JP2004225777A - 油圧シリンダのクッション装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】油圧シリンダのクッション装置のピストンロッドの応力集中を小さくし、またピストンロッドに確実に保持でき、油圧シリンダの最縮小長さを短く、かつ生産性、加工性を容易にする。
【解決手段】油圧シリンダのクッション装置は、シリンダチューブ内にピストンロッドに連結されたピストンを摺動自在に挿入し、ピストンロッドが伸長する方向に作動した時に、そのストローク端近傍でピストンロッドに摺動自在に支持されたクッションプランジャをヘッド室に圧油を供給するヘッド側給排通路に挿入しクッション作用させる。クッション装置は、ストップリングとピストンロッドのテーパ部を開放させヘッド側給排通路からヘッド室に圧油を供給し、かつストップリングとピストンロッドのテーパ部を当接させヘッド室からヘッド側給排通路への圧油を遮断するストッパリングをクッションプランジャに隣接しヘッド側に配設してなる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧シリンダのクッション装置に係り、特に、油圧シリンダが伸長側または縮小側に変位したときに、そのストロークエンド近傍で衝撃を緩和してピストンロッドを停止する油圧シリンダのクッション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、油圧シリンダはボトム室あるいはヘッド室に圧油を受けてシリンダチューブとピストンロッドの間で伸縮作動している。この伸縮作動において、大きな外力が油圧シリンダに働くと、そのピストンロッドのストロークエンドでピストンロッドとボトムあるいはピストンロッドとヘッドとが衝突し、大きな衝撃を発生してピストンロッドを停止している。この停止時の衝撃を緩和するために、油圧シリンダにストロークエンド近傍で作動するクッション装置を付設することは一般的に知られている。
【0003】
その一例として、特許文献1にシリンダのクッション装置が提案されている。同特許文献1によれば、シリンダのクッション装置は、シリンダ内にロッドを介してピストンを摺動可能に設け、該ピストンを挟んで前記ロッドと対向する側には突出部を設け、該突出部にはクッション部材を挿嵌し、前記突出部材とクッション部材との間には該クッション部材を揺動可能に支持する球面軸受を設けている。
これにより、シリンダカバーに形成された相手穴の傾きいかんに拘わらず、良好なる調芯作用を与えることができ、クッション部材が穴に嵌入するときシリンダカバーとの間でメタルコンタクトすることがないから、焼付き現象、カジリ現象を起こすことがないという利点が得られる。
【0004】
また、特許文献1に対して、クッション部材が穴から抜け出すときに発生する不快に抜け出し音を改良した他の例の特許文献2が提案されている。同特許文献2によれば、油圧シリンダは、円筒状のシリンダ筒、該シリンダ筒の内周面に摺動自在に内嵌するピストン、該ピストンが先端部に設けられるピストンロッド等の部材装置によって構成されるものであり、そのうち、ピストンロッドの先端部には第一の小径段差部が形成されており、該第一小径段差部に前記ピストンを挿入し、ナットで緊着することによってピストンはピストンロッドの先端部に取付けられるようになっていること等は、何れも従来と同じである。
【0005】
ピストンロッドには、前記第一小径段差部よりも先端側に位置してさらに小径となった第二小径段差部が形成されているが、該第二小径段差部に、円筒状の緩衝筒体が組込まれる。この緩衝筒体は、内径が第二小径段差部の外径よりも僅かに大きく設定されていて、第二小径段差部に遊嵌状に嵌合し、さらに軸方向の長さが第二小径段差部の軸方向の長さよりも僅かに短い設定になっており、しかも基端側面には内外周面に連通する溝部が複数形成されている。
一方、ピストンロッドの先端には、抜止め部材がボルトを介してピストンロッドに一体的に緊着されているが、該抜止め部材は、外径が緩衝筒体の外径よりも小さく且つ緩衝筒体の内径よりも大きく設定されていて、緩衝筒体の第二小径段差部からの抜止め部材を支持している。
【0006】
【特許文献1】
実開昭57−102706号公報(第1頁、第8頁、第9頁、第2図)
【特許文献2】
実開平6−62207号公報(第6頁、第7頁、図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1では、ピストンロッドにクッション部材の所で段差が設けられ、この段差が直角で、深さが大きく形成されているため大きな応力集中が生じて強度が弱くなっており、この個所より亀裂、切損等の不具合が生ずるためロッドを太くする必要があり、油圧シリンダが大型になり、重量も増してしまうという不具合が生ずる。
特許文献2では、ヘッド側に伸長用のクッション装置は設けられていないが、ピストンの所で段差が設けられているため特許文献1と同様に応力集中が生じて軸の強度が低下している。
【0008】
特許文献2では、緩衝筒体の移動を規制する抜止め部材がボルトを介してピストンロッドに一体的に緊着されているが、ボルトが緩み、抜止め部材と緩衝筒体がピストンロッドから堕落することがありクッション作用がなくなるという問題が生ずる。
また、特許文献2では、ピストンロッドの先端部の第一小径段差部にピストンが挿入され、ナットで緊着することによってピストンはピストンロッドの先端部に取付けているため、ピストンとナットとにより形成される軸方向の長さが大きくなり、油圧シリンダの最縮小時の全長が長くなり、油圧シリンダを装着する機械の装置が大きくなる。また、ピストンがナットにより緊着されているため、ナットが緩み、ピストンがピストンロッドから外れて油圧シリンダが機能しなくなるという問題が生ずることがある。
【0009】
また、特許文献1では突出部が、また特許文献2では第二小径段差部がピストンロッドと一体に形成されており、突出部および第二小径段差部が傾動しないため、クッションリングの外径と通路の内径との差を大きくするか、あるいはピストンロッド、クッションリング等の部品精度を向上する必要が生じている。これに伴って、クッションリングの外径と通路の内径との差を大きくするとクッション性能が低下し、部品精度を向上するとコストがアップする。
【0010】
本発明は上記の問題点に着目してなされたもので、油圧シリンダのクッション装置に係り、特に、油圧シリンダのストロークエンド近傍で衝撃緩和するクッション装置のピストンロッドの応力集中を小さくして強度を維持し、またピストンロッドに確実に保持できるとともに、油圧シリンダの最縮小長さを短く、かつ生産性、加工性を容易にした油圧シリンダのクッション装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
上記目的を達成するために、本発明に係る油圧シリンダのクッション装置の発明は、シリンダチューブ内にピストンロッドに連結されたピストンを摺動自在に挿入し、ピストンロッドが伸長する方向に作動した時に、そのストローク端近傍でピストンロッドに摺動自在に支持されたクッションプランジャをヘッド室に圧油を供給するヘッド側給排通路に挿入しクッション作用させる油圧シリンダのクッション装置において、ストップリングとピストンロッドのテーパ部を開放させヘッド側給排通路からヘッド室に圧油を供給し、かつストップリングとピストンロッドのテーパ部を当接させヘッド室からヘッド側給排通路への圧油を遮断するストッパリングをクッションプランジャに隣接しヘッド側に配設してなる構成としている。
【0012】
または、本発明に係る油圧シリンダのクッション装置の発明は、シリンダチューブ内にピストンロッドに連結されたピストンを摺動自在に挿入し、このピストンロッドが伸長する方向に作動した時に、そのストローク端近傍でクッションプランジャをヘッド室に圧油を供給するヘッド側給排通路に挿入しクッション作用させる油圧シリンダのクッション装置において、ヘッド側に向けて漸次拡大するテーパ部をピストンのヘッド側に有するピストンロッドと、ピストンロッドに隙間を有して摺動自在に支持されるとともにピストンに隣接して配設され、ピストン側の一端面に半径方向に貫通する溝を、また他端面に垂直面を有するクッションプランジャと、ピストンロッドに摺動自在に支持されるとともにクッションプランジャのヘッド側に隣接して配設され、一端面にクッションプランジャに当接する垂直面を、また他端面にプランジャピストンロッドのテーパ部に当接するテーパ部と、ピストンロッドのテーパ部の内方で、かつ内周部にスリット溝とを有するストッパリングからなるようにしている。
【0013】
または、本発明に係る油圧シリンダのクッション装置の発明は、シリンダチューブ内にピストンロッドに連結されたピストンを摺動自在に挿入し、このピストンロッドが伸縮する作動した時に、そのストローク端近傍で伸長用クッションプランジャをヘッド側給排通路に、または縮小用クッションプランジャをボトム側給排通路に挿入してクッション作用させる伸長用クッション部および縮小用クッション部とを有する油圧シリンダのクッション装置において、伸長用クッション部が、ヘッド側に向けて漸次拡大するテーパ部をピストンのヘッド側に有するピストンロッドと、ピストンロッドに隙間を有して摺動自在に支持されるとともにピストンに隣接して配設され、ピストン側の一端面に半径方向に貫通する溝を、また他端面に垂直面を有する伸長用クッションプランジャと、ピストンロッドに摺動自在に支持されるとともに伸長用クッションプランジャのヘッド側に隣接して配設され、一端面に伸長用クッションプランジャに当接する垂直面を、また他端面にピストンロッドのテーパ部に当接するテーパ部と、ピストンロッドのテーパ部の内方で、かつ内周部にスリット溝とを有するストッパリングからなり、また、縮小用クッション部が、ボトム室側の端面中心部に小径のクッション軸用穴と大径のクッション軸係止スペーサ用穴との段付穴を有するピストンロッドと、一端部側にクッション軸係止スペーサ用溝を、他端部側に縮小用クッションプランジャを係止する鍔を有し、一端部側がクッション軸穴に挿入されるクッション軸と、クッション軸との隙間あるいは溝でボトム側給排通路からボトム室に圧油を供給し、かつクッション軸に当接しボトム室からボトム側給排通路への圧油を遮断する縮小用クッションプランジャと、底中央部に小径のクッションプランジャ用孔と大径のクッション軸係止スペーサ用孔を有し、ピストンロッドの一端面に接して取着されるピストンと、内径側がクッション軸のクッション軸係止スペーサ用溝に、外径側がピストンロッドのクッション軸係止スペーサ用孔および/あるいはピストンのクッション軸係止スペーサ用穴に挿入されてクッション軸を固定する分割されたクッション軸係止スペーサとからなるようにしている。
【0014】
上記の油圧シリンダのクッション装置によれば、ピストンロッドには緩やかな傾斜のテーパ部を浅く設けているため、応力集中を小さくすることが出来て、ピストンロッドの強度の低下を少なく出来る。これにより、ピストンロッドの直径を細く、あるいはピストンロッドに中空円柱材を用いることが可能になり、油圧シリンダの重量を軽減できる。
また、ピストンロッドのテーパ部に伸長用クッションプランジャとは別体のストッパリングのテーパ部を当接させているため調芯性が良くなり、ヘッド室からヘッド側給排通路への圧油の遮断が良くなりクッション性能が向上する。
【0015】
また、油圧シリンダのクッション装置は、ピストンロッドに連結・固定されるクッション軸が、内径部でクッション軸係止スペーサ用溝に挿入され、かつ外径部でピストンロッドのクッション軸係止スペーサ用孔および/あるいはピストンのクッション軸係止スペーサ用穴に挿入されるとともに、ピストンロッドとピストンとで挟持された2分割のクッション軸係止スペーサでピストンロッドに連結・固定されている。このため、クッション装置は、そのクッション軸がクッション軸係止スペーサを介してピストンロッドとピストンとにより保持されているため抜け出すことがなくなり、油圧シリンダが長期間使用されてもクッション機能が確実に維持される。
【0016】
または、クッション軸が中空有底のピストンロッドの端部に取着されているため、油圧シリンダは、ピストンロッドの重量を軽減できるとともに、慣性を小さくできて衝撃を緩和することが出来る。
クッション軸がピストンロッドに対して小さく傾動自在に連結されることにより、ボトム側給排通路に倣ってクッションプランジャを容易に挿入できるため、ピストンロッド、クッション軸、ボトム側給排通路等の部品精度を下げることが出来て、生産性、加工性を向上できる。
【0017】
クッション装置は、従来のごとくピストンを固定するナットを隔てた位置でなく、ピストンに隣接して配設されているために最縮小時の油圧シリンダの全長を短く出来て、油圧シリンダを使用する建設機械、産業機械等の装置を小型にできる。
また、ピストンは2分割のクッション軸係止スペーサを介してクッション軸を固定するが、ピストンがピストンロッドに螺合されるとともに、ピストンとピストンロッドとが係止ピンで固定されているため回動することがなくなり、クッション軸はピストンにより確実に保持されている。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る油圧シリンダのクッション装置の実施例について図面を参照して説明する。
先ず、第1実施例の油圧シリンダのクッション装置について、図1から図5を用いて説明する。図1は油圧シリンダの全体側面断面図、図2は油圧シリンダの一部拡大図で、ヘッド側を示す側面断面図、図3は伸長用クッション部の拡大断面図、図4は油圧シリンダの一部拡大図で、ボトム側を示す側面断面図、図5はクッション軸係止用スペーサの部品図である。
【0019】
図1において、油圧シリンダ1は、シリンダチューブ3の一端部にシリンダボトム5が固設されており、他端部にシリンダヘッド7が着脱自在に取着されている。シリンダチューブ3内にはピストン9が摺動自在に枢密に挿入されており、このピストン9にはピストンロッド11がネジ13により連結されている。
ピストン9は、シリンダチューブ3内をボトム室15とヘッド室17とに区画形成している。シリンダボトム5にはボトム室15に圧油を給排するボトム側給排通路15aがあけられている。
【0020】
シリンダチューブ3にはシリンダヘッド7側にチューブヘッド3aが固設されており、チューブヘッド3aにはシリンダヘッド7とクッション内筒部材18が挿入されている。チューブヘッド3aおよびクッション内筒部材18にはヘッド室17に圧油を給排するヘッド側給排通路17aがあけられている。
またクッション内筒部材18には、ヘッド室17とヘッド側給排通路17aとを連結する絞り用孔18aがあけられている。シリンダヘッド7と内筒部クッション材18とは一体に形成しても良い。
【0021】
図1、図2において、ピストン9は凹形状に形成され、その穴の底部9aがピストンロッド11のボトム側端面部11aに、あるいはピストンロッド11の肩部Qpがピストン9に接し(以下、ボトム側端面部11aにほぼ接しという)、ネジ13によりピストンロッド11に連結・固定されている。
ピストン9は、その外径部にシリンダチューブ3に接して圧油を封止する1個のシールリング19と、摺動自在に支持する2個のウエアリング21が付設されており、ボトム室15とヘッド室17とを確実に区画形成している。
【0022】
ピストンロッド11は、シリンダヘッド7を貫通して取着されるとともに摺動自在に支持されており、ボトム側の端部11bがピストン9の穴に挿入され、ネジ13によりピストン9に連結・固定されている。
ピストン9とピストンロッド11とを螺合するネジ13には共加工でネジ穴23があけられており、このネジ穴23には係止ネジ24が着脱自在に挿入されている。これにより、ピストン9はピストンロッド11に対して回動しないように係止されている。
ピストンロッド11には、ピストン9に隣接してヘッド側に伸長用クッション部25が、またピストン9に隣接してボトム側に縮小用クッション部31が付設されている。
【0023】
図2、図3において、伸長用クッション部25は、ピストンロッド11、伸長側クッションプランジャ27(以下、伸長側プランジャ27という)、ストッパリング29により構成されている。
ピストンロッド11は、ピストン9のヘッド側に第1テーパ部12が形成されており、第1テーパ部12は傾斜角度θsで、かつ短い長さ(浅く)に形成されている。この第1テーパ部12は応力集中が小さくなるように緩やかな傾斜で、かつ浅く形成されている。第1テーパ部12は、ヘッド側に向けて漸次直径が拡大するようにし、その位置はピストン9に対してヘッド側に設けられている。
【0024】
伸長側プランジャ27は、中空円柱軸により形成されており、そのピストン9側の一端面に半径方向に貫通する複数の凹溝27aが、また他端面にストッパリング29の端面に当接して圧油をシールする垂直面27bが設けられている。
伸長側プランジャ27は、内径Dnがピストンロッド11との間に隙間(Cp×2)を、また外径dtがヘッド側給排通路17aの内径Dtよりも小さく形成されており、その外径dtと内径Dtとの寸法差によりクッション作用を行なうための絞り流路の流路断面積が設定される。
また、伸長側プランジャ27はストッパリング29側の外周縁部に第2テーパ部27cが設けられており、第2テーパ部27cは伸長側プランジャ27がヘッド側給排通路17aに挿入されるときに導入案内を務め、伸長側プランジャ27を隙間(Cp×2)により軸直角方向に移動して滑らかに挿入している。
【0025】
ストッパリング29は、中空円板により形成されており、ヘッド側の端面で内径側に第3テーパ部29aが角度θsで形成されている。ストッパリング29は、外径が伸長側プランジャ27の第2テーパ部27cの最小外径よりも小さく、また内径Drがピストンロッド11の外径diに微小隙間を有して形成されるとともに、内径Drにはスリット溝29bが設けられている。ストッパリング29は、内径Drがピストンロッド11の外径diに対して微小隙間を有して形成されることにより、第3テーパ部29aがピストンロッド11の第1テーパ部12との調芯を良くしている。
スリット溝29bは、内径Drの円周方向に所定間隔で複数個が設けられている。このスリット溝29bは、最大外径dmがテーパ部29aの最大外径である外形df、即ち、ピストンロッド11の外径dfよりも小さく形成されている。即ち、スリット溝29bは第3テーパ部29aの途中より内側に形成されている。
【0026】
ストッパリング29の第3テーパ部29aは、ヘッド室17の圧力がヘッド側給排通路17aよりも高くなったとき、ピストンロッド11の第1テーパ部12に当接してヘッド室17からヘッド側給排通路17aへの圧油の供給を遮断し、また、ヘッド側給排通路17aの圧力がヘッド室17よりも高くなったとき、離間してヘッド側給排通路17aからヘッド室17に圧油を供給している。
ストッパリング29と伸長側プランジャ27とは、軸長手方向に移動可能にピストンロッド11に取着され、ヘッド側に移動したときにはストッパリング29とピストンロッド11のテーパ部12、29aが当接し、またボトム側に移動したときには伸長側プランジャ27とピストン9とが当接し、停止している。
【0027】
図4において、縮小用クッション部31は、クッション軸33、縮小用クッションプランジャ35(以下、縮小用プランジャ35という)、2分割のクッション軸係止スペーサ37(以下、係止用スペーサ37という)により構成されている。
縮小用クッション部31はクッション軸33がピストン9とピストンロッド11とにより係止用スペーサ37を介して取着されている。
ピストン9は、底部9aの中央部に、小径のクッション軸用孔9bと、この孔9bに同芯で大径のクッション軸係止スペーサ用孔9c(以下、スペーサ用孔9cという)とがあけられている。
【0028】
ピストンロッド11は、ボトム側端面部11aに小径のクッション軸用穴11cと、この穴11cに同芯の大径のクッション軸係止スペーサ用穴11d(以下、スペーサ用穴11dという)とからなる段付穴38があけられている。
クッション軸33は、段付の円柱軸により形成されており、円柱軸の一端部側にクッション軸係止スペーサ用溝33a(以下、スペーサ用溝33aという)が、また他端部側に縮小用プランジャ35を係止する鍔33bが設けられている。クッション軸33には、その外径dsに対して所定の隙間(Ca×2)の内径Daを有する縮小用プランジャ35がクッション軸33の長手方向に摺動自在に挿入されている。
【0029】
縮小用プランジャ35は、中空円柱軸により形成されており、そのピストン9側の一端面に半径方向に貫通する複数の凹溝35aが、また他端面にクッション軸33の鍔33bに当接して圧油をシールする垂直面35cが設けられている。また、縮小用プランジャ35は鍔33b側の外周縁部に第4テーパ部35dが設けられており、第4テーパ部35dは縮小用プランジャ35がボトム側給排通路15aに挿入されるときに導入案内を務めている。クッション軸33の鍔33bの外径は、鍔33b側の第4テーパ部35dの外径よりも小さく形成されている。
【0030】
縮小用プランジャ35は、外径dpがボトム側給排通路15aの内径Dbよりも小さく形成されており、その寸法差によりクッション作用を行なうための絞り流路の流路断面積が設定される。
このとき、図4に示すように、クッション軸33がピストン9のクッション軸用孔9bおよびピストンロッド11のクッション軸用穴11cとの間に隙間Cmを形成し、ピストンロッド11に対してクッション軸33を傾動可能としても良い。これにより、縮小用プランジャ35がボトム側給排通路15aに入るとき、クッション軸33の傾動により縮小用プランジャ35を傾動させてボトム側給排通路15aに導かれるようにすると良い。
【0031】
係止用スペーサ37は、図5に示すように、中空の円板が中心部で二つに分割され、内径がスペーサ用溝33aの外径よりも大きく、また、外径がピストン9のスペーサ用孔9cおよびピストンロッド11のスペーサ用穴11dの内径よりも小さく形成されている。また、係止用スペーサ37は、厚さTがスペーサ用溝33aの幅に挿入されるように小さく形成されている。係止用スペーサ37は分割されていれば2分割以上でも良い。
係止用スペーサ37は、内径部がクッション軸33の係止用スペーサ用溝33aに、また、外径部がピストン9のスペーサ用孔9cおよびピストンロッド11のスペーサ用穴11dに挿入されている。また、係止用スペーサ37は、側面部がピストンロッド11と、クッション軸33を貫通してピストンロッド11に結合したピストン9とにより挟持されてクッション軸33をピストンロッド11に連結している。
【0032】
上記のごとく形成された縮小用クッション部31は次のように組み立てられる。先ず、縮小用プランジャ35が第4テーパ部35dを先にしてクッション軸33に挿入され、第4テーパ部35dの垂直面35cが鍔33bの近傍する位置まで押し込まれる。
次に、クッション軸33の一端部側がピストン9のクッション軸用孔9bに挿入され、クッション軸33はスペーサ用溝33aがピストン9の底部9aより内側に出るように押し込まれてピストン9を貫通する。
【0033】
二つに分割された係止用スペーサ37がスペーサ用溝33aに挿入された後、クッション軸33をピストン9から離れる方向に引っ張る。これにより、係止用スペーサ37は、その外径がピストン9のスペーサ用孔9cに挿入され、落下しないように保持される。
ピストン9に縮小用クッション部31が取着された上記の状態で、ピストン9の底部9aがピストンロッド11のボトム側の端部11bに挿入される。次に、ピストン9は、底部9aがピストンロッド11のボトム側端面部11aにほぼ接する位置まで回転され、ピストン9とピストンロッド11とがネジ13により連結・固定される。
【0034】
ピストン9がピストンロッド11のボトム側端面部11aにほぼ接する位置まで回転されると、係止用スペーサ37がピストンロッド11のスペーサ用穴11dに入り保持されるとともに、クッション軸33の一端部側がピストンロッド11のクッション軸用穴11cに挿入されて保持される。
これにより、係止用スペーサ37は、外径部がピストン9のスペーサ用孔9cおよびピストンロッド11のスペーサ用穴11dに挿入されるとともに、その側面部がピストン9とピストンロッド11に挟持されて落下しないように確実に保持される。
【0035】
ピストン9とピストンロッド11とがネジ13により結合されたら共加工によりネジ穴23があけられる。このネジ穴23には係止ネジ24が着脱自在に挿入され、係止ネジ24はピストン9がピストンロッド11に対して回動しないように係止している。
これにより、クッション軸33は係止用スペーサ37を介してピストン9およびピストンロッド11により確実に保持され、クッション軸33が抜け出す等の不具合の発生を防止している。
縮小用クッション部31がピストンロッド11に組み付けられ、ピストン9で係止された状態で、縮小用プランジャ35がクッション軸33の長手方向に移動可能になるように、ピストン9のボトム側端面9dと鍔33bの垂直面35cとの距離Lbが縮小用プランジャ35の長さLpよりも小さく形成されており、隙間Lsが設けられている。
【0036】
上記構成において、先ず、伸長用クッション部25の作動について説明する。油圧シリンダ1が伸長し、ピストンロッド11が最伸長時に近づくにつれて伸長用クッション部25が作用する。
ピストンロッド11がストロークエンド近傍になると、伸長用プランジャ27は第2テーパ部27cが導入案内を務めながら対向するヘッド側給排通路17aに挿入されて行く。伸長用プランジャ35はクッション軸33との隙間Cpにより軸芯を移動しながらヘッド側給排通路17aに倣って挿入される。
【0037】
伸長用プランジャ27がヘッド側給排通路17aに入っていくと、ヘッド室17からヘッド側給排通路17aを通る戻り油が絞られ、ヘッド室17側の圧力が上昇する。さらに圧力の上昇に伴ってストッパリング29が伸長用プランジャ27を介して押圧され、第3テーパ部29aがピストンロッド11の第1テーパ部12に当接し、伸長用プランジャ27とピストンロッド11との隙間Cpを経てヘッド室17からヘッド側給排通路17aに流れる油を遮断し、ヘッド室17の圧力が更に上昇する。このとき、ヘッド室17からヘッド側給排通路17aに流れる油は、伸長用プランジャ27とピストンロッド11との隙間(Dt−dt)、およびクッション内筒部材18の絞り用孔18aになり、流路が絞られてヘッド室17の圧力が上昇しクッション作用を生じ、滑らかに停止することができる。
【0038】
次に、油圧シリンダ1が最伸長から縮小する場合には、ヘッド側給排通路17aからヘッド室17に圧油が供給される。このとき、圧油は、ヘッド側給排通路17aと伸長用プランジャ27との隙間(Dt−dt)およびクッション内筒部材18の絞り用孔18aを流れるとともに、ストッパリング29および伸長用プランジャ27をピストン9側に移動させる。
これにより、ストッパリング29の第3テーパ部29aがピストンロッド11の第1テーパ部12から離間して、圧油は、第3テーパ部29aと第1テーパ部12との隙間、ストッパリング29のスリット溝29b、伸長用プランジャ27とピストンロッド11との隙間(Dt−dt)、およびクッション内筒部材18の絞り用孔18aを経てヘッド17に流れる。これにより、ヘッド室17への圧油の供給は、前記の流路を適宜選択することにより多量の油量を流すことが出来て、ピストンロッド11の移動に合わせてヘッド室17への圧油を十分に供給することが出来る。
【0039】
流量ピストンロッド11の伸長に伴って、ヘッド側給排通路17aから伸長用プランジャ27が抜けるときに、上記の通路を経てヘッド室17に十分の圧油が流れるとともに、漸次拡大する伸長用プランジャ27の第2テーパ部27cからヘッド室17に圧油が供給される。
これにより、伸長用プランジャ27がヘッド側給排通路17aから抜けるときに、ヘッド側給排通路17aから伸長用プランジャ27を経てヘッド室15に供給される油量が大きくなり、円滑な伸長が行なわれるとともに、騒音等が発生することがなくなっている。
【0040】
次に、縮小用クッション部31の作動について説明する。油圧シリンダ1が縮小し、ピストンロッド11が最縮小時に近づくにつれて縮小用クッション部31が作用する。ピストンロッド11がストロークエンド近傍になると、縮小用プランジャ35は第4テーパ部35dが導入案内を務めながら対向するボトム側給排通路15aに挿入されて行く。縮小用プランジャ35はクッション軸33との隙間Cmにより軸芯を移動しながらボトム側給排通路15aに倣って挿入される。このとき、クッション軸33がピストンロッド11に対して傾動すると、縮小用プランジャ35の第4テーパ部35dはクッション軸33がピストンロッド11に対して傾動しながらボトム側給排通路15aに挿入されるため、更に抵抗が少なく、かじり等が生ずることなく容易に挿入することが出来る。
また、縮小用プランジャ35も同様に、クッション軸33との隙間Caにより、ピストンロッド11に対して傾動することができるので、縮小用プランジャ35のテーパ部35dは縮小用プランジャ35がピストンロッド11に対して傾動しながらボトム側給排通路15aに挿入されるため、抵抗が少なく、かじり等が生ずることなく容易に挿入することが出来る。
【0041】
縮小用プランジャ35がボトム側給排通路15aに入っていくと、ボトム室15からボトム側給排通路15aを通る戻り油が絞られ、ボトム室15側の圧力が上昇する。さらに圧力の上昇に伴って縮小用プランジャ35の垂直面35cがクッション軸33の鍔33bに当接し、縮小用プランジャ35とクッション軸33との隙間Cmを経てボトム室15からボトム側給排通路15aに流れる油を遮断し、ボトム室15の圧力が更に上昇する。
このとき、ボトム室15からボトム側給排通路15aに流れる油は、縮小用プランジャ35とクッション軸33との隙間(Db−dp)のみとなり、流路が絞られてボトム室15の圧力が上昇しクッション作用を生じさせる。この圧力は、縮小用プランジャ35がボトム側給排通路15aに入るのが増すにつれて絞り流路が長くなり、流路抵抗が増してより大きなクッション作用が大きくなり、滑らかに停止することができる。
【0042】
次に、油圧シリンダ1が最縮小から伸長する場合には、ボトム側給排通路15aからボトム室15に圧油が供給される。このとき、圧油は、ボトム側給排通路15aと縮小用プランジャ35との隙間(Db−dp)を流れるとともに、ボトム側給排通路15aから縮小用プランジャ35の垂直面35cに作用して縮小用プランジャ35をピストン9側に移動させる。
これにより、縮小用プランジャ35の垂直面35cと縮小用プランジャ35の鍔33bとが離間して、圧油は、垂直面35cと鍔33bの間、縮小用プランジャ35とクッション軸33との隙間(Db−dp)、および縮小用プランジャ35の複数の凹溝35aを経てボトム室15に流れる。このとき、ボトム室15に流れる油量は、縮小用プランジャ35とクッション軸33との隙間を適宜選択することにより、多量の油量を流すことが出来る。
【0043】
流量ピストンロッド11の伸長に伴って、ボトム側給排通路15aから縮小用プランジャ35が抜けるときに、上記のごとく複数の凹溝35aを経てボトム室15に圧油が流れるとともに、漸次拡大する第4テーパ部35dからボトム室15に圧油が供給される。
これにより、縮小用プランジャ35がボトム側給排通路15aから抜けるときに、ボトム側給排通路15aから縮小用プランジャ35を経てボトム室15に供給される油量が大きくなり、円滑な伸長が行なわれるとともに、騒音等が発生することがなくなっている。
【0044】
次に、第2実施例の第1油圧シリンダ1Aについて図6を用いて説明する。図6は第1油圧シリンダ1Aの一部拡大図で、ボトム側を示す側面断面図である。なお、以下では、第1実施例と同一部品には同一符号を付して説明は省略する。第1実施例の油圧シリンダ1はピストンロッド11に円柱軸を用いているが、第2実施例の第1油圧シリンダ1Aは第1ピストンロッド41に中空円柱軸を用いている。
【0045】
図6において、第1ピストンロッド41は、ボトム側の端部に孔加工41aが施され、その孔加工41aには円板部材43が嵌合されている。円板部材43にはシール溝43aが設けられ、このシール溝43aにはシールリング45とバックアップリング47が挿入されている。シールリング45とバックアップリング47は、ボトム室15から第1ピストンロッド41の中空部に油が漏れるのを防止している。
円板部材43は、ボトム室側の平面部に小径のクッション軸用穴11cと、この穴11cに同芯の大径のスペーサ用穴11dとからなる段付穴38があけられている。
【0046】
第1ピストンロッド41はボトム側の端部にネジ13が設けられており、ネジ13には第1実施例と同様にピストン9が螺合し、ピストンロッド41とピストン9とが連結・固定されている。
ピストン9は、第1ピストンロッド41と螺合し一体化することにより円板部材43を保持している。
円板部材43はクッション軸用穴11cにクッション軸11の一端部側が、またスペーサ用穴11dに係止用スペーサ37が挿入されている。円板部材43はピストン9と共に、第1縮小用クッション部31Aを保持している。
【0047】
第1縮小用クッション部31Aは、第1クッション軸33A、縮小用プランジャ35、2分割の係止用スペーサ37により構成されている。
第1クッション軸33Aは、段付の円柱軸により形成されており、円柱軸の一端部側にスペーサ用溝33aが、また他端側に縮小用プランジャ35を係止する鍔33bが設けられている。
第1クッション軸33Aには、その外径dmに対して枢密に内径Daを有する縮小用プランジャ35が、軸の長手方向に摺動自在に挿入されている。また、第1クッション軸33Aには、円周方向に複数個の溝35eが、ピストン9のボトム側端面9dと鍔33bの垂直面35cとの距離Lbで設けられており、圧油がボトム側給排通路15aからボトム室15に流れて油圧シリンダ1を滑らかに、騒音を発することなく伸長している。
【0048】
第1クッション軸33Aは、ピストン9のクッション軸用孔9bおよびピストンロッド11のクッション軸用穴11cとの間に小さい隙間Smを形成し、ピストンロッド11に対してクッション軸33を傾動可能としている。これにより、縮小用プランジャ35がボトム側給排通路15aに入るとき、縮小用プランジャ35は第1クッション軸33Aの傾動と、クッション軸用孔9bに対して第1クッション軸33Aの軸芯の移動により、ボトム側給排通路15aに導かれている。これに伴って、縮小用プランジャ35はボトム側給排通路15aに対して寸法差を小さくできて、クッション機能を高めることができるとともに、抵抗が少なく、かじり等が生ずることなく容易に挿入することが出来る。
第2実施例では、第1ピストンロッド41が中空円柱軸で形成されていることにより、第1油圧シリンダ1Aの重量を軽減できるとともに、慣性を小さくできて衝撃を緩和することが出来る。
【0049】
上記実施例において、クッション軸33または第1クッション軸33Aを係止する係止用スペーサ37は、ピストン9および、ピストンロッド11またはピストンロッド41の円板部材43でその外径を保持したが、ピストン9のみ、あるいはピストンロッド11のみ、またはピストンロッド41の円板部材43のみで保持しても良い。
また、クッション軸33または第1クッション軸33Aと縮小用プランジャ35との間には、隙間Caと溝35eの両方を備えて圧油を流しても良い。溝35eは第1クッション軸33Aに設けたが、縮小用プランジャ35、あるいは第1クッション軸33Aと縮小用プランジャ35との両方に設けても良い。
また、ピストン9と、ピストンロッド11またはピストンロッド41は、ネジ13で連結したが、ピストン9にボルト孔をあけてボルトにより着脱自在に連結するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施例である油圧シリンダの全体側面断面図である。
【図2】本発明に係る第1実施例である油圧シリンダの一部拡大図で、ヘッド側を示す側面断面図である。
【図3】本発明に係る第1実施例の伸長用クッション部の拡大断面図である。
【図4】本発明に係る第1実施例である油圧シリンダの一部拡大図で、ヘッド側を示す側面断面図である。
【図5】2分割のクッション軸係止スペーサであり、図3(a)は係止用スペーサの側面図、図3(b)は係止用スペーサの正面図である。
【図6】本発明に係る第2実施例である油圧シリンダの一部拡大図で、ボトム側を示す側面断面図である。
【符号の説明】
1、1A…油圧シリンダ、3…シリンダチューブ、5…シリンダボトム、7…シリンダヘッド、9…ピストン、9b…クッション軸用孔、9c…クッション軸係止スペーサ用孔、11、41…ピストンロッド、11d…クッション軸係止スペーサ用穴、12…第1テーパ部、15…ボトム室、15a…ボトム側給排通路、17…ヘッド室、17a…ヘッド側給排通路、18…クッション内筒部材、25…伸長用クッション部、27…伸長用クッションプランジャ、27c…第2テーパ部、29…ストッパリング、29a…第3テーパ部、31、31A…縮小用クッション部、33、33A…クッション軸、35…縮小用クッションプランジャ、35a…凹溝、35c…垂直面、35d…第4テーパ部、37…クッション軸係止スペーサ、43…円板部材。

Claims (3)

  1. シリンダチューブ内にピストンロッドに連結されたピストンを摺動自在に挿入し、ピストンロッドが伸長する方向に作動した時に、そのストローク端近傍でピストンロッドに摺動自在に支持されたクッションプランジャをヘッド室に圧油を供給するヘッド側給排通路に挿入しクッション作用させる油圧シリンダのクッション装置において、
    ストップリングとピストンロッドのテーパ部を開放させヘッド側給排通路からヘッド室に圧油を供給し、かつストップリングとピストンロッドのテーパ部を当接させヘッド室からヘッド側給排通路への圧油を遮断するストッパリングをクッションプランジャに隣接しヘッド側に配設してなることを特徴とする油圧シリンダのクッション装置。
  2. シリンダチューブ内にピストンロッドに連結されたピストンを摺動自在に挿入し、このピストンロッドが伸長する方向に作動した時に、そのストローク端近傍でクッションプランジャをヘッド室に圧油を供給するヘッド側給排通路に挿入しクッション作用させる油圧シリンダのクッション装置において、
    ヘッド側に向けて漸次拡大するテーパ部をピストンのヘッド側に有するピストンロッドと、
    ピストンロッドに隙間を有して摺動自在に支持されるとともにピストンに隣接して配設され、ピストン側の一端面に半径方向に貫通する溝を、また他端面に垂直面を有するクッションプランジャと、
    ピストンロッドに摺動自在に支持されるとともにクッションプランジャのヘッド側に隣接して配設され、一端面にクッションプランジャに当接する垂直面を、また他端面にプランジャピストンロッドのテーパ部に当接するテーパ部と、ピストンロッドのテーパ部の内方で、かつ内周部にスリット溝とを有するストッパリングからなることを特徴とする油圧シリンダのクッション装置。
  3. シリンダチューブ内にピストンロッドに連結されたピストンを摺動自在に挿入し、このピストンロッドが伸縮する作動した時に、そのストローク端近傍で伸長用クッションプランジャをヘッド側給排通路に、または縮小用クッションプランジャをボトム側給排通路に挿入してクッション作用させる伸長用クッション部および縮小用クッション部とを有する油圧シリンダのクッション装置において、
    伸長用クッション部が、
    ヘッド側に向けて漸次拡大するテーパ部をピストンのヘッド側に有するピストンロッドと、
    ピストンロッドに隙間を有して摺動自在に支持されるとともにピストンに隣接して配設され、ピストン側の一端面に半径方向に貫通する溝を、また他端面に垂直面を有する伸長用クッションプランジャと、
    ピストンロッドに摺動自在に支持されるとともに伸長用クッションプランジャのヘッド側に隣接して配設され、一端面に伸長用クッションプランジャに当接する垂直面を、また他端面にピストンロッドのテーパ部に当接するテーパ部と、ピストンロッドのテーパ部の内方で、かつ内周部にスリット溝とを有するストッパリングからなり、
    また、縮小用クッション部が、
    ボトム室側の端面中心部に小径のクッション軸用穴と大径のクッション軸係止スペーサ用穴との段付穴を有するピストンロッドと、
    一端部側にクッション軸係止スペーサ用溝を、他端部側に縮小用クッションプランジャを係止する鍔を有し、一端部側がクッション軸穴に挿入されるクッション軸と、
    クッション軸との隙間あるいは溝でボトム側給排通路からボトム室に圧油を供給し、かつクッション軸に当接しボトム室からボトム側給排通路への圧油を遮断する縮小用クッションプランジャと、
    底中央部に小径のクッションプランジャ用孔と大径のクッション軸係止スペーサ用孔を有し、ピストンロッドの一端面に接して取着されるピストンと、
    内径側がクッション軸のクッション軸係止スペーサ用溝に、外径側がピストンロッドのクッション軸係止スペーサ用孔および/あるいはピストンのクッション軸係止スペーサ用穴に挿入されてクッション軸を固定する分割されたクッション軸係止スペーサとからなることを特徴とする油圧シリンダのクッション装置。
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