JP2000044989A - 繊維製品の洗浄方法 - Google Patents
繊維製品の洗浄方法Info
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Abstract
維製等のデリケートな繊維製品を、風合いを損ねること
なく、家庭で洗濯できるようにする洗浄方法を提供す
る。 【解決手段】 浴中における陰イオン界面活性剤及び/
又は非イオン界面活性剤の濃度が0.004〜0.05
重量%であり、シリコーン化合物の濃度が0.0000
33〜0.0033重量%である処理浴Aで処理をした
後、浴中におけるシリコーン化合物の濃度が0.000
20〜0.005重量%であり、4級アンモニウム化合
物及び/又は3級アミン化合物の濃度が0.00067
〜0.01重量%である処理浴Bで処理をする工程を含
む繊維製品の洗浄方法。
Description
シルク繊維製品及び化学繊維製品等を家庭で洗濯する場
合に好適な繊維製品の洗浄方法に関する。
維製品の洗濯は、目視的な泥汚れや身体からの漏排物由
来の汚れの除去を主目的としていたが、生活環境の変化
により、汚れに対する懸念が和らぐ一方で、清潔感への
意識が高まってきている。即ち、「汚れたから洗濯す
る」から「着用したから洗濯する」へと洗濯意識が変化
してきており、洗濯機のコンピューター制御化による洗
濯の簡易化と相俟って、日常での洗濯の機会を増加させ
る要因になっている。
簡易化は、元来クリーニング専門店に任せていた風合い
や繊維生地自体の質感を大切にする、ウール繊維製品、
シルク繊維製品及び化学繊維製品等のおしゃれ着といわ
れるデリケートな繊維製品を家庭で洗濯する機会をも増
し、それに応じた洗浄剤や洗濯機が開発されている。
品、シルク繊維製品及び化学繊維製等のデリケートな繊
維製品を家庭で洗濯する上で、繊維の縮みを防止し、弾
力感、すべり感において好適な仕上がり感を与えられる
繊維製品の洗浄方法を提供するものである。
陰イオン界面活性剤及び/又は非イオン界面活性剤の濃
度が0.004〜0.05重量%であり、シリコーン化
合物の濃度が0.000033〜0.0033重量%で
ある処理浴Aで処理をした後、浴中におけるシリコーン
化合物の濃度が0.00020〜0.005重量%であ
り、4級アンモニウム化合物及び/又は3級アミン化合
物の濃度が0.00067〜0.01重量%である処理
浴Bで処理をする工程を含む繊維製品の洗浄方法を提供
する。
記の所定成分を含む洗浄剤を用いる。処理浴Aの陰イオ
ン界面活性剤及び/又は非イオン界面活性剤の浴(洗濯
浴)中における濃度は、0.004〜0.05重量%、
好ましくは0.01〜0.04重量%である。
アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル又はアルケニ
ルエーテル硫酸塩、アルキル又はアルケニル硫酸塩、オ
レフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、飽和又
は不飽和脂肪酸塩、α−スルホ脂肪酸塩又はα−スルホ
脂肪酸エステル等から選ばれる1種以上を挙げることが
できる。これらの中でも炭素数10〜20の直鎖アルキ
ルベンゼンスルホン酸塩、エチレンオキサイド平均付加
モル数が0.5〜4で、かつアルキル鎖の炭素数が8〜
22のポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩及び
アルキル鎖の炭素数が8〜22のアルキル硫酸エステル
塩が好ましい。これらの陰イオン界面活性剤の対イオン
は、ナトリウム又はアルカノールアミンが好ましい。
ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン又はこれら
のコポリマー、ポリオキシエチレンアルキル又はアルケ
ニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ
ーテル、高級脂肪酸アルカノールアミド又はそのアルキ
レンオキシド付加物、蔗糖脂肪酸エステル、アルキルグ
ルコシド等から選ばれる1種以上を挙げることができ
る。これらの中でもエチレンオキサイド平均付加モル数
が4〜10、プロピレンオキサイド平均付加モル数が0
〜4で、かつアルキル鎖の炭素数が8〜22のポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、アルキル鎖の炭素数が8
〜22で縮合度が1.0〜5.0の蔗糖由来のアルキル
グルコシドが好ましい。
る濃度は、0.000033〜0.0033重量%、好
ましくは0.00017〜0.0027重量%である。
処理浴Aのシリコーン化合物は、下記一般式(I):
る。 R:炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシル基又はア
ルコキシル基 R1:同一又は異なっていてもよい炭素数1〜4のアル
キル基 l:200〜600、好ましくは200〜500の数 m及びn:mが0〜60、好ましくは1〜30の数で、
nが0〜30、好ましくは1〜20の数であり、m+n
が5〜90、好ましくは5〜60となる数 A:下記の(イ)又は(ロ)で表される基 (イ)-(CH2)a-N(−R2)-CO-(CH2)b-O-(C2H4O)c-(C3H
60)d-R3 (ロ)-(CH2)a-N(-R2)-H (ここで、aは2〜6、bは1〜6の数を示し、c、d
はcが0〜20で、dが0〜20であり、c+dが1〜
30となる数を示し、R2は水素原子又は炭素数1〜4
のアルキル基を示し、R3は水素原子又は炭素数1〜2
0のアルキル基又はアルケニル基を示す) B:下記の(ハ)で表される基 (ハ)-(CH2)e-O-(C2H4O)f-(C3H60)g-R4 (ここで、eは2〜6の数を示し、f、gはfが0〜2
0で、gが0〜20であり、f+gが1〜30となる数
を示し、R4は水素原子又は炭素数1〜20のアルキル
基又はアルケニル基を示す)]で表されるものを挙げる
ことができる。
いることができる。洗浄剤中の陰イオン界面活性剤及び
/又は非イオン界面活性剤の含有量は、好ましくは1〜
50重量%、特に好ましくは5〜30重量%であり、シ
リコーン化合物の含有量は、好ましくは0.1〜10重
量%、特に好ましくは0.5〜5重量%である。処理浴
Aは、洗浄剤を水に対して0.01〜0.5重量%の濃
度で添加され、調製されることが好ましい。
して、液体洗剤とする場合は、特開平9−176685
号公報、第4頁第6欄第17行目〜第5頁第8欄第8行
目記載の成分を配合することができ、粉末洗剤とする場
合は、特開平8−2190693号公報、第4頁第5欄
第18行目〜第7頁第11欄第17行目記載の成分を配
合することができる。
の他の添加剤の中でも、アルカリ剤としてモノエタノー
ルアミン、酸剤としてクエン酸及びコハク酸、分散剤と
してオリゴマー、酸化防止剤として亜硫酸ナトリウム、
可溶化剤としてプロピレングリコール、低級アルコール
としてエタノール、抗菌剤としてイソチアゾリン系化合
物、香料、染料を配合することが好ましい。
理浴Bにて処理される。処理浴Bで処理する工程では、
下記の所定成分を含む仕上げ剤を用いる。
は、0.00020〜0.005重量%、好ましくは
0.00033〜0.005重量%である。このような
範囲において、衣料にべたつき感が残らず好適な風合い
を付与することができ、ウール製品においても縮みや毛
玉の発生を抑制することができる。
メチルポリシロキサン、高架橋型シリコーン、アミノ変
性シリコーン、アミド変性シリコーン、糖変性シリコー
ン等から選ばれる1種以上を挙げることができる。ジメ
チルポリシロキサンの分子量は、10,000〜1,0
00,000、好ましくは20,000〜500,00
0であり、アミノ変性シリコーンの分子量は、1,00
0〜500,000、好ましくは2,000〜300,
000であり、アミド変性シリコーン及び糖変性シリコ
ーンの分子量は、5,000〜2,000,000、好
ましくは10,000〜1,000,000である。さ
らに、高架橋型シリコーンは、特表平5−508887
号公報3頁右下欄〜5頁左下欄、特開平2−15406
9号公報5頁右上欄〜6頁左上欄のものを挙げることが
できる。
又は3級アミン化合物の浴中の濃度は、0.00067
〜0.01重量%、好ましくは0.002〜0.006
7重量%である。
又は3級アミン化合物としては、分子中に少なくとも1
つのエステル結合を有する4級アンモニウム化合物又は
3級アミン化合物の無機もしくは有機酸塩が好ましい。
無機酸塩としては、塩酸塩、硝酸塩、燐酸塩、硫酸塩等
を挙げることができ、有機酸塩としては、炭素数2〜1
8の飽和又は不飽和の脂肪酸塩、乳酸塩、グリコール酸
塩、クエン酸塩、マレイン酸塩等を挙げることができ
る。
級アミン化合物としては、下記一般式(II)及び(II
I)で表される化合物を挙げることができる。
もよい炭素数10〜20のアルキル基又はアルケニル基
を示し;Q1、Q2は、−COO−、−CONR11−、−
OCO−、−NR11CO−(ここでR11は水素原子、炭
素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキレン基を
示す)で、少なくとも1つが−COO−又は−OCO−
を示し;R6、R8は炭素数1〜5のアルキレン基を示
し;R9、R10は炭素数1〜3のアルキル基、ヒドロキ
シアルキル基又はR5−X−R6−を示し;HXは上記し
た無機酸又は有機酸を示し、X-はハロゲン原子等の陰
イオンを示す。]炭素数10〜20のアルキル基又はア
ルケニル基部分は直鎖でも分岐鎖でもよく、ステアリン
酸、パルミチン酸等の飽和脂肪酸、オレイン酸、リノー
ル酸、リノレン酸等の不飽和高級脂肪酸のほか、牛脂、
豚脂、パーム油、パーム核油、オリーブ油等の天然油脂
を分解、精製して得られる脂肪酸から由来するものが好
ましい。これらの中でも特に、オレイン酸、ステアリン
酸、牛脂脂肪酸、硬化牛脂脂肪酸、パーム油脂肪酸、パ
ーム核油脂肪酸、硬化パーム核油脂肪酸が好適である。
なお、不飽和高級脂肪酸としては、立体異性体がシス体
又はトランス体であっても、両者の混合物であってもよ
いが、特にシス体/トランス体の比率が25/75〜1
00/0(重量比)であることが好ましい。第3級アミ
ン化合物の長鎖結合基はエーテル結合を含んでいてもよ
く、その場合には、牛脂、豚脂、パーム油、オリーブ油
を還元して得られるアルコール由来のほか、それらから
ゲルベ反応によって得られる合成アルコールも使用でき
る。
I)で表される化合物を挙げることができる。なお、式
中のR12は、オレイル又はC18:C16=60/40(飽和アル
キル鎖)を示す。
下記一般式(VIII)で表されるものを用いることもでき
る。式中のR12の意味は上記と同様である。
非イオン界面活性剤の浴(洗濯浴)中の濃度は、好まし
くは0.004重量%未満、特に好ましくは0.003
3重量%以下である。処理浴Bの陰イオン界面活性剤及
び/又は非イオン界面活性剤は、処理浴Aと同じものを
用いることができる。
用いることができる。仕上げ剤中のシリコーン化合物の
含有量は、好ましくは0.05〜10重量%、特に好ま
しくは0.1〜5重量%であり、4級アンモニウム化合
物及び/又は3級アミン化合物の含有量は、好ましくは
1〜20重量%、特に好ましくは2〜15重量%であ
り、陰イオン界面活性剤及び/又は非イオン界面活性剤
の含有量は、好ましくは0〜10重量%、特に好ましく
は1〜8重量%である。処理浴Bは、仕上げ剤を水に対
して0.01〜0.1重量%、特に好ましくは0.01
7〜0.083重量%の濃度で添加され、調製されるこ
とが好ましい。
剤として、非イオン界面活性剤(アルキル鎖長が8〜1
8で、エチレンオキサイド付加モル数が10〜30のポ
リオキシエチレンアルキルエーテルが好ましい)、脂肪
酸(炭素数が12〜22のものが好ましい)、抗菌剤
(イソチアゾリン骨格を有するものが好ましい)、有機
酸(コハク酸及びクエン酸が好ましい)、溶媒(エチレ
ングリコール、プロピレングリコール及び重量平均分子
量が5000以内のポリエチレングリコールが好まし
い)、無機塩(食塩、塩化アンモニウム、塩化カルシウ
ムが好ましい)、その他(香料、色素)を配合すること
が好ましい。
で処理する工程を含むが、処理浴AとBによる処理は同
じ槽で行ってもよく、別々の槽で行ってもよい。処理浴
Aから処理浴Bに移る際は、脱水やすすぎにより処理浴
Aを除去した後、処理浴Bにて処理することが好まし
い。
繊維製品が接触する浴のpHは、4.0〜8.5が好ま
しく、4.0〜8.0が特に好ましく、4.0〜7.5
がさらに好ましい。
Dを、表2に処理浴Bを調製するための仕上げ剤1〜5
を示す。洗浄剤及び仕上げ剤のpHは、0.1Nの塩酸
又は水酸化ナトリウムを用いて、それぞれ7.0付近及
び5.0付近に調整した。表1及び表2に示した成分の
詳細を以下に示す。なお、4級アンモニウム化合物
(2)は下記の方法で製造した。
N−メチルエタノールアミンとアクリロニトリルの付加
物より、公知の方法[J.Org.Chem.,26,3409,(1960)]で合
成したN−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチル−
1,3−プロピレンジアミン66gと硬化牛脂脂肪酸2
84gを、攪拌機、温度計及び脱水管を備えた4つ口フ
ラスコに仕込み、180℃まで昇温した。その温度で約
10時間、生成する水を留去しながら加熱した結果、上
記一般式(X)の化合物を主成分とする反応物300gを
得た。得られた反応物の酸価、ケン化価、水酸基価、全
アミン価、3級アミン価を測定し、反応物の組成を調べ
た結果、ジアルキル体が86重量%、モノアルキルアミ
ド体が10重量%、未反応脂肪酸が4重量%であった。
また、ガスクロマトグラフィーによる分析から、未反応
のN−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチル−1,3
−プロピレンジアミンが反応物中に0.1重量%含有さ
れていた(特開平5−230001号公報参照)。上記
で得られた化合物300gを8−アセチル化蔗糖を添加
した工業用アルコール60gに溶解し、攪拌機、温度計
及び圧力計を備えたオートクレーブに仕込み、B.H.
Tを0.15g加えて、メチルクロライド28gを圧入
した。100℃で約8時間反応させた結果、上記一般式
(VIII)の化合物を主成分とする反応物390gを得
た。反応物の固形分は85重量%であり、アミン価の測
定から、4級化反応率は96%であった。また、4級化
されていないアミンのジアルキル体/モノアルキル体の
比率は、85/15(重量比)であった(特開平5−2
30001号公報参照)。
において、R=R1=CH3、l=300、m=7、n=
3、A=(CH2)3NHCOCH2O(C2H4O)5C12H25、B=(CH2)3O
(C2H4O)10CH3で表されるもの ・シリコーン化合物(2):SM8705(ジメチルポ
リシロキサン、(東レダウコーニング(株)製)) ・シリコーン化合物(3):SM8702C(アミノ変
性シリコーン(東レダウコーニング(株)製))。
の炭素数が12〜14の直鎖アルキルベンゼンスルホン
酸ナトリウム ・陰イオン界面活性剤(2):アルキル鎖の炭素数が1
2〜14の直鎖であり、平均エチレンオキサイド付加モ
ル数が3.0であるポリオキシエチレンアルキル硫酸カ
リウム ・非イオン界面活性剤(1):ポリオキシエチレンアル
キルエーテル(アルキル鎖が一級直鎖であり、炭素数が
12〜14、平均エチレンオキサイド付加モル数が1
2) ・非イオン界面活性剤(2):ポリオキシエチレンラウ
リルエーテル(平均エチレンオキサイド付加モル数が
8) ・非イオン界面活性剤(3):アルキルグリコシド(ア
ルキル鎖の炭素数が12〜14、グルコースの縮合度が
1.3) ・非イオン界面活性剤(4):ポリオキシエチレンラウ
リルエーテル(平均エチレンオキサイド付加モル数が4
7) ・4級アンモニウム化合物(1):モノアルキル(炭素
数16〜18)トリメチルアンモニウムクロリド ・4級アンモニウム化合物(2):上記の製造方法によ
り得られた化合物 ・脂肪酸:炭素数16〜18の硬化牛脂由来脂肪酸 ・ポリエチレングリコール:重量平均分子量1500 ・プロキセルBDN:イソチアゾリン系抗菌剤(ゼネカ
社製)
イズL)2枚及びシルクのブラウス(9号長袖)1枚を
洗濯機(ナショナルNA−F60E)に入れ、表1の洗
浄剤を用いて処理浴Aを調製し、表3に示した条件で処
理した。なお、使用した水はすべての工程において、2
0℃、4°DHのものを用いた。処理浴Aで処理後、脱
水を行い、次いですすぎを2回行った。2回目のすすぎ
時において、表2記載の仕上げ剤を用いて処理浴Bを調
製し、表3に示した条件で処理した。処理浴Bを十分に
脱水後、日陰で無風条件下で乾燥を行った。乾燥後、そ
れぞれの衣料に求められる仕上げ具合を観るため、カシ
ミヤセーターについては手触りにより弾力性を、シルク
のブラウスについてはすべり性を調べた。また、カシミ
ヤセーターについては縮みやすいため、洗濯前と比較し
た衣料の縮みの程度を調べた。評価基準を下記に示す。
製品、シルク繊維製品及び化学繊維製等のデリケートな
繊維製品を、風合いを損ねることなく、家庭で洗濯する
ことができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 浴中における陰イオン界面活性剤及び/
又は非イオン界面活性剤の濃度が0.004〜0.05
重量%であり、シリコーン化合物の濃度が0.0000
33〜0.0033重量%である処理浴Aで処理をした
後、浴中におけるシリコーン化合物の濃度が0.000
20〜0.005重量%であり、4級アンモニウム化合
物及び/又は3級アミン化合物の濃度が0.00067
〜0.01重量%である処理浴Bで処理をする工程を含
む繊維製品の洗浄方法。
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