JP2000044526A - ジイソシアネート化合物 - Google Patents

ジイソシアネート化合物

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JP2000044526A
JP2000044526A JP10231214A JP23121498A JP2000044526A JP 2000044526 A JP2000044526 A JP 2000044526A JP 10231214 A JP10231214 A JP 10231214A JP 23121498 A JP23121498 A JP 23121498A JP 2000044526 A JP2000044526 A JP 2000044526A
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chlorine
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Yasutaka Tanaka
康隆 田中
Takuya Miho
卓也 三保
Toyokazu Yanagii
豊和 楊井
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウレタン塗料あるいはその他のポリウレタン
工業製品の耐蝕性が向上する原料ジイソシアネート化合
物を提供する。 【解決手段】 塩素分を10ppm以下しか含有してい
ない3−イソシアネートメチル−5,5−ジメチルシク
ロヘキシルイソシアネートを使用することによりポリウ
レタンの耐候性、耐湿性および耐熱性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な脂環式ジイ
ソシアネート化合物に関する。さらに詳しくは、塩素分
の含有率が一定値以下、具体的には10ppm以下であ
る新規な一般式(1)で表される脂環式ジイソシアネー
ト化合物に関する。イソシアネート化合物は工業的に有
用な化合物であり、中でもジイソシアネート化合物はポ
リウレタンの原料として特に有用である。
【0002】
【化2】
【0003】
【従来の技術】今日、ジイソシアネート化合物は、工業
的には全量が、アミン化合物とホスゲンとの反応により
製造されている。周知のように、ホスゲンは選択性の高
い反応性の物質である。しかし、同時に強い毒性も有
し、その取扱いには厳重な管理が必要である。したがっ
て、ホスゲンを用いる製造を続ける限り、ホスゲンの漏
洩に伴う災害の危険を皆無にすることは不可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】また、アミン化合物と
ホスゲンとの反応により製造されたジイソシアネート化
合物は、未反応のホスゲン、反応副生物であるクロルフ
ォルメート、あるいは反応中間体であるモノおよびジカ
ルバモイルクロライド化合物等の不純物を含んでいる。
さらにホスゲン化反応の副生物である塩化水素または塩
素を不純物として含んでいる。通常,塩素または塩素化
合物はジイソシアネート化合物中に全塩素分として10
0ppmを越えるオーダーで含まれている。たとえ、上
記程度の濃度であっても塩素または塩素化合物がジイソ
シアネート化合物中に混じっていると以下のような問題
がある。
【0005】すなわち、ジイソシアネート化合物の最大
の用途であるポリウレタン工業における製品、具体的に
は塗料、エラストマー、フォーム等に導入されることに
なり様々な弊害をおよぼすことになる。たとえば、モノ
カルバモイルクロライド化合物はジイソシアネート化合
物とジオールとのウレタン化反応において末端基となっ
てポリウレタンの高分子量化を阻害する。さらに、上記
塩素または塩素化合物は水または空気中の水分と反応し
て一部塩素イオンになるが、この塩素イオンも各種のポ
リウレタン製品の製造あるいは使用に悪影響をおよぼ
す。
【0006】たとえば、ウレタン化反応の際に用いるジ
ブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート
等のスズ化合物、酢酸マンガン、オクチル酸鉛、オクチ
ル酸亜鉛等の金属塩、ジアザビシクロウンデセン、トリ
エチルアミン、ジアザビシクロオクタン、ジエチルアミ
ノエタノール等の3級アミン等のウレタン化触媒はルイ
ス塩基に類別されるものであるが、これらの触媒は塩素
イオンと共存下では中和されるか、あるいは分解する。
【0007】したがって、ホスゲンを用いる方法で製造
されたジイソシアネート化合物を用いる場合、ウレタン
化触媒は塩素イオンで阻害される量以上を添加すること
になり、過剰の触媒を用いることになっていた。また、
たとえば、ジイソシアネート化合物を用いたウレタン塗
料中に塩素イオンが含まれることになり、ウレタン塗料
を塗布した金属素材の腐蝕や塗膜自身にブリスター等を
生じ易くなる。
【0008】以上のように塩素または塩素化合物を含有
しているジイソシアネート化合物は製造上、または用途
上幾つかの問題があった。なお、一般式(1)で表され
る脂環式ジイソシアネート化合物から塩素分を経済的に
除去できる方法は現在では見出されていない。本発明の
目的は、塩素または塩素化合物の含有量が一定の数値以
下にコントロールされた一般式(1)で表される脂環式
ジイソシアネート化合物を供給することにある。
【0009】
【化3】
【0010】
【課題を解決するための手段】このような状況下、本発
明者らは鋭意検討した結果、本発明を完成させた。すな
わち、本発明の第一は、塩素分の含有率が10ppm以
下であることを特徴とする一般式(1)で表される脂環
式ジイソシアネート化合物である。
【0011】
【化4】
【0012】本発明の第二は、一般式(1)中のY1
炭素数1〜10のアルキレン基である本発明の第一の化
合物である。本発明の第三は、一般式(1)で表される
脂環式ジイソシアネート化合物が3−イソシアネートメ
チル−5,5−ジメチルシクロヘキシルイソシアネート
である本発明の第一の化合物である。
【0013】
【発明の実施の形態】アミンをジアルキルカーボネート
と反応させてウレタン化合物とし、さらに熱分解してジ
イソシアネート化合物を得る方法により上記の目的を達
成することができる。この反応は2段の反応からなって
おり、それぞれ反応式で表わすと以下のようになる。
【0014】
【化5】
【0015】まず、第1段反応においてナトリウムメチ
ラートなどの塩基性物質を触媒として使用し、ジアルキ
ルカーボネート化合物とジアミンを反応モル比率2〜5
0で反応させてウレタン化合物を合成する。ジメチルカ
ーボネートは、市販品をそのまま、又は必要な場合は精
製して用いられる。
【0016】アミン化合物は、脂肪族アミンは、分子内
に脂環式骨格を有する脂環式アミン化合物と、鎖状の骨
格を持つ鎖状脂肪族アミンに分類され、鎖状脂肪族アミ
ンにも好適に応用できるが、脂環式アミンが特に適して
いる。本発明に用い得るアミン化合物としては、下記一
般式(2)で表される脂環式ジアミン(以下、脂環式ジ
アミンBと記す)が挙げられる。これらから有用な環状
骨格を有するジイソシアネートが合成されるので価値が
高く、中でも脂環式ジアミンBを出発原料として最終生
成物である耐候性に優れたジイソシアネート化合物であ
る一般式(1)で表される脂環式ジイソシアネート化合
物(以下、脂環式ジイソシアネート化合物Aと記す)を
製造することは工業的価値がある。
【0017】
【化6】
【0018】
【化7】
【0019】本発明の脂環式ジイソシアネート化合物A
は特に限定はされないが、ジメチルカーボネートに代表
されるジアルキルカーボネートと脂環式ジアミンBとを
反応させてイソシアネート化することにより製造された
ものが塩素化合物の含有量が少なく好ましい。
【0020】本発明の脂環式ジイソシアネート化合物A
は、上記一般式(1)で表され、式中、Y1は2価の飽
和脂肪族炭化水素基は直鎖状であってもよく、また分枝
鎖状であってもよく、更に分枝が直鎖状炭化水素基にお
ける同一炭素原子に2個のアルキル基が置換したもので
あってもよい。
【0021】2価の飽和脂肪族炭化水素基としては、例
えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチ
レン基、2−メチルトリメチレン基、2,2−ジメチル
トリメチレン基、テトラメチレン基、2−メチルテトラ
メチレン基、2,2−ジメチルテトラメチレン基、ペン
タメチレン基、ヘキサメチレン基等の炭素数1〜10の
アルキレン基が例示できる。好ましい直鎖状又は分岐鎖
状アルキレン基は炭素数2〜8、特に炭素数2〜6のア
ルキレン基が好ましい。具体的にはアルキレン基が2,
2−ジメチルトリメチレン基であり、一般式(1)で表
わされる脂環式ポリイソシアネートとして3−イソシア
ネートメチル−5,5−ジメチルシクロへキシルイソシ
アネートを挙げることができる。
【0022】また、これらの脂肪族炭化水素基には種々
の置換基、例えばアミノ基、ヒドロキシル基、炭素数1
〜4のアルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカル
ボニル基、脂環式炭化水素基(シクロアルキル基、シク
ロアルケニル基、シクロアルキニル基等)、芳香族炭化
水素基(フェニル基などのアリール基)、ハロゲン基、
ニトロ基等が適当な位置に置換されていてもよい。
【0023】次に本発明に係る脂環式ジイソシアネート
化合物Aの製造方法について説明する。前記一般式
(1)で表される脂環式ジイソシアネート類は、下記一
般式(3)で表される3−ホルミルシクロアルカノン類
又は一般式(4)で表わされる3−ホルミルシクロアル
ケノン類を還元的にアミノ化した後、更にイソシアネー
ト化することにより製造することができる。
【0024】
【化8】
【0025】上記一般式(3)及び(4)中、Y2は2
価の飽和又は不飽和脂肪族炭化水素であり、直鎖状の
他、分枝鎖状であってもよく、更に分枝が直鎖状炭化水
素基における同一炭素原子に2個のアルキル基が置換し
たものであってもよい。2価の飽和脂肪族炭化水素とし
ては、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、
トリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、2,2−
ジメチルトリメチレン基、テトラメチレン基、2−メチ
ルテトラメチレン基、2,2−ジメチルテトラメチレン
基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基等の炭素数が
1〜10のアルキレン基が例示できる。2価の不飽和脂
肪族炭化水素としては、例えばプロペニレン基、2−メ
チルプロペニレン基、2,2−ジメチルプロペニレン
基、ブチレン基、ペンチレン基等のアルケニレン基を挙
げることができる。好ましい直鎖状又は分岐鎖状アルキ
レン基又はアルケニレン基は炭素数2〜8の、特に炭素
数2〜6のアルキレン基又はアルケニレン基である。
【0026】一般式(3)で表される3−ホルミルシク
ロアルカノン類又は一般式(4)で表わされる3−ホル
ミルシクロアルケノン類は、β位にホルミル基を有する
環状ケトンであり、前者の具体例としては3−ホルミル
シクロペンタノン、3−ホルミルシクロヘキサノン、5
−メチル−3−ホルミルシクロヘキサノン、3−ホルミ
ルシクロヘプタノン、5,5−ジメチル−3−ホルミル
シクロへキサノン、3−ホルミルシクロオクタノン、5
−メチル−3−ホルミルシクロオクタノン、5−フェニ
ル−3−ホルミルシクロへキサノン等を挙げることがで
き、後者の具体例としては3−ホルミルシクロペンテノ
ン、3−ホルミルシクロヘキセノン、5−メチル−3−
ホルミルシクロヘキセノン、3−ホルミルシクロヘプテ
ノン、5,5−ジメチル−3−ホルミルシクロへキセノ
ン、3−ホルミルシクロオクテノン、5−メチル−3−
ホルミルシクロオクテノン、5−フェニル−3−ホルミ
ルシクロへキセノン等を挙げることができる。また、上
記の構造を有していれば、2個又はそれ以上の炭素原子
を共有する二環縮合環化合物(例えば、4−ホルミルビ
シクロ〔4.4.0〕デカン−3−エン−2−オン等)
であってもよい。
【0027】一般式(3)で表される3−ホルミルシク
ロアルカノン類又は一般式(4)で表わされる3−ホル
ミルシクロアルケノン類(以下、これらをまとめて単に
「反応基質」という場合がある)は、触媒の存在下で還
元的にアミノ化され、一般式(2)で表わされる3−ア
ミノメチルシクロアルキルアミンを生成する。なお、一
般式(2)におけるY1は一般式(1)におけるY1と同
一である。
【0028】このような3−アミノメチルシクロアルキ
ルアミンの具体例としては、3−アミノメチルシクロペ
ンチルアミン、3−アミノメチルシクロヘキシルアミ
ン、3−アミノメチル−5−メチルシクロヘキシルアミ
ン、3−アミノメチルシクロヘプチルアミン、3−アミ
ノメチル−5,5−ジメチルシクロヘキシルアミン、3
−アミノメチルシクロオクチルアミン、3−アミノメチ
ル−5−メチルシクロオクチルアミン、5−フェニル−
3−アミノメチルシクロヘキシルアミンなどが例示でき
るが、好ましい3−アミノメチルシクロアルキルアミン
としては、3−アミノメチル−5,5−ジメチルシクロ
ヘキシルアミンを挙げることができる。
【0029】前記反応基質の還元的アミノ化反応は、触
媒の存在下に水素及びアンモニアを作用させることによ
り行うことができる。上記還元的アミノ化反応に使用さ
れる触媒としては、好ましい触媒はニッケル化合物、コ
バルト化合物、白金化合物、パラジウム化合物、コバル
ト−レニウム−モリブデン触媒等を単独または、例えば
活性炭、アルミナ、カーボンブラック、炭化ケイ素、シ
リカ−アルミナ、ベントナイト、ゼオライト、硫酸バリ
ウムなどの多孔質担体に担持して固体触媒として用いて
もよい。これらの触媒の使用量は、触媒の種類により異
なるが、一般的には反応基質に対して、触媒活性成分換
算で1〜50重量%の範囲から選ばれる。
【0030】本発明に係る前記還元的アミノ化反応にお
いて、接触還元用水素としては水素ガスや水素含有ガス
のいずれでも使用でき、前者としては高純度水素ガスを
使用してもよく、後者としては反応に不活性なガス、例
えば窒素、ヘリウム、アルゴンなどにより必要に応じて
希釈した混合ガスを反応系に供給使用してもよい。反応
系における水素圧は、通常1〜200kgf/cm2
範囲が好ましい。
【0031】本発明に係るアミノ化のために使用される
アンモニア源としては、通常はアンモニア単独又はアン
モニア含有ガスが使用されるが、更にアンモニアを生成
する化合物(例えばアンモノ塩等)も使用できる。アン
モニア源は気体、液体、固体のいずれの形態でも使用で
きる。気体で使用する場合は高純度ガスを用いてもよ
く、必要に応じて反応に不活性なガス、例えば窒素、ヘ
リウム、アルゴンなどにより希釈して、反応系に供給し
てもよい。これらのアンモニア源は、目的化合物の種類
に応じて単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0032】上記アンモニア源の如何にかかわらず、本
発明に係るアンモニアの使用量は、3−ホルミルシクロ
アルカノン類または3−ホルミルシクロアルケノン類等
の反応基質に対して2〜100モル倍が好ましい。
【0033】本発明に係る前記の還元的アミノ化反応
は、溶媒の非存在下で行ってもよく、又反応に不活性な
溶媒中で行ってもよい。還元的アミノ化反応で使用でき
る溶媒としては、後記酸化反応に使用される溶媒(脂肪
族炭化水素、脂環式炭化水素、エステル、アミド、エー
テル等)の他、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール等
のアルコールが挙げられるが、通常アルコールやエーテ
ル等が使用される。なお、これらの溶媒は、二種以上混
合して使用することもできる。
【0034】上記溶媒の使用量は、3−ホルミルシクロ
アルカノン類又は3−ホルミルシクロアルケノン類に対
して1〜100重量倍程度が好ましい。還元的アミノ化
の反応温度は、反応速度及び選択性を考慮して適宜選択
でき、30〜300℃が好ましい。
【0035】上記反応は、慣用の還元的アミノ化反応に
準じて行うことができる。溶媒を使用する場合には、水
素化触媒の存在下、3−ホルミルシクロアルカノン類又
は3−ホルミルシクロアルケノン類とアンモニアと溶媒
とを含む反応系に、水素を導入して行う。特に水素化触
媒の存在下に3−ホルミルシクロアルケノン類、アンモ
ニア及び溶媒を含む反応系に水素を導入して反応を行う
と、副生物を抑制することができる。このようにして脂
環式ポリアミン類の3−アミノメチルシクロアルキルア
ミンが得られる。
【0036】反応により生成する、脂環式ポリアミンB
は、慣用の分離手段、例えば濾過、濃縮、蒸留、抽出、
晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの各種分
離手段の単独使用により、又は組合せ使用により、容易
に分離精製できる。
【0037】本発明に係る脂環式ポリイソシアネートA
の原料として使用された、前記一般式(3)又は(4)
でそれぞれ表わされる3−ホルミルシクロアルカノン類
又は3−ホルミルシクロアルケノン類は、種々の方法、
例えば下記一般式(5)で表わされる3−メチルシクロ
アルカノン類または一般式(6)で表わされる3−メチ
ルシクロアルケノン類を触媒の存在下に酸化して得るこ
とができる。
【0038】
【化9】
【0039】ここに触媒の存在下の酸化とは、例えば金
属酸化物(セレン、クロム、銅、銀、鉛等の酸化物)、
ナフテン酸塩(コバルト、クロム等の塩)、酸化バナジ
ウム系触媒(V25−SnO2、V25−SnO2−Fe
23、V25−Fe23等)等の触媒の存在下で酸素酸
化する方法、特開昭58−154528号公報に記載さ
れている鉄、ルテニウム、ロジウム及びコバルトから選
ばれた少なくとも一種の金属の塩の存在下で酸素酸化す
る方法、ヘテロポリ酸又はその塩を触媒として酸化する
方法を指すが、好ましい方法は一般式(6)で表わされ
る3−メチルシクロアルケノン類を酸化触媒としてのヘ
テロポリ酸又は該酸とその塩の組合せに係る触媒の存在
下に酸化して一般式(4)で表わされる3−ホルミルシ
クロアルケノン類を得る方法である。
【0040】触媒成分を担持するための担体には、慣用
の担体、例えば活性炭、アルミナ、シリカ、炭化ケイ
素、シリカ−アルミナ、ベントナイト、マグネシア、チ
タニア、バナジア、ジルコニア、ゼオライト、ケイソウ
土、カオリンなどの無機担体やスチレン−ジビニルベン
ゼン共重合体などの有機担体が含まれる。
【0041】担体に対するヘテロポリ酸又はその塩類の
担持量は、触媒活性を損なわない範囲で選択でき、通常
は担体100重量部に対して0.1〜100重量部が好
ましく、特に5〜20重量部程度が好適である。
【0042】前記担体へのヘテロポリ酸又はその塩類を
担持させる方法は、慣用の含浸法、コーティング法、噴
霧法、吸着法、沈殿法等、特に触媒成分を均一かつ高度
に分散して担持させることのできる含浸法や吸着法など
が使用される。ヘテロポリ酸又はその塩類の担持に際し
ては、通常、水などの溶媒を用い、触媒溶液を均一に担
持させる場合が多い。これらのヘテロポリ酸又はその塩
類の使用量は、ヘテロポリ酸又はその塩類の種類により
異なるが、一般式(5)又は(6)で示される原料に対
して、通常はヘテロポリ酸又はその塩類換算で0.1〜
50重量%の範囲から選ばれる。
【0043】本発明に係る一般式(5)又は(6)で表
わされる原料の酸化源としては、酸素や酸素含有ガスの
他、酸素を生成する化合物も使用できる。ここに酸素と
しては高純度酸素ガスとして、または、酸素ガスを反応
に不活性なガスにより希釈して使用してもよい。また
は、空気を用いてもよい。
【0044】酸素使用量は反応原料1モルに対して0.
5〜1,000モルが好ましい。酸化反応は気相酸化お
よび液相酸化のいずれであってもよい。なお、反応は溶
媒の非存在下、または反応に不活性な溶媒中で行っても
よい。該溶媒としては芳香族炭化水素;脂肪族炭化水
素;脂環式炭化水素;ハロゲン化炭化水素;カルボン
酸;ケトン;エステル;エーテル類;ニトリル類などが
挙げられる。これらの溶媒は、一種又は二種以上混合し
て使用できる。反応温度は、反応速度及び選択性を考慮
して、適宜選択でき、30〜300℃が好ましいが、5
0〜200℃程度がより好ましい。
【0045】ジアルキルカーボネート自身も、かつては
ホスゲンを原料として用いて製造されていたが、今日で
は一酸化炭素を原料とする製造も実施され、また、新し
い工業化技術も確立されつつある。
【0046】ホスゲンを原料として用いて製造されたジ
アルキルカーボネートを用いてジイソシアネート化合物
を製造した場合は製品中の塩素化合物の量は10〜50
ppmの間で変動する。すなわち、事前に塩素化合物の
含有量を測定して添加量を決める必要があるが、ホスゲ
ンを使用せずに製造されたジアルキルカーボネートを用
いてウレタン化合物を製造し、次いでそのウレタン化合
物を熱分解して製造されたジイソシアネートでは塩素化
合物含有量が1ppm以下と微量、かつ、一定で事前の
塩素量測定は必要ない。
【0047】ホスゲンを使用せずにジアルキルカーボネ
ートを製造する方法は、特開昭63−57522号公
報、特開昭63−72650号公報、特開昭63−72
651号公報、特開平01−287062号公報、特公
昭63−38018号公報、特公昭62−8113号公
報等に開示されている。この方法の出発物質は一酸化炭
素とアルコールと酸素で、これらを触媒の存在下、常圧
または加圧下で反応せしめる方法である。
【0048】また、ホスゲンを使用せずにジアルキルカ
ーボネートを製造する別の方法としては、まず、アルキ
レンオキサイドと二酸化炭素とを出発原料としてアルキ
レンカーボネートを合成して、これをさらにメタノール
と反応させてジメチルカーボネートを得る方法である。
アルキレンオキサイドと二酸化炭素とを出発原料として
アルキレンカーボネートを合成する方法は例えば、特公
昭48−27314号公報、特開昭51−13720号
公報、特開昭59−128382号公報などに開示され
ている。
【0049】また、アルキレンカーボネートとアルコー
ルからジアルキルカーボネートを合成する方法は例え
ば、特公昭60−22697号公報、特公昭60−22
698号公報、特公昭61−4381号公報、特公昭5
9−28542号公報および特願平1−178347号
明細書、特願平1−178348号明細書などに開示さ
れている。
【0050】勿論これらの方法によって得られたジアル
キルカーボネートと脂環式ジアミンBとから脂環式ジイ
ソシアネート化合物Aを製造することが可能である。
【0051】脂環式ジアミンBには、アミノ基−NH2
とアミノメチル基−CH2NH2がシクロヘキサン環にお
いて、シス位にあるものとトランス位にあるものがある
が、どちらの異性体も本発明の原料として用いられる。
全てのアミンについてエーテル結合、スルホン基、カル
ボニル基、ハロゲン基など安定な基で骨格が置換されて
いても差し支えはない。これら用いられるアミンは予め
水分量を1ppm未満にしておくことが好ましい。その
理由は後述するジメチルカーボネート中の水分と同様触
媒の活性を低下させないようにするためである。
【0052】また、本発明の脂環式ジイソシアネート化
合物Aの製造方法の第1段反応において触媒として使用
される塩基性物質はアルカリ金属、アルカリ土類金属の
アルコラートであって、リチウム、ナトリウム、カリウ
ム、カルシウム、バリウムのメチラート、エチラート、
ターシャリブチラート等をその例として挙げることがで
きる。塩基性物質は固体でも、また溶液の状態でも使用
される。
【0053】上記の物質中、入手が容易で、かつ経済的
であることなどより、ナトリウムメチラートが特に好ま
しい。ナトリウムメチラートの本発明における使用量は
経済的に影響を及ぼす量ではなく、必ずしもリサイクル
使用をする必要はない。したがって、設備は簡単にな
る。しかも、ナトリウムメチラートはメタノール溶液品
が市販されており,取扱も容易である。本発明の製造方
法は加圧する必要がなく,常圧で充分実施できるが、装
置構造上の圧力損失を補う程度の加圧条件でも良好に実
施し得る。
【0054】また、ジアルキルカーボネート/脂環式ジ
アミンBをモル比率2〜50(ジアルキルカーボネート
/アミノ基のモル比=1〜25)にするのが好ましい。
特にジアルキルカーボネート/脂環式ジアミンBのモル
比を4以上にするのが好ましい。ジアルキルカーボネー
ト/脂環式ジアミンBのモル比2〜50にする理由は二
量化反応が抑制され、必然的に一般式(3)で表される
脂環式ウレタン化合物(以下、脂環式ウレタン化合物C
と記す)の収率が向上するからである。なお、ジメチル
カーボネートの使用量を50倍モル以上にすると効果的
ではなくなる。
【0055】使用するジアルキルカーボネートは水分量
を0.2%未満にするのが好ましい。その理由はジアル
キルカーボネート中の水分が触媒と反応して金属の水酸
化物となり、金属の水酸化物は触媒作用を有していない
ため触媒の使用量を増加させる必要があるからである。
通常の方法で製造されるジアルキルカーボネートは比較
的水を溶解する性質があり、水が混入する危険性が高
い。
【0056】アルカリ触媒の使用量は、触媒の活性に応
じて、反応が実用的な時間で完結するよう決定される。
ナトリウムメチラートの場合、反応粗液中0.001〜
5重量%、好ましくは0.1〜3重量%の添加で反応が
進行する。ナトリウムメチラートの使用量が0.001
重量%より少ないと反応が遅く、また、5重量%より多
いと触媒の析出が問題となり、経済的にも不利となる。
【0057】反応熱の管理上ジメチルカーボネート中に
アミン化合物を滴下していく方が好ましい。反応温度は
0℃から反応粗液の沸点までの範囲で選ぶことが実用的
に可能であるが、低温では反応が遅く、高温では副生す
るメタノールの沸とうが激しくなることから、30℃〜
80℃の範囲で選ぶことが好ましい。
【0058】原料が固体の場合や、生成する脂環式ウレ
タン化合物Cの析出を防止したい場合は溶媒を用いても
差支えなく、たとえばメタノール、エタノール、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン、ベンゼン、トルエンなど原
料及び生成物に対して不活性である溶剤を用いることが
出来る。溶媒は溶解しにくい原料又は生成物を溶解する
よう反応条件に応じて種類、量を選んで使用するが、使
用量が多く、希釈率が高いと反応の進行が遅くなって不
利であり、使用量は溶解に必要な最低量にとどめるのが
有利である。生成する脂環式ウレタン化合物Cに対して
1〜10倍量用いるのが望ましい。
【0059】また,出発原料中のジアルキルカーボネー
ト/脂環式ジアミンCのモル比が2に近いとき,反応粗
液中に生成した脂環式ウレタン化合物Cの濃度は高くな
るので,脂環式ウレタン化合物Cの結晶性が高いものの
場合は析出の危険性を防ぐため溶解力の高い溶媒を選ぶ
必要がある。また、溶媒の沸点は生成する脂環式ウレタ
ン化合物Cより10℃以上沸点の低いものを用いるのが
蒸留精製が容易となり、経済的に有利である。
【0060】原料の混合方法では、特にバッチ反応の場
合、触媒の添加方式は第1段反応の進行に伴って連続添
加または複数回の断続分割添加方式にする方が一括添加
方式より使用量を1/2〜1/3にすることができるの
で好ましい。この理由は明らかではないが、実施例に示
すように触媒を反応中に連続的または断続的に追加する
方が触媒使用量が少なくてすむことが見い出された。
【0061】脂環式ジアミンB、触媒の仕込み速度が早
いと、副生メタノールの沸とうが激しくなるので、反応
温度とともに、触媒の仕込み速度を管理する必要があ
る。また、第1段反応を連続式で行なう場合、脂環式ジ
アミンB、触媒を反応器の入口だけではなく、反応器の
中間部から仕込む方法をとることもできる。たとえば、
数基の完全混合槽に直列に反応粗液を流す場合などは触
媒を各槽に分割して仕込む方法をとることができる。
【0062】生成した脂環式ウレタン化合物Cの粗液
は、蒸留、晶析、水洗、再沈等の一般的精製方法で必要
な純度まで精製することができる。中でも、先ずリン酸
硫酸,ギ酸,シュウ酸,酢酸などを用いて塩基性触媒で
ある金属アルコラートに由来するアルカリ分を中和後,
過剰に添加した酸成分を水洗により除去する。
【0063】塩基性触媒は脂環式ウレタン化合物Cと一
緒に加熱されると脂環式ウレタン化合物Cをさらに変化
させて目的外の高沸点物に変化させるので、この中和工
程が必要になる。中和工程で生成した塩の除去は水洗、
濾過、遠心分離などの一般的方法で可能であり、メタノ
ールの除去操作と組み合わせて実施される。さらに脂環
式ウレタン化合物Cをフラッシュ蒸発させて精製する方
式を採用してもよい。
【0064】次いで、この脂環式ウレタン化合物Cをジ
ベンジルトルエン、部分水添トリフェニル,m−ターフ
ェニルのような高沸点溶剤中で触媒となるマンガン、モ
リブデンなどの金属単体、または化合物をメタノール溶
液として添加し、熱分解して脂環式ジイソシアネート化
合物Aを得る。脂環式ウレタン化合物Cの分解反応は以
下のような逐次反応である。
【0065】
【化10】
【0066】触媒の使用でより速い反応速度が達成さ
れ、また反応を溶媒中でかつ、生成する脂環式ジイソシ
アネート化合物Aが留出する減圧下で行なうことによ
り、反応系中の脂環式ジイソシアネート化合物Cの濃度
が低く保たれ、イソシアネート基の2量化、3量化、ウ
レタン結合のNH基とイソシアネート基の下記付加反応
を制御し、高収率を達成することができる。
【0067】
【化11】
【0068】触媒として用いられる化合物としては、金
属マンガン、酸化マンガン(MnO、又はMn23)塩
化マンガン、硫酸マンガン、リン酸マンガン、ホウ酸マ
ンガン、炭酸マンガン、酢酸マンガン、ナフテン酸マン
ガン、マンガン(II)アセチルアセトナート、マンガン
(III)アセチルアセトナート、金属モリブデン、三酸
化モリブデン、モリブデンアセチルアセトナート(Mo
2(acac)2)、二酸化モリブデン、金属タングステン、
タングステンヘキサカルボニル、無水タングステン酸、
タングステン酸、等を例示することが出来る。これらは
含水塩の形でも、また無水物でも用いることが出来る。
工業的に入手が容易であること、安価であること、活性
の高さから、塩化マンガン、硫酸マンガン、酢酸マンガ
ン、ナフテン酸マンガンが特に好ましい。特に,酢酸マ
ンガンは反応粗液中,低濃度で充分な活性を有している
ため好ましい。
【0069】触媒の使用量は使用する原料の反応性、温
度、触媒の種類や量に応じて最適な量が決められる。量
が少なすぎると反応が遅くなり、多すぎると高沸副生物
が増える傾向が認められ、通常、溶媒中の触媒量が0.
0005重量%から5重量%の領域が最も好ましい。反
応温度は150℃より低いと脂環式ジイソシアネート化
合物Aの発生が遅くなって実用的でなく、300℃より
高いと工業的に実施しにくく不利となる。即ち、150
℃から300℃が好ましい。
【0070】溶媒は、目的生成物である脂環式ジイソシ
アネート化合物Aおよび脂環式ウレタン化合物Cに対し
不活性であることが必要で、脂肪族化合物、芳香族化合
物、アルキル化芳香族化合物、エーテル化合物等から選
んで用いることが出来る。ハロゲン基等の不活性な基を
含んでいても溶媒として差支えない。
【0071】また、溶媒は目的生成物である脂環式ジイ
ソシアネート化合物Aと精製分離し易いものが好まし
い。脂環式ジイソシアネート化合物Aと沸点が離れてい
る溶媒は、蒸留による精製分離が可能であり、好まし
い。溶媒は、沸点が生成する脂環式ジイソシアネート化
合物Aより低いものは脂環式ジイソシアネート化合物A
とともに留出し、実用上工程が複雑になって不利であ
り、生成する脂環式ジイソシアネート化合物Aより高沸
点のものが好ましい。さらに、生成する脂環式ジイソシ
アネート化合物Aより10℃以上沸点の高い溶媒は後工
程で蒸留により分離精製し易いので特に好ましい。ま
た、溶媒中には経時的に高沸反応副生物が蓄積するの
で、再生を工業的に実施しうる沸点を有する溶媒が望ま
しい。
【0072】好ましい溶媒としては、o−ターフェニ
ル、m−ターフェニル、p−ターフェニル、混合ジフエ
ニルベンゼン、部分水添トリフェニル、ジベンジルベン
ゼン、ビフェニル、フェニルエーテル、フェニルシクロ
ヘキサン、ヘキサデカン、テトラデカン、オクタデカ
ン、アイコサン、ベンジルエーテル、テトラメチレンス
ルホンなどがある。目的とする脂環式ジイソシアネート
化合物Aに応じて好適な溶媒が選ばれるべきであるが、
ジベンジルトルエン、部分水添トリフェニル、m−ター
フェニルが特に好ましい。
【0073】反応は、反応系より生成する脂環式ジイソ
シアネート化合物Aが留出してくる減圧下で実施する。
これにより系中の脂環式ジイソシアネート化合物Aの濃
度が低く保たれ、高い反応収率が達成されるが、この効
果は、溶媒の沸とう下に行なうと特に有効であり、この
点から反応圧力は反応温度で溶媒が沸とうする減圧度で
行なうことが好ましい。減圧度が高すぎると、副生する
アルコールの回収が難しくなり、また、設備的にも用役
面でも不利になるので通常1Torr以上、また、70
0Torr以下が好適である。
【0074】熱分解反応における原料である脂環式ウレ
タン化合物Cと溶媒と触媒は反応系へ連続的に供給され
る。反応器中の溶媒を溶媒中の高沸副生物と共に連続的
に抜き出し、同時に高沸物を含まない溶媒を反応器へ補
充する。後に述べるように抜き出した溶媒の精製、再使
用が有利である。抜き取る溶媒と共に触媒も失なわれる
ので、失なわれたと同じ量の触媒を連続仕込みし、触媒
濃度を一定に保つ。脂環式ウレタン化合物Cと溶媒は、
予め調合し、反応系へ仕込んでもよい。
【0075】触媒として酢酸マンガンを用いる場合、従
来は酢酸マンガンのメタノールに対する溶解性の高さを
利用してメタノール溶液にして用いられていた。溶解の
主な目的は、触媒が固体または粘稠な物質である時、こ
れを溶液化して扱い易くするという点であるが、メタノ
ールの沸点に較べ反応系内の温度は高く、メタノールが
蒸発し触媒が析出することがあった。
【0076】そのメタノール溶液をさらに目的生成物で
ある脂環式ジイソシアネート化合物Aに溶解して添加す
れば脂環式ジイソシアネート化合物Aの沸点は高いの
で、触媒の析出防止に有効である。まず触媒をメタノー
ルに溶かし、触媒の溶液を得る。触媒とメタノールとの
混合比率は、溶液が低粘度の均一溶液となるような比か
それ以上の量のメタノールを用いることが必要である。
メタノールの量が多いと、不経済である。触媒に対して
用いるメタノールの重量比は触媒に応じて選ばれるが通
常触媒の0.2〜1000重量倍を用いるのが好まし
い。この時注意しなければならないことは、メタノール
が脂環式ジイソシアネート化合物Aと反応して脂環式ウ
レタン化合物Cに戻らないようにすることである。
【0077】通常イソシアネート基をもつ化合物より
も、ウレタン基をもつ化合物の方が融点、粘度が高い。
即ち、脂環式ジイソシアネート化合物Aとメタノールが
反応し尽くしても粘度が高くならないような比率にする
のが好ましい。また、脂環式ジイソシアネート化合物A
よりメタノールが過剰となっても、メタノールの希釈効
果で粘度が低く、実施可能であるが、メタノール過剰の
組成では反応系へ仕込んだ時メタノールの気化が激しい
ので加温等の処置が必要となることがある。
【0078】脂環式ジイソシアネート化合物Aに溶けな
い触媒が、メタノール溶解後脂環式ジイソシアネート化
合物Aと混合して均一な液が得られる理由は不明である
が、生成するウレタン結合が極性があり、触媒に配位し
て可溶化する等の可能性が考えられる。メタノールが好
ましい理由は、分解で生成する物質であり、精製系を複
雑にしなくて済む点である。
【0079】反応溶媒が触媒を必要量溶かせば、溶媒溶
液として仕込めるが、反応溶媒は通常無極性で、溶解力
が不充分であることが多く、本方法が有効である。溶液
の混合順序を上記のようにする理由はマンガン化合物が
脂環式ジイソシアネート化合物Aに溶解せずメタノール
に溶解し易いためである。
【0080】また、使用する蒸留塔の段数は、分解する
脂環式ウレタン化合物Cや生成する脂環式ジイソシアネ
ート化合物A、溶媒の物性により選ばれる。段数によら
ず、本方法は有効である。実際的には1段〜100段相
当の蒸留塔で好適に実施しうる。100段以上の塔は設
備費が高価となる。
【0081】蒸留塔への触媒液の仕込みは、塔内であれ
ばどこに仕込んでも反応器中に仕込むのに比して効果は
見られるが、触媒溶液の仕込み位置より下部が反応ゾー
ンとなるので、蒸溜塔における仕込み位置が低すぎると
モノイソシアネートの分解が不充分であるので好ましく
ない。
【0082】逆に、蒸溜塔における仕込み位置が高すぎ
ると、触媒溶液中のモノイソシアネートが留出するの
で、かえって不利であり、バランスする最適位置を、製
造するジイソシアネートに応じて選択する。
【0083】また、溶媒中に経時的に高沸点副生物が生
成し、この副生物が製品である脂環式ジイソシアネート
化合物Aのイソシアネート基と付加反応を起こし、その
ため脂環式ジイソシアネート化合物Aの収率が低下す
る。
【0084】これを防ぐ方法として、反応器中の粗液混
合物を連続的に抜き出してフラッシュ蒸発させて、フラ
ッシュ蒸発器の缶残である高沸点副生物を除去すると同
時に、蒸発した高沸点溶媒リッチの混合気を凝縮させ
て、凝縮された溶媒と未反応の脂環式ウレタン化合物
C、製品である脂環式ジイソシアネート化合物Aなどの
混合液を反応器へ戻すことにより行う。
【0085】勿論フラッシュ蒸溜に変えて蒸溜塔を用い
た蒸溜で高沸点副生物を除去しても差し支えない。この
とき、触媒も抜き出される高沸点副生物に同伴されて失
われるので、相当分を反応系に追加仕込みする。触媒を
回収して再使用することも可能であるが、本発明の方法
で用いる触媒は比較的安価で、また、使用量も少ないの
で、使い捨てにしてもそれほどコストアップにはならな
い。
【0086】なお、熱分解反応においては触媒だけでな
く、助触媒を用いると脂環式ジイソシアネート化合物A
の収率が著しく向上する。用いられる助触媒としては亜
リン酸トリステルが特に好ましい。亜リン酸トリステル
の具体例としては亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリブ
チルなどの亜リン酸トリアルキルエステル、亜リン酸ト
リフェニル、亜リン酸トリトリルなどの亜リン酸トリア
リールエステルなどが挙げられる。
【0087】中でも亜リン酸トリフェニルのような高沸
点のエステルが反応中の揮散が少ないので好ましい。亜
リン酸トリステル使用する場合、その添加量はマンガン
化合物に対して0.01〜10000重量倍であり,
0.01重量倍未満の場合には添加する効果がなく、逆
に10000重量倍を越えても効果がそれ以上向上しな
いので好ましくない。本発明の塩素または塩素化合物を
10ppm以下しか含有していない脂環式ジイソシアネ
ート化合物Aは以上のようにして得られる。
【0088】
【実施例】以下に実施例を示し、さらに詳しく本発明を
説明する。 〔酸化触媒の調製〕メタバナジン酸ナトリウム43.9
0gとモリブテン酸ナトリウム49.32gとを水30
0mlに加えて95℃に加熱し溶解させた溶液に、85
%リン酸45.6gと水60mlとの溶液を加え95℃
で1時間攪拌下で保持した。その後0℃に冷却し、塩化
アンモニウム35.6gと水126mlとの溶液を加え
褐色の沈殿物を得た。沈殿物を濾過し更に沈殿物を水で
2回再結晶してヘテロポリ酸のアンモニウム塩を得た。
得られたヘテロポリ酸のアンモニウム塩を分析した結
果、(NH4)56[PV8Mo440]・9.6H2Oの
組成であった。得られたヘテロポリ酸のアンモニウム塩
200mgと水4000mlとの溶液に活性炭1800
mgを加え1時間攪拌し、室温で放置した。その後濾過
し、水4000mlで洗浄し、80℃で乾燥することに
より活性炭に担持した触媒を得た。
【0089】[合成例−1] 〔3−ホルミル−5,5−ジメチルシクロヘキセノンの
製造〕上記で調製した触媒175g、イソホロン138
g、トルエン2,000gをガラス製フラスコ(容量5
リットル)に入れ、酸素雰囲気下、還流状態で20時間
反応した。反応液をガスクロマトグラフ法により分析し
た結果、イソホロンの93%が反応し、反応したイソホ
ロンの62%が3−ホルミル−5,5−ジメチルシクロ
ヘキセノンに転化していた(収率58重量%)。
【0090】[合成例−2] 〔還元的アミノ化反応〕3−ホルミル−5,5−ジメチ
ルシクロへキセノン50gをメタノール1,000gに
溶解したものに、ラネーニッケル10gおよびアンモニ
ア150gを電磁攪拌式オートクレーブ(容量3リット
ル)に入れ、120℃に昇温後、水素分圧50kgf/
cm2、撹拌機の回転数800〜1,000rpmで2
時間反応を行った。反応終了後オートクレーブを冷却、
放圧した後、反応液を取り出し、触媒を濾別し、メタノ
ールを常圧で溜去すると、41gの物質が得られた。ま
た、得られた物質の97.4重量%が3−アミノメチル
−5,5−ジメチルシクロへキシルアミン(MDMCH
DA)であった。この物質を質量分析、元素分析および
赤外吸収スペクトル分析を行った。 質量分析結果:マススペクトルの分子イオンピーク(m
/e)は、156(理論分子量156)、127、12
6、113、70、56、43であった。 元素分析結果:C=69.5,N=12.7,H=1
7.8各重量%であり、元素組成比はC9220とな
る。
【0091】[合成例−3] 〔工程中でホスゲンを用いずに製造されるジメチルカー
ボネートの合成:一酸化炭素とメタノールを原料とする
ジメチルカーボネートの合成〕テフロンコーティングさ
れた内容積5リットルのオートクレーブを用いてジメチ
ルカーボネートの合成反応を行った。触媒として塩化パ
ラジウム7.5mmol/l、酢酸第一銅187.5m
mol/lおよび塩化マグネシウム187.5mmol
/lのメタノール溶液526mlを用いて窒素ガス4
7.5vol%、アルゴン/酸素(酸素濃度33.0v
ol%)22.5vol%の混合ガスを12.0kg/
cm2で流入させ、オートクレーブ内を130℃に昇温
して1時間反応させた。反応粗液を蒸留してジメチルカ
ーボネートを得た。以上の合成反応を20回繰り返して
行い、234gのジメチルカーボネートを得た。得られ
たジメチルカーボネート中の塩素分は約11ppmであ
った。なお、塩素分の測定にはイオンクロマトグラフ
(IC−500)を使用した。
【0092】[合成例−4]塩化マグネシウムの替わり
に塩化ナトリウムを使用した以外は合成例−3と同様に
20回の合成反応を行い、約352gのジメチルカーボ
ネートを得た。ただし、この場合の反応は触媒が液中に
懸濁した状態で進行した。得られたジメチルカーボネー
ト中の塩素分は約8ppmであった。
【0093】[合成例−5]MDMCHDA78g、ジ
メチルカーボネート360gを攪拌器をセットした丸底
フラスコに仕込み、攪拌、窒素気流下70℃に昇温し
た。次にナトリウムメチラートの28%メタノール溶液
8.9gを10分間で滴下、さらに50分熟成後反応粗
液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、3−メ
トキシカルボニルアミノメチル−5,5−ジメチル−1
−メトキシカルボニルアミノシクロヘキサン(以下、M
DMCHDCと記す)がMDMCHDAに対する収率9
8%で生成していることを確認した。上記反応粗液を脱
低沸物し、さらに水洗処理してMDMCHDCを得、実
施例−1の原料として使用した。
【0094】[合成例−6]ジメチルカーボネート36
0gを攪拌機を備えた丸底フラスコに仕込み、撹拌しな
がら窒素気流下で70℃に昇温した。次に上記フラスコ
中へナトリウムメチラートの28%メタノール溶液8.
9gおよびMDMCHDA78gを2機の仕込みポンプ
により均等な仕込み速度で2時間かけて仕込んだ。この
間反応粗液温度は70℃に保った。さらに、仕込み終了
後、同温度で3時間熟成し、その後リン酸で中和した反
応粗液をガスクロマトグラフィーで分析したところMD
MCHDAに対応するMDMCHDCがMDMCHDA
に対する収率で99%、および消費されたジメチルカー
ボネートに対する収率99%で生成していることを確認
した。
【0095】[合成例−7]合成例−1、合成例−2と
同様の装置で以下の反応を行った。70℃に保持された
ジメチルカーボネート723.1gが仕込まれている反
応器中にMDMCHDA163.1g、ナトリウムメチ
ラートの28%メタノール溶液17.3gを4分割した
ものを30分毎に滴下させながら仕込んだ。滴下終了
後、更に1時間70℃で熟成し、1/10規定HClO
4で滴定し、メチラート分の補正を行った結果、99.
6%の転化率でアミンが転化していることを確認した。
その後85%リン酸7.5gで中和した反応粗液をガス
クロマトグラフィーで分析したところ、MDMCHDC
がMDMCHDAに対して98.8%の収率で生成して
いることを確認した。
【0096】実施例−1 還流器つきガラス製10段オルダーショー塔に300m
lフラスコをセットし、新日鉄化学製サームS900溶
媒(部分水添トリフェニル)100g、酢酸マンガン4
水物0.05gを仕込み、減圧下に加熱、缶液が230
℃で沸とうするよう減圧度を調整した。次に3−メトキ
シカルボニルアミノメチル−5,5−ジメチル−1−メ
トキシカルボニルアミノシロクヘキサン(略記号MDM
CHDC)を流動する温度に熱媒で加温した二重管式滴
下漏斗より66.8g/Hrの速度でフラスコに滴下し
た。仕込み開始後、塔内に3−イソシアネートメチル−
5,5−ジメチルシクロへキシルイソシアネート(MD
MCHDI)に富む液が上がって来たので、これをMD
MCHDCの滴下速度に見合う留出速度で塔頂より留出
させた。2時間運転後、イソシアネートの発生がなくな
るまで留出を続けた後、運転を停止した。仕込んだMD
MCHDCに対し溜出液中に76%収率でMDMCHD
Cの存在が確認された。また、生成した脂環式ポリイソ
シアネート化合物が3−イソシアネートメチル−5,5
−ジメチルシクロへキシルイソシアネートであること
は、下記元素分析、赤外線吸収スペクトル、NMRスペ
クトル、イソシアネート基含量により確認された。 元素分析結果:C=64.0,H=7.7,N=13.
0,残りOとして=15.3であり、元素組成比C11
1622となる。なお、脂環式ジイソシアネート化合物
のイソシアネート基含量を滴定法により求めた結果、理
論値40.4重量%に対し39.3重量%であった。
【0097】実施例−2 20段オルダーショー塔をセットした200ml容量の
ガラスリボイラーを用いて、3−メトキシカルボニルア
ミノメチル−5,5−ジメチル−1−メトキシカルボニ
ルアミノシロクヘキサン(略記号MDMCHDC)の連
続分解を行なった。溶媒としてはm−ターフェニルを用
いた。リボイラーに最初200mlのm−ターフェニル
と対m−ターフェニル10ppm相当の無水酢酸マンガ
ンを仕込み、10Torrの減圧下沸とう状態になる迄
加熱した。次いでMDMCHDC59.0重量%、m−
ターフェニル41.0重量%の混合液を113.8g/
Hrの速度で仕込んだ。MDMCHDCのm−ターフェ
ニル溶液はオルダーショー塔の下から5段目に仕込ん
だ。蒸留塔塔頂部より生成物であるMDMCHDIを抜
き取り、またりボイラ液面が一定となる様な缶出液抜取
速度で運転を行なった。コンデンサーには60℃の温水
を流し、MDMCHDI分を凝縮しメタノールはガスと
して、逃がした。運転中、反応器中の無水酢酸マンガン
濃度が10ppmに保たれるよう、缶出液量に対応して
125ppm無水酢酸マンガンメタノール溶液を反応液
中へ仕込んだ。125ppm無水酢酸マンガン溶液は無
水酢酸マンガンをメタノール中1重量%になるように溶
解しこの溶液をMDMCHDIで80倍に希釈して調製
した。液は均一でかつ、低粘度の液体であった。触媒溶
液はオルダーショー塔の下から13段目に仕込んだ。塔
内温度、留出液、缶出液の各重量、組成が安定した時点
で留出液は1時間で52g留出しMDMCHDI98.
2重量%、m−ターフェニル0.05重量%であった。
【0098】[全塩素含有量の測定]得られたMDMC
HDI中の全塩素含有量はASTM D−1638の方
法に基づいて測定した。実施例−2で得られたMDMC
HDI中の全塩素含有量は0.2ppmであった。一
方、ホスゲン法で製造されたMDMCHDI中の全塩素
含有量を同様にして測定した結果,215ppmである
ことが確認された。また、実施例−1で得られたMDM
CHDI中の全塩素含有量も0.2ppmであった。
【0099】
【発明の効果】塩素分を10ppm以下しか含有してい
ない脂環式ジイソシアネート化合物Aを用いることによ
ってウレタン塗料あるいはその他のポリウレタン工業製
品の耐蝕性が向上する。また、塩素イオンによってウレ
タン化触媒が阻害されることもない。したがって、触媒
使用量を減少させることが可能である。その結果とし
て、ポリウレタン中のアミン、金属塩等の含有量が低下
するためポリウレタンの耐候性、耐湿性および耐熱性が
向上する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H006 AA01 AB46 AC52 AC55 BA02 BA14 BA16 BA20 BA21 BA25 BA26 BA30 BA32 BA45 BA55 BE14 BE20 4J034 HA01 HA07 HC17 HC22 HC46 HC61 HC71 HC73 QB15 QC01 RA07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩素分の含有率が10ppm以下である
    ことを特徴とする一般式(1)で表される脂環式ジイソ
    シアネート化合物。 【化1】
  2. 【請求項2】 一般式(1)中のY1が炭素数1〜10
    のアルキレン基である請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】 一般式(1)で表される脂環式ジイソシ
    アネート化合物が3−イソシアネートメチル−5,5−
    ジメチルシクロヘキシルイソシアネートである請求項1
    記載の化合物。
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