JP2000044655A - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物

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JP2000044655A
JP2000044655A JP10216960A JP21696098A JP2000044655A JP 2000044655 A JP2000044655 A JP 2000044655A JP 10216960 A JP10216960 A JP 10216960A JP 21696098 A JP21696098 A JP 21696098A JP 2000044655 A JP2000044655 A JP 2000044655A
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epoxy resin
bisphenol
resin composition
group
heat resistance
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JP10216960A
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Masaharu Ishiguro
雅春 石黒
Hideo Nakamura
英夫 中村
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】硬化させることにより、耐熱性、耐水性、機械
的強度および可とう性に優れた硬化物を得ることがで
き、積層板または接着剤の素材として好適なエポキシ樹
脂組成物の提供。 【解決手段】ビスフェノール類からなる主骨格を有し、
エポキシ当量が170〜800g/eqである2官能エ
ポキシ樹脂(a−1)と、下記構造式(1)(R1 :水
素原子またはメチル基、X:−C(R2 )(R3 )−
(R2 ,R3 :水素原子または炭素数1〜3のアルキル
であり、R2 とR3 の炭素数の合計は1〜3の整数)で
表され、軟化点が40〜110℃であるフェノールノボ
ラック類とエピクロルヒドリンとを反応させてなるフェ
ノールノボラック型エポキシ樹脂(a−2)と、ビスフ
ェノール類(a−3)とを反応させて得られる、エポキ
シ当量が200〜2000g/eqである多官能エポキ
シ樹脂を必須成分として含むエポキシ樹脂組成物。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エポキシ樹脂組成
物に関し、特に、硬化剤により硬化させて、耐熱性、耐
水性、機械的強度、および可とう性の優れた硬化物を得
ることができ、積層板または接着剤の主成分として好適
なエポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ビスフェノールA型エポキシ樹脂は2官
能性であるため、用途によっては耐熱性が不足すること
がある。こうした場合には、特開昭63−199725
号公報、特開昭59−191714号公報等で公知のフ
ェノール類とホルマリンから製造される多官能のノボラ
ック型エポキシ樹脂を併用して耐熱性を向上させること
がよく行われている。一方、難燃性が要求される電気・
電子用途では、テトラブロムビスフェノールAを原料に
したブロム化エポキシ樹脂が一般に使用されている。
【0003】また、ビスフェノールFやビスフェノール
AD骨格を有する、いわゆる、ビスフェノールF型やビ
スフェノールAD型のエポキシ樹脂は、ビスフェノール
A型エポキシ樹脂より粘度が低く、可とう性も優れるた
め、価格が高いにもかかわらず、特定の用途に重用され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、フェノール類
とホルマリンから製造される多官能のノボラック型エポ
キシ樹脂と、上記のビスフェノール骨格を有する2官能
エポキシ樹脂とを併用すると、得られる硬化物は、吸湿
後の耐熱性は不満足なレベルのものであった。
【0005】例えば、難燃化されたFR4(NEMA規
格)グレードでは、ビスフェノールA型液状エポキシ樹
脂をテトラブロムビスフェノールAで変性した、ブロム
含有量が20〜30%の低ブロムタイプのエポキシ樹脂
を主原料とし、これに耐熱性を付与する目的でクレゾー
ル・ホルマリン−ノボラック型エポキシ樹脂やビスフェ
ノールA・ホルマリン−ノボラック型エポキシ樹脂を併
用した形のものが用いられている。しかしながら、この
エポキシ樹脂を積層板の製造に用いる場合、耐熱性を考
慮して、前記のノボラック型エポキシ樹脂の併用量を多
くすると、得られる硬化物が硬くて脆くなるため銅箔と
の接着強度や層間接着強度が低下して吸水後の半田耐熱
性も低下する等の問題がある。
【0006】また、絶縁粉体塗料や成形材料の分野でも
同様の樹脂の併用が行われ、耐熱性の向上するに従って
機械的特性が低下するという、同様の問題を抱えてい
る。
【0007】そこで、本発明の目的は、硬化剤により硬
化させて、耐熱性、耐水性、機械的強度、および可とう
性の優れた硬化物を得ることができ、積層板または接着
剤の主成分として好適なエポキシ樹脂組成物を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、耐熱性と
機械的特性、および可とう性等の諸性能にバランスのと
れた硬化物を得ることができるエポキシ樹脂組成物を得
るため鋭意研究した。その結果、2官能エポキシ樹脂
に、特定のフェノール類とアルデヒドから製造されるフ
ェノールノボラック類をさらにエピクロルヒドリンと反
応させてなるフェノルーノボラック型エポキシ樹脂と、
特定のビスフェノール類とを反応させてなる多官能エポ
キシ樹脂を必須成分として含むエポキシ樹脂組成物が、
前記目的を端整することができることを見出し、本発明
を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、ビスフェノールA、
ビスフェノールF、ビスフェノールADおよびテトラブ
ロムビスフェノールAからなる群から選ばれる少なくと
も1種のビスフェノール類からなる主骨格を有し、エポ
キシ当量が170〜510g/eqである2官能エポキ
シ樹脂(a−1)と、下記構造式(1):
【0010】
【化3】
【0011】〔式(1)中、複数のR1 は同一でも異な
ってもよく、水素原子またはメチル基であり、Xは、下
記式(2):
【化4】 (式(2)中、R2 およびR3 は同一でも異なってもよ
く、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、
2 とR3 の炭素数の合計は1〜3の整数である)で表
される基であり、nは0〜7の整数である〕で表され、
軟化点が40〜110℃であるフェノールノボラック類
にエピクロルヒドリンを反応させて得られるフェノール
ノボラック型エポキシ樹脂(a−2)と、ビスフェノー
ルA、ビスフェノールF、ビスフェノールADおよびテ
トラブロムビスフェノールAからなる群から選ばれる少
なくとも1種のビスフェノール類(a−3)とを反応さ
せて得られる、エポキシ当量が200〜2000g/e
qである多官能エポキシ樹脂を必須成分として含むエポ
キシ樹脂組成物を提供するものである。
【0012】以下、本発明のエポキシ樹脂組成物(以
下、「本発明の組成物」という)について詳細に説明す
る。
【0013】本発明の組成物は、2官能エポキシ樹脂
(a−1)と、前記式(1)で表されるフェノールノボ
ラック類をエピクロルヒドリンと反応させてなるフェノ
ールノボラック型エポキシ樹脂(a−2)と、ビスフェ
ノール類(a−3)とを反応させて得られる多官能エポ
キシ樹脂を必須成分として含むものである。
【0014】本発明の組成物の必須成分である多官能エ
ポキシ樹脂を調製するために用いられる2官能エポキシ
樹脂(a−1)は、ビスフェノールA、ビスフェノール
F、ビスフェノールADおよびテトラブロムビスフェノ
ールAからなる群から選ばれる少なくとも1種のビスフ
ェノール類からなる主骨格を有し、分子内に2個以上の
エポキシ基を有する液状または固形状のエポキシ樹脂で
ある。この主骨格は、前記のビスフェノール類から選ば
れる1種に由来する構造単位のみを含んでいるものでも
よいし、2種以上のビスフェノール類に由来する構造単
位の組合せを含んでいるものでもよい。これらのビスフ
ェノール類の中でも、電気・電子部品の用途、特に、積
層板用の樹脂として利用する場合には、ビスフェノール
A、ビスフェノールF、ビスフェノールADおよびテト
ラブロムビスフェノールAから選ばれる少なくとも1種
からなる2官能エポキシ樹脂が好ましく、特に、加水分
解可能な塩素が0.2%以下、またはα−ジオール体が
樹脂100g中200ミリモル以下である2官能エポキ
シ樹脂が好ましい。
【0015】また、この2官能エポキシ樹脂(a−1)
は、エポキシ当量が170〜800g/eqであるもの
であり、接着性および難燃性がさらに優れた積層板を形
成するエポキシ樹脂組成物が得られることから、エポキ
シ当量が170〜510g/eqであるものが好まし
い。
【0016】さらに、この2官能エポキシ樹脂(a−
1)は、通常、分子量が350〜2000程度のもので
あり、比較的高分子量の多官能エポキシ樹脂を得ること
が必要な場合には、低い分子量のものが好ましく、例え
ば、350〜1200の範囲のものが好ましい。
【0017】この2官能エポキシ樹脂(a−1)は、特
に制限されず、公知のいずれの方法にしたがって製造し
たものでもよい。例えば、ビスフェノールA、ビスフェ
ノールF、ビスフェノールADおよびテトラブロムビス
フェノールAから選ばれる少なくとも1種のビスフェノ
ール類とエピクロルヒドリンとを用いて、昭和60年5
月10日(株)昭晃堂発行、垣内弘編著「新エポキシ樹
脂」に記載されているような公知の方法により製造され
る、同一分子内に2個以上のエポキシ基を有する液状ま
たは固形(臭素化)エポキシ樹脂であってもよいし、あ
るいは、かくして得られるエポキシ樹脂に、ビスフェノ
ールA、ビスフェノールF、ビスフェノールADおよび
テトラブロモビスフェノールAから選ばれる少なくとも
1種のビスフェノール類を、さらに前記の公知の方法に
より反応させて得られる(臭素化)エポキシ樹脂であっ
てもよい。
【0018】また、本発明の組成物の必須成分である多
官能エポキシ樹脂を調製するために用いられるフェノー
ルノボラック型エポキシ樹脂(a−2)は、前記構造式
(1)で表されるフェノールノボラック類にエピクロル
ヒドリンを反応させて得られるものが、優れた吸湿半田
耐熱性を得る観点から好ましい。また、従来から知られ
ているホルムアルデヒドノボラック型エポキシ樹脂と比
較して、同程度の粘度のワニスを得ることができる組成
物を調製することができ、かつ、より高い吸湿半田耐熱
性が得られる点からも好ましい。
【0019】フェノールノボラック類を示す前記構造式
(1)において、複数のR1 は同一でも異なってもよ
く、水素原子またはメチル基であり、Xは、前記式
(2)で表される基である。また、式(2)中、R2
よびR3 は同一でも異なってもよく、水素原子または炭
素数1〜3のアルキル基であり、nは0〜7の整数であ
る。炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エ
チル基、n−プロピル基が挙げられる。特に、基XのR
2 とR3 の一方が水素原子であり、他方がメチル基、エ
チル基またはn−プロピル基であるものが、好ましい。
【0020】この構造式(1)で表されるフェノールノ
ボラック類を得るために用いられるフェノール類として
は、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾ
ール、p−クレゾール等が挙げられる。また、アルデヒ
ドとしては、例えば、アセトアルデヒド、プロピオンア
ルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒ
ド等が挙げられる。アルデヒドとして、n−ブチルアル
デヒドよりさらに大きい分子量のものを用いた場合は、
フェノールノボラック類の製造に際して、フェノール類
との反応率が低下し、目的とするノボラック収率がより
低下する為、コスト的に不利になること、また、吸湿半
田耐熱性の向上が認められないことからメリットは少な
い。したがって、アルデヒドはアセトアルデヒド、プロ
ピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒドを用いること
が好ましい。
【0021】このフェノールノボラック類は、軟化点4
0〜110℃のものが好ましく、さらに吸湿半田耐熱性
を良好にする為には、軟化点50〜100℃のものが好
ましい。これより軟化点が低いフェノールノボラック類
を用いる場合には、得られるエポキシ樹脂組成物の硬化
物の吸湿半田耐熱性が低く、軟化点が高いフェノールノ
ボラック類を用いる場合には、得られるエポキシ樹脂組
成物の硬化物の接着性が低下するおそれがある。
【0022】このフェノールノボラック類は、前記フェ
ノール類と、アルデヒドとを、通常のホルムアルデヒド
ノボラックを製造する方法と同様の方法によって行うこ
とができる。
【0023】また、フェノールノボラックエポキシ樹脂
(a−2)の製造は、特に制限されず、このフェノール
ノボラック類と、エピクロルヒドリンとを用いて、通常
の方法にしたがって行うことができる。
【0024】また、本発明の組成物の必須成分である多
官能エポキシ樹脂を調製するために用いられるビスフェ
ノール類(a−3)は、ビスフェノールA、ビスフェノ
ールF、ビスフェノールADおよびテトラブロムビスフ
ェノールAからなる群から選ばれる少なくとも1種であ
る。このビスフェノール類(a−3)としては、前記2
官能エポキシ樹脂(a−1)の構成成分であるビスフェ
ノール類と同一のものであっても、異なるものであって
もよい。また、1種単独でも、2種以上を組み合わせて
用いてもよい。
【0025】本発明の組成物の必須成分である多官能エ
ポキシ樹脂は、前記の2官能エポキシ樹脂(a−1)、
フェノールノボラック類(a−2)およびビスフェノー
ル類(a−3)を、苛性ソーダ、苛性カリ、トリフェニ
ルホスフィン、テトラメチルアンモニウムクロリド、テ
トラエチルアンモニウムクロリド等の常用の触媒の存在
下に、40〜150℃の反応温度で常圧あるいは減圧下
に反応せしめることにより製造することができる。この
とき、十分な接着性(銅箔剥離強度、層間剥離強度)、
吸湿半田耐熱性を有する硬化物を示すエポキシ樹脂組成
物を得ることができることから、3成分を下記式(3)
および(4)で表される重量割合の範囲で用いることが
好ましい。 0.03≦(a−2)/[(a−1)+(a−2)+(a−3)]≦0.30 (3) 0.05≦(a−3)/[(a−1)+(a−2)+(a−3)]≦0.40 (4)
【0026】また、2官能エポキシ樹脂(a−1)、フ
ェノールノボラック型エポキシ樹脂(a−2)およびビ
スフェノール類(a−3)の使用比率は、本発明の組成
物の用途の要求性能に応じて適宜調整することができ
る。例えば、できるだけ耐熱性を重視しなければならな
い場合には、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(a
−2)の比率を高めることが有効である。
【0027】一方、フェノールノボラック型エポキシ樹
脂(a−2)の使用量が多すぎる場合にはゲル化が起こ
るので注意する必要がある。したがって、かかる場合に
は高めの分子量をもった2官能エポキシ樹脂(a−1)
を使用してフェノールノボラック型エポキシ樹脂(a−
2)の使用量を減らすことが有効である。
【0028】さらに、本発明で用いられる多官能エポキ
シ樹脂が、2官能エポキシ樹脂(a−1)と、フェノー
ルノボラック型エポキシ樹脂(a−2)との混合物に対
してビスフェノール類(a−3)を反応させて分子中に
ノボラック構造を導入せしめて得られるものであるた
め、ビスフェノール(a−3)の使用量が少ない場合に
は、このビスフェノール類(a−3)による吸湿半田耐
熱性の向上があまり期待できない。
【0029】本発明において、多官能エポキシ樹脂は、
エポキシ当量が200〜2000g/eqのものであ
り、さらに優れた吸湿半田耐熱性を有する硬化物を形成
するエポキシ樹脂組成物が得られることから、好ましく
はエポキシ当量が300〜1500g/eqであるもの
である。
【0030】また、本発明の組成物は、前記の多官能エ
ポキシ樹脂以外に、必要に応じて、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム、タルク、アエロジル等の充填
材等を含んでいてもよい。
【0031】本発明の組成物は、その必須成分である多
官能エポキシ樹脂を硬化剤を用いて硬化させることによ
り、硬化物とすることができる。用いられる硬化剤は、
特に限定されず、従来のエポキシ樹脂の硬化に常用され
ている公知の硬化剤を用いることができる。例えば、脂
肪族ポリアミン、芳香族ポリアミン、ポリアミド樹脂お
よびそれらのアダクト硬化剤、ジシアンジアミド、酸ヒ
ドラジド、酸無水物、カルボン酸類、フェノール樹脂等
を用いることができる。また、必要に応じて硬化促進剤
を添加することも可能である。硬化促進剤としては、例
えば、ベンジルジメチルアミン、トリエチルアミン等の
3級アミン、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4
−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等の
イミダゾール類、トリフェニルホスフィン、BF3−ピ
ペリジン塩等を挙げることができる。
【0032】さらに、本発明の組成物を用いて、積層板
を製造する場合、プリプレグ作製時の含浸性等の操作性
を考慮して、本発明の組成物を溶剤に希釈して調製した
ワニスとして使用することも可能である。用いる硬化剤
の種類に応じて、最適な溶剤の種類は異なるが、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、ブチルセ
ロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、
メタノール、ブタノール等を単独若しくは併用して用い
ることができる。
【0033】本発明の組成物は、積層板用、特に4層以
上の多層板用として、接着性、電気特性は基より、特
に、吸湿半田耐熱性に優れた硬化物を形成することがで
きる。また、ワニス含浸の際のシート補強材としては、
ガラス繊維布、リンター紙、クラフト紙等を用いること
ができる。
【0034】本発明の組成物を用いて、プリント配線板
を製造する場合、プリント配線基板製造用のプリプレグ
を、例えば、常温で前記組成のワニスを補強材に含浸
後、乾燥機内で乾燥してBステージ化して製造すること
ができる。このプリプレグを切断してシート状化し、そ
の複数枚を銅箔と重ねて、加熱プレス成形することによ
り前記特性に優れたプリント配線板を製造することがで
きる。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。
【0036】(実施例1)窒素置換下、室温にて2Lの
ステンレス容器内に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(エポキシ当量:189g/eq)531g、フェノー
ルアセトアルデヒドノボラック樹脂(軟化点:78℃)
のグリシジル化物(エポキシ当量:199g/eq)1
51g、3,5,3’5’−テトラブロム−4,4’−
ジヒドロキシジフェニルプロパン(TBBA)318
g、および50%テトラメチルアンモニウムクロリド水
溶液30ppmを一括に仕込み、150℃で6時間攪拌
した。反応混合物中のフェノール性水酸基が50ppm
以下であることを確認後、降温し、90℃に達した時点
でメチルエチルケトン250gを添加し、20分攪拌後
してエポキシ樹脂組成物を得た。次に、室温まで冷却
し、フィルター孔径が1μmのカートリッジフィルター
でエポキシ樹脂組成物を濾過して、ワニスを調製した。
得られたワニスの固形分は79.6%、固形換算のエポ
キシ当量は420g/eqであった。
【0037】得られたワニスに、エポキシ当量に対し、
0.5当量のジシアンジアミド(アミン当量:21)1
0%ジメチルホルムアミド溶液および0.15phrの
2−エチル−4−メチルイミダゾール10%メチルセロ
ソルブ溶液を加えたものを、日東紡製ガラスクロスWE
116E104(厚さ:0.1mm)上に含浸させ、上
下に重ね貼り合わせた後、140℃で5分乾燥し、Bス
テージ品を得た。このBステージ品9枚を重ね合わせた
後、上面に三井金属製電解銅箔(厚さ:18μm)のM
面を載せ、170℃、3MPaの圧力下、1時間プレス
処理した。
【0038】得られたプレス処理品を、JISC648
1に準拠して、物性測定した結果、銅箔剥離強度は1
9.7N/cm、層間剥離強度は19.4N/cmであ
った。また、プレス処理品を試料として用いて、プレッ
シャークッカー試験(PCM)(加熱条件;温度:12
1℃、相対湿度:100%)を所定時間行った後、26
0℃の半田浴に20秒間浸漬して、膨れの有無を調べ、
吸湿半田耐熱性を評価したところ、PCM9時間迄の試
料は、異常がないことが確認された。
【0039】(実施例2)ビスフェノールA型エポキシ
樹脂をビスフェノールAD型エポキシ樹脂(エポキシ当
量:176g/eq)に変更した以外は、実施例1と同
様にしてエポキシ樹脂組成物を製造してワニスを調製
し、固形分およびエポキシ当量を測定した。また、プレ
ス処理品を製造して銅箔剥離強度、相間剥離強度を測定
し、さらにプレッシュー試験に供して、吸湿半田耐熱性
を評価した。結果を表1に示す。
【0040】(実施例3)フェノールアセトアルデヒド
ノボラック樹脂グリシジル化物を、o−クレゾールアセ
トアルデヒドノボラック樹脂(軟化点:80℃)のグリ
シジル化物(エポキシ当量:215g/eq)に変更し
た以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を
製造してワニスを調製し、固形分およびエポキシ当量を
測定した。また、プレス処理品を製造して銅箔剥離強
度、相間剥離強度を測定し、さらにプレッシュー試験に
供して、吸湿半田耐熱性を評価した。結果を表1に示
す。
【0041】(実施例4)フェノールアセトアルデヒド
ノボラック樹脂グリシジル化物を、o−クレゾールプロ
ピオンアルデヒドノボラック樹脂(軟化点:77℃)の
グリシジル化物(エポキシ当量:230g/eq)に変
更した以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成
物を製造してワニスを調製し、固形分およびエポキシ当
量を測定した。また、プレス処理品を製造して銅箔剥離
強度、相間剥離強度を測定し、さらにプレッシュー試験
に供して、吸湿半田耐熱性を評価した。結果を表1に示
す。
【0042】(実施例5)TBBAを4,4’−ジヒド
ロキシジフェニルメタンに変更した以外は、実施例1と
同様にしてエポキシ樹脂組成物を製造してワニスを調製
し、固形分およびエポキシ当量を測定した。また、プレ
ス処理品を製造して銅箔剥離強度、相間剥離強度を測定
し、さらにプレッシュー試験に供して、吸湿半田耐熱性
を評価した。結果を表1に示す。
【0043】(比較例1〜3)各例において、使用する
成分の組成を、表1に示すとおりに変えた以外は、実施
例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を製造してワニ
スを調製し、固形分およびエポキシ当量を測定し、さら
にプレス処理品を製造して銅箔剥離強度、相間剥離強度
を測定した。また、プレッシュー試験に供して、吸湿半
田耐熱性を評価した。結果を表1に示す。
【0044】(比較例4)フェノールアセトアルデヒド
ノボラックをフェノールホルムアルデヒドノボラック
(軟化点:74℃)のグリシジル化物(エポキシ当量:
183g/eq)に変更した以外は、実施例1と同様に
して、エポキシ樹脂組成物を製造してワニスを調製し、
固形分およびエポキシ当量を測定し、さらにプレス処理
品を製造して銅箔剥離強度、相間剥離強度を測定した。
また、プレッシュー試験に供して、吸湿半田耐熱性を評
価した。結果を表1に示す。
【0045】(比較例5、6)フェノールアセトアルデ
ヒドノボラックとして、軟化点の異なるものを用いた以
外は、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を製
造してワニスを調製し、固形分およびエポキシ当量を測
定し、さらにプレス処理品を製造して銅箔剥離強度、相
間剥離強度を測定した。また、プレッシュー試験に供し
て、吸湿半田耐熱性を評価した。結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂組成物は、硬化剤
により硬化させることにより、耐熱性、耐水性、機械的
強度および可とう性に優れた硬化物を得ることができる
ものである。そのため、本発明のエポキシ樹脂組成物
は、積層板または接着剤の主成分として好適である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビ
    スフェノールADおよびテトラブロムビスフェノールA
    からなる群から選ばれる少なくとも1種のビスフェノー
    ル類からなる主骨格を有し、エポキシ当量が170〜8
    00g/eqである2官能エポキシ樹脂(a−1)と、
    下記構造式(1): 【化1】 〔式(1)中、複数のR1 は同一でも異なってもよく、
    水素原子またはメチル基であり、Xは、下記式(2): 【化2】 (式(2)中、R2 およびR3 は同一でも異なってもよ
    く、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、
    2 とR3 の炭素数の合計は1〜3の整数である)で表
    される基であり、nは0〜7の整数である〕で表され、
    軟化点が40〜110℃であるフェノールノボラック類
    にエピクロルヒドリンを反応させて得られるフェノール
    ノボラック型エポキシ樹脂(a−2)と、ビスフェノー
    ルA、ビスフェノールF、ビスフェノールADおよびテ
    トラブロムビスフェノールAからなる群から選ばれる少
    なくとも1種のビスフェノール類(a−3)とを反応さ
    せて得られる、エポキシ当量が200〜2000g/e
    qである多官能エポキシ樹脂を必須成分として含むエポ
    キシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】前記の2官能エポキシ樹脂(a−1)、フ
    ェノールノボラック型エポキシ樹脂(a−2)およびビ
    スフェノール類(a−3)を、下記式(3)および
    (4)で示す割合で反応させることを特徴とする請求項
    1に記載のエポキシ樹脂組成物。 0.03≦(a−2)/[(a−1)+(a−2)+(a−3)]≦0.30 (3) 0.05≦(a−3)/[(a−1)+(a−2)+(a−3)]≦0.40 (4)
  3. 【請求項3】前記構造式(1)中の基XのR2 とR3
    一方が水素原子であり、他方がメチル基、エチル基また
    はn−プロピル基である請求項1に記載のエポキシ樹脂
    組成物。
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