして一体化して異常検知センサを形成
し、多数の電線からなるワイヤーハーネスには、この異
常検知センサが第1の導体シートの帯状絶縁性基材を外
側にするように周回されている構造となっているので、
第1の導体シートの帯状絶縁性基材と車両の角部との接
触により帯状絶縁性基材がはがれると、第1の導体シー
トの導体が車両の角部と接触して、導体がデッドショー
ト、レアショートの状態となる。また、ワイヤーハーネ
スを構成する各電線を通じて電源供給を受ける負荷がシ
ョートして、各電線に過電流が流れると、第2の導体シ
ートの導体の抵抗値が増大する。以上のことで、ワイヤ
ーハーネスにおいての異常を検知することができる。
【0014】請求項2記載の発明は、前記第2の導体シ
ートの導体は前記帯状絶縁性基材の長手方向の一端部に
両端が位置され、小断面化されて前記帯状絶縁性基材の
全面に亘ってジグザグパターン状に形成されていること
を特徴とする請求項1記載の異常検知センサ付きワイヤ
ーハーネスに存する。
【0015】請求項2記載の発明によれば、帯状絶縁性
基材の長手方向の一端部に両端が位置し、小断面化して
帯状絶縁性基材の全面に亘ってジグザグパターン状に第
2の導体シートの導体を形成しているので、第2の導体
シートの導体を長くして抵抗値を大きくすることで、ワ
イヤーハーネスの温度に基づく導体の両端に得られる抵
抗値の増大を大きくすることができる。
【0016】請求項3記載の発明は、前記第1の導体シ
ートと前記第2の導体シートとの導体は、前記帯状絶縁
性基材の長手方向の一端部に前記第1の導体シートの導
体の一端と、前記第2の導体シートの導体の両端とを外
部接続するためのコネクタが設けられていることを特徴
とする請求項1又は2記載の異常検知センサ付きワイヤ
ーハーネスに存する。
【0017】請求項3記載の発明によれば、第1の導体
シートの導体の一端と、第2の導体シートの導体の両端
とを外部接続するためのコネクタが帯状絶縁性基材の長
手方向の一端部に設けられているので、第1の導体シー
トの導体の一端と、第2の導体シートの導体の両端とを
外部接続するためのコネクタを一箇所に設けることがで
きる。
【0018】請求項4記載の発明は、前記異常検知セン
サは絶縁シートを更に有し、前記第1の導体シートと前
記第2の導体シートとが、両者の導体が互いに対向し、
かつ、前記導体間に前記絶縁シートを挟むように一体化
されてなることを特徴とする請求項1〜3記載の異常検
知センサ付きワイヤーハーネスに存する。
【0019】請求項4記載の発明によれば、第1の導体
シートと第2の導体シートが、両者の導体を互いに対向
し、かつ、導体間に絶縁シートを挟むように一体化して
異常検知センサを形成し、ワイヤーハーネスには、この
異常検知センサが第1の導体シートの帯状絶縁性基材を
外側にするように周回されている構造となっているの
で、第2の導体シートの導体が露出することがない。
【0020】請求項5記載の発明は、前記絶縁シート
は、予め定められた温度になると溶融することを特徴と
する請求項4記載の異常検知センサ付きワイヤーハーネ
スに存する。
【0021】請求項5記載の発明によれば、予め定めら
れて温度になると絶縁シートが溶融するので、他のワイ
ヤーハーネスからの飛び火などによりワイヤーハーネス
が局部的に加熱すると、絶縁シートが溶融して、第1の
導体シートと第2の導体シートとの導体同士がショート
することで、ワイヤーハーネスにおいての異常を検知す
ることができる。
【0022】請求項6記載の発明は、前記第1の導体シ
ートを構成する導体は前記帯状絶縁性基材上に網目パタ
ーン状に形成されていることを特徴とする請求項5記載
の異常検知センサ付きワイヤーハーネスに存する。
【0023】請求項6記載の発明によれば、帯状絶縁性
基材上に網目パターン状に形成されているものを第2の
導体シートの導体としているので、第1の導体シートの
熱伝導を小さくして、第1の導体シート上で熱が拡散し
にくくなる。さらに、絶縁シートが溶融したとき、第1
の導体シートに入り込み第1の導体シートと第2の導体
シートとの導体同士の短絡がし易くなる。
【0024】請求項7記載の発明は、帯状絶縁性基材に
導体を付与してなる第1の導体シートと、帯状絶縁性基
材に抵抗値が大きくなる形状に導体を付与した第2の導
体シートとを備え、前記第1の導体シートと前記第2の
導体シートとを両者の導体が互いに絶縁されるようにし
て一体化することを特徴とするワイヤーハーネス用異常
検知センサに存する。
【0025】請求項7記載の発明によれば、第1の導体
シートと、第2の導体シ−トとを両者の導体が互いに絶
縁されるようにして一体化する構造をしているので、第
1の導体シートの帯状絶縁性基材が外側になるようにワ
イヤーハーネスに周回して使用した場合、第1の導体シ
ートの帯状絶縁性基材と車両の角部との接触により帯状
絶縁性基材がはがれると、第1の導体シートの導体が車
両の角部と接触して、導体がデッドショート、レアショ
ートの状態となる。また、ワイヤーハーネスを構成する
各電線を通じて電源供給を受ける負荷がショートして、
ワイヤーハーネスに過電流が流れると、第2の導体シー
トの導体の抵抗値が増大する。以上のことで、ワイヤー
ハーネスの異常検知に使用することができる。
【0026】請求項8記載の発明は、請求項7記載のワ
イヤーハーネス用異常検知センサは予め定めた温度にな
ると溶融する絶縁シートを更に有し、前記第1の導体シ
ートと前記第2の導体シートとが、両者の導体が互いに
対向し、かつ、前記導体間に前記絶縁シートを挟むよう
に一体化されてなることを特徴とするワイヤーハーネス
用異常検知センサに存する。
【0027】請求項8記載の発明によれば、第1の導体
シートと第2の導体シートとが、両者の導体が互いに対
向し、かつ、導体間に絶縁シートを挟むように一体化さ
れてなるような構造をしているので、第1の導体シート
の帯状絶縁性基材が外側になるようにワイヤーハーネス
に周回して使用した場合、他のワイヤーハーネスからの
飛び火などによりワイヤーハーネスが局部的に加熱する
と、絶縁シートが溶融して、第1の導体シートと第2の
導体シートとの導体同士が短絡することで、ワイヤーハ
ーネスの異常の検知に使用することができる。
【0028】請求項9記載の発明は、請求項1〜4記載
の異常検知センサ付きワイヤーハーネスと、前記第1の
導体シートの導体とアースとのショートを検出する第1
の検出手段と、前記第2の導体シートの導体の抵抗値増
大を検出する第2の検出手段を備えることを特徴とする
ワイヤーハーネスの異常検出装置に存する。
【0029】請求項9記載の発明によれば、第1の検出
手段が第1の導体シートの導体とアースとのショートを
検出して、第2の検出手段が第2の導体シートの導体の
抵抗値増大を検出するので、第1の導体シートの帯状絶
縁性基材と車両の角部との接触により帯状絶縁性基材が
はがれ、第1の導体シートの導体が車両の角部と接触す
ると、導体のデッドショート、レアショートを検出す
る。また、ワイヤーハーネスを構成する各電線を通じて
電源供給を受ける負荷がショートして、ワイヤーハーネ
スに過電流が流れると、第2の導体シートの導体の抵抗
値増大を検出する。以上のことで、ワイヤーハーネスの
異常を検出することができる。
【0030】請求項10記載の発明は、請求項5〜6記
載の異常検知センサ付きワイヤーハーネスと、前記第1
の導体シートの導体とアースとのショートを検出する第
1の検出手段と、前記第2の導体シートの導体の抵抗値
増大を検出する第2の検出手段と前記第1の導体シート
の導体と前記第2の導体シートの導体とのショートを検
出する第3の検出手段とを備えることを特徴とするワイ
ヤーハーネスの異常検出装置に存する。
【0031】請求項10記載の発明によれば、第3の検
出手段が第1の導体シートの導体と第2の導体シートの
導体とのショートを検出するので、他のワイヤーハーネ
スからの飛び火などによりワイヤーハーネスが局部的に
加熱され、絶縁シートが溶融すると、第1の導体シート
と第2の導体シートの導体同士の短絡を検出する。この
ことで、ワイヤーハーネスの異常を検出することができ
る。
【0032】請求項11記載の発明は、前記第3の検出
手段が前記第1の導体シートの導体と前記第2の導体シ
ートの導体とのショートを検出したとき、電源を遮断す
る電源遮断手段を備えたことを特徴とする請求項10記
載のワイヤーハーネスの異常検出装置に存する。
【0033】請求項11記載の発明によれば、第3の検
出手段が第1の導体シートの導体と第2の導体シートの
導体とのショートを検出したとき、電源遮断手段が電源
を遮断するので、ワイヤーハーネスの局部的な加熱によ
る発煙を防止することができる。さらに、他のワイヤー
ハーネスの発火による局部加熱の場合は、その発火も防
止することができる。
【0034】請求項12記載の発明は、前記第1の検出
手段が前記第2の導体シートを構成する導体の抵抗値増
大を検出したときと、前記第2の検出手段が前記第1の
導体シートの導体とアースとのショートを検出したとき
とに、その旨を伝える警報を発する警報発生手段を備
え、前記警報発生手段が発生する警報は、第1の検出手
段の検出と、第2の検出手段の検出とが識別できるもの
であることを特徴とする請求項9〜11記載のワイヤー
ハーネスの異常検出装置に存する。
【0035】請求項12記載の発明によれば、第1の検
出手段が第2の導体シートの導体の抵抗値増大を検出し
たときと、第2の検出手段が第1の導体シートの導体と
アースとのショートを検出したときとに、その旨を知ら
せる警報発生手段が警報を両者の識別できるように発す
るので、ユーザーが第1の導体シートの帯状絶縁性基材
と車両の角部との接触により帯状絶縁性基材がはがれ、
第1の導体シートの導体が車両の角部とがショートした
こと、また、ワイヤーハーネスを構成する各電線を通じ
て電源供給を受ける負荷がショートして、ワイヤーハー
ネスに過電流が流れたことを識別可能に知ることができ
る。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の異常検知センサ付
きワイヤーハーネス、ワイヤーハーネス用異常検知セン
サ及びワイヤーハーネスの異常検出装置を図面に基づい
て説明する。図1は本発明によるワイヤーハーネスの異
常検出装置の一実施の形態を示し、ワイヤーハーネスの
異常検出装置は、異常検知センサ付きワイヤーハーネス
1と、異常検出回路2とを備える。
【0037】異常検知センサ付きワイヤーハーネス1
は、ワイヤーハーネス1aと、ワイヤーハーネス1aの
異常を検知するワイヤーハーネス用異常検知センサ1b
とを有す。ワイヤーハーネス1aは複数の電線1a−1
を持ち、各電線1a−1は、銅線1a−11と当該銅線
1a−11を被覆する絶縁被覆1a−12とから成る。
ワイヤーハーネス1aの一端は、電源ボックス(図示省
略)に接続されている。またワイヤーハーネス1aの他
端はそれぞれ対応する負荷(図示省略)に接続するため
のコネクタ1cが設けられている。ここで電源ボックス
は、図示しない電源線によりバッテリやオルタネータ等
の電源に接続されており、電源をワイヤーハーネス1a
の各電線1a−1を介して各負荷に分配するようになっ
ている。
【0038】ワイヤーハーネス用異常検知センサ1b
は、図2の構成図と、図3の部分断面図とに示すように
構成される。図2と図3において、同等の部分には同一
符号を付す。
【0039】ワイヤーハーネス用異常検知センサ1b
は、第1の導体シート1b−1、第2の導体シート1b
−2及び、予め定めた温度になると溶融する絶縁シート
としてのナイロンフィルム1b−3を有している。図2
に示すように、第1の導体シート1b−1は、帯状絶縁
性基材1b−11上に導体としての小断面化された銅線
1b−12を網目パターン状にエッチングしたフレキシ
ブル・プリント・サーキット(以下FPC)からなり、
かつ、帯状絶縁性基材1b−11の長手方向の一端部に
は銅線1b−12の一端である端子aが位置している。
【0040】第2の導体シート1b−2は、帯状絶縁性
基材上1b−21に導体としての小断面化された銅線1
b−22の両端である端子b、cが帯状絶縁性基材1b
−21上の長手方向の一端部に位置するようにして、こ
の銅線1b−22を一端部から他端部に、他端部から一
端部にジグザグパターン状にエッチングしたFPCから
なる。銅線1b−22をジグザグパターン状にエッチン
グして銅線1b−22の長さを長くすることにより、銅
線1b−22の両端である端子b、c間に得られる抵抗
値を大きくすることができる。例えば、長さ2mのワイ
ヤーハーネスに周回する場合、銅線1b−22の長さは
約20mとなり、小断面化すると銅線1b−22の端子
b、c間に得られる抵抗値は約10Ωとなる。また、ナ
イロンフィルム1b−3は、ワイヤーハーネスの温度が
予め定めた値になると溶融する。
【0041】図3に示すように、ワイヤーハーネス用異
常検知センサ1bは、上述した第1の導体シート1b−
1と第2の導体シート1b−2とを、両者の銅線1b−
12、1b−22が互いに対向し、かつ、銅線1b−1
2、1b−22間にナイロンフィルム1b−3を挟み込
むように形成すると共に、帯状絶縁性基材1b−11、
ナイロンフィルム1b−3、帯状絶縁性基材1b−21
の周囲を互いに溶着し一体化して形成する。ナイロンフ
ィルム1b−3を銅線1b−12、1b−22間に挟む
込むことによって、銅線1b−12、1b−22は露出
することなく、互いに絶縁される。
【0042】上述したワイヤーハーネス用異常検知セン
サ1bを第1の導体シート1b−1の帯状絶縁性基材1
b−11が外側になるように図1に示すようにワイヤー
ハーネス1aに周回する。さらに、ワイヤーハーネス用
異常検知センサ1bの外側からビニルテープ(図示省
略)を周回することにより、ワイヤーハーネス1a及び
ワイヤーハーネス用異常検知センサ1bを集束するよう
になっている。
【0043】また、銅線1b−12の一端である端子a
と、銅線1b−22の両端である端子b、cとは、帯状
絶縁性基材1b−11、1b−21の一端部に位置する
ので、図4に示すように端子a、b、cを外部接続する
ためのコネクタ1b−4を一箇所に設けることができ
る。
【0044】上述した構成の異常検知センサ付きワイヤ
ーハーネス1の動作を以下の説明する。異常検知センサ
付きワイヤーハーネス1は、常時振動しているエンジン
ルーム内等において車体に沿って配索されることがある
が、このとき、車体の角部に接近して位置されている
と、振動により車体の角部と断続的な接触を繰り返すよ
うになり、これが長時間続くと異常検知センサ付きワイ
ヤーハーネス1の最外側である帯状絶縁性基材1b−1
1が車体の角部により徐々に削られ、銅線1b−12が
露出するようになる。この露出している銅線1b−12
が、車体の角部と接触し、銅線1b−12がデッドショ
ート又は、レアショート状態となる。
【0045】また、ワイヤーハーネス1aを構成する各
電線1a−1を通じて電源供給を受ける負荷がショート
して、各電線1a−1に過電流が流れると、異常検知セ
ンサ付きワイヤーハーネス1は加熱され、それに伴っ
て、第2の導体シート1b−2の銅線1b−22の抵抗
値が増大する。
【0046】さらに、他のワイヤーハーネスからの飛び
火などにより異常検知センサ付きワイヤーハーネス1が
局部的に加熱され、予め定めた温度に達するとナイロン
フィルム1b−3が溶融して、第1の導体シート1b−
1と第2の導体シート1b−2との銅線1b−12、1
b−22同士がショートする。上述した動作により、ワ
イヤーハーネス1aにおいての異常を検知することがで
きる。
【0047】なお、第1の導体シート1b−1の銅線1
b−12が網目パターン状にエッチングされていること
により、ワイヤーハーネス1aが局部的に加熱されたと
き、その熱は第1の導体シート1b−1上で拡散しにく
くなり、さらに、ナイロンフィルム1b−3が溶融した
とき第1の導体シート1b−1に入り込みやすくなる。
以上のことにより、異常検知センサ付きワイヤーハーネ
ス1が局部的に加熱されると確実に第1の導体シート1
b−1と第2の導体シート1b−2との銅線1b−1
2、1b−22同士がショートするようになっている。
【0048】上述した異常検知センサ付きワイヤーハー
ネス1のコネクタ1b−4は、図1に示すようにワイヤ
ーハーネス用異常検知センサ1bの検知によりワイヤー
ハーネス1aの異常を検出する異常検出回路2に接続さ
れる。異常検出回路2は、銅線1b−11と、車体の角
部とのショートつまり、銅線1b−11とアースとのシ
ョートを検出する第1の検出回路2a、銅線1b−22
の抵抗値増大を検出する第2の検出回路2b、第1の導
体シート1b−1と第2の導体シート1b−2との銅線
1b−12、1b−22同士のショートを検出する第3
の検出回路2c、第1と第2の検出回路が異常を検出し
たときに、その旨を知らせる警報発生手段としての警報
表示ランプ2d及び第3の検出回路2cが異常を検出し
たときに電源供給を遮断する電源遮断回路2eを有す
【0049】以上概略で説明した異常検出回路2の構成
の詳細を図5の異常検出回路2の構成を示す回路図を参
照にして以下説明する。第1の検出回路2aは、コンパ
レータ2a−1とラッチ回路2a−2とインバータ2a
−3とを有す。コンパレータ2a−1には、電圧源に接
続された第1の導体シート1b−1の銅線1b−12の
端子aが−入力端に接続されている。コンパレータ2a
−1の出力端はラッチ回路2a−2及びインバータ2a
−3を介して常開のリレーL1に接続されており、リレ
ーL1はインバータ2a−3から正電位が出力されると
閉するようになっている。
【0050】第2の検出回路2bは、ブリッジ回路2b
−1とコンパレータ2b−2とフリップフロップ2b−
3(以下FF2b−3)とを有す。ブリッジ回路2b−
1は、第2の導体シート1b−2の銅線1b−22を含
み、抵抗R1、R2及び可変抵抗R3でなり、そしてブ
リッジ回路2b−1の抵抗R1と抵抗R2の間の接点を
介して電源が印加されると共に、銅線1b−22の端子
bと可変抵抗R3の間の接点が接地されている。
【0051】また、第2の導体シート1b−2の銅線1
b−22の端子cと抵抗R1の間の接点がコンパレータ
2b−2の+入力端に接続されていると共に、抵抗R2
と可変抵抗R3との接点がコンパレータ2b−2の−入
力端に接続されている。コンパレータ2b−2の出力端
はFF2b−3を介して常開のリレーL2に接続されて
おり、コンパレータ2b−2から正電位が出力されると
FF2b−3は、リレーL2に対してパルスを出力し
て、リレーL2に開閉を繰り返し行わせる。
【0052】第3の検出回路2cは、コンパレータ2c
−1と、ラッチ回路2c−2と、インバータ2c−3と
を有す。コンパレータ2c−1においては、第1の導体
シート1b−1の銅線1b−12の端子aが−入力端
に、第2の導体シート1b−2の銅線1b−22の端子
bの+入力端に接続されている。コンパレータ2c−1
の出力端はラッチ回路2c−2及びインバータ2c−3
を介して常開のリレーL3に接続されており、リレーL
3はインバータ2c−3から正電位が出力されると閉す
るようになっている。
【0053】警報表示ランプ2dは、第1の警報表示ラ
ンプ2d−1と、第2の警報表示ランプ2d−2とを有
す。第1の警報表示ランプ2d−1は、リレーL1が閉
したときに点灯する。第2の警報表示ランプ2d−2
は、リレーL1が開閉を繰り返したとき、点滅する。ま
た、電源遮断回路2eは、リレーL3が閉したときにワ
イヤーハーネス1aへの電源供給を遮断する。
【0054】上述した構成の異常検出回路2の動作を以
下説明する。ワイヤーハーネス1aが正常なとき、第1
の検出回路2aを構成するコンパレータ2a−1の−端
子の電位を+端子の電位より高くしておくと、コンパレ
ータ2a−1は正電位を出力し、その結果、インバータ
2a−3の出力は負電位になるので、リレーL1は開
す。この状態で、銅線1b−12が車両の角部と接触し
て、銅線1b−12がデッドショート、レアショート状
態になると、第1の導体シート1b−1の銅線1b−1
2の電位は0となるので、−端子の電位は+端子の電位
より低くなり、コンパレータ2a−1は負電位の出力が
得られ、この状態がラッチ回路2a−2で保持される。
この結果、インバータ2a−3の出力は正電位となり、
リレーL1のリレーコイルが通電し、リレーコイルの接
点が閉じて、第1の警告表示ランプ2d−1が点灯され
る。上記したラッチ回路2a−2の保持動作は解除スイ
ッチ2fがオンされたとき解除される。
【0055】また、ワイヤーハーネス1aが正常なと
き、第2の検出回路2bを構成するコンパレータ2b−
2の+端子の電位を−端子の電位より高くしておくと、
コンパレータ2b−2は負電位を出力し、その結果、リ
レーL2は開す。この状態で、負荷の故障等によりワイ
ヤーハーネス1aの電線1a−1に過電流が流れ、ワイ
ヤーハーネス1aの温度が上昇する。このとき第2の導
体シート1b−2の温度もこれに伴って上昇するので銅
線1b−22のb、c端子間に得られる抵抗値が増大す
る。この結果、端子cと抵抗R1の間の接点の電位(−
端子の電位)が抵抗R2と可変抵抗R3の間の接点の電
位(+端子の電位)よりも上がるので、コンパレータ2
b−2からは正電位が出力される。このとき、FF2b
−3からリレーL2に対してパルスが出力されて、リレ
ーL2は開閉を繰り返して、第2の警報表示ランプ2d
−2が点滅される。
【0056】さらに、ワイヤーハーネス1aが正常なと
き、第3の検出回路2cを構成するコンパレータ2c−
1の−端子の電位を+端子の電位より高くしておくと、
他のワイヤーハーネスからの飛び火などによってワイヤ
ーハーネス1aが局部的に加熱されると、第1の導体シ
ート1b−1と第2の導体シート1b−2との間に介在
するナイロンフィルム1b−3が溶融して、第1の導体
シート1b−1と第2の導体シート1b−2とが短絡す
る。このとき、端子cに得られる電位はほぼ0となるの
で、コンパレータ2c−1は、負電位の出力が得られ、
この状態がラッチ回路2c−2で保持される。この結
果、インバータ2c−3から正電位が出力されリレーL
3のリレーコイルが通電し、リレーコイルの接点が閉じ
て、電源遮断手段2eが電源を遮断する。上記したラッ
チ回路2c−2の保持動作も解除スイッチ2fがオンさ
れたとき解除される。
【0057】なお、上述した実施例ではワイヤーハーネ
ス用異常検知センサ1bは、第1の導体シート1b−1
と第2の導体シート1b−2とを、両者の銅線1b−1
2、2b−22が互いに対向し、かつ、銅線1b−1
2、1b−22間にナイロンフィルム1b−3を挟み込
むように形成したが、導線2b−22が露出してもかま
わないのなら、絶縁シートとしてのナイロンフィルム1
b−3と使用しないで、銅線1b−12と第2の導体シ
ート1b−2の絶縁性基材1b−21とが互いに対向す
るように形成してもよい。
【0058】また、同様の構成で、絶縁シートとして、
溶融性のナイロンフィルム1b−3を使用したが、他の
ワイヤーハーネスからの飛び火によるワイヤーハーネス
1aの局部加熱の検知を必要としなければ、絶縁シート
は溶融性のものである必要はない。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、第1の導体シートの帯状絶縁性基材と車両
の角部との接触により帯状絶縁性基材がはがれると、第
1の導体シートの導体が車両の角部と接触して、導体が
デッドショート、レアショートの状態となる。また、ワ
イヤーハーネスを構成する各電線を通じて電源供給を受
ける負荷がショートして、各電線に過電流が流れると、
第2の導体シートの導体の抵抗値が増大する。以上のこ
とで、ワイヤーハーネスにおいての異常を検知すること
ができるので、導体と車体の角部とショートつまり、導
体とアースとのショートを検出すればワイヤーハーネス
が損傷する前にデッドショート、レアショートに至るよ
うな異常があることを検知できる。また、第1の導体シ
ートを構成する導体の抵抗値が変化を検出すればワイヤ
ーハーネスが損傷する前に発煙に至るような異常がある
ことを検知できる異常検知センサ付きワイヤーハーネス
を得ることができる。
【0060】請求項2記載の発明によれば、第2の導体
シートの導体を長くして抵抗値を大きくすることで、ワ
イヤーハーネスの温度に基づく導体の両端に得られる抵
抗値の増大を大きくすることができるので、ワイヤーハ
ーネスの温度に基づく抵抗値増大を正確に検知すること
ができる異常検知センサ付きワイヤーハーネスを得るこ
とができる。
【0061】請求項3記載の発明によれば、第1の導体
シートの導体の一端と、第2の導体シートの導体の両端
とを外部接続するためのコネクタを一箇所に設けること
ができるので、構造が簡単となりコストダウンを図った
異常検知センサ付きワイヤーハーネスを得ることができ
る。
【0062】請求項4記載の発明によれば、第2の導体
シートの導体が露出することがないので、第2の導体シ
ートの導体の劣化を防ぐことのできる異常検知センサ付
きワイヤーハーネスを得ることができる。
【0063】請求項5記載の発明によれば、他のワイヤ
ーハーネスからの飛び火などによりワイヤーハーネスが
局部的に加熱すると、絶縁シートが溶融して、第1の導
体シートと第2の導体シートとの導体同士がショートす
ることで、ワイヤーハーネスにおいての異常を検知する
ことができるので、第1の導体シートと第2の導体シー
トとの短絡を検知すれば、ワイヤーハーネスが損傷する
前に他のワイヤーハーネスからの飛び火などによるワイ
ヤーハーネスの局部加熱により発火に至るような異常を
検知できる異常検知センサ付きワイヤーハーネスを得る
ことができる。
【0064】請求項6記載の発明によれば、第1の導体
シートの熱伝導を小さくして、第1の導体シート上で熱
が拡散しにくくなる。さらに、絶縁シートが溶融したと
き、第1の導体シートに入り込み第1の導体シートと第
2の導体シートとの導体同士の短絡がし易くなるので、
局部加熱が起こったときに絶縁シートが確実に溶融し、
また、絶縁シートが溶融したときに確実に第1の導体シ
ートと第2の導体シートが短絡し、局部加熱によるワイ
ヤーハーネスの発煙に至る異常があることを検知するこ
とができる異常検知センサ付きワイヤーハーネスを得る
ことができる。
【0065】請求項7記載の発明によれば、第1の導体
シートの帯状絶縁性基材が外側になるようにワイヤーハ
ーネスに周回して使用した場合、第1の導体シートの帯
状絶縁性基材と車両の角部との接触により帯状絶縁性基
材がはがれると、第1の導体シートの導体が車両の角部
と接触して、導体がデッドショート、レアショートの状
態となる。また、ワイヤーハーネスを構成する各電線を
通じて電源供給を受ける負荷がショートして、ワイヤー
ハーネスに過電流が流れると、第2の導体シートを構成
する導体の抵抗値が変化する。以上のことで、ワイヤー
ハーネスの異常検知に使用することができるので、第1
の導体シートを構成する導体とアースとのショートを検
知すればワイヤーハーネスが損傷する前にワイヤーハー
ネスのデッドショート、レアショートに至るような異常
の検知に使用できる。また、第2の導体シートを構成す
る導体の抵抗値が変化を検知すればワイヤーハーネスが
損傷する前に発煙に至るような異常の検知に使用できる
ワイヤーハーネス用異常検知センサを得ることができ
る。
【0066】請求項8記載の発明によれば、第1の導体
シートの帯状絶縁性基材が外側になるようにワイヤーハ
ーネスに周回して使用した場合、他のワイヤーハーネス
からの飛び火などによりワイヤーハーネスが局部的に加
熱すると、絶縁シートが溶融して、第1の導体シートと
第2の導体シートとの導体同士が短絡することで、ワイ
ヤーハーネスの異常の検知に使用することができるの
で、第1の導体シートと第2の導体シートを構成する導
体同士の短絡を検知すれば、ワイヤーハーネスが損傷す
る前に飛び火などにより局部加熱され、発煙に至るよう
な異常の検知に使用できるワイヤーハーネス用異常検知
センサを得ることができる。
【0067】請求項9記載の発明によれば、第1の導体
シートの帯状絶縁性基材と車両の角部との接触により帯
状絶縁性基材がはがれると、第1の導体シートの導体が
車両の角部と接触して、導体のデッドショート、レアシ
ョートを検出する。また、ワイヤーハーネスを構成する
各電線を通じて電源供給を受ける負荷がショートして、
ワイヤーハーネスに過電流が流れると、第2の導体シー
トの導体の抵抗値増大を検出する。以上のことで、ワイ
ヤーハーネスの異常を検出することができるので、ワイ
ヤーハーネスが損傷する前にワイヤーハーネスのデッド
ショート、レアショートに至るような異常を検出するこ
とができる。また、ワイヤーハーネスが発煙に至るよう
な異常があることを検出することができるワイヤーハー
ネスの異常検出装置を得ることができる。
【0068】請求項10記載の発明によれば、他のワイ
ヤーハーネスからの飛び火などによりワイヤーハーネス
が局部的に加熱され、絶縁シートが溶融すると、第1の
導体シートと第2の導体シートの導体同士の短絡を検出
する。このことで、ワイヤーハーネスの異常を検出する
ことができるので、ワイヤーハーネスが損傷する前にワ
イヤーハーネスの局部加熱によりワイヤーハーネスが発
煙に至るような異常があることを検出することができる
ワイヤーハーネスの異常検出装置を得ることができる。
【0069】請求項11記載の発明によれば、ワイヤー
ハーネスの局部的な加熱による発煙を防止することがで
きる。さらに、他のワイヤーハーネスの発火による局部
加熱の場合は、その発火も防止することができるので、
ワイヤーハーネスの局部的な加熱が起こっても安全なワ
イヤーハーネスの異常検出装置を得ることができる。
【0070】請求項12記載の発明によれば、ユーザー
が第1の導体シートの帯状絶縁性基材と車両の角部との
接触により帯状絶縁性基材がはがれ、第1の導体シート
の導体が車両の角部とがショートしたこと、また、ワイ
ヤーハーネスを構成する各電線を通じて電源供給を受け
る負荷がショートして、ワイヤーハーネスに過電流が流
れたことを識別可能に知ることができるので、ユーザー
が異常の原因を取り除くことができワイヤーハーネスの
異常を防止することができるワイヤーハーネスの異常検
出装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるワイヤーハーネスの
異常検出装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態によるワイヤーハーネス用
異常検知センサの構成を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態によるワイヤーハーネス用
異常検知センサの構成を示す断面図である。
【図4】本発明の一実施形態によるワイヤーハーネス用
異常検知センサに設けられたコネクタを示す図である。
【図5】図1の異常検出回路の構成を示す回路図であ
る。
【符号の説明】
1a ワイヤーハーネス 1b 異常検知センサ 1b−1 第1の導体シート 1b−2 第2の導体シート 1b−3 絶縁シート(ナイロンフィルム) 1b−4 コネクタ 2a 第1の検出手段(第1の検出回路) 2b 第2の検出手段(第2の検出回路) 2c 第3の検出手段(第3の検出回路) 2d 警報発生手段(警報表示ランプ) 2e 電源遮断手段(電源遮断回路)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02G 1/06 H02G 1/06 Q

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の電源供給対象に電源を供給するた
    めの多数の電線からなるワイヤーハーネスと、 ワイヤーハーネスの異常を検知する異常検知センサとを
    備え、 前記異常検知センサは、帯状絶縁性基材に導体を付与し
    てなる第1の導体シートと、帯状絶縁性基材に抵抗値が
    大きくなる形状に導体を付与した第2の導体シートとを
    有し、前記第1の導体シートと前記第2の導体シートと
    を両者の導体が互いに絶縁されるようにして一体化する
    と共に、前記第1の導体シートの帯状絶縁性基材が外側
    になるように前記ワイヤーハーネスに周回したことを特
    徴とする異常検知センサ付きワイヤーハーネス。
  2. 【請求項2】 前記第2の導体シートの導体は前記帯状
    絶縁性基材の長手方向の一端部に両端が位置され、小断
    面化されて前記帯状絶縁性基材の全面に亘ってジグザグ
    パターン状に形成されていることを特徴とする請求項1
    記載の異常検知センサ付きワイヤーハーネス。
  3. 【請求項3】 前記第1の導体シートと前記第2の導体
    シートとの導体は、前記帯状絶縁性基材の長手方向の一
    端部に前記第1の導体シートの導体の一端と、前記第2
    の導体シートの導体の両端とを外部接続するためのコネ
    クタが設けられていることを特徴とする請求項1又は2
    記載の異常検知センサ付きワイヤーハーネス。
  4. 【請求項4】 前記異常検知センサは絶縁シートを更に
    有し、前記第1の導体シートと前記第2の導体シートと
    が、両者の導体が互いに対向し、かつ、前記導体間に前
    記絶縁シートを挟むように一体化されてなることを特徴
    とする請求項1〜3記載の異常検知センサ付きワイヤー
    ハーネス。
  5. 【請求項5】 前記絶縁シートは、予め定められた温度
    になると溶融することを特徴とする請求項4記載の異常
    検知センサ付きワイヤーハーネス。
  6. 【請求項6】 前記第1の導体シートの導体は前記帯状
    絶縁性基材上に網目パターン状に形成されていることを
    特徴とする請求項5記載の異常検知センサ付きワイヤー
    ハーネス。
  7. 【請求項7】 帯状絶縁性基材に導体を付与してなる第
    1の導体シートと、帯状絶縁性基材に抵抗値が大きくな
    る形状に導体を付与した第2の導体シートとを備え、 前記第1の導体シートと前記第2の導体シートとを両者
    の導体が互いに絶縁されるようにして一体化することを
    特徴とするワイヤーハーネス用異常検知センサ。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のワイヤーハーネス用異常
    検知センサは予め定めた温度になると溶融する絶縁シー
    トを更に有し、前記第1の導体シートと前記第2の導体
    シートとが、両者の導体が互いに対向し、かつ、前記導
    体間に前記絶縁シートを挟むように一体化されてなるこ
    とを特徴とするワイヤーハーネス用異常検知センサ。
  9. 【請求項9】 請求項1〜4記載の異常検知センサ付き
    ワイヤーハーネスと、 前記第1の導体シートの導体とアースとのショートを検
    出する第1の検出手段と、 前記第2の導体シートの導体の抵抗値増大を検出する第
    2の検出手段とを備えることを特徴とするワイヤーハー
    ネスの異常検出装置。
  10. 【請求項10】 請求項5〜6記載の異常検知センサ付
    きワイヤーハーネスと、 前記第1の導体シートの導体とアースとのショートを検
    出する第1の検出手段と、 前記第2の導体シートの導体の抵抗値増大を検出する第
    2の検出手段と、 前記第1の導体シートの導体と前記第2の導体シートの
    導体とのショートを検出する第3の検出手段とを備える
    ことを特徴とするワイヤーハーネスの異常検出装置。
  11. 【請求項11】 前記第3の検出手段が前記第1の導体
    シートの導体と前記第2の導体シートの導体とのショー
    トを検出したとき、電源を遮断する電源遮断手段を備え
    たことを特徴とする請求項10記載のワイヤーハーネス
    の異常検出装置。
  12. 【請求項12】 前記第1の検出手段が前記第2の導体
    シートの導体の抵抗値増大を検出したときと、前記第2
    の検出手段が前記第1の導体シートの導体とアースとの
    ショートを検出したときとに、その旨を伝える警報を発
    する警報発生手段を備え、 前記警報発生手段が発生する警報は、第1の検出手段の
    検出と、第2の検出手段の検出とが識別できるものであ
    ることを特徴とする請求項9〜11記載のワイヤーハー
    ネスの異常検出装置。
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