JP2003035203A - スターリング機関 - Google Patents

スターリング機関

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JP2003035203A
JP2003035203A JP2001223267A JP2001223267A JP2003035203A JP 2003035203 A JP2003035203 A JP 2003035203A JP 2001223267 A JP2001223267 A JP 2001223267A JP 2001223267 A JP2001223267 A JP 2001223267A JP 2003035203 A JP2003035203 A JP 2003035203A
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Yoshiyuki Kitamura
義之 北村
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2309/00Gas cycle refrigeration machines
    • F25B2309/001Gas cycle refrigeration machines with a linear configuration or a linear motor

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  • Details Of Valves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便な方法で雑損失を低減し、高効率のスタ
ーリング機関を提供する。 【解決手段】 シリンダ1内に嵌装され、駆動手段に駆
動されて往復運動するピストン3と、シリンダ1内に嵌
装され、ピストン3の往復運動による力を受けてピスト
ン1と位相差をもって往復運動するディスプレーサ2と
を備え、ピストン3とディスプレーサ2との間に区画形
成された圧縮空間4と、ピストン3を挟んで圧縮空間4
とは反対側に位置し、シリンダ1の側壁の少なくとも一
部をその壁面として含むように形成された背圧空間6
と、ピストン3内部に形成されたピストン内部連通路1
5aと、シリンダ1壁面に設けられた連通孔15bとか
らなり、圧縮空間4と背圧空間6とを連通する連通経路
15と、ピストン内部連通路15a内に差し込まれ、ピ
ストン内部連通路15aの断面積を減ずるワイヤ20と
を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スターリング機関
に関し、より具体的には、フリーピストン型スターリン
グ機関に関する。
【0002】
【従来の技術】スターリング機関では、シリンダ内に充
填された作動ガスの圧縮および膨張を行なうことで既知
のスターリングサイクルを実現する。クランク型スター
リング機関では、ピストンおよびディスプレーサがシャ
フトによって固定され、このピストンおよびディスプレ
ーサが機械的に一定の関係を保って運動することにより
スターリングサイクルを実現する。これに対し、フリー
ピストン型スターリング機関では、ピストンおよびディ
スプレーサが、たとえばコイルバネなどによってそれぞ
れケーシングなどに接続、支持されており、個々の往復
運動特性をもって動作する。このフリーピストン型スタ
ーリング機関の一例を図7に示す。
【0003】図7に示したように、フリーピストン型ス
ターリング機関では、内部に円筒状の空間を有するシリ
ンダ1内に、ピストン3およびディスプレーサ2を同軸
上に嵌装することで、ピストン3とディスプレーサ2の
間に圧縮空間4を、ディスプレーサ2とシリンダ1閉塞
端との間に膨張空間5を、ピストン3の圧縮空間4側と
は反対側の空間に背圧空間6とを、それぞれ区画形成し
ている。この圧縮空間4と膨張空間5とは再生器7を介
して連通されており、この閉回路内に充填された作動ガ
スがスターリングサイクルの作動媒体となる。
【0004】一方、背圧空間6内も同じくガスが充填さ
れている。しかし、この背圧空間6内のガスは、スター
リング機関における圧縮サイクル、膨張サイクルおよび
等容サイクルのいずれにも作用しない。しかし、スター
リング機関においてはピストン3の振幅中心位置の変動
を防止する必要があるため、圧縮空間4と背圧空間6と
の圧力バランスを保つための連通経路が設けられている
場合が多い。
【0005】図7に示すように、たとえば特開2000
−39222には、ピストン内部に設けられたピストン
内部連通経路15aとシリンダ壁面に形成された連通孔
15bとによって連通経路15が構成されており、ピス
トン3がその振幅中心位置に位置したときに、これらピ
ストン内部連通路15aと連通孔15bとが連結するこ
とで、圧縮空間4と背圧空間6との圧力バランスを保つ
構造が提案されている。
【0006】しかし、この連通経路15を必要以上のガ
スが流通した場合には、圧縮空間4の圧縮率が下がるこ
とでスターリング機関の雑損失が発生し、能力低下の一
要因となる。このため、スターリング機関においては、
連通経路15を流通するガスの流量を調節し、過剰なガ
ス流動によるスターリング機関の雑損失を可能な限り低
く抑える必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来のフリーピストン
型スターリング機関では、スターリング機関の仕様に合
わせて連通経路径を設計する手法が取られていた。しか
し、最適のガス流量は、スターリング機関の運転状況に
より時々刻々と変化するため、雑損失を完全になくすに
は至っていない。また、仕様変更があった場合にはピス
トン自体の設計から着手しなおす必要があり、仕様変更
に伴う経費は膨大なものとなってしまう。
【0008】また、クランク型スターリング機関では、
その構造上、連通経路を流通するガスの流量を調節する
バルブを連通経路中に設けることが可能であるが、フリ
ーピストン型スターリング機関では連通経路中にこのよ
うなバルブを設けることは不可能である。
【0009】また、ピストンおよびディスプレーサが同
軸上に嵌装されて往復運動するフリーピストン型スター
リング機関の雑損失の他の要因としては、スターリング
機関自体の振動が挙げられる。このスターリング機関自
体の振動は、質量部および弾性部からなる動吸振機構に
よって抑制することが可能ではあるが、空気抵抗による
運動損失を伴い、さらには騒音を引き起こす原因にもな
る。従来、この動吸振機構の構造を改善することにより
運動損失を低減した実例は全く見当たらない。
【0010】したがって、本発明は、上記問題点を解決
するために成されたものであり、スターリング機関のガ
ス流動に伴う雑損失、およびスターリング機関自体の振
動に伴う雑損失の低減化が図られたスターリンング機関
を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の局面にお
けるスターリング機関は、シリンダ内に嵌装され、駆動
手段に駆動されて往復運動するピストンと、シリンダ内
に嵌装され、ピストンの往復運動による力を受けてピス
トンと位相差をもって往復運動するディスプレーサとを
備えており、さらに、ピストンとディスプレーサとの間
に区画形成された圧縮室と、ピストンを挟んで圧縮室と
は反対側に位置し、シリンダ外壁の少なくとも一部をそ
の壁面として含むように形成された背圧室と、ピストン
内部に形成された第1の連通路と、シリンダ側壁に設け
られた第2の連通路とからなり、圧縮室と背圧室とを連
通する連通経路と、連通経路内を流通するガスの流量を
調節するガス流量調節手段とを備えている。
【0012】本構成のように、ガス流量調節手段を備え
ることで連通経路内を流通するガス流量を自由に調節す
ることが可能となり、雑損失が低減された高効率のスタ
ーリング機関を提供することが可能となる。
【0013】上記本発明の第1の局面おけるスターリン
グ機関は、たとえば、流量調節手段が、第1の連通路内
に挿入されてこの第1の連通路の断面積を減ずる部材で
構成されていることが望ましい。
【0014】本構成のガス流量調節手段とすることで、
仕様変更があって最適ガス流量が減少した場合にもピス
トンを再製作することなく、容易かつ簡便に連通経路内
を流通するガスの流量を最適な量に調節することが可能
となる。これにより、仕様変更に伴う製造コストの増大
が防止され、安価なスターリング機関の提供が可能とな
る。
【0015】上記本発明の第1の局面におけるスターリ
ング機関は、たとえば、ガスの流量を調節する部材が弾
性力を有する棒状部材であり、第1の連通路の壁面と少
なくとも2箇所以上で接触することで第1の連通路の壁
面を押圧し、第1の連通路内に保持されていることが望
ましい。
【0016】本構成のように、ガスの流量を調節する部
材として弾性力を有する棒状部材を用いることで、棒状
部材が第1の連通路の壁面とバネ勘合して固定されるた
め、ピストンの往復運動によっても脱却しない。さらに
は、バネ嵌合させることで取付け作業が簡単になり、作
業者の負担が軽減されて製造コストが削減される。
【0017】上記本発明の第1の局面におけるスターリ
ング機関は、たとえば、流量調節手段が、第2の連通路
の開口面積を調節する弁手段を含んでいることが望まし
い。
【0018】本構成のようにすることで、スターリング
機関の運転状況に応じて時々刻々と変化する最適ガス流
量に合わせて、第2の連通路の開口面積を弁手段によっ
て調整することが可能となり、より最適値に近いガス流
量に調節することが可能となる。このため、大幅に効率
が向上したスターリング機関を提供することが可能とな
る。また、別途、その瞬間における開口面積の最適値を
算出する機構を備え、この算出値に連動して弁手段が最
適な開口面積に調節することで、常に最適のガス流量を
保つことも可能である。
【0019】上記本発明の第1の局面におけるスターリ
ング機関は、たとえば、弁手段は、先端に向かって断面
が徐々に小さくなる棒状部材を備え、棒状部材の先端を
第2の連通路に挿入することで第2の連通路の開口面積
を減じていることが望ましい。
【0020】本構成により、スターリング機関の運転状
況によって時々刻々と変化する最適ガス流量に合わせて
棒状部材の先端位置を変動させることで、より最適値に
近いガス流量に調節することが可能となる。
【0021】本発明の第2の局面におけるスターリング
機関は、シリンダ内に嵌装され、駆動手段に駆動されて
往復運動するピストンと、シリンダ内に嵌装され、ピス
トンの往復運動による力を受けてピストンと位相差をも
って往復運動するディスプレーサと、シリンダを保持固
定するケーシングと、ケーシングに取付けられ、ピスト
ンおよびディスプレーサの往復運動によって発生するケ
ーシングの振動を吸収する動吸振機構とを備えており、
動吸振機構は、ケーシングの振動と位相差をもって振動
することによりケーシングの振動を吸収する質量部と、
質量部とケーシングとを連結し、位相差を生み出す弾性
部とを備え、質量部が、その振動方向に貫通孔を備えて
いる。
【0022】本構成のように、動吸振機構の質量部がそ
の振動方向と同じ方向に貫通孔を有することで、質量部
の振動に対する空気抵抗が低減され、質量部の運動損失
が低減される。これにより、スターリング機関の雑損失
も低減され、高効率のスターリング機関となる。
【0023】本発明の第3の局面におけるスターリング
機関は、シリンダ内に嵌装され、駆動手段に駆動されて
往復運動するピストンと、シリンダ内に嵌装され、ピス
トンの往復運動による力を受けてピストンと位相差をも
って往復運動するディスプレーサと、シリンダを保持固
定するケーシングと、ケーシングに取付けられ、ピスト
ンおよびディスプレーサの往復運動によって発生するケ
ーシングの振動を吸収する動吸振機構とを備えており、
スターリング機関は、動吸振機構を内包するようにケー
シングに取付けられた真空容器を備え、動吸振機構は、
ケーシングの振動と位相差をもって振動することにより
ケーシングの振動を吸収する質量部と、質量部とケーシ
ングとを連結し、位相差を生み出す弾性部とを備えてい
る。
【0024】本構成のように、動吸振機構が真空容器内
に配設されることで、その質量部の振動に対する空気抵
抗がなくなるため、動吸振機構による運動損失を完全に
なくすことが可能になる。これにより、スターリング機
関の雑損失も低減され、高効率のスターリング機関とな
る。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、図
を参照して説明する。
【0026】(実施の形態1)図1は、本発明の実施の
形態1におけるスターリング機関の連通経路近傍の構造
を説明するための部分断面図である。本実施の形態で
は、上述の従来例にて説明したスターリング機関におい
て仕様変更があった場合に、簡易な手法を用いること
で、連通経路を流通するガスの流量を最適化するもので
あり、スターリング機関のその他の構造は従来例と同様
である。
【0027】(連通経路の構成)図1を参照して、本実
施の形態のスターリング機関における圧縮空間と背圧空
間とを結ぶ連通経路の構成について説明する。ピストン
3内部には、ピストン内部連通路15aが設けられてお
り、ピストン3の圧縮空間4側の外壁面からピストン3
のシリンダ1に対向する外壁面にまで通ずるように、ガ
スの流路が形成されている。さらに、シリンダ壁面に
は、内部に嵌装されたピストン3に面する内壁面から外
部の背圧空間6に面する外壁面に到達するように連通孔
15bが設けられている。
【0028】このピストン内部連通路15aと連通孔1
5bとは、ピストン3がその振幅中心位置にある場合
に、互いに連結する位置に設けられていることが望まし
く、これにより圧縮空間4と背圧空間6との圧力バラン
スの均衡が図られ、ピストン3の振幅中心位置がずれる
ことが防止される。なお、ピストン3には、ピストン3
がシリンダ1内壁面に接触せずにシリンダ1内を往復運
動するように気体軸受け(図示せず)が設けられてお
り、これによりピストン3とシリンダ内壁1との間には
間隙が形成されている。上述の連通経路15は、この間
隙を挟むように形成されているが、間隙そのものは数十
μm程度の厚みしかないため、実質的には連通経路15
中を流通するガスがこの間隙に流れ込むことはない。
【0029】(挿入物の構造および挿入方法)上記ピス
トン内部連通路15a内には、その断面積を減ずるため
の挿入物が挿入されて取付けられている。この挿入物
は、ピストン内部連通路15a内に挿入可能なものであ
ればどのようなものでもよく、その形状や材質は特に限
定されるものではない。本実施の形態では、製造の際の
作業の便宜および取付け後の脱却防止のため、数回折り
曲げることで弾性力が付された金属製のワイヤを使用し
ている。
【0030】この挿入物であるワイヤ20は、ピストン
内部連通路15aの圧縮空間4側の開口から挿入されて
おり、ピストン内部連通路15aの壁面と数箇所におい
て接触することでバネ嵌合し、保持固定されている。さ
らには、このワイヤ20の片側の端部は、ピストン内部
連通路15aから圧縮空間4側に一部突出しており、こ
の部分がピストン3の外壁面と略平行に折り返されて接
着剤などにより接着されることで、強固に固定されてい
る。これにより、ピストン3の往復運動動作においても
ワイヤ20が脱却することが防止される。
【0031】(作用・効果)上記構造のスターリング機
関とすることで、スターリング機関の仕様変更があった
場合に、ワイヤをピストン内部連通路に挿入して固定す
ることにより連通経路中の一部の断面積を減ずること
で、連通経路内を流通するガスの流量を調節することが
可能となる。前述したように、連通経路を圧縮空間と背
圧空間の圧力バランスを保つために流通するガスの流量
の最適値は、その時々の状況によって時々刻々と変化す
るものではあるが、少なくとも定常運転時においてはあ
る一定の流量で圧力バランスの均衡が図られるため、最
適ガス流量を見出すことは可能である。このため、仕様
変更に伴って最適ガス流量が減少した場合には、ワイヤ
を連通経路に挿入して固定することで、スターリング機
関を再製作する必要なく、簡易にかつ安価に最適ガス流
量に調節することが可能となる。これにより、スターリ
ング機関の効率を向上させることが可能となる。
【0032】図2は、本実施の形態におけるスターリン
グ機関のガス流動損失低減効果の具体的な実験結果を示
す図である。図を参照して、横軸は、ピストン振幅を示
しており、縦軸はガス流動損失量を示している。図の2
本の曲線は、仕様変更があった場合に、ガス流量を最適
値化するためにワイヤを取付けた場合と、取付けていな
い場合のそれぞれのガス流動損失量を比較している。こ
のガス流動損失量は、ピストンを駆動するためにモータ
に入力された電力量から、モータに関係する損失量を減
ずることで算出される。図に示したように、ピストンの
各振幅条件において、ワイヤを挿入することでガス流動
損失量が低減されていることが確認された。
【0033】(実施の形態2)図3は、本発明の実施の
形態2におけるスターリング機関の連通経路近傍の構造
を説明するための部分断面図である。本実施の形態にお
けるスターリング機関は、連通経路を流通するガスの流
量を自在に調節することが可能なスターリング機関であ
る。
【0034】(ガス流量調節手段)図3を参照して、本
実施の形態におけるスターリング機関の連通経路15
は、上記実施の形態1と同様の構成となっており、その
説明は省略する。シリンダ1に設けられた連通孔15b
の背圧空間6側には弁手段であるニードルバルブ21が
設置されており、このニードルバルブ21はステッピン
グモータ22に取付けられている。ニードルバルブ21
の先端は円錐形状となっている。このニードルバルブ2
1の先端部は、連通孔15bに抜き差し(図中矢印A方
向)が可能な位置に設置されており、ステッピングモー
タ22によりニードルバルブ21の先端がこの連通孔1
5b内の所定の位置まで差し込まれることで、連通孔1
5bの開口面積が調整される。
【0035】(作用・効果)上記構成のガス流量調節手
段を設けることにより、時々刻々と変化する最適ガス流
量に合わせてニードルバルブの差し込み量を変化させる
ことで、連通孔の断面積を調節して雑損失であるガス流
動損失を低く抑えることが可能となる。この最適ガス流
量は、ピストンの振幅量、圧縮空間内の作動ガス温度、
背圧空間内のガス温度などによって決まるものであるた
め、これらの状態によって最適ガス流量がどのように変
化するかを把握することで、自動でガス流量を調節する
ことも可能である。
【0036】図4は、本実施の形態におけるスターリン
グ機関のガス流動損失低減効果の具体的な実験結果を示
す図である。図を参照して、横軸は、ピストン振幅を示
しており、縦軸はガス流動損失量を示している。図で
は、仕様変更があった場合に、ニードルバルブを取付け
た場合と、取付けていない場合のそれぞれのガス流動損
失量を比較している。このガス流動損失量は、上述の実
施の形態1と同様の方法にて算出している。図に示した
ように、ピストンの各振幅条件において、ニードルバル
ブを設けることでガス流動損失量が低減されていること
が確認された。
【0037】(実施の形態3)図5は、本発明の実施の
形態3におけるスターリング機関の動吸振機構近傍の構
造を説明するための部分断面図である。本実施の形態に
おけるスターリング機関は、スターリング機関自体の振
動によって発生する雑損失量を低減するために設けられ
た動吸振機構の運動損失を低減するための機構を備えて
いる。
【0038】(動吸振機構の構造)図5を参照して、本
実施の形態の動吸振機構18は、従来の動吸振機構18
と同様にスターリング機関のケーシング14に取付けら
れた弾性部18bおよびこの弾性部に取付けられた質量
部18aとから構成されている。本実施の形態では、質
量部18aの振動方向に貫通孔18a1が設けられてい
る。
【0039】(作用・効果)上記構成において、動吸振
機構に設けられた貫通孔により、動吸振機構の運動に対
する空気抵抗が減少するため、スターリング機関の雑損
失が低減されるとともに、騒音の発生も防止される。
【0040】(実施の形態4)図6は、本発明の実施の
形態4におけるスターリング機関の動吸振機構近傍の構
造を説明するための部分断面図である。本実施の形態に
おけるスターリング機関は、スターリング機関自体の振
動によって発生する雑損失量を低減するための動吸振機
構を備えており、本実施の形態における動吸振機構は上
記実施の形態3とは異なる形態のものである。
【0041】(動吸振機構の構造)図6を参照して、本
実施の形態の動吸振機構18は、従来の動吸振機構と同
様にスターリング機関のケーシング14に取付けられた
弾性部18bおよびこの弾性部18bに取付けられた質
量部18aとから構成されている。本実施の形態では、
スターリング機関のケーシング14外部に真空容器23
aが取付けられており、この真空容器23a内に動吸振
機構18の弾性部18bおよび質量部18aとが配設さ
れている。この真空容器23aの所定の位置には吸引口
23bが設けられており、製造工程においてこの吸引口
23bから減圧手段によって真空容器23a内部が真空
状態に保たれており、吸引口23bを閉じることで真空
容器23a内が密閉される。
【0042】(作用・効果)上記構成において、真空容
器内が真空状態に保たれているため、動吸振機構の振動
に対する空気抵抗がなくなることで動吸振機構の運動損
失もなくなり、さらにはスターリング機関の雑損失量も
低減される。
【0043】(その他の改良実施例)上述の実施の形態
に1おいては、ピストン内部に挿入する部材として、棒
状部材を例示して説明しているが、特にこれに限定され
るものではなく、連通路の断面積を一定の範囲で減じる
形状であればどのようなものであってもよく、たとえば
コイル上に棒状部材を巻いていてもよい。
【0044】また、一般的にシリンダの壁面はその厚み
が薄いものが多いため、本実施の形態ではピストン内部
に設けられた連通路にのみ棒状部材を挿入しているが、
シリンダの壁面が十分に分厚い場合には、シリンダの壁
面に設けられた連通路に棒状部材を挿入してもよい。
【0045】さらには、上述の実施の形態2では、先端
にいくほどその断面積が小さくなるニードルバルブを用
いて連通路の開口面積を調節する方法を例示して説明し
ているが、特にこれに限定されるものではなく、たとえ
ば連通路の開口部に蓋が取付けられており、この蓋の開
け閉めを行なうことで連通路の開口面積の調節を行なっ
てもよい。
【0046】また、上述のすべての実施の形態におい
て、スターリング機関を例示して説明を行なっている
が、当然にこのスターリング機関の応用例であるスター
リング冷凍機にも本発明は適用可能である。
【0047】したがって、今回開示した上記各実施の形
態はすべての点で例示であって、制限的なものではな
い。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定
され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範
囲内でのすべての変更を含むものである。
【0048】
【発明の効果】本発明の請求項1に記載のガス流量調節
手段を備えたスターリング機関とすることで、連通経路
内を流通するガス流量を自由に調節することが可能とな
り、雑損失が低減された高効率のスターリング機関を提
供することが可能となる。
【0049】より具体的には、本発明の請求項2ないし
3に記載のガス流量調節手段を備えたスターリング機関
とすることで、仕様変更があった場合にもピストンを再
製作することなく、容易かつ簡便な方法で連通経路を流
通するガスの流量を調節することが可能となる。このた
め、より安価に高効率のスターリング機関を提供するこ
とが可能となる。
【0050】また、本発明の請求項4に記載のガス流量
調節手段を備えたスターリング機関とすることで、運転
状況によって時々刻々と変化する最適ガス流量に合わせ
て連通経路を流通するガスの流量を調節することが可能
となる。このため、スターリング機関の効率を下げる一
要因であるガス流動損失を大幅に低減することが可能と
なり、高効率のスターリング機関を提供することが可能
となる。
【0051】さらには、本発明の請求項5ないし6に記
載の動吸振機構を備えたスターリング機関とすること
で、スターリング機関自体の振動を抑制するために取付
けられた動吸振機構の運動損失が低減されることによ
り、これに伴って発生するスターリング機関の雑損失量
を低減することが可能となる。これにより、高効率でさ
らには騒音の発生の少ないスターリング機関を提供する
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1におけるスターリング
機関の連通経路部近傍の部分断面図である。
【図2】 本発明の実施の形態1におけるスターリング
機関を使用した場合の作動ガス流動損失量の低減効果を
示した図である。
【図3】 本発明の実施の形態2におけるスターリング
機関の連通経路部近傍の部分断面図である。
【図4】 本発明の実施の形態2におけるスターリング
機関を使用した場合の作動ガス流動損失量の低減効果を
示した図である。
【図5】 本発明の実施の形態3におけるスターリング
機関の動吸振機構近傍の要分断面図である。
【図6】 本発明の実施の形態4におけるスターリング
機関の動吸振機構近傍の要分断面図である。
【図7】 従来のスターリング機関の構造を説明するた
めの断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダ、2 ディスプレーサ、3 ピストン、4
圧縮空間、5 膨張空間、6 背圧空間、7 再生
器、8 ディスプレーサロッド、9 コイルバネ(ディ
スプレーサ用)、10 高温側熱交換器、11 放熱
器、12 低温側熱交換器、13 吸熱器、14 ケー
シング、15 連通経路、15a ピストン内部連通
路、15b 連通孔、17 コイルバネ(ピストン
用)、18 動吸振機構、18a 質量部、18a1
貫通孔、18b 弾性部、20 ワイヤ、21 ニード
ルバルブ、22 ステッピングモータ、23a 真空容
器、23b吸引口。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ内に嵌装され、駆動手段に駆動
    されて往復運動するピストンと、前記シリンダ内に嵌装
    され、前記ピストンの往復運動による力を受けて前記ピ
    ストンと位相差をもって往復運動するディスプレーサと
    を備えたスターリング機関であって、 前記ピストンと前記ディスプレーサとの間に区画形成さ
    れた圧縮室と、 前記ピストンを挟んで前記圧縮室とは反対側に位置し、
    前記シリンダの側壁の少なくとも一部をその壁面として
    含むように形成された背圧室と、 前記ピストン内部に形成された第1の連通路と、前記シ
    リンダ壁面に設けられた第2の連通路とからなり、前記
    圧縮室と前記背圧室とを連通する連通経路と、前記連通
    経路内を流通するガスの流量を調節する流量調節手段と
    を備えた、スターリング機関。
  2. 【請求項2】 前記流量調節手段が、前記第1の連通路
    内に挿入されてこの第1の連通路の断面積を減ずる部材
    で構成されている、請求項1に記載のスターリング機
    関。
  3. 【請求項3】 前記部材が弾性力を有する棒状部材であ
    り、前記第1の連通路の壁面と少なくとも2箇所以上で
    接触することで前記第1の連通路の壁面を押圧し、前記
    第1の連通路内に保持されている、請求項2に記載のス
    ターリング機関。
  4. 【請求項4】 前記流量調節手段は、前記第2の連通路
    の開口面積を調節する弁手段を含む、請求項1から3の
    いずれかに記載のスターリング機関。
  5. 【請求項5】 前記弁手段は、先端に向かって断面が徐
    々に小さくなる棒状部材を備え、前記棒状部材の先端を
    前記第2の連通路に挿入することで前記第2の連通路の
    開口面積を減ずる、請求項4に記載のスターリング機
    関。
  6. 【請求項6】 シリンダ内に嵌装され、駆動手段に駆動
    されて往復運動するピストンと、前記シリンダ内に嵌装
    され、前記ピストンの往復運動による力を受けて前記ピ
    ストンと位相差をもって往復運動するディスプレーサ
    と、前記シリンダを保持固定するケーシングと、前記ケ
    ーシングに取付けられ、前記ピストンおよびディスプレ
    ーサの往復運動によって発生する前記ケーシングの振動
    を吸収する動吸振機構とを備えたスターリング機関であ
    って、 前記動吸振機構は、前記ケーシングの振動と位相差をも
    って振動することにより前記ケーシングの振動を吸収す
    る質量部と、前記質量部と前記ケーシングとを連結し、
    前記位相差を生み出す弾性部とを備え、 前記質量部が、その振動方向に貫通孔を備えている、ス
    ターリング機関。
  7. 【請求項7】 シリンダ内に嵌装され、駆動手段に駆動
    されて往復運動するピストンと、前記シリンダ内に嵌装
    され、前記ピストンの往復運動による力を受けて前記ピ
    ストンと位相差をもって往復運動するディスプレーサ
    と、前記シリンダを保持固定するケーシングと、前記ケ
    ーシングに取付けられ、前記ピストンおよびディスプレ
    ーサの往復運動によって発生する前記ケーシングの振動
    を吸収する動吸振機構とを備えたスターリング機関であ
    って、 前記スターリング機関は、前記動吸振機構を内包するよ
    うに前記ケーシングに取付けられた真空容器を備え、 前記動吸振機構は、前記ケーシングの振動と位相差をも
    って振動することにより前記ケーシングの振動を吸収す
    る質量部と、前記質量部と前記ケーシングとを連結し、
    前記位相差を生み出す弾性部とを備えた、スターリング
    機関。
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JP2009281614A (ja) * 2008-05-20 2009-12-03 Isuzu Motors Ltd フリーピストン型のスターリングサイクル機械
CN114370352A (zh) * 2021-05-26 2022-04-19 中国科学院理化技术研究所 自由活塞斯特林热机气浮活塞结构

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