JP2000044529A - 脂環式ジイソシアネート化合物を主成分とする組成物 - Google Patents
脂環式ジイソシアネート化合物を主成分とする組成物Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐候性、耐食性、耐熱性等の物性がより改善
された、塗料、接着剤、成形体に好適に用い得るポリウ
レタン用の脂環式ジイソシアネート組成物を提供する。 【解決手段】 ルイス酸を含有し3−イソシアネートメ
チル−5,5−ジメチルシクロへキシルイソシアネート
を主成分とする組成物であって、特に該3−イソシアネ
ートメチル−5,5−ジメチルシクロへキシルイソシア
ネートが実質的に工程中でホスゲンを用いずに製造され
たジアルキルカーボネートと対応する脂環式ジアミンと
から製造される。
された、塗料、接着剤、成形体に好適に用い得るポリウ
レタン用の脂環式ジイソシアネート組成物を提供する。 【解決手段】 ルイス酸を含有し3−イソシアネートメ
チル−5,5−ジメチルシクロへキシルイソシアネート
を主成分とする組成物であって、特に該3−イソシアネ
ートメチル−5,5−ジメチルシクロへキシルイソシア
ネートが実質的に工程中でホスゲンを用いずに製造され
たジアルキルカーボネートと対応する脂環式ジアミンと
から製造される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は工程中でホスゲンを
用いずに製造されたジアルキルカーボネートと一般式
(1)で表される脂環式ジアミンとから製造される一般
式(2)で表される脂環式ジイソシアネート化合物を主
成分とし、ルイス酸を含有するする反応性が改良された
組成物に関する。
用いずに製造されたジアルキルカーボネートと一般式
(1)で表される脂環式ジアミンとから製造される一般
式(2)で表される脂環式ジイソシアネート化合物を主
成分とし、ルイス酸を含有するする反応性が改良された
組成物に関する。
【0002】
【化3】
【0003】
【化4】
【0004】ジイソシアネート化合物とポリオールを反
応させると塗料、断熱材、クッション材、機械部品等の
産業上非常に有用なポリウレタン樹脂となり、自動車の
部品を始め、家電製品、事務機器、衣料品、什器等の我
々の日常生活に必要な多くのものに広く利用されてい
る。
応させると塗料、断熱材、クッション材、機械部品等の
産業上非常に有用なポリウレタン樹脂となり、自動車の
部品を始め、家電製品、事務機器、衣料品、什器等の我
々の日常生活に必要な多くのものに広く利用されてい
る。
【0005】
【従来の技術】このポリウレタン樹脂を製造するための
ウレタン化反応は、以下に示すようなイソシアネート基
の反応機構がACS、Symposium、Ser.,
270,111(1985)に掲載されている(以下化
学式5)。
ウレタン化反応は、以下に示すようなイソシアネート基
の反応機構がACS、Symposium、Ser.,
270,111(1985)に掲載されている(以下化
学式5)。
【0006】
【化5】
【0007】すなわち、反応系に存在するプロトンが触
媒となり、イソシアネート基のカルボニルが親電子的に
ヒドロキシル基を攻撃すると推定されている。しかる
に、従来のジイソシアネート化合物ならびに製造工程を
検討すると、多くのジイソシアネート化合物は上述のご
とくホスゲンを使用して製造するため、該ジイソシアネ
ート化合物の不純物として、微量な残留ホスゲンのほ
か、カルバモイル基、カルボキシル基等の官能基を有す
る化合物や塩化水素が含有されていた。したがって、こ
れらの不純物から放出されたプロトンが触媒となり、ウ
レタン化反応が活性化されていたと推定された。
媒となり、イソシアネート基のカルボニルが親電子的に
ヒドロキシル基を攻撃すると推定されている。しかる
に、従来のジイソシアネート化合物ならびに製造工程を
検討すると、多くのジイソシアネート化合物は上述のご
とくホスゲンを使用して製造するため、該ジイソシアネ
ート化合物の不純物として、微量な残留ホスゲンのほ
か、カルバモイル基、カルボキシル基等の官能基を有す
る化合物や塩化水素が含有されていた。したがって、こ
れらの不純物から放出されたプロトンが触媒となり、ウ
レタン化反応が活性化されていたと推定された。
【0008】しかしながら、実質的に工程中でホスゲン
を用いずに製造されたジアルキルカーボネートとジアミ
ンとから製造されるジイソシアネート化合物は、従来の
製造法から得られるジイソシアネート化合物とは異なる
反応機構を経るため、含有する不純物も異なる。すなわ
ち微量な残留ホスゲンのほか、カルバモイル基、カルボ
キシル基等の官能基を有する化合物や塩化水素などは含
有されない。したがって、化学式5に示したプロトンに
よるウレタン化反応の促進効果は期待できない。
を用いずに製造されたジアルキルカーボネートとジアミ
ンとから製造されるジイソシアネート化合物は、従来の
製造法から得られるジイソシアネート化合物とは異なる
反応機構を経るため、含有する不純物も異なる。すなわ
ち微量な残留ホスゲンのほか、カルバモイル基、カルボ
キシル基等の官能基を有する化合物や塩化水素などは含
有されない。したがって、化学式5に示したプロトンに
よるウレタン化反応の促進効果は期待できない。
【0009】特願平2−76098号明細書あるいは特
開平3−287570号公報に示したように、プロトン
酸による反応性の促進方法を考案したが、例えば酸分を
極端に嫌う電子材料用のポリウレタン樹脂を製造する場
合など、安易にプロトン酸を添加することは好ましいこ
とではない。
開平3−287570号公報に示したように、プロトン
酸による反応性の促進方法を考案したが、例えば酸分を
極端に嫌う電子材料用のポリウレタン樹脂を製造する場
合など、安易にプロトン酸を添加することは好ましいこ
とではない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は反応性が改良
された一般式(2)で表される脂環式ジイソシアネート
化合物を主成分とする組成物を提供することにある。
された一般式(2)で表される脂環式ジイソシアネート
化合物を主成分とする組成物を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
実質的に工程中でホスゲンを用いずに製造されたジアル
キルカーボネートと一般式(1)で表される脂環式ジア
ミンとから製造される一般式(2)で表される脂環式ジ
イソシアネート化合物を用いてポリウレタンを製造する
際、従来のホスゲンを用いる方法により製造されるジイ
ソシアネート化合物と同等あるいはそれ以上の反応性を
発現させるために、鋭意検討を行った。
実質的に工程中でホスゲンを用いずに製造されたジアル
キルカーボネートと一般式(1)で表される脂環式ジア
ミンとから製造される一般式(2)で表される脂環式ジ
イソシアネート化合物を用いてポリウレタンを製造する
際、従来のホスゲンを用いる方法により製造されるジイ
ソシアネート化合物と同等あるいはそれ以上の反応性を
発現させるために、鋭意検討を行った。
【0012】その結果、ジアルキルカーボネートと一般
式(1)で表される脂環式ジアミンとから製造される一
般式(2)で表される脂環式ジイソシアネート化合物
に、イソシアネート基と反応性が低いルイス酸を添加し
たところ、驚くべきことにウレタン化反応が非常に活性
化され、かつ、それによって得られるポリウレタンはホ
スゲンのほか、カルバモイル基、カルボキシル基等の官
能基を有する化合物や塩化水素などおよびそれらに由来
する物質を含有していないので、耐候性、耐食性、耐熱
性等の物性がより改善された、塗料、接着剤、成形体に
好適に用い得るポリウレタンの供給が可能であることを
見出だし本発明に至った。
式(1)で表される脂環式ジアミンとから製造される一
般式(2)で表される脂環式ジイソシアネート化合物
に、イソシアネート基と反応性が低いルイス酸を添加し
たところ、驚くべきことにウレタン化反応が非常に活性
化され、かつ、それによって得られるポリウレタンはホ
スゲンのほか、カルバモイル基、カルボキシル基等の官
能基を有する化合物や塩化水素などおよびそれらに由来
する物質を含有していないので、耐候性、耐食性、耐熱
性等の物性がより改善された、塗料、接着剤、成形体に
好適に用い得るポリウレタンの供給が可能であることを
見出だし本発明に至った。
【0013】すなわち、本発明の第1は、ルイス酸を含
有し、実質的に工程中でホスゲンを用いずに製造された
ジアルキルカーボネートと一般式(1)で表される脂環
式ジアミンとから製造される一般式(2)で表される脂
環式ジイソシアネート化合物を主成分とする組成物であ
る。
有し、実質的に工程中でホスゲンを用いずに製造された
ジアルキルカーボネートと一般式(1)で表される脂環
式ジアミンとから製造される一般式(2)で表される脂
環式ジイソシアネート化合物を主成分とする組成物であ
る。
【0014】
【化6】
【0015】
【化7】
【0016】本発明の第2は、一般式(1)および
(2)中のY1が炭素数1〜10のアルキレン基である
第1の発明の組成物である。本発明の第3は、一般式
(2)で表される脂環式ジイソシアネート化合物が3−
イソシアネートメチル−5,5−ジメチルシクロヘキシ
ルイソシアネートである第1の発明の組成物である。
(2)中のY1が炭素数1〜10のアルキレン基である
第1の発明の組成物である。本発明の第3は、一般式
(2)で表される脂環式ジイソシアネート化合物が3−
イソシアネートメチル−5,5−ジメチルシクロヘキシ
ルイソシアネートである第1の発明の組成物である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の脂環式ジイソシアネート化合物Aを主成分とす
る組成物は以下のようにして製造する。本発明の組成物
は、脂環式ジイソシアネート化合物Aに後述する一定量
のルイス酸を添加することにより製造することができ
る。本発明において、一般式(2)で表される脂環式ジ
イソシアネート化合物(以下、脂環式ジイソシアネート
化合物Aと記す)のウレタン化反応を促進させるため、
および反応性が改良された脂環式ジイソシアネート化合
物Aを主成分とする組成物を製造するために添加するル
イス酸の具体例を以下に列挙する。
本発明の脂環式ジイソシアネート化合物Aを主成分とす
る組成物は以下のようにして製造する。本発明の組成物
は、脂環式ジイソシアネート化合物Aに後述する一定量
のルイス酸を添加することにより製造することができ
る。本発明において、一般式(2)で表される脂環式ジ
イソシアネート化合物(以下、脂環式ジイソシアネート
化合物Aと記す)のウレタン化反応を促進させるため、
および反応性が改良された脂環式ジイソシアネート化合
物Aを主成分とする組成物を製造するために添加するル
イス酸の具体例を以下に列挙する。
【0018】すなわち、マンガン、スズ、亜鉛、鉛、
鉄、マグネシウム、アンチモン、チタン、ホウ素、アル
ミニウム等のハロゲン化物および/またはそれらの塩
類;マンガン、スズ、亜鉛、鉛、鉄、マグネシウム、ア
ンチモン、チタンとC1〜18のアルキル基、アルケニ
ル基置換芳香族有機酸、シュウ酸、アジピン酸、マロン
酸、パルミチン酸、フタル酸、イソフタル酸、トリメリ
ット酸、ピロメリット酸等のC2〜18の多塩基酸類お
よびその部分エステル化合物との塩類;C1〜6のジア
ルキル化スズのC1〜18の飽和有機酸類、C3〜18
の不飽和有機酸との化合物;およびアルミニウム等のC
1〜18の飽和有機酸類、C3〜18の不飽和有機酸お
よび置換芳香族有機酸、シュウ酸、アジピン酸、マロン
酸、パルミチン酸、フタル酸、イソフタル酸、トリメリ
ット酸、ピロメリット酸等のC2〜18の多塩基酸類お
よびその部分エステル化合物との化合物;マンガン、ス
ズ、亜鉛、鉛、鉄、マグネシウム、アンチモン、チタ
ン、アルミニウム等のC1〜C18のアルキルオキサイ
ド等である。
鉄、マグネシウム、アンチモン、チタン、ホウ素、アル
ミニウム等のハロゲン化物および/またはそれらの塩
類;マンガン、スズ、亜鉛、鉛、鉄、マグネシウム、ア
ンチモン、チタンとC1〜18のアルキル基、アルケニ
ル基置換芳香族有機酸、シュウ酸、アジピン酸、マロン
酸、パルミチン酸、フタル酸、イソフタル酸、トリメリ
ット酸、ピロメリット酸等のC2〜18の多塩基酸類お
よびその部分エステル化合物との塩類;C1〜6のジア
ルキル化スズのC1〜18の飽和有機酸類、C3〜18
の不飽和有機酸との化合物;およびアルミニウム等のC
1〜18の飽和有機酸類、C3〜18の不飽和有機酸お
よび置換芳香族有機酸、シュウ酸、アジピン酸、マロン
酸、パルミチン酸、フタル酸、イソフタル酸、トリメリ
ット酸、ピロメリット酸等のC2〜18の多塩基酸類お
よびその部分エステル化合物との化合物;マンガン、ス
ズ、亜鉛、鉛、鉄、マグネシウム、アンチモン、チタ
ン、アルミニウム等のC1〜C18のアルキルオキサイ
ド等である。
【0019】中でもジアルキルスズ化合物は、以下化学
式8に示すように、活性水素を引き抜きイソシアネート
化合物のウレタン化反応を効率良く促進するので、上記
のルイス酸類のなかでは特に有用なものの一つである。
式8に示すように、活性水素を引き抜きイソシアネート
化合物のウレタン化反応を効率良く促進するので、上記
のルイス酸類のなかでは特に有用なものの一つである。
【0020】
【化8】
【0021】本発明で実質的に工程中でホスゲンを用い
ずに製造されたジアルキルカーボネートと一般式(1)
で表される脂環式ジアミン(以下、脂環式ジアミンBと
記す)とから製造される脂環式ジイソシアネート化合物
Aのウレタン化反応を促進せしめるための該ルイス酸の
添加量は、NCO基1当量当り1×10-8〜1×10-2
当量、好ましくは1×10-6〜1×10-3当量である。
該ルイス酸の添加量が、NCO基1当量当り、1×10
-8当量未満の場合、添加量が少なすぎて、ウレタン化反
応を促進させることが不可能であり、また該ルイス酸を
NCO基1当量当り、1×10-2当量より多く添加して
も、それ以上の効果は期待できないばかりか、逆に該ル
イス酸がジイソシアネート化合物と反応して品質、性能
の低下をも招くことが予想される。
ずに製造されたジアルキルカーボネートと一般式(1)
で表される脂環式ジアミン(以下、脂環式ジアミンBと
記す)とから製造される脂環式ジイソシアネート化合物
Aのウレタン化反応を促進せしめるための該ルイス酸の
添加量は、NCO基1当量当り1×10-8〜1×10-2
当量、好ましくは1×10-6〜1×10-3当量である。
該ルイス酸の添加量が、NCO基1当量当り、1×10
-8当量未満の場合、添加量が少なすぎて、ウレタン化反
応を促進させることが不可能であり、また該ルイス酸を
NCO基1当量当り、1×10-2当量より多く添加して
も、それ以上の効果は期待できないばかりか、逆に該ル
イス酸がジイソシアネート化合物と反応して品質、性能
の低下をも招くことが予想される。
【0022】本発明で実質的に工程中でホスゲンを用い
ずに製造されたジアルキルカーボネートと脂環式ジアミ
ンBとから製造される脂環式ジイソシアネート化合物A
のウレタン化反応を促進せしめるための該ルイス酸の添
加方法としては以下の2つがある。
ずに製造されたジアルキルカーボネートと脂環式ジアミ
ンBとから製造される脂環式ジイソシアネート化合物A
のウレタン化反応を促進せしめるための該ルイス酸の添
加方法としては以下の2つがある。
【0023】まず、第一の方法は予め脂環式ジイソシア
ネート化合物Aに所定量を添加しておき、ウレタン化時
の反応性を調製した組成物としておくことである。もう
一つの方法はウレタン塗料などの製造時に他のウレタン
化触媒と同様に、脂環式ジイソシアネート化合物Aとと
もに反応装置内に仕込んで使用することも可能である。
ネート化合物Aに所定量を添加しておき、ウレタン化時
の反応性を調製した組成物としておくことである。もう
一つの方法はウレタン塗料などの製造時に他のウレタン
化触媒と同様に、脂環式ジイソシアネート化合物Aとと
もに反応装置内に仕込んで使用することも可能である。
【0024】この際、使用する該ルイス酸の含有水分を
可能な限り少なくしておくことが重要であり、もし水分
が脂環式ジイソシアネート化合物Aに多量に混入する
と、脂環式ジイソシアネート化合物Aのウレア化、アロ
ハネート化が生じて品質の低下を招くことになる。
可能な限り少なくしておくことが重要であり、もし水分
が脂環式ジイソシアネート化合物Aに多量に混入する
と、脂環式ジイソシアネート化合物Aのウレア化、アロ
ハネート化が生じて品質の低下を招くことになる。
【0025】本発明に用いられる脂環式ジイソシアネー
ト化合物Aは、脂環式ジアミンBをジアルキルカーボネ
ートでイソシアネート化して製造される。本発明の組成
物を製造するために適用することが可能な脂環式ジイソ
シアネート化合物Aは特に限定はされないが、ジメチル
カーボネートに代表されるジアルキルカーボネートと脂
環式ジアミンBとを反応させてイソシアネート化するこ
とにより製造されたもの、すなわち、塩素化合物の含有
量が少ないものの方が添加効果が大であるので好まし
い。
ト化合物Aは、脂環式ジアミンBをジアルキルカーボネ
ートでイソシアネート化して製造される。本発明の組成
物を製造するために適用することが可能な脂環式ジイソ
シアネート化合物Aは特に限定はされないが、ジメチル
カーボネートに代表されるジアルキルカーボネートと脂
環式ジアミンBとを反応させてイソシアネート化するこ
とにより製造されたもの、すなわち、塩素化合物の含有
量が少ないものの方が添加効果が大であるので好まし
い。
【0026】本発明の組成物に用いる脂環式ジイソシア
ネート化合物Aは、上記一般式(2)で表される化合物
である。一般式(2)において、Y1で表わされる2価
の飽和脂肪族炭化水素基は直鎖状であってもよく、また
分枝鎖状であってもよく、更に分枝が直鎖状炭化水素基
における同一炭素原子に2個のアルキル基が置換したも
のであってもよい。
ネート化合物Aは、上記一般式(2)で表される化合物
である。一般式(2)において、Y1で表わされる2価
の飽和脂肪族炭化水素基は直鎖状であってもよく、また
分枝鎖状であってもよく、更に分枝が直鎖状炭化水素基
における同一炭素原子に2個のアルキル基が置換したも
のであってもよい。
【0027】2価の飽和脂肪族炭化水素基としては、例
えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチ
レン基、2−メチルトリメチレン基、2,2−ジメチル
トリメチレン基、テトラメチレン基、2−メチルテトラ
メチレン基、2,2−ジメチルテトラメチレン基、ペン
タメチレン基、ヘキサメチレン基等の炭素数1〜10の
アルキレン基が例示できる。好ましい直鎖状又は分岐鎖
状アルキレン基は炭素数2〜8のアルキレン基であり、
特に炭素数2〜6のアルキレン基が好ましい。具体的に
はアルキレン基が2,2−ジメチルトリメチレン基であ
り、脂環式ジイソシアネートAとして3−イソシアネー
トメチル−5,5−ジメチルシクロへキシルイソシアネ
ートを挙げることができる。
えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチ
レン基、2−メチルトリメチレン基、2,2−ジメチル
トリメチレン基、テトラメチレン基、2−メチルテトラ
メチレン基、2,2−ジメチルテトラメチレン基、ペン
タメチレン基、ヘキサメチレン基等の炭素数1〜10の
アルキレン基が例示できる。好ましい直鎖状又は分岐鎖
状アルキレン基は炭素数2〜8のアルキレン基であり、
特に炭素数2〜6のアルキレン基が好ましい。具体的に
はアルキレン基が2,2−ジメチルトリメチレン基であ
り、脂環式ジイソシアネートAとして3−イソシアネー
トメチル−5,5−ジメチルシクロへキシルイソシアネ
ートを挙げることができる。
【0028】また、これらの脂肪族炭化水素基には種々
の置換基、例えばアミノ基、ヒドロキシル基、炭素数1
〜4のアルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカル
ボニル基、脂環式炭化水素基(シクロアルキル基、シク
ロアルケニル基、シクロアルキニル基等)、芳香族炭化
水素基(フェニル基などのアリール基)、ハロゲン基、
ニトロ基等が適当な位置に置換されていてもよい。
の置換基、例えばアミノ基、ヒドロキシル基、炭素数1
〜4のアルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカル
ボニル基、脂環式炭化水素基(シクロアルキル基、シク
ロアルケニル基、シクロアルキニル基等)、芳香族炭化
水素基(フェニル基などのアリール基)、ハロゲン基、
ニトロ基等が適当な位置に置換されていてもよい。
【0029】次に本発明に係る、前記脂環式ジイソシア
ネートAの製造方法について説明する。前記脂環式ジイ
ソシアネートAは、一般式(3)で表される3−ホルミ
ルシクロアルカノン類又は一般式(4)で表わされる3
−ホルミルシクロアルケノン類を還元的にアミノ化した
後、更にイソシアネート化することにより製造すること
ができる。
ネートAの製造方法について説明する。前記脂環式ジイ
ソシアネートAは、一般式(3)で表される3−ホルミ
ルシクロアルカノン類又は一般式(4)で表わされる3
−ホルミルシクロアルケノン類を還元的にアミノ化した
後、更にイソシアネート化することにより製造すること
ができる。
【0030】
【化9】
【0031】上記一般式(3)及び一般式(4)におけ
るY2は2価の飽和又は不飽和脂肪族炭化水素であり、
直鎖状の他、分枝鎖状であってもよく、更に分枝が直鎖
状炭化水素基における同一炭素原子に2個のアルキル基
が置換したものであってもよい。2価の飽和脂肪族炭化
水素としては、例えばメチレン基、エチレン基、プロピ
レン基、トリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、
2,2−ジメチルトリメチレン基、テトラメチレン基、
2−メチルテトラメチレン基、2,2−ジメチルテトラ
メチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基等の
炭素数が1〜10のアルキレン基が例示できる。2価の
不飽和脂肪族炭化水素としては、例えばプロペニレン
基、2−メチルプロペニレン基、2,2−ジメチルプロ
ペニレン基、ブチレン基、ペンチレン基等のアルケニレ
ン基を挙げることができる。好ましい直鎖状又は分岐鎖
状アルキレン基又はアルケニレン基は炭素数2〜8のア
ルキレン基又はアルケニレン基であり、特に炭素数2〜
6のアルキレン基又はアルケニレン基である。
るY2は2価の飽和又は不飽和脂肪族炭化水素であり、
直鎖状の他、分枝鎖状であってもよく、更に分枝が直鎖
状炭化水素基における同一炭素原子に2個のアルキル基
が置換したものであってもよい。2価の飽和脂肪族炭化
水素としては、例えばメチレン基、エチレン基、プロピ
レン基、トリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、
2,2−ジメチルトリメチレン基、テトラメチレン基、
2−メチルテトラメチレン基、2,2−ジメチルテトラ
メチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基等の
炭素数が1〜10のアルキレン基が例示できる。2価の
不飽和脂肪族炭化水素としては、例えばプロペニレン
基、2−メチルプロペニレン基、2,2−ジメチルプロ
ペニレン基、ブチレン基、ペンチレン基等のアルケニレ
ン基を挙げることができる。好ましい直鎖状又は分岐鎖
状アルキレン基又はアルケニレン基は炭素数2〜8のア
ルキレン基又はアルケニレン基であり、特に炭素数2〜
6のアルキレン基又はアルケニレン基である。
【0032】一般式(3)で表される3−ホルミルシク
ロアルカノン類又は一般式(4)で表わされる3−ホル
ミルシクロアルケノン類は、β位にホルミル基を有する
環状ケトンであり、前者の具体例としては3−ホルミル
シクロペンタノン、3−ホルミルシクロヘキサノン、5
−メチル−3−ホルミルシクロヘキサノン、3−ホルミ
ルシクロヘプタノン、5,5−ジメチル−3−ホルミル
シクロへキサノン、3−ホルミルシクロオクタノン、5
−メチル−3−ホルミルシクロオクタノン、5−フェニ
ル−3−ホルミルシクロへキサノン等を挙げることがで
き、後者の具体例としては3−ホルミルシクロペンテノ
ン、3−ホルミルシクロヘキセノン、5−メチル−3−
ホルミルシクロヘキセノン、3−ホルミルシクロヘプテ
ノン、5,5−ジメチル−3−ホルミルシクロへキセノ
ン、3−ホルミルシクロオクテノン、5−メチル−3−
ホルミルシクロオクテノン、5−フェニル−3−ホルミ
ルシクロへキセノン等を挙げることができる。また、上
記の構造を有していれば、2個又はそれ以上の炭素原子
を共有する二環縮合環化合物(例えば、4−ホルミルビ
シクロ〔4.4.0〕デカン−3−エン−2−オン等)
であってもよい。
ロアルカノン類又は一般式(4)で表わされる3−ホル
ミルシクロアルケノン類は、β位にホルミル基を有する
環状ケトンであり、前者の具体例としては3−ホルミル
シクロペンタノン、3−ホルミルシクロヘキサノン、5
−メチル−3−ホルミルシクロヘキサノン、3−ホルミ
ルシクロヘプタノン、5,5−ジメチル−3−ホルミル
シクロへキサノン、3−ホルミルシクロオクタノン、5
−メチル−3−ホルミルシクロオクタノン、5−フェニ
ル−3−ホルミルシクロへキサノン等を挙げることがで
き、後者の具体例としては3−ホルミルシクロペンテノ
ン、3−ホルミルシクロヘキセノン、5−メチル−3−
ホルミルシクロヘキセノン、3−ホルミルシクロヘプテ
ノン、5,5−ジメチル−3−ホルミルシクロへキセノ
ン、3−ホルミルシクロオクテノン、5−メチル−3−
ホルミルシクロオクテノン、5−フェニル−3−ホルミ
ルシクロへキセノン等を挙げることができる。また、上
記の構造を有していれば、2個又はそれ以上の炭素原子
を共有する二環縮合環化合物(例えば、4−ホルミルビ
シクロ〔4.4.0〕デカン−3−エン−2−オン等)
であってもよい。
【0033】一般式(3)で表される3−ホルミルシク
ロアルカノン類又は一般式(4)で表わされる3−ホル
ミルシクロアルケノン類(以下、これらをまとめて単に
「反応基質」という場合がある)は、触媒の存在下で還
元的にアミノ化され、一般式(1)で表わされる3−ア
ミノメチルシクロアルキルアミンを生成する。なお、一
般式(1)におけるY1は一般式(2)におけるY1と同
一である。
ロアルカノン類又は一般式(4)で表わされる3−ホル
ミルシクロアルケノン類(以下、これらをまとめて単に
「反応基質」という場合がある)は、触媒の存在下で還
元的にアミノ化され、一般式(1)で表わされる3−ア
ミノメチルシクロアルキルアミンを生成する。なお、一
般式(1)におけるY1は一般式(2)におけるY1と同
一である。
【0034】このような3−アミノメチルシクロアルキ
ルアミンの具体例としては、3−アミノメチルシクロペ
ンチルアミン、3−アミノメチルシクロヘキシルアミ
ン、3−アミノメチル−5−メチルシクロヘキシルアミ
ン、3−アミノメチルシクロヘプチルアミン、3−アミ
ノメチル−5,5−ジメチルシクロヘキシルアミン、3
−アミノメチルシクロオクチルアミン、3−アミノメチ
ル−5−メチルシクロオクチルアミン、5−フェニル−
3−アミノメチルシクロヘキシルアミンなどが例示でき
るが、好ましい3−アミノメチルシクロアルキルアミン
としては、3−アミノメチル−5,5−ジメチルシクロ
ヘキシルアミンを挙げることができる。
ルアミンの具体例としては、3−アミノメチルシクロペ
ンチルアミン、3−アミノメチルシクロヘキシルアミ
ン、3−アミノメチル−5−メチルシクロヘキシルアミ
ン、3−アミノメチルシクロヘプチルアミン、3−アミ
ノメチル−5,5−ジメチルシクロヘキシルアミン、3
−アミノメチルシクロオクチルアミン、3−アミノメチ
ル−5−メチルシクロオクチルアミン、5−フェニル−
3−アミノメチルシクロヘキシルアミンなどが例示でき
るが、好ましい3−アミノメチルシクロアルキルアミン
としては、3−アミノメチル−5,5−ジメチルシクロ
ヘキシルアミンを挙げることができる。
【0035】前記反応基質の還元的アミノ化反応は、触
媒の存在下に水素及びアンモニアを作用させることによ
り行うことができる。上記還元的アミノ化反応に使用さ
れる触媒としては、好ましい触媒はニッケル化合物、コ
バルト化合物、白金化合物、パラジウム化合物、コバル
ト−レニウム−モリブデン触媒等を単独または、例えば
活性炭、アルミナ、カーボンブラック、炭化ケイ素、シ
リカ−アルミナ、ベントナイト、ゼオライト、硫酸バリ
ウムなどの多孔質担体に担持して固体触媒として用いて
もよい。これらの触媒の使用量は、触媒の種類により異
なるが、一般的には反応基質に対して、触媒活性成分換
算で1〜50重量%の範囲から選ばれる。
媒の存在下に水素及びアンモニアを作用させることによ
り行うことができる。上記還元的アミノ化反応に使用さ
れる触媒としては、好ましい触媒はニッケル化合物、コ
バルト化合物、白金化合物、パラジウム化合物、コバル
ト−レニウム−モリブデン触媒等を単独または、例えば
活性炭、アルミナ、カーボンブラック、炭化ケイ素、シ
リカ−アルミナ、ベントナイト、ゼオライト、硫酸バリ
ウムなどの多孔質担体に担持して固体触媒として用いて
もよい。これらの触媒の使用量は、触媒の種類により異
なるが、一般的には反応基質に対して、触媒活性成分換
算で1〜50重量%の範囲から選ばれる。
【0036】本発明に係る前記還元的アミノ化反応にお
いて、接触還元のための水素としては水素ガスや水素含
有ガスのいずれでも使用でき、前者としては高純度水素
ガスを使用してもよく、後者としては反応に不活性なガ
ス、例えば窒素、ヘリウム、アルゴンなどにより必要に
応じて希釈した混合ガスを反応系に供給使用してもよ
い。反応系における水素圧は、通常1〜200kgf/
cm2の範囲が好ましい。
いて、接触還元のための水素としては水素ガスや水素含
有ガスのいずれでも使用でき、前者としては高純度水素
ガスを使用してもよく、後者としては反応に不活性なガ
ス、例えば窒素、ヘリウム、アルゴンなどにより必要に
応じて希釈した混合ガスを反応系に供給使用してもよ
い。反応系における水素圧は、通常1〜200kgf/
cm2の範囲が好ましい。
【0037】本発明に係るアミノ化のために使用される
アンモニア源としては、通常はアンモニア単独又はアン
モニア含有ガスが使用されるが、更にアンモニアを生成
する化合物(例えばアンモノ塩等)も使用できる。アン
モニア源は気体、液体、固体の3形態があり、いずれの
形態でも使用できる。気体で使用する場合は高純度ガス
を用いてもよく、必要に応じて反応に不活性なガス、例
えば窒素、ヘリウム、アルゴンなどにより希釈して、反
応系に供給してもよい。これらのアンモニア源は、目的
化合物の種類に応じて単独で又は二種以上組み合わせて
使用できる。
アンモニア源としては、通常はアンモニア単独又はアン
モニア含有ガスが使用されるが、更にアンモニアを生成
する化合物(例えばアンモノ塩等)も使用できる。アン
モニア源は気体、液体、固体の3形態があり、いずれの
形態でも使用できる。気体で使用する場合は高純度ガス
を用いてもよく、必要に応じて反応に不活性なガス、例
えば窒素、ヘリウム、アルゴンなどにより希釈して、反
応系に供給してもよい。これらのアンモニア源は、目的
化合物の種類に応じて単独で又は二種以上組み合わせて
使用できる。
【0038】上記アンモニア源の如何にかかわらず、本
発明に係るアンモニアの使用量は、3−ホルミルシクロ
アルカノン類または3−ホルミルシクロアルケノン類等
の反応基質に対して2〜100モル倍が好ましい。
発明に係るアンモニアの使用量は、3−ホルミルシクロ
アルカノン類または3−ホルミルシクロアルケノン類等
の反応基質に対して2〜100モル倍が好ましい。
【0039】本発明に係る前記の還元的アミノ化反応
は、溶媒の非存在下で行ってもよく、又反応に不活性な
溶媒中で行ってもよい。還元的アミノ化反応で使用でき
る溶媒としては、後記酸化反応に使用される溶媒(脂肪
族炭化水素、脂環式炭化水素、エステル、アミド、エー
テル等)の他、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール等
のアルコールが挙げられるが、還元的アミノ化反応用溶
媒としては、通常アルコールやエーテル等が使用され
る。なお、これらの溶媒は、二種以上混合して使用する
こともできる。
は、溶媒の非存在下で行ってもよく、又反応に不活性な
溶媒中で行ってもよい。還元的アミノ化反応で使用でき
る溶媒としては、後記酸化反応に使用される溶媒(脂肪
族炭化水素、脂環式炭化水素、エステル、アミド、エー
テル等)の他、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール等
のアルコールが挙げられるが、還元的アミノ化反応用溶
媒としては、通常アルコールやエーテル等が使用され
る。なお、これらの溶媒は、二種以上混合して使用する
こともできる。
【0040】上記溶媒の使用量は、3−ホルミルシクロ
アルカノン類又は3−ホルミルシクロアルケノン類に対
して1〜100重量倍程度が好ましい。還元的アミノ化
の反応温度は、反応速度及び選択性を考慮して適宜選択
でき、30〜300℃が好ましい。
アルカノン類又は3−ホルミルシクロアルケノン類に対
して1〜100重量倍程度が好ましい。還元的アミノ化
の反応温度は、反応速度及び選択性を考慮して適宜選択
でき、30〜300℃が好ましい。
【0041】上記反応は、慣用の還元的アミノ化反応に
準じて行うことができる。溶媒を使用する場合には、水
素化触媒の存在下、3−ホルミルシクロアルカノン類又
は3−ホルミルシクロアルケノン類とアンモニアと溶媒
とを含む反応系に、水素を導入して行う。特に水素化触
媒の存在下に3−ホルミルシクロアルケノン類、アンモ
ニア及び溶媒を含む反応系に水素を導入して反応を行う
と、副生物を抑制することができる。このようにして脂
環式ポリアミン類の3−アミノメチルシクロアルキルア
ミンが得られる。
準じて行うことができる。溶媒を使用する場合には、水
素化触媒の存在下、3−ホルミルシクロアルカノン類又
は3−ホルミルシクロアルケノン類とアンモニアと溶媒
とを含む反応系に、水素を導入して行う。特に水素化触
媒の存在下に3−ホルミルシクロアルケノン類、アンモ
ニア及び溶媒を含む反応系に水素を導入して反応を行う
と、副生物を抑制することができる。このようにして脂
環式ポリアミン類の3−アミノメチルシクロアルキルア
ミンが得られる。
【0042】反応により生成する、前記一般式(1)で
表わされる脂環式ポリアミン類は、慣用の分離手段、例
えば濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、カラムク
ロマトグラフィーなどの各種分離手段の単独使用によ
り、又は組合せ使用により、容易に分離精製できる。
表わされる脂環式ポリアミン類は、慣用の分離手段、例
えば濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、カラムク
ロマトグラフィーなどの各種分離手段の単独使用によ
り、又は組合せ使用により、容易に分離精製できる。
【0043】本発明に係る前記一般式(1)で表される
脂環式ポリイソシアネート類の原料として使用された、
前記一般式(3)又は(4)でそれぞれ表わされる3−
ホルミルシクロアルカノン類又は3−ホルミルシクロア
ルケノン類は、種々の方法、例えば下記一般式(5)で
表わされる3−メチルシクロアルカノン類または一般式
(6)で表わされる3−メチルシクロアルケノン類を触
媒の存在下に酸化して得ることができる。
脂環式ポリイソシアネート類の原料として使用された、
前記一般式(3)又は(4)でそれぞれ表わされる3−
ホルミルシクロアルカノン類又は3−ホルミルシクロア
ルケノン類は、種々の方法、例えば下記一般式(5)で
表わされる3−メチルシクロアルカノン類または一般式
(6)で表わされる3−メチルシクロアルケノン類を触
媒の存在下に酸化して得ることができる。
【0044】
【化10】
【0045】ここに触媒の存在下の酸化とは、例えば金
属酸化物(二酸化セレン、酸化クロム、二クロム酸、
銅、銀、鉛等の酸化物)、ナフテン酸塩(コバルト、ク
ロム等の塩)、酸化バナジウム系触媒(V2O5−SnO
2、V2O5−SnO2−Fe2O3、V2O5−Fe2O3等)
等の触媒の存在下で酸素酸化する方法、特開昭58−1
54528号公報に記載されている鉄、ルテニウム、ロ
ジウム及びコバルトから選ばれた少なくとも一種の金属
の塩の存在下で酸素酸化する方法、ヘテロポリ酸又はそ
の塩を触媒として酸化する方法を指すが、好ましい方法
は一般式(6)で表わされる3−メチルシクロアルケノ
ン類を酸化触媒としてのヘテロポリ酸又は該酸とその塩
の組合せに係る触媒の存在下に酸化して一般式(4)で
表わされる3−ホルミルシクロアルケノン類を得る方法
である。
属酸化物(二酸化セレン、酸化クロム、二クロム酸、
銅、銀、鉛等の酸化物)、ナフテン酸塩(コバルト、ク
ロム等の塩)、酸化バナジウム系触媒(V2O5−SnO
2、V2O5−SnO2−Fe2O3、V2O5−Fe2O3等)
等の触媒の存在下で酸素酸化する方法、特開昭58−1
54528号公報に記載されている鉄、ルテニウム、ロ
ジウム及びコバルトから選ばれた少なくとも一種の金属
の塩の存在下で酸素酸化する方法、ヘテロポリ酸又はそ
の塩を触媒として酸化する方法を指すが、好ましい方法
は一般式(6)で表わされる3−メチルシクロアルケノ
ン類を酸化触媒としてのヘテロポリ酸又は該酸とその塩
の組合せに係る触媒の存在下に酸化して一般式(4)で
表わされる3−ホルミルシクロアルケノン類を得る方法
である。
【0046】触媒成分を担持するための担体には、慣用
の担体、例えば活性炭、アルミナ、シリカ、炭化ケイ
素、シリカ−アルミナ、ベントナイト、マグネシア、チ
タニア、バナジア、ジルコニア、ゼオライト、ケイソウ
土、カオリンなどの無機担体やスチレン−ジビニルベン
ゼン共重合体などの有機担体が含まれる。
の担体、例えば活性炭、アルミナ、シリカ、炭化ケイ
素、シリカ−アルミナ、ベントナイト、マグネシア、チ
タニア、バナジア、ジルコニア、ゼオライト、ケイソウ
土、カオリンなどの無機担体やスチレン−ジビニルベン
ゼン共重合体などの有機担体が含まれる。
【0047】担体に対するヘテロポリ酸又はその塩類の
担持量は、触媒活性を損なわない範囲で選択でき、通常
は担体100重量部に対して0.1〜100重量部が好
ましく、特に5〜20重量部程度が好適である。
担持量は、触媒活性を損なわない範囲で選択でき、通常
は担体100重量部に対して0.1〜100重量部が好
ましく、特に5〜20重量部程度が好適である。
【0048】前記担体へのヘテロポリ酸又はその塩類を
担持させる方法は、慣用の含浸法、コーティング法、噴
霧法、吸着法、沈殿法等を採用することができるが、特
に触媒成分を均一かつ高度に分散して担持させることの
できる含浸法や吸着法などが使用される。ヘテロポリ酸
又はその塩類の担持に際しては、通常、水などの溶媒を
用い、触媒溶液を均一に担持させる場合が多い。これら
のヘテロポリ酸又はその塩類の使用量は、ヘテロポリ酸
又はその塩類の種類により異なるが、一般式(5)又は
(6)で示される原料に対して、通常はヘテロポリ酸又
はその塩類換算で0.1〜50重量%の範囲から選ばれ
る。
担持させる方法は、慣用の含浸法、コーティング法、噴
霧法、吸着法、沈殿法等を採用することができるが、特
に触媒成分を均一かつ高度に分散して担持させることの
できる含浸法や吸着法などが使用される。ヘテロポリ酸
又はその塩類の担持に際しては、通常、水などの溶媒を
用い、触媒溶液を均一に担持させる場合が多い。これら
のヘテロポリ酸又はその塩類の使用量は、ヘテロポリ酸
又はその塩類の種類により異なるが、一般式(5)又は
(6)で示される原料に対して、通常はヘテロポリ酸又
はその塩類換算で0.1〜50重量%の範囲から選ばれ
る。
【0049】本発明に係る一般式(5)又は(6)で表
わされる原料の酸化源としては、酸素や酸素含有ガスの
他、酸素を生成する化合物も使用できる。ここに酸素と
しては例えば高純度酸素ガスを用いてもよく、酸素含有
ガスとしては酸素ガスを必要に応じて反応に不活性なガ
ス、例えば窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化炭素等に
より希釈して使用してもよい。不活性ガスで希釈する場
合、酸素に代えて空気を用い、空気中の窒素を不活性ガ
スとして利用することもできる。
わされる原料の酸化源としては、酸素や酸素含有ガスの
他、酸素を生成する化合物も使用できる。ここに酸素と
しては例えば高純度酸素ガスを用いてもよく、酸素含有
ガスとしては酸素ガスを必要に応じて反応に不活性なガ
ス、例えば窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化炭素等に
より希釈して使用してもよい。不活性ガスで希釈する場
合、酸素に代えて空気を用い、空気中の窒素を不活性ガ
スとして利用することもできる。
【0050】酸素使用量は反応原料1モルに対して0.
5〜1,000モルが好ましい。酸化反応は気相酸化お
よび液相酸化のいずれであってもよい。なお、反応は溶
媒の非存在下で行ってもよく、反応に不活性な溶媒中で
行ってもよい。該溶媒としてはベンゼン、トルエン、キ
シレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素;ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;シクロ
ヘキサンなどの脂環式炭化水素;四塩化炭素、クロロホ
ルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンなどの
ハロゲン化炭化水素;酢酸、プロピオン酸、酪酸などの
カルボン酸;アセトン、メチルエチルケトンなどのケト
ン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸
ブチルなどのエステル;ジエチルエーテル、ジブチルエ
ーテル、ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロ
フラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1−
メトキシ−2−プロパノールなどのエーテル;N,N−
ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド
などのアミド;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベ
ンゾニトリルなどのニトリルなどが挙げられる。これら
の溶媒は、一種又は二種以上混合して使用できる。反応
温度は、反応速度及び選択性を考慮して、適宜選択で
き、30〜300℃が好ましいが、50〜200℃程度
がより好ましい。
5〜1,000モルが好ましい。酸化反応は気相酸化お
よび液相酸化のいずれであってもよい。なお、反応は溶
媒の非存在下で行ってもよく、反応に不活性な溶媒中で
行ってもよい。該溶媒としてはベンゼン、トルエン、キ
シレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素;ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;シクロ
ヘキサンなどの脂環式炭化水素;四塩化炭素、クロロホ
ルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンなどの
ハロゲン化炭化水素;酢酸、プロピオン酸、酪酸などの
カルボン酸;アセトン、メチルエチルケトンなどのケト
ン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸
ブチルなどのエステル;ジエチルエーテル、ジブチルエ
ーテル、ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロ
フラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1−
メトキシ−2−プロパノールなどのエーテル;N,N−
ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド
などのアミド;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベ
ンゾニトリルなどのニトリルなどが挙げられる。これら
の溶媒は、一種又は二種以上混合して使用できる。反応
温度は、反応速度及び選択性を考慮して、適宜選択で
き、30〜300℃が好ましいが、50〜200℃程度
がより好ましい。
【0051】ジアルキルカーボネートは、かつて、ホス
ゲンを原料に製造されていたが、今日では一酸化炭素を
原料とする製造も実施され、また、新しい工業化技術も
研究されており(特願昭61−201568、特願昭6
1−215178、特願昭61−215179号各明細
書)、後者の製造法によるジアルキルカーボネートを用
いてジイソシアネート化合物を製造する方が安価で好ま
しい。
ゲンを原料に製造されていたが、今日では一酸化炭素を
原料とする製造も実施され、また、新しい工業化技術も
研究されており(特願昭61−201568、特願昭6
1−215178、特願昭61−215179号各明細
書)、後者の製造法によるジアルキルカーボネートを用
いてジイソシアネート化合物を製造する方が安価で好ま
しい。
【0052】最近、ジアミンをジメチルカーボネートで
イソシアネート化する製造技術が開示された(特開昭6
4−85956)が、本発明に用いうる脂環式ジイソシ
アネートAの製法の一つとして挙げることができる。さ
らに詳しく説明すれば、アルカリ触媒の存在下、脂環式
ジアミンBとジメチルカーボネートとを反応させて対応
する一般式(7)で表される脂環式ウレタン化合物(以
下、脂環式ウレタン化合物Cと記す)を合成する第一段
反応、次いで該当脂環式ウレタン化合物Cを高沸点溶媒
中でマンガン、モリブデン、タングステン、亜鉛の群か
ら選ばれる1以上の化合物触媒存在下、1〜700Torr
の減圧下で熱分解させ、対応する脂環式ジイソシアネー
ト化合物Aを得る第二段反応、の二工程により、本発明
に用いることができる脂環式ジイソシアネート化合物A
を製造することができる。
イソシアネート化する製造技術が開示された(特開昭6
4−85956)が、本発明に用いうる脂環式ジイソシ
アネートAの製法の一つとして挙げることができる。さ
らに詳しく説明すれば、アルカリ触媒の存在下、脂環式
ジアミンBとジメチルカーボネートとを反応させて対応
する一般式(7)で表される脂環式ウレタン化合物(以
下、脂環式ウレタン化合物Cと記す)を合成する第一段
反応、次いで該当脂環式ウレタン化合物Cを高沸点溶媒
中でマンガン、モリブデン、タングステン、亜鉛の群か
ら選ばれる1以上の化合物触媒存在下、1〜700Torr
の減圧下で熱分解させ、対応する脂環式ジイソシアネー
ト化合物Aを得る第二段反応、の二工程により、本発明
に用いることができる脂環式ジイソシアネート化合物A
を製造することができる。
【0053】
【化11】
【0054】本発明に用い得るアミン化合物は、前記一
般式(2)で表される脂環式ジアミンンである。脂環式
ジアミンBには、アミノ基−NH2とアミノメチル基−
CH2NH2がシクロアルカン環において、シス位にある
ものとトランス位にあるものがあるが、どちらの異性体
も原料として用いられ、シス体、トランス体の混合物で
あっても何ら差支えない。全てのアミンについてエーテ
ル結合、スルホン基、カルボニル基、ハロゲン基など安
定な基で骨格が置換されていても差し支えはない。
般式(2)で表される脂環式ジアミンンである。脂環式
ジアミンBには、アミノ基−NH2とアミノメチル基−
CH2NH2がシクロアルカン環において、シス位にある
ものとトランス位にあるものがあるが、どちらの異性体
も原料として用いられ、シス体、トランス体の混合物で
あっても何ら差支えない。全てのアミンについてエーテ
ル結合、スルホン基、カルボニル基、ハロゲン基など安
定な基で骨格が置換されていても差し支えはない。
【0055】また、第1段反応において触媒として使用
される塩基性物質はアルカリ金属、アルカリ土類金属の
アルコラートであって、リチウム、ナトリウム、カリウ
ム、カルシウム、バリウムのメチラート、エチラート、
ターシャリブチラート等をその例として挙げることがで
きる。
される塩基性物質はアルカリ金属、アルカリ土類金属の
アルコラートであって、リチウム、ナトリウム、カリウ
ム、カルシウム、バリウムのメチラート、エチラート、
ターシャリブチラート等をその例として挙げることがで
きる。
【0056】アルカリ触媒の使用量は、触媒の活性に応
じて、反応が実用的な時間で完結するよう決定される。
ナトリウムメチラートの場合、反応粗液中0.001〜
5重量%、好ましくは0.1〜3重量%の添加で反応が
進行する。
じて、反応が実用的な時間で完結するよう決定される。
ナトリウムメチラートの場合、反応粗液中0.001〜
5重量%、好ましくは0.1〜3重量%の添加で反応が
進行する。
【0057】反応温度は0℃から反応粗液の沸点までの
範囲で選ぶことが実用的に可能であるが、低温では反応
が遅く、高温では副生するメタノールの沸とうが激しく
なることから、30℃〜80℃の範囲で選ぶことが好ま
しい。原料が固体の場合や、生成する脂環式ウレタン化
合物Cの析出を防止したい場合は溶媒を用いても差支え
なく、たとえばメタノール、エタノール、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン、ベンゼン、トルエンなど原料及び
生成物に対して不活性である溶剤を用いることが出来
る。
範囲で選ぶことが実用的に可能であるが、低温では反応
が遅く、高温では副生するメタノールの沸とうが激しく
なることから、30℃〜80℃の範囲で選ぶことが好ま
しい。原料が固体の場合や、生成する脂環式ウレタン化
合物Cの析出を防止したい場合は溶媒を用いても差支え
なく、たとえばメタノール、エタノール、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン、ベンゼン、トルエンなど原料及び
生成物に対して不活性である溶剤を用いることが出来
る。
【0058】塩基性触媒は脂環式ウレタン化合物Cと一
緒に加熱されると脂環式ウレタン化合物Cをさらに変化
させて目的外の高沸点物に変化させるので、第一段の反
応後、塩基性触媒の中和を行う。中和後の反応物粗液か
ら、脂環式ウレタン化合物Cを蒸留、晶析、水洗、再沈
等の一般的精製方法で必要な純度まで精製して取り出
す。
緒に加熱されると脂環式ウレタン化合物Cをさらに変化
させて目的外の高沸点物に変化させるので、第一段の反
応後、塩基性触媒の中和を行う。中和後の反応物粗液か
ら、脂環式ウレタン化合物Cを蒸留、晶析、水洗、再沈
等の一般的精製方法で必要な純度まで精製して取り出
す。
【0059】これらの化合物を第2段反応である熱分解
により収率よく脂環式ジイソシアネート化合物Aに転換
させることが出来る。これらの脂環式ウレタン化合物C
を、マンガン、モリブデン、タングステン、亜鉛の金属
単体、または無機化合物、または有機化合物の存在下、
減圧下、不活性溶媒中で熱分解することによりアルコー
ルの脱離が起き、脂環式ジイソシアネート化合物Aが生
成する。
により収率よく脂環式ジイソシアネート化合物Aに転換
させることが出来る。これらの脂環式ウレタン化合物C
を、マンガン、モリブデン、タングステン、亜鉛の金属
単体、または無機化合物、または有機化合物の存在下、
減圧下、不活性溶媒中で熱分解することによりアルコー
ルの脱離が起き、脂環式ジイソシアネート化合物Aが生
成する。
【0060】触媒として用いられる化合物としては、金
属マンガン、酸化マンガン(MnO、又はMn2O3)塩
化マンガン、硫酸マンガン、リン酸マンガン、ホウ酸マ
ンガン、炭酸マンガン、酢酸マンガン、ナフテン酸マン
ガン、マンガン(II)アセチルアセトナート、マンガン
(III)アセチルアセトナート、金属モリブデン、三酸
化モリブデン、モリブデンアセチルアセトナート(Mo
O2(acac)2)、二酸化モリブデン、金属タングステン、
タングステンヘキサカルボニル、無水タングステン酸、
タングステン酸、等を例示することが出来る。
属マンガン、酸化マンガン(MnO、又はMn2O3)塩
化マンガン、硫酸マンガン、リン酸マンガン、ホウ酸マ
ンガン、炭酸マンガン、酢酸マンガン、ナフテン酸マン
ガン、マンガン(II)アセチルアセトナート、マンガン
(III)アセチルアセトナート、金属モリブデン、三酸
化モリブデン、モリブデンアセチルアセトナート(Mo
O2(acac)2)、二酸化モリブデン、金属タングステン、
タングステンヘキサカルボニル、無水タングステン酸、
タングステン酸、等を例示することが出来る。
【0061】これらは含水塩の形でも、また無水物でも
用いることが出来る。工業的に入手が容易であること、
安価であること、活性の高さから、塩化マンガン、硫酸
マンガン、酢酸マンガン、ナフテン酸マンガンが特に適
している。特に,酢酸マンガンは反応粗液中,低濃度で
充分な活性を有しているため好ましい。
用いることが出来る。工業的に入手が容易であること、
安価であること、活性の高さから、塩化マンガン、硫酸
マンガン、酢酸マンガン、ナフテン酸マンガンが特に適
している。特に,酢酸マンガンは反応粗液中,低濃度で
充分な活性を有しているため好ましい。
【0062】触媒の使用量は、通常、溶媒中の触媒量が
0.0005重量%から5重量%の領域が最も好まし
い。反応温度は150℃より低いとイソシアネート基の
発生が遅くなって実用的でなく、300℃より高いと工
業的に実施しにくく不利となる。溶媒は、該脂環式ジイ
ソシアネート化合物A及び脂環式ウレタン化合物Cに対
し不活性であることが必要で、脂肪族化合物、芳香族化
合物、アルキル化芳香族化合物、エーテル化合物等から
選んで用いることが出来る。ハロゲン基等の不活性な基
を含んでいても溶媒として差支えはない。
0.0005重量%から5重量%の領域が最も好まし
い。反応温度は150℃より低いとイソシアネート基の
発生が遅くなって実用的でなく、300℃より高いと工
業的に実施しにくく不利となる。溶媒は、該脂環式ジイ
ソシアネート化合物A及び脂環式ウレタン化合物Cに対
し不活性であることが必要で、脂肪族化合物、芳香族化
合物、アルキル化芳香族化合物、エーテル化合物等から
選んで用いることが出来る。ハロゲン基等の不活性な基
を含んでいても溶媒として差支えはない。
【0063】また、該脂環式ジイソシアネート化合物A
と沸点が近接していない溶媒は精製分離しやすく、好ま
しい。溶媒の沸点は、生成する該脂環式ジイソシアネー
ト化合物Aより低いものは該脂環式ジイソシアネート化
合物Aとともに留出し、実用上工程が複雑になって不利
であり、生成する脂環式ジイソシアネート化合物Aより
高沸点のものが好ましい。反応は、反応系より生成する
脂環式ジイソシアネート化合物Aが留出してくる減圧下
で実施する。
と沸点が近接していない溶媒は精製分離しやすく、好ま
しい。溶媒の沸点は、生成する該脂環式ジイソシアネー
ト化合物Aより低いものは該脂環式ジイソシアネート化
合物Aとともに留出し、実用上工程が複雑になって不利
であり、生成する脂環式ジイソシアネート化合物Aより
高沸点のものが好ましい。反応は、反応系より生成する
脂環式ジイソシアネート化合物Aが留出してくる減圧下
で実施する。
【0064】これにより系中の脂環式ジイソシアネート
化合物Aの濃度が低く保たれ、副反応が抑制され、高い
反応収率が達成される。この効果は、溶媒の沸とう下に
行なうと特に有効であり、この点から反応圧力は反応温
度で溶媒が沸とうする減圧度で行なうことが好ましい。
減圧度が高すぎると、副生するアルコールの回収が難し
くなり、また、設備的にも用役面でも不利になるので通
常1Torr以上、また、700Torr以下が好適である。
化合物Aの濃度が低く保たれ、副反応が抑制され、高い
反応収率が達成される。この効果は、溶媒の沸とう下に
行なうと特に有効であり、この点から反応圧力は反応温
度で溶媒が沸とうする減圧度で行なうことが好ましい。
減圧度が高すぎると、副生するアルコールの回収が難し
くなり、また、設備的にも用役面でも不利になるので通
常1Torr以上、また、700Torr以下が好適である。
【0065】好ましい溶媒としてはo-ターフェニル,m-
ターフェニル、p-ターフェニル、混合ジフエニルベンゼ
ン、部分水添トリフェニル、ジベンジルベンゼン、ジベ
ンジルトルエン、ビフェニル、フェニルシクロヘキサ
ン、ビシクロヘキシル、フェニルエーテル、ベンジルエ
ーテル、ジフェニルメタン、キシレン、トリメチルベン
ゼン、エチルベンゼン、ドデシルベンゼン、クロルベン
ゼン、ジクロルベンゼン、ヘキサデカン、テトラデカ
ン、オクタデカン、アイコサン、テトラメチレンスルホ
ンなどがある。
ターフェニル、p-ターフェニル、混合ジフエニルベンゼ
ン、部分水添トリフェニル、ジベンジルベンゼン、ジベ
ンジルトルエン、ビフェニル、フェニルシクロヘキサ
ン、ビシクロヘキシル、フェニルエーテル、ベンジルエ
ーテル、ジフェニルメタン、キシレン、トリメチルベン
ゼン、エチルベンゼン、ドデシルベンゼン、クロルベン
ゼン、ジクロルベンゼン、ヘキサデカン、テトラデカ
ン、オクタデカン、アイコサン、テトラメチレンスルホ
ンなどがある。
【0066】触媒を含む溶媒を減圧下沸とうさせてお
き、そこへ脂環式ウレタン化合物Cを仕込んでいく連続
反応が有利である。反応で生成する副生アルコールと脂
環式ジイソシアネート化合物Aは、気体のまま反応器か
らコンデンサーへ導き、脂環式ジイソシアネート化合物
Aのみを凝縮させることにより、良好に精製し得る。
き、そこへ脂環式ウレタン化合物Cを仕込んでいく連続
反応が有利である。反応で生成する副生アルコールと脂
環式ジイソシアネート化合物Aは、気体のまま反応器か
らコンデンサーへ導き、脂環式ジイソシアネート化合物
Aのみを凝縮させることにより、良好に精製し得る。
【0067】得られた脂環式ジイソシアネート化合物A
は、必要に応じ、さらに精製することができる。以上、
本発明に用いることができる脂環式ジイソシアネート化
合物Aの製造技術例について述べてきたが、この方法に
限らず、実質的に工程中でホスゲンを用いずに製造され
たジアルキルカーボネートとジアミンとから製造される
該脂環式ジイソシアネート化合物Aは、本発明に用いる
ことができる。
は、必要に応じ、さらに精製することができる。以上、
本発明に用いることができる脂環式ジイソシアネート化
合物Aの製造技術例について述べてきたが、この方法に
限らず、実質的に工程中でホスゲンを用いずに製造され
たジアルキルカーボネートとジアミンとから製造される
該脂環式ジイソシアネート化合物Aは、本発明に用いる
ことができる。
【0068】例えば、ジメチルカーボネートとアミン化
合物を、ルイス酸触媒を用いてウレタンを得る技術が開
示されているが(特公昭51−33095号公報)、第
一段の反応に用いることができる。また、第二段の反応
についても、気相で熱分解を行う技術(特開昭59−2
05352、特開昭59−205353号各公報)や、
異なる液相技術(特公昭57−45736公報)などを
用いて得た脂環式ジイソシアネート化合物Aを用いても
なんら差支えはない。
合物を、ルイス酸触媒を用いてウレタンを得る技術が開
示されているが(特公昭51−33095号公報)、第
一段の反応に用いることができる。また、第二段の反応
についても、気相で熱分解を行う技術(特開昭59−2
05352、特開昭59−205353号各公報)や、
異なる液相技術(特公昭57−45736公報)などを
用いて得た脂環式ジイソシアネート化合物Aを用いても
なんら差支えはない。
【0069】このようにして得た該脂環式ジイソシアネ
ート化合物Aと、ポリエーテルポリオールやポリエステ
ルポリオールなどのポリオールを用いて、また必要によ
り一価または多価アルコール、一価または多価アミン、
水などの活性水素化合物を加え、重付加反応によってポ
リウレタンを合成することができる。各種添加剤を用い
ても差支えはない。
ート化合物Aと、ポリエーテルポリオールやポリエステ
ルポリオールなどのポリオールを用いて、また必要によ
り一価または多価アルコール、一価または多価アミン、
水などの活性水素化合物を加え、重付加反応によってポ
リウレタンを合成することができる。各種添加剤を用い
ても差支えはない。
【0070】
【実施例】以下に、合成例、および実施例を示す。 〔酸化触媒の調製〕メタバナジン酸ナトリウム43.9
0gとモリブテン酸ナトリウム49.32gとを水30
0mlに加えて95℃に加熱し溶解させた溶液に、85
%リン酸45.6gと水60mlとの溶液を加え95℃
で1時間攪拌下で保持した。その後0℃に冷却し、塩化
アンモニウム35.6gと水126mlとの溶液を加え
褐色の沈殿物を得た。沈殿物を濾過し更に沈殿物を水で
2回再結晶してヘテロポリ酸のアンモニウム塩を得た。
得られたヘテロポリ酸のアンモニウム塩を分析した結
果、(NH4)5H6[PV8Mo4O40]・9.6H2Oの
組成であった。得られたヘテロポリ酸のアンモニウム塩
200mgと水4000mlとの溶液に活性炭1800
mgを加え1時間攪拌し、室温で放置した。その後濾過
し、水4000mlで洗浄し、80℃で乾燥することに
より活性炭に担持した触媒を得た。
0gとモリブテン酸ナトリウム49.32gとを水30
0mlに加えて95℃に加熱し溶解させた溶液に、85
%リン酸45.6gと水60mlとの溶液を加え95℃
で1時間攪拌下で保持した。その後0℃に冷却し、塩化
アンモニウム35.6gと水126mlとの溶液を加え
褐色の沈殿物を得た。沈殿物を濾過し更に沈殿物を水で
2回再結晶してヘテロポリ酸のアンモニウム塩を得た。
得られたヘテロポリ酸のアンモニウム塩を分析した結
果、(NH4)5H6[PV8Mo4O40]・9.6H2Oの
組成であった。得られたヘテロポリ酸のアンモニウム塩
200mgと水4000mlとの溶液に活性炭1800
mgを加え1時間攪拌し、室温で放置した。その後濾過
し、水4000mlで洗浄し、80℃で乾燥することに
より活性炭に担持した触媒を得た。
【0071】[合成例−1] 〔3−ホルミル−5,5−ジメチルシクロヘキセノンの
製造〕上記で調製した触媒175g、イソホロン138
g、トルエン2,000gをガラス製フラスコ(容量5
リットル)に入れ、酸素雰囲気下、還流状態で20時間
反応した。反応液をガスクロマトグラフ法により分析し
た結果、イソホロンの93%が反応し、反応したイソホ
ロンの62%が3−ホルミル−5,5−ジメチルシクロ
ヘキセノンに転化していた(収率58重量%)。
製造〕上記で調製した触媒175g、イソホロン138
g、トルエン2,000gをガラス製フラスコ(容量5
リットル)に入れ、酸素雰囲気下、還流状態で20時間
反応した。反応液をガスクロマトグラフ法により分析し
た結果、イソホロンの93%が反応し、反応したイソホ
ロンの62%が3−ホルミル−5,5−ジメチルシクロ
ヘキセノンに転化していた(収率58重量%)。
【0072】[合成例−2] 〔還元的アミノ化反応〕3−ホルミル−5,5−ジメチ
ルシクロへキセノン50gをメタノール1,000gに
溶解したものに、ラネーニッケル10gおよびアンモニ
ア150gを電磁攪拌式オートクレーブ(容量3リット
ル)に入れ、120℃に昇温後、水素分圧50kgf/
cm2、撹拌機の回転数800〜1,000rpmで2
時間反応を行った。反応終了後オートクレーブを冷却、
放圧した後、反応液を取り出し、触媒を濾別し、メタノ
ールを常圧で溜去すると、41gの物質が得られた。ま
た、得られた物質の97.4重量%が3−アミノメチル
−5,5−ジメチルシクロへキシルアミンであった。こ
の物質を質量分析、元素分析および赤外吸収スペクトル
分析を行った。 質量分析結果:マススペクトルの分子イオンピーク(m
/e)は、156(理論分子量156)、127、12
6、113、70、56、43であった。 元素分析結果:C=69.5,N=12.7,H=1
7.8各重量%であり、元素組成比はC9N2H20とな
る。
ルシクロへキセノン50gをメタノール1,000gに
溶解したものに、ラネーニッケル10gおよびアンモニ
ア150gを電磁攪拌式オートクレーブ(容量3リット
ル)に入れ、120℃に昇温後、水素分圧50kgf/
cm2、撹拌機の回転数800〜1,000rpmで2
時間反応を行った。反応終了後オートクレーブを冷却、
放圧した後、反応液を取り出し、触媒を濾別し、メタノ
ールを常圧で溜去すると、41gの物質が得られた。ま
た、得られた物質の97.4重量%が3−アミノメチル
−5,5−ジメチルシクロへキシルアミンであった。こ
の物質を質量分析、元素分析および赤外吸収スペクトル
分析を行った。 質量分析結果:マススペクトルの分子イオンピーク(m
/e)は、156(理論分子量156)、127、12
6、113、70、56、43であった。 元素分析結果:C=69.5,N=12.7,H=1
7.8各重量%であり、元素組成比はC9N2H20とな
る。
【0073】[合成例−3] 〔工程中でホスゲンを用いずに製造されるジメチルカー
ボネートの合成:一酸化炭素とメタノールを原料とする
ジメチルカーボネートの合成〕テフロンコーティングさ
れた内容積5リットルのオートクレーブを用いてジメチ
ルカーボネートの合成反応を行った。触媒として塩化パ
ラジウム7.5mmol/l、酢酸第一銅187.5m
mol/lおよび塩化マグネシウム187.5mmol
/lのメタノール溶液526mlを用いて窒素ガス4
7.5vol%、アルゴン/酸素(酸素濃度33.0v
ol%)22.5vol%の混合ガスを12.0kg/
cm2で流入させ、オートクレーブ内を130℃に昇温
して1時間反応させた。反応粗液を蒸留してジメチルカ
ーボネートを得た。以上の合成反応を20回繰り返して
行い、234gのジメチルカーボネートを得た。得られ
たジメチルカーボネート中の塩素分は約11ppmであ
った。なお、塩素分の測定にはイオンクロマトグラフ
(IC−500)を使用した。
ボネートの合成:一酸化炭素とメタノールを原料とする
ジメチルカーボネートの合成〕テフロンコーティングさ
れた内容積5リットルのオートクレーブを用いてジメチ
ルカーボネートの合成反応を行った。触媒として塩化パ
ラジウム7.5mmol/l、酢酸第一銅187.5m
mol/lおよび塩化マグネシウム187.5mmol
/lのメタノール溶液526mlを用いて窒素ガス4
7.5vol%、アルゴン/酸素(酸素濃度33.0v
ol%)22.5vol%の混合ガスを12.0kg/
cm2で流入させ、オートクレーブ内を130℃に昇温
して1時間反応させた。反応粗液を蒸留してジメチルカ
ーボネートを得た。以上の合成反応を20回繰り返して
行い、234gのジメチルカーボネートを得た。得られ
たジメチルカーボネート中の塩素分は約11ppmであ
った。なお、塩素分の測定にはイオンクロマトグラフ
(IC−500)を使用した。
【0074】[合成例−4] 〔工程中でホスゲンを用いずに製造されるジメチルカー
ボネートの合成〕塩化マグネシウムの替わりに塩化ナト
リウムを使用した以外は合成例−3と同様に20回の合
成反応を行い、約352gのジメチルカーボネートを得
た。ただし、この場合の反応は触媒が液中に懸濁した状
態で進行した。得られたジメチルカーボネート中の塩素
分は約8ppmであった。
ボネートの合成〕塩化マグネシウムの替わりに塩化ナト
リウムを使用した以外は合成例−3と同様に20回の合
成反応を行い、約352gのジメチルカーボネートを得
た。ただし、この場合の反応は触媒が液中に懸濁した状
態で進行した。得られたジメチルカーボネート中の塩素
分は約8ppmであった。
【0075】[合成例−5] 〔工程中でホスゲンを用いずに製造されるジメチルカー
ボネートと脂環式ジアミン化合物Bからの脂環式ウレタ
ン化合物Cの合成〕合成例−3で合成されたジメチルカ
ーボネート211gを撹拌機を備えた丸底フラスコに仕
込み、撹拌しながら窒素気流下で70℃に昇温した。次
に、上記フラスコ中へナトリウムメチラートの28%メ
タノール溶液5.22gおよび3−アミノメチル−5,
5−ジメチルシクロヘキシルアミン(以下、MDMCH
DAと記す)45.7gを2機の仕込みポンプにより均
等な仕込み速度で70分間かけて仕込んだ。この間反応
温度は70℃に保った。さらに、仕込み終了後、同温度
で3時間熟成し、その後リン酸で中和して得た反応粗液
をガスクロマトグラフィーで分析したところ、MDMC
HDAに対応するウレタン化合物、すなわち、3−メト
キシカルボニルアミノメチル−5,5−ジメチル−1−
メトキシカルボニルアミノシクロヘキサン(以下、MD
MCHDCと記す)がMDMCHDAに対する収率99
%、および消費されたジメチルカーボネートに対する収
率99%で生成していることを確認した。上記反応粗液
を脱低沸物し、さらに水洗処理してMDMCHDCを
得、合成例−7の原料として使用した。
ボネートと脂環式ジアミン化合物Bからの脂環式ウレタ
ン化合物Cの合成〕合成例−3で合成されたジメチルカ
ーボネート211gを撹拌機を備えた丸底フラスコに仕
込み、撹拌しながら窒素気流下で70℃に昇温した。次
に、上記フラスコ中へナトリウムメチラートの28%メ
タノール溶液5.22gおよび3−アミノメチル−5,
5−ジメチルシクロヘキシルアミン(以下、MDMCH
DAと記す)45.7gを2機の仕込みポンプにより均
等な仕込み速度で70分間かけて仕込んだ。この間反応
温度は70℃に保った。さらに、仕込み終了後、同温度
で3時間熟成し、その後リン酸で中和して得た反応粗液
をガスクロマトグラフィーで分析したところ、MDMC
HDAに対応するウレタン化合物、すなわち、3−メト
キシカルボニルアミノメチル−5,5−ジメチル−1−
メトキシカルボニルアミノシクロヘキサン(以下、MD
MCHDCと記す)がMDMCHDAに対する収率99
%、および消費されたジメチルカーボネートに対する収
率99%で生成していることを確認した。上記反応粗液
を脱低沸物し、さらに水洗処理してMDMCHDCを
得、合成例−7の原料として使用した。
【0076】[合成例−6]合成例−3で得られたジメ
チルカーボネートの替わりに合成例−4で得られたジメ
チルカーボネートを使用した以外は合成例−5と同様に
合成反応を行いほぼ同じ収率でMDMCHDCを得た。
上記反応粗液を脱低沸物し、さらに水洗処理してMDM
CHDCを得、合成例−8の原料として使用した。
チルカーボネートの替わりに合成例−4で得られたジメ
チルカーボネートを使用した以外は合成例−5と同様に
合成反応を行いほぼ同じ収率でMDMCHDCを得た。
上記反応粗液を脱低沸物し、さらに水洗処理してMDM
CHDCを得、合成例−8の原料として使用した。
【0077】[合成例−7] 〔工程中でホスゲンを用いずに製造されるジメチルカー
ボネートと脂環式ジアミンBからの脂環式ウレタン化合
物Cを熱分解することによる脂環式ジイソシアネート化
合物Aの合成〕20段オルダーショー塔をセットした2
00ml容量のガラス製リボイラーを用いて合成例−5
で得られたMDMCHDCの連続分解を行なった。溶媒
としてはm−ターフェニルを用いた。リボイラーに最初
117mlのm−ターフェニルと対m−ターフェニル1
0ppm相当の無水酢酸マンガンを仕込み、10Tor
rの減圧下沸とう状態になる迄加熱した。次いで反応器
にMDMCHDC59.0重量%、m−ターフェニル4
1.0重量%の混合液を120g/Hrの速度で仕込ん
だ。蒸留塔塔頂部より生成物である3−イソシアネート
メチル−5,5−ジメチルシロクヘキシルイソシアネー
ト(以下、MDMCHDIと記す)を抜き取り、また、
反応器液面が一定となるような缶出液抜取速度で運転を
行なった。コンデンサーには60℃の温水を流し、MD
MCHDI分を凝縮しメタノールはガスとして、逃がし
た。運転中、反応器中の無水酢酸マンガン濃度が10p
pmに保たれるよう、缶出液量に対応して125ppm
無水酢酸マンガンメタノール溶液を反応液中へ仕込ん
だ。塔内温度、留出液、缶出液の各重量、組成が安定し
た時点で留出液は1時間で52g留出しMDMCHDI
77.2重量%、モノイソシアネート(以下、MDMC
HMIと記す)22.7重量%、m−ターフェニル0.
05重量%であった。反応器温度は245℃であった。
MDMCHDC転化率99重量%、MDMCHDCのハ
イボイラー化率6重量%であった。収率は、仕込みMD
MCHDC基準で、MDMCHDI74%、MDMCH
MI19%であった。
ボネートと脂環式ジアミンBからの脂環式ウレタン化合
物Cを熱分解することによる脂環式ジイソシアネート化
合物Aの合成〕20段オルダーショー塔をセットした2
00ml容量のガラス製リボイラーを用いて合成例−5
で得られたMDMCHDCの連続分解を行なった。溶媒
としてはm−ターフェニルを用いた。リボイラーに最初
117mlのm−ターフェニルと対m−ターフェニル1
0ppm相当の無水酢酸マンガンを仕込み、10Tor
rの減圧下沸とう状態になる迄加熱した。次いで反応器
にMDMCHDC59.0重量%、m−ターフェニル4
1.0重量%の混合液を120g/Hrの速度で仕込ん
だ。蒸留塔塔頂部より生成物である3−イソシアネート
メチル−5,5−ジメチルシロクヘキシルイソシアネー
ト(以下、MDMCHDIと記す)を抜き取り、また、
反応器液面が一定となるような缶出液抜取速度で運転を
行なった。コンデンサーには60℃の温水を流し、MD
MCHDI分を凝縮しメタノールはガスとして、逃がし
た。運転中、反応器中の無水酢酸マンガン濃度が10p
pmに保たれるよう、缶出液量に対応して125ppm
無水酢酸マンガンメタノール溶液を反応液中へ仕込ん
だ。塔内温度、留出液、缶出液の各重量、組成が安定し
た時点で留出液は1時間で52g留出しMDMCHDI
77.2重量%、モノイソシアネート(以下、MDMC
HMIと記す)22.7重量%、m−ターフェニル0.
05重量%であった。反応器温度は245℃であった。
MDMCHDC転化率99重量%、MDMCHDCのハ
イボイラー化率6重量%であった。収率は、仕込みMD
MCHDC基準で、MDMCHDI74%、MDMCH
MI19%であった。
【0078】[合成例−8]無水酢酸マンガンを、メタ
ノール中1重量%になるように溶解した。この溶液をM
DMCHDIで80倍に希釈し、125ppmの触媒溶
液とした。液は均一で、かつ低粘度の液体であった。上
記触媒液を用い、ウレタン化合物を蒸溜塔の下から5段
に仕込み、触媒仕込み段を下から13段に変更した以外
は合成例−5と同様に運転を行なった。塔内温度、留出
液、缶出液の各重量、組成が安定した時点で留出液は1
時間で留出し、MDMCHDI98.1重量%、MDM
CHMI1.8重量%、m−ターフェニル0.05重量
%であった。MDMCHDC転化率99重量%,MDM
CHDCのハイボイラー化率2重量%であった。収率
は、仕込みMDMCHDC基準で、MDMCHDI9
5.5%、MDMCHMI1.5%であった。得られた
MDMCHDI留分を、さらにバッチ蒸留で99.7%
純度まで精製し、以下の実施例の原料として使用した。
また、生成した脂環式ポリイソシアネート化合物が3−
イソシアネートメチル−5,5−ジメチルシクロへキシ
ルイソシアネートであることは、下記元素分析、赤外線
吸収スペクトル、NMRスペクトル、イソシアネート基
含量により確認された。 元素分析結果:C=64.0,H=7.7,N=13.
0,残りOとして=15.3であり、元素組成比C11H
16N2O2となる。なお、脂環式ジイソシアネート化合物
のイソシアネート基含量を滴定法により求めた結果、理
論値40.4重量%に対し39.3重量%であった。
ノール中1重量%になるように溶解した。この溶液をM
DMCHDIで80倍に希釈し、125ppmの触媒溶
液とした。液は均一で、かつ低粘度の液体であった。上
記触媒液を用い、ウレタン化合物を蒸溜塔の下から5段
に仕込み、触媒仕込み段を下から13段に変更した以外
は合成例−5と同様に運転を行なった。塔内温度、留出
液、缶出液の各重量、組成が安定した時点で留出液は1
時間で留出し、MDMCHDI98.1重量%、MDM
CHMI1.8重量%、m−ターフェニル0.05重量
%であった。MDMCHDC転化率99重量%,MDM
CHDCのハイボイラー化率2重量%であった。収率
は、仕込みMDMCHDC基準で、MDMCHDI9
5.5%、MDMCHMI1.5%であった。得られた
MDMCHDI留分を、さらにバッチ蒸留で99.7%
純度まで精製し、以下の実施例の原料として使用した。
また、生成した脂環式ポリイソシアネート化合物が3−
イソシアネートメチル−5,5−ジメチルシクロへキシ
ルイソシアネートであることは、下記元素分析、赤外線
吸収スペクトル、NMRスペクトル、イソシアネート基
含量により確認された。 元素分析結果:C=64.0,H=7.7,N=13.
0,残りOとして=15.3であり、元素組成比C11H
16N2O2となる。なお、脂環式ジイソシアネート化合物
のイソシアネート基含量を滴定法により求めた結果、理
論値40.4重量%に対し39.3重量%であった。
【0079】[実施例−1]合成例−8で得られたMD
MCHDI(以下DMC法MDMCHDIと記す)10
0gに対して、ルイス酸としてジブチルスズジラウレー
トをイソシアネート基に対して1.12×10-4当量添
加し、o−キシレンに溶解して濃度2.0mol/lの
DMC法MDMCHDI溶液を調製した。他方、試薬特
級n−ブタノールをo−キシレンに溶解して濃度2.0
mol/lのn−ブタノール溶液を調製した。冷却管、
試料採取口を供えた内容量50mlのパイレックスガラ
ス製の反応器に、上述のDMC法MDMCHDI溶液、
n−ブタノール溶液をそれぞれ5mlおよび10ml、
ホールピペットを用いて正確に採取し、さらに予め調製
した0.8mol/lのジフェニルエーテル/o−キシ
レン溶液を5ml、ホールピペットを用いて正確に添加
した。反応溶液を十分攪拌しながら、温度60±1℃で
制御した油浴で加温しながら、DMC法MDMCHDI
とn−ブタノールとのウレタン化反応を進めた。ガスク
ロマトグラフ分析法で反応溶液中のDMC法MDMCH
DIとn−ブタノールの残留濃度の経時変化を測定し、
ウレタン化反応を測定検討した。その結果、反応時間3
時間のイソシアネート基がウレタン化を測定し、DMC
法MDMCHDIの反応性を測定した。測定結果は、表
1に示した。
MCHDI(以下DMC法MDMCHDIと記す)10
0gに対して、ルイス酸としてジブチルスズジラウレー
トをイソシアネート基に対して1.12×10-4当量添
加し、o−キシレンに溶解して濃度2.0mol/lの
DMC法MDMCHDI溶液を調製した。他方、試薬特
級n−ブタノールをo−キシレンに溶解して濃度2.0
mol/lのn−ブタノール溶液を調製した。冷却管、
試料採取口を供えた内容量50mlのパイレックスガラ
ス製の反応器に、上述のDMC法MDMCHDI溶液、
n−ブタノール溶液をそれぞれ5mlおよび10ml、
ホールピペットを用いて正確に採取し、さらに予め調製
した0.8mol/lのジフェニルエーテル/o−キシ
レン溶液を5ml、ホールピペットを用いて正確に添加
した。反応溶液を十分攪拌しながら、温度60±1℃で
制御した油浴で加温しながら、DMC法MDMCHDI
とn−ブタノールとのウレタン化反応を進めた。ガスク
ロマトグラフ分析法で反応溶液中のDMC法MDMCH
DIとn−ブタノールの残留濃度の経時変化を測定し、
ウレタン化反応を測定検討した。その結果、反応時間3
時間のイソシアネート基がウレタン化を測定し、DMC
法MDMCHDIの反応性を測定した。測定結果は、表
1に示した。
【0080】[実施例−2〜6]合成例−8で得られた
DMC法MDMCHDIに、表−1に示したルイス酸を
所定量添加したこと以外は、実施例−1と同じ方法でウ
レタン化反応性を測定した。測定結果は、表1に示し
た。
DMC法MDMCHDIに、表−1に示したルイス酸を
所定量添加したこと以外は、実施例−1と同じ方法でウ
レタン化反応性を測定した。測定結果は、表1に示し
た。
【0081】
【表1】
【0082】[比較例−1]合成例−8で得られたDM
C法MDMCHDIに、ジブチルスズジラウレートを添
加しないこと以外は、実施例−1と同じ方法でウレタン
化反応性を測定し、測定結果は、表2に示した。
C法MDMCHDIに、ジブチルスズジラウレートを添
加しないこと以外は、実施例−1と同じ方法でウレタン
化反応性を測定し、測定結果は、表2に示した。
【0083】
【表2】
【0084】[比較例−2]ホスゲン法により製造され
たMDMCHDI(以下ホスゲン法MDMCHDIと記
す)を用いること、ジブチルスズジラウレートを添加し
ないこと以外は、実施例−1と同じ方法でウレタン化反
応性を測定した。測定結果を表2に示した。
たMDMCHDI(以下ホスゲン法MDMCHDIと記
す)を用いること、ジブチルスズジラウレートを添加し
ないこと以外は、実施例−1と同じ方法でウレタン化反
応性を測定した。測定結果を表2に示した。
【0085】[実施例−7]冷却管、攪拌装置、温度計
および窒素導入管を供えた反応装置に、合成例−8で得
られたDMC法MDMCHDIを104.1g、ジブチ
ルスズジラウレートをイソシアネート基当り3.5×1
0-5当量、数平均分子量2000のポリテトラメチレン
グリコール(日本ポリウレタン工業株式会社製、PTG
2000)1000gを仕込み、直ちに加熱して、12
0℃でウレタン化させた。ガスクロマトグラフ分析法で
反応物中のMDMCHDIの残留濃度の経時変化を測定
し、ウレタン化反応を測定検討した。その結果、反応温
度120℃到達後3時間、反応を継続しても、残留MD
MCHDI濃度、イソシアネート濃度の大きな減少が見
られなかった。測定結果を表2に示した。
および窒素導入管を供えた反応装置に、合成例−8で得
られたDMC法MDMCHDIを104.1g、ジブチ
ルスズジラウレートをイソシアネート基当り3.5×1
0-5当量、数平均分子量2000のポリテトラメチレン
グリコール(日本ポリウレタン工業株式会社製、PTG
2000)1000gを仕込み、直ちに加熱して、12
0℃でウレタン化させた。ガスクロマトグラフ分析法で
反応物中のMDMCHDIの残留濃度の経時変化を測定
し、ウレタン化反応を測定検討した。その結果、反応温
度120℃到達後3時間、反応を継続しても、残留MD
MCHDI濃度、イソシアネート濃度の大きな減少が見
られなかった。測定結果を表2に示した。
【0086】[実施例−8]反応温度を70℃に変更し
たほかは、すべて実施例−7と同条件でウレタン化させ
た。ガスクロマトグラフ分析法で反応物中のMDMCH
DIの残留濃度の経時変化を測定し、ウレタン化反応を
測定検討した結果、反応温度70℃到達後9時間、反応
を継続しても、残留MDMCHDI濃度、イソシアネー
ト濃度の大きな減少が見られなかった。測定結果を表2
に示した。
たほかは、すべて実施例−7と同条件でウレタン化させ
た。ガスクロマトグラフ分析法で反応物中のMDMCH
DIの残留濃度の経時変化を測定し、ウレタン化反応を
測定検討した結果、反応温度70℃到達後9時間、反応
を継続しても、残留MDMCHDI濃度、イソシアネー
ト濃度の大きな減少が見られなかった。測定結果を表2
に示した。
【0087】[実施例−9]ポリテトラメチレングリコ
ールにかえて、数平均分子量2000のポリカプロラク
トンジオール(ダイセル化学工業株式会社製、プラクセ
ル220)を用いたほかはすべて実施例−7と同条件で
ウレタン化させた。ガスクロマトグラフ分析法で反応物
中のMDMCHDIの残留濃度の経時変化を測定し、ウ
レタン化反応を測定検討した結果、反応温度120℃到
達後2時間で、残留MDMCHDI濃度4.0重量%、
イソシアネート濃度3.6重量%のウレタンプレポリマ
ーを得た。その後反応を継続しても、残留DMC法MD
MCHDI濃度、イソシアネート濃度の大きな減少が見
られなかった。
ールにかえて、数平均分子量2000のポリカプロラク
トンジオール(ダイセル化学工業株式会社製、プラクセ
ル220)を用いたほかはすべて実施例−7と同条件で
ウレタン化させた。ガスクロマトグラフ分析法で反応物
中のMDMCHDIの残留濃度の経時変化を測定し、ウ
レタン化反応を測定検討した結果、反応温度120℃到
達後2時間で、残留MDMCHDI濃度4.0重量%、
イソシアネート濃度3.6重量%のウレタンプレポリマ
ーを得た。その後反応を継続しても、残留DMC法MD
MCHDI濃度、イソシアネート濃度の大きな減少が見
られなかった。
【0088】[実施例−10]冷却管、攪拌装置、滴下
ロート、温度計および窒素導入管を供えた反応装置に、
合成例−8で得られたMDMCHDIを2000.0
g、酢酸をイソシアネート基当り3.5×10-5当量を
仕込み、50℃に加熱した。70℃に加熱溶融させたト
リメチロールプロパン(三菱瓦斯化学工業株式会社製)
190.8gを3時間かけて滴下した。この時反応温度
は70℃に上昇した。滴下終了後、滴定分析法で反応物
中のイソシアネート基濃度の経時変化を測定し、ウレタ
ン化反応を測定検討した結果、滴下終了後3時間で、イ
ソシアネート濃度29.2重量%のウレタンプレポリマ
ー/モノマー混合物を得た。その後反応を継続しても、
イソシアネート濃度の大きな減少が見られなかった。
ロート、温度計および窒素導入管を供えた反応装置に、
合成例−8で得られたMDMCHDIを2000.0
g、酢酸をイソシアネート基当り3.5×10-5当量を
仕込み、50℃に加熱した。70℃に加熱溶融させたト
リメチロールプロパン(三菱瓦斯化学工業株式会社製)
190.8gを3時間かけて滴下した。この時反応温度
は70℃に上昇した。滴下終了後、滴定分析法で反応物
中のイソシアネート基濃度の経時変化を測定し、ウレタ
ン化反応を測定検討した結果、滴下終了後3時間で、イ
ソシアネート濃度29.2重量%のウレタンプレポリマ
ー/モノマー混合物を得た。その後反応を継続しても、
イソシアネート濃度の大きな減少が見られなかった。
【0089】[比較例−3]冷却管、攪拌装置、温度計
および窒素導入管を供えた反応装置に、合成例−8で得
られたMDMCHDIを104.1g、数平均分子量2
000のポリテトラメチレングリコール(日本ポリウレ
タン工業株式会社製、PTG2000)1000gを仕
込み、ただちに加熱して、120℃でウレタン化させ
た。ガスクロマトグラフ分析法で反応物中のMDMCH
DIの残留濃度の経時変化を測定し、ウレタン化反応を
測定検討した。その結果、反応温度120℃到達後6時
間、反応を継続しても、残留MDMCHDI濃度、イソ
シアネート濃度の大きな減少が見られなかった。
および窒素導入管を供えた反応装置に、合成例−8で得
られたMDMCHDIを104.1g、数平均分子量2
000のポリテトラメチレングリコール(日本ポリウレ
タン工業株式会社製、PTG2000)1000gを仕
込み、ただちに加熱して、120℃でウレタン化させ
た。ガスクロマトグラフ分析法で反応物中のMDMCH
DIの残留濃度の経時変化を測定し、ウレタン化反応を
測定検討した。その結果、反応温度120℃到達後6時
間、反応を継続しても、残留MDMCHDI濃度、イソ
シアネート濃度の大きな減少が見られなかった。
【0090】[比較例−4]反応温度を70℃に変更し
たほかは、すべて比較例−3と同条件でウレタン化させ
た。ガスクロマトグラフ分析法で反応物中のMDMCH
DIの残留濃度の経時変化を測定し、ウレタン化反応を
測定検討した結果、反応温度70℃到達後12時間で、
残留MDMCHDI濃度7.7重量%、イソシアネート
濃度4.1重量%で設計のウレタンプレポリマーは得ら
れなかった。
たほかは、すべて比較例−3と同条件でウレタン化させ
た。ガスクロマトグラフ分析法で反応物中のMDMCH
DIの残留濃度の経時変化を測定し、ウレタン化反応を
測定検討した結果、反応温度70℃到達後12時間で、
残留MDMCHDI濃度7.7重量%、イソシアネート
濃度4.1重量%で設計のウレタンプレポリマーは得ら
れなかった。
【0091】[比較例−5]ポリテトラメチレングリコ
ールにかえて、数平均分子量2000のポリカプロラク
トンジオール(ダイセル化学工業株式会社製、プラクセ
ル220)を用いたほかはすべて比較例−4と同条件で
ウレタン化させた。ガスクロマトグラフ分析法で反応物
中のMDMCHDIの残留濃度の経時変化を測定し、ウ
レタン化反応を測定検討した結果、反応温度120℃到
達後4時間後、残留MDMCHDI濃度3.8重量%、
イソシアネート濃度3.4重量%のウレタンプレポリマ
ーを得た。その後反応を継続しても、残留MDMCHD
I濃度、イソシアネート濃度の大きな減少が見られなか
った。
ールにかえて、数平均分子量2000のポリカプロラク
トンジオール(ダイセル化学工業株式会社製、プラクセ
ル220)を用いたほかはすべて比較例−4と同条件で
ウレタン化させた。ガスクロマトグラフ分析法で反応物
中のMDMCHDIの残留濃度の経時変化を測定し、ウ
レタン化反応を測定検討した結果、反応温度120℃到
達後4時間後、残留MDMCHDI濃度3.8重量%、
イソシアネート濃度3.4重量%のウレタンプレポリマ
ーを得た。その後反応を継続しても、残留MDMCHD
I濃度、イソシアネート濃度の大きな減少が見られなか
った。
【0092】[比較例−6]冷却管、攪拌装置、滴下ロ
ート、温度計および窒素導入管を供えた反応装置に、合
成例−8で得られたMDMCHDIを2000.0gを
仕込み、50℃に加熱した。70℃に加熱溶融させたト
リメチロールプロパン(三菱瓦斯化学工業株式会社製)
190.8gを3時間かけて滴下した。この時反応温度
は70℃に上昇した。滴下終了後、滴定分析法で反応物
中のイソシアネート基濃度の経時変化を測定し、ウレタ
ン化反応を測定検討した結果、滴下終了後9時間で、イ
ソシアネート濃度31.4重量%のウレタンプレポリマ
ー/モノマー混合物を得たが、プレポリマーの粘度が非
常に高く、所定のウレタンプレポリマー/モノマー混合
物と比較して分子量分布の大きな物であった。
ート、温度計および窒素導入管を供えた反応装置に、合
成例−8で得られたMDMCHDIを2000.0gを
仕込み、50℃に加熱した。70℃に加熱溶融させたト
リメチロールプロパン(三菱瓦斯化学工業株式会社製)
190.8gを3時間かけて滴下した。この時反応温度
は70℃に上昇した。滴下終了後、滴定分析法で反応物
中のイソシアネート基濃度の経時変化を測定し、ウレタ
ン化反応を測定検討した結果、滴下終了後9時間で、イ
ソシアネート濃度31.4重量%のウレタンプレポリマ
ー/モノマー混合物を得たが、プレポリマーの粘度が非
常に高く、所定のウレタンプレポリマー/モノマー混合
物と比較して分子量分布の大きな物であった。
【0093】[比較例−7]ホスゲン法により製造され
たMDMCHDI(以下ホスゲン法MDMCHDIと記
す)に変更したほかは、すべて比較例−4と同条件でウ
レタン化させた。ガスクロマトグラフ分析法で反応物中
のMDMCHDIの残留濃度の経時変化を測定し、ウレ
タン化反応を測定検討した結果、反応温度120℃到達
後4時間で、残留MDMCHDI濃度4.0重量%、イ
ソシアネート濃度3.5重量%で設計のウレタンプレポ
リマーを得た。その後反応を継続しても、残留MDMC
HDI濃度、イソシアネート濃度の大きな減少が見られ
なかった。なお、表−1および2には比較例1の3時間
後のMDMCHDI消費率を1とした相対消費率で示し
た。
たMDMCHDI(以下ホスゲン法MDMCHDIと記
す)に変更したほかは、すべて比較例−4と同条件でウ
レタン化させた。ガスクロマトグラフ分析法で反応物中
のMDMCHDIの残留濃度の経時変化を測定し、ウレ
タン化反応を測定検討した結果、反応温度120℃到達
後4時間で、残留MDMCHDI濃度4.0重量%、イ
ソシアネート濃度3.5重量%で設計のウレタンプレポ
リマーを得た。その後反応を継続しても、残留MDMC
HDI濃度、イソシアネート濃度の大きな減少が見られ
なかった。なお、表−1および2には比較例1の3時間
後のMDMCHDI消費率を1とした相対消費率で示し
た。
【0094】本発明のようにルイス酸を添加することに
より、実質的に工程中でホスゲンを用いずに製造された
ジメチルカーボネートとジアミンとから製造されるジイ
ソシアネート化合物の反応促進方法は、従来のホスゲン
法により製造されたジイソシアネート化合物と同等もし
くはそれ以上の反応性を示し、かつホスゲン由来の不純
物を含有していないため、従来より優れた耐候性、耐食
性、耐熱性が得られることが明らかである。
より、実質的に工程中でホスゲンを用いずに製造された
ジメチルカーボネートとジアミンとから製造されるジイ
ソシアネート化合物の反応促進方法は、従来のホスゲン
法により製造されたジイソシアネート化合物と同等もし
くはそれ以上の反応性を示し、かつホスゲン由来の不純
物を含有していないため、従来より優れた耐候性、耐食
性、耐熱性が得られることが明らかである。
【0095】
【発明の効果】本発明により、脂環式ジイソシアネート
化合物の反応性を高める技術が確立され、耐候性、耐食
性、耐熱性等の物性がより改善された、塗料、接着剤、
成形体に好適に用い得るポリウレタンの供給が可能とな
った。
化合物の反応性を高める技術が確立され、耐候性、耐食
性、耐熱性等の物性がより改善された、塗料、接着剤、
成形体に好適に用い得るポリウレタンの供給が可能とな
った。
フロントページの続き Fターム(参考) 4H006 AA01 AA03 AB46 AC55 BA01 BA06 BA14 BA16 BA30 BA31 BA32 BA35 BA37 BA40 BB11 BB14 BB25 BB49 BC10 BC36 BJ20 4J034 CA02 CA03 CA05 CA13 CA14 CB02 CB04 CB07 CE01 DA01 DB03 DB07 DF01 DF12 DG00 DG06 HA01 HA07 HC17 HC22 HC46 HC52 HC61 HC71 HC73 KA01 KB02 KC13 KC17 KC32 KD02 KD24 KD25 KE02 RA07 RA08
Claims (3)
- 【請求項1】 ルイス酸を含有し、実質的に工程中でホ
スゲンを用いずに製造されたジアルキルカーボネートと
一般式(1)で表される脂環式ジアミンとから製造され
る一般式(2)で表される脂環式ジイソシアネート化合
物を主成分とする組成物。 【化1】 【化2】 - 【請求項2】 一般式(1)および(2)中のY1が炭
素数1〜10のアルキレン基である請求項1記載の組成
物。 - 【請求項3】 一般式(2)で表される脂環式ジイソシ
アネート化合物が3−イソシアネートメチル−5,5−
ジメチルシクロヘキシルイソシアネートである請求項1
記載の組成物。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10231215A JP2000044529A (ja) | 1998-08-03 | 1998-08-03 | 脂環式ジイソシアネート化合物を主成分とする組成物 |
EP99401948A EP0976723A3 (en) | 1998-07-31 | 1999-07-30 | A cycloaliphatic polyisocyanate compound, a process for the preparation thereof, a polyurethane therefrom, and an adhesive composition |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10231215A JP2000044529A (ja) | 1998-08-03 | 1998-08-03 | 脂環式ジイソシアネート化合物を主成分とする組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000044529A true JP2000044529A (ja) | 2000-02-15 |
Family
ID=16920141
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10231215A Pending JP2000044529A (ja) | 1998-07-31 | 1998-08-03 | 脂環式ジイソシアネート化合物を主成分とする組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000044529A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2365970B (en) * | 2000-08-01 | 2003-10-08 | Bosch Gmbh Robert | Navigation device and process for the information input into said device |
WO2015012258A1 (ja) * | 2013-07-25 | 2015-01-29 | 昭和電工株式会社 | 組成物、硬化性組成物、その製造方法および硬化物 |
WO2015012259A1 (ja) * | 2013-07-25 | 2015-01-29 | 昭和電工株式会社 | 反応促進剤、およびこれを用いたウレタン化合物、チオウレタン化合物、アミド化合物またはウレア化合物の製造方法 |
-
1998
- 1998-08-03 JP JP10231215A patent/JP2000044529A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2365970B (en) * | 2000-08-01 | 2003-10-08 | Bosch Gmbh Robert | Navigation device and process for the information input into said device |
WO2015012258A1 (ja) * | 2013-07-25 | 2015-01-29 | 昭和電工株式会社 | 組成物、硬化性組成物、その製造方法および硬化物 |
WO2015012259A1 (ja) * | 2013-07-25 | 2015-01-29 | 昭和電工株式会社 | 反応促進剤、およびこれを用いたウレタン化合物、チオウレタン化合物、アミド化合物またはウレア化合物の製造方法 |
CN105392562A (zh) * | 2013-07-25 | 2016-03-09 | 昭和电工株式会社 | 反应促进剂、以及使用其的氨基甲酸酯化合物、硫代氨基甲酸酯化合物、酰胺化合物或脲化合物的制造方法 |
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