JP2000044936A - 撥水撥油剤組成物およびその製造方法 - Google Patents

撥水撥油剤組成物およびその製造方法

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JP2000044936A
JP2000044936A JP11180650A JP18065099A JP2000044936A JP 2000044936 A JP2000044936 A JP 2000044936A JP 11180650 A JP11180650 A JP 11180650A JP 18065099 A JP18065099 A JP 18065099A JP 2000044936 A JP2000044936 A JP 2000044936A
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glycol
ether
water
meth
monomer
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Katsuji Ito
勝治 伊藤
Takashi Kamata
俊 鎌田
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】有機溶媒を使用しても引火点が高く、しかも乳
化安定性が高く撥水撥油性能も優れた水系の撥水撥油剤
組成物の製法の提供。 【解決手段】ポリフルオロアルキル基含有モノマーと特
定の他のコモノマーとを、グリコールエーテル系溶媒か
ら選ばれた1種以上の水溶性有機溶媒を含む水系媒体中
で乳化重合して、ポリフルオロアルキル基含有ポリマー
が乳化分散されてなる撥水撥油剤組成物を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリフルオロアル
キル基含有ポリマーが特定のグリコールエーテル系の水
溶性有機溶媒を含有する水系媒体中で乳化分散されてな
る撥水撥油剤組成物、およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリフルオロアルキル基含有ポリマーは
撥水撥油剤として従来より種々知られている。この撥水
撥油剤は、水性分散液、有機溶媒溶液または有機溶媒分
散液の形態で使用されているが、火災や作業環境汚染の
問題から水性分散液で使用することが望ましい。水性分
散液は、水系媒体中でポリフルオロアルキル基含有モノ
マーを重合する方法によって水性の乳濁液として直接得
られる。しかしこの方法によって得られた水性分散液は
安定性が低く、このため一般に分散性を向上する目的で
有機溶媒が併用される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、このような有機
溶媒としてはポリフルオロアルキル基含有ポリマーとの
相溶性の問題から、アセトンのような比較的低沸点の有
機溶媒を使わざるを得ず、引火の恐れや環境汚染の心配
があった。本発明者等は先に必ずしも低沸点溶媒でなく
とも、飽和多価アルコールのような有機溶媒を使用すれ
ば、乳化重合もでき、しかも安定な水性分散液が得られ
ることを見いだしている(特開昭60−40182)。
しかし、引火の恐れのさらなる低減や水性分散液の安定
性のさらなる向上が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、検討を続け
た結果、特定のグリコールエーテル系の水溶性有機溶媒
を含有する水系媒体中においても、引火の恐れや環境汚
染の心配がない水性分散性型の撥水撥油剤が得られるこ
とを見いだし本発明に至った。本発明は、この撥水撥油
剤組成物およびその製造方法に関する下記の発明であ
る。
【0005】ポリフルオロアルキル基含有ポリマーが、
グリコールエーテル系溶媒から選ばれた1種以上の水溶
性有機溶媒を含有する水系媒体中に乳化分散されてなる
撥水撥油剤組成物。
【0006】ポリフルオロアルキル基含有モノマーを、
または、該モノマーとそれと共重合しうる共重合性のモ
ノマーとを、グリコールエーテル系溶媒から選ばれた1
種以上の水溶性有機溶媒を含有する水系媒体中で乳化重
合することを特徴とするポリフルオロアルキル基含有ポ
リマーが水系媒体中に乳化分散されてなる撥水撥油剤組
成物の製造方法。
【0007】本発明におけるグリコールエーテル系溶媒
は、水と相溶性を有する有機溶媒であり、より好ましく
は水と任意の割合で溶解しうるものである。グリコール
エーテル系溶媒としてはこの性質を有している任意のも
のが使用でき、炭素数4以下のグリコールまたはその多
量体の誘導体が好ましい。多量体としては、ジグリコー
ルやトリグリコールなどの4量体以下の多量体が適当で
ある。より好ましい多量体は2量体である。
【0008】本発明におけるグリコールエーテル系溶媒
は、2個の水酸基の少なくとも一方がアルキルエーテル
化されている。他方の水酸基はフリーであってもよく、
アルキルエーテル化されていてもよく、さらにアルキル
エステル化されていてもよい。そのアルキル基としては
炭素数4以下、特に2以下、であることが好ましく、そ
のアシル基としては炭素数4以下のアシル基、特にアセ
チル基、であることが好ましい。
【0009】本発明における好ましいグリコールエーテ
ル系溶媒は、エチレングリコール、ポリエチレングリコ
ール、プロピレングリコールおよびポリプロピレングリ
コールから選ばれたグリコールのモノアルキルエーテ
ル、ジアルキルエーテルまたはモノアルキルエーテルモ
ノアシルエステルである。より好ましいグリコールエー
テル系溶媒は、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、プロピレングリコールおよびジプロピレングリコ
ールから選ばれたグリコールのモノメチルエーテル、モ
ノエチルエーテル、ジメチルエーテル、ジエチルエーテ
ル、モノエチルモノメチルエーテル、モノメチルエーテ
ルモノアセチルエステルまたはモノエチルエーテルモノ
アセチルエステルである。
【0010】本発明では、グリコールエーテル系溶媒と
ともに水溶性のケトン系、エステル系またはグリコール
系の水溶性有機溶媒等を併用してもよいが、そのような
場合にはグリコールエーテル系溶媒との合計に対しグリ
コールエーテル系溶媒の割合を70重量%以上とするこ
とが好ましい。
【0011】好ましいグリコールエーテル系溶媒を含め
本発明におけるグリコールエーテル系溶媒としては、例
えば下記の溶媒があるが、これらに限定されない。
【0012】エチレングリコールモノメチルエーテル、
エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリ
コールモノプロピルエーテルおよびそれらのアセテー
ト。ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノプロピルエーテル、およびそれらのアセテー
ト。トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリ
エチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレン
グリコールモノプロピルエーテル、およびそれらのアセ
テート。
【0013】プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピ
レングリコールモノプロピルエーテル、およびそれらの
アセテート。ジプロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプ
ロピレングリコールモノプロピルエーテル、およびそれ
らのアセテート。トリプロピレングリコールモノメチル
エーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテ
ル、およびそれらのアセテート。
【0014】エチレングリコールジメチルエーテル、エ
チレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコ
ールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチル
エーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、
トリエチレングリコールジエチルエーテル。プロピレン
グリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジ
エチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエー
テル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリ
プロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレ
ングリコールジエチルエーテル。
【0015】本発明におけるグリコールエーテル系溶媒
の水に対する使用量は、特には限定されないが、水との
合計に対し約50重量%以下が好ましい。この量が多す
ぎると可燃性の有機溶媒による火災などの危険性が高ま
る。下限は約5重量%が好ましい。ただし、これはこの
水系媒体中でポリフルオロアルキル基含有モノマー等を
乳化重合してポリフルオロアルキル基含有ポリマーの水
性の乳濁液を製造する場合の重合媒体として使用すると
きの好ましい下限量であり、その後被処理物を撥水撥油
処理するために使用する処理液としてはさらに水で希釈
して使用できるのでこの下限量に限定されない。
【0016】ポリマーに撥水撥油性性能を与えるポリフ
ルオロアルキル基としては、フッ素原子が結合した炭素
原子の数が2個以上、好ましくは4〜18個、特に6〜
16個有するポリフルオロアルキル基であって、未置換
炭化水素基の水素原子に対する置換フッ素原子の数の割
合(置換率)は60%以上、特に80%以上が好まし
い。特に下記のようなパーフルオロアルキル基部分を有
する直鎖状ポリフルオロアルキル基が好ましい。
【0017】特に、高い撥水撥油性を発揮しうるポリフ
ルオロアルキル基含有ポリマーとしては、ポリフルオロ
アルキル基含有(メタ)アクリレートと、特定の他の共
重合性モノマーとのコポリマーが適当である。なお、本
明細書では、アクリレートとメタクリレートを総称して
(メタ)アクリレートといい、(メタ)アクリルアミド
等においても同様である。ポリフルオロアルキル基含有
(メタ)アクリレートとしては、2種以上併用してもよ
く、通常はポリフルオロアルキル基の炭素数が異なる2
種以上のポリフルオロアルキル基含有(メタ)アクリレ
ート混合物が使用される。
【0018】このポリフルオロアルキル基含有(メタ)
アクリレートとしては、下記式(1)で表される含フッ
素モノマーが好ましい。この含フッ素モノマーはポリフ
ルオロアルキル基含有の含フッ素モノマーとしてよく知
られている化合物が適当である。
【0019】CH2 =CRCOO−A−Rf ・・・
(1) (ただし、Rは水素原子またはメチル基、Aは2価の結
合基、Rf は炭素数6〜16のパーフルオロアルキル基
を表す。)
【0020】2価の結合基Aとしては、−R2 −、−R
2 N(R3 )SO2 −、−R2 N(R3 )CO−、その
他の2価の結合基が適当である。なお、R2 はアルキレ
ン基、特に炭素数2〜6のアルキレン基、を表し、R3
はアルキル基、特に炭素数4以下のアルキル基を表す。
f は炭素数6〜16のパーフルオロアルキル基を表
し、このパーフルオロアルキル基は直鎖状または末端部
に分岐を有する分岐状のパーフルオロアルキル基が好ま
しい。好ましい具体的含フッ素モノマーとしては以下の
化合物が例示される。
【0021】
【化1】CH2 =CHCOOCH2n2n+1、 CH2 =CHCOOC24n2n+1、 CH2 =CHCOOC36n2n+1、 CH2 =C(CH3 )COOCH2n2n+1、 CH2 =C(CH3 )COOC24n2n+1、 CH2 =C(CH3 )COOC36n2n+1、 CH2 =CHCOOC24 N(CH3 )SO2n
2n+1、 CH2 =CHCOOC24 N(C37 )SO2n
2n+1、 CH2 =C(CH3 )COOC24 N(C25 )S
2n2n+1、 CH2 =CHCOOC24n2n-1(CF32 、 CH2 =CHCOOC36n2n-1(CF32 、 CH2 =C(CH3 )COOC24n2n-1(CF
32 、 CH2 =CHCOOCH2 CH(OH)CH2n
2n-1(CF32 、 CH2 =CHCOOCH(OCOCH3 )CH2n
2n-1(CF32
【0022】ポリフルオロアルキル基含有モノマーと共
重合しうる共重合性のモノマー(以下、共重合性コモノ
マーという)としては種々のモノマーを使用しうる。こ
の共重合性コモノマーは2種以上併用できる。共重合性
コモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリレート
類、ハロゲン化ビニル類、オレフィン類、(メタ)アク
リロニトリル類、(メタ)アクリルアミド類、不飽和ポ
リカルボン酸エステル、その他の広く使用されているモ
ノマーがある。
【0023】好ましくは、(メタ)アクリレート類、
(メタ)アクリルアミド類、塩化ビニル、ならびに、こ
れらのうちの、および、これら以外の水酸基、アミノ
基、エポキシ基、重合性不飽和基等の種々の官能基を有
するモノマーや炭素数8以上の長鎖炭化水素基を有する
モノマーなどである。特に、官能基を有するモノマーを
共重合性コモノマーの一部として比較的少量(例えば全
モノマーに対して10重量%以下)使用することが好ま
しい。
【0024】共重合性コモノマーとしては、具体的に
は、例えば以下のモノマーがあるがこれらに限定されな
い。
【0025】N−メチロール(メタ)アクリルアミド、
グリシジル(メタ)アクリレート、アジリジニル(メ
タ)アクリレート、ジアセトン(メタ)アクリルアミ
ド、メチロール化ジアセトンアクリルアミド、エチレン
ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)
アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメ
タクリレート。塩化ビニル、エチレン、酢酸ビニル、フ
ッ化ビニル、(メタ)アクリルアミド、スチレン、α−
メチルスチレン、(メタ)アクリル酸のアルキルエステ
ル、ベンジル(メタ)アクリレート、ビニルアルキルエ
ーテル、ハロゲン化アルキルビニルエーテル、ビニルア
ルキルケトン、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、
無水マレイン酸、ブタジエン、イソプレン、クロロプレ
ン。
【0026】ポリフルオロアルキル基含有モノマーと共
重合性コモノマーとの共重合体においては、両者の合計
に対してポリフルオロアルキル基含有モノマーが40重
量%以上、特に50〜80重量%の割合のモノマー混合
物を重合した重合体が好ましい。また使用する共重合性
コモノマーとしては、その60重量%以上は(メタ)ア
クリレート類または(メタ)アクリルアミド類であるこ
とが好ましい。また、官能基を有するモノマーを、全モ
ノマーに対して通常は1〜10重量%、特に2〜5重量
%程度使用することが適当である。なお、グリコールエ
ーテル系溶媒を乳化重合時に使用する場合は、全モノマ
ーに対するグリコールエーテル系溶媒の割合は、10〜
200重量%、特に60〜100重量%が適当である。
【0027】乳化重合において使用する界面活性剤や重
合開始源については特に制限はなく、界面活性剤として
陰イオン性、陽イオン性または非イオン性の各種乳化剤
のほとんどすべてを使用でき、重合開始剤として有機過
酸化物、アゾ化合物、過硫酸塩のような各種重合開始
剤、さらにはγ線のような電離性放射線などが採用でき
る。
【0028】本発明の撥水撥油剤組成物は被処理物に対
しその種類により任意の方法で適用される。例えば、浸
漬塗布法等のような被覆加工の既知の方法により、被処
理物の表面に付着させ乾燥する方法を採用できる。ま
た、必要ならば適当な架橋剤とともに適用し、キュアリ
ングを行ってもよい。さらに本発明の撥水撥油剤組成物
は、他の重合体をブレンダーとして混合してもよく、他
の撥水剤や撥油剤または防虫剤、難燃剤、帯電防止剤、
染料安定剤、防シワ剤など添加剤を適宜添加して併用す
ることもできる。
【0029】本発明の撥水撥油剤組成物で処理されうる
被処理物は、特に限定なく種々の例が挙げられる。例え
ば、繊維製品、ガラス、紙、木、皮革、毛皮、石綿、レ
ンガ、セメント、金属およびその酸化物、窯業製品、プ
ラスチックなどがある。特に繊維製品の処理に適してお
り、繊維製品としては、種々の繊維の編織物や不織布な
どがある。繊維としては、綿、麻、羊毛、絹などの動植
物性天然繊維、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニル
アルコール、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、
ポリプロピレンなどの種々の合成繊維、レーヨン、アセ
テートなどの半合成繊維、ガラス繊維、炭素繊維、アス
ベスト繊維などの無機繊維、およびこれらの混合繊維が
挙げられる。
【0030】
【実施例】以下に実施例(例1〜4)および比較例(例
5〜9)を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明
はこれらに限定されない。
【0031】[撥水性、撥油性の評価]各例において示
される撥水性および撥油性については次の方法で測定し
た。すなわち、撥水性については、JIS L1092
のスプレー法による撥水性番号(下記表1)で表し、撥
油性については、試験溶液を試料布の上2カ所に数滴
(径約4mm)置き30秒後に布帛への浸透および吸収
のない最高の番号(下記表2)をもってその撥油度とし
た(AATCC−118−1966)。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】[例1]撹拌機を装着したガラス製オート
クレーブ(内容積1リットル)中にFA136g、NM
AM4g、脱酸素した純水260g、DPGMME14
0g、アゾビスイソブチルアミジン二塩酸塩3.2g、
乳化剤A16g、および乳化剤B2gを入れ、窒素気流
下に撹拌して充分乳化分散させた。次にVCl60gを
圧入充填し、反応容器の温度を徐々に上げ、撹拌下に5
0℃で20時間共重合反応させた。その結果、固形分濃
度34.5重量%の半透明なラテックスが得られた。こ
のラテックスの引火点を測定したところ100℃以上で
あった。なお、上記例1および下記例2〜9で使用した
原料や化合物の略号を表3に示す。
【0035】
【表3】
【0036】[例2〜9]例1におけるモノマーの種類
と有機溶媒の種類と使用量を変更する以外は例1と同様
に重合を行いラテックスを得た。また、同様の重合を本
発明におけるもの以外の有機溶媒を使用するか有機溶媒
を使用することなく行った。それらの結果を例1ととも
に表4に示す。表中、コポリマーはコモノマーの種類と
共重合割合(重量%)で表し、水と有機溶剤の割合は重
量比で示す。
【0037】なお、例7は有機溶剤を使用せず、高圧ホ
モジナイザでモノマーを乳化分散して重合を行った例で
ある。例8では重合後アセトンを留去した(引火点はア
セトン除去後の値)。また、例6ではラテックスの破壊
が起こり良好なラテックスは得られなかった。
【0038】
【表4】
【0039】[性能試験]各例で得られたラテックスを
水で希釈して濃度0.075重量%の乳濁液に調整し
た。ポリエステル布を試験布として使用し、各試験布を
その乳濁液に2秒間浸漬し、2本のゴムローラの間で布
を絞って、ウェットピックアップを60重量%とした。
次いで100℃で3分間乾燥、さらに175℃で1分間
熱処理することにより撥水撥油処理した。得られた試験
布の撥水撥油性能を表5に示す。表中、ORは撥油性、
WRは撥水性、DC−3はJIS L1092−322
法によるドライクリーニング3回後の結果、HL−3は
JIS L0217−103法による洗濯3回後の結果
を示す。試験に用いた乳濁液は、希釈前のラテックスを
製造した各例の番号で表す。
【0040】さらに、乳濁液の機械的な安定性を評価し
た。すなわち、各例で得られたラテックスをpH6の水
道水で希釈し固形分0.5重量%の乳濁液とし、これを
ホモミキサで2500rpmで10分間撹拌し、発生し
たスカムをポリエステル黒ドスキン布で濾過した。スカ
ムが全くないものを5とし、スカム発生が著しいものを
1として5段階評価した。この結果も表5に示す。
【0041】
【表5】
【0042】
【発明の効果】本発明の撥水撥油剤組成物は有機溶媒を
使用しても引火点が100℃以上で引火の恐れが少ない
安全なものであり、しかも乳化安定性が高く、撥水撥油
性能も優れている。特に、重合時に特定の有機溶媒を使
用することにより、このような優れた水系の撥水撥油剤
組成物が容易に得られる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年7月12日(1999.7.1
2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【請求項】ポリフルオロアルキル基含有モノマーと、 塩化ビニルと、 これら と共重合しうるのモノマーとを、または、 ポリフルオロアルキル基含有モノマーと、 ステアリル(メタ)アクリレートと、 ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと、 これらと共重合しうる他のモノマーとを、 グリコールエーテル系溶媒から選ばれた1種以上の水溶
性有機溶媒を含有する水系媒体中で乳化重合することを
特徴とするポリフルオロアルキル基含有ポリマーが水
系媒体中に乳化分散されてなる撥水撥油剤組成物の製造
方法。
【請求項】グリコールエーテル系溶媒が、エチレング
リコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコ
ールおよびポリプロピレングリコールから選ばれたグリ
コールのモノアルキルエーテル、ジアルキルエーテルま
たはモノアルキルエーテルモノアシルエステルである、
請求項に記載の製造方法。
【請求項】ポリフルオロアルキル基含有モノマーが、
ポリフルオロアルキル基含有(メタ)アクリレートであ
る、請求項1または2に記載の製造方法。
請求項4請求項1、2または3に記載の製造方法で
製造された撥水撥油剤組成物。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】ポリフルオロアルキル基含有モノマーと、
塩化ビニルと、これらと共重合しうる他のモノマーと
を、または、ポリフルオロアルキル基含有モノマーと、
ステアリル(メタ)アクリレートと、ヒドロキシアルキ
ル(メタ)アクリレートと、これらと共重合しうる他の
モノマーとを、グリコールエーテル系溶媒から選ばれた
1種以上の水溶性有機溶媒を含有する水系媒体中で乳化
重合することを特徴とする、ポリフルオロアルキル基含
有ポリマーが水系媒体中に乳化分散されてなる撥水撥油
剤組成物の製造方法
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】上記の製造方法で製造された撥水撥油剤組
成物。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】これらのうち、本発明におけるポリフルオ
ロアルキル基含有ポリマーは、ポリフルオロアルキル基
含有モノマーと、塩化ビニルと、これらと共重合しうる
他のモノマーとを、または、ポリフルオロアルキル基含
有モノマーと、ステアリル(メタ)アクリレートと、ヒ
ドロキシアルキル(メタ)アクリレートと、これらと共
重合しうる他のモノマーとを、共重合してなる。ポリフ
ルオロアルキル基含有モノマーと共重合性コモノマーと
の共重合体において、両者の合計に対してポリフルオロ
アルキル基含有モノマーが40重量%以上、特に50〜
80重量%の割合のモノマー混合物を重合した重合体が
好ましい。また使用する共重合性コモノマーとしては、
その60重量%以上は(メタ)アクリレート類または
(メタ)アクリルアミド類であることが好ましい。ま
た、官能基を有するモノマーを、全モノマーに対して通
常は1〜10重量%、特に2〜5重量%程度使用するこ
とが適当である。なお、グリコールエーテル系溶媒を乳
化重合時に使用する場合は、全モノマーに対するグリコ
ールエーテル系溶媒の割合は、10〜200重量%、特
に60〜100重量%が適当である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリフルオロアルキル基含有ポリマーが、
    グリコールエーテル系溶媒から選ばれた1種以上の水溶
    性有機溶媒を含有する水系媒体中に乳化分散されてなる
    撥水撥油剤組成物。
  2. 【請求項2】グリコールエーテル系溶媒が、エチレング
    リコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコ
    ールおよびポリプロピレングリコールから選ばれたグリ
    コールのモノアルキルエーテル、ジアルキルエーテルま
    たはモノアルキルエーテルモノアシルエステルである、
    請求項1に記載の撥水撥油剤組成物。
  3. 【請求項3】ポリフルオロアルキル基含有モノマーを、
    または、該モノマーとそれと共重合しうる共重合性のモ
    ノマーとを、グリコールエーテル系溶媒から選ばれた1
    種以上の水溶性有機溶媒を含有する水系媒体中で乳化重
    合することを特徴とするポリフルオロアルキル基含有ポ
    リマーが水系媒体中に乳化分散されてなる撥水撥油剤組
    成物の製造方法。
  4. 【請求項4】グリコールエーテル系溶媒が、エチレング
    リコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコ
    ールおよびポリプロピレングリコールから選ばれたグリ
    コールのモノアルキルエーテル、ジアルキルエーテルま
    たはモノアルキルエーテルモノアシルエステルである、
    請求項3に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】ポリフルオロアルキル基含有モノマーが、
    ポリフルオロアルキル基含有(メタ)アクリレートであ
    る、請求項3または4に記載の製造方法。
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