JP2000044672A - ポリエ―テルグリコ―ルの分子量分布を制御する方法 - Google Patents

ポリエ―テルグリコ―ルの分子量分布を制御する方法

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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 ヘテロポリ酸を触媒として用いて原料モ
ノマーとしてのテトラヒドロフランを重合し、所定の数
平均分子量を有するポリエーテルグリコールを製造する
際に、ポリエーテルグリコールの分子量分布を制御する
方法であって、原料有機相と触媒相との2相を形成する
量の水を存在させた状態で重合を行い、重合中に重合生
成物を採取して分子量分布を測定し、反応槽中のテトラ
ヒドロフラン滞留時間(V/F、ただし、Vは反応槽中
の全液容積、Fは反応槽へのモノマー供給速度)を変化
させることによってポリエーテルグリコールの分子量分
布を制御する方法。 【効果】 用途に応じて所定の分子量及び分子量分布を
有すポリエーテルグリコールを製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヘテロポリ酸を触媒と
して用いて、原料モノマーとしてテトラヒドロフラン
(以下、THFという)を開環重合してポリエーテルグ
リコールを製造するに際して、得られるポリエーテルグ
リコールの分子量分布を制御する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエーテルグリコールは、ポリウレタ
ン弾性繊維や合成皮革用ポリウレタンの主要原料、オイ
ルの添加剤及び軟化剤として工業的に有用なポリマーで
ある。ポリエーテルグリコールは、その工業的利用にお
いて用途に応じて最適な分子量及び分子量分布が求めら
れる。
【0003】ポリエーテルグリコールを製造するに際し
て、ヘテロポリ酸を重合触媒として利用できることが、
米国特許第4568775号明細書、同第465806
5号明細書及び同第5416240号明細書に開示され
ている。これらの先行技術には、ヘテロポリ酸の触媒と
しての活性について開示されている。特開平5−705
85号公報には、ヘテロポリ酸を触媒として用いて、ポ
リオキシアルキレングリコール及びその誘導体の平均分
子量を制御する方法が開示されている。
【0004】しかし、これら先行技術には、得られるポ
リエーテルグリコールの分子量分布を制御する方法につ
いては開示されていない。種々の用途に応じた最適な狭
い分子量分布を有すポリエーテルグリコールを得る方法
の一つとして、例えば米国特許第5053553号明細
書に開示されるように、重合したポリテトラメチレンエ
ーテルグリコール(PTMG)を、メタノール、水及び
特定の非極性溶媒を用いて液−液抽出により、上相の分
子量分布の狭いPTMGを含む溶剤相を分離することに
より、分子量分布の狭いPTMGを得る方法が知られて
いる。
【0005】しかし、この方法はポリエーテルグリコー
ルの重合工程の他に抽出工程、更には回収工程を設ける
必要があり、また有機溶剤を使用するため、その回収等
のコストが加算され経済的に不利であるという問題点が
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ポリエーテルグリコー
ルは添加剤等として単独で利用される場合もあるが、多
くの場合、反応原料として用いられる。従って、用途に
応じて所定の数平均分子量及び分子量分布が要求され
る。特に、ポリエーテルグリコールをポリウレタン繊維
に代表される弾性繊維の原料として用いる場合には、ポ
リエーテルグリコールの分子量分布が弾性繊維の弾性機
能、特に、弾性回復性に影響を与えるため、分子量分布
を任意に制御しうるポリエーテルグリコールの製造方法
が要望されている。
【0007】ヘテロポリ酸を触媒としたポリエーテルグ
リコールの製造方法は反応系中における水の存在を許容
し、1段の反応で重合出来る点から注目されている。特
に、この触媒を用いたポリエーテルグリコールの製造に
おいて、重合体の分子量分布を精密に制御する方法が要
望されている。本発明の目的は、ヘテロポリ酸を触媒と
してポリエーテルグリコールを製造するに際して、ポリ
エーテルグリコールの分子量分布を所定の値又は範囲に
入るように効率的に調整する方法を提供することであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、THFを重合
する際に、ヘテロポリ酸を触媒として用い、これに重合
反応系が、原料有機相と触媒相との2相を形成する量の
水を存在させ、反応槽中のTHF滞留時間(V/F、た
だし、Vは反応槽中の全液容積、Fは反応槽へのモノマ
ー供給速度)を変化させることによって、反応槽中の原
料モノマーの触媒相での滞留時間分布を制御することに
より、得られるポリエーテルグリコールの分子量分布を
制御する方法である。
【0009】ヘテロポリ酸に配位する水の量が触媒活性
に影響し、ヘテロポリ酸に配位する水の量と、THFを
重合して得られるポリエーテルグリコールの数平均分子
量との間に相関があることは、特開昭59−22132
6号公報に開示されている。しかし、この公報には、得
られるポリエーテルグリコールの分子量分布がシャープ
であることが記載されているが、分子量分布の制御に関
する記載はない。
【0010】本発明者は、反応系中の触媒の配位水数を
一定にして、THFを重合して得られるポリエーテルグ
リコールの分子量分布を制御することを検討した。その
結果、反応槽中での触媒相体積に対する原料THFのフ
ィード量をほぼ一定として、反応槽中のTHF滞留時間
(V/F)を変化させて、触媒相で反応する原料モノマ
ーの滞留時間分布を制御することにより、ポリエーテル
グリコールの数平均分子量を実質的に変えることなく分
子量分布を精密に制御することが可能であることを見出
した。
【0011】即ち、本発明は、ヘテロポリ酸を触媒とし
て用いて原料モノマーとしてのテトラヒドロフランを重
合し、所定の数平均分子量を有するポリエーテルグリコ
ールを製造する際に、ポリエーテルグリコールの分子量
分布を制御する方法であって、原料有機相と触媒相との
2相を形成する量の水を存在させた状態で重合を行い、
重合中に重合生成物を採取して分子量分布を測定し、重
合体の分子量分布を広くする場合は反応槽中のテトラヒ
ドロフラン滞留時間(V/F、ただし、Vは反応槽中の
全液容積、Fは反応槽へのモノマー供給速度)を増加さ
せ、分子量分布を狭くする場合はV/Fを減少させるこ
とを特徴とするポリエーテルグリコールの分子量分布を
制御する方法である。
【0012】ヘテロポリ酸を触媒として用いるTHFの
重合において、反応系は、重合体を含んだ原料有機相と
触媒相との2つの相が液滴状に分散したエマルジョン溶
液を形成する。重合は触媒相中で進行すると考えられ
る。重合の進行と同時に、触媒相中に溶解しているポリ
エーテルグリコールが触媒相と原料有機相とに分配さ
れ、反応条件下で分配状態は定常状態にあると考えられ
る。
【0013】所定の数平均分子量をもったポリエーテル
グリコールを得る際、触媒相中における原料モノマーの
滞留時間分布を制御することにより、生成するポリエー
テルグリコールの分子量分布を制御できる。触媒相中で
生成するポリエーテルグリコールは、平衡反応で重合が
進行するが、原料モノマーの触媒相中の滞留時間に応じ
てその重合度が変化すると考えられる。触媒相中の生成
重合体が原料有機相に分配されるため、最終的に得られ
るポリエーテルグリコールの分子量分布は触媒相中の分
子量分布を反映する。
【0014】従って、反応系中の触媒相に原料モノマー
が滞留している時間の分布を制御することにより、得ら
れる重合体の分子量分布を制御することができる。即
ち、分子量分布が所定の分子量分布より狭い場合は滞留
時間(V/F)を増加させ、分子量分布が所定の分子量
分布より広い場合は滞留時間(V/F)を減少させるこ
とにより、分子量分布の制御が可能である。
【0015】生成するポリエーテルグリコールの数平均
分子量を変えずに分子量分布を制御するには、反応時間
を一定とする必要がある。驚くべきことに、これは触媒
量当たりのTHFの平均滞留時間を一定とすることによ
り実現できることがわかった。反応槽中の触媒量を制御
することにより、実質的な反応時間が一定になると考え
られる。その結果として、生成するポリエーテルグリコ
ールの数平均分子量を一定として、分子量分布を変化さ
せることができる。
【0016】V/Fを変化させることによる分子量分布
制御の作用機構は、以下のように考えられる。連続反応
において、V/Fを変化させると反応槽内での原料モノ
マーの平均滞留時間が変化する。この時、平均滞留時間
が長い場合には、反応槽内での原料モノマーの触媒相中
における滞留時間分布が大きくなり、逆に、平均滞留時
間が短い場合には、反応槽内での原料モノマーの触媒相
中の滞留時間分布が小さくなると考えられる。
【0017】即ち、V/Fを大きくすると、反応槽内で
の原料モノマーの触媒相中における滞留時間分布が大き
くなり、得られるポリエーテルグリコールの分子量分布
は広くなる。逆に、V/Fを減少させると、反応槽内で
の原料モノマーの触媒相中における滞留時間分布が小さ
くなり、得られるポリエーテルグリコールの分子量分布
は狭くなる。
【0018】このように、連続反応におけるV/Fを制
御するによって、生成するポリエーテルグリコールの分
子量分布を制御できる。本発明の好適な態様は、ヘテロ
ポリ酸を触媒として用いてテトラヒドロフランを重合
し、所定の数平均分子量を有すポリエーテルグリコール
を製造する際に、ポリエーテルグリコールの分子量分布
を制御する方法であって、重合反応系に原料有機相と触
媒相との2相を形成する量の水を存在させた状態で、下
記(a)〜(d)を含む工程で重合を行うポリエーテル
グリコールの分子量分布制御方法であって、(a)所定
の数平均分子量の重合生成体を得る反応条件において、
反応槽中のテトラヒドロフラン滞留時間(V/F、ただ
し、Vは反応槽中の全液容積、Fは反応槽へのモノマー
供給速度)と、分子量分布との関係を示す検量線を求め
る工程、(b)重合中に重合反応器から反応液を採取
し、重合生成物の数平均分子量を測定し、測定した数平
均分子量が所定の値から外れている場合には反応条件を
修正し、所定の数平均分子量に調整する工程、(c)所
定の数平均分子量に達した重合生成の分子量分布を測定
する工程、(d)上記工程(c)で測定した分子量分布
が所定の値と異なる場合には、測定した分子量分布と上
記工程(a)で得た検量線とを照合し、滞留時間を所定
の分子量分布に対応する値に調整する工程。
【0019】上記(a)〜(d)の各工程について説明
する。 工程(a):所定の数平均分子量を有するポリエーテル
グリコールの分子量分布とV/Fとの関係を実験式とし
て求める。ここで、所定の数平均分子量の誤差範囲は、
ポリエーテルグリコールの用途にもよるが、通常±10
0、好ましくは±50、反応原料として用いるような場
合には、更に好ましくは±30以内である。
【0020】ヘテロポリ酸を触媒として、例えば、数平
均分子量1800のPTMGを製造する場合には、式1
の関係式を実験的に求めることができる。ここで、Mw
/Mnは、GPCを用いて得られるPTMGの重量平均
分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で、分子
量分布の指標である。
【0021】
【数1】
【0022】式1において、K及びβは実験的に求まる
定数である。 工程(b):原料有機相と触媒相の2相を形成する量の
水を存在させた状態で、所定の数平均分子量のポリエー
テルグリコールが得られる条件で重合反応を行い、生成
重合体の数平均分子量を測定する。数平均分子量が所定
の値と合致しない場合には、ヘテロポリ酸触媒の配位水
量の調整、反応温度の調整等、公知の方法を用いて所定
の値に到達するように調整する。
【0023】工程(c):所定の数平均分子量を有する
ポリエーテルグリコールの分子量分布(Mw/Mn)を
GPCにより測定する。 工程(d):上記工程(c)で測定した分子量分布(M
w/Mn)が所定の値(目標値)から外れている場合に
は、工程(a)で得た検量線に基づき、滞留時間(V/
F)を変化させ、PTMGの分子量分布を調整する。
【0024】好ましくは、所定の数平均分子量の下で、
所定の分子量分布を持った重合体が得られるまで工程
(b)〜(d)を繰り返す。本発明において、反応系中
のTHF滞留時間(V/F)はポリエーテルグリコール
の分子量分布を制御するために、好ましくは0.5〜2
0時間、より好ましくは0.7〜15時間である。所定
の数平均分子量のポリエーテルグリコールを得るために
は、THF滞留時間(V/F)を小さくすると反応転化
率が低下し、反応効率が低下する。THF滞留時間(V
/F)を大きくすると反応時間が長くなる。
【0025】重合反応終了後は、相分離によりモノマー
とポリマーを主成分とする相から蒸留等でモノマーを除
去し、ポリエーテルグリコールを回収する。本発明にお
いて、ポリエーテルグリコールの製造には、THFの単
独重合の他、THFと共重合可能な環状エーテル、グリ
コールをコモノマーとして用いることができる。コモノ
マーの例としては、オキセタン及びオキセタン誘導体、
例えば3,3−ジメチルオキセタン、メチルテトラヒド
ロフラン、1,3−ジキソラン、テトラヒドロピランの
如き環状エーテル、エチレングリコール、プロピレング
リコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタン
ジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリ
コール、ジプロピレングリコール等を挙げることができ
る。
【0026】本発明に用いるヘテロポリ酸は、Mo,W
及びVから選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物と他
の元素、例えばP,Si,As,Ge等の元素を含むオ
キシ酸とが結合して生じるオキシ酸の総称である。後者
の元素に対する前者の元素の原子比は2.5〜12が好
ましい。ヘテロポリ酸の具体例としては、リンモリブデ
ン酸、リンタングステン酸、リンモリブドタングステン
酸、リンモリブドバナジン酸、リンモリブドタングスト
バナジン酸、リンタングストバナジン酸、リンモリブド
ニオブ酸、ケイタングステン酸、ケイモリブデン酸、ケ
イモリブドタングステン酸、ケイモリブドタングストバ
ナジン酸、ゲルマニウムタングステン酸、砒素モリブデ
ン酸、砒素タングステン酸等が挙げられる。
【0027】使用するヘテロポリ酸量は特に限定されな
いが、反応系中のヘテロポリ酸が少ないと重合速度が遅
くなる。モノマーに対してヘテロポリ酸量は重量で0.
1〜20倍量が好ましく、より好ましくは0.5〜5倍
量である。重合温度が高い場合、ポリマーの解重合が生
じるため重合度が低下する傾向があり、重合温度は0〜
150℃、好ましくは30〜80℃である。
【0028】重合反応は、モノマーとヘテロポリ酸とを
混合しつつ実施できるので、特に溶媒を必要としない
が、場合により反応に不活性な溶媒を加えてもよい。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に本発明を実施例により説明
するが、本発明はこの実施例により何ら限定されるもの
ではない。
【0030】
【実施例1】図1に示す連続重合装置を用いて重合し
た。まず、撹拌装置と還流冷却器を持つ500mLの反
応器(1)に、触媒としてケイタングステン酸をTHF
に少量の水を加え溶解し、比重2.1の溶液110mL
を触媒として反応器(1)に仕込み、THF(モノマ
ー)を310mL加えて撹拌した。反応器の温度を60
℃に設定し、モノマーを70mL/Hの速度で反応器
(1)に供給した。反応液を相分離槽(2)との間で循
環させ、相分離した上相をモノマー供給速度と同一の速
度で抜き出した。反応中、反応器(1)中の触媒相中の
配位水数を含めた水の量が一定となるように水供給槽
(3)から反応器(1)への水供給量を調整した。相分
離槽(2)から抜き出した液を蒸留塔(4)に供給し、
未反応モノマーを除去し、ポリエーテルグリコール(P
TMG)を得た。
【0031】約10時間連続運転したとき、定常状態で
のPTMGの数平均分子量(Mn)及び分子量分布(M
w/Mn)は、各々、Mn=2000、Mw/Mn=
1.8であった。分子量分布の狭いPTMGを得るた
め、反応器(1)の液量を変えずに、ケイタングステン
酸触媒溶液を45mL追加し、THFの供給量を100
mL/Hとした。反応におけるV/Fは、6.0から
4.2に減少した。 この時、単位反応液容量当たりの
撹拌動力(P/V)を、2.0kW/m3 に固定した。
【0032】得られたPTMGは、Mn=2000、M
w/Mn=1.6であった。V/Fを減少させることに
より、数平均分子量を変えずに、分子量分布を狭くでき
た。数平均分子量、分子量分布(重量平均分子量/数平
均分子量)についてはゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィー(GPC)を用いて決定した。
【0033】
【実施例2】触媒として、比重1.80に調整したリン
モリブデン酸溶液を50mL、初期のTHF仕込みを3
70mL、V/F=4時間、撹拌動力(P/V)は2.
2kW/m3 とした以外は、実施例1と同様に実施し
た。但し、得られたPTMGは、Mn=1500、Mw
/Mn=1.6であった。
【0034】分子量分布の広いPTMGを得るため、触
媒を30mLとし、V/F=6.46時間とした結果、
Mn=1505、Mw/Mn=1.8のPTMGが得ら
れた。
【0035】
【実施例3】リンタングステン酸を、比重2.05の触
媒溶液として用い、実施例1と同様の操作で、反応器
(1)中の反応液量Vを420mL一定としてTHFを
重合した。まず、P/Vを1.9kW/m3に固定し
て、Mw/MnとV/Fとの関係を把握するため、表1
に示す条件1〜3で得られたPTMGのMn及びMw/
Mnを測定した。結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】表1の結果から式2の関係を得た。
【0038】
【数2】
【0039】条件1の運転では、Mn=1750、Mw
/Mn=1.7であった。分子量分布(Mw/Mn)を
1.6に程度に減少させる場合、(2)式から、V/F
は約2.0時間と予想されるので、触媒量を180m
L、THF供給量を210mL/H、相分離槽(2)の
上相の抜き出しも210mL/Hに設定した。得られた
PTMGは、Mw/Mn=1.6、Mn=1750であ
った。
【0040】
【発明の効果】本発明の方法によって、用途に応じて所
定の分子量及び分子量分布を有すポリエーテルグリコー
ルを製造することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用する連続重合装置の例を示す概略
図。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘテロポリ酸を触媒として用いて原料モ
    ノマーとしてのテトラヒドロフランを重合し、所定の数
    平均分子量を有するポリエーテルグリコールを製造する
    際に、ポリエーテルグリコールの分子量分布を制御する
    方法であって、原料有機相と触媒相との2相を形成する
    量の水を存在させた状態で重合を行い、重合中に重合生
    成物を採取して分子量分布を測定し、重合体の分子量分
    布を広くする場合は反応槽中のテトラヒドロフラン滞留
    時間V/F(ただし、Vは反応槽中の全液容積、Fは反
    応槽へのモノマー供給速度)を増加させ、分子量分布を
    狭くする場合はV/Fを減少させることを特徴とするポ
    リエーテルグリコールの分子量分布を制御する方法。
  2. 【請求項2】 ヘテロポリ酸を触媒として用いてテトラ
    ヒドロフランを重合し、所定の数平均分子量を有すポリ
    エーテルグリコールを製造する際に、重合反応系に原料
    有機相と触媒相との2相を形成する量の水を存在させた
    状態で、下記(a)〜(d)を含む工程で重合を行うこ
    とを特徴とするポリエーテルグリコールの分子量分布を
    制御する方法。 (a)所定の数平均分子量の重合生成体を得る反応条件
    において、反応槽中のテトラヒドロフラン滞留時間V/
    F(ただし、Vは反応槽中の全液容積、Fは反応槽への
    モノマー供給速度)と、分子量分布との関係を示す検量
    線を求める工程、(b)重合中に重合反応器から反応液
    を採取し、重合生成物の数平均分子量を測定し、測定し
    た数平均分子量が所定の値から外れている場合には反応
    条件を修正し、所定の数平均分子量に調整する工程、
    (c)所定の数平均分子量に達した重合生成物の分子量
    分布を測定する工程、(d)上記工程(c)で測定した
    分子量分布が所定の値と異なる場合には、測定した分子
    量分布と上記工程(a)で得た検量線とを照合し、滞留
    時間を所定の分子量分布に対応する値に調する工程。
  3. 【請求項3】 重合中に、適宜重合生成物を採取して、
    (b)〜(d)の工程を繰り返すことを特徴とする請求
    項2に記載のポリエーテルグリコールの分子量分布を制
    御する方法。
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