JP2000046010A - クッション装置を備えた油圧シリンダ - Google Patents

クッション装置を備えた油圧シリンダ

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JP2000046010A
JP2000046010A JP11000515A JP51599A JP2000046010A JP 2000046010 A JP2000046010 A JP 2000046010A JP 11000515 A JP11000515 A JP 11000515A JP 51599 A JP51599 A JP 51599A JP 2000046010 A JP2000046010 A JP 2000046010A
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hydraulic cylinder
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    • F15B15/22Other details, e.g. assembly with regulating devices for accelerating or decelerating the stroke
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Abstract

(57)【要約】 【課題】油圧シリンダのピストンロッドに特別な高強度
材を用いたり熱処理をすることなく、簡単な構造でピス
トン締結部分の強度を向上でき、しかもボトム側のクッ
ション装置を備えかつピストンロッドの加工を容易にで
きるようにする。 【解決手段】ピストン4のピストンロッド3側の端面2
0に凹所21を形成してピストンロッド3の先端を嵌入
し、ピストンロッドの端面23にピストンの端面20を
対面接触した状態で、ボルト貫通穴25からネジ穴24
にボルト22を差し込んで締め込み固定する。ボトム側
クッションプランジャ40の基端にフランジ部40aを
設けてピストンロッドの端面とピストンのざぐり穴42
との間に位置させかつピストンの貫通穴41にプランジ
ャ軸部40bを通し、この貫通穴及びざぐり穴をプラン
ジャ軸部40b及びフランジ部に対し隙間を持つ大きさ
とし、クッションプランジャを径方向に移動可能とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ピストンロッドの
ストロークエンドでの衝撃を緩和するクッション装置を
備えた油圧シリンダに係わり、特に油圧建設機械等の油
圧作業機械に使用される油圧シリンダにおけるピストン
の締結構造を改良しかつボトム側のクッション装置の取
付構造を簡素化した油圧シリンダに関する。
【0002】
【従来の技術】油圧建設機械の代表例である油圧ショベ
ル等の油圧作業機械においては、作業部材を駆動するた
めのアクチュエータとして油圧シリンダが使用されてい
る。この油圧シリンダは、図15に示すように、シリン
ダ本体102と、シリンダ本体102内を移動するピス
トンロッド103と、ピストンロッド103の先端に設
けられ、シリンダ本体102内をロッド側のチャンバ1
07aとボトム側のチャンバ107bに区切るピストン
104とからなっている。
【0003】このような油圧シリンダのピストン締結構
造は、一般に、例えば実公平7−16888号公報、実
開平6−62207号公報等に記載のようになってい
る。即ち、ピストンロッド103の先端部分に段差部1
03eを介してピストン挿入部103fを設け、ピスト
ン挿入部103fの先端部分に雄ネジ部103gを形成
し、ピストン104をピストン挿入部103fに挿入
し、ピストン104が段差部103eに当接するようナ
ット112を雄ネジ部103gに締め込むことでピスト
ン104を固定し、ピストンロッド103に締結してい
る。
【0004】また、図16に示すようなピストン締結構
造の提案されている。この例は実開昭57−20310
3号公報に示されるものであり、小径のピストン挿入部
103jに更に環状溝103kを設け、ピストン104
を段差部103mに当接するまで嵌合した状態で、環状
溝103kに円形リングを半径方向に2分割した半リン
グ形状のフランジ160を嵌合し、このフランジ160
をピストン104にボルト170で固着することでピス
トン104を固定し、ピストンロッド103に締結して
いる。この場合、ピストン104によって区切られるシ
リンダ本体102内のチャンバ107a,107b間を
封止するためピストン挿入部103jとピストン104
間にはOリング180を設けている。
【0005】一方、ピストンロッドのストロークエンド
での衝撃を緩和するクッション装置として、実公平7−
16888号公報や実開平6−62207号公報に示さ
れるようなフローティングタイプ(浮動型)のクッショ
ンリングを用いたものがある。即ち、実公平7−168
88号公報はロッド側及びボトム側のクッション装置に
フローティングタイプのクッションリングを用いたもの
を開示し、実開平6−62207号公報はボトム側のク
ッション装置にフローティングタイプのクッションリン
グを用いたものを開示している。
【0006】図15では、実公平7−16888号公報
の例を示す。図15において、ピストンロッド103と
ピストン挿入部103fとの間にロッド側クッションリ
ング挿入部103aを設け、ピストンロッド103の雄
ネジ部103gの更に先端にボトム側クッションリング
挿入部103hを設け、ピストンロッド103、ロッド
側クッションリング挿入部103a、ピストン挿入部1
03f、ボトム側クッションリング挿入部103hの順
で径を細くすると共に、ロッド側クッションリング挿入
部103aにロッド側クッションリング130を軸方向
及び径方向に移動可能に遊嵌し、ボトム側クッションリ
ング挿入部103hにボトム側クッションリング140
を軸方向及び径方向に移動可能に遊嵌し、クッションリ
ング挿入部103hの端面に加工されたネジ穴103i
にプラグ等のクッション止め部材150でクッションリ
ング140を係止する。
【0007】ロッド側のチャンバ107aに圧油が供給
されるとピストンロッド103が図示右方に移動して油
圧シリンダが伸長する。このとき、ストロークエンド近
傍でボトム側クッションリング140がボトム側シリン
ダヘッドの給排ポート109の入口に設けられたクッシ
ョン穴105cに突入し、このクッション穴105cの
相当部分をクッションリング140が塞ぐことにより油
路が絞られ、チャンバ107bにクッション圧が立ち、
ストローク速度は減速されストロークエンドでの衝撃は
緩和される。この際クッションリング140は軸方向、
径方向とも移動可能となっているため、クッション穴1
05cへの突入時、クッション穴105cの内周に倣っ
て突入してゆくこととなり(調芯機能)、クッションリ
ング140とクッション穴壁部とのかじりの心配が無
い。また、突入時クッション圧がボトム側のチャンバ1
07bに発生し、クッションリング140のクッション
穴側とチャンバ107b側とに圧力差が生じ、クッショ
ンリング140はクッション止め部材150に押し付け
られ密着するので、クッションリング挿入部103hの
外周面とクッションリング140の内周面との問を通っ
てボトム側のチャンバ107bから給排ポート109へ
と圧油が流出することはない(一方向流路機能)。
【0008】ストロークエンドに到達後、ポート109
より圧油が供給されると、ピストンロッド103が図示
左方の伸び方向に動き始め、クッションリング140は
クッション穴105cから抜き出される。このとき、給
排ポート109から供給された圧油はクッションリング
140の外周面とクッション穴105cの内周面との隙
間を通ってチャンバ107bへと流れ込む。また、クッ
ションリング140はポート109からの油圧によりピ
ストン挿入部103fの端面に押し付けられる。この
際、クッションリング140のピストン挿入部104f
側の端部には溝140aが設けられており、圧油はクッ
ションリング挿入部103hの外周面とクッションリン
グ140の内周面との間を流れ、その溝140aを介し
てチャンバ107bへと流れ込み(一方向流路機能)、
抜出し良く作動する。
【0009】以上はボトム側クッションリング140の
説明であるが、ロッド側クッションリング130も同様
に機能する。即ち、ロッド側クッションリング130も
軸方向、径方向に移動可能となっており、かつピストン
側端部には溝130aが設けられ、反対側の端部はピス
トンロッド103とクッションリング挿入部103aと
の境界である段差部103bに密着可能であり、油圧シ
リンダが伸長しストロークエンド近傍で給排ポート手前
のクッション穴に突入するとき、クッション穴に対し調
芯機能と一方向流路機能を果たしつつ、ストローク速度
を減速しストロークエンドでの衝撃を緩和する。また、
油圧シリンダがそのストロークエンド位置から収縮する
ときは、一方向流路機能によりクッション穴から抜出し
良く作動する。
【0010】また、ボトム側クッション装置としては、
クッションリングに代えクッションプランジャを用いた
ものがあり、例えば実開平1−166105号公報にそ
の一例が示されている。このプランジャ型のクッション
装置にあっては、ピストンロッドの端面に開口する係合
孔に円錐状のクッションプランジャ(緩衝ロッド)の根
元部を係合し、根元部の外周に設けた溝と係合孔の内面
に設けた溝とに、ピストンロッド端部の外周部から開け
た径方向の横ネジ孔よりボールを嵌挿し、横ネジ孔にネ
ジを差し込みボールを保持することによって、クッショ
ンプランジャは係合孔に遊嵌的に固定され、ストローク
エンドで減速する際の調芯機能を果たしている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】図15に示した油圧シ
リンダにおいては、上記のようにボトム側のチャンバ1
07bに圧油が供給されるとピストンロッド103が図
示左方に移動して油圧シリンダが伸長し、ロッド側のチ
ャンバ107aに圧油を供給すると、ピストンロッド1
03が図示右方に移動して油圧シリンダは収縮する。油
圧ショベル等の油圧作業機械ではこのような油圧シリン
ダの伸縮が頻繁に行われ、その都度ピストン104にチ
ャンバ107a又は107bの圧力が作用する。
【0012】ところで、図15に示した従来のピストン
締結構造では、チャンバ107a又は107bの圧力が
ピストン104に作用するとき、ピストン104はピス
トン挿入部103fに設けた雄ネジ部103gにナット
112を閉め込むことにより締結されているため、チャ
ンバ107a又は107bの圧力はピストン挿入部10
3fの雄ネジ部103gの断面にかかることとなり、ピ
ストンロッド103はこの雄ネジ部103gより破損し
やすかった。
【0013】図17にピストン挿入部103fの雄ネジ
部103gに作用する最大主応力とネジ山数との関係を
示す。ここで、ネジ山数はピストン挿入部103jの先
端側から数えたものである。この図から分かるように雄
ネジ部103gには第1ネジ山部に最大の引張応力がか
かり、雄ネジ部103gの破損は第1ネジ山部で起こ
る。このため、ピストンロッド103の材質を高強度材
としたり、雄ネジ部103gに熱処理を施したりして雄
ネジ部103gの第1ネジ山部の強度をアップする必要
があった。
【0014】また、図16に示した従来のピストン締結
構造では、ピストン104にかかる圧力はピストン挿入
部103jの環状溝103k部の断面で受けることにな
り、この部分から破損しやすく図15のものと同様にピ
ストンロッド103の強度アップが必要である。また、
この構造では、2個の半リング形状のフランジ160が
必要となり、更にピストン104によって分けられた2
つのチャンバ107a,107b間を封止するのにピス
トン挿入部103jとピストン104間にOリング18
0が必要となり、部品点数が多くなるという問題もあっ
た。
【0015】更に、クッション装置を備えた油圧シリン
ダでは、ボトム側のクッション装置の取り付けのため上
記のようにピストンロッドの先端に特別な加工を施す必
要がある。
【0016】即ち、フローティングタイプのボトム側の
クッション装置では、図15に示したように長尺のピス
トンロッドの端部にクッションリング挿入部103hや
ネジ穴103i等の加工を施し、クッション止め部材1
50等の係止要素でクッションリング140を係止する
必要がある。また、実開平1−166105号公報に記
載のようなクッションプランジャを用いたボトム側のク
ッション装置でも、同様に長尺のピストンロッドの端部
に係合孔、横ネジ孔等の細かい加工が必要となる。
【0017】このため、いずれの場合も、ピストンロッ
ドの先端に複雑な加工が必要となり、生産性が悪い。ま
た、クッションリング挿入部103hやクッション止め
部材150用のネジ孔103i、あるいはクッションプ
ランジャ係合孔や横ねじ穴に不具合が発生した時に、高
価なピストンロッドを交換しなければならないサービス
性の悪さがある。
【0018】更に、実開平1−166105号公報に記
載のようなクッションプランジャを用いたボトム側のク
ッション装置では、機能面においては、一方向流路機能
が無く、抜け出し性能が悪い。
【0019】本発明の第1の目的は、ピストンロッドに
特別な高強度材を用いたり熱処理をすることなく、簡単
な構造でピストン締結部分の強度を向上できるクッショ
ン装置を備えた油圧シリンダを提供することである。
【0020】本発明の第2の目的は、ピストンロッドに
特別な高強度材を用いたり熱処理をすることなく、簡単
な構造でピストン締結部分の強度を向上でき、しかもボ
トム側のクッション装置を備えかつピストンロッドの加
工を容易にできる油圧シリンダを提供することである。
【0021】本発明の第3の目的は、ピストンロッドに
特別な高強度材を用いたり熱処理をすることなく、簡単
な構造でピストン締結部分の強度を向上でき、しかもボ
トム側のクッション装置にクッションプランジャを用い
かつ調芯機能と一方向流路機能を合わせ持つ油圧シリン
ダを提供することである。
【0022】
【課題を解決しようとする手段】(1)上記第1及び第
2の目的を達成するために、本発明は、ピストンロッド
の先端にピストンを締結し、このピストンでシリンダ本
体内をロッド側のチャンバとボトム側のチャンバに区分
する油圧シリンダにおいて、前記ピストンロッドの先端
の端面にピストンのロッド側の端面を少なくとも部分的
に対面接触させた状態で、ピストンに開けられたボルト
貫通穴からピストンロッドに設けられたネジ穴にボルト
を差し込んで締め込み、このボルトでピストンをピスト
ンロッドに直接固定すると共に、前記ピストンのボトム
側の端面より突出するようボトム側クッション装置を設
け、このボトム側クッション装置を前記ピストンロッド
の収縮時、前記シリンダ本体のボトム側の作動油ポート
につながるクッション穴に突入させるものとする。
【0023】このようにピストンをピストンロッドにボ
ルトで直接固定することにより、油圧シリンダの動作
時、ピストンにかかる力はボルトで受けることとなり、
ボルトに引張応力が作用するが、ボルトの材質は強いの
で十分な強度が得られる。また、ピストンロッドのネジ
穴のネジ部は雌ネジであるので、ロッド材質はそれ程強
くなくても強度的に問題とならない。このため、ピスト
ンロッドに高強度材を用いる必要が無く、熱処理による
強度アップも必要無くなるので、低コストな材料で安価
にピストンロッドを作れる。また、ボルトで直接固定す
るので、外力に対する疲労強度も向上し、簡単な構造で
ピストン締結部分の強度を向上し、ピストンロッドの寿
命を向上できる。
【0024】また、ボルトで直接固定するので、最少部
品点数で構成できる。
【0025】更に、従来の小径のピストン挿入部が不要
となるため、ピストンロッドに余分の段差を付ける必要
がなく、段差部での破損の問題も低減する。
【0026】また、ピストンのボトム側の端面より突出
するようボトム側クッション装置を設けることにより、
ピストンロッドの収縮時のストロークエンドでの衝撃を
緩和できると共に、ボトム側クッション装置の取付のた
めにピストンロッドの先端に複雑な加工をする必要がな
くなり、ピストンロッドの加工が容易となる。
【0027】(2)上記(1)において、好ましくは、
前記ボトム側クッション装置は、前記クッション穴への
突入時に軸心を一致させる調芯機能を有するものとす
る。
【0028】これによりボトム側クッション装置は、ク
ッション穴への突入時クッション穴に倣ってスムーズに
進入し、クッション穴とのかじりの心配がない。
【0029】(3)また、上記(1)において、好まし
くは、前記ボトム側クッション装置は、前記クッション
穴への突入時に軸心を一致させる調芯機能と、前記クッ
ション穴に突入するときは前記ボトム側チャンバから前
記作動油ポートへの圧油の流れを阻止し、前記クッショ
ン穴から抜け出るときは前記作動油ポートから前記ボト
ム側チャンバへの圧油の流れを許す一方向流路機能とを
有するものとする。
【0030】これによりボトム側のクッション装置は調
芯機能に加え一方向流路機能を持つものとなり、クッシ
ョン穴からの抜け出し性能も良好となる。
【0031】(4)更に、上記(1)において、好まし
くは、前記ボトム側クッション装置は、前記ピストンの
ボトム側の端面より突出し、前記ピストンロッドの収縮
時に前記クッション穴に突入するクッションプランジャ
を有するものとする。
【0032】このようにクッションプランジャを用いる
ことにより、クッションリングのような内外径面の圧力
分布の相違による膨らみの問題が起こらず、常に安定し
たクッション性能が確保できる。
【0033】(5)上記(4)において、好ましくは、
前記クッションプランジャは、前記ピストンロッドの端
面と前記ピストンのロッド側の端面との間に位置する拡
大基端部と、前記ピストンを貫通し前記ピストンのボト
ム側の端面より突出する軸部とを有し、前記ピストンを
前記ボルトで前記ピストンロッドに固定すると同時に前
記クッションプランジャの拡大基端部で前記クッション
プランジャを保持しかつ前記クッションプランジャを径
方向に移動可能又は傾動可能に取り付け、このクッショ
ンプランジャの径方向の移動又は傾動により前記クッシ
ョン穴への突入時に軸心を一致させる調芯機能を持たせ
たことを特徴とする油圧シリンダ。
【0034】このようにピストンをピストンロッドにボ
ルトで固定すると同時にクッションプランジャの拡大基
端部でクッションプランジャを保持することにより、ク
ッションプランジャの取り付け、係止がなされ、ピスト
ンロッドにはクッションプランジャの係止に係わる加工
は不要又は最少となり、ピストンロッドの加工が容易に
なる。また、ピストンがクッションプランジャの係止要
素を兼ねるので、部品点数を削減できる。
【0035】また、クッションプランジャを径方向に移
動可能又は傾動可能に取り付けることにより、クッショ
ン穴突入時に調芯機能を果たせる。
【0036】(6)上記(5)において、好ましくは、
前記クッションプランジャの拡大基端部は、前記クッシ
ョンプランジャの基端に設けたフランジ部であり、前記
ピストンの中央に前記クッションプランジャの軸部が通
る貫通穴と前記フランジ部を受けるざぐり穴を設け、前
記フランジ部を前記ざぐり穴内で前記ピストンロッドの
端面とざぐり穴の壁部との間に位置させると共に、前記
貫通穴及びざぐり穴を前記クッションプランジャの軸部
及びフランジ部に対し隙間を持つ大きさとし、前記クッ
ションプランジャを径方向に移動可能とする。
【0037】これにより上記(5)のように、クッショ
ンプランジャはピストンをボルトでピストンロッドに固
定すると同時に取り付けられ、かつ径方向に移動可能と
なる。
【0038】(7)上記(6)において、好ましくは、
前記クッションプランジャの基端のフランジ部と前記ピ
ストンロッドの端面又は前記ピストンのロッド側の端面
との間に弾性手段を挿入し、前記クッションプランジャ
の軸方向の移動を弾性的に拘束する。
【0039】これにより組立時、クッションプランジャ
とこれが突入するクッション穴との中心がずれていて
も、一度調芯すればその位置で位置が保持されるので、
以後、調芯せずに穴に突入できる。
【0040】(8)また上記(5)において、前記クッ
ションプランジャの拡大基端部は、前記クッションプラ
ンジャの基端に設けた球面部であり、この球面部を前記
ピストンロッドの端面と前記ピストンのロッド側の端面
との間で球面接触するよう保持すると共に、前記ピスト
ンの中央に前記クッションプランジャの軸部が通る貫通
穴を設け、この貫通穴を前記クッションプランジャの軸
部に対し隙間を持つ大きさとし、前記クッションプラン
ジャを傾動可能にしても良い。
【0041】これにより上記(5)のように、クッショ
ンプランジャはピストンをボルトでピストンロッドに固
定すると同時に取り付けられ、かつ傾動可能となる。ま
た、クッションプランジャは傾動可能であるので、クッ
ションプランジャとクッション穴の軸芯の角度的なズレ
に対しても調芯機能を果たし、かつ球面接触であるので
偏摩耗が生じない。
【0042】(9)更に、上記(4)において、前記ク
ッションプランジャは前記ピストンと一体化された固定
タイプであってもよい。
【0043】このようにクッションプランジャを固定タ
イプとする場合も、クッションプランジャはピストンロ
ッドに設ける必要がなく、ピストンロッドの加工が容易
になる。また、ピストンとクッションプランジャを一体
化することにより部品点数を減らせる。
【0044】(10)また、上記第1〜第3の目的を達
成するために、本発明は、上記(5)において、前記ク
ッションプランジャは、前記軸部の先端に開口しかつ前
記軸部内に軸方向に形成された第1通路と、この第1通
路を前記ボトム側チャンバに連通可能な第2通路と、前
記第1通路と第2通路との間に設けられた逆止弁手段と
を有し、これらの第1、第2通路及び逆止弁手段により
前記クッションプランジャが前記クッション穴に突入す
るときは前記ボトム側チャンバから前記作動油ポートへ
の圧油の流れを阻止し、前記クッションプランジャが前
記クッション穴から抜け出るときは前記作動油ポートか
ら前記ボトム側チャンバへの圧油の流れを許す一方向流
路機能を持たせるものとする。
【0045】これによりボトム側クッション装置は、ク
ッションプランジャを用いかつ調芯機能と一方向流路機
能を合わせ持つこととなり、クッション穴への突入時ク
ッション穴に倣ってスムーズに進入すると共に、クッシ
ョン穴からの抜け出し性能が良好となる。
【0046】(11)上記(10)において、好ましく
は、前記第2通路は、前記クッションプランジャの前記
拡大基端部側の端面に形成され、前記第1通路が開口す
る内径穴と、この内径穴を前記ボトム側チャンバに連通
する径方向の小穴とを有し、前記逆止弁手段は、前記内
径穴内に配置され、前記第1通路の開口を開閉可能なボ
ールと、前記内径穴内に配置され、前記ボールを前記第
1通路の開口を閉じる方向に押圧するバネとを有する。
【0047】このように第2通路及び逆止弁手段を構成
することにより一方向流路機能が得られると共に、上記
バネがボールを介してクッションプランジャをざぐり穴
の壁部に押圧するため、クッションプランジャがクッシ
ョン穴に一度調芯された後は、その調芯性が維持され
る。
【0048】(12)また、上記(10)において、好
ましくは、前記クッションプランジャの拡大基端部は、
前記クッションプランジャの基端に設けられたフランジ
部であり、前記ピストンは、このピストンの前記ピスト
ンロッド側の端面の中央部に、前記クッションプランジ
ャの軸部が径方向の隙間を持って挿通される貫通穴と、
前記フランジ部を前記ピストンロッドの端面との間に径
方向及び軸方向の隙間を持って受けるざぐり穴とを有
し、前記第2通路は、前記クッションプランジャの前記
ピストン側端面に外周端面部分を残して形成され前記第
1通路が開口する内径凹所と、前記フランジ部と前記ざ
ぐり穴の壁部との間の径方向の隙間を前記ボトム側チャ
ンバに連通する連絡通路とを有し、前記逆止弁手段は、
前記フランジ部の前記軸部側の径方向段差面及び前記ク
ッションプランジャの前記ピストン側端面の外周端面部
分と、この外周端面部分が接触する前記ピストンロッド
のピストン側端面部分とを含み、前記内径凹所は、前記
クッションプランジャが前記クッション穴に突入すると
き、前記径方向段差面に作用する軸方向の油圧力より前
記外周端面部分に作用する軸方向の油圧力の方が小さく
なるような大きさに設定されている。
【0049】このように第2通路及び逆止弁手段を構成
することにより一方向流路機能が得られると共に、油圧
バランスを利用して逆止弁手段が構成されるため部品点
数が少なくて済み、生産性が優れ、信頼性が高くなる。
【0050】(13)また、上記(4)〜(14)のい
ずれかにおいて、好ましくは、前記クッションプランジ
ャの外周部にプランジャ先端に向けて幅広となる傾斜溝
を形成する。
【0051】このようにクッションプランジャに傾斜溝
を設けることにより、クッション特性を調整でき、特
に、クッション穴への突入初期の絞り開口面積の変化を
緩やかにでき、突入初期のクッション性能が向上する。
【0052】(14)更に、上記(1)において、好ま
しくは、前記ボトム側クッション装置は、前記ピストン
のボトム側端面より突出した軸部と、この軸部に遊嵌さ
れ、径方向、軸方向に移動可能なフローティングタイプ
のクッションリングと、前記軸部の先端に設けられた係
止プラグとを有し、前記クッションリングにより、前記
クッション穴への突入時に軸心を一致させる調芯機能
と、前記クッション穴に突入するときは前記ボトム側チ
ャンバから前記作動油ポートへの圧油の流れを阻止し、
前記クッション穴から抜け出るときは前記作動油ポート
から前記ボトム側チャンバへの圧油の流れを許す一方向
流路機能と持たせる。
【0053】これによりボトム側クッション装置は、ク
ッションリングにより調芯機能と一方向流路機能を合わ
せ持つこととなり、クッション穴への突入時クッション
穴に倣ってスムーズに進入すると共に、クッション穴か
らの抜け出し性能が良好となる。
【0054】(15)また、上記(1)〜(14)のい
ずれかにおいて、好ましくは、前記ピストンロッドのピ
ストンに隣接した部分に遊嵌され、径方向、軸方向に移
動可能なフローティングタイプのクッションリングを有
し、このクッションリングが前記シリンダ本体のロッド
側の作動油ポートに連絡するクッション穴に突入するこ
とで前記ピストンロッドの伸長時のストロークエンドで
の衝撃を緩和するロッド側クッション装置を更に設け
る。
【0055】このようにロッド側クッション装置を更に
設けることにより、ピストンロッドの伸長時にもストロ
ークエンドでの衝撃が緩和され、かつ調芯機能及び一方
向流路機能が得られる。
【0056】(16)更に、上記(1)〜(14)のい
ずれかにおいて、前記ピストンと一体化された固定タイ
プのクッションリングを有し、このクッションリングが
前記シリンダ本体のロッド側の作動油ポートに連絡する
クッション穴に突入することで前記ピストンロッドの伸
長時のストロークエンドでの衝撃を緩和するロッド側ク
ッション装置を更に設ける。
【0057】このようにロッド側クッション装置を更に
設けることにより、ピストンロッドの伸長時にもストロ
ークエンドでの衝撃が緩和される。
【0058】また、ロッド側クッション装置に関しても
部品点数を減らせ、特に上記(9)との組み合わせでは
ロッド側とボトム側の両方のクッション部材がピストン
と一体化するので、最も部品点数が少なくて済む。
【0059】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
用いて説明する。
【0060】図1は本発明の一実施形態による油圧シリ
ンダ1を示しており、油圧シリンダ1は、シリンダ本体
2、ピストンロッド3、ピストン4を有し、シリンダ本
体2は、一端5a側が閉塞し他端5b側が開口した円筒
形のチューブ5と、このチューブ5の開口端部5bに固
着して設けられたロッド側シリンダヘッド6とで構成さ
れている。ピストンロッド3はロッド側シリンダヘッド
6を貫通してチューブ5の内外に伸びており、シリンダ
本体2内に位置するピストンロッド3の先端に、チュー
ブ5内を摺動可能でありかつシリンダ本体2内をロッド
側のチャンバ7aとボトム側のチャンバ7bとに区分す
るピストン4が締結されている。ピストン4の外周には
シールリング13、ウエアリング14a,14b、コン
タミシール15a,15bが設けられている。ロッド側
シリンダヘッド6にはチャンバ7aに対する作動油の給
排ポート8が設けられ、チューブ5の閉塞端部5aには
チャンバ7bに対する作動油の給排ポート9が設けられ
ている。
【0061】給排ポート9よりボトム側のチャンバ7b
に圧油を供給し、ロッド側のチャンバ7aに通じる給排
ポート8をタンクに接続すると、ピストン4が図示左方
のロッド側シリンダヘッド6側に摺動変位してピストン
ロッド3をシリンダ本体3から突出するよう移動し、油
圧シリンダ1が伸長する。また、給排ポート8を介して
ロッド側のチャンバ7aに圧油を供給し、ボトム側のチ
ャンバ7bに通じる給排ポート9をタンクに接続する
と、ピストン4が図示右方のチューブ5の閉塞端部5a
側に摺動変位してピストンロッド3をシリンダ本体2内
に引き込むよう移動し、油圧シリンダ1が収縮する。シ
リンダ本体2のチューブ閉塞端部5aに設けた取付部1
0とピストンロッド3の外側の先端に設けた取付部11
の一方を固定側部材に枢着し、他方を可動側部材に枢着
することにより当該動側部材を駆動することができる。
【0062】次に、本発明の特徴であるピストン締結構
造とクッション装置を説明する。
【0063】ピストンロッド3の先端部分には小径のク
ッションリング挿入部3aが設けられ、クッションリン
グ挿入部3aには軸方向及び径方向に移動可能にロッド
側クッションリング30が遊嵌されている。また、ピス
トン4のピストンロッド3側の端面20には軸方向の嵌
め合い部として凹所21が形成され、この凹所21にピ
ストンロッド3のクッションリング挿入部3aの先端
(以下、ピストンロッド3の先端という)を嵌入するこ
とによりピストン4は装着されかつピストンロッド3と
の同軸性を確保している。また、ピストンロッド3の先
端の端面23に軸方向のネジ穴24が開けられ、ピスト
ン4に軸方向のボルト貫通穴25が開けられ、ピストン
ロッド3の先端の端面23にピストン4の端面20を対
面接触した状態で、ボルト貫通穴25からネジ穴24に
ボルト22を差し込んで締め込むことでピストン4を固
定し、ピストンロッド3に締結されている。ボルト22
の数は適当数でよいが、本実施形態では図2に示すよう
に6本のボルト22を使用している。また、ボルト22
は丸頭ボルトの例を示したが、六角頭ボルトであっても
良い。
【0064】本実施形態のピストン締結構造では、ボル
ト22で直接ピストン4をピストンロッド3に締結する
ことにより、ピストン4にかかる力は複数のボルト22
で受けることとなる。このとき、ボルト22には引張応
力が作用するが、ボルト22の材質を強いものにすれば
ボルト22の強度は十分である。また、ピストンロッド
3のネジ穴24のネジ部は雌ネジであるので、ロッド材
質はそれ程強くなくても強度的に問題とならない。
【0065】また、図1において、40はボトム側クッ
ションプランジャであり、その基端にフランジ部40a
が設けられている。ピストン4の中央にクッションプラ
ンジャ40の軸部40bが通る貫通穴41が形成される
と共に、その貫通穴41の凹所21側の周囲にクッショ
ンプランジャ40のフランジ部40aを受けるざぐり穴
42が形成され、これらの貫通穴41及びざぐり穴42
の直径はクッションプランジャ40の軸部40b及びフ
ランジ部40aとの間に隙間ができる大きさとし、かつ
ざぐり穴42の深さはフランジ部40aの長さより深く
作ってある。
【0066】組立に際して、ピストンロッド3のクッシ
ョンリング挿入部3aにクッションリング30を挿入
し、クッションプランジャ40をそのフランジ部40a
がピストン4のざぐり穴42の底部42aに当たるまで
ピストン4の貫通穴41に挿入し、この状態のままピス
トン4をクッションリング挿入部3aの先端に挿入し、
ピストン4の凹所21の底面をピストンロッド3の端面
23に当接させる。この状態で上記のようにボルト22
をボルト貫通穴25及びネジ穴24に差し込んでピスト
ン4をピストンロッド3に直接固定する。このとき、ボ
トム側クッションプランジャ40のフランジ部40aは
ピストン端面20とざぐり穴42との間に保持される。
このようにボルト22でピストン4を締結することによ
りロッド側クッションリング30及びボトム側クッショ
ンプランジャ40を係止することができる。
【0067】以上のようにロッド側クッションリング3
0はクッションリング挿入部3aに軸方向及び径方向に
移動可能に遊嵌され、フローティング構造となってお
り、また、ボトム側クッションプランジャ40も、その
軸部40bとフランジ部40aが貫通穴41及びざぐり
穴42に対し隙間を持つ大きさとされ、フランジ部40
aの長さもざぐり穴42の深さより小さいので、その分
径方向及び軸方向に移動でき、フローティング構造とな
っている。
【0068】3bはピストンロッド4の本体とロッド側
クッションリング挿入部3aとの境界に形成される段差
部であり、ロッド側クッションリング挿入部3aの段差
部3bに隣接した部分にはロッド側クッションリング挿
入部3aの研磨時の逃げ部となるR部3cが形成されて
いる。また、クッションリング30のピストン側端面に
は溝30aが設けられている。
【0069】油圧シリンダ1の伸長時、ストロークエン
ド近傍でロッド側クッションリング30が、想像線Aで
示すようにロッド側シリンダヘッド6に設けられたクッ
ションリング嵌合部6aに突入して嵌合部6aの油路を
絞り、チャンバ7aにクッション圧を立て、ストローク
速度を減速しストロークエンドでの衝撃を緩和する。こ
の際、クッションリング30は径方向、軸方向共移動可
能となっており、クッションリング30の突入時、クッ
ションリング嵌合部6aの穴形状に倣って調芯しながら
突入していくため、クッションリング30と嵌合部6a
とのかじりの心配が無い(調芯機能)。
【0070】また、突入時、クッション圧がチャンバ7
aに発生し、クッションリング30の嵌合部6aに突入
した側とピストン4側(チャンバ7a側)とに圧力差が
生じ、クッションリング30は段差部3bの端面に押し
付けられ密着するので、クッションリング挿入部3aと
クッションリング30の内周面との間を通って圧油が給
排ポート8に流出することは無い。そして、ストローク
エンド到達後、縮み方向(図示右方)にピストンロッド
3が動き始め、クッションリング30が嵌合部6aから
の抜け出す時、給排ポート8からの圧油はクッションリ
ング30の外周面と嵌合部6aの内周面との隙間を通っ
てチャンバ7aへと流れ込む。この時、クッションリン
グ30は給排ポート8からの油圧によりピストン4に押
し付けられるが、クッションリング30のピストン側端
面には溝30aが設けられているため、圧油はクッショ
ンリング挿入部3aとクッションリング30の内周面と
の間を流れ、溝30aを通ってチャンバ7aへと流れ込
み、抜き出し良く作動する(一方向流路機能)。
【0071】油圧シリンダ1の収縮時、ストロークエン
ド近傍でボトム側クッションプランジャ40が、想像線
Bで示すようにシリンダ本体2のチューブ閉塞端部5a
に設けられたクッション穴5cに突入してクッション穴
5cの油路を絞り、チャンバ7bにクッション圧を立
て、ストローク速度を減速しストロークエンドでの衝撃
を緩和する。この際、クッションプランジャ40は径方
向に移動可能となっており、クッションプランジャ40
の突入時、クッション穴5cの穴形状に倣って調芯しな
がら突入していくため、クッションプランジャ40とク
ッション穴5cとのかじりの心配が無い(調芯機能)。
ストロークエンド到達後、伸び方向(図示左方)にピス
トンロッド3が動き始め、クッションプランジャ40が
クッション穴5cからの抜け出す時、給排ポート9から
の圧油はクッションプランジャ40の外周面を通ってチ
ャンバ7bへと流れ込む。
【0072】本実施形態によれば次の効果が得られる。
【0073】まず、ピストン締結構造に関して次の効果
が得られる。
【0074】1)図9に示した従来の一般的なピストン
締結構造では、ピストンロッドに雄ネジ部103g(図
9参照)を設ける必要があり、この雄ネジ部103gに
引張応力が作用するためピストンロッドに高強度材を用
いなければならなかった。これに対し、本発明のピスト
ン締結構造では、ピストンロッド3に雄ネジ部を設ける
必要が無いので、ピストンロッド3に高強度材を用いる
必要が無く、熱処理による強度アップも必要無くなるの
で、低コストな材料で安価にピストンロッド3を作れ
る。
【0075】2)従来は引張応力はピストンロッドの雄
ネジ部に作用したが、本発明ではボルト22にかかる。
ボルト22の材質を強いものにすることは容易であり、
簡単な構造でピストン締結部分の強度を向上でき、ピス
トンロッドの寿命を格段に向上できる。
【0076】3)ボルト22を用いて固定することで、
外力に対する疲労強度も向上する。
【0077】4)図10に示した従来のピストン締結構
造では、2個のフランジ160やOリング180が必要
となり、部品点数が多かったが、本発明ではそのような
部品は不要であり、最少部品点数で構成できる。
【0078】5)従来の小径のピストン挿入部が不要と
なり、ピストンロッド3にはロッド側クッションリング
30の挿入部3aのみを設ければ良いため、ピストンロ
ッドに余分に段差を付ける必要がなく、段差部での破損
の問題も低減する。
【0079】6)ロッド全体の長さはボルト22の頭ま
での長さで決まり、従来のように大きなナット112を
用いる場合に比べて油圧シリンダ1の有効ストロークを
長くできる。
【0080】7)複数のボルト22を用いるので、一つ
一つのボルトの締付トルクを小さくでき、組立、分解が
容易である。
【0081】8)従来、サービス時にピストンロッド・
ピストンのアセンブリを分解し、メンテナンスを行うこ
とが多いが、例えば、ロッド側シリンダヘッドの交換
や、このシリンダヘッドに装着されているロッドシール
を交換する場合は、ナット112(図9参照)を外さな
ければならず、その度にナットを緩めるのに専用の機械
に載せ、この専用の機械を使用してナットを緩めねばな
らなかった。ナット112の締付トルクは約1000k
gf・mである。本発明では、1本のボルト22の締付
トルクは約70kgf・m程度と小さい。このため、人
力でボルト22を緩めることができ、大掛かりな専用の
機械も必要なくボルトを緩められ、サービス性が高い。
【0082】クッション装置の構造に関して次の効果が
得られる。
【0083】1)ピストン4で係止するクッションプラ
ンジャ40はピストン4の貫通穴41及びざぐり穴42
に対し隙間があり、その隙間分だけ動くことができるた
め、従来のリング状のフローティングタイプのボトム側
のクッション装置と同様にクッション穴突入時調芯作用
を果たす。
【0084】2)従来のフローティングタイプのボトム
側のクッション装置の構造では、図9に示したように長
尺のピストンロッドにクッションリング挿入部103h
やネジ穴103i等の加工を施し、クッション止め部材
150等の係止要素でクッションリング140を係止す
る必要があった。また、実開平1−166105号公報
に記載のようなクッションプランジャを用いたボトム側
のクッション装置でも、長尺のピストンロッドの端部に
係合孔、横ネジ孔等の細かい加工が必要となる。本実施
形態によるボトム側のクッション装置では、ピストン4
にクッションプランジャ40を挿入し、ピストン4の固
定と同時にクッションプランジャ40を係止する構造で
あるので、ピストンロッド3にはクッションプランジャ
40の係止に係わる加工は不要となる。特に、従来のボ
トム側のクッション装置では、クッションリング挿入部
103hの径は小さいので、挿入部103hはピストン
ロッド径からかなり加工しなければならず、加工に時間
を要し、かつネジ穴103i等の係止要素に対する加工
も必要であった。本実施形態では、ピストンロッド3に
そのような加工は一切不要であり、ボトム側のクッショ
ン装置の取付構造が簡素化し、ピストンロッド3の加工
性、生産性が向上する。しかも、クッション装置に摩
耗、損傷等の事態が発生した時には、ピストンロッド3
からクッションプランジャ40を分離することにより、
小部品単体で交換が可能となるから、メンテナンス性に
優れたものとなる。
【0085】3)ピストン4がクッションプランジャ4
0の係止要素を兼ねるので、クッション止め部材150
等の係止要素が不要な分、部品点数を削減できる。
【0086】4)従来のフローティングタイプのボトム
側のクッション装置はリング状(クッションリング)で
あったが、本実施形態ではリングでなく棒状(クッショ
ンプランジャ40)である。クッション装置はクッショ
ン穴の油路を絞ってクッション圧を立て衝撃を緩和する
ものであり、クッション穴に対する隙間が同じであれ
ば、クッションリング又はプランジャの径が小さい程、
隙間断面積は小さくなり、油路の絞り効果が大きくクッ
ション装置としての性能面で有利である。本実施形態の
棒状のクッション装置は、従来のクッションリング構造
では不可能であった小径化が可能であり、高性能のボト
ム側のクッション装置が得られる。
【0087】5)従来のクッションリングを用いたフロ
ーティングタイプのボトム側のクッション装置では、油
圧シリンダ収縮時のストロークエンド近傍にあるときの
クッションリングに作用する圧力の分布特性が、クッシ
ョンリング外径側は、クッション圧力とタンク圧力とな
るためクッション圧とタンク圧の分布圧力となり、クッ
ションリングの内径側はタンク側がほぼ封止されるため
クッション圧力の等分布圧力となる。このようにクッシ
ョンリングの内外径側に圧力が作用すると、内径側と外
径側の圧力差からクッションリングは外径側に変形を生
じ、クッション穴に設定した環状隙間は大幅に減少す
る。そのためクッション圧力は上昇し、必要以上の高圧
が発生する。その結果、急激な圧力上昇のため油圧によ
る衝撃が増加しクッション性能を悪化させる。しかも、
クッション圧力が高圧力になるため、クッション圧が作
用する部分の部材の耐圧寿命を低下させ、最悪破壊に至
らしめる。しかし、本実施形態では、クッションプラン
ジャ40は棒状であるため、内径側の圧力分布の発生が
回避でき、従来技術のような環状隙間の変化は全く無
く、常に安定したクッション性能が確保できる。また、
クッションリングの場合、リング厚さが薄いので加工精
度に問題があったが、クッションプランジャ40は棒状
であるので、精度良く加工できる。
【0088】本発明の他の実施形態を図3〜図8により
説明する。図中、図1に示した部材と同等のものには同
じ符号を付している。
【0089】図3は本発明の第2の実施形態を示すもの
であり、ロッド側のクッションリング30Aはピストン
4Aと一体型の固定タイプのクッション装置となってい
る。また、ピストン4Aのチャンバ7b側の端面には凹
所50が設けられ、ボルト22の頭がピストン端面から
突出しないようにしている。
【0090】図4は本発明の第3の実施形態を示すもの
であり、ボトム側のクッションプランジャ40Bはピス
トン4Bと一体型の固定タイプのクッション装置となっ
ている。また、ピストン4Bのチャンバ7b側の端面に
はざぐり穴50Bが設けられ、ボルト22の頭がピスト
ン端面から突出しないようにしている。
【0091】図5は本発明の第4の実施形態を示すもの
であり、ロッド側クッションリング30Aとボトム側ク
ッションプランジャ40Bは共にピストン4Cと一体型
の固定型のクッション装置となっている。
【0092】図6は本発明の第5の実施形態を示すもの
であり、クッションプランジャ40Dのフランジ部40
Daに段差部40cを設け、この段差部とピストン4D
のざぐり穴42の底部42aとの間に皿バネ51を挿入
し、この皿バネ51を用いてクッションプランジャ40
Dのフランジ部40Daをピストンロッド3の端面23
とざぐり穴の底部42aとの間で軸方向に付勢したもの
である。クッションプランジャ40Dのフランジ部40
Daはこの皿バネ51の作用によりピストン端面23に
押し付けられる状態で係止される。このようにすること
でクッションプランジャ40Dの軸方向の動きが制約さ
れ、フランジ部40Da若しくはざぐり穴42の底部4
2aの摩耗が無くなる。
【0093】また、シリンダ本体2とピストンロッド3
及びピストン4Dとで油圧シリンダを組み立てたとき、
クッションプランジャ40Dとクッション穴5c(図1
参照)との芯がずれていて、クッションプランジャ40
Dが万一クッション穴5cの入口で干渉したとしても、
クッションプランジャ40Dは径方向には移動可能なの
で調芯し、クッション穴5cに突入する。そしてクッシ
ョンプランジャ40Dは皿バネ51により押し付けられ
ているので、調芯後の移動した位置に保持される。した
がって、これ以後のクッション穴5cへの突入時は、ク
ッションプランジャ40Dはクッション穴3cと干渉す
ることが無い。
【0094】図7は本発明の第6の実施形態を示すもの
であり、ピストンロッド3の端面23に凹所53を設
け、この凹所53内にコイルバネ54を配置し、このコ
イルバネ54を用いてクッションプランジャ40のフラ
ンジ部40aをざぐり穴の底部42aに押し付け状態で
係止したものである。このコイルバネ54によっても第
5の実施形態と同様の効果が得られる。
【0095】図8は本発明の第7の実施形態を示すもの
であり、クッションプランジャ40Eの基端に球面部4
0dを設け、ピストンロッド3の端面23とピストン4
Dの端面(凹所21の底面)に球面部40dを受け入れ
る球面凹部55,56を設け、球面部40dを球面凹部
55,56に球面接触させたのもである。このようにす
ればクッションプランジャ40Eは、ピストン4Dの貫
通穴41とクッションプランジャ40Eの軸部40bと
の径の差分だけ傾動可能となり、クッション穴5c(図
1参照)への突入時、クッションプランジャ40Eとク
ッション穴5cの軸芯の平行なズレだけでなく角度的な
ズレに対しても調芯機能を果たす。また、図1に示すフ
ランジ部40aの場合は、クッションプランジャ40E
に作用する軸方向の力の向きが変化するとフランジ部4
0aが軸方向に揺動し、偏摩耗が発生し易いが、本実施
形態では、クッションプランジャ40Eを軸方向に揺動
する力が作用しても、クッションプランジャ40Eは球
面部40dで球面接触するので、偏摩耗が生じない。
【0096】図3〜図8に示した各実施形態形態によっ
てもピストン締結構造に関して上記1)〜8)の効果が
得られ、かつ図3、図6〜図9に示した各実施形態によ
ってもクッション装置に関して上記1)〜5)の効果が
得られる。
【0097】また、図3〜図5に示した各実施形態で
は、ピストンとクッション部材(クッションリング又は
クッションプランジャ)と一体化することにより部品点
数を減らせ、特に図5に示した実施形態ではクッション
リングとクッションプランジャの両方をピストンと一体
化したので、最も部品点数が少なくて済む。
【0098】更に、図6及び図7に示した各実施形態で
は、組立時、クッションプランジャとクッション穴との
中心がずれていても、一度調芯すればその位置で位置が
保持されるので、以後、調芯せずに穴に突入できる。
【0099】また、図8に示した実施形態によれば、ク
ッションプランジャの軸部40bとピストンの貫通穴と
の隙間分だけクッションプランジャが傾動可能となり、
クッションプランジャ40Eとクッション穴5cの軸芯
の角度的なズレに対しても調芯機能を果たし、かつ球面
接触部での偏摩耗が生じない。
【0100】本発明の第8の実施形態を図9により説明
する。本実施形態は、クッションプランジャに調芯機能
と一方向流路機能を持たせたものである。図中、図1に
示した部材と同等のものには同じ符号を付している。
【0101】図9において、本実施形態のボトム側のク
ッション装置はクッションプランジャ40Fを有し、こ
のクッションプランジャ40Fは、基端側のフランジ部
40Faと、先端を球面とした軸部40Fbとを有し、
前述した実施形態と同様、軸部40Fbはピストン4の
貫通穴41に径方向の隙間を持って遊嵌状態で挿通さ
れ、フランジ部40Faはピストンロッド3の端面(ク
ッションリング挿入部3aの端面)とざぐり穴42との
間に径方向及び軸方向の隙間を持って遊嵌状態で配置さ
れている。
【0102】また、クッションプランジャ40Fのフラ
ンジ部40Fa側の端面には底部をテーパ形状とした内
径穴40fが形成され、軸部40Fb内には、球面状の
先端に開口し、軸部40Fb内を軸方向に伸び内径穴4
0fへと貫通する小穴40gと、内径穴40fをボトム
側チャンバ7bに連通する径方向の小穴40iとが形成
され、内径穴40f内には、内径穴40fの底部のテー
パ面に接触し、小穴40gの開口部を開閉するボール6
0と、ピストンロッド3の端面23に支持され、ボール
60を内径穴40fの底部のテーパ面に接触する方向
(小穴40gの開口部を閉じる方向)に押圧するバネ6
1とが配置されている。
【0103】ここで、図9に示すように、クッション穴
5cとクッションプランジャ40Fの軸部40Fb間の
環状隙間をA、ピストン4の貫通穴41とクッションプ
ランジャ40Fの軸部40Fb間の環状隙間をB、ピス
トン4のざぐり穴42とクッションプランジャ40Fの
フランジ部40Fa間の環状隙間をCとすると、A<B
<C又はA<C<Bなる寸法関係となっている。これに
より、クッションプランジャの軸部40Fbは環状隙間
A分、径方向に自由に移動可能となり、環状隙間Aによ
りクッション作用を行う時の絞り流路の流路断面積が設
定される。従って、より有効にクッション作用を発揮す
るには、その環状隙間Aをできるだけ小さくすればよ
い。
【0104】ボール60とバネ61は逆止弁手段を構成
し、これらボール60及びバネ61と小穴40g,40
i及び内径穴40fは、クッションプランジャ40Fが
クッション穴5cに突入するときはボトム側チャンバ7
bから給排ポート9への圧油の流れを阻止し、クッショ
ンプランジャ40Fがクッション穴5cから抜け出ると
きは給排ポート9からボトム側チャンバ7bへの圧油の
流れを許す一方向流路機能を果たしている。
【0105】以上のように構成することにより、ピスト
ンロッド22の縮小時のストロークエンド近傍でクッシ
ョン作用を発揮させることができる。即ち、作動始めに
クッションプランジャ40Fはピストン4に対して遊嵌
されているから、ピストンロッド3の収縮移動が開始し
ても、クッションプランジャ40Fに対して格別の拘束
がなされない限りは、このクッションプランジャ40F
の軸芯はピストン4の軸芯に対してずれた位置にある。
しかし、ストロークエンド近傍に至り、クッションプラ
ンジャ40Fがクッション穴5cに対面する位置にまで
変位すると、クッションプランジャ40Fの先端球面部
が当接して、クッションプランジャ40Fがクッション
穴5cに倣うように変位し、更にクッションプランジャ
40Fがクッション穴5c内に進入すると、クッション
プランジャ40Fの軸芯がクッション穴5cの軸芯と一
致する状態になる(調芯機能)。これと共に、クッショ
ンプランジャ40Fの内径穴40fに装着されたボール
60はバネ61によって小穴40gの開口部を閉鎖して
いる結果(一方向流路機能)、ボトム側チャンバ7bと
給排ポート9との連通は、クッション穴5cの壁部とク
ッションプランジャ40Fの環状隙間Aだけとなり、流
路が絞られるから、ボトム側チャンバ7bに背圧が生じ
て、クッション作用が発揮される。しかも、クッション
プランジャ40Fがクッション穴5cに進入すればする
程、円環状の絞り流路が長くなり、流路抵抗が大きくな
るから、より大きなクッション作用を発揮し、円滑かつ
滑らかにストロークエンドで停止して、停止時の衝撃が
著しく緩和される。
【0106】これに対して、最収縮状態からピストンロ
ッド3が伸長する際には、給排ポート9に圧油が供給さ
れ、またボトム側チャンバ7bは拡大しようとするか
ら、この差圧によりクッションプランジャ40Fの内径
穴40f内のボール60がバネ61の押付け力に打ち勝
って軸方向に移動して、内径穴40fの底部テーパ面か
ら離間することになる。この結果、クッションプランジ
ャ40Fの軸部40Fbとクッション穴5cの壁部との
間の環状流路に加えて、クッションプランジャ40Fの
小穴40gから内径穴40fを通って小穴40iを流れ
る流路が形成されるから(一方向流路機能)、流路断面
積は収縮方向と比較してかなり大きくなる。従って、ピ
ストンロッド3の伸長動作が円滑に行われ、クッション
プランジャ40Fがクッション穴5cから抜け出す際
に、騒音が発生する等のおそれはない。
【0107】以上のように、クッションプランジャ40
Fの小穴40gから内径穴40fを通って小穴40iへ
と至る流路は、ピストンロッド3の収縮時にはボール6
0によって閉鎖され、ピストンロッド3の伸長時には開
口される一方向流路となり、これによりピストンロッド
3の収縮時には流路を大きく絞り、伸長時には流路を拡
大させることができる(一方向流路機能)。
【0108】また、クッション穴5cに対するクッショ
ンプランジャ40Fの調芯性は、一度嵌合した後は、ク
ッションプランジャ40Fがクッション穴5cから抜出
す瞬間にバネ61のバネ力の作用によるクッションプラ
ンジャ40Fのフランジ部40Faとピストン4のざぐ
り穴42の壁部との接触面圧によって保持されるため、
その後は調芯性が維持される(調芯維持機能)。
【0109】従って、初期的にはクッションプランジャ
40Fはクッション穴5cの壁部と摺接するおそれがあ
るが、上記のように調芯性に対する学習機能を有してい
るため、長期的には耐摩耗等の心配はない。
【0110】従って、本実施形態によっても、ピストン
締結構造に関して上記1)〜8)の効果が得られ、かつ
クッション装置に関して上記1)〜5)の効果が得られ
ると共に、ボトム側クッション装置に関して図6及び図
7の実施形態と同様、調芯性の維持機能が得られ、更に
小穴40g,40i、内径穴40f及びボール60とバ
ネ61による一方向流路機能によりクッションプランジ
ャ40Fのクッション穴5cから抜き出し時の性能を向
上できる。
【0111】本発明の第9の実施形態を図10及び図1
1により説明する。本実施形態は、ボールとバネに代え
油圧バランスを利用して逆止弁手段を構成し、一方向流
路機能を持たせたものである。図中、図1及び図9に示
した部材と同等のものには同じ符号を付している。
【0112】図10において、本実施形態のボトム側の
クッション装置はクッションプランジャ60Gを有し、
このクッションプランジャ60Gは、基端側のフランジ
部40Gaと、先端を球面とした軸部40Gbとを有
し、前述した実施形態と同様、軸部40Gbはピストン
4の貫通穴41に径方向の隙間を持って遊嵌状態で挿通
され、フランジ部40Gaはピストンロッド3の端面
(クッションリング挿入部3aの端面)とざぐり穴42
との間に径方向及び軸方向の隙間を持って遊嵌状態で配
置されている。
【0113】また、クッションプランジャ40Gのフラ
ンジ部40Ga側の端面には、外周端面部分40jを残
して内径凹所40kが形成され、軸部40Gb内には、
球面状の先端に開口し、軸部40Gb内を軸方向に伸び
内径凹所40kへと貫通する小穴40mが形成されてい
る。また、クッションプランジャ40Gの外周部には、
ボトム側チャンバ7b内部分からフランジ部40Gaに
かけて長溝40nが形成され、フランジ部40Gaとざ
ぐり穴42の壁部間の径方向の隙間をボトム側チャンバ
7bに連通している。
【0114】また、内径凹所40kは、クッションプラ
ンジャ40Gがクッション穴5cに突入するとき、フラ
ンジ部40Gaの軸部40Gb側の径方向段差面に作用
する軸方向の油圧力F2より外周端面部分40jに作用
する軸方向の油圧力の方F1が小さくなるような大きさ
に設定され、クッションプランジャ40Gの上記外周端
面部分40iは、フランジ部40Gaの軸部40Gb側
の径方向段差面及び外周端面部分40jが接触するピス
トンロッド3の端面部分と共に逆止弁手段を構成してい
る。
【0115】即ち、図10が、クッションプランジャ4
0Gがクッション穴5cに突入する状態を示すとする
と、この状態では、図11に拡大して示すように、フラ
ンジ部40Gaの軸部40Gb側の径方向段差面にはク
ッション圧が全面に作用するのに対して、クッションプ
ランジャ40Gの端面とピストンロッド3の端面との内
径凹所40kを除く接触面である外周端面部分40jに
はクッション圧とタンク圧の分布圧力が作用する。今、
両者の圧力分布と受圧面積との積をそれぞれF1,F2
とすると、上記のようにF1>F2となるように内径凹
所40kの内径寸法が設定されているため、接触端面に
密封性が確保される。このため、クッション室としての
ボトム側チャンバ7bから給排ポート9への流路はクッ
ションプランジャ40gとクッション穴5cの壁部間の
環状隙間だけとなり、クッション性能が発揮できる。
【0116】一方、ピストンロッド3の伸長時には、給
排ポート9から小穴40mを介して内径凹所40kに圧
油が侵入し、ボトム側チャンバ7bが低圧になるのと重
なって、上記の圧力分布が逆転し、クッションプランジ
ャ40Gが図示右方に移動する結果、内径凹所40kの
圧油は更に長溝40nを介してボトム側チャンバ7bへ
と侵入し、ピストンロッド3の伸長速度を促進する。
【0117】従って、本実施形態によれば、図9に示す
第8の実施形態に比較して、クッションプランジャの調
芯保持機能がないものの、それ以外の性能は全て兼ね備
えており、更に油圧バランスを利用して逆止弁機能を持
たせたので部品点数が少なくて済み、生産性が優れ、信
頼性が高いという効果が得られる。
【0118】図12に図10に示した第9の実施形態の
変形例を示す。第9の実施形態では、フランジ部40G
aとざぐり穴42の壁部間の径方向の隙間をボトム側チ
ャンバ7bに連通する通路として、クッションプランジ
ャ40Gの外周部に長溝40nを形成したが、図12に
示すように、ピストン4に、フランジ部40Gaとざぐ
り穴42の壁部間の径方向の隙間をボトム側チャンバ7
bに連通小穴40pを形成してもよく、これによっても
小穴40m及びクッションプランジャ40Gの外周端面
部分40jと協働して一方向流路機能が果たせる。
【0119】本発明の第10の実施形態を図13により
説明する。本実施形態は、クッションプランジャ40H
の軸部40Hbの外周部に、プランジャ先端側に向けて
幅広となる傾斜溝40qを形成したものであり、それ以
外の構成は、図1、図9等に示した今までの実施形態と
同じである。
【0120】図1、図9等に示した実施形態では、クッ
ションプランジャとクッション穴5cとの間に形成され
る一定の環状隙間と収縮時のストロークによって変化す
る嵌合長さにより絞り開口面積が決定されるが、これに
加えて傾斜溝40qを形成することで、更に幅広い絞り
開口面積が設定でき、クッション特性を調整できる。特
に、クッション穴5cへの突入初期の絞り開口面積の変
化を緩やかにでき、突入初期のクッション性能向上に効
果がある。
【0121】本発明の第11の実施形態を図14により
説明する。本実施形態は、ボトム側クッション装置にク
ッションリングを用いたものである。図中、図1及び図
9に示した部材と同等のものには同じ符号を付してい
る。
【0122】図14において、本実施形態のボトム側の
クッション装置は、ピストン4Iのボトム側端面より突
出し、ピストン本体側に段差面71を有する軸部70
と、この軸部70に遊嵌され、径方向、軸方向に移動可
能なフローティングタイプのクッションリング72と、
軸部70の先端に設けられた係止プラグ73とを有し、
係止プラグ73は雄ネジ部73aとフランジ部73bと
で構成され、雄ネジ部73aで軸部70の先端面に形成
されたネジ穴70aにねじ込み固定されている。クッシ
ョンリング72の先端部にはテーパ状のガイド面72a
が形成され、クッションリング72の後端部、即ち段差
面71側の端部には溝72bが形成されている。
【0123】クッションリング72によるクッション作
用は、図15に示した従来のフローティングタイプのク
ッションリングを用いたクッション装置と同じである。
即ち、油圧シリンダが収縮しストロークエンド近傍でク
ッションリング72がクッション穴5cに突入すると、
クッションリング72はクッション穴5cに倣って進入
すると共に(調芯機能)、ボトム側チャンバ7bの圧力
でクッションリング72の先端面を係止プラグ73のフ
ランジ部73bに密着させて軸部70とクッションリン
グ72間の環状隙間による流路を閉じ(一方向流路機
能)、クッションリング72とクッション穴5c間の絞
り流路によりストローク速度を減速しストロークエンド
での衝撃を緩和する。また、油圧シリンダがそのストロ
ークエンド位置から伸長するときは、給排ポート9から
の流入圧によりクッションリング72の後端面が段差面
71に密着するが、溝72bにより軸部70とクッショ
ンリング72間の環状隙間による流路が形成され(一方
向流路機能)、クッション穴5cから抜出し良く作動す
る。
【0124】従って、本実施形態によっても、ボトム側
のクッション装置に関しクッションプランジャを用いた
上記実施形態と同様の性能が得られる。
【0125】また、本実施形態によっても、クッション
リング72の内径部と軸部70との間に摩耗、損傷等が
生じたときに、小部品単体で交換が可能となるから、メ
ンテナンス性に優れたものとなる。
【0126】なお、図9〜図14に示した実施形態は、
図1に示した実施形態のクッションプランジャを用いた
ボトム側クッション装置に調芯機能と一方向流路機能を
持たせたものであるが、図2〜図8に示した実施形態と
図9〜図14に示した実施形態とを適宜組み合わせてボ
トム側クッション装置に調芯機能と一方向流路機能を持
たせてもよい。例えば、図3に示した実施形態のピスト
ン締結構造と図9〜図13に示した調芯機能と一方向流
路機能を有するプランジャタイプのボトム側クッション
装置を組み合わせても良いし、図10及び図11に示し
た油圧バランス構造のクッションプランジャのフランジ
部に図6又は図7に示すような弾性手段を設け、調芯維
持機能を持たせても良い。また、図2〜図8のいずれの
実施形態においても、図13に示した傾斜溝をクッショ
ンプランジャに設け、同様の効果を得ることができる。
更に、図14に示したクッションリングタイプのボトム
側クッション装置は図2〜図8のいずれの実施形態にも
採用可能である。
【0127】
【発明の効果】本発明によれば、ピストン締結構造に関
して次の効果が得られる。
【0128】1)ピストンロッドに雄ネジ部を設ける必
要が無いので、ピストンロッドに高強度材を用いる必要
が無く、熱処理による強度アップも必要無くなるので、
低コストな材料で安価にピストンロッドを作れる。
【0129】2)ボルトの材質を強いものにすることは
容易であり、簡単な構造でピストン締結部分の強度を向
上でき、ピストンロッドの寿命を向上できる。
【0130】3)ボルトを用いて固定することで、外力
に対する疲労強度も向上する。
【0131】4)ボルト以外の部品は不要であり、最少
部品点数で構成できる。
【0132】5)従来のピストン挿入部が不要となるた
め、ピストンロッドに余分に段差を付ける必要がなく、
段差部での破損の問題も低減する。
【0133】6)ロッド全体の長さはボルトの頭までの
長さであり、油圧シリンダの有効ストロークを長くでき
る。
【0134】7)複数本のボルトを用いた場合は、一つ
一つのボルトの締付トルクを小さくでき、組立、分解が
容易である。
【0135】8)複数本のボルトを用いた場合は、1本
のボルトの締付トルクは小さいので、従来必要であった
大掛かりな専用の機械を用いなくても人力でボルトを緩
めることができ、サービス性が向上する。
【0136】また、本発明によれば、クッション装置の
構造に関して次の効果が得られる。
【0137】1)ピストンのボトム側の端面より突出す
るようボトム側クッション装置を設けたので、ピストン
ロッドの先端に複雑な加工をする必要がなくなり、ピス
トンロッドの加工が容易となる。
【0138】2)ボトム側クッション装置に調芯機能を
持たせたので、クッション穴への突入時クッション穴に
倣ってスムーズに進入し、クッション穴とのかじりの心
配がない。
【0139】3)ボトム側のクッション装置に調芯機能
に加え一方向流路機能も持たせたので、クッション穴か
らの抜け出し性能も良好となる。
【0140】4)ボトム側のクッション装置にクッショ
ンプランジャを用いたので、クッションリングのような
内外径面の圧力分布の相違による膨らみの問題が起こら
ず、常に安定したクッション性能が確保できる。
【0141】5)ピストンをピストンロッドにボルトで
固定すると同時にクッションプランジャの拡大基端部で
クッションプランジャを保持し、クッションプランジャ
を取り付け、係止したので、ピストンロッドにはクッシ
ョンプランジャの係止に係わる加工は不要又は最少とな
り、ピストンロッドの加工が容易になる。また、ピスト
ンがクッションプランジャの係止要素を兼ねるので、部
品点数を削減できる。更に、クッションプランジャを径
方向に移動可能又は傾動可能に取り付けることにより、
従来のリング状のフローティングタイプのボトム側のク
ッション装置と同様にクッション穴突入時に調芯機能を
果たせる。
【0142】6)ピストンに設けた貫通穴とざぐり穴を
クッションプランジャの軸部及びフランジ部に対し隙間
を持つ大きさとし、クッションプランジャを径方向に移
動可能としたので、クッションプランジャはこれをピス
トンをボルトでピストンロッドに固定すると同時に取り
付けられ、かつ径方向に移動可能となる。
【0143】7)径方向に移動可能なクッションプラン
ジャの軸方向の移動を弾性的に拘束したので、クッショ
ンプランジャとクッション穴との中心がずれていても、
一度調芯すればその位置が保持されるので、以後、調芯
せずにクッション穴に突入できる。
【0144】8)ロッド側クッションプランジャを傾動
可能としたので、クッションプランジャとクッション穴
の軸芯の角度的なズレに対しても調芯機能を果たし、か
つ球面接触であるので偏摩耗が生じない。
【0145】9)クッションプランジャを固定タイプと
したので、ピストンとクッションプランジャを一体化す
ることにより部品点数を減らせる。
【0146】10)ボトム側クッション装置にクッショ
ンプランジャを用い、調芯機能と一方向流路機能を合わ
せ持つようにしたので、クッション穴への突入時クッシ
ョン穴に倣ってスムーズに進入すると共に、クッション
穴からの抜け出し性能が良好となると共に、クッション
リングのような内外径面の圧力分布の相違による膨らみ
の問題が起こらず、常に安定したクッション性能が確保
できる。
【0147】11)バネとボールで逆止弁手段を構成し
一方向流路機能を持たせたので、バネがボールを介して
クッションプランジャを押圧することで、クッションプ
ランジャがクッション穴に一度調芯された後は、その調
芯性が維持される。
【0148】12)油圧バランスを利用して逆止弁手段
を構成し一方向流路機能を持たせたので、部品点数が少
なくて済み、生産性が優れ、信頼性が高くなる。
【0149】13)クッションプランジャに傾斜溝を設
けたので、クッション特性を調整でき、特に、クッショ
ン穴への突入初期の絞り開口面積の変化を緩やかにで
き、突入初期のクッション性能が向上する。
【0150】14)ボトム側クッション装置にクッショ
ンリングを用い、調芯機能と一方向流路機能を合わせ持
つようにしたので、クッション穴への突入時クッション
穴に倣ってスムーズに進入すると共に、クッション穴か
らの抜け出し性能が良好となる。
【0151】15)フローティングタイプのクッション
リングを有するロッド側クッション装置を更に設けたの
で、ピストンロッドの伸長時にもストロークエンドでの
衝撃が緩和され、かつ調芯機能及び一方向流路機能が得
られる。
【0152】16)固定タイプのクッションリングを有
するロッド側クッション装置を更に設けたので、ピスト
ンロッドの伸長時にもストロークエンドでの衝撃が緩和
されると共に、ロッド側クッション装置に関しても部品
点数を減らせ、特に上記(9)との組み合わせではロッ
ド側とボトム側の両方のクッション部材がピストンと一
体化するので、最も部品点数が少なくて済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による油圧シリンダの
断面図である。
【図2】図1に示したピストン締結部分の正面図であ
る。
【図3】本発明の第2の実施形態による油圧シリンダの
要部の断面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態による油圧シリンダの
要部の断面図である。
【図5】本発明の第4の実施形態による油圧シリンダの
要部の断面図である。
【図6】本発明の第5の実施形態による油圧シリンダの
要部の断面図である。
【図7】本発明の第6の実施形態による油圧シリンダの
要部の断面図である。
【図8】本発明の第7の実施形態による油圧シリンダの
要部の断面図である。
【図9】本発明の第8の実施形態による油圧シリンダの
要部の断面図である。
【図10】本発明の第9の実施形態による油圧シリンダ
の要部の断面図である。
【図11】図10に示した油圧シリンダ要部のXI部分の
拡大図である。
【図12】図10に示した実施形態の変形例を示す、同
様な油圧シリンダの要部の断面図である。
【図13】本発明の第10の実施形態による油圧シリン
ダに用いるクッションプランジャの外観図であり、
(a)は傾斜溝を上方から見た図、(b)は傾斜溝を横
から見た図である。
【図14】本発明の第11の実施形態による油圧シリン
ダの要部の断面図である。
【図15】従来のクッション装置を備えた油圧シリンダ
の要部の断面図である。
【図16】従来の油圧シリンダのピストン締結構造を示
す断面図である。
【図17】ピストンロッドの雄ネジ部に作用する応力状
態を示す図である。
【符号の説明】
1 油圧シリンダ 2 シリンダ本体 3 ピストンロッド 4 ピストン 5 チューブ 6 ロッド側シリンダヘッド 7a,7b チャンバ 8,9 給排ポート 20 ピストンのロッド側の端面 21 凹所 22 ボルト 23 ピストンロッドの端面 24 ネジ穴 25 ボルト貫通穴 30 ロッド側クッションリング 40 ボトム側クッションプランジャ 40a フランジ部 40b 軸部 40d 球面部 40f 内径穴 40g 小穴 40i 小穴 40j 外周端面部分(逆止弁手段) 40k 内径凹所 40m 小穴 40n 長溝 40p 小穴 40q 傾斜溝 41 貫通穴 42 ざぐり穴 42a ざぐり穴底部 51 皿バネ(弾性手段) 53 コイルバネ(弾性手段) 55,56 球面凹部 60 ボール(逆止弁手段) 61 バネ(逆止弁手段) 70 軸部 71 段差面 72 クッションリング 72b 溝 73 フランジ部

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ピストンロッドの先端にピストンを締結
    し、このピストンでシリンダ本体内をロッド側のチャン
    バとボトム側のチャンバに区分する油圧シリンダにおい
    て、 前記ピストンロッドの先端の端面にピストンのロッド側
    の端面を少なくとも部分的に対面接触させた状態で、ピ
    ストンに開けられたボルト貫通穴からピストンロッドに
    設けられたネジ穴にボルトを差し込んで締め込み、この
    ボルトでピストンをピストンロッドに直接固定すると共
    に、前記ピストンのボトム側の端面より突出するようボ
    トム側クッション装置を設け、このボトム側クッション
    装置を前記ピストンロッドの収縮時、前記シリンダ本体
    のボトム側の作動油ポートにつながるクッション穴に突
    入させることを特徴とする油圧シリンダ。
  2. 【請求項2】請求項1記載の油圧シリンダにおいて、前
    記ボトム側クッション装置は、前記クッション穴への突
    入時に軸心を一致させる調芯機能を有することを特徴と
    する油圧シリンダ。
  3. 【請求項3】請求項1記載の油圧シリンダにおいて、前
    記ボトム側クッション装置は、前記クッション穴への突
    入時に軸心を一致させる調芯機能と、前記クッション穴
    に突入するときは前記ボトム側チャンバから前記作動油
    ポートへの圧油の流れを阻止し、前記クッション穴から
    抜け出るときは前記作動油ポートから前記ボトム側チャ
    ンバへの圧油の流れを許す一方向流路機能とを有するこ
    とを特徴とする油圧シリンダ。
  4. 【請求項4】請求項1記載の油圧シリンダにおいて、前
    記ボトム側クッション装置は、前記ピストンのボトム側
    の端面より突出し、前記ピストンロッドの収縮時に前記
    クッション穴に突入するクッションプランジャを有する
    ことを特徴とする油圧シリンダ。
  5. 【請求項5】請求項4記載の油圧シリンダにおいて、前
    記クッションプランジャは、前記ピストンロッドの端面
    と前記ピストンのロッド側の端面との間に位置する拡大
    基端部と、前記ピストンを貫通し前記ピストンのボトム
    側の端面より突出する軸部とを有し、前記ピストンを前
    記ボルトで前記ピストンロッドに固定すると同時に前記
    クッションプランジャの拡大基端部で前記クッションプ
    ランジャを保持しかつ前記クッションプランジャを径方
    向に移動可能又は傾動可能に取り付け、このクッション
    プランジャの径方向の移動又は傾動により前記クッショ
    ン穴への突入時に軸心を一致させる調芯機能を持たせた
    ことを特徴とする油圧シリンダ。
  6. 【請求項6】請求項5記載の油圧シリンダにおいて、前
    記クッションプランジャの拡大基端部は、前記クッショ
    ンプランジャの基端に設けたフランジ部であり、前記ピ
    ストンの中央に前記クッションプランジャの軸部が通る
    貫通穴と前記フランジ部を受けるざぐり穴を設け、前記
    フランジ部を前記ざぐり穴内で前記ピストンロッドの端
    面とざぐり穴の壁部との間に位置させると共に、前記貫
    通穴及びざぐり穴を前記クッションプランジャの軸部及
    びフランジ部に対し隙間を持つ大きさとし、前記クッシ
    ョンプランジャを径方向に移動可能としたことを特徴と
    する油圧シリンダ。
  7. 【請求項7】請求項6記載の油圧シリンダにおいて、前
    記クッションプランジャの基端のフランジ部と前記ピス
    トンロッドの端面又は前記ピストンのロッド側の端面と
    の間に弾性手段を挿入し、前記クッションプランジャの
    軸方向の移動を弾性的に拘束したことを特徴とする油圧
    シリンダ。
  8. 【請求項8】請求項5記載の油圧シリンダにおいて、前
    記クッションプランジャの拡大基端部は、前記クッショ
    ンプランジャの基端に設けた球面部であり、この球面部
    を前記ピストンロッドの端面と前記ピストンのロッド側
    の端面との間で球面接触するよう保持すると共に、前記
    ピストンの中央に前記クッションプランジャの軸部が通
    る貫通穴を設け、この貫通穴を前記クッションプランジ
    ャの軸部に対し隙間を持つ大きさとし、前記クッション
    プランジャを傾動可能にしたことを特徴とする油圧シリ
    ンダ。
  9. 【請求項9】請求項4記載の油圧シリンダにおいて、前
    記クッションプランジャは前記ピストンと一体化された
    固定タイプであることを特徴とする油圧シリンダ。
  10. 【請求項10】請求項5記載の油圧シリンダにおいて、
    前記クッションプランジャは、前記軸部の先端に開口し
    かつ前記軸部内に軸方向に形成された第1通路と、この
    第1通路を前記ボトム側チャンバに連通可能な第2通路
    と、前記第1通路と第2通路との間に設けられた逆止弁
    手段とを有し、これらの第1、第2通路及び逆止弁手段
    により前記クッションプランジャが前記クッション穴に
    突入するときは前記ボトム側チャンバから前記作動油ポ
    ートへの圧油の流れを阻止し、前記クッションプランジ
    ャが前記クッション穴から抜け出るときは前記作動油ポ
    ートから前記ボトム側チャンバへの圧油の流れを許す一
    方向流路機能を持たせたことを特徴とする油圧シリン
    ダ。
  11. 【請求項11】請求項10記載の油圧シリンダにおい
    て、前記第2通路は、前記クッションプランジャの前記
    拡大基端部側の端面に形成され、前記第1通路が開口す
    る内径穴と、この内径穴を前記ボトム側チャンバに連通
    する径方向の小穴とを有し、前記逆止弁手段は、前記内
    径穴内に配置され、前記第1通路の開口を開閉可能なボ
    ールと、前記内径穴内に配置され、前記ボールを前記第
    1通路の開口を閉じる方向に押圧するバネとを有するこ
    とを特徴とする油圧シリンダ。
  12. 【請求項12】請求項10記載の油圧シリンダにおい
    て、前記クッションプランジャの拡大基端部は、前記ク
    ッションプランジャの基端に設けられたフランジ部であ
    り、前記ピストンは、このピストンの前記ピストンロッ
    ド側の端面の中央部に、前記クッションプランジャの軸
    部が径方向の隙間を持って挿通される貫通穴と、前記フ
    ランジ部を前記ピストンロッドの端面との間に径方向及
    び軸方向の隙間を持って受けるざぐり穴とを有し、前記
    第2通路は、前記クッションプランジャの前記ピストン
    側端面に外周端面部分を残して形成され前記第1通路が
    開口する内径凹所と、前記フランジ部と前記ざぐり穴の
    壁部との間の径方向の隙間を前記ボトム側チャンバに連
    通する連絡通路とを有し、前記逆止弁手段は、前記フラ
    ンジ部の前記軸部側の径方向段差面及び前記クッション
    プランジャの前記ピストン側端面の外周端面部分と、こ
    の外周端面部分が接触する前記ピストンロッドのピスト
    ン側端面部分とを含み、前記内径凹所は、前記クッショ
    ンプランジャが前記クッション穴に突入するとき、前記
    径方向段差面に作用する軸方向の油圧力より前記外周端
    面部分に作用する軸方向の油圧力の方が小さくなるよう
    な大きさに設定されていることを特徴とする油圧シリン
    ダ。
  13. 【請求項13】請求項4〜12のいずれか1項記載の油
    圧シリンダにおいて、前記クッションプランジャの外周
    部にプランジャ先端に向けて幅広となる傾斜溝を形成し
    たことを特徴とする油圧シリンダ。
  14. 【請求項14】請求項1記載の油圧シリンダにおいて、
    前記ボトム側クッション装置は、前記ピストンのボトム
    側端面より突出した軸部と、この軸部に遊嵌され、径方
    向、軸方向に移動可能なフローティングタイプのクッシ
    ョンリングと、前記軸部の先端に設けられた係止プラグ
    とを有し、前記クッションリングにより、前記クッショ
    ン穴への突入時に軸心を一致させる調芯機能と、前記ク
    ッション穴に突入するときは前記ボトム側チャンバから
    前記作動油ポートへの圧油の流れを阻止し、前記クッシ
    ョン穴から抜け出るときは前記作動油ポートから前記ボ
    トム側チャンバへの圧油の流れを許す一方向流路機能と
    持たせたことを特徴とする油圧シリンダ。
  15. 【請求項15】請求項1〜14のいずれか1項記載の油
    圧シリンダにおいて、前記ピストンロッドのピストンに
    隣接した部分に遊嵌され、径方向、軸方向に移動可能な
    フローティングタイプのクッションリングを有し、この
    クッションリングが前記シリンダ本体のロッド側の作動
    油ポートに連絡するクッション穴に突入することで前記
    ピストンロッドの伸長時のストロークエンドでの衝撃を
    緩和するロッド側クッション装置を更に設けたことを特
    徴とする油圧シリンダ。
  16. 【請求項16】請求項1〜14のいずれか1項記載の油
    圧シリンダにおいて、前記ピストンと一体化された固定
    タイプのクッションリングを有し、このクッションリン
    グが前記シリンダ本体のロッド側の作動油ポートに連絡
    するクッション穴に突入することで前記ピストンロッド
    の伸長時のストロークエンドでの衝撃を緩和するロッド
    側クッション装置を更に設けたことを特徴とする油圧シ
    リンダ。
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