JP2000046431A - スターリングエンジン - Google Patents

スターリングエンジン

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JP2000046431A
JP2000046431A JP10212068A JP21206898A JP2000046431A JP 2000046431 A JP2000046431 A JP 2000046431A JP 10212068 A JP10212068 A JP 10212068A JP 21206898 A JP21206898 A JP 21206898A JP 2000046431 A JP2000046431 A JP 2000046431A
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pressure
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pressurizing chamber
stirling engine
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Kazuhiko Ueda
和彦 上田
Tetsuyuki Okano
哲之 岡野
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2309/00Gas cycle refrigeration machines
    • F25B2309/001Gas cycle refrigeration machines with a linear configuration or a linear motor

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  • Magnetic Bearings And Hydrostatic Bearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピストンの自励振動が発生しない信頼性の高
いスターリングエンジンを提供する。 【解決手段】 ピストンにより圧縮された作動媒体が一
時的に蓄えられる加圧室内の圧力を制御する圧力制御手
段を設け、加圧室内圧力を自励振動が発生する境界圧力
まで上昇させない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低温の発生に用い
られるスターリングエンジンに関し、特に、ガスベアリ
ングを用いたピストン支持機構に関する。
【0002】
【従来の技術】冷熱の発生を目的としたフリーピストン
型スターリングエンジンは、熱サイクル的には逆スター
リングサイクルエンジンとも呼ばれている。
【0003】図8は従来のスターリングエンジンの一構
成例を示す断面構成図である。図8において、ピストン
1とディスプレーサ2はシリンダー3の内周壁面3−a
を往復摺動可能に配されている。このシリンダー3は密
閉された圧力容器4に固定されている。
【0004】ピストン1及びディスプレーサ2は同軸上
に構成されており、ディスプレーサ2に形成されたロッ
ド2−aはシリンダー3の中心部に設けた摺動穴1−a
を貫通し、ピストン1とディスプレーサ2はシリンダー
3の内周摺動面3−aを滑らかに摺動可能である。
【0005】また、ピストン1はピストン支持バネ5に
よって圧力容器4に対して弾性支持され、ディスプレー
サ2はディスプレーサ支持バネ6によって圧力容器4に
対して弾性支持されている。
【0006】圧力容器4とシリンダー3により形成され
る空間はピストン1によって2つの空間に分割される。
一つはピストン1のディスプレーサ2側である作動空間
7であり、もう一つはピストン1のディスプレーサ2側
と反対側である背面空間8である。
【0007】作動空間7はディスプレーサ2でさらに2
つの空間に分割されており、一つはピストン1とディス
プレーサ2とに挟まれた圧縮空間7−aであり、もう一
つはシリンダー3の先端部の膨張空間7−bである。こ
の2つの空間は再生器9を介して連結され、再生器9は
一般にメッシュ形状の銅材などにより形成されている。
また、背面空間8はシリンダー3のピストン1が挿入さ
れた側を取囲むように形成されている。
【0008】作動空間7と背面空間8には高圧のヘリウ
ムガス等の作動媒体が充填されている。ピストン1は背
面空間8に収められたリニアモータ等のピストン駆動体
(図示せず)により所定周期で往復動される。これによ
り作動媒体は作動空間7内で圧縮、膨張される。ディス
プレーサ2は、作動空間内で圧縮、膨張される作動媒体
の圧力変化により直線的に往復動される。この時、ピス
トン1とディスプレーサ2は、一般に約90度の位相差
をもって同一周期にて往復動するようディスプレーサ支
持バネ6のバネ定数等は設定されている。膨張空間7−
bで作動媒体を膨張させることにより、シリンダー3の
先端のコールドヘッド10に冷熱を発生させるが、本構
成のエンジンを用いた逆スターリング熱サイクルに関し
ては一般によく知られているのでここでは割愛する。
【0009】ピストン1内部には加圧室11が形成され
ている。図示しないピストン駆動体により所定周期で往
復動されるピストン1により作動空間7内で圧縮された
作動媒体の一部は、加圧室11と作動空間7との連絡流
路部12に設けられた逆止弁13を通って加圧室11内
に一時的に蓄えられる。逆止弁13はピストン1の動き
により作動空間7内の作動媒体圧力が下がったときに、
加圧室11内の作動媒体が作動空間7内へ逆流するのを
防ぐために設けられている。
【0010】ピストン1に固定されたオリフィス14に
は加圧室11とピストン1、シリンダー3間のクリアラ
ンス部15とを結ぶ小径孔14−aが設けられており、
加圧室11内の作動媒体の流出量を絞ってクリアランス
部15に噴出させ、クリアランス部15に作動媒体の気
体膜を形成する。
【0011】このように構成されるガスベアリンク機構
により、ピストン1はシリンダー内周摺動面3−aを非
接触状態で摺動可能となるのに加え、圧縮空間7−aと
背面空間8との間の作動媒体の流れを遮断するシール手
段を兼ねる。一方、ディスプレーサ2に関しても前記ピ
ストン1と同様のガスベアリング機構を用いることによ
り、シリンダー内周摺動面3−aを非接触状態で摺動可
能となる。
【0012】ところで、本構成のスターリングエンジン
では、ピストン1はある定まった一定周期で図示しない
ピストン駆動体により往復動される。これは、ピストン
1、ディスプレーサ2の運動はバネの共振現象を利用し
ているためである。ピストン1に関しては主にピストン
支持バネ5と作動空間7内の作動媒体のバネ効果による
共振であり、ディスプレーサ2に関しては主にディスプ
レーサ支持バネ6による共振である。したがって、ピス
トン1を往復動させる際、ピストン1のバネ系を考慮し
た駆動周波数に設定する必要があるのと同時に、ディス
プレーサ2のバネ系はこのピストン駆動周波数に合わせ
て設定される必要がある。したがって、ピストン1、デ
ィスプレーサ2は常に一定の周波数にて駆動されてい
る。
【0013】冷熱発生を目的とした本構成のスターリン
グエンジンを各種装置の冷却器として用いる場合、冷却
される領域の温度をある一定温度に保持するためにはこ
のスターリングエンジンの出力を制御する必要がある。
冷却領域の温度を急速に低下させたい場合は、出力を大
きくする必要があり、冷却領域の温度を一定に保持する
場合には低出力でも可能である。
【0014】上述のように、ピストン1、ディスプレー
サ2の駆動周波数は常に一定であり、この条件下で出力
を変動させるためにはピストン1の振幅を変えてやる必
要がある。大きな出力を得るためには大きなピストン振
幅が必要であり、小さな出力を得るためには小さなピス
トン振幅を必要とする。ピストン振幅が大きな場合、作
動空間内の作動媒体の圧力変動も大きくなり、加圧室1
1へも高圧の作動媒体が蓄えられる。逆にピストン振幅
が小さな場合、作動空間内の作動媒体の圧力変動も小さ
くなり、加圧室11へは低圧の作動媒体が蓄えられる。
【0015】図9にピストン1の振幅大きさと加圧室1
1内作動媒体圧力の大きさとの関係の一例を示す。
【0016】スターリングエンジンに求められる出力範
囲に対応したピストンの振幅の大きさをXpmin〜X
pmaxとすると、加圧室内の圧力はPmin〜Pma
xの範囲で変化する。
【0017】ガスベアリングによる支持構造の場合、加
圧室11内の作動媒体の圧力が高いほど支持力も大きく
なる。ところが、ただ単にこの支持力が大きくなるよう
なガスベアリング支持構造の設計を行った場合、一般に
ニューマティックハンマと呼ばれる自励振動により、ピ
ストン等の可動軸が大きな振動音を発して激しく振動す
る現象を起こす場合がある。このガスベアリングの不安
定現象に関しては、例えば「気体軸受 −設計から製作
まで− 第4章 十合晋一著 共立出版」に詳細に記述
されている。この中では、ピストン1とシリンダー3と
のクリアランス部15の大きさや、オリフィス小径孔1
4−aの大きさ、長さ等のガスベアリング各部の形状が
設計された場合、ガスベアリングが上記自励振動を起こ
さずに安定して動作するためには、加圧室11内作動媒
体圧力がある許容圧力を超えないことが必要であること
が分かる。
【0018】図10にあるガスベアリング設計条件下で
加圧室圧力の大きさを変えた際、上記自励振動を起こさ
ず安定にガスベアリング支持構造が動作可能か、あるい
は上記自励振動を起こして不安定な動作を起こしてしま
うかの安定・不安定判別結果の一例を示す。
【0019】加圧室圧力が境界値Pbより小さい場合に
は自励振動に関しては安定であり、加圧室圧力が境界値
Pbを超える場合には自励振動を発生し不安定な動作を
起こしてしまうことになる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、加圧室
内の作動媒体圧力はPmin〜Pmaxの範囲で変化す
る。したがって、上記自励振動の安定・不安定判別を考
えた際、加圧室圧力の最大値Pmaxの大きさが上記境
界値Pbの値を超えない場合には問題がないが、仮にP
max>Pbとなる場合には自励振動が発生する不安定
領域となり、ガスベアリングの安定動作に関して重大な
問題を生ずることがあった。
【0021】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもであって、大きな冷却出力を得るようエンジンを運
転した際にも、安定したピストンの摺動を可能とする信
頼性の高いスターリングエンジンを提供することを目的
とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するためになされたものであって、請求項1記載の発明
は、シリンダと、前記シリンダ内を往復運動するピスト
ンと、前記ピストンのシリンダ内の往復運動に伴って、
作動空間内で圧縮、膨張を繰返す作動媒体の働きにより
駆動されるディスプレーサと、前記ピストン内部に形成
され、作動空間内で圧縮された作動媒体を一時的に蓄え
る加圧室と、前記加圧室内の作動媒体を前記ピストンと
前記シリンダーとのクリアランス部に噴出するオリフィ
スとを具備するスターリングエンジンであって、前記加
圧室の圧力が特定圧力を超えないように、前記加圧室の
圧力を制御する圧力制御手段を設けたことを特徴とする
スターリングエンジンである。
【0023】また、請求項2記載の発明は、前記請求項
1記載のスターリングエンジンにおいて、前記圧力制御
手段は、加圧室と作動空間とを結ぶ連結流路をオリフィ
ス構造とすることを特徴とするスターリングエンジンで
ある。
【0024】また、請求項3記載の発明は、前記請求項
2記載のスターリングエンジンにおいて、前記オリフィ
ス構造は、薄板状の逆止弁と、当該逆止弁の当り部材と
によって構成されることを特徴とするスターリングエン
ジンである。
【0025】また、請求項4記載の発明は、前記請求項
2記載のスターリングエンジンにおいて、前記オリフィ
ス構造は、非線形バネを有する構成であることを特徴と
するスターリングエンジンである。
【0026】また、請求項5記載の発明は、前記請求項
1記載のスターリングエンジンにおいて、前記圧力制御
手段は、前記加圧室内の作動媒体圧力がある所定の圧力
を超えた際に開放される弁から構成されることを特徴と
するスターリングエンジンである。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図をもとに本発明について
詳細に説明する。なお、これによって本発明は限定され
るものではない。
【0028】[実施例1]図1は加圧室の圧力を制御す
る圧力制御手段の動作を示すフローチャート図である。
【0029】一定周期で駆動されるピストンがディスプ
レーサ側に変位すると、圧縮空間の作動媒体が圧縮され
圧縮空間内圧力が上昇する(ステップS1)。加圧室内
に設けられた圧力検知手段により加圧室内の圧力Pcは
モニターされ(ステップS2)、圧縮空間内圧力Paが
加圧室内圧力Pcより高くなると(ステップS3)、圧
縮空間と加圧室を結ぶ流路に設けられた逆止弁が開き
(ステップS4)、加圧室内に作動媒体が流入する。こ
の時、ガスベアリングの安定・不安定動作の境界である
加圧室圧力Pbを超えないような加圧室内基準圧力とし
て、安定境界値Pb1が予め設定されている。加圧室内
圧力Pcは安定境界値Pb1と比較され(ステップS
5)、ガスベアリングの安定動作条件であるPc<Pb
1(No)の場合は、加圧室の圧力が圧縮空間の圧力P
aと等しくなる条件Pc=Paまで逆止弁が開かれる
(ステップS6)。一方、逆止弁が開かれて加圧室内の
圧力が上昇し、ガスベアリングが安定に動作するための
安定境界値Pc=Pb1(Yes)となった場合は、圧
力制御手段により逆止弁の開度が制限、あるいは閉鎖さ
れ、加圧室の圧力が境界値Pbを超えないように制御さ
れる(ステップS7)。
【0030】加圧室に一時的に蓄えられた作動媒体は、
ガスベアリングを動作させる媒体として加圧室外部へ流
出するため加圧室内圧力は低下するが、ピストンは一定
周期で往復動されており、ピストンによる作動媒体の圧
縮も同じ周期にて引き起こされ、上述のフローを繰返す
ことになる。
【0031】なお、本フローチャートでは、加圧室の圧
力が安定境界値Pc=Pb1となった場合に、逆止弁の
開度が制限、あるいは閉鎖され、加圧室の圧力が境界値
Pbを超えないように制御する構成としたが、圧縮空間
から加圧室内へ流入する作動媒体を常に制御し、加圧室
の圧力が境界値Pbを超えないよう制御する構成とする
ことも可能である。
【0032】[実施例2]図2は加圧室と作動空間とを
結ぶ流路をオリフィス構造とし圧力制御手段を形成した
一実施例のスターリングエンジン主要構造断面図であ
る。
【0033】ピストン1内部には加圧室11が形成され
ている。図示しないピストン駆動体により所定周期で往
復動されたピストン1により作動空間内7で圧縮された
作動媒体の一部は、加圧室11と作動空間7との連絡流
路部16、逆止弁17を通って加圧室11内に一時的に
蓄えられる。逆止弁17はピストン1の動きにより作動
空間7内の作動媒体圧力が下がったときに、加圧室11
内の作動媒体が作動空間7内へ逆流するのを防ぐために
設けられている。
【0034】ピストン1に固定されたオリフィス14に
は加圧室11とピストン1、シリンダー3間のクリアラ
ンス部15とを結ぶ小径孔14−aが設けられており、
加圧室11内の作動媒体の流出量を絞ってクリアランス
部15に噴出させ、クリアランス部15に作動媒体の気
体膜を形成する。このように構成されるガスベアリンク
機構により、ピストン1はシリンダー内周摺動面3−a
を非接触状態で摺動可能となるのに加え、圧縮空間7−
aと背面空間8との間の作動媒体の流れを遮断するシー
ル手段を兼ねる。
【0035】ところで、連絡流路部16は、従来、作動
媒体の流入時に大きな流路抵抗とならないような形状と
されており、ガスベアリングを構成するオリフィス小径
孔14−aに比較して遥かに大きい孔形状であった。そ
れに対して、本実施例の連絡流路部は、圧力損失を生じ
るような孔径、長さが設定されたオリフィス小径孔形状
に形成されている。
【0036】図3は加圧室11部分を示す拡大断面図で
ある。ピストン1内部の加圧室11と作動空間7を結ぶ
連結流路は小径孔のオリフィス16が形成されている。
加圧室側のオリフィス端部には逆止弁17が設けられて
いる。逆止弁17は薄い板バネで形成され、その一端は
加圧室壁面11−aに固定されており、作動媒体の流れ
は作動空間7側から加圧室11側への一方向のみ可能と
している。圧力制御手段であるオリフィス16は、作動
媒体が流れる際に流路抵抗として働くため、加圧室11
に流入する作動媒体の圧力Pcは作動空間7の作動媒体
圧力Paより低い値とすることができる。
【0037】したがって、スターリングエンジンに最大
の冷却能力を出すよう運転する際に作動空間に発生する
最大圧力Pcmaxが、ガスベアリングが安定に動作す
る加圧室圧力安定境界値Pb1以下となるように圧力制
御手段であるオリフィス形状を形成することにより、冷
却能力の大きさに影響されず、常に安定たピストンの摺
動を可能とする信頼性の高いスターリングエンジンを得
ることができる。
【0038】[実施例3]図4は圧力制御手段であるオ
リフィス構造を、薄板状の逆止弁18と逆止弁18の当
り部材19とにより形成した状態を示す図である。
【0039】なお、ここで示す圧力制御手段を成すオリ
フィス形状は、ある程度の長さを持つ小径孔にて形成し
たものではなく、薄板状の逆止弁18の開口の大きさを
制限することで小径孔のオリフィスを設けるのと同様の
圧力損失効果を得るようにしたものである。
【0040】加圧室11と作動空間7とを結ぶ連結流路
20の加圧室11側には、薄板状の逆止弁18が設けら
れ、その一端は加圧室壁面11−aに固定されており、
作動媒体の流れは圧縮空間7−a側から加圧室11側へ
の一方向のみ可能としている。逆止弁当り部材19は薄
板状の逆止弁18に近接して加圧室壁面11−bに固定
されている。
【0041】逆止弁当り部材19がない場合、作動空間
7内でピストンにより圧縮され高い圧力となった作動媒
体は、連結流路20を通って一気に加圧室11内に流れ
込み、加圧室内圧力は作動空間内圧力とほぼ同じ圧力に
高められてしまう。
【0042】作動空間7の圧力が加圧室11より高い場
合、流入する作動媒体の圧力により薄板状の逆止弁18
は大きく変形し連結流路20は十分に開放されるが、本
実施例においては逆止弁当り部材19を逆止弁18に近
接して設けており、逆止弁当り部材19に薄板状の逆止
弁18の変形量は制限されよう構成している。
【0043】逆止弁当り部材19を連結流路開口部20
−aから離して設定した場合、薄板状の逆止弁18は大
きく変形し連結流路20は十分に開放されるが、逆止弁
当り部材19を連結流路開口部20−aに近接させた場
合、薄板状の逆止弁18の変形は小さく連結流路20の
開放量を非常に小さくすることができる。
【0044】変形時の薄板状の逆止弁18と連結流路開
口部20−aとの間を微小隙間に設定した場合、連結流
路に小径孔のオリフィスを設けて圧力損失効果を得るの
と同様の効果を得ることができる。その結果、加圧室1
1に流入する作動媒体の圧力は作動空間7の作動媒体圧
力より低い値とすることができ、冷却能力の大きさに影
響されず、常に安定たピストンの摺動を可能とする信頼
性の高いスターリングエンジンを得ることができる。
【0045】[実施例4]図5は加圧室11と作動空間
7とを結ぶ連絡流路部が非線形バネを含むオリフィス構
造により形成された状態を示す図である。
【0046】加圧室内壁面11−bにその一端が固定さ
れたバネ支持材21と薄板状の逆止弁18との間には逆
止弁当り部材としての非線形バネ22が設けられてお
り、そのバネ力により薄板状の逆止弁18が連絡流路2
0を閉じる方向に加圧している。この非線形バネ22に
より薄板状の逆止弁18の変形量が制限されるよう構成
されている。
【0047】バネは一般に線形性を有し、変位量とその
変位に有する力とは比例関係にある。一方非線形バネは
変位量とその変位に有する変形力とは比例関係にはな
く、例えば、変位を2倍とするのに必要とする変形力が
4倍となるなどの特性を持つ。
【0048】本実施例の非線形バネ22は、図6に示す
ような変位量の増加の割合より、その変位に要する変形
力増加の割合が大きな特性を有しており、言い換えれ
ば、小さな力を加えることにより変形は開始するが、さ
らに変形させようとするとより一層大きな力が必要とな
り変形し難い構造となっている。
【0049】このような非線形バネの製作方法は、例え
ば、コイルバネ巻線間隔を徐々に変えたり、あるいはま
た、コイルバネのバネ線材径を徐々に変えたり、あるい
はまた、長さの異なる板バネを積層構造にするなど種々
の方法で可能である。
【0050】ピストン振幅が小さな場合、作動空間7内
で圧縮される作動媒体の圧力はさほど上昇しない。作動
空間7から加圧室11へ連絡流路20を通って流入する
作動媒体の圧力により薄板状の逆止弁18は変形される
が、前述のように逆止弁当り部材は小さな変形力でも変
位できるバネであるため、作動媒体は作動空間7から加
圧室11に十分に流入し、加圧室11内の作動媒体圧力
は作動空間7内の圧力に近い値まで高められる。
【0051】一方、ピストン振幅が大きな場合、作動空
間7内で圧縮される作動媒体の圧力は大きく上昇する。
作動空間7から加圧室11へ流入する作動媒体の大きな
圧力により薄板状の逆止弁18には大きな変形力が作用
するが、上述のように逆止弁当り部材は大きな力を加え
てもその変位量はさほど大きくならない非線形バネ22
にて形成されているため、作動媒体の加圧室11への流
入量が制限される。その結果、加圧室11に流入する作
動媒体の圧力は作動空間7の作動媒体圧力より低い値と
することができ、冷却能力の大きさに影響されず、常に
安定たピストンの摺動を可能とする信頼性の高いスター
リングエンジンを得ることができる。
【0052】[実施例5]図7は加圧室11内の作動媒
体圧力がある所定の圧力を超えた際に開放される弁手段
をピストン1に形成した状態を示す図である。
【0053】加圧室11と作動空間7を結ぶ連結流路は
小径孔を持つオリフィス16にて形成され、加圧室側の
オリフィス端部には逆止弁17が設けられて第1の圧力
制御手段が形成されている。
【0054】一方、第2の圧力制御手段として、加圧室
壁面には加圧室11と背面空間8とを結ぶ第2の連結流
路23が設けられ、背面空間側の連結流路端部には第2
の逆止弁24が設けられている。ここでの作動媒体の流
れは加圧室11側から背面空間8側への一方向のみ可能
とされている。逆止弁24は板バネで形成され、その一
端はピストン端面1−aに固定されており、板バネを予
め変形させ所定の与圧力が与えられている。
【0055】今、第2の逆止弁24に与える予圧力の大
きさFpを、ガスベアリングが安定に動作する加圧室圧
力安定境界値Pb1時に第2の逆止弁に作用する力の大
きさFpb1と同じ値に設定したとする。エンジンが正
常に運転されている場合、ピストンにより作動空間内で
圧縮された作動媒体が加圧室に流入する際の加圧室内圧
力は、前記第1の圧力制御手段によりガスベアリングが
安定に動作する加圧室圧力安定境界値Pb1以下とされ
る。
【0056】ところが、何らかの異常が発生し、例え
ば、リニアモータ等のピストン駆動体(図示せず)への
入力が大きくなった際、ピストン振幅が増大し作動空間
内の作動媒体圧力も当初予定値よりも大きくなる事態が
発生する。この時、加圧室11内には加圧室圧力安定境
界値Pb1超える作動媒体が流入し、その結果、ガスベ
アリングの自励振動を発生し、ピストンが激しく振動し
エンジン内部が破損するなど重大な問題を引き起こす可
能性がある。
【0057】本実施例では、第2の圧力制御手段とし
て、加圧室壁面には加圧室11と背面空間8とを結ぶ第
2の連結流路23を設け、背面空間側の連結流路端部に
は第2の逆止弁24を設けた。このため、万一、加圧室
内の作動媒体圧力Pcが安定境界値Pbと等しい圧力に
なった場合、加圧室11内の作動媒体はこの逆止弁24
から背面空間8へ放出され、加圧室内の圧力Pcが境界
値Pbを超えないように制御される。図7では、第2の
逆止弁24が開放された状態を示している。その結果、
常に安定たピストンの摺動を可能とする信頼性の高いス
ターリングエンジンを得ることができる。
【0058】上述の実施例1〜5の説明では、ピストン
部分ついて説明したが、ディスプレーサ部分に関しても
同様の構成をとり安定したディスプレーサの摺動が可能
となる。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、シリンダと、前記シリ
ンダ内を往復運動するピストンと、前記ピストンのシリ
ンダ内の往復運動に伴って、作動空間内で圧縮、膨張を
繰返す作動媒体の働きにより駆動されるディスプレーサ
と、前記ピストン内部に形成され、作動空間内で圧縮さ
れた作動媒体を一時的に蓄える加圧室と、前記加圧室内
の作動媒体を前記ピストンと前記シリンダーとのクリア
ランス部に噴出するオリフィスとを具備するスターリン
グエンジンであって、加圧室の圧力を制御する圧力制御
手段を設けたことにより、自励振動が発生せず、安定し
たピストンの摺動を可能とする信頼性の高いスターリン
グエンジンを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の圧力制御手段の動作を示すフローチ
ャート図である。
【図2】実施例2のスターリングエンジン主要構造断面
図である。
【図3】実施例2の圧力制御手段の構成を示す図であ
る。
【図4】実施例3の圧力制御手段の構成を示す図であ
る。
【図5】実施4の圧力制御手段の構成を示す図である。
【図6】非線形バネの特性を示す図である。
【図7】実施例5の圧力制御手段の構成を示す図であ
る。
【図8】従来のスターリングエンジン主要構造断面図で
ある。
【図9】ピストンの振幅大きさと加圧室内作動媒体圧力
の大きさとの関係を示す図である。
【図10】加圧室内圧力とガスベアリング安定動作判別
との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 ピストン 2 ディスプレーサ 3 シリンダー 4 圧力容器 5 ピストン支持バネ 6 ディスプレーサ支持バネ 7 作動空間 8 背面空間 9 再生器 10 コールドヘッド 11 加圧室 12、20、23 連結流路 13、17、18、24 逆止弁 14、16 オリフィス 19 逆止弁当り部材 22 非線形バネ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダと、前記シリンダ内を往復運動
    するピストンと、前記ピストンのシリンダ内の往復運動
    に伴って、作動空間内で圧縮、膨張を繰返す作動媒体の
    働きにより駆動されるディスプレーサと、前記ピストン
    内部に形成され、作動空間内で圧縮された作動媒体を一
    時的に蓄える加圧室と、前記加圧室内の作動媒体を前記
    ピストンと前記シリンダーとのクリアランス部に噴出す
    るオリフィスとを具備するスターリングエンジンであっ
    て、 前記加圧室の圧力が特定圧力を超えないように、前記加
    圧室の圧力を制御する圧力制御手段を設けたことを特徴
    とするスターリングエンジン。
  2. 【請求項2】 前記請求項1記載のスターリングエンジ
    ンにおいて、 前記圧力制御手段は、加圧室と作動空間とを結ぶ連結流
    路をオリフィス構造とすることを特徴とするスターリン
    グエンジン。
  3. 【請求項3】 前記請求項2記載のスターリングエンジ
    ンにおいて、 前記オリフィス構造は、薄板状の逆止弁と、当該逆止弁
    の当り部材とによって構成されることを特徴とするスタ
    ーリングエンジン。
  4. 【請求項4】 前記請求項2記載のスターリングエンジ
    ンにおいて、 前記オリフィス構造は、非線形バネを有する構成である
    ことを特徴とするスターリングエンジン。
  5. 【請求項5】 前記請求項1記載のスターリングエンジ
    ンにおいて、 前記圧力制御手段は、前記加圧室内の作動媒体圧力があ
    る所定の圧力を超えた際に開放される弁から構成される
    ことを特徴とするスターリングエンジン。
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