JP2015101649A - 繊維製品の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低浴比や短洗浄時間といった洗濯条件下であっても、残存汚れによるニオイが少なく、柔軟剤の香りが残った繊維製品を得ることを可能にする繊維製品の処理方法の提供。
【解決手段】下記工程1〜3を実施する。工程1:繊維製品を、(A)ノニオン界面活性剤を含む液体洗浄剤組成物を用いて洗浄する工程であって、(A)成分が、下式(1−1)〜(1−3)のいずれかで表されるノニオン界面活性剤である工程、R−CO−(EO)n―OR(1−1)、R−O(EO)−(PO)−(EO)H(1−2)、R−O(EO)−H(1−3)、工程2:工程1で洗浄した繊維製品を脱水する工程、及び工程3:工程2で脱水した繊維製品を、(B)C10〜26の炭化水素基を分子内に1〜3個有するアミン化合物、及び、その4級化物などから選ばれるカチオン界面活性剤、(C)デキストリン及び(D)香料を含む液体柔軟剤組成物で処理する工程。
【選択図】なし

Description

本発明は繊維製品の処理方法に関する。
近年、環境意識の高まりから、洗濯に使用する水の量が少なくなってきている。一方で洗濯機の大型化により洗濯1回あたりの被洗物量が増加してきている。これらにより、洗濯時の浴比(洗浄水の質量/被洗物の質量)が低下してきている。このような水の使用量が少ない洗濯条件下では、皮脂などの汚れが被洗物である繊維製品に残存しやすく、洗濯後の繊維製品からニオイ(皮脂臭など)が感じられる場合がある。
また、生活者の節約意識も高くなっており、洗濯機を用いた洗濯の際、通常の洗濯コースよりも短時間で処理が完了するスピードコースを選択する割合も増加している。スピードコースでは洗浄時間が短くなるため、通常コースに比べて、汚れが落ちにくくなる場合がある。
また、最近は、繊維製品へ香りを付与するために、洗浄後のすすぎ時に柔軟剤を使用することが多いが、洗浄後の繊維製品に皮脂臭などが残存していると、柔軟剤の香りが十分に感じられないことがある。
繊維製品のニオイ又は汚れを抑制する洗浄剤に関し、特許文献1〜3に記載の技術が存在する。
繊維製品のニオイを抑制する柔軟剤に関し、特許文献4〜5に記載の技術が存在する。
特開2008−101165号公報 特開2013−18971号公報 特開2001−158899号公報 特開2006−70408号公報 特開2011−130986号公報
本発明は、低浴比や短洗浄時間といった洗濯条件下であっても、残存汚れによるニオイが少なく、柔軟剤の香りが残った繊維製品を得ることを可能にする繊維製品の処理方法及び当該方法に用いる繊維製品処理剤セットを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、繊維製品を特定種類の成分を配合した液体洗浄剤組成物で洗浄し、脱水し、次いで、特定種類の成分を配合した液体柔軟剤組成物で処理することにより、残存汚れによるニオイが少なく、かつ、柔軟剤の香りが十分に残った繊維製品が得られることを見いだし、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は下記1〜5に関するものである。
1.繊維製品の処理方法であって、下記の工程1〜3:
工程1:繊維製品を、(A)ノニオン界面活性剤を含む液体洗浄剤組成物を用いて洗浄する工程であって、
(A)成分が、下記一般式(1−1)〜(1−3)のいずれかで表される1種以上のノニオン界面活性剤である工程、
1−CO−(EO)n―OR2 (1−1)
(式中、
1は炭素数9〜13の炭化水素基であり、
2は炭素数1〜4のアルキル基であり、
EOはオキシエチレン基であり、
nはEOの平均繰返し数を示し、5〜25の数である。)

3−O(EO)p−(PO)q−(EO)rH (1−2)
(式中、
3は炭素数10〜20のアルキル基又はアルケニル基であり、
EOはオキシエチレン基であり、
p及びrはEOの平均繰り返し数を示し、p+rは5〜20の数であり、
POはオキシプロピレン基であり、
qはPOの平均繰り返し数を示し、1〜4の数である。)

4−O(EO)s−H (1−3)
(式中、
4は2級アルコールに由来する炭素数10〜22の炭化水素基であり、
EOはオキシエチレン基であり、
sはEOの平均繰り返し数を示し、5〜20の数である。)
工程2:工程1で洗浄した繊維製品を脱水する工程、及び
工程3:工程2で脱水した繊維製品を、(B)エステル基及びアミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基で分断されていてもよい炭素数10〜26の炭化水素基を分子内に1〜3個有するアミン化合物、その中和物、及び、その4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種のカチオン界面活性剤、(C)デキストリン及び(D)香料を含む液体柔軟剤組成物で処理する工程
を含むことを特徴とする、方法。
2.液体柔軟剤組成物において、(C)成分に対する(B)成分の質量比((B)/(C))が5〜50である、前記1に記載の処理方法。
3.液体柔軟剤組成物において、(C)成分が高度分岐環状デキストリンである、前記1〜2のいずれかに記載の処理方法。
4.液体洗浄剤組成物がカチオン界面活性剤を更に含む、前記1〜3のいずれかに記載の処理方法。
5.液体洗浄剤組成物と液体柔軟剤組成物とを含む、繊維製品処理剤セット製品であって、
液体洗浄剤組成物と液体柔軟剤組成物とが分離した状態で収容されており、
液体洗浄剤組成物が、下記(A)成分を含み、
(A)成分が、下記一般式(1−1)〜(1−3)のいずれかで表される1種以上のノニオン界面活性剤であり、
1−CO−(EO)n―OR2 (1−1)
(式中、
1は炭素数9〜13の炭化水素基であり、
2は炭素数1〜4のアルキル基であり、
EOはオキシエチレン基であり、
nはEOの平均繰返し数を示し、5〜25の数である。)

3−O(EO)p−(PO)q−(EO)rH (1−2)
(式中、
3は炭素数10〜20のアルキル基又はアルケニル基であり、
EOはオキシエチレン基であり、
p及びrはEOの平均繰り返し数を示し、p+rは5〜20の数であり、
POはオキシプロピレン基であり、
qはPOの平均繰り返し数を示し、1〜4の数である。)

4−O(EO)s−H (1−3)
(式中、
4は2級アルコールに由来する炭素数10〜22の炭化水素基であり、
EOはオキシエチレン基であり、
sはEOの平均繰り返し数を示し、5〜20の数である。)、
液体柔軟剤組成物が、(B)エステル基及びアミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基で分断されていてもよい炭素数10〜26の炭化水素基を分子内に1〜3個有するアミン化合物、その中和物、及び、その4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種のカチオン界面活性剤、(C)デキストリン及び(D)香料を含む
ことを特徴とする、セット製品。
本発明は、低浴比や短洗濯時間といった処理条件下であっても、残存汚れによるニオイが少なく、柔軟剤の香りが残った繊維製品を得ることができる。したがって、本発明は従来の繊維製品処理方法にはない付加価値を有する処理方法として有用である。
本発明の繊維製品処理方法は、下記の工程1〜3:
工程1:繊維製品を、液体洗浄剤組成物を用いて洗浄する工程:
工程2:工程1で洗浄した繊維製品を脱水する工程、及び
工程3:工程2で脱水した繊維製品を液体柔軟剤組成物で処理する工程
を含む。以下、各工程を詳述する。
工程1
工程1は、繊維製品を、(A)成分を含む液体洗浄剤組成物を用いて洗浄する工程である。
(A)成分
(A)成分は、繊維製品の洗浄成分として配合される。
(A)成分は、下記一般式(1−1)〜(1−3)のいずれかで表される1種以上のノニオン界面活性剤である。
一般式(1−1)で表されるノニオン界面活性剤
1−CO−(EO)n―OR2 (1−1)
(式中、
1は炭素数9〜13の炭化水素基であり、
2は炭素数1〜4のアルキル基であり、
EOはオキシエチレン基であり、
nはEOの平均繰返し数を示し、5〜25の数である。)
一般式(1−1)中、R1の炭化水素基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、又は環状の構造を含んでいてもよい。R1の炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であることが好ましく、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基がより好適なものとして挙げられる。
1の炭素数は9〜13であり、炭素数10〜13であることが好ましく、炭素数11〜13であることがより好ましい。R1の炭素数が9以上であると、洗浄力が高まる。一方、R1の炭素数が13以下であると、液安定性が向上し、特にゲル化が抑制される。
一般式(1−1)中、R2は、炭素数1〜4のアルキル基であり、炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。R2として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基や、n−ブチル基が挙げられ、メチル基、エチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。R2の炭素数が1以上であると、低温保存時の析出が抑制されやすい。一方、R2の炭素数が4以下であると、低温条件下での液体洗浄剤の水に対する溶解性が高まる。
前記式(1−1)中、nはオキシエチレン基(EO)の平均繰返し数を示し、5〜25の数である。nが下限値以上であると、洗浄力、特に皮脂汚れに対する洗浄力が向上する。一方、nが上限値以下であると、液体洗浄剤の水に対する溶解性が向上する。
nは5〜20であることが好ましく、12〜18がより好ましい。
一般式(1−1)中のEOの繰返し数が異なる化合物の分布の割合を示すナロー率は、20質量%以上であることが好ましい。ナロー率の上限値は実質的には80質量%以下であることが好ましい。当該ナロー率は、20〜50質量%であることがより好ましく、液安定性と水に対する溶解性がより向上することから、30〜45質量%であることがさらに好ましい。該ナロー率が高いほど、良好な洗浄力が得られやすい。また、当該ナロー率が、好ましくは20質量%以上、特に好ましくは30質量%以上であると、原料臭気の少ない液体洗浄剤組成物が得られやすくなる。これは、一般式(1−1)で表される(A)成分の製造後、(A)成分と共存する、(A)成分の原料である脂肪酸エステルと前記一般式(1−1)中のnが1又は2のエチレンオキシド付加体が少なくなるためである。
本明細書において「ナロー率」とは、EOの付加モル数が異なるEO付加体の分布の割合を示す、下記の数式(S)で表される値をいう。
Figure 2015101649
式(S)において、mmaxは、前記一般式(1−1)で表される成分全体の中に最も多く存在するEO付加体のEOの付加モル数を示す。
式(S)中、iはEOの付加モル数を示す。
式(S)中、Yiは、一般式(1−1)で表される成分全体の中に存在するEOの付加モル数がiであるEO付加体の割合(質量%)を示す。
ナロー率は、たとえば(A)成分の製造方法等によって制御することができる。
一般式(1−1)で表される(A)成分の製造方法としては、特に限定されるものではないが、例えば表面改質された複合金属酸化物触媒を用いて、脂肪酸アルキルエステルにアルキレンオキシドを付加重合させる方法(特開2000−144179号公報参照)により容易に製造することができる。
かかる表面改質された複合金属酸化物触媒の好適なものとしては、具体的には、金属水酸化物等により表面改質された金属イオン(Al3+、Ga3+、In3+、Tl3+、Co3+、Sc3+、La3+、Mn2+等)が添加された酸化マグネシウム等の複合金属酸化物触媒や金属水酸化物及び/又は金属アルコキシド等により表面改質されたハイドロタルサイトの焼成物触媒が挙げられる。
また、前記複合金属酸化物触媒の表面改質においては、複合金属酸化物と、金属水酸化物及び/又は金属アルコキシドとの混合割合を、複合金属酸化物100質量部に対して、金属水酸化物及び/又は金属アルコキシドの割合を0.5〜10質量部とすることが好ましく、1〜5質量部とすることがより好ましい。
一般式(1−2)で表されるノニオン界面活性剤
3−O(EO)p−(PO)q−(EO)rH (1−2)
(式中、
3は炭素数10〜20のアルキル基又はアルケニル基であり、
EOはオキシエチレン基であり、
p及びrはEOの平均繰り返し数を示し、p+rは5〜20の数であり、
POはオキシプロピレン基であり、
qはPOの平均繰り返し数を示し、1〜4の数である。)
一般式(1−2)中、R3の炭素数は10〜20であり、好ましくは12〜18、より好ましくは12〜14である。R3の炭素数が上記範囲内であると、洗浄力やゲル化防止性に優れる。R3のアルキル基又はアルケニル基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。R3は、原料のアルコール(R3−OH)に由来していてもよい。該アルコールとしては、ヤシ油、パーム油、牛脂などの天然油脂由来のアルコールや、石油由来の合成アルコールが挙げられる。
一般式(1−2)中、p及びrはオキシエチレン基(EO)の平均繰り返し数を示す。p+rは5〜20の数であり、5〜18が好ましい。p+rが上記範囲内であると、得られる液体洗浄剤組成物の洗浄力、特に皮脂汚れに対する洗浄力が向上する。
一般式(1−2)中、qはオキシプロピレン基(PO)の平均繰り返し数を示し、1〜4の数であり、1〜3が好ましい。qが上記範囲内であると、すすぎ時の良好な泡切れ性と液体洗浄剤組成物のゲル化防止が得られる。
一般式(1−2)におけるEOとPOの付加の形態は、ランダム付加でも、ブロック付加でもよい。ブロック付加は、EOを付加した後POを付加する方法、または、POを付加した後EOを付加する方法で行える。特に、全自動洗濯機による洗濯おけるすすぎ性の良さから、EOとPOを付加した後、さらにEOを付加し、末端にEO鎖をもつものが好ましい。
なお、一般式(1−2)で表される化合物中のPO、EOの付加モル数分布、すなわち、p、qおよびrの分布は特に限定されない。これらの分布は、当該化合物の製造時の反応方法によって変動する。例えば、一般的な水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリ触媒を用い、酸化エチレンを疎水性原料に付加させた際には、比較的広い分布となる傾向にある。また、例えば特公平6−15038号公報に記載のAl3+、Ga3+、In3+、Tl3+、Co3+、Sc3+、La3+、Mn2+等の金属イオンを添加した酸化マグネシウム等の特定のアルコキシル化触媒を用いて酸化エチレンを疎水基原料に付加させた際には、比較的狭い分布となる傾向にある。
一般式(1−2)で表されるノニオン界面活性剤は市場において容易に入手可能であるか、又は、合成可能である。
一般式(1−3)で表されるノニオン界面活性剤
4−O(EO)s−H (1−3)
(式中、
4は2級アルコールに由来する炭素数10〜22の炭化水素基であり、
EOはオキシエチレン基であり、
sはEOの平均繰り返し数を示し、5〜20の数である。)
一般式(1−3)中、R4の炭素数は10〜22であり、好ましくは10〜18、より好ましくは10〜14である。R4の炭素数が上記範囲内であると、液体洗浄剤組成物の液安定性に優れる。R4の炭化水素基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。
一般式(1−3)中、sはオキシエチレン基(EO)の平均繰り返し数を示し、5〜20の数であり、10〜20が好ましい。sが上記範囲内であると、液体洗浄剤組成物の液安定性に優れる。
一般式(1−3)で表されるノニオン界面活性剤は市場において容易に入手可能であるか、又は、合成可能である。
(A)成分は、1種類を単独で用いてもよく、一般式(1−1)〜(1−3)の2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
(A)成分の配合量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、好ましくは20〜60質量%、より好ましくは30〜50質量%である。20質量%以上であると、より高い洗浄効果を得ることができる。60質量%以下であると液体洗浄剤組成物の液安定性を向上することができる。
任意成分
本発明の液体洗浄剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、上記必須成分(A)以外の他の成分、例えば、(A)成分以外のノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、水混和性有機溶媒、両性界面活性剤、減粘剤(可溶化剤)、アルカリ剤、金属イオン捕捉剤、酸化防止剤、風合向上剤、蛍光増白剤、再汚染防止剤、パール剤、ソイルリリース剤、酵素、着香剤、着色剤、乳濁化剤、エキス類や、pH調整剤を任意成分として配合することができる。任意成分を以下に説明する。
(A)成分以外のノニオン界面活性剤
(A)成分を除くものであれば特に限定されず、例えば、以下(1)〜(7)が挙げられる。
(1)炭素数6〜22、好ましくは8〜18の脂肪族アルコールにエチレンオキシド(EO)を平均3〜30モル、好ましくは3〜20モル、さらに好ましくは5〜20モル付加したポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル。
(2)ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)フェニルエーテル。
(3)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル。
(4)ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル。
(5)ポリオキシエチレン脂肪酸エステル。
(6)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油。
(7)グリセリン脂肪酸エステル。
(A)成分以外のノニオン界面活性剤としては、上記(1)のものが好ましい。(1)において、EOの付加モル数分布は特に限定されず、(1)を製造する際の反応方法によって変動しやすい。例えば、EOの付加モル数分布は、一般的な水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ触媒を用いて、エチレンオキシドを疎水基原料(1級の高級アルコール)に付加させた際には、比較的広い分布となる傾向にある。また、特公平6−15038号公報に記載のAl3+、Ga3+、In3+、Tl3+、Co3+、Sc3+、La3+、Mn2+等の金属イオンを添加した酸化マグネシウム等の特定のアルコキシル化触媒を用いて、エチレンオキシドを該疎水基原料に付加させた場合には、比較的狭い分布となる傾向にある。
(1)のノニオン界面活性剤としては、例えば、三菱化学株式会社製のDiadol(商品名、C13)、Shell社製のNeodol(商品名、C12とC13との混合物)、Sasol社製のSafol23(商品名、C12とC13との混合物)等のアルコールに対して、12モル相当又は15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの;プロクター・アンド・ギャンブル社製のCO−1214(商品名)又はCO−1270(商品名)等の天然アルコールに対して、12モル相当又は15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの;ブテンを3量化して得られるC12アルケンをオキソ法に供して得られるC13アルコールに対して、7モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(商品名:Lutensol TO7、BASF社製);ペンタノールをガーベット反応に供して得られるC10アルコールに対して、9モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(商品名:Lutensol XP90、BASF社製);ペンタノールをガーベット反応に供して得られるC10アルコールに対して、7モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(商品名:Lutensol XL70、BASF社製の);ペンタノールをガーベット反応に供して得られるC10アルコールに対して、6モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(商品名:Lutensol XA60、BASF社製);椰子脂肪酸メチル(ラウリン酸/ミリスチン酸(質量比)=8/2)に対して、アルコキシル化触媒を用いて、15モル相当の酸化エチレンを付加したもの(ポリオキシエチレン椰子脂肪酸メチルエステル(EO15モル))等が挙げられる。
(A)成分以外のノニオン界面活性剤の配合量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、1〜60質量%が好ましく、5〜55質量%がより好ましく、5〜50質量%がさらに好ましい。
アニオン界面活性剤
アニオン界面活性剤としては、従来から液体洗浄剤へ用いられているものを用いることができる。アニオン界面活性剤としては、例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩;α−オレフィンスルホン酸塩;直鎖又は分岐鎖のアルキル硫酸エステル塩;エチレンオキシドとプロピレンオキシドを付加したポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩;アルキル基を有するアルカンスルホン酸塩;α−スルホ脂肪酸エステル塩等が挙げられる。これらのアニオン界面活性剤における塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアルカノールアミン塩等が挙げられる。
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩としては、直鎖アルキル基の炭素数が8〜16のものが好ましく、直鎖アルキル基の炭素数が10〜14のものがより好ましい。
α−オレフィンスルホン酸塩としては、炭素数10〜20のものが好ましい。
アルキル硫酸エステル塩としては、アルキル基の炭素数が10〜20のものが好ましい。
アルキル基を有するアルカンスルホン酸塩としては、アルキル基の炭素数が10〜20のものが好ましく、14〜17のものがより好ましく、中でも、該アルキル基が2級アルキル基であるもの(即ち、2級アルカンスルホン酸塩)がさらに好ましい。
α−スルホ脂肪酸エステル塩としては、脂肪酸残基の炭素数が10〜20のものが好ましい。
エチレンオキシドとプロピレンオキシドを付加したポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩においては、アルキル基の炭素数が10〜20であり、11〜15のものがより好ましい。エチレンオキシドの平均繰り返し数は0〜5であり、プロピレンオキシドの平均繰り返し数は0〜5である。エチレンオキシドとプロピレンオキシドはランダムに付加してもよいし、ブロック状に付加してもよい。
その他のアニオン界面活性剤としては、例えば、炭素数10〜20の高級脂肪酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレンエーテルカルボン酸塩、アルキル(又はアルケニル)アミドエーテルカルボン酸塩、アシルアミノカルボン酸塩等のカルボン酸型アニオン界面活性剤;アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルリン酸エステル塩、グリセリン脂肪酸エステルモノリン酸エステル塩等のリン酸エステル型アニオン界面活性剤等も挙げられる。
アニオン界面活性剤の配合量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、好ましくは1〜15質量%、より好ましくは3〜10量%である。1質量%以上であると、より高い洗浄効果を得ることができる。15質量%以下であると液体洗浄剤組成物の液安定性を向上することができる。
カチオン界面活性剤
カチオン界面活性剤は、液体洗浄剤組成物の洗浄効果を高めるために配合することができる。
カチオン界面活性剤としては、例えば、4級アンモニウム塩型の界面活性剤や、3級アミン型の界面活性剤が挙げられ、中でも、洗浄する衣類に抗菌作用を付与する観点から、4級アンモニウム塩型の界面活性剤が好ましい。
4級アンモニウム塩型の界面活性剤としては、例えば、アーカード12−37W(商品名、ライオンアクゾ株式会社製)やアーカードT−800(商品名、ライオンアクゾ株式会社製)等の塩化アルキルトリメチルアンモニウムや、アーカード210―80E(商品名、ライオンアクゾ株式会社製)等の塩化ジデシルジメチルアンモニウム、アーカードCB−50(商品名、ライオンアクゾ株式会社製)等の椰子アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
カチオン界面活性剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カチオン界面活性剤の配合量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、0.1質量%以上10質量%未満が好ましく、1〜6質量%がより好ましく、2〜4質量%がさらに好ましい。上記下限値以上であれば、被洗物の抗菌作用をより高められ、上記上限値以下であれば、被洗物への移染や再汚染等が抑制され、更に液体洗浄剤組成物の液安定性をより高められる。
水混和性有機溶媒
本発明における水混和性有機溶媒とは、25℃の水1Lに50g以上溶解する有機溶媒をいう。水混和性有機溶媒としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、エチレングリコールとプロピレングリコールとの共重合体等の炭素数2〜6のアルキレングリコール類;エタノール、メタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコール−モノ2−エチルへキシルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、オキシエチレン・ジオキシプロピレングリコールモノブチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコール(モノ又はジ)アルキルエーテル;エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル等の芳香族エーテル類やカプリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。中でも、溶解性、低温保管時の液安定性の向上の点からから、エタノール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコール−モノ2−エチルへキシルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、オキシエチレン・ジオキシプロピレングリコールモノブチルエーテルやカプリル酸2−エチルヘキシルがより好ましい。
水混和性有機溶媒は、1種類を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
水混和性有機溶媒の配合量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、3〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましく、7〜15質量%がさらに好ましい。上記範囲内あれば、溶解性、液安定性のさらなる向上が図れる。
両性界面活性剤
本発明では従来公知の両性界面活性剤を用いることができる。例えば、アルキルベタイン型、アルキルアミドベタイン型、イミダゾリン型、アルキルアミノスルホン型、アルキルアミノカルボン酸型、アルキルアミドカルボン酸型、アミドアミノ酸型や、リン酸型の両性界面活性剤等が挙げられる。
両性界面活性剤の配合量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、例えば0.1〜15質量%であることが好ましい。
減粘剤(可溶化剤)
減粘剤(可溶化剤)は、液体洗浄剤組成物がゲル化して液表面に皮膜が形成されるのを抑制するために配合することができる。具体例としては、例えば、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、クメンスルホン酸、置換もしくは非置換ナフタレンスルホン酸等の芳香族スルホン酸及びその塩等が挙げられる。芳香族スルホン酸塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩又はアルカノールアミン塩等が挙げられる。
減粘剤(可溶化剤)は、1種類を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
減粘剤(可溶化剤)の配合量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、0.01〜15質量%が好ましい。上記範囲内であれば、液体洗浄剤組成物の液表面における皮膜形成を良好に抑制できる。
アルカリ剤
アルカリ剤としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンや、トリエタノールアミン等のアルカノールアミンが挙げられる。
アルカリ剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アルカリ剤の配合量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、0.5〜5質量%が好ましい。
金属イオン捕捉剤
金属イオン捕捉剤としては、例えば、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、ジグリコール酸、酒石酸や、クエン酸等が挙げられる。
金属イオン捕捉剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
金属イオン捕捉剤の配合量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、0.1〜20質量%が好ましい。
酸化防止剤
酸化防止剤は特に限定はされないが、洗浄力と液安定性とが良好であることから、フェノール系酸化防止剤が好ましい。フェノール系酸化防止剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール、dl−α−トコフェロールが好ましく、ジブチルヒドロキシトルエン、dl−α−トコフェロールがより好ましい。
酸化防止剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
酸化防止剤の配合量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、0.01〜2質量%が好ましい。
風合向上剤
風合向上剤としては、例えば、ジメチルシリコーン、ポリエーテル変性シリコーンや、アミノ変性シリコーン等のシリコーンが挙げられる。
風合向上剤の配合量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、0〜5質量%が好ましい。
蛍光増白剤
蛍光増白剤は、白色衣類の白度向上を目的として配合することができる。具体例としては、ジスチリルビフェニル型の蛍光増白剤等が挙げられる。
蛍光増白剤の配合量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、0〜1質量%が好ましい。
再汚染防止剤(移染防止剤)
再汚染防止剤(移染防止剤)としては、例えば、ポリビニルピロリドンや、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
再汚染防止剤(移染防止剤)の配合量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、0〜2質量%が好ましい。
酵素
酵素としては、例えば、プロテアーゼ、リパーゼや、セルラーゼ等が挙げられる。酵素を含有することで、液体洗浄剤組成物の洗浄力をより高められる。
酵素の配合量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、0.1〜1質量%が好ましい。
着香剤
着香剤としては、特に限定されない。具体例としては特開2002−146399号公報の表11〜18に記載の香料組成物A〜D等が挙げられる。
着香剤の配合量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、0.1〜1質量%が好ましい。
着色剤
着色剤としては、アシッドレッド138、Polar Red RLS、アシッドイエロー203、アシッドブルー9、青色1号、青色205号、緑色3号、ターコイズP−GR(いずれも商品名)等の汎用の色素や顔料が挙げられる。
着色剤の配合量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、0.00005〜0.005質量%が好ましい。
乳濁化剤
乳濁化剤としては、ポリスチレンエマルションや、ポリ酢酸ビニルエマルジョン等が挙げられ、通常、固形分30〜50質量%のエマルションが好適に用いられる。このようなエマルション型の乳濁化剤としては、ポリスチレンエマルション(商品名:サイビノールRPX−196 PE−3、固形分40質量%、サイデン化学株式会社製)等が挙げられる。
乳濁化剤の配合量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、0.01〜0.5質量%が好ましい。
エキス類
エキス類としては、例えば、イヌエンジュ、ウワウルシ、エキナセア、コガネバナ、キハダ、オウレン、オールスパイス、オレガノ、エンジュ、カミツレ、スイカズラ、クララ、ケイガイ、ケイ、ゲッケイジュ、ホオノキ、ゴボウ、コンフリー、ジャショウ、ワレモコウ、シャクヤク、ショウガ、セイタカアワダチソウ、セイヨウニワトコ、セージ、ヤドリギ、ホソバオケラ、タイム、ハナスゲ、チョウジ、ウンシュウミカン、ティーツリー、バーベリー、ドクダミ、ナンテン、ニュウコウ、ヨロイグサ、シロガヤ、ボウフウ、オランダヒユ、ホップ、ホンシタン、マウンテングレープ、ムラサキタガヤサン、セイヨウヤマハッカ、ヒオウギ、ヤマジソ、ユーカリ、ラベンダー、ローズ、ローズマリー、バラン、スギ、ギレアドバルサムノキ、ハクセン、ホウキギ、ミチヤナギ、ジンギョウ、フウ、ツリガネニンジン、ヤマビシ、ヤブガラシ、カンゾウ、セイヨウオトギリソウ等の植物エキス等が挙げられる。
エキス類の配合量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、0〜0.5質量%が好ましい。
pH調整剤
pH調整剤としては、例えば、硫酸、塩酸等の酸性化合物;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ性化合物が挙げられ、中でも、経時安定性の面から、硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカノールアミンが好ましく、硫酸、水酸化ナトリウムがより好ましい。
pH調整剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、pH調整剤を除く成分のみで所望のpHの液体洗浄剤組成物が得られる場合は、必ずしもpH調整剤を用いる必要はない。
本発明の液体洗浄剤組成物は、好ましくは水性組成物である。配合する水としては、水道水、イオン交換水、純水や、蒸留水などを用いることができるが、水中に微量に存在するカルシウムやマグネシウムなどの硬度成分や鉄などの重金属を除去した水が好ましく、更にコストも考慮するとイオン交換水が最も好ましい。
本発明の液体洗浄剤組成物は、液体洗浄剤組成物の製造に一般的に用いられている種々の方法を用いて製造することができる。
工程1の洗浄工程に特別な制限はなく、液体洗浄剤組成物を用いた繊維製品の一般的な洗浄方法と同様に実施することができる。例えば、洗濯機内の繊維製品(被洗物)へ液体洗浄剤組成物と水とを投入し、洗濯機を作動させることにより洗浄工程を実施することができる。
液体洗浄剤組成物の濃度は、洗浄効果を得られる限り特に制限されないが、洗浄水の質量に対して好ましくは0.01〜0.1質量%、より好ましくは0.02〜0.05質量%である。
浴比(繊維製品に対する洗浄水の質量比(洗浄水の質量/繊維製品の質量)は、洗浄効果を得られる限り特に制限されず、一般的には5〜15であるが、5〜10という低浴比下においても本発明は十分な洗浄効果を発揮することができる。
また本発明の液体洗浄剤組成物は、標準的な洗浄時間よりも短い洗浄時間下においても十分な洗浄効果を発揮することができる。
「標準的な洗浄時間よりも短い洗浄時間」とは、一般的には、洗濯機で「標準コース」として設定されている洗浄時間の50〜80%の洗浄時間をいい、洗濯機により呼称は異なるが、「スピードコース」、「お急ぎコース」や「スピーディコース」といった設定において採用されている洗浄時間である。
工程2
工程2は、工程1で洗浄した繊維製品を脱水する工程である。
工程1の脱水工程に特別な制限はなく、液体洗浄剤組成物を用いた繊維製品の一般的な洗濯方法で実施される脱水工程と同様に実施することができる。
なお、工程2を実施する前にすすぎ工程を実施して、工程1の洗浄工程により繊維製品から脱離した汚れの繊維製品の再付着を防ぐこともできる。
繊維製品の脱水は完全に行われる必要はなく、乾燥した繊維製品に対して100質量%以下程度まで水を含有していてもよい。
工程3
工程3は、工程2で脱水した繊維製品を、(B)カチオン界面活性剤、(C)デキストリン及び(D)香料を含む液体柔軟剤組成物で処理する工程である。
(B)成分
(B)成分は、「エステル基及びアミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基で分断されていてもよい炭素数10〜26の炭化水素基(以下「長鎖炭化水素基」ということがある)を分子内に1〜3個有するアミン化合物、その中和物(塩)、及び、その4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種のカチオン界面活性剤」である。(B)成分は、繊維製品を柔軟処理する成分として配合される。
アミン化合物中、炭化水素基は窒素原子に結合しており、窒素原子へ結合している炭化水素基の数は1〜3である。
炭化水素基の炭素数は、10〜26、好ましくは12〜22、特に好ましくは16〜20である。
炭化水素基は、エステル基及びアミド基からなる群より選ばれる1種以上の基により分断されていてもよい。エステル基及びアミド基の中ではエステル基が特に好ましい。分断する基の数は、分断する基がエステル基又はアミド基である場合は、炭化水素基1つにつき1つである。
中和物とは、上述のアミン化合物を酸で中和することによって得られる化合物(塩)である。中和に用いる酸としては、塩酸、硫酸、メチル硫酸や、パラトルエンスルホン酸などが挙げられる。中和物はアミン塩の形であることが好ましい。
中和物の製造は、予め酸で中和したアミン化合物を水で分散させる、液状若しくは固体状のアミン化合物の酸水溶液中への投入、又は、アミン化合物と酸との水中への同時投入等により行うことができる。
4級化物とは、上述のアミン化合物のうち、窒素原子へ結合している炭化水素基の数が3であるもの(3級アミン)を4級化剤で処理することによって得られる化合物である。4級化剤としては、塩化メチルやジメチル硫酸等が挙げられる。
(B)成分のカチオン界面活性剤として、下記一般式(B-I)〜(B-VII)のいずれかで表される化合物、その中和物又はその4級化物を例示することができる。
Figure 2015101649
上記(B-I)〜(B-VII)の各式中、R5は同一又は異なっていてもよい炭素数15〜17の炭化水素基(例えば、アルキル基又はアルケニル基)(別言すれば、炭素数16〜18の脂肪酸からカルボキシル基を除くことで誘導される残基)である。R5を誘導する脂肪酸としては、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、直鎖脂肪酸や分岐脂肪酸があげられる。不飽和脂肪酸の場合、シス体とトランス体が存在するが、その質量比が、シス体/トランス体=25/75〜100/0であることが好ましく、40/60〜80/20であることが特に好ましい。
5を誘導する好ましい脂肪酸としては、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、部分水添パーム油脂肪酸(ヨウ素価10〜60)や、部分水添牛脂脂肪酸(ヨウ素価10〜60)などが挙げられる。より好ましくは、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸及びリノレン酸の混合物であって、飽和脂肪酸/不飽和脂肪酸の質量比が95/5〜50/50、シス体/トランス体の質量比が40/60〜80/20、ヨウ素価が10〜50、炭素数18の脂肪酸含量が混合物総質量に対して80質量%以上、かつ、リノール酸及びリノレン酸の合計量が混合物総質量に対して5質量%以下である混合物である。
(B)成分として、一般式(B-I)で表される化合物と一般式(B-II)で表される化合物とを含む組成物を用いる場合、当該組成物は、上記の脂肪酸混合物又はそのメチルエステル化物と、メチルジエタノールアミンとを縮合反応させることにより合成することができる。その際、液体柔軟剤組成物中における分散安定性を良好にする観点から、各化合物の質量比が(B-II)/(B-I)=99/1〜50/50となる様に合成することが好ましい。
一般式(B-I)で表される化合物の4級化物と一般式(B-II)で表される化合物の4級化物とを含む組成物を用いる場合、4級化剤として塩化メチルやジメチル硫酸を用いることができるが、分子量が小さく4級化のために必要な量を少なくできる塩化メチルが好ましい。その際、液体柔軟剤組成物中における分散安定性を良好にする観点から、各4級化物の質量比が(B-II)の4級化物/(B-I)の4級化物=99/1〜50/50となる様に合成することが好ましい。
上記の4級化反応では、未反応物(すなわち、(B-I)で表される化合物と(B-II)で表される化合物)が残留する。その際、4級化物に含まれるエステル基の加水分解に対する安定性の観点から、4級化物((B-I)の4級化物+(B-II)の4級化物)と未反応物((B-I)で表される化合物+(B-II)で表される化合物)の質量比が4級化物/未反応物=99/1〜70/30となる様に合成することが好ましい。
(B)成分として、一般式(B-III)で表される化合物と、一般式(B-IV)で表される化合物と、一般式(B-V)で表される化合物とを含む組成物を用いる場合、当該組成物は、上記脂肪酸組成物又はそのメチルエステル化物と、トリエタノールアミンとを縮合反応させることにより合成することができる。その際、液体柔軟剤組成物中における分散安定性を良好にする観点から、各化合物の質量比が[(B-IV)+(B-V)]/(B-III)=99/1〜50/50となる様に合成することが好ましい。
一般式(B-III)で表される化合物の4級化物と一般式(B-IV)で表される化合物の4級化物と一般式(B-V)で表される化合物の4級化物とを含む組成物を用いる場合、4級化剤として塩化メチルやジメチル硫酸などを用いることができるが、4級化反応の反応性の観点からジメチル硫酸が好ましい。その際、液体柔軟剤組成物中における分散安定性を良好にする観点から、各4級化物の質量比が[(B-IV)+(B-V)]/(B-III)=99/1〜50/50となる様に合成することが好ましい。
上記の4級化反応では、未反応物(すなわち、一般式(B-III)で表される化合物と、一般式(B-IV)で表される化合物と、一般式(B-V)で表される化合物)が残留する。その際、4級化物に含まれるエステル基の加水分解に対する安定性の観点から、4級化物((B-III)の4級化物+(B-IV)の4級化物+(B-V)の4級化物)と未反応物((B-III)で表される化合物+(B-IV)で表される化合物+(B-V)で表される化合物)の質量比が4級化物/未反応物=99/1〜70/30となる様に合成することが好ましい。
(B)成分として、一般式(B-VI)で表される化合物と一般式(B-VII)で表される化合物とを含む組成物を用いる場合、当該組成物は、上記脂肪酸組成物とN−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチル−1,3−プロピレンジアミン(J. Org. Chem., 26, 3409(1960)に記載の方法にしたがいN−メチルエタノールアミンとアクリロニトリルの付加物とから合成)とを縮合反応させることにより合成することができる。柔軟性を良好にする観点から、各化合物の質量比が(B-VII)/(B-VI)=99/1〜50/50となる様に合成することが好ましい。
一般式(B-VI)で表される化合物の4級化物と一般式(B-VII)で表される化合物の4級化物とを含む組成物を用いる場合、4級化剤として塩化メチルを用いることができる。その際、柔軟性を良好にする観点から、各4級化物の質量比が(B-VII)の4級化物/(B-VI)の4級化物=99/1〜50/50となる様に合成することが好ましい。
上記の4級化反応では、未反応物(すなわち、(B-VI)で表される化合物と(B-VII)で表される化合物)が残留する。その際、4級化物に含まれるエステル基の加水分解に対する安定性の観点から、4級化物((B-VI)の4級化物+(B-VII)の4級化物)と未反応物((B-VI)で表される化合物+(B-VII)で表される化合物)の質量比が4級化物/未反応物=99/1〜70/30となる様に合成することが好ましい。
上述の組成物のなかでは、一般式(B-III)で表される化合物の4級化物と、一般式(B-IV)で表される化合物の4級化物と、一般式(B-V)で表される化合物の4級化物とを含む組成物がより好ましい。
この場合、柔軟剤としての機能をより高める観点から、各4級化物の含量は、(B−III)〜(B−V)総質量を基準として、(B-III)で表される化合物の4級化物が5〜98質量%、(B-IV)で表される化合物の4級化物が1〜60質量%、(B-V)で表される化合物の4級化物が0.1〜40質量%であることが好ましい。より好ましくは、(B-III)で表される化合物の4級化物が10〜55質量%、(B-IV)で表される化合物の4級化物が30〜60質量%、(B-V)で表される化合物の4級化物が5〜30質量%である。
(B)成分は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上からなる混合物として用いてもよい。混合物として用いる場合、窒素原子に結合した炭化水素基の数が2又は3であるアミン化合物の含量が、混合物の総質量に対して50質量%以上であると、柔軟剤としての機能をより高めることができるので好ましい。
(B)成分の配合量は特に限定されるものではないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対して好ましくは5〜30質量%、より好ましくは10〜20質量%である。30質量%以下であると、液体柔軟剤組成物の液粘度が高くなることによるハンドリング性低下を抑制することができる。5質量%以上であると、より高い柔軟効果を得ることができる。
(C)成分
(C)成分は、デキストリンである。(C)成分は、繊維製品に残存する汚れから生ずるニオイを消臭するために配合される。
デキストリンは、数個のグルコースがグルコシド結合によって重合した物質の総称である。本発明で用いるデキストリンに特に制限はないが、シクロデキストリンや高度分岐環状デキストリンが好ましく、高度分岐環状デキストリンが特に好ましい。
本発明における「シクロデキストリン」は、5個から8個のグルコースが環状に結合したものである。具体例としては、グルコースが6個結合したα-シクロデキストリン、グルコースが7個結合したβ-シクロデキストリン、グルコースが8個結合したγ-シクロデキストリンの他、水溶性を高めたヒドロキシプロピルβ-シクロデキストリンなどが挙げられる。
シクロデキストリンの環状構造の内部は他の比較的小さな分子を包接できる程度の大きさの空孔となっている。空孔の内径はα体で0.45〜0.6nm、β体で0.6〜0.8nm、γ体で0.8〜0.95nm程度とされている。またシクロデキストリンのヒドロキシ基はこの空孔の外側にあるため、空孔内部は疎水性となっており、疎水性の分子を包接しやすい。これを利用して疎水性のニオイ物質をシクロデキストリンに包接させることで繊維製品のニオイを抑えることが出来る。
本発明における「高度分岐環状デキストリン」とは、「内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有する、重量平均重合度が50から10000の範囲にあるグルカン」をいう。
内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有するグルカンは高度分岐環状デキストリン又はクラスターデキストリンとも呼ばれている物質である。
本発明における高度分岐環状デキストリンは、1つの内分岐環状構造部分に複数(例えば、100個)の非環状のグルコース鎖(外分岐構造部分)が結合した構造を有している。
内分岐環状構造部分とは、α−1,4−グルコシド結合又はα−1,6−グルコシド結合により結合したグルコース鎖によって形成される環状構造部分いう。本発明における高度分岐環状デキストリンの内分岐環状構造部分は10〜100個程度のグルコースで構成されている。すなわち、内分岐環状構造部分の重合度は10〜100の範囲である。
外分岐構造部分とは、前記の内分岐環状構造部分に結合した非環状グルコース鎖をいう。本発明における高度分岐環状デキストリンの外分岐構造部分を構成する非環状グルコース鎖における平均重合度は10〜20である。但し、1本の非環状グルコース鎖における重合度は40以上であってもよい。
本発明における高度分岐環状デキストリンにおけるグルコースの重量平均重合度は50から10000、具体的には50〜5000の範囲、更に具体的には2500程度である。
また、本発明における高度分岐環状デキストリンの分子量は3万〜100万程度の範囲である。
かかる構造及び重合度(分子量)を有する高度分岐環状デキストリンは、グルコースの重合度が6〜8の一般的なシクロデキストリンであるα−シクロデキストリン(重合度6)、β−シクロデキストリン(重合度7)や、γ−シクロデキストリン(重合度8)とは相違する物質である。
高度分岐環状デキストリンは、例えば、デンプンを原料として、ブランチングエンザイムという酵素を作用させて製造することができる。
原料であるデンプンは、グルコースがα−1、4−グルコシド結合によって直鎖状に結合したアミロースと、α−1,6−グルコシド結合によって複雑に分岐した構造をもつアミロペクチンからなる。アミロペクチンは、クラスター構造が多数連結された巨大分子である。
使用酵素であるブランチングエンザイムは、動植物や微生物中に広く見いだされるグルカン鎖転移酵素である。ブランチングエンザイムは、アミロペクチンのクラスター構造の継ぎ目部分に作用し、これを環状化する反応を触媒する。
(C)成分の高度分岐環状デキストリンの具体例としては、特開平8−134104号公報に記載の、内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有する、重合度が50から10000の範囲にあるグルカンが挙げられる。本発明において、高度分岐環状デキストリンは、特開平8−134104号公報の記載を参酌して理解され得る。
(C)成分は前述の通り製造することができ、また、市場において容易に入手可能である。高度分岐環状デキストリンの市販品としては、グリコ栄養食品株式会社の「クラスターデキストリン」(登録商標)が挙げられる。
(C)成分は、1種類のデキストリンを単独で用いてもよく、2種類以上からなる混合物として用いてもよい。
(C)成分の配合量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜5質量%、さらに好ましくは0.5〜3質量%である。0.1質量%以上であると、より高い消臭効果を得ることができる。10質量%以下であると、液体柔軟剤組成物の高温保存後の粘度安定性を適切なものとし、更に、液体柔軟剤組成物が適用された繊維製品の風合いを損なわない。
なお、(C)成分に対する(B)成分の質量比((B)/(C))は5〜50、好ましくは10〜40、さらに好ましくは10〜30である。かかる質量比の範囲にあると、効率的に(C)成分を繊維製品へ吸着させ、(C)成分の配合効果を高めることが出来るために好ましい。
(D)成分
(D)成分の香料は、主に液体柔軟剤組成物による処理後の繊維製品への香りつけのために配合される。
香料としては当該技術分野で汎用の香料を使用可能であり特に限定されないが、使用できる香料原料のリストは、様々な文献、例えば「Perfume and Flavor Chemicals」,Vol.I and II,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)および「合成香料 化学と商品知識」、印藤元一著、化学工業日報社(1996)および「Perfume and Flavor Materials of Natural Origin」,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)および「香りの百科」、日本香料協会編、朝倉書店(1989)および「Perfumery Material Performance V.3.3」,Boelens Aroma Chemical Information Service(1996)および「Flower oils and Floral Compounds In Perfumery」,Danute Lajaujis Anonis,Allured Pub.Co.(1993)等に記載されている。
(D)成分は、1種類の香料を単独で用いてもよく、2種類以上からなる混合物として用いてもよい。
(D)成分の配合量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは0.1〜3%質量%であり、より好ましくは0.5〜2質量%、更に好ましくは0.5〜1.5質量%である。
本発明の液体柔軟剤組成物には、上記(B)成分、(C)成分及び(D)成分の他に、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で液体柔軟剤組成物に通常用いられる成分を任意に配合することができる。
任意成分
任意成分を以下に示す。

本発明の液体柔軟剤組成物は、好ましくは水性組成物であり、水を含むことが好ましい。
水としては、水道水、イオン交換水、純水、蒸留水など、いずれも用いることができる。
中でもイオン交換水が好適である。
水の配合量は、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上である。50質量%以上であると、液体柔軟剤組成物のハンドリング性がより良好となる。
ノニオン界面活性剤
ノニオン界面活性剤は、液体柔軟剤組成物の保存安定性を向上させるために配合することができる。
ノニオン界面活性剤とは、一級又は二級アルコールにアルキレンオキシドを付加することにより得られる化合物である。具体的には、炭素数が8〜20、好ましくは10〜14の直鎖または分岐アルキル基を有する一級又は二級アルコールに、アルキレンオキシドを平均で5〜100モル付加させてなる化合物である。
アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシドを単独で使用するのが好ましいが、エチレンオキシドとともにプロピレンオキシドを付加してもよい。両者を付加させる場合、付加する順序はいずれが先であってもよい。
アルキレンオキシドとしてエチレンオキシドを用いる場合、エチレンオキシドの平均付加モル数は、好ましくは20〜80モルであり、特に好ましくは20〜60モルである。また、プロピレンオキシドをエチレンオキシドとともに付加する場合、プロピレンオキシドの平均付加モル数は1〜5モルとすることができ、好ましくは1〜3モルである。
ノニオン界面活性剤の具体例としては、一級イソトリデシルアルコールにエチレンオキシド(EO)を平均60モル付加したもの、一級イソトリデシルアルコールにエチレンオキシド(EO)を平均40モル付加したもの、アルキル基の炭素数が10〜14の直鎖型第2級アルコールにEOを平均50モル付加したものや、天然アルコール(P&G社製の商品名:CO-1214)にエチレンオキシドを平均40モル付加したもの等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤は、市場において容易に入手可能であるか、又は、合成可能である。市販品としては、ライオンケミカル(株)より販売されている、商品名:レオコールTDA400−75(1級イソトリデシルアルコールのEO40モル付加物)が挙げられる。
ノニオン界面活性剤の配合量は、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは0.1質量%〜10質量%、より好ましくは0.5質量%〜7質量%、最も好ましくは1.0質量%〜5質量%である。0.1質量%〜10質量%であると、液体柔軟剤組成物の保存安定性をより向上させることができる。
(B)成分以外のカチオン活性剤
(B)成分以外のカチオン活性剤は、例えば、4級アンモニウム塩型の界面活性剤や、3級アミン型の界面活性剤が挙げられ、中でも、柔軟処理する衣類に抗菌作用を付与する観点から、4級アンモニウム塩型の界面活性剤が好ましい。
4級アンモニウム塩型の界面活性剤としては、例えば、アーカード12−37W(商品名、ライオンアクゾ株式会社製)やアーカードT−800(商品名、ライオンアクゾ株式会社製)等の塩化アルキルトリメチルアンモニウムや、アーカード210―80E(商品名、ライオンアクゾ株式会社製)等の塩化ジデシルジメチルアンモニウム、アーカードCB−50(商品名、ライオンアクゾ株式会社製)等の椰子アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
(B)成分以外のカチオン界面活性剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(B)成分以外のカチオン界面活性剤の配合量は、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、0.1質量%以上5質量%未満が好ましく、0.5〜3質量%がより好ましく、0.5〜2質量%がさらに好ましい。上記下限値以上であれば、被洗物の抗菌作用をより高められ、上記上限値以下であれば、液体柔軟剤組成物の粘度安定性をより高められる。
無機又は有機の水溶性塩類
無機又は有機の水溶性塩類は、液体柔軟剤組成物の粘度をコントロールする目的で用いることができる。
無機又は有機の水溶性塩類としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウムなどの他、硫酸又は硝酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、p−トルエンスルホン酸、グリコール酸、乳酸などの有機酸のアルカリ金属塩などが挙げられる。好ましくは、塩化カルシウム又は塩化ナトリウムである。
無機又は有機の水溶性塩類の配合量は、液体柔軟剤組成物全量に対し0〜3質量%、好ましくは0.01〜2質量%、より好ましくは0.05〜1質量%である。無機又は有機の水溶性塩類の添加は、液体柔軟剤組成物製造のどの工程で行ってもよい。
防腐剤
防腐剤は、液体柔軟剤組成物の長期保存中の防腐性を向上させるために配合することができる。
防腐剤としては当該技術分野で知られているものを使用可能であり特に限定されない。具体的には、イソチアゾロン系の有機硫黄化合物、ベンズイソチアゾロン系の有機硫黄化合物、安息香酸類、アルコール系の2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールや、ヨウ素系化合物などが挙げられる。
イソチアゾロン系の有機硫黄化合物の例としては、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−ブチル−3−イソチアゾロン、2−ベンジル−3−イソチアゾロン、2−フェニル−3−イソチアゾロン、2−メチル−4,5−ジクロロイソチアゾロン、5−クロロ−2−メチル−3−イソチアゾロン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンや、それらの混合物があげられる。具体例としては、ダウケミカルより販売されている商品名:ケーソンCG−ICP等が挙げられる。
ベンズイソチアゾリン系の有機硫黄化合物の例としては、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンや、2−メチル−4,5−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−オンなどがあげられ、類縁化合物としてジチオ−2,2−ビス(ベンズメチルアミド)なども使用できる。複数種類のベンズイソチアゾリン系の有機硫黄化合物を用いる場合、それらを任意の混合比で使用することができる。
ヨウ素系化合物の例としては、3−ヨード−2−プロピニルN−ブチルカルバマートがあげられる。
安息香酸類の例としては、安息香酸又はその塩、パラヒドロキシ安息香酸又はその塩、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルや、パラオキシ安息香酸ベンジル等を挙げることができる。
防腐剤の配合量は、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは0.0001〜1質量%である。0.0001質量%以上であると防腐剤としての機能を発揮することができる。1質量%以下であると、配合過多による液体柔軟剤組成物の保存安定性の低下を抑制することができる。
酸化防止剤
酸化防止剤は、液体柔軟剤組成物の香気安定性や色調安定性を向上させるために配合することができる。
酸化防止剤としては、当該技術分野で知られている天然系酸化防止剤、合成系酸化防止剤ともに使用できる。具体的には、アスコルビン酸、アスコルビン酸パルミテート、没食子酸プロピル、BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)、BHA(ブチル化ヒドロキシアニソール)、没食子酸プロピルとクエン酸との混合物、ハイドロキノン、三級ブチルハイドロキノン、二糖類のトレハロース、天然のトコフェロール系化合物、没食子酸の長鎖エステル(C8〜C22)、例えば没食子酸ドデシル、チバスペシャルティケミカル(株)から入手可能なイルガノックス系化合物、クエン酸及び/またはクエン酸イソプロピル、4,5−ジヒドロキシ−m−ベンゼンスルホン酸/ナトリウム塩、ジメトキシフェノール、カテコール、メトキシフェノール、カロチノイド、フラン類、アミノ酸類等が挙げられる。
液体柔軟剤組成物への配合方法としては、カチオン界面活性剤、香料などの油溶性成分とともに水に分散させても良いし、或いは、香料とともに水に分散させたものを、カチオン界面活性剤の相転移温度以下の温度にしたカチオン界面活性剤の分散液に添加しても良い。
酸化防止剤の配合量は、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは0.005〜1質量%である。0.005質量%以上であると、酸化防止剤としての機能を発揮することができる。1質量%以下であると、配合過多による液体柔軟剤組成物の保存安定性の低下を抑制することができる。
脂肪族アルコール
脂肪族アルコールは、液体柔軟剤組成物の粘度を向上させるために配合することができる。
脂肪族アルコールは、式:R6OH(R6は、炭素数8〜35のアルキル又はアルケニル基を表し、好ましくは炭素数16〜28、より好ましくは炭素数18〜24のアルキル基又はアルケニル基である。)で表される化合物である。
脂肪族アルコールの具体例としては、例えば、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、2−ヘキサデカノール、ステアリルアルコール、2−オクタデカノール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、ペトロセリニルアルコール、エレオステアリルアルコール、アラキジルアルコール、2−イコサノール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコール、ブラシジルアルコール等が挙げられる。
脂肪族アルコールは、1種類を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
脂肪族アルコールの配合量は、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、0.5〜5質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましい。上記範囲内あれば、液体柔軟剤組成物の粘度を高めた場合でも安定性を確保できる。
水混和性有機溶媒
本発明における水混和性有機溶媒とは、25℃の水1Lに50g以上溶解する有機溶媒をいう。水混和性有機溶媒としては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、グリセリン等が挙げられる。
水混和性有機溶媒は、1種類を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
水混和性有機溶媒の配合量は、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、1〜20質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましく、3〜7質量%がさらに好ましい。上記範囲内あれば、液体柔軟剤組成物の粘度安定性が向上する。
染料及び/又は顔料
染料及び/又は顔料は、液体柔軟剤組成物の外観を向上する目的で配合することができる。
染料及び顔料としては、当該技術分野で汎用の染料及び顔料を使用可能であり特に限定されないが、好ましくは、酸性染料、直接染料、塩基性染料、反応性染料及び媒染・酸性媒染染料から選ばれる、赤色、青色、黄色もしくは紫色系の水溶性染料の1種以上である。
添加できる染料の具体例は、染料便覧(有機合成化学協会編,昭和45年7月20日発行,丸善株式会社)などに記載されている。更に、特開平6−123081号公報、特開平6−123082号公報、特開平7−18573号公報、特開平8−27669号公報、特開平9−250085号公報、特開平10−77576号公報、特開平11−43865号公報、特開2001−181972号公報又は特開2001−348784号公報などに記載されている染料を用いることもできる。
液体柔軟剤組成物の保存安定性や繊維に対する染着性の観点からは、分子内に水酸基、スルホン酸基、アミノ基及びアミド基から選ばれる少なくとも1種類の官能基を有する酸性染料、直接染料、反応性染料が好ましく、その配合量は組成物全体に対し、好ましくは1〜50ppm、より好ましくは1〜30ppmである。
本発明の液体柔軟剤組成物のpHは特に限定されないが、保存経日に伴う(B)成分の加水分解を抑制する等の観点から、25℃におけるpHが1.0〜6.0の範囲内であることが好ましく、2.0〜4.0の範囲内であることがより好ましい。
pH調整を行う場合、pH調整には、塩酸、硫酸、リン酸、アルキル硫酸、安息香酸、パラトルエンスルホン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸、ジメチルアミン等の短鎖アミン化合物、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属珪酸塩などのpH調整剤を用いることができる。
本発明の液体柔軟剤組成物の粘度は500mPa・s未満であることが好ましい。保存経日による粘度上昇を考慮すると、配合直後の粘度は300mPa・s未満であるのがより好ましく、200mPa・s未満であるのがさらに好ましい。このような範囲にあると、洗濯機へ投入の際のハンドリング性等の使用性が良好であるので好ましい。
使用性の観点からは粘度の下限は特に制限されない。
本発明における液体柔軟剤組成物の粘度とは、B型粘度計(例えば、ブルックフィールド社のアナログ粘度計T)を用いて25℃にて測定される値をいう。
液体柔軟剤組成物の製造方法
本発明の液体柔軟剤組成物は、液体柔軟剤組成物の製造に一般的に用いられている種々の方法を用いて製造することができるが、例えば(B)成分(カチオン界面活性剤)を配合した液体柔軟剤組成物を製造する場合、特開平10−237762号公報に記載されている方法が好ましい。
具体的には、(B)成分、(D)成分及びその他の油溶性成分を含む油性混合物を作成し、この油性混合物を、(C)成分などの水溶性成分を含む水性混合物に添加する方法や、(B)成分、(D)成分及びその他の油溶性成分を含む油性混合物を作成し、この油性混合物を、水溶性成分を含む水性混合物に添加し、柔軟剤組成物を調製した後に(C)成分を添加してもよい。
工程3の処理工程に特別な制限はなく、液体柔軟剤組成物を用いた繊維製品の一般的な処理方法(柔軟処理方法)と同様に実施することができる。例えば、洗濯機における洗浄工程及び脱水工程の実施後、すすぎの段階で、すすぎ水へ本発明の液体柔軟剤組成物を溶解させることにより、工程3を実施することができる。
なお、洗濯機によっては「注水すすぎ」を選択することが出来るが、すすぎ水中の液体柔軟剤組成物の濃度を一定に保つために「ためすすぎ」を選択することが好ましい。
液体柔軟剤組成物の濃度は、柔軟効果を得られる限り特に制限されないが、工程3で用いる処理水(すすぎ水)の質量に対して好ましくは0.01〜0.1質量%、より好ましくは0.02〜0.05質量%である。
工程3における浴比(繊維製品に対するすすぎ水の質量比(すすぎ水の質量/繊維製品の質量)は、柔軟効果を得られる限り特に制限されず、一般的には5〜15であるが、5〜10という低浴比下においても本発明は十分な柔軟効果を発揮することができる。
工程3の処理後、繊維製品を乾燥工程に付することにより、洗浄処理及び柔軟処理がなされた繊維製品を得ることができる。
乾燥工程に特別な制限はなく、洗浄及び柔軟処理後の繊維製品に対して行われる一般的な乾燥方法と同様に実施することができる。
本発明の対象となる繊維製品の素材は特に制限されるものではなく、例えば、綿、ウールや麻等の天然繊維;ポリエステル、ナイロンやアクリル等の合成繊維;アセテート等の半合成繊維;レーヨン、テンセルやポリノジック等の再生繊維、並びに、これら各種繊維の混紡品、混織品や混編品等に本発明を適用することができる。
また、本発明の対象となる繊維製品の種類は特に制限されるものではなく、例えば、衣類やカーテン、シーツ等に本発明を適用することができる。
前述の通り、本発明の繊維製品処理方法は液体洗浄剤組成物と液体柔軟剤組成物とを用いて実施される。
液体洗浄剤組成物と液体柔軟剤組成物は、それぞれ独立した状態で存在するものを適宜、本発明の処理方法に用いることができるが、当該処理方法の実施の便宜を図るため、液体洗浄剤組成物と液体柔軟剤組成物とをセットにした繊維製品処理剤セット(キット)製品として消費者に提供してもよい。
繊維製品処理剤セット製品において、液体洗浄剤組成物と液体柔軟剤組成物とは分離した状態で収容されている。例えば、1つの容器内に分離した状態で収容されていてもよく、独立した容器に個別に包装されていてもよい。液体洗浄剤組成物の容器としては、液体洗浄剤組成物の包装に用いられる一般的な包装容器を特に制限なく用いることができる。具体例としては、ボトル容器や、詰め替え用の袋状容器等が挙げられる。液体柔軟剤組成物の容器としては、液体柔軟剤組成物の包装に用いられる一般的な包装容器を特に制限なく用いることができる。具体例としては、ボトル容器や、詰め替え用の袋状容器が挙げられる。
繊維製品処理剤セットには、本発明の処理方法の実施手順の説明を付することができる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、もとより本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
液体洗浄剤組成物
(A)成分(ノニオン界面活性剤)
下記のa−1〜a−4を使用した。
a−1:下記合成方法に従い、椰子脂肪酸メチル(質量比でラウリン酸メチル/ミリスチン酸メチル=8/2の混合物)に対して、アルコキシル化触媒を用いて、15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの。a−1は、一般式(1−1)(式中、R1は炭素数11〜13の炭化水素基であり、R2は炭素数1のアルキル基であり、nは15である。)で表されるノニオン界面活性剤である。
a−1の合成方法
特開2000−144179号公報に記載の製造例5(サンプルDに対応するもの)に準じて合成した。
組成が2.5MgO・Al23・nH2Oである水酸化アルミナ・マグネシウム(商品名:キョーワード330、協和化学工業株式会社製)を600℃で1時間、窒素雰囲気下で焼成して得られた焼成水酸化アルミナ・マグネシウム(未改質)触媒2.2gと、0.5N水酸化カリウムエタノール溶液2.9mLと、ラウリン酸メチルエステル280gと、ミリスチン酸メチルエステル70gとを4Lオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内で触媒の改質を行った。次いで、オートクレーブ内を窒素で置換した後、昇温を行い、温度を180℃、圧力を3×105Paに維持しつつ、エチレンオキシド1052gを導入し、撹拌しながら反応させた。さらに、反応液を80℃に冷却し、水159gと、濾別助剤として活性白土及び珪藻土をそれぞれ5gとを添加した後、触媒を濾別し、a−1を得た。
a−2:一般式(1−2)(式中、R3は炭素数12〜14のアルキル基であり、p+rが15であり、qが2である。)で表されるノニオン界面活性剤。
実験室にて、天然アルコール(商品名:CO−1214、プロクター・アンド・ギャンブルズ社製)にエチレンオキシドを付加したのち、プロピレンオキシドを2モル付加し、さらにエチレンオキシドを付加(エチレンオキシドの付加モル数は合計で15モル)することにより合成した。
a−3:炭素数12〜14の第2級アルコールに対して、15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(商品名:ソフタノール150 商品名、株式会社日本触媒製)。a−3は、一般式(1−3)(式中、R4は2級アルコールに由来する炭素数12〜14の炭化水素基であり、sは15の数である。)で表されるノニオン界面活性剤である。
a−4:天然アルコール(商品名:CO−1214、プロクター・アンド・ギャンブルズ社製)に15モル相当のエチレンオキシドが付加したもの(LMAO(C12/14−15EO))。a−4は本発明の一般式(1−1)〜(1−3)で表される化合物のいずれにも該当しない。
その他の成分
各液体洗浄剤組成物に共通して、下記の成分を配合した。
アニオン界面活性剤
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸のナトリウム塩。商品名:ライポンLH−200(ライオン(株))を水酸化ナトリウムで中和して製造した。
配合量:液体洗浄剤組成物の総質量に対して5質量%
水混和性有機溶媒
エタノール(商品名:特定アルコール95度合成(日本アルコール販売(株)))。
配合量:液体洗浄剤組成物の総質量に対して5質量%
水混和性有機溶媒
ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール 日本乳化剤(株))。
配合量:液体洗浄剤組成物の総質量に対して5質量%
水混和性有機溶媒
カプリル酸2−エチルヘキシル(商品名:パステル2H−08(ライオン(株)))
配合量:液体洗浄剤組成物の総質量に対して2質量%
カチオン界面活性剤
ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド(商品名:アーカード12−37W(ライオンアクゾ(株)))。
配合量:液体洗浄剤組成物の総質量に対して2質量%
酵素
プロテアーゼ(商品名:コロナーゼ48L(ノボザイムズ(株))
配合量:液体洗浄剤組成物の総質量に対して0.5質量%
着香剤
下記表に示す組成を有する香料組成物。
配合量:液体洗浄剤組成物の総質量に対して0.5質量%
Figure 2015101649
液体洗浄剤組成物の調製
上記各成分とイオン交換水(配合量:バランス)とを使用して、下記表1に示すa−1〜a−4成分の配合量(液体洗浄剤組成物の総質量に対する質量%)を有する液体洗浄剤組成物(1)〜(4)を調製した。
Figure 2015101649
液体柔軟剤組成物
(B)成分
下記のb−1〜b−2を使用した。
b−1:特開2003−12471号公報の実施例4に記載の手順に従って合成したカチオン界面活性剤。但し、アルカノイル基の組成は、ステアロイル基/オレオイル基/エライドイル基/パルミトイル基=30/30/10/30(質量比)を用いた。このカチオン界面活性剤には、モノエステル4級塩/ジエステル4級塩/トリエステル4級塩=25/55/20(質量比)で存在し、4級化物/4級化されていないアミン化合物の比率は90/10(質量比)であった。
b−1は、一般式(B-III)、(B-IV)及び(B-V)で表される化合物(各式中、R5は炭素数15〜17のアルキル基及びアルケニル基であり、不飽和部分のシス体/トランス体=75/25(質量比)である)をジメチル硫酸で4級化したものを含む組成物である。
b−2:N,N−ジアルカノイルオキシエチルーN−メチル,N―ヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェート(東南合成社製、HITEX R016E)
b−2は、一般式(B-III)、(B-IV)及び(B-V)で表される化合物(各式中、R5は炭素数15〜17のアルキル基及びアルケニル基が90%以上を占め、リノール酸由来の基を2〜7質量%含有)をジメチル硫酸で4級化したものを含む組成物である。
(C)成分
下記のc−1〜c−3を使用した。
c−1:ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリン(日本食品化工(株))
c−2:α−シクロデキストリン(純正化学(株))
c−3:高度分岐環状デキストリン(商品名:クラスターデキストリン(登録商標)。グリコ栄養食品(株))。c−3は、内分岐環状構造部分(16〜100個程度のグルコースで構成)と外分岐構造部分とを有する高度分岐環状デキストリン(重量平均重合度:2500程度。分子量:3万から100万程度)を主成分とするグルカンである。
(D)成分
下記表に示す組成を有する香料組成物d−1〜d−4を使用した。
d−1
Figure 2015101649
d−2
Figure 2015101649
d−3
Figure 2015101649
d−4
Figure 2015101649
その他の成分
各液体柔軟剤組成物に共通して、下記の任意成分を配合した。
ノニオン界面活性剤
ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテルEO40(ライオン(株):商品名 レオコールTDA400−75)
配合量:液体柔軟剤組成物の総質量に対して2質量%
水混和性有機溶媒
エタノール(商品名:特定アルコール95度合成(日本アルコール販売(株)))。
配合量:液体柔軟剤組成物の総質量に対して3質量%
水混和性有機溶媒
グリセリン(阪本薬品工業(株))
配合量:液体柔軟剤組成物の総質量に対して2質量%
水溶性塩類
塩化カルシウム((株)トクヤマ)
配合量:液体柔軟剤組成物の総質量に対して0.6質量%
(B)成分以外のカチオン界面活性剤
ジデシルジメチルアンモニウムクロライド(商品名:アーカード210−80E(ライオンアクゾ(株)))
配合量:液体柔軟剤組成物の総質量に対して1質量%
染料
C.I.アシッドレッド138(日本化薬(株))
配合量:液体柔軟剤組成物の総質量に対して0.001質量%
液体柔軟剤組成物の調製
上記各成分とイオン交換水(配合量:バランス)とを使用して、後述の表2−1及び表2−2に示す組成を有する液体柔軟剤組成物を調製した。
各表中、「B/C」は、(C)成分に対する(B)成分の質量比((B)/(C))を示す。
繊維製品処理方法の評価
表2−1〜表2−2に記載の液体洗浄剤組成物と液体柔軟剤組成物との組み合わせを用いて、以下に示す方法で繊維製品を処理し、処理後の繊維製品に残るニオイ及び香りを評価した。

処理方法
表2−1及び表2−2に記載した液体洗浄剤組成物及び液体柔軟剤組成物を用い、30〜40代男性パネルが2ヶ月間、着用・洗濯を繰り返した肌着(B.V.D、綿100%、LLサイズ)4枚とチャージ布として綿タオル12枚(合計で約1200g)を、スピーディコース(水量12リットル)に設定した洗濯機(TOSHIBA社製 AW-80VC)で処理した。
洗浄工程において、液体柔軟剤組成物濃度は、洗浄水(水温20℃)の質量に対して0.03質量%であり、浴比は10倍であった。
脱水工程後の肌着の水分含量は、乾燥した繊維製品に対して90質量%であった。
柔軟処理工程は1回のためすすぎであり、液体柔軟剤組成物の濃度は、すすぎ水の質量に対して0.03質量%であり、浴比は10倍であった。
洗浄、脱水及び柔軟処理工程後、被洗物を20℃、40%RHにて12時間乾燥させ、評価衣類とした。

肌着のニオイ評価
表2−2の比較例2の条件で処理した肌着を基準布とし、他の実施例及び比較例の条件で処理した肌着について、乾燥後の肌着に残るニオイ強度を評価した。
評価は、下記の評価基準に従い、20〜30代の女性パネル10人により行った。

<評価基準>
2点:基準布よりもかなりニオイが弱い
1点:基準布よりもややニオイが弱い
0点:基準布と同等
−1点:基準布よりもややニオイが強い
−2点:基準布よりもかなりニオイが強い

パネル10名の点数の平均を表2−1〜表2−2の「ニオイ強度」の欄に示す。平均点が1.0点以上のものを合格とした。
肌着の香り強度評価
表2−2の比較例2の条件で処理した肌着を基準布とし、他の実施例及び比較例の条件で処理した肌着について、乾燥後の肌着に残る香料の香り強度を評価した。
評価は、下記の評価基準に従い、20〜30代の女性パネル10人により行った。

2点:基準布よりもかなり香りが強い
1点:基準布よりもやや香りが強い
0点:基準布と同等
−1点:基準布よりもやや香りが弱い
−2点:基準布よりもかなり香りが弱い

パネル10名の点数の平均を表2−1〜表2−2の「香り強度」の欄に示す。平均点が0.5点以上のものを合格とした。
Figure 2015101649
Figure 2015101649
本発明は、繊維製品処理分野において利用可能である。

Claims (5)

  1. 繊維製品の処理方法であって、下記の工程1〜3:
    工程1:繊維製品を、(A)ノニオン界面活性剤を含む液体洗浄剤組成物を用いて洗浄する工程であって、
    (A)成分が、下記一般式(1−1)〜(1−3)のいずれかで表される1種以上のノニオン界面活性剤である工程、
    1−CO−(EO)n―OR2 (1−1)
    (式中、
    1は炭素数9〜13の炭化水素基であり、
    2は炭素数1〜4のアルキル基であり、
    EOはオキシエチレン基であり、
    nはEOの平均繰返し数を示し、5〜25の数である。)

    3−O(EO)p−(PO)q−(EO)rH (1−2)
    (式中、
    3は炭素数10〜20のアルキル基又はアルケニル基であり、
    EOはオキシエチレン基であり、
    p及びrはEOの平均繰り返し数を示し、p+rは5〜20の数であり、
    POはオキシプロピレン基であり、
    qはPOの平均繰り返し数を示し、1〜4の数である。)

    4−O(EO)s−H (1−3)
    (式中、
    4は2級アルコールに由来する炭素数10〜22の炭化水素基であり、
    EOはオキシエチレン基であり、
    sはEOの平均繰り返し数を示し、5〜20の数である。)
    工程2:工程1で洗浄した繊維製品を脱水する工程、及び
    工程3:工程2で脱水した繊維製品を、(B)エステル基及びアミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基で分断されていてもよい炭素数10〜26の炭化水素基を分子内に1〜3個有するアミン化合物、その中和物、及び、その4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種のカチオン界面活性剤、
    (C)デキストリン及び(D)香料を含む液体柔軟剤組成物で処理する工程
    を含むことを特徴とする、方法。
  2. 液体柔軟剤組成物において、(C)成分に対する(B)成分の質量比((B)/(C))が5〜50である、請求項1に記載の処理方法。
  3. 液体柔軟剤組成物において、(C)成分が高度分岐環状デキストリンである、請求項1〜2のいずれかに記載の処理方法。
  4. 液体洗浄剤組成物がカチオン界面活性剤を更に含む、請求項1〜3のいずれかに記載の処理方法。
  5. 液体洗浄剤組成物と液体柔軟剤組成物とを含む、繊維製品処理剤セット製品であって、
    液体洗浄剤組成物と液体柔軟剤組成物とが分離した状態で収容されており、
    液体洗浄剤組成物が、下記(A)成分を含み、
    (A)成分が、下記一般式(1−1)〜(1−3)のいずれかで表される1種以上のノニオン界面活性剤であり、
    1−CO−(EO)n―OR2 (1−1)
    (式中、
    1は炭素数9〜13の炭化水素基であり、
    2は炭素数1〜4のアルキル基であり、
    EOはオキシエチレン基であり、
    nはEOの平均繰返し数を示し、5〜25の数である。)

    3−O(EO)p−(PO)q−(EO)rH (1−2)
    (式中、
    3は炭素数10〜20のアルキル基又はアルケニル基であり、
    EOはオキシエチレン基であり、
    p及びrはEOの平均繰り返し数を示し、p+rは5〜20の数であり、
    POはオキシプロピレン基であり、
    qはPOの平均繰り返し数を示し、1〜4の数である。)

    4−O(EO)s−H (1−3)
    (式中、
    4は2級アルコールに由来する炭素数10〜22の炭化水素基であり、
    EOはオキシエチレン基であり、
    sはEOの平均繰り返し数を示し、5〜20の数である。)、
    液体柔軟剤組成物が、(B)エステル基及びアミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基で分断されていてもよい炭素数10〜26の炭化水素基を分子内に1〜3個有するアミン化合物、その中和物、及び、その4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種のカチオン界面活性剤、(C)デキストリン及び(D)香料を含む
    ことを特徴とする、セット製品。
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