JP2000337315A - 油圧シリンダのクッション装置 - Google Patents

油圧シリンダのクッション装置

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JP2000337315A
JP2000337315A JP11152299A JP15229999A JP2000337315A JP 2000337315 A JP2000337315 A JP 2000337315A JP 11152299 A JP11152299 A JP 11152299A JP 15229999 A JP15229999 A JP 15229999A JP 2000337315 A JP2000337315 A JP 2000337315A
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JP
Japan
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ring
cushion
piston
piston rod
rod
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JP11152299A
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Tomohiko Yasuoka
友彦 安岡
Akinori Ro
明徳 盧
Mitsuhiro Yoshimoto
光宏 吉本
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フローティングタイプのクッションリングを備
えた油圧シリンダのクッション装置において、ピストン
ロッドのクッションリング停止構成を変更することでピ
ストン締結部分の強化を図り、耐久性を向上する。 【解決手段】ピストンロッド3の先端部に環状の取付溝
3bが形成され、取付溝3bにリング状の停止部材29
が装着され、停止部材29とピストン挿入部3fとの間
にピストンロッド本体と同径のリング挿入部3aを設
け、リング挿入部3aにクッションリング30が遊嵌さ
れる。ピストンロッド3が伸長してクッションリング3
0がクッション孔31内に入り込むとロッド室7a側の
戻り油の流路32が絞られ、クッション作用を発揮す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建設機械の油圧ア
クチュエータ等に用いられる油圧シリンダに設けられ、
シリンダ伸び方向のストロークエンド近傍での衝撃を緩
和するクッション装置に係わり、特に調芯作用と一方向
流路機能を有するフローティングタイプのクッションリ
ングを備えた油圧シリンダのクッション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】建設機械、例えば油圧ショベルの油圧ア
クチュエータとして用いられる油圧シリンダは、ピスト
ンロッドに連結して設けたピストンをシリンダ本体内で
摺動させるように構成されており、シリンダ本体の内部
はピストンによりロッド側のシリンダ室(以下適宜ロッ
ド室という)とボトム側のシリンダ室(以下適宜ボトム
室という)の2つの室に区分されている。この油圧シリ
ンダは、ピストンロッドの先端部とシリンダ本体のボト
ム側端部とをそれぞれ所定の部材間に枢着して取り付け
られ、ボトム室側に圧油を供給し、ロッド室側をタンク
に連通させると、ピストンロッドは伸長し、逆にロッド
室側に圧油を供給して、ボトム室側をタンクに接続する
と、ピストンロッドが収縮する。油圧シリンダにおける
ピストンロッドとシリンダとの間に大きな荷重が作用し
ている状態で、伸長又は収縮方向に作動させると、その
ストロークエンドで大きな衝撃が加わる。このため、大
きな負荷が作用する油圧シリンダには、そのピストンロ
ッドのストロークエンド近傍での衝撃を緩和するための
クッション装置が設けられている。
【0003】クッション装置は、シリンダにおけるロッ
ド室なりボトム室なりからの作動油の排出流路を絞るこ
とによって、これらの室内に背圧を立たせてクッション
作用を得るのが一般的である。例えば、ピストンロッド
の伸長側で作動するクッション装置は、ピストンロッド
に所定の外径を有するクッションリングを設け、ロッド
室エンド付近にはクッションリングに対する挿入孔(以
下、クッション孔という)を形成し、ストロークエンド
近傍でクッションリングをクッション孔に嵌入させ戻り
油の流路を絞ることによりロッド室内に背圧を発生させ
クッション作用を得る。
【0004】ところで、クッション装置としては、クッ
ションリングをピストンロッドに固定し固定タイプとし
たものと、クッションリングをピストンロッドのリング
挿入部に遊嵌し、調芯作用と一方向流路機能を得るフロ
ーティングタイプとしたものとがある。
【0005】図11に従来のフローティングタイプのク
ッションリングを備えたクッション装置を示す。図11
において、油圧シリンダは、シリンダ本体102と、シ
リンダ本体102内を移動するピストンロッド103
と、ピストンロッド103の先端に設けられ、シリンダ
本体102内をロッド室107aとボトム室107bに
区切るピストン104とを有している。ピストンロッド
103の先端部には段差面103eを介してピストン挿
入部103fが設けられ、ピストン挿入部103fは基
端部分のピストン取付部103f1と先端部分の雄ネジ
部103gを形成したナット締結部103f2とを有
し、ピストン104をピストン挿入部103fのピスト
ン取付部103f1に挿入し、ピストン104が段差面
103eに当接するようナット112をナット締結部1
03f2の雄ネジ部103gに締め込むことでピストン
104は固定され、ピストンロッド103に締結されて
いる。
【0006】また、ピストンロッドの伸長方向のストロ
ークエンドでの衝撃を緩和するロッド側のクッション装
置として、ピストンロッド103のロッド本体とピスト
ン挿入部103fとの間にリング挿入部103aが設け
られ、このリング挿入部103aにロッド側のクッショ
ンリング130が軸方向及び径方向に移動可能に遊嵌さ
れている。
【0007】クッションリング130は、その内径がリ
ング挿入部103aの外径より所定の寸法だけ大きく、
かつ軸線方向の長さはリング挿入部103aより所定の
寸法だけ短いものとなっている。これによって、クッシ
ョンリング130とリング挿入部103aとの間には環
状隙間130cが形成され、またクッションリング13
0はピストン104の端面に当接する状態と段差面10
3bに当接する状態となるように、制限された範囲で移
動可能となっている。
【0008】一方、図12に示すように、シリンダ本体
102の一端のヘッドカバー102bには給排ポート1
08が形成され、かつヘッドカバー102bの内端部分
にはクッションリング130が進入するクッション孔1
31が形成され、ピストンロッド103が伸長して、ク
ッションリング130がこのクッション孔131に入り
込むとロッド室107a側の戻り油の流路112が絞ら
れ、その結果ロッド室107a内に背圧が生じ、この背
圧によってピストンロッド103の伸長方向におけるク
ッション作用を発揮する。
【0009】クッションリング130は、給排ポート1
08とロッド室107aとの差圧に基づいて移動するも
のであり、ロッド室107a内が高圧になるとクッショ
ンリング130は段差面103bに当接し、逆に給排ポ
ート108側が高圧になると、クッションリング130
はピストン104の端面に当接し、クッションリング1
30の内周面とピストンロッド103のリング挿入部1
03aの外周面との間の環状隙間130cを一方向流路
として機能させる。
【0010】即ち、クッションリング130が段差面1
03bに当接する際(ピストンロッド103が伸長方向
のストロークエンド近傍に至った時)には前記環状隙間
130cを流路として機能させず、クッションリング1
30がピストン104に当接する際(ピストンロッド1
03の収縮方向のストローク開始時)にはこの環状隙間
130cを給排ポート108側からロッド室107a側
に作動油を流す流路として機能させる。このように、環
状隙間130cを一方向流路として機能させるために、
クッションリング130のピストン104に対面する側
の端面には厚み方向に貫通する複数の凹溝130aが形
成されている。更に、クッションリング130がクッシ
ョン孔131内に進入する際に、円滑かつ確実にクッシ
ョン孔131に入り込むようにするために、クッション
リング130の段差面103b側の端部に呼び込みテー
パ部130bが形成されている。
【0011】従って、ピストンロッド103が収縮状態
にある時、ボトム室107b側の給排ポート(図示せ
ず)を油圧ポンプ等の油圧源に接続し、ロッド室107
a側の給排ポート108をタンクに接続すると、ボトム
室107bが高圧になり、ロッド室107aが低圧にな
るから、ピストンロッド103が伸長する。この時、ピ
ストンロッド103に伸長方向に対向して大きな負荷が
作用していると、その負荷に打ち勝ってピストンロッド
を伸長させようとするため、ボトム室107bの圧力は
更に高圧となり、ボトム室107bとロッド室107a
との間の差圧が極めて大きくなる。
【0012】ピストンロッド103がストロークエンド
近傍に至ると、図12に示すように、クッションリング
130がクッション孔131内に進入してクッション行
程に入り、戻り油の流路132が絞られる。この結果、
ロッド室107a側に背圧が発生するから、ピストン1
04の両端面に作用するボトム室107bの圧力とロッ
ド室107a側の圧力との差が減少して動きが減速され
る。この時、ロッド室107a内は給排ポート108よ
り圧力が高いから、で示すこの圧力の作用でクッショ
ンリング130が段差面103bに圧接されて上記一方
向流路が閉鎖される結果、戻り油はクッションリング1
30の外径側の環状隙間130eからしか流れないの
で、ロッド室107a側が更に高圧になり、しかもクッ
ションリング130のクッション孔131内への進入度
合いに応じて環状隙間130eの長さが長くなるから、
ストロークエンドに近づくと、ロッド室107a内の背
圧が更に増大して、ストロークエンドで円滑に停止する
ことになり、衝撃が著しく緩和される。
【0013】また、クッションリング130はピストン
ロッド103のリング挿入部103aに遊嵌されている
ことから、このクッションリング130がクッション孔
131内に入り込むと、クッション穴131に対しピス
トンロッド103全体又はそのリング挿入部103aに
多少軸心のズレがあっても、クッションリング130は
そのテーパ部130bからクッション孔131に倣うよ
うに移動する。従って、クッションリング130の外径
寸法とクッション孔131の穴径との寸法差を極小さな
ものとし、環状隙間130eの流路断面積を極めて小さ
くしより大きなクッション作用を発揮するようにして
も、クッションリング130はクッション孔131と金
属接触してカジリやフレッティング等が発生するおそれ
はなく、その間が損傷したり、また摩耗粉が発生したり
するおそれはない。
【0014】一方、ピストンロッド103をそのストロ
ークエンドから収縮させるためにロッド室107a側の
給排ポート108に圧油を供給すると、図13に示すよ
うに、この給排ポート108から供給される圧油の圧力
の作用でクッションリング130が押動されて段差面1
03bから離間し、ピストン104に当接する。この結
果、クッションリング130の外径側の環状隙間130
eの流路に加えて、クッションリング130とリング挿
入部103aとの間の環状隙間130c及びクッション
リング130とピストン104との間の凹溝130aを
含む一方向流路が形成されるから、流路断面積が増大し
てピストンロッド103は円滑かつ迅速に伸長し、クッ
ションリング130がクッション流路から抜け出す際の
騒音もなくなる。
【0015】以上のようなフローティング型クッション
装置を開示する公知例としては、例えば実公平7−16
888号公報がある。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】以上のように従来のフ
ローティングタイプのクッションリング130を備えた
クッション装置によれば、ピストンロッド103の伸長
時には戻り油の流路112を絞ることができ、有効なク
ッション作用を発揮させることができ、また、ピストン
ロッド103の伸長方向のストロークエンドから縮小動
作に入る時には、伸長時の流路より大きな流路が確保さ
れることから、この方向への動きも円滑に行うことがで
き、かつ騒音の低減も図れる。しかし、従来技術の構成
には、なお以下の問題点がある。
【0017】そもそも、ピストンロッド103の伸長方
向でのストロークエンド付近でロッド室107aに背圧
が発生すると、ピストン104の端面にその背圧(クッ
ション圧)が作用する。このピストン端面に作用した圧
力はその受圧面積と圧力の積で示す負荷力となってナッ
ト112に伝達し、ピストン挿入部103fのピストン
取付部103f1及び雄ネジ部103gを備えたナット
締結部103f2に引張力として作用する。
【0018】従って、ロッド室107aに高圧の背圧が
発生すると、ピストン挿入部103fのピストン取付部
103f1及びナット締結部103f2に引張力として
過大な荷重が作用し、油圧シリンダの繰り返しの使用に
より同部が折損する可能性がある。
【0019】確かに、ストロークエンド付近での衝撃を
緩和するためにロッド室107aに背圧を発生させるこ
とは必要不可欠である。しかし、ピストンロッド103
のロッド本体の外径に対してリング挿入部103a、ピ
ストン挿入部103fのピストン取付部103f1及び
ナット締結部103f2と順次小径にせざるを得ない構
成となっているため、同部の強度の確保が要求される。
【0020】また、ピストンロッド103のピストン挿
入部103fをリング挿入部103aより小径にする必
要がなく、ピストン104をピストンロッド103に締
結できるピストン締結構造として、本願出願人は、特願
平10−149467号の先願発明にてボルトを用いた
ピストン締結構造を提案した。この提案構造では、ピス
トンロッドの先端の端面にピストンのロッド側の端面を
少なくとも部分的に対面接触した状態で、ピストンに開
けられたボルト貫通穴からピストンロッドに設けられた
ネジ穴にボルトを差し込んで締め込み、ピストンをピス
トンロッドにボルト締結するものである。この構造によ
れば、ピストン挿入部はリング挿入部と同径にできるの
で、その分、クッション作用時にピストン端面の背圧
(クッション圧)の受圧面積は減り、ピストンに作用す
る負荷力が小さくなる。また、ピストン挿入部はリング
挿入部と同径にできるのでピストン挿入部自体の強度も
増し、かつピストン挿入部に最も破損し易い雄ネジ部が
なくなるので、その点でも強度を確保しやすい。
【0021】しかし、この先願発明のピストン締結構造
は、ピストン端面に作用する背圧(クッション圧)を引
張力の形でボルトにて受ける構造であり、ピストン締結
部分の強度を確保するためには、できるだけ大径のボル
トを使用することが望ましい。しかし、ピストン挿入部
で使用可能なボルト径はボルトの配置面積であるピスト
ン挿入部の断面積、即ちリング挿入部の断面積で決ま
り、その断面積に配置可能なボルト径以上に大径のボル
トは使用できない。
【0022】本発明は以上の問題点に着目してなされた
ものであって、その目的は、フローティングタイプのク
ッションリングを備えた油圧シリンダのクッション装置
において、ピストンロッドのクッションリング停止構成
を変更することでピストン締結部分の強化を図り、耐久
性を向上した油圧シリンダのクッション装置を提供する
ことである。
【0023】
【課題を解決するための手段】(1)上記目的を達成す
るために、本発明は、ピストンロッドにピストンを締結
し、このピストンをシリンダ本体内に摺動可能に挿入し
てシリンダ本体内をロッド側のシリンダ室とボトム側の
シリンダ室の2室に区分した油圧シリンダに対し、前記
ピストンロッドのロッド本体とピストン締結部の間に両
端に径方向停止面を備えたリング挿入部と、このリング
挿入部に両側の端面が前記径方向停止面に向き合うよう
遊嵌されたクッションリングとを設け、ピストンロッド
の伸び作動時のストロークエンド近傍で、前記クッショ
ンリングがシリンダ本体に設けられたクッション孔に進
入すると、前記クッションリングの先端側の端面がこれ
に向き合う径方向停止面に当接して前記クッションリン
グの内周面と前記リング挿入部の外周面との間の環状隙
間を閉鎖し、かつ前記クッションリングにより排出側と
なるシリンダ室からの戻り油の流路を絞ることでストロ
ークエンドでの衝撃を緩和する油圧シリンダのクッショ
ン装置において、前記リング挿入部と前記ピストンロッ
ドのロッド本体との間に環状の取付溝を形成し、この取
付溝にリング状の停止部材を装着し、この停止部材の端
面で前記クッションリングの先端側の端面が当接する径
方向停止面を形成したものとする。
【0024】このようにピストンロッドのリング挿入部
とロッド本体との間に取付溝を形成し、この取付溝にリ
ング状の停止部材を装着し径方向停止面の1つとするこ
とにより、リング挿入部をピストンロッド外径よりも小
径とすることが回避できるため、例えばリング挿入部を
ピストンロッド外径と同径にでき、かつピストン締結部
分もこのリング挿入部の外径に合わせて大径にできる。
このため、クッション背圧による引張力に対してピスト
ン締結部分の強化が図れ、耐久性を向上できる。
【0025】また、特願平10−149467号の先願
発明によるボルトを用いたピストン締結構造を有する油
圧シリンダのクッション装置においては、リング挿入部
を大径にできるので、ボルトがねじ込まれるロッド先端
の断面積を拡大でき、大径のボルトが使用でき強化が図
れる。
【0026】(2)また、上記目的を達成するために、
本発明は、ピストンロッドにピストンを締結し、このピ
ストンをシリンダ本体内に摺動可能に挿入してシリンダ
本体内をロッド側のシリンダ室とボトム側のシリンダ室
の2室に区分すると共に、前記ピストンロッドの先端の
端面に前記ピストンのロッド側の端面を少なくとも部分
的に対面接触した状態で、ピストンに開けられたボルト
貫通穴からピストンロッドに設けられたネジ穴にボルト
を差し込んで締め込み、ピストンをピストンロッドに締
結した油圧シリンダに対し、前記ピストンロッドのロッ
ド本体とピストン締結部の間に両端に径方向停止面を備
えたリング挿入部と、このリング挿入部に両側の端面が
前記径方向停止面に向き合うよう遊嵌されたクッション
リングとを設け、ピストンロッドの伸び作動時のストロ
ークエンド近傍で、前記クッションリングがシリンダ本
体に設けられたクッション孔に進入すると、前記クッシ
ョンリングの先端側の端面がこれに向き合う径方向停止
面に当接して前記クッションリングの内周面と前記リン
グ挿入部の外周面との間の環状隙間を閉鎖し、かつ前記
クッションリングにより排出側となるシリンダ室からの
戻り油の流路を絞ることでストロークエンドでの衝撃を
緩和する油圧シリンダのクッション装置において、前記
リング挿入部と前記ピストンロッドのロッド本体との間
に環状の取付溝を形成し、この取付溝にリング状の停止
部材を装着し、この停止部材の端面で前記クッションリ
ングの先端側の端面が当接する径方向停止面を形成した
ものとする。
【0027】これによりボルトを用いたピストン締結構
造を有する油圧シリンダのクッション装置において、上
記(1)で述べたようにリング挿入部を大径にでき、ボ
ルトがねじ込まれるロッド先端の断面積を拡大できるの
で、大径のボルトが使用でき強化が図れる。
【0028】(3)上記(1)又は(2)において、好
ましくは、前記リング挿入部は前記ピストンロッドの一
部で構成され、前記取付溝はピストンロッドに形成され
た環状の切削溝である。
【0029】これによりピストンロッドに環状の溝を切
削することにより取付溝を形成できる。
【0030】(4)また、上記(1)又は(2)におい
て、好ましくは、前記リング挿入部は前記ピストンのロ
ッド側端面部分を軸方向に延長した円筒部であり、前記
取付溝は、前記ピストンロッドの先端の外周端面部分と
前記ピストンの円筒部の先端付近の径方向段差面との間
に設けられた隙間である。
【0031】これによりピストンロッド側の端面とピス
トン側の段差面との隙間で取付溝を形成できる。
【0032】(5)更に、上記(1)又は(2)におい
て、好ましくは、前記クッションリングは先端側端面の
内周部分に内径段差部を形成し、この内径段差部内に前
記停止部材を内包する構成とする。
【0033】これにより停止部材が取付溝から脱落する
ことが防止できる。
【0034】(6)また、上記(1)〜(5)におい
て、前記停止部材は、周方向の一箇所に切れ目を入れた
リング状の部材である。
【0035】これにより停止部材のリングを広げること
で停止部材を取付溝に容易に装着することができる。
【0036】(7)更に、上記(1)〜(5)におい
て、前記停止部材は、複数のリングセグメントからなる
分割型である。
【0037】これにより停止部材を取付溝に効率良く装
着できる。
【0038】(8)また、上記(1)〜(5)におい
て、前記停止部材は、切欠きのない完全なリング状であ
る。
【0039】これにより停止部材の使用中の取付強度が
アップし、減速機能の安定及び一層の耐久性の向上が図
れる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。
【0041】まず、本発明の第1の実施形態を図1〜図
3により説明する。
【0042】図1において、1は油圧シリンダであり、
この油圧シリンダ1は、シリンダ本体2、ピストンロッ
ド3、ピストン4を有し、シリンダ本体2は、一端5a
側が閉塞し他端5b側が開口した円筒形のチューブ5
と、このチューブ5の開口端部5bに固着して設けられ
たヘッドカバー6とで構成されている。ピストンロッド
3はヘッドカバー6を貫通してチューブ5の内外に伸び
ており、シリンダ本体2内に位置するピストンロッド3
の先端にはピストン4が締結されている。ピストン4は
チューブ5内を摺動可能でありかつシリンダ本体2の内
部をロッド側のシリンダ室(以下、ロッド室という)7
aとボトム側のシリンダ室(以下、ボトム室という)7
bの2室に区分している。ピストン4の外周にはシール
リング13、ウエアリング14a,14b、コンタミシ
ール15a,15bが設けられている。ヘッドカバー6
にはロッド室7aに対する作動油の給排ポート8が設け
られ、チューブ5の閉塞端部5aにはボトム室7bに対
する作動油の給排ポート9が設けられている。
【0043】給排ポート9よりボトム室7bに圧油を供
給し、ロッド室7aに通じる給排ポート8をタンクに接
続すると、ピストン4が図示左方のヘッドカバー6側に
摺動変位してピストンロッド3をシリンダ本体3から突
出するよう移動し、油圧シリンダ1が伸長する。また、
給排ポート8を介してロッド室7aに圧油を供給し、ボ
トム室7bに通じる給排ポート9をタンクに接続する
と、ピストン4が図示右方のチューブ5の閉塞端部5a
側に摺動変位してピストンロッド3をシリンダ本体2内
に引き込むよう移動し、油圧シリンダ1が収縮する。従
って、シリンダ本体2のチューブ閉塞端部5aに設けた
取付部10とピストンロッド3の外側の先端に設けた取
付部11の一方を固定側部材に枢着し、他方を可動側部
材に枢着することにより当該動側部材を駆動することが
できる。
【0044】次に、本発明のクッション装置をピストン
締結構造と共に説明する。
【0045】ピストンロッド3の先端部にはピストンロ
ッド3のロッド本体と同径のリング挿入部3aが設けら
れ、ピストンロッド3のリング挿入部3aの更に先端側
には径方向段差面3eを介してリング挿入部3aより小
径のピストン挿入部3fが設けられ、ピストン挿入部3
fは基端部分のピストン取付部3f1と先端部分の雄ネ
ジ部3gを形成したナット締結部3f2とを有し、ピス
トン4をピストン挿入部3fのピストン取付部3f1に
挿入し、ピストン4が段差面3eに当接するようナット
12をナット締結部3f2の雄ネジ部3gに締め込むこ
とでピストン4はピストンロッド3に締結される。
【0046】また、ピストンロッドの伸長方向のストロ
ークエンドでの衝撃を緩和するロッド側のクッション装
置として、ピストンロッド3の先端部に環状の取付溝3
bが形成され、当該取付溝3bにリング状の停止部材2
9が装着され、その停止部材29とピストン挿入部3f
との間に上記のリング挿入部3aが設けられている。こ
こで、取付溝3bは切削溝であり、リング挿入部3aは
ピストンロッド3の一部として形成される。リング挿入
部3aには径方向及び軸方向に移動可能にロッド側のク
ッションリング30が遊嵌されている。また、シリンダ
本体2の一端のヘッドカバー6の内端部分6aにはクッ
ションリング30が進入するクッション孔31が形成さ
れ、このクッション孔31の内周面により給排ポート8
に通じる流路32が形成されており、ピストンロッド3
が伸長して、クッションリング30がクッション孔31
内に入り込むとロッド室7a側の戻り油の流路32が絞
られ、その結果ロッド室7a内に背圧が生じ、この背圧
によってピストンロッド3の伸長方向におけるクッショ
ン作用を発揮する。
【0047】停止部材29は、図2に示すように、端面
矩形のリングの周方向の一箇所に切欠き29aを設けた
形状をしており、治具を用いて停止部材29を広げるこ
とでピストン挿入部3f側からリング挿入部3aに挿入
し、容易に取付溝3bに装着することができる。
【0048】クッションリング30は、図2に拡大して
示すように、両側の端面が停止部材29及びピストン4
の端面(以下、ピストン端面という)4aに向き合うよ
うリング挿入部3aに遊嵌されており、クッションリン
グ30とリング挿入部3aとの間には環状隙間30cが
形成されている。また、クッションリング30がクッシ
ョン孔33内に進入する際に、円滑かつ確実にクッショ
ン孔33に入り込むように、クッションリング30の径
方向段差面3b側の端部に呼び込みテーパ部30bが形
成されている。
【0049】一方、クッションリング30のピストン端
面4a側の端面には、クッションリング30の外周面側
から内周面側に開口する複数の連通用の凹溝30dが形
成され、クッションリング30の軸線方向の長さはリン
グ挿入部3aより僅かに所定の寸法だけ短くされてい
る。
【0050】ここで、クッション孔33の内周面とクッ
ションリング30の外周面の環状隙間30eの寸法を
A、クッションリング30の内周面とピストンロッド3
のリング挿入部3aの外周面の環状隙間30cの寸法を
Bとすると、A<Bなる寸法関係となっている。そし
て、環状隙間30eの寸法Aによりクッション作用を行
う時の絞り流路の流路断面積が設定される。従って、よ
り有効にクッション作用を発揮するには、その環状隙間
30eの寸法Aをできるだけ小さくする。
【0051】以上のように構成することによって、ピス
トンロッド3の伸長時のストロークエンド近傍でクッシ
ョン作用を発揮させることができる。
【0052】クッションリング30のクッション作用に
ついては従来例と同様である。ただし、ピストンロッド
の伸長時、ピストン端面4a側からクッションリング3
0に作用するクッション圧力に対しては、従来例におい
てはピストンロッドの段差面103b(図11参照)が
支持する構成であるが、本実施形態においては停止部材
29が支持する構成である。
【0053】即ち、ピストンロッド3が収縮状態にある
時、ボトム室7b側の給排ポート9を油圧ポンプ等の油
圧源に接続し、ロッド室7a側の給排ポート8をタンク
に接続すると、ボトム室7bが高圧になり、ロッド室7
aが低圧になるから、ピストンロッド3が伸長する。こ
の時、ピストンロッド3に伸長方向に対向して大きな負
荷が作用していると、その負荷に打ち勝ってピストンロ
ッドを伸長させようとするため、ボトム室7bの圧力は
更に高圧となり、ボトム室7bとロッド室7aとの間の
差圧が極めて大きくなる。
【0054】ピストンロッド3がストロークエンド近傍
に至ると、図2に示すように、クッションリング30が
クッション孔31内に進入してクッション行程に入り、
戻り油の流路32が絞られる。この結果、ロッド室7a
側に背圧が発生するから、ピストン4の両端面に作用す
るボトム室7bの圧力とロッド室7a側の圧力との差が
減少して動きが減速される。この時、ロッド室7a内は
給排ポート8より圧力が高いから、ロッド室7aの圧力
(背圧)の作用でクッションリング30が停止部材29
の端面に圧接されてクッションリング30とリング挿入
部3aとの間の環状隙間30cによる流路が閉鎖される
結果(一方向流路機能)、戻り油はクッションリング3
0の外径側の環状隙間30eからしか流れないので、ロ
ッド室7a側が更に高圧になり、しかもクッションリン
グ30のクッション孔31内への進入度合いに応じて環
状隙間30eの長さが長くなるから、ストロークエンド
に近づくと、ロッド室7a内の背圧が更に増大して、ス
トロークエンドで円滑に停止することになり、衝撃が著
しく緩和される。
【0055】また、クッションリング30はピストンロ
ッド3のリング挿入部3aに遊嵌されていることから、
このクッションリング30がクッション孔31内に入り
込むと、クッション穴31に対しピストンロッド3全体
又はそのリング挿入部3aに多少軸心のズレがあって
も、クッションリング30はそのテーパ部30bからク
ッション孔31に倣うように移動する(調芯機能)。従
って、クッションリング30の外径寸法とクッション孔
31の穴径との寸法差を極小さなものとし、環状隙間3
0eの流路断面積を極めて小さくしより大きなクッショ
ン作用を発揮するようにしても、クッションリング30
はクッション孔31と金属接触してカジリやフレッティ
ング等が発生するおそれはなく、その間が損傷したり、
また摩耗粉が発生したりするおそれはない。
【0056】一方、ピストンロッド3をそのストローク
エンドから収縮させるためにロッド室7a側の給排ポー
ト8に圧油を供給すると、この給排ポート8から供給さ
れる圧油の圧力の作用でクッションリング30が押動さ
れて停止部材29の端面から離間し、ピストン端面4a
に当接する。この結果、クッションリング30の外径側
の環状隙間30eの流路に加えて、クッションリング3
0とリング挿入部3aとの間の環状隙間30c及びクッ
ションリング30とピストン端面4aとの間の凹溝30
aを含む一方向流路が形成されるから、流路断面積が増
大してピストンロッド3は円滑かつ迅速に伸長し、クッ
ションリング30がクッション流路から抜け出す際の騒
音もなくなる。
【0057】ここで、図11〜図13に示した従来のク
ッション装置においては、伸長方向のストロークエンド
近傍にあるとき、クッションリング130の後端側の端
面に作用するクッション圧力で図中左方向に押圧される
クッションリング130を受ける径方向停止面として、
ピストンロッドに径方向段差面103bを設けている。
この段差面103bを確保するためには、リング挿入部
103aはピストンロッド103のロッド本体の外形寸
法より一段小径にすることが必要不可欠となる。更に、
ピストン取付用の段差面103eの面圧を確保するため
に、ピストン挿入部103fの外形寸法はリング挿入部
103aの外形寸法を基準として設定されるためより小
径となる。
【0058】このような従来のピストン締結構造では、
クッション作用時にクッション圧力がピストン端面4a
に作用すると、このピストン端面4aに作用した圧力は
その受圧面積と圧力の積で示す負荷力となってナット1
12に伝達し、ピストン挿入部103fのピストン取付
部103f1及び雄ネジ部103gを備えたナット締結
部103f2に引張力として作用する。
【0059】このようにクッション圧が作用すると、
リング挿入部103aが小径となったことによりピスト
ン端面の受圧面積(チューブ内径−リング挿入部の外
径)が増大することに加えて、ピストン4を支持する
ピストン挿入部103fのピストン取付部103f1及
びナット締結部103f2が小径となり、最悪の場合は
同部の折損に至らしめ、寿命を低下させる。
【0060】これに対し、本実施形態では、クッション
圧力で図中左方向に押圧されるクッションリング30を
受ける径方向停止面として、取付溝に停止部材29を装
着している。このため上記のようにリング挿入部3aの
外形寸法はピストンロッド3と同一径であり、ピスト
ン端面4aの受圧面積(チューブ5内径−リング挿入部
3fの外径)を減少させ、荷重の軽減が図れると同時
に、ピストン挿入部103fのピストン取付部103
f1及びナット締結部103f2の外形寸法を拡大でき
るため、同部の強化が図れ、耐久性を向上できる。
【0061】本発明の第2の実施形態を図4〜図6によ
り説明する。図4中、図1及び図2に示す部材と同等の
ものには同じ符号を付している。本実施形態は、ピスト
ンをピストンロッドにボルト締結する先願発明のピスト
ン締結構造を有する油圧シリンダのロッド側クッション
装置に本発明を適用した例である。
【0062】図4において、ピストンロッド3Aの先端
部分にはロッド本体と同径のクッションリング挿入部3
Aaが設けられ、クッションリング挿入部3Aaの延長
部分であるピストンロッド3Aの先端部分にピストン4
Aが挿入される。ピストン4Aのピストンロッド3A側
の端面20には軸方向のインローの嵌め合い部として凹
所21が形成され、この凹所21にピストンロッド3A
の先端部分がインローにて嵌入される。
【0063】また、ピストンロッド3Aの先端部分の端
面23に軸方向のネジ穴24が開けられ、ピストン4A
の端面に軸方向のボルト貫通穴25が開けられ、ピスト
ンロッド先端部分の端面23をピストン4Aの凹所21
の底面26に密着した状態で、ボルト貫通穴25からネ
ジ穴24にボルト22を差し込んでボルト22を締め込
むことで、ピストン4Aはピストンロッド3Aに締結さ
れている。ボルト22の数は適当数でよいが、本実施形
態では6本である。
【0064】本実施形態のピストン締結構造では、ボル
ト22で直接ピストン4Aをピストンロッド3Aに締結
するため、ピストン4Aにかかるロッド室7aの圧力に
よる力は複数のボルト22で受けることとなる。このと
き、ボルト22には引張応力が作用するが、ボルト22
は既製の材質で強度は十分であり、ピストンロッド3A
のネジ穴24のネジ部は雌ネジであるので、通常のロッ
ド材質で強度的に問題とならない。
【0065】また、ピストンロッド3Aのロッド本体と
リング挿入部3Aaとの間に取付溝3bが形成され、当
該取付溝3bにリング状の停止部材29が装着され、リ
ング挿入部3Aaには径方向及び軸方向に移動可能にク
ッションリング30が遊嵌されている。
【0066】本実施形態においては、第1の実施形態と
異なり、ピストン端面に作用するクッション圧力はボル
ト22が受ける構造であるが、停止部材29を使用する
ことによりピストンロッド自体を小径にし径方向段差面
を設ける必要がないので、リング挿入部3Aaの径を拡
大でき、ボルト22がねじ込まれるロッド先端の断面積
も拡大することから、複数のボルト22の配置面積が拡
大され、大径のボルトが使用でき強化が図れる。
【0067】図5に実際の設計例による実寸法を示す。
図5(a)は本発明の停止面構造を採用した上記実施形
態による場合の設計例の実寸法を示し、図5(b)は特
願平10−149467号の先願発明による、クッショ
ンリングの停止面構造は従来通りとした場合の設計例の
実寸法を示す。
【0068】図6に、図5(b)の先願発明のシリンダ
装置の要部を示す。図中、図4に示した部分と同等のも
のには、それらに付した符号を200番台の数字に変え
て示している。
【0069】図6において、ピストンロッド203の先
端部分にはロッド本体より小径のリング挿入部203a
が設けられ、リング挿入部203aには軸方向及び径方
向に移動可能にクッションリング230が遊嵌されてい
る。また、ロッド本体に対しリング挿入部203aを小
径にすることにより径方向段差面203bが形成され、
クッションリング230の先端側の端面が当接する停止
面を提供している。
【0070】クッションリング挿入部203aの延長部
分の先端部分にはピストン204が挿入され、ボルト2
22により締結されている。この締結構造は図4に示し
たものと同じである。
【0071】図6に示した先願発明のクッションリング
の停止面構造では、リング挿入部203aがロッド本体
より小径であり、ボルト222の配置面積はこの小径の
リング挿入部203aの断面積に制限され、使用可能な
ボルト222のサイズもそれに応じて制限される。この
ため、図5(b)の設計例では、6本のボルトを環状に
配置する場合、そのボルトピッチ径は62mmであり、
使用可能なボルトサイズはシャフト径が直径20mmの
M20であった。
【0072】これに対し、本実施形態では、上記のよう
にリング挿入部3Aaの径を拡大でき、ボルト22の配
置面積が拡大するため、図6(a)の設計例では、6本
のボルトを環状に配置する場合、そのボルトピッチ径は
62mmから67mmに拡大でき、ボルトサイズはM2
0からシャフト径が直径22mmであるM22へと一サ
イズ大きくできる。このため、ピストン締結部分の更な
る強度の確保が図れる。
【0073】本発明の第3の実施形態を図7及び図8に
より説明する。図中、図1及び図4に示す部材と同等の
ものには同じ符号を付している。本実施形態は、ピスト
ンロッド側の端面とピストン側の段差面との隙間で取付
溝を形成し、かつリング挿入部をピストン側に設けたも
のである。
【0074】図7において、ピストンロッド3Bの先端
部の端面に軸方向の凹所40が形成され、ピストン4B
のロッド側端面部分の中央部を延長して軸方向の円筒部
41が形成され、この円筒部41の先端に小径段差部4
2が形成され、円筒部41の小径段差部42以外の部分
にリング挿入部43が形成される。ピストンロッド3B
の凹所40とピストン円筒部41の小径段差部42はイ
ンローの嵌め合い部として構成され、凹所40に小径段
差部42をインローにて嵌入し、凹所30の底面44に
小径段差部42の端面45を密着させ、この状態で第2
の実施形態と同様にボルト22Bをネジ穴24B及びボ
ルト貫通穴25Bに差し込んで締め付け、ピストン4B
をピストンロッド3Bに締結する。ピストン4Bのボト
ム室7b側の端面にはボルト22Bのヘッドに対するざ
ぐり穴が設けられ、ボルト22Bのヘッドはピストン端
面下に埋没している。
【0075】ピストンロッド3Bの凹所40とインロー
に嵌め合うピストン円筒部41の小径段差部42は、凹
所40の深さよりも所定量長く形成され、ピストンロッ
ド3Bの外周端面部分と小径段差部42の基端(リング
挿入部43と小径段差部42間の径方向段差面)との間
に隙間を設け、この隙間を取付溝としてリング状の停止
部材29Bが装着される。
【0076】停止部材29Bは、図8に示すように、端
面矩形の切欠きのない完全なリング状である。
【0077】クッションリング30は、上記実施形態と
同様に、両側の端面が停止部材29B及びピストン4a
に向き合うようリング挿入部43に遊嵌され、クッショ
ンリング30とリング挿入部43との間に環状隙間30
cが形成されている。
【0078】本実施形態によっても第2の実施形態と同
様の効果が得られる。
【0079】また、本実施形態によれば、ピストンロッ
ド3Bの外周端面部分とピストン円筒部41の径方向段
差面との間の隙間を取付溝として停止部材29Bを装着
するので、停止部材29Bは完全なリング状にでき、停
止部材29Bが使用中の取付強度がアップし、減速機能
の安定及び一層の耐久性の向上が図れる。
【0080】本発明の第4の実施形態を図9及び図10
により説明する。図中、図1及び図2に示す部材と同等
のものには同じ符号を付している。本実施形態は、第1
の実施形態に対しクッションリングに停止部材の保持機
能を持たせたものである。
【0081】図9において、クッションリング30C
は、呼び込みテーパ部30bのある先端側の端面に内径
段差部50を形成し、この内径段差部50内にリング状
の停止部材29Cを内包する構成となっている。
【0082】停止部材29Cは、図10に示すように、
1つのリングを2つに分割した2つの半割りリングセグ
メント29b1,29b2からなる分割型のリング構造
をしており、クッションリング30Cの内径段差部50
に内包されることで取付溝3bからの脱離が防止され
る。
【0083】本実施形態によっても第2の実施形態と同
様の効果が得られる。
【0084】また、本実施形態によれば、停止部材29
Cが取付溝3bから脱落することが確実に防止できると
共に、停止部材29Cを分割型のリング構造にしたの
で、停止部材29Cの取付溝3bへの装着を効率良く行
える。
【0085】なお、以上の実施形態では、リング挿入部
をピストンロッド本体と同径としたが、従来のリング挿
入部より大径であれば、ピストンロッド本体より小径又
は大径であってもよく、この場合も従来に比べピストン
締結部分が強化される。
【0086】また、図7に示した第3の実施形態及び図
9に示した第4の実施形態における停止部材として図8
及び図10に示したもの以外、図2に示した停止部材2
9を用いても良い。更に、第4の実施形態は第1の実施
形態のクッションリングに停止部材の保持機能を持たせ
たが、第2及び第3の実施形態のクッションリングを同
様の構成としても良い。
【0087】
【発明の効果】本発明によれば、フローティングタイプ
のクッションリングを備えた油圧シリンダのクッション
装置において、クッション圧力による引張力に対してピ
ストン締結部分が強化され、高信頼性で高耐久性のクッ
ション装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態によるクッション装置
を備えた油圧シリンダの断面図である。
【図2】図1に示した油圧シリンダのクッション装置部
分の拡大図である。
【図3】図1の実施形態で使用するクッションリングの
拡大斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施形態によるクッション装置
を備えた油圧シリンダの要部の断面図である。
【図5】図4に示した実施形態による実寸法の事例を先
願発明のものと比較して示すもので、図5(a)は本発
明の停止面構造を採用したものの実寸法の事例を示し、
図5(b)は先願発明によるピストン締結構造を採用
し、クッションリングの停止面構造は従来通りとしたも
のの実寸法の事例を示す。
【図6】先願発明によるピストン締結構造を採用し、ク
ッションリングの停止面構造は従来通りとした油圧シリ
ンダの要部の断面図である。
【図7】本発明の第3の実施形態によるクッション装置
を備えた油圧シリンダの要部の断面図である。
【図8】図7の実施形態で使用するクッションリングの
拡大斜視図である。
【図9】本発明9第4の実施形態によるクッション装置
を備えた油圧シリンダの要部の断面図である。
【図10】図8の実施形態で使用するクッションリング
の拡大斜視図である。
【図11】従来のクッション装置を備えた油圧シリンダ
の要部を示す断面図である。
【図12】従来のクッション装置のクッション孔への進
入時の様子を示す動作説明図である。
【図13】従来のクッション装置のクッション孔からの
抜け出し時の様子を示す動作説明図である。
【符号の説明】
1 油圧シリンダ 2 シリンダ本体 3,3A,3B ピストンロッド 3a,3Aa リング挿入部 3b 取付溝 3e 径方向段差面 3f ピストン挿入部 3f1 ピストン取付部 3f2 ナット締結部 3g ねじ部 4,4A,4B ピストン 4a ピストン端面(径方向段差面) 5 チューブ 6 ヘッドカバー 6a 内端部分 7a ロッド室 7b ボトム室 8,9 給排ポート 20 ピストン端面 21 凹所 22,22B ボルト 23 ピストン端面 24,24B ボルトネジ穴 25,25B ボルト貫通穴 26 底面 29,29B,29C 停止部材 29a 切欠き 29b1,29b2 リングセグメント 30,30C クッションリング 30a 凹溝 30b テーパ部 30c 環状隙間 30e 環状隙間 31 クッション穴 31a 切欠き 31b1,31b2 リングセグメント 32 流路 40 凹所 41 円筒部 42 小径段差部 43 リング挿入部 44 底面 45 端面 50 内径段差部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉本 光宏 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 Fターム(参考) 3H081 AA03 BB02 CC15 CC24 DD02 DD13 DD15 DD16 DD21 EE27 FF30 HH01 3J069 AA08 DD20 EE01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ピストンロッドにピストンを締結し、この
    ピストンをシリンダ本体内に摺動可能に挿入してシリン
    ダ本体内をロッド側のシリンダ室とボトム側のシリンダ
    室の2室に区分した油圧シリンダに対し、 前記ピストンロッドのロッド本体とピストン締結部の間
    に両端に径方向停止面を備えたリング挿入部と、このリ
    ング挿入部に両側の端面が前記径方向停止面に向き合う
    よう遊嵌されたクッションリングとを設け、ピストンロ
    ッドの伸び作動時のストロークエンド近傍で、前記クッ
    ションリングがシリンダ本体に設けられたクッション孔
    に進入すると、前記クッションリングの先端側の端面が
    これに向き合う径方向停止面に当接して前記クッション
    リングの内周面と前記リング挿入部の外周面との間の環
    状隙間を閉鎖し、かつ前記クッションリングにより排出
    側となるシリンダ室からの戻り油の流路を絞ることでス
    トロークエンドでの衝撃を緩和する油圧シリンダのクッ
    ション装置において、 前記リング挿入部と前記ピストンロッドのロッド本体と
    の間に環状の取付溝を形成し、この取付溝にリング状の
    停止部材を装着し、この停止部材の端面で前記クッショ
    ンリングの先端側の端面が当接する径方向停止面を形成
    したことを特徴とする油圧シリンダのクッション装置。
  2. 【請求項2】ピストンロッドにピストンを締結し、この
    ピストンをシリンダ本体内に摺動可能に挿入してシリン
    ダ本体内をロッド側のシリンダ室とボトム側のシリンダ
    室の2室に区分すると共に、前記ピストンロッドの先端
    の端面に前記ピストンのロッド側の端面を少なくとも部
    分的に対面接触した状態で、ピストンに開けられたボル
    ト貫通穴からピストンロッドに設けられたネジ穴にボル
    トを差し込んで締め込み、ピストンをピストンロッドに
    締結した油圧シリンダに対し、 前記ピストンロッドのロッド本体とピストン締結部の間
    に両端に径方向停止面を備えたリング挿入部と、このリ
    ング挿入部に両側の端面が前記径方向停止面に向き合う
    よう遊嵌されたクッションリングとを設け、ピストンロ
    ッドの伸び作動時のストロークエンド近傍で、前記クッ
    ションリングがシリンダ本体に設けられたクッション孔
    に進入すると、前記クッションリングの先端側の端面が
    これに向き合う径方向停止面に当接して前記クッション
    リングの内周面と前記リング挿入部の外周面との間の環
    状隙間を閉鎖し、かつ前記クッションリングにより排出
    側となるシリンダ室からの戻り油の流路を絞ることでス
    トロークエンドでの衝撃を緩和する油圧シリンダのクッ
    ション装置において、 前記リング挿入部と前記ピストンロッドのロッド本体と
    の間に環状の取付溝を形成し、この取付溝にリング状の
    停止部材を装着し、この停止部材の端面で前記クッショ
    ンリングの先端側の端面が当接する径方向停止面を形成
    したことを特徴とする油圧シリンダのクッション装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載のクッション装置を備
    えた油圧シリンダのクッション装置において、前記リン
    グ挿入部は前記ピストンロッドの一部で構成され、前記
    取付溝はピストンロッドに形成された環状の切削溝であ
    ることを特徴とする油圧シリンダのクッション装置。
  4. 【請求項4】請求項1又は2記載のクッション装置を備
    えた油圧シリンダのクッション装置において、前記リン
    グ挿入部は前記ピストンのロッド側端面部分を軸方向に
    延長した円筒部であり、前記取付溝は、前記ピストンロ
    ッドの先端の外周端面部分と前記ピストンの円筒部の先
    端付近の径方向段差面との間に設けられた隙間であるこ
    とを特徴とする油圧シリンダのクッション装置。
  5. 【請求項5】請求項1又は2記載のクッション装置を備
    えた油圧シリンダのクッション装置において、前記クッ
    ションリングは先端側端面の内周部分に内径段差部を形
    成し、この内径段差部内に前記停止部材を内包する構成
    としたことを特徴とする油圧シリンダのクッション装
    置。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか1項記載のクッシ
    ョン装置を備えた油圧シリンダのクッション装置におい
    て、前記停止部材は、周方向の一箇所に切れ目を入れた
    リング状の部材であることを特徴とする油圧シリンダの
    クッション装置。
  7. 【請求項7】請求項1〜5のいずれか1項記載のクッシ
    ョン装置を備えた油圧シリンダのクッション装置におい
    て、前記停止部材は、複数のリングセグメントからなる
    分割型であることを特徴とする油圧シリンダのクッショ
    ン装置。
  8. 【請求項8】請求項1〜5のいずれか1項記載のクッシ
    ョン装置を備えた油圧シリンダのクッション装置におい
    て、前記停止部材は、切欠きのない完全なリング状であ
    ることを特徴とする油圧シリンダのクッション装置。
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