JP6526926B2 - Gm冷凍機 - Google Patents

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Description

本発明は、GM(ギフォード・マクマホン、Gifford-McMahon)冷凍機に関する。
GM冷凍機はその駆動源によってモータ駆動型とガス駆動型の2種類に大きく分けられる。モータ駆動型においては、ディスプレーサがモータに機械的に連結され、モータによって駆動される。ガス駆動型においては、ディスプレーサがガス圧によって駆動される。
米国特許第6256997号明細書
モータ駆動型の場合は連結機構によってディスプレーサのストロークが定まるから、ディスプレーサがシリンダに衝突しないようにモータ駆動型のGM冷凍機を設計することが容易である。たとえばディスプレーサの下死点とシリンダ底面の間に若干の隙間を設ければディスプレーサとシリンダの衝突は回避される。ところが典型的なガス駆動型GM冷凍機においては、シリンダ底面に衝突または接触するまでディスプレーサがガス圧の作用により動き続ける。シリンダとのディスプレーサの衝突または接触は、振動や異音の原因となりうる。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、本発明のある態様の例示的な目的のひとつは、ガス駆動型GM冷凍機の振動または異音を低減することにある。
本発明のある態様によると、GM冷凍機は、軸方向に往復動可能なディスプレーサと、前記ディスプレーサを収容するディスプレーサシリンダと、前記ディスプレーサを軸方向に駆動するよう前記ディスプレーサに連結された駆動ピストンと、前記駆動ピストンを収容するピストンシリンダであって、前記駆動ピストンを駆動するよう圧力が制御される駆動室と、前記ディスプレーサシリンダに対し気密に形成され、前記駆動ピストンによって前記駆動室から仕切られたガスばね室と、を備えるピストンシリンダと、を備える。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、ガス駆動型GM冷凍機の振動または異音を低減することができる。
第1実施形態に係るGM冷凍機を示す概略図である。 GM冷凍機の動作の一例を示す図である。 第2実施形態に係るGM冷凍機を示す概略図である。 第3実施形態に係るGM冷凍機を示す概略図である。 第3実施形態に係るGM冷凍機を示す概略図である。 第3実施形態に係るGM冷凍機を示す概略図である。 第3実施形態に係るGM冷凍機を示す概略図である。 第3実施形態に係るGM冷凍機を示す概略図である。 第3実施形態に係るGM冷凍機を示す概略図である。 図10(a)および図10(b)は、第3実施形態に係るGM冷凍機を示す概略図である。 第3実施形態に係るGM冷凍機を示す概略図である。 第3実施形態に係るGM冷凍機を示す概略図である。 第3実施形態に係るGM冷凍機を示す概略図である。 第3実施形態に係るGM冷凍機を示す概略図である。 第3実施形態に係るGM冷凍機を示す概略図である。 第3実施形態に係るGM冷凍機を示す概略図である。 図17(a)および図17(b)は、第3実施形態に係るGM冷凍機を示す概略図である。 第3実施形態に係るGM冷凍機を示す概略図である。 第4実施形態に係るGM冷凍機を示す概略図である。 第4実施形態に係るGM冷凍機を示す概略図である。 第4実施形態に係るGM冷凍機を示す概略図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、以下に述べる構成は例示であり、本発明の範囲を何ら限定するものではない。また、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。また、以下の説明において参照する図面において、各構成部材の大きさや厚みは説明の便宜上のものであり、必ずしも実際の寸法や比率を示すものではない。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るGM冷凍機10を示す概略図である。
GM冷凍機10は、作動ガス(例えばヘリウムガス)を圧縮する圧縮機12と、作動ガスを断熱膨張により冷却するコールドヘッド14と、を備える。コールドヘッド14は膨張機とも呼ばれる。詳しくは後述するように、圧縮機12は、コールドヘッド14に高圧の作動ガスを供給する。コールドヘッド14には作動ガスを予冷する蓄冷器15が備えられている。予冷された作動ガスは、コールドヘッド14内での膨張によって更に冷却される。作動ガスは蓄冷器15を通じて圧縮機12に回収される。作動ガスは蓄冷器15を通るとき蓄冷器15を冷却する。圧縮機12は、回収した作動ガスを圧縮し、再びコールドヘッド14に供給する。
図示されるコールドヘッド14は単段式である。ただし、コールドヘッド14は、多段式であってもよい。
コールドヘッド14は、ガス駆動型である。よって、コールドヘッド14は、ガス圧で駆動されるフリーピストンとしての軸方向可動体16と、気密に構成され軸方向可動体16を収容するコールドヘッドハウジング18と、を備える。コールドヘッドハウジング18は、軸方向可動体16を軸方向に往復動可能に支持する。モータ駆動型のGM冷凍機とは異なり、コールドヘッド14は、軸方向可動体16を駆動するモータおよび連結機構(例えばスコッチヨーク機構)を有しない。
軸方向可動体16は、軸方向(図1において上下方向、矢印Cで示す)に往復動可能なディスプレーサ20と、ディスプレーサ20を軸方向に駆動するようディスプレーサ20に連結された駆動ピストン22と、を備える。駆動ピストン22は、ディスプレーサ20と同軸にかつ軸方向に離れて配設されている。
コールドヘッドハウジング18は、ディスプレーサ20を収容するディスプレーサシリンダ26と、駆動ピストン22を収容するピストンシリンダ28と、を備える。ピストンシリンダ28は、ディスプレーサシリンダ26と同軸にかつ軸方向に隣接して配設されている。
詳細は後述するが、ガス駆動型であるコールドヘッド14の駆動部は、駆動ピストン22とピストンシリンダ28を含んで構成されている。また、コールドヘッド14は、ディスプレーサ20とディスプレーサシリンダ26の衝突または接触を緩和または防止するように駆動ピストン22に作用するガスばね機構を備える。
また軸方向可動体16は、ディスプレーサ20が駆動ピストン22と一体に軸方向に往復動するようディスプレーサ20を駆動ピストン22に剛に連結する連結ロッド24を備える。連結ロッド24もまたディスプレーサ20および駆動ピストン22と同軸にディスプレーサ20から駆動ピストン22へと延びている。
駆動ピストン22は、ディスプレーサ20に比べて小さい寸法を有する。駆動ピストン22の軸方向長さはディスプレーサ20のそれより短く、駆動ピストン22の径もディスプレーサ20のそれより小さい。連結ロッド24の径は駆動ピストン22のそれより小さい。
ピストンシリンダ28の容積はディスプレーサシリンダ26のそれより小さい。ピストンシリンダ28の軸方向長さはディスプレーサシリンダ26のそれより短く、ピストンシリンダ28の径もディスプレーサシリンダ26のそれより小さい。
なお、駆動ピストン22とディスプレーサ20の寸法関係は上述のものに限られず、それと異なっていてもよい。同様に、ピストンシリンダ28とディスプレーサシリンダ26の寸法関係は上述のものに限られず、それと異なっていてもよい。
ディスプレーサ20の軸方向往復動は、ディスプレーサシリンダ26によって案内される。通例、ディスプレーサ20およびディスプレーサシリンダ26はそれぞれ軸方向に延在する円筒状の部材であり、ディスプレーサシリンダ26の内径はディスプレーサ20の外径に一致するか又はわずかに大きい。同様に、駆動ピストン22の軸方向往復動は、ピストンシリンダ28によって案内される。通例、駆動ピストン22およびピストンシリンダ28はそれぞれ軸方向に延在する円筒状の部材であり、ピストンシリンダ28の内径は駆動ピストン22の外径に一致するか又はわずかに大きい。
ディスプレーサ20と駆動ピストン22は連結ロッド24によって剛に連結されているので、駆動ピストン22の軸方向ストロークはディスプレーサ20の軸方向ストロークと等しく、両者はストローク全体にわたって一体に移動する。ディスプレーサ20に対する駆動ピストン22の位置は軸方向可動体16の軸方向往復動の間、不変である。
また、コールドヘッドハウジング18は、ディスプレーサシリンダ26をピストンシリンダ28に接続する連結ロッドガイド30を備える。連結ロッドガイド30はディスプレーサシリンダ26およびピストンシリンダ28と同軸にディスプレーサシリンダ26からピストンシリンダ28へと延びている。連結ロッドガイド30には連結ロッド24が貫通している。連結ロッドガイド30は連結ロッド24の軸方向往復動を案内する軸受として構成されている。
ディスプレーサシリンダ26は、連結ロッドガイド30を介してピストンシリンダ28と気密に連結されている。こうして、コールドヘッドハウジング18は、作動ガスの圧力容器として構成されている。なお連結ロッドガイド30は、ディスプレーサシリンダ26またはピストンシリンダ28のいずれかの一部であるとみなされてもよい。
第1シール部32が、連結ロッド24と連結ロッドガイド30の間に設けられている。第1シール部32は、連結ロッド24または連結ロッドガイド30のいずれか一方に装着され、連結ロッド24または連結ロッドガイド30の他方と摺動する。第1シール部32は例えば、スリッパーシールまたはOリングなどのシール部材で構成される。第1シール部32によって、ピストンシリンダ28は、ディスプレーサシリンダ26に対し気密に構成されている。こうして、ピストンシリンダ28はディスプレーサシリンダ26から流体的に隔離されており、ピストンシリンダ28とディスプレーサシリンダ26との直接のガス流通は生じない。
ディスプレーサシリンダ26は、ディスプレーサ20によって膨張室34と室温室36に仕切られている。ディスプレーサ20は、軸方向一端にてディスプレーサシリンダ26との間に膨張室34を形成し、軸方向他端にてディスプレーサシリンダ26との間に室温室36を形成する。膨張室34は下死点LP1側に配置され、室温室36は上死点UP1側に配置されている。また、コールドヘッド14には、膨張室34を外包するようディスプレーサシリンダ26に固着された冷却ステージ38が設けられている。
蓄冷器15はディスプレーサ20に内蔵されている。ディスプレーサ20はその上蓋部に、蓄冷器15を室温室36に連通する入口流路40を有する。また、ディスプレーサ20はその筒部に、蓄冷器15を膨張室34に連通する出口流路42を有する。あるいは、出口流路42は、ディスプレーサ20の下蓋部に設けられていてもよい。加えて、ディスプレーサ20は、上蓋部に内接する入口整流器41と、下蓋部に内接する出口整流器43と、を備える。蓄冷器15は、こうした一対の整流器に挟まれている。
第2シール部44が、ディスプレーサ20とディスプレーサシリンダ26の間に設けられている。第2シール部44は、例えばスリッパーシールであり、ディスプレーサ20の筒部または上蓋部に装着されている。ディスプレーサ20とディスプレーサシリンダ26とのクリアランスが第2シール部44によって封じられているので、室温室36と膨張室34との直接のガス流通(つまり蓄冷器15を迂回するガス流れ)はない。
ディスプレーサ20が軸方向に動くとき、膨張室34および室温室36は相補的に容積を増減させる。すなわち、ディスプレーサ20が下動するとき、膨張室34は狭くなり室温室36は広くなる。逆も同様である。
作動ガスは、室温室36から入口流路40を通じて蓄冷器15に流入する。より正確には、作動ガスは、入口流路40から入口整流器41を通って蓄冷器15に流入する。作動ガスは、蓄冷器15から出口整流器43および出口流路42を経由して膨張室34に流入する。作動ガスが膨張室34から室温室36に戻るときは逆の経路を通る。つまり、作動ガスは、膨張室34から、出口流路42、蓄冷器15、および入口流路40を通って室温室36に戻る。蓄冷器15を迂回してクリアランスを流れようとする作動ガスは第2シール部44によって遮断される。
ピストンシリンダ28は、駆動ピストン22を駆動するよう圧力が制御される駆動室46と、駆動ピストン22によって駆動室46から仕切られたガスばね室48と、を備える。駆動ピストン22は、軸方向一端にてピストンシリンダ28との間に駆動室46を形成し、軸方向他端にてピストンシリンダ28との間にガスばね室48を形成する。駆動ピストン22が軸方向に動くとき、駆動室46およびガスばね室48は相補的に容積を増減させる。
駆動室46は、駆動ピストン22に対しディスプレーサシリンダ26と軸方向に反対側に配置されている。ガスばね室48は、駆動ピストン22に対しディスプレーサシリンダ26と軸方向に同じ側に配置されている。言い換えれば、駆動室46は上死点UP2側に配置され、ガスばね室48は下死点LP2側に配置されている。駆動ピストン22の上面は駆動室46のガス圧を受け、駆動ピストン22の下面はガスばね室48のガス圧を受ける。
連結ロッド24は、駆動ピストン22の下面からガスばね室48を通って連結ロッドガイド30へと延びている。さらに、連結ロッド24は、室温室36を通ってディスプレーサ20の上蓋部まで延びている。ガスばね室48は、駆動ピストン22に対し連結ロッド24と同じ側に配置され、駆動室46は、駆動ピストン22に対し連結ロッド24と反対側に配置されている。
第3シール部50が、駆動ピストン22とピストンシリンダ28の間に設けられている。第3シール部50は、例えばスリッパーシールであり、駆動ピストン22の側面に装着されている。駆動ピストン22とピストンシリンダ28とのクリアランスが第3シール部50によって封じられているので、駆動室46とガスばね室48との直接のガス流通はない。また、第1シール部32が設けられているので、ガスばね室48と室温室36とのガス流通もない。このようにして、ガスばね室48は、ディスプレーサシリンダ26に対し気密に形成されている。ガスばね室48は、第1シール部32および第3シール部50によって密封されている。
駆動ピストン22が下動するときガスばね室48は狭くなる。このときガスばね室48のガスは圧縮され、圧力が高まる。ガスばね室48の圧力は駆動ピストン22の下面に上向きに作用する。よって、ガスばね室48は、駆動ピストン22の下動に抗するガスばね力を発生させる。
逆に、駆動ピストン22が上動するときガスばね室48は広がる。ガスばね室48の圧力は下がり、駆動ピストン22に作用するガスばね力も小さくなる。なお、このとき駆動室46は狭くなる。よって、第2吸気バルブV3および第2排気バルブV4が閉じられている間は、駆動室46を、駆動ピストン22の上動に抗する下向きガスばね力を発生する第2ガスばね室とみなすこともできる。
コールドヘッド14は、使用される現場で図示の向きに設置される。すなわち、ディスプレーサシリンダ26が鉛直方向下方に、ピストンシリンダ28が鉛直方向上方に、それぞれ配置されるようにして、コールドヘッド14は縦向きに設置される。このように、冷却ステージ38を鉛直方向下方に向ける姿勢で設置されるときGM冷凍機10は冷凍能力が最も高くなる。ただし、GM冷凍機10の配置はこれに限定されない。逆に、コールドヘッド14は冷却ステージ38を鉛直方向上方に向ける姿勢で設置されてもよい。あるいは、コールドヘッド14は、横向きまたはその他の向きに設置されてもよい。
さらに、GM冷凍機10は、圧縮機12をコールドヘッド14に接続する作動ガス回路52を備える。作動ガス回路52は、ピストンシリンダ28(すなわち駆動室46)とディスプレーサシリンダ26(すなわち膨張室34及び/または室温室36)との間に圧力差を生成するよう構成されている。この圧力差によって軸方向可動体16が軸方向に動く。ピストンシリンダ28に対しディスプレーサシリンダ26の圧力が低ければ、駆動ピストン22が下動し、それに伴ってディスプレーサ20も下動する。逆に、ピストンシリンダ28に対しディスプレーサシリンダ26の圧力が高ければ、駆動ピストン22が上動し、それに伴ってディスプレーサ20も上動する。
作動ガス回路52は、バルブ部54を備える。バルブ部54は、第1吸気バルブV1、第1排気バルブV2、第2吸気バルブV3、および第2排気バルブV4を備える。第2吸気バルブV3および第2排気バルブV4はそれぞれ、駆動ピストン22を駆動するための高圧バルブおよび低圧バルブと呼ぶこともできる。
バルブ部54は、コールドヘッドハウジング18の中に配設され、圧縮機12と配管で接続されていてもよい。バルブ部54は、コールドヘッドハウジング18の外に配設され、圧縮機12およびコールドヘッド14それぞれと配管で接続されていてもよい。
バルブ部54は、ロータリーバルブの形式をとってもよい。すなわち、バルブ部54は、バルブ本体に対するバルブディスクの回転摺動によってバルブV1〜V4が適正に切り替わるよう構成されていてもよい。その場合、バルブ部54は、バルブ部54(例えばバルブディスク)を回転駆動するための回転駆動源56を備えてもよい。回転駆動源56は例えばモータである。ただし、回転駆動源56は、軸方向可動体16には接続されていない。また、バルブ部54は、バルブ部54を制御する制御部58を備えてもよい。制御部58は、回転駆動源56を制御してもよい。
ある実施形態においては、バルブ部54は、複数の個別に制御可能なバルブV1〜V4を備え、制御部58がバルブV1〜V4それぞれの開閉を制御してもよい。この場合、バルブ部54は、回転駆動源56を備えなくてもよい。
第1吸気バルブV1は、圧縮機12の吐出口をコールドヘッド14の室温室36に接続する第1吸気流路60に配設されている。第1排気バルブV2は、圧縮機12の吸入口をコールドヘッド14の室温室36に接続する第1排気流路62に配設されている。図示されるように、第1排気流路62の一部が室温室36側で第1吸気流路60と共通であり、第1排気流路62の残部がバルブ部54側で第1吸気流路60から分岐していてもよい。
第2吸気バルブV3は、圧縮機12の吐出口をピストンシリンダ28の駆動室46に接続する第2吸気流路64に配設されている。図示されるように、第2吸気流路64の一部が圧縮機12側で第1吸気流路60と共通であってもよい。第2排気バルブV4は、圧縮機12の吸入口をピストンシリンダ28の駆動室46に接続する第2排気流路66に配設されている。図示されるように、第2排気流路66の一部が駆動室46側で第2吸気流路64と共通であり、第2排気流路66の残部がバルブ部54側で第2吸気流路64から分岐していてもよい。また、第2排気流路66の一部が圧縮機12側で第1排気流路62と共通であってもよい。
図2は、GM冷凍機10の動作の一例を示す図である。図2では軸方向可動体16の軸方向往復動の一周期を360度に対応づけて表しているので、0度は周期の開始時点にあたり、360度は周期の終了時点にあたる。90度、180度、270度はそれぞれ、1/4周期、半周期、3/4周期にあたる。なお、図2に例示されるバルブタイミングは、第1実施形態だけでなく、後述する第2から第4実施形態にも適用可能である。
図2には、コールドヘッド14の第1吸気期間A1および第1排気期間A2と、駆動室46の第2吸気期間A3および第2排気期間A4が例示されている。第1吸気期間A1、第1排気期間A2、第2吸気期間A3、および第2排気期間A4はそれぞれ、第1吸気バルブV1、第1排気バルブV2、第2吸気バルブV3、第2排気バルブV4によって定められている。
第1吸気期間A1において(すなわち第1吸気バルブV1が開いているとき)、圧縮機12の吐出口から室温室36に作動ガスが流れる。逆に第1吸気バルブV1が閉じているときは、圧縮機12から室温室36への作動ガスの供給は停止される。第1排気期間A2において(すなわち第1排気バルブV2が開いているとき)、室温室36から圧縮機12の吸入口に作動ガスが流れる。第1排気バルブV2が閉じているときは、室温室36から圧縮機12への作動ガスの回収は停止される。
第2吸気期間A3において(すなわち第2吸気バルブV3が開いているとき)、圧縮機12の吐出口から駆動室46に作動ガスが流れる。第2吸気バルブV3が閉じているときは、圧縮機12から駆動室46への作動ガスの供給は停止される。第2排気期間A4において(すなわち第2排気バルブV4が開いているとき)、駆動室46から圧縮機12の吸入口に作動ガスが流れる。第2排気バルブV4が閉じているときは、駆動室46から圧縮機12への作動ガスの回収は停止される。
図2に示す例においては、第1吸気期間A1および第2排気期間A4は、0度から135度の範囲であり、第1排気期間A2および第2吸気期間A3は、180度から315度の範囲である。第1吸気期間A1は第1排気期間A2と交互かつ非重複であり、第2吸気期間A3は第2排気期間A4と交互かつ非重複である。第1吸気期間A1は第2排気期間A4と重なり、第1排気期間A2は第2吸気期間A3と重なっている。0度においてディスプレーサ20および駆動ピストン22は下死点LP1、LP2またはその近傍に位置し、180度においてディスプレーサ20および駆動ピストン22は上死点UP1、UP2またはその近傍に位置する。
上記の構成をもつGM冷凍機10の動作を説明する。ディスプレーサ20が下死点LP1またはその近傍の位置にあるとき、第1吸気期間A1が開始される(図2の0度)。第1吸気バルブV1が開き、高圧ガスが圧縮機12の吐出口からコールドヘッド14の室温室36に供給される。ガスは蓄冷器15を通過しながら冷却され、膨張室34に入る。
第1吸気期間A1と同時に第2排気期間A4も開始される(図2の0度)。第2排気バルブV4が開き、ピストンシリンダ28の駆動室46は圧縮機12の吸入口に接続される。よって駆動室46は、室温室36および膨張室34に対し低圧となる。駆動ピストン22が下死点LP2から上死点UP2に向けて動く。
駆動ピストン22とともにディスプレーサ20も下死点LP1から上死点UP1に向けて動く。第1吸気バルブV1が閉じ、第1吸気期間A1が終了する(図2の135度)。第2排気バルブV4が閉じ、第2排気期間A4が終了する(図2の135度)。駆動ピストン22およびディスプレーサ20は引き続き上死点UP1、UP2に向けて移動する。こうして、膨張室34の容積が増加されるとともに高圧ガスで満たされる。
ディスプレーサ20が上死点UP1またはその近傍の位置にあるとき、第1排気期間A2が開始される(図2の180度)。第1排気バルブV2が開き、コールドヘッド14は圧縮機12の吸入口に接続される。高圧ガスは膨張室34で膨張し冷却される。膨張したガスは、蓄冷器15を冷却しながら室温室36を経て圧縮機12に回収される。
第1排気期間A2とともに第2吸気期間A3も開始される(図2の180度)。第2吸気バルブV3が開き、高圧ガスが圧縮機12の吐出口からピストンシリンダ28の駆動室46に供給される。よって駆動室46は、室温室36および膨張室34に対し高圧となる。駆動ピストン22が上死点UP2から下死点LP2に向けて動く。
駆動ピストン22とともにディスプレーサ20も上死点UP1から下死点LP1に向けて動く。第1排気バルブV2が閉じ、第1排気期間A2が終了する(図2の315度)。第2吸気バルブV3が閉じ、第2吸気期間A3が終了する(図2の315度)。駆動ピストン22およびディスプレーサ20は引き続き下死点LP1、LP2に向けて移動する。こうして、膨張室34の容積が減少されるとともに低圧ガスは排出される。
コールドヘッド14はこのような冷却サイクル(すなわちGMサイクル)を繰り返すことで、冷却ステージ38を冷却する。それにより、GM冷凍機10は、冷却ステージ38に熱的に結合された超伝導装置またはその他の被冷却物(図示せず)を冷却することができる。
上述のようにコールドヘッド14は冷却ステージ38を鉛直方向下方に向ける姿勢で設置されているから、重力は、矢印Dで図示するように、下向きに作用する。そのため、軸方向可動体16の自重は、駆動ピストン22の下向きの駆動力を補助するように働く。駆動ピストン22には上動時に比べて下動時に大きな駆動力が働く。よって、典型的なガス駆動式のGM冷凍機においては、ディスプレーサの下死点でディスプレーサとディスプレーサシリンダの衝突または接触が生じやすい。
ところが、コールドヘッド14にはガスばね室48が設けられている。ガスばね室48に貯留されたガスは、駆動ピストン22が下動するときに圧縮され、圧力が高まる。この圧力は重力と逆向きに働くから、駆動ピストン22に作用する駆動力が小さくなる。駆動ピストン22が下死点LP2に到達する直前の速度を遅くすることができる。
こうして、駆動ピストン22とピストンシリンダ28の、及び/またはディスプレーサ20とディスプレーサシリンダ26の、接触または衝突を回避することができる。あるいは、たとえ衝突が起こったとしても、駆動ピストン22の速度低下により衝突エネルギーが低減されるので、衝突音は抑制される。
(第2実施形態)
図3は、第2実施形態に係るGM冷凍機10を示す概略図である。第2実施形態に係るGM冷凍機10は、ガスばね室48を駆動室46に連通する流路抵抗部68が追加されていることを除いて、第1実施形態に係るGM冷凍機10と同様である。
GM冷凍機10は、ガスばね室48から駆動室46にガス圧を解放するようガスばね室48を駆動室46に連通する圧力解放路70を備える。圧力解放路70は、ガスばね室48を駆動室46に短絡するようピストンシリンダ28に設けられている。オリフィスなどの流路抵抗部68が、圧力解放路70の中途に配置されている。
なお図3において破線で図示するように、圧力解放路70および流路抵抗部68が駆動ピストン22に設けられていてもよい。
このようにしても、第1実施形態と同様に、ガスばね室48に貯留されたガスは、駆動ピストン22が下動するときに圧縮され、圧力が高まる。軸方向可動体16とコールドヘッドハウジング18の接触や衝突が抑制され、GM冷凍機10の振動や異音を低減することができる。
流路抵抗部68が設けられているので、駆動ピストン22が過剰に下動しガスばね室48が過剰に昇圧された場合に、ガスばね室48から駆動室46に圧力を解放することができる。よってピストンシリンダ28が保護される。
(第3実施形態)
図4から図16は、第3実施形態に係るGM冷凍機10を示す概略図である。第3実施形態に係るGM冷凍機10は、駆動ピストン22とピストンシリンダ28の間のクリアランスを流路抵抗部として利用したことを除いて、第1実施形態に係るGM冷凍機10と同様である。よって、第1実施形態とは異なり第3シール部50は設けられていない。ガスばね室48は密閉されていない。
図4に示されるように、GM冷凍機10は、流路抵抗部としての径方向クリアランス72を備える。径方向クリアランス72を通じてガスばね室48が駆動室46に連通される。径方向クリアランス72は、駆動ピストン22とピストンシリンダ28の間に形成されている。すなわち、径方向クリアランス72は、駆動ピストン22の外径とピストンシリンダ28の内径によって定まる径方向の隙間である。径方向クリアランス72は、軸方向に一定とされている。このようにしても、上述の各実施形態と同様に、GM冷凍機10の振動や異音を低減することができる。
図5に示されるように、ピストンシリンダ28は、筒状のガイド部材28a、例えばガイドブッシュを備えてもよい。ガイド部材28aの内周面に沿って駆動ピストン22が摺動することにより、ガイド部材28aは駆動ピストン22を軸方向に案内することができる。駆動ピストン22との良好な摺動性を実現するためにガイド部材28aは例えば適切な樹脂材料で形成される。ガイド部材28aは駆動ピストン22の軸方向ストローク全体にわたり駆動ピストン22を案内するようピストンシリンダ28に配置されていてもよい。ガイド部材28aは、ガスばね室48を囲んでいる。駆動ピストン22とガイド部材28aによりガスばね室48が形成されている。
径方向クリアランス72が駆動ピストン22とピストンシリンダ28(またはガイド部材28a)との間で有効なシールとして機能するためには、径方向クリアランス72の径方向幅は、0.1mm以下であることが望ましい。また、製造容易性の観点から、径方向クリアランス72の径方向幅は、0.01mm以上であることが望ましい。
径方向クリアランス72は、軸方向に連続的または段階的に変化していてもよい。それにより、径方向クリアランス72の流路抵抗が、ピストンシリンダ28に対する駆動ピストン22の軸方向位置に応じて異なっていてもよい。一般に、流路抵抗の値は、主として流路の形状および寸法から一意的に定まる。
例えば、径方向クリアランス72は、駆動ピストン22が第1軸方向位置(例えば下死点LP2)にあるとき第1流路抵抗R1を有し、駆動ピストン22が第2軸方向位置(例えば上死点UP2)にあるとき第2流路抵抗R2を有してもよい。ここで、第1軸方向位置は、第2軸方向位置に比べて駆動ピストン22の下死点LP2に近く、第1流路抵抗R1は、第2流路抵抗R2より大きくてもよい。このようにすれば、駆動ピストン22が下死点LP2またはその近傍にあるときの流路抵抗を、駆動ピストン22が上死点UP2またはその近傍にあるときの流路抵抗に比べて大きくすることができる。その結果、ガスばね室48は、駆動ピストン22の下動に抗するガスばね力を、駆動ピストン22の下死点LP2またはその近傍でより効果的に発生させることができる。
図6に示されるように、径方向クリアランス72は、軸方向下方に向かって徐々に狭くなっていてもよい。そのために、ピストンシリンダ28の内周面が円すい状に形成されていてもよい。こうして、径方向クリアランス72は、軸方向に連続的に変化していてもよい。
図7に示されるように、径方向クリアランス72は、第2流路抵抗R2を有する径方向クリアランス上部72aと、第1流路抵抗R1を有する径方向クリアランス下部72bと、を備える。上述のように、第1流路抵抗R1は、第2流路抵抗R2より大きい。径方向クリアランス下部72bは、径方向クリアランス上部72aと軸方向に隣接する。よって、ガスばね室48は、径方向クリアランス上部72aおよび径方向クリアランス下部72bを通じて駆動室46に連通される。径方向クリアランス上部72aおよび径方向クリアランス下部72bの径方向幅は、例えば、0.01mmから0.1mmの範囲にある。
ピストンシリンダ28は、径方向クリアランス上部72aと径方向クリアランス下部72bの境界となる段部74を備える。段部74の軸方向上側でピストンシリンダ28は第1内径を有し、段部74の軸方向下側でピストンシリンダ28は第1内径より小さい第2内径を有する。第1内径および第2内径はともに駆動ピストン22の外径より大きい。よって、径方向クリアランス下部72bの径方向幅は、径方向クリアランス上部72aの径方向幅より狭い。こうして、径方向クリアランス72は、軸方向に段階的に変化していてもよい。
図8に示されるように、駆動ピストン22は、ガスばね室48を径方向クリアランス72に連通する連通路76を備えてもよい。連通路76は、駆動ピストン22に形成された貫通孔であり、ピストンシリンダ28の内周面に向けられた出口76aを有する。
連通路76は、駆動ピストン22が下死点LP2にあるときガスばね室48を径方向クリアランス下部72bに連通し、駆動ピストン22が上死点UP2にあるときガスばね室48を径方向クリアランス上部72aに連通するよう駆動ピストン22に形成されている。言い換えれば、出口76aは、駆動ピストン22が下死点LP2にあるとき段部74よりも軸方向下方に位置し、駆動ピストン22が上死点UP2にあるとき段部74よりも軸方向上方に位置するように配置されている。
この場合、駆動ピストン22はピストンシリンダ28と協働して流量制御弁を構成するとみなすこともできる。出口76aが段部74より下方に位置するとき、ガスばね室48は径方向クリアランス下部72b(および径方向クリアランス上部72a)を通じて駆動室46に連通される。径方向クリアランス下部72bは流路抵抗が大きいので、ガスばね室48から駆動室46への流量は制限される。逆に、出口76aが段部74より上方に位置するとき、ガスばね室48は径方向クリアランス上部72aを通じて駆動室46に連通される。径方向クリアランス上部72aは流路抵抗が小さいので、ガスばね室48から駆動室46への流量は増加される。
駆動ピストン22の下動時に出口76aが段部74を通過するタイミングは、第1吸気期間A1の中央領域B(図2に矢印で示す)にあることが望ましい。中央領域Bは、例えば、第1吸気期間A1の1/4から3/4であってもよい。このようにすれば、駆動ピストン22の上死点UP2と下死点LP2の中間でガスばね力を増加することができる。
図9に示されるように、連通路76は、駆動ピストン22の外周面に形成された縦溝であってもよい。この縦溝は、ガスばね室48から駆動ピストン22の中央部まで軸方向に延びている。
図8および図9においては、径方向クリアランス下部72bは、非常に狭いか、又は無くてもよい。図1に示す第3シール部50が径方向クリアランス下部72bに設けられてもよい。また、上述の例では連通路76が1つであるが、駆動ピストン22に複数の連通路76が設けられてもよい。その場合、連通路76は、駆動ピストン22の周方向に等角度間隔で形成されてもよい。
図10(a)に示されるように、流路抵抗部としての径方向クリアランス72は、径方向クリアランス72に連通するバッファ容積96を備えてもよい。バッファ容積96は、ピストンシリンダ28と駆動ピストン22との間に形成されている。
バッファ容積96は、駆動ピストン22の側面(外周面)上で全周にわたり形成された溝または凹部である。バッファ容積96の深さD1は、径方向クリアランス72の径方向幅tよりも大きい。例えば、バッファ容積96の深さD1は、径方向クリアランス72の径方向幅tの10倍以上であってもよい。
バッファ容積96は、駆動ピストン22の側面における軸方向中間部に配置され、径方向クリアランス上部72aおよび径方向クリアランス下部72bと連通する。バッファ容積96を介して径方向クリアランス上部72aと径方向クリアランス下部72bが互いに連通している。この例では、径方向クリアランス上部72aおよび径方向クリアランス下部72bの径方向幅は等しいが、それは必須ではなく、異なっていてもよい。
このようにして、バッファ容積96は、径方向クリアランス72を通じて駆動室46およびガスばね室48のそれぞれに接続されている。バッファ容積96は、駆動室46およびガスばね室48と直接にはつながっていない。
バッファ容積96は、径方向クリアランス72を通じて駆動室46およびガスばね室48と連通しているから、駆動室46とガスばね室48の中間圧力をとりうる。駆動室46が高圧となるとき、駆動室46から径方向クリアランス上部72aを通じてバッファ容積96にガスが流入しうる。バッファ容積96の中間圧力が駆動室46の高圧よりも低くなっている間は、バッファ容積96は、流入するガスを受け入れ、一時的に貯めることができる。よって、バッファ容積96が無い場合に比べて、駆動室46からガスばね室48へと径方向クリアランス72を通るガスの流量は抑制される。逆に、ガスばね室48が高圧となるときには、バッファ容積96はガスばね室48から径方向クリアランス下部72bを通じて流入するガスを受け入れることができる。バッファ容積96が無い場合に比べて、ガスばね室48から駆動室46へと径方向クリアランス72を通るガスの流量は抑制される。
このように、バッファ容積96には、径方向クリアランス72を通るガスの流量を抑制する効果がある。したがって、バッファ容積96は、径方向クリアランス72の径方向幅の変動によるシール性への影響を軽減することができる。製造誤差により径方向クリアランス72の径方向幅が設計上の寸法から多少ずれたとしても径方向クリアランス72のシール性の変動は緩和される。GM冷凍機10を量産品として製造する際の径方向クリアランス72のロバスト性を確保することが容易になる。
バッファ容積96の形状は任意である。バッファ容積96は、駆動ピストン22の側面に形成された任意形状の溝または凹部であってもよい。例えば、図10(b)に示されるように、バッファ容積96は、駆動ピストン22の側面に形成された複数本の溝であってもよい。これらの溝は、駆動ピストン22の側面上で全周にわたり互いに平行に延びている。バッファ容積96は、径方向クリアランス72を通じて駆動室46およびガスばね室48に接続されている。このようにして、複数のバッファ容積96が駆動ピストン22の側面上で軸方向に並んでいてもよい。あるいは、複数本の溝に代えて、バッファ容積96は、駆動ピストン22の側面に形成された一本または複数本のらせん状の溝であってもよい。バッファ容積96は、駆動ピストン22の全周にわたり延びていることは必須ではなく、例えば、駆動ピストン22の側面上に形成された複数の凹部が周方向に配列されていてもよい。
図8および図9を参照して説明したように、駆動ピストン22に連通路76が設けられている場合には、バッファ容積96は、連通路76とは連通しないように形成される。バッファ容積96と連通路76は、駆動ピストン22に形成された別個のガス空間である。よって、バッファ容積96と連通路76との間に直接のガス流通はない。よって、バッファ容積96は、連通路76の出口76aを避けて駆動ピストン22の側面に配置される。たとえば、出口76aが複数設けられている場合、複数のバッファ容積96と複数の出口76aは周方向に交互に配置されてもよい。あるいは、バッファ容積96は、出口76aとは軸方向に異なる場所に配置されてもよい。
バッファ容積96が駆動ピストン22に設けられることは必須ではない。バッファ容積96は、ピストンシリンダ28に設けられてもよく、例えば図5に示されるガイド部材28aの内周面に設けることも可能である。
図11に示されるように、流路抵抗部としての径方向クリアランス72は、駆動ピストン22が第1軸方向位置(例えば下死点LP2)にあるとき第1流路抵抗R1を有し、駆動ピストン22が第2軸方向位置(例えば上死点UP2)にあるとき第2流路抵抗R2を有し、駆動ピストン22が第3軸方向位置にあるとき第3流路抵抗R3を有してもよい。ここで、第3軸方向位置は、第1軸方向位置と第2軸方向位置との間に位置し、例えば、下死点LP2と上死点UP2との中間点MPであってもよい。すなわち、下死点LP2から中間点MPまでの軸方向距離は、上死点UP2から中間点MPまでの軸方向距離と等しい。
第3流路抵抗R3は、第1流路抵抗R1より小さく、かつ第2流路抵抗R2より小さい。上述のように第1流路抵抗R1が第2流路抵抗R2より大きくてもよいが、それは必須ではなく、第1流路抵抗R1が第2流路抵抗R2より小さくてもよい。
このようにすれば、駆動ピストン22が下死点LP2またはその近傍にあるとき、ガスばね室48は、駆動ピストン22の下動に抗するガスばね力を発生させることができる。また、駆動ピストン22が上死点UP2またはその近傍にあるとき、第2ガスばね室としての駆動室46は、駆動ピストン22の上動に抗するガスばね力を発生させることができる。
ガスばね力が過剰に強い場合には、駆動ピストン22の上下動が抑制され、駆動ピストン22のストロークが小さくなる。それに伴い、ディスプレーサ20のストロークも小さくなる。これは、膨張室34におけるPV仕事を低下させうるから、GM冷凍機10の冷凍能力に影響しうる。こうした悪影響を抑制する対策の1つとして、ピストンシリンダ28の軸長を長くすることで駆動ピストン22のストロークを大きくすることが考えられる。しかし、その結果、GM冷凍機10のサイズが大きくなりうる。
上述のように第3流路抵抗R3を小さくすることによって、駆動ピストン22がそのストロークの中間部を移動するとき駆動ピストン22に作用するガスばね力を小さくすることができる。これにより、駆動ピストン22によるディスプレーサ20の駆動力が大きくなり、ディスプレーサ20のストロークが維持され、GM冷凍機10の冷凍能力低下を抑制することができる。
図11に示されるように、径方向クリアランス72は、駆動室46から軸方向下方に向かって徐々に広くなっていてもよい。径方向クリアランス72は、ガスばね室48から軸方向上方に向かって徐々に広くなっていてもよい。こうして、径方向クリアランス72は、軸方向に連続的に変化していてもよい。
図12に示されるように、径方向クリアランス72は、第2流路抵抗R2を有する径方向クリアランス上部72aと、第1流路抵抗R1を有する径方向クリアランス下部72bと、第3流路抵抗R3を有する径方向クリアランス中間部72cと、を備える。駆動ピストン22の上死点UP2は径方向クリアランス上部72aに位置し、駆動ピストン22の下死点LP2は径方向クリアランス下部72bに位置し、駆動ピストン22の中間点MPは径方向クリアランス中間部72cに位置する。
上述のように、第3流路抵抗R3は、第1流路抵抗R1より小さく、かつ第2流路抵抗R2より小さい。径方向クリアランス中間部72cは、径方向クリアランス上部72aと軸方向に隣接する。径方向クリアランス下部72bは、径方向クリアランス中間部72cと軸方向に隣接する。よって、ガスばね室48は、径方向クリアランス上部72a、径方向クリアランス中間部72c、および径方向クリアランス下部72bを通じて駆動室46に連通される。
ピストンシリンダ28は、径方向クリアランス上部72aと径方向クリアランス中間部72cの境界となる第1段部92aと、径方向クリアランス中間部72cと径方向クリアランス下部72bの境界となる第2段部92bとを備える。ピストンシリンダ28は、第2段部92bの軸方向下側で第1内径を有し、第1段部92aの軸方向上側で第2内径を有し、第1段部92aと第2段部92bの間で第3内径を有する。第3内径は、第1内径より大きく、かつ第2内径より大きい。第1内径、第2内径、および第3内径はいずれも駆動ピストン22の外径より大きい。よって、径方向クリアランス中間部72cの径方向幅は、径方向クリアランス上部72aの径方向幅より大きく、かつ径方向クリアランス下部72bの径方向幅より大きい。こうして、径方向クリアランス72は、軸方向に段階的に変化していてもよい。
図13には、図12に示される駆動ピストン22のストロークSを示す。上死点UP2に位置するときの駆動ピストン22が実線で示され、下死点LP2に位置するときの駆動ピストン22が破線で示され、中間点MPに位置するときの駆動ピストン22が一点鎖線で示されている。図示されるように、径方向クリアランス上部72aは、第1径方向幅t1を有し、径方向クリアランス下部72bは、第2径方向幅t2を有し、径方向クリアランス中間部72cは、第3径方向幅t3を有する。第1径方向幅t1は、例えば、0.01mmから0.1mmの範囲にあり、第2径方向幅t2は、例えば、0.01mmから0.1mmの範囲にあり、第3径方向幅t3は、例えば、0.15mmから1.0mmの範囲にある。
また、径方向クリアランス上部72aは、第1軸方向長さL1を有し、径方向クリアランス下部72bは、第2軸方向長さL2を有し、径方向クリアランス中間部72cは、第3軸方向長さL3を有する。径方向クリアランス中間部72cの第3軸方向長さL3は、駆動ピストン22のストロークSの半分より長くてもよい。径方向クリアランス下部72bの第2軸方向長さL2は、径方向クリアランス上部72aの第1軸方向長さL1より長くてもよい。このようにして径方向クリアランス72の軸方向長さを定めることは、駆動ピストン22のストロークを維持しつつ、ピストンシリンダ28の軸長を比較的短くすることに役立つ。
図14に示されるように、駆動ピストン22は、ガスばね室48を径方向クリアランス72に連通する連通路76を備えてもよい。連通路76は、駆動ピストン22に形成された貫通孔であってもよい。連通路76は、図8に示される実施形態と同様に機能する。また、必要とされる場合には、駆動ピストン22は、駆動室46を径方向クリアランス72に連通するもう1つの連通路94を備えてもよい。
図15に示されるように、連通路76は、駆動ピストン22の外周面に形成された縦溝であってもよい。この縦溝は、ガスばね室48から駆動ピストン22の中央部まで軸方向に延びている。連通路76は、図9に示される実施形態と同様に機能する。また、もう1つの連通路94についても、縦溝であってもよい。
径方向クリアランス72に径方向クリアランス中間部72cを設けることに代えて、図16に示されるように、GM冷凍機10は、径方向クリアランス72とともに圧力解放路70を備えてもよい。上述のように、圧力解放路70は、ガスばね室48を駆動室46に短絡するようピストンシリンダ28に設けられている。オリフィスなどの流路抵抗部68が、圧力解放路70の中途に配置されている。圧力解放路70は、軸方向上方に第1出口70aを備え、軸方向下方に第2出口70bを備える。
このようにしても、駆動ピストン22が下死点LP2またはその近傍にあるとき(すなわち駆動ピストン22が第2出口70bよりも軸方向に下方に位置するとき)、ガスばね室48は、駆動ピストン22の下動に抗するガスばね力を発生させることができる。また、駆動ピストン22が上死点UP2またはその近傍にあるとき(すなわち駆動ピストン22が第1出口70aよりも軸方向に上方に位置するとき)、第2ガスばね室としての駆動室46は、駆動ピストン22の上動に抗するガスばね力を発生させることができる。
駆動ピストン22が第1出口70aと第2出口70bの間で軸方向に移動するとき、ガスばね室48と駆動室46が径方向クリアランス72と圧力解放路70の両方を通じて連通される。したがって、駆動ピストン22がそのストロークの中間部を移動するとき駆動ピストン22に作用するガスばね力を小さくすることができる。これにより、駆動ピストン22によるディスプレーサ20の駆動力が大きくなり、ディスプレーサ20のストロークが維持され、GM冷凍機10の冷凍能力低下を抑制することができる。
なお、図16においては径方向クリアランス72は軸方向に一定とされているが、それは必須ではない。径方向クリアランス72は、径方向クリアランス上部72a、径方向クリアランス下部72b、および径方向クリアランス中間部72cを備えてもよい。この場合、第1出口70aは、径方向クリアランス上部72aに設けられてもよい。第2出口70bは、径方向クリアランス下部72bに設けられてもよい。あるいは、第1出口70aおよび第2出口70bが径方向クリアランス中間部72cに設けられてもよい。
図17(a)に示されるように、駆動ピストン突起22aが駆動ピストン22の上面から軸方向に突出していてもよい。駆動ピストン突起22aは、第2吸気流路64の出口64aに挿入可能であるとともに、駆動ピストン22の軸方向往復動に伴って出口64aに進退するよう配置されている。第2吸気流路64の出口64aは、第2排気流路66の出口でもある。この出口64aは、駆動室46の圧力制御のための駆動室のガス出入口であり、出口64aを通じて圧縮機12と駆動室46との間でガスが流れる。出口64aは、駆動室46(すなわちピストンシリンダ28)の上面に貫通して形成されている。
駆動ピストン突起22aは、駆動ピストン22が上死点UP2またはその近傍に位置するとき第2吸気流路64の出口64aに挿入される。挿入された駆動ピストン突起22aは出口64aを完全にまたは部分的に閉塞し、それにより出口64aのガス流通が妨げられ、または出口64aを通るガス流量が制限される。駆動ピストン突起22aは、駆動ピストン22が上死点UP2またはその近傍から離れるとき第2吸気流路64の出口64aから引き抜かれる。よって、駆動ピストン突起22aは、駆動ピストン22が下死点LP2またはその近傍に位置するとき第2吸気流路64の出口64aには挿入されず、出口64aの外に位置する。駆動ピストン突起22aが出口64aから外れているので、出口64aのガス流通は回復される。
したがって、駆動ピストン22が上死点UP2に向けて上動するとき駆動ピストン突起22aが第2吸気流路64の出口64aに進入し、駆動ピストン22がさらに上動し駆動室46が狭くなるにつれて、駆動室46の圧力が効果的に高まる。駆動ピストン22が上死点UP2またはその近傍にあるとき、第2ガスばね室としての駆動室46は、駆動ピストン22の上動に抗するガスばね力を発生させることができる。たとえ、第2吸気バルブV3または第2排気バルブV4のいずれかが開放されていたとしても、駆動ピストン突起22aの第2吸気流路64の出口64aへの挿入により出口64aのガス流量が低減され、駆動室46はガスばね力を発生させることができる。このようにして、軸方向可動体16とコールドヘッドハウジング18の接触や衝突が抑制され、GM冷凍機10の振動や異音を低減することができる。
なお、図17(b)に示されるように、ピストンシリンダ28の上面から軸方向に突出する突起28bが第2吸気流路64の出口64aを囲むように形成され、この突起28bを受け入れ可能な凹部22bが駆動ピストン22の上面に形成されてもよい。このようにしても、ピストンシリンダ28の突起28bは、駆動ピストン22が上死点UP2またはその近傍に位置するとき駆動ピストン22の凹部22bに受け入れられる。それにより出口64aは、駆動ピストン22が上死点UP2にあるとき駆動ピストン22によって少なくとも部分的に閉塞される。こうして、出口64aのガス流通が妨げられ、または出口64aを通るガス流量が制限される。よって、駆動室46は、駆動ピストン22の上動に抗するガスばね力を発生させることができる。
図18に示されるように、第2吸気流路64の出口64aが駆動室46(すなわちピストンシリンダ28)の側面に配置されてもよい。
駆動ピストン22が上死点UP2またはその近傍にあるとき(すなわち駆動ピストン22が出口64aよりも軸方向に上方に位置するとき)、駆動ピストン22の側面が出口64aに対向し、それにより出口64aのガス流通が妨げられ、または出口64aを通るガス流量が制限される。また、駆動ピストン22が下動するとき出口64aは駆動室46に露出され、出口64aのガス流通は回復される。このようにしても、駆動ピストン22が上死点UP2またはその近傍にあるとき、第2ガスばね室としての駆動室46は、駆動ピストン22の上動に抗するガスばね力を効果的に発生させることができる。
なお、図17(a)、図17(b)、図18においては径方向クリアランス72は軸方向に一定とされているが、それは必須ではない。図7から図9に示される実施の形態と同様に、径方向クリアランス72は、径方向クリアランス上部72aおよび径方向クリアランス下部72bを備えてもよい。この場合、出口64aは、径方向クリアランス上部72aに設けられてもよい。図11から図15に示される実施の形態と同様に、径方向クリアランス72は、径方向クリアランス上部72a、径方向クリアランス下部72b、および径方向クリアランス中間部72cを備えてもよい。出口64aは、径方向クリアランス上部72aまたは径方向クリアランス中間部72cに設けられてもよい。
(第4実施形態)
図19から図21は、第4実施形態に係るGM冷凍機10を示す概略図である。第4実施形態に係るGM冷凍機10は、短絡路80にチェックバルブ78を備えることを除いて、第1実施形態に係るGM冷凍機10と同様である。
図19に示されるように、チェックバルブ78は、ガスばね室48から駆動室46へのガス流出に抗するようガスばね室48と駆動室46の間に配設されている。ピストンシリンダ28は、ガスばね室48を駆動室46に短絡する短絡路80を備える。チェックバルブ78は、短絡路80の中途に配置されている。
このようにすれば、駆動ピストン22が下動するときチェックバルブ78は閉鎖される。よって、駆動ピストン22は、ガスばね室48に貯留されたガスを圧縮することができる。第1実施形態と同様に、軸方向可動体16とコールドヘッドハウジング18の接触や衝突が抑制され、GM冷凍機10の振動や異音を低減することができる。
図20に示されるように、チェックバルブ(以下第1チェックバルブともいう)78と並列にガスばね室48と駆動室46を連通する第2チェックバルブ82が設けられていてもよい。ただし、第2チェックバルブ82はチェックバルブ78と逆向きに設けられ、駆動室46からガスばね室48へのガス流出に抗する。第1チェックバルブ78を開く設定差圧は、第2チェックバルブ82を開く設定差圧より小さい。このようにしても、GM冷凍機10の振動や異音を低減することができる。また、ガスばね室48の過剰な圧力を駆動室46に逃がすことができる。
図21に示されるように、チェックバルブと直列に流路抵抗が接続されてもよい。第1チェックバルブ78と直列に第1流路抵抗部84が接続され、第2チェックバルブ82と直列に第2流路抵抗部86が接続されている。第1流路抵抗部84のほうが第2流路抵抗部86よりも流路抵抗が小さい。第1チェックバルブ78を開く設定差圧は、第2チェックバルブ82を開く設定差圧と等しくてもよい。このようにしても、図20に示される構成と同様の効果を奏することができる。
以上、本発明を実施例にもとづいて説明した。本発明は上記実施形態に限定されず、種々の設計変更が可能であり、様々な変形例が可能であること、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは、当業者に理解されるところである。
ある実施形態においては、駆動室46とバルブ部54の間に流路抵抗部90が設けられていてもよい。流路抵抗部90は、第2吸気流路64において駆動室46と第2吸気バルブV3との間に設けられていてもよい。このようにすれば、コールドヘッド14の排気工程(図2に示す第1排気期間A2)において駆動室46の昇圧(図2に示す第2吸気期間A3)に遅延が生じる。それにより、駆動ピストン22に働く下向きの駆動力の立ち上がりを遅らせることができる。これも、軸方向可動体16とコールドヘッドハウジング18の接触や衝突を抑制し、GM冷凍機10の振動や異音を低減することに役立つ。
GM冷凍機10が上向きに設置されるよう設計される場合には、駆動室46とガスばね室48の配置が逆でも良い。ガスばね室48が、駆動ピストン22に対しディスプレーサシリンダ26と軸方向に反対側に配置され、駆動室46が、駆動ピストン22に対しディスプレーサシリンダ26と軸方向に同じ側に配置されてもよい。
ある実施の形態に関連して説明した種々の特徴は、他の実施の形態にも適用可能である。組合せによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態それぞれの効果をあわせもつ。例えば、第4実施形態に関連して説明したチェックバルブが、第1実施形態から第3実施形態に適用されてもよい。
10 GM冷凍機、 20 ディスプレーサ、 22 駆動ピストン、 26 ディスプレーサシリンダ、 28 ピストンシリンダ、 46 駆動室、 48 ガスばね室、 68 流路抵抗部、 72 径方向クリアランス、 72a 径方向クリアランス上部、 72b 径方向クリアランス下部、 74 段部、 76 連通路、 78 チェックバルブ、 96 バッファ容積。
本発明は、GM冷凍機の分野における利用が可能である。

Claims (11)

  1. 軸方向に往復動可能なディスプレーサと、
    前記ディスプレーサを収容するディスプレーサシリンダと、
    前記ディスプレーサを軸方向に駆動するよう前記ディスプレーサに連結された駆動ピストンと、
    前記駆動ピストンを収容するピストンシリンダであって、前記駆動ピストンを駆動するよう圧力が制御される駆動室と、前記ディスプレーサシリンダに対し気密に形成され、前記駆動ピストンによって前記駆動室から仕切られたガスばね室と、を備えるピストンシリンダと、を備えることを特徴とするGM冷凍機。
  2. 前記ガスばね室を前記駆動室に連通する流路抵抗部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のGM冷凍機。
  3. 前記流路抵抗部は、前記ピストンシリンダと前記駆動ピストンとの間に形成された径方向クリアランスを備え、
    前記径方向クリアランスは、前記駆動ピストンが下死点にあるとき第1流路抵抗を有し、前記駆動ピストンが上死点にあるとき第2流路抵抗を有し、前記第1流路抵抗は、前記第2流路抵抗より大きいことを特徴とする請求項2に記載のGM冷凍機。
  4. 前記径方向クリアランスは、前記第2流路抵抗を有する径方向クリアランス上部と、前記径方向クリアランス上部と軸方向に隣接し前記第1流路抵抗を有する径方向クリアランス下部と、を備え、
    前記ピストンシリンダは、前記径方向クリアランス上部と前記径方向クリアランス下部の境界となる段部を備えることを特徴とする請求項3に記載のGM冷凍機。
  5. 前記駆動ピストンは、前記駆動ピストンが下死点にあるとき前記ガスばね室を前記径方向クリアランス下部に連通し、前記駆動ピストンが上死点にあるとき前記ガスばね室を前記径方向クリアランス上部に連通するよう形成された連通路を備えることを特徴とする請求項4に記載のGM冷凍機。
  6. 前記流路抵抗部は、前記ピストンシリンダと前記駆動ピストンとの間に形成された径方向クリアランスを備え、
    前記径方向クリアランスは、前記駆動ピストンが下死点にあるとき第1流路抵抗を有し、前記駆動ピストンが上死点にあるとき第2流路抵抗を有し、前記駆動ピストンが前記下死点と前記上死点との中間点にあるとき第3流路抵抗を有するよう構成され、
    前記第3流路抵抗は、前記第1流路抵抗より小さく、かつ前記第2流路抵抗より小さいことを特徴とする請求項2に記載のGM冷凍機。
  7. 前記径方向クリアランスは、前記第2流路抵抗を有する径方向クリアランス上部と、前記径方向クリアランス上部と軸方向に隣接し前記第3流路抵抗を有する径方向クリアランス中間部と、前記径方向クリアランス中間部と軸方向に隣接し前記第1流路抵抗を有する径方向クリアランス下部と、を備えることを特徴とする請求項6に記載のGM冷凍機。
  8. 前記径方向クリアランス中間部の軸方向長さは、前記駆動ピストンのストロークの半分より長く、前記径方向クリアランス下部の軸方向長さは、前記径方向クリアランス上部の軸方向長さより長いことを特徴とする請求項7に記載のGM冷凍機。
  9. 前記流路抵抗部は、前記ピストンシリンダと前記駆動ピストンとの間に形成され、前記径方向クリアランスに連通するバッファ容積を備えることを特徴とする請求項3から8のいずれかに記載のGM冷凍機。
  10. 前記駆動室は、前記駆動室の圧力制御のためのガス出入口を備え、前記ガス出入口は、前記駆動ピストンが上死点にあるとき前記駆動ピストンによって少なくとも部分的に閉塞されることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載のGM冷凍機。
  11. 前記ガスばね室から前記駆動室へのガス流出に抗するよう前記ガスばね室と前記駆動室の間に配設されたチェックバルブをさらに備えることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載のGM冷凍機。
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