JP2000044405A - 有害生物防除薬剤 - Google Patents

有害生物防除薬剤

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JP2000044405A
JP2000044405A JP10220133A JP22013398A JP2000044405A JP 2000044405 A JP2000044405 A JP 2000044405A JP 10220133 A JP10220133 A JP 10220133A JP 22013398 A JP22013398 A JP 22013398A JP 2000044405 A JP2000044405 A JP 2000044405A
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勝利 藤井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、エチレングリコールエステル誘導
体を有効成分として含有することを特徴とする有害生物
防除薬剤を提供することを課題とする。 【解決手段】 本発明の有害生物防除薬剤は、次式
(1): 【化1】 (式中、R1はC1〜10のアルキル基を表し:R2はC
1〜10のアルキル基、C1〜10のハロアルキル基又
はハロゲン原子,C1〜4のアルキル基,C1〜4のハ
ロアルキル基,C1〜4個のアルコキシ基もしくは水酸
基で置換されてもよいフェニル基を表し、nは1〜4の
整数を表わす。)で示されるエチレングリコールエステ
ル誘導体を有効成分として含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエチレングリコール
エステル誘導体を有効成分として含有することを特徴と
する屋内ダニ類、土壌センチュウ類、マツノザイセンチ
ュウ等の有害生物防除薬剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本発明の様なエチレングリコールエステ
ル誘導体は、特開平8−34760号公報に抗菌剤とし
て、また、特開平6−128104号公報に防菌、防黴
剤としての用途が知られている。しかしながら、難防除
害虫である屋内ダニ類、マツノザイセンチュウ、土壌セ
ンチュウ類等の有害生物に対して有用であることは知ら
れていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】難防除害虫ついての課
題は、次の通りである。 (屋内ダニ類)屋内で生息するコナダニ、チリダニ、ホ
コリダニなどの屋内ダニ類は、居住環境の変化から、居
住者に対して不快感を与えるだけでなく、アレルギーの
一因になると考えられるようになってきている。屋内ダ
ニ類の防除薬剤としては、現在、スミチオン、ダイアジ
ノンなどの有機リン剤やプロポキサール、カルバリルな
どのカーバメート剤、ペルメトリン、レスメスリンなど
のピレスロイド剤が知られている。しかしながら、これ
らの剤の効果は十分とはいえず、新剤が要望されてい
る。
【0004】(マツノザイセンチュウ)いわゆる「松枯
れ」は、日本では北海道を除く地域で広く認められる。
その原因がマツノマダラカミキリを媒介昆虫としてマツ
ノザイセンチュウで引き起こされることが、究明されて
以来、媒介昆虫であるマツノマダラカミキリの防除とマ
ツノザイセンチュウ防除の両面で進められてきた。前者
では、空中散布による防除実施されて、ある程度の成果
は認められるものの、人畜毒性、環境毒性など考慮する
必要がある。後者は、樹幹注入剤による樹木ごと防除が
なされてきた。しかしながら、何れの場合も十分な効果
が得られず、新剤が要望されている。
【0005】(土壌センチュウ類)植物に寄生する線虫
は、多くの作物に多大は被害を与える。このため、種々
の殺線虫剤が使用されてきた。しかしながら、これらの
薬剤の効力は以下の通り必ずしも十分とはいえない。殺
線虫剤は、燻蒸剤と非燻蒸剤に大別され、燻蒸剤による
防除が多くの場面で使用されてきた。しかし、近年環境
汚染の問題から、燻蒸剤として使用されてきた多くの化
合物が、オゾン層の破壊、地下水汚染及び土壌中の微生
物への影響から、使用中止又は使用制限が提案されてい
る。また、非燻蒸剤も接触粒剤の型で使用されてきた
が、哺乳動物に対する毒性が高いものが多く、さらに効
果の安定性で劣る点で、新剤が要望されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はエチレングリ
コールエステル誘導体を有効成分として含有することを
特徴とする、難防除害虫である屋内ダニ類、マツノザイ
センチュウ、土壌センチュウ類等の有害生物防除薬剤を
提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するために検討した結果、特開平8−3476
0号公報に抗菌剤として、また、特開平6−12810
4号公報に防菌、防黴剤としての用途が知られている 次式(1):
【0008】
【化2】
【0009】(式中、R1は炭素原子数1〜10個のア
ルキル基を表し:R2は炭素原子数1〜10個のアルキ
ル基、炭素原子数1〜10個のハロアルキル基又はハロ
ゲン原子,炭素原子数1〜4個のアルキル基,炭素原子
数1〜4個のハロアルキル基,炭素原子数1〜4個のア
ルコキシ基もしくは水酸基で置換されてもよいフェニル
基を表し、nは1〜4の整数を表わす。)で示されるエ
チレングリコールエステル誘導体が、屋内ダニ類、土壌
センチュウ類、マツノザイセンチュウ等の有害生物防除
剤として有効であることを見い出し、本発明を完成し
た。
【0010】
【発明実施の形態】以下、本発明について詳細に説明す
る。前記化合物(1)で表わした各種の置換基などは、
以下の通りである。R1は炭素原子数1〜10個のアル
キル基を表わす。R2は炭素原子数1〜10個のアルキ
ル基、炭素原子数1〜10個のハロアルキル基又はハロ
ゲン原子,炭素原子数1〜4個のアルキル基,炭素原子
数1〜4個のハロアルキル基,炭素原子数1〜4個のア
ルコキシ基もしくは水酸基で置換されてもよいフェニル
基を表わす。nは1〜4の整数を表わす。
【0011】R1における炭素原子数1〜10個のアル
キル基としては、直鎖状又は分岐状のアルキル基を倣す
が、エチル基、n-ブチル基、n-ヘキシル基が好ましい。
2における炭素原子数1〜10個のアルキル基として
は、直鎖状又は分岐状のアルキル基を表わすが、メチル
基、n-ブチル基、t-ブチル基が好ましい。R2における
炭素原子数1〜10個のハロアルキル基としては、炭素
原子数1〜3個のハロゲン原子で置換されて直鎖状又は
分岐状のハロアルキル基を表わすが、クロロメチル基、
ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、ブロモメチル
基、トリフルオロメチル基、2−クロロエチル基、1−
ブロモエチル基が好ましい。R2におけるハロゲン原
子,炭素原子数1〜4個のアルキル基,炭素原子数1〜
4個のハロアルキル基,炭素原子数1〜4個のアルコキ
シ基もしくは水酸基で置換されてもよいフェニル基とし
ては、1〜2個の置換基で置換されてもよいフェニル基
が挙げられるが、フェニル基,4−クロロフェニル基,
4−トリフルオロメチルフェニル基,2,6−ジフルオ
ロフェニル基,2−ヒドロキシフェニル基が好ましい。
nは1〜4の整数を表わすが、1、2及び3が好まし
い。
【0012】化合物(1)としては、前記の各種の置換
基を組み合わせたものを挙げることができるが、薬効の
面から好ましいものは、次の通りである。 (1)R1が炭素原子数1〜10個のアルキル基であ
り、R2が炭素原子数1〜10個のアルキル基であり、
nが1又は2である化合物(1)。 (2)R1が炭素原子数1〜10個のアルキル基であ
り、R2がフェニル基であり、nが2である化合物
(1)。 (3)R1が炭素原子数1〜10個のアルキル基であ
り、R2が炭素原子数1〜10個のハロアルキル基であ
り、nが1又は2である化合物(1)。 化合物(1)の製造は、以下に示す2つの方法によって
行うことができる。 [製造法1]
【0013】
【化3】 (式中、R1、R2及びnは前記と同義である。)
【0014】反応は、酸触媒の存在下に無溶媒又は溶媒
を使用して行なうことができる。原料のモル比は任意に
設定できるが、通常、化合物(2)1モルに対して化合
物(3)は0.5〜2モルの割合である。溶媒の種類と
しては、本反応に直接関与しないものであれば特に限定
されず、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチ
ルナフタリン、石油エーテル、リグロイン、ヘキサン、
クロルベンゼン、ジクロルベンゼン、ジクロロメタン、
クロロホルム、ジクロルエタン、トリクロルエチレンの
ような塩素化された又はされていない芳香族、脂肪族、
脂環式の炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、ジエチルエーテルなどのようなエーテル類;及び前
期溶媒の混合物などを挙げることができる。溶媒の使用
量は、化合物(2)が5〜100重量%になるようにし
て使用することができるが;50〜100重量%が好ま
しい。
【0015】触媒として用いる酸の種類としては、特に
限定されず、有機及び無機酸、例えばp-トルエンスルホ
ン酸、メタンスルホン酸などのような芳香族或いは脂肪
族スルホン酸、硫酸、塩酸などのような無機酸を挙げる
ことができる。酸の使用量は、触媒量である。反応温度
は、特に限定されないが、室温から溶媒の沸点以下の温
度範囲内であり;好ましくは50〜110℃である。反
応時間は、前記の濃度、温度によって変化するが;通常
0.5〜2時間である。原料化合物(2)及び原料化合
物(3)は、市販品として入手することができる。 [製造法2]
【0016】
【化4】
【0017】(式中、R1、R2及びnは前記と同義であ
り、Xはクロル原子及びブロム原子などのハロゲン原子
を表わす。) 原料のモル比は任意に設定できるが、通常、化合物
(2)1モルに対して化合物(4)は0.5〜2モルの
割合である。溶媒の種類としては、本反応に直接関与し
ないものであれば特に限定されず、例えば、ベンゼン、
トルエン、キシレン、メチルナフタリン、石油エーテ
ル、リグロイン、ヘキサン、クロルベンゼン、ジクロル
ベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロルエ
タン、トリクロルエチレンのような塩素化された又はさ
れていない芳香族、脂肪族、脂環式の炭化水素類;テト
ラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテルなどの
ようなエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリル
などのようなニトリル類、アセトン、メチルエチルケト
ンなどのようなケトン類、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、N,N−ジメ
チルイミダゾリジノン、N−メチルピロリドンなどのよ
うな非プロトン性極性溶媒;及び前記溶媒の混合物など
を挙げることができる。
【0018】溶媒の使用量は、化合物(2)が5〜80
重量%になるようにして使用することができるが;10
〜70重量%が好ましい。塩基の種類としては、特に限
定されず、有機及び無機塩基、例えばトリエチルアミン
のような第3級アミン、ピリジン、ピペリジンなどのよ
うな芳香族或いは非芳香族のへテロ環、アルカリ金属及
びアルカリ土類金属の水素化物、水酸化物、炭酸塩、炭
酸水素塩、ナトリウムメチラート、カリウム−t−ブト
キサイドなどのようなアルカリ金属アルコラートを挙げ
ることができる。塩基の使用量は、化合物(2)に対し
て1〜5倍モルであるが;好ましくは1.0〜1.5倍
モルである。
【0019】反応温度は、特に限定されないが、−20
℃から溶媒の沸点以下の温度範囲内であり;好ましくは
氷冷〜60℃である。反応時間は、前記の濃度、温度に
よって変化するが;通常0.5〜2時間である。原料化
合物(2)及び原料化合物(3)は、市販品として入手
することができる。本発明の防除の対象となる屋内ダニ
類としては、例えば、ヒョウヒダニ科のコナヒョウヒダ
ニ、ヤケヒョウヒダニ、コナダニ科のケナガコナダニ、
ムギコナダニ、動物寄生性としては、ニクダニ類、ツメ
ダニ類、ホコリダニ類などを挙げることができる。
【0020】本発明の防除の対象となる土壌センチュウ
類としては、例えば、ネコブセンチュウ、シストセンチ
ュウ、ネグサレセンチュウ、シンガレセンチュウなどを
挙げることができる。本発明の農園芸用の有害生物防除
剤は、特に、屋内ダニ類、土壌センチュウ類、マツノザ
イセンチュウに対する効果が顕著であり、化合物(1)
の1種以上を有効成分として含有するものである。化合
物(1)は、単独で使用することもできるが、通常は常
法によって、希釈剤、界面活性剤、分散剤、補助剤など
を配合し、例えば、扮剤、乳剤、微粒剤、粒剤、水和
剤、顆粒水和剤、水性懸濁剤、油性の懸濁剤、乳濁剤、
可溶化製剤、油剤、マイクロカプセル剤、エアゾールな
どの組成物として調整して使用することが好ましい。
【0021】固体希釈剤としては、例えば、タルク,ベ
ントナイト,モンモリロナイト,クレー,カオリン,炭
酸カルシウム,ケイソウ土,ホワイトカーボン,バーミ
キュライト,消石灰,ケイ砂,硫安,尿素などが挙げら
れる。液体希釈剤としては、例えば、炭化水素類、例え
ば、ケロシン,鉱油など;芳香族炭化水素、例えば、ベ
ンゼン,トルエン,キシレン、ジメチルナフタレン、ジ
メチルキシリルエタンなど;塩素化炭化水素類、例え
ば、クロロホルム,四塩化炭素など;エーテル類、例え
ば、ジオキサン,テトラヒドロフランなど;ケトン類、
例えば、アセトン,シクロヘキサノン,イソホロンな
ど;エステル類、例えば、酢酸エチル,エチレングリコ
ールアセテート,マレイン酸ジブチルなど;アルコール
類、例えば、メタノール,n−ヘキサノール,エチレン
グリコールなど;極性溶媒類、例えば、N,N−ジメチ
ルホルムアミド,ジメチルスルホキシド,N−メチルピ
ロリドンなど;水などが挙げられる。個着剤及び分散剤
としては、例えば、カゼイン、ポリビニルアルコール、
カルボキシメチルセルロース、ベントナイト、ザンサン
ガム、アラビアガムなどが、挙げられる。エアゾール噴
射剤としては、例えば、空気,窒素,炭酸ガス,プロパ
ン,ハロゲン化炭化水素などが挙げられる。安定剤とし
ては、例えば、PAP,BHTなどが挙げられる。
【0022】界面活性剤としては、例えば、アルキルサ
ルフェート塩,アルキルスルホン酸塩,アルキルベンゼ
ンスルホン酸塩,リグニンスルホン酸塩,ジアルキルス
ルホコハク酸塩,ナフタレンスルホン酸塩縮合物,ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル,ポリオキシエチレン
アリルエーテル,ポリオキシエチレンアルキルエステ
ル,アルキルソルビタンエステル,ポリオキシエチレン
ソルビタンエステル,ポリオキシエチレンアルキルアミ
ンなどを挙げることができる。本剤の製造では、前記の
希釈剤,界面活性剤,分散剤及び補助剤をそれぞれの目
的に応じて、各々単独で又は適当に組み合わせて使用す
ることができる。本発明の化合物(1)を製剤化した場
合の有効成分濃度は、乳剤では通常1〜50重量%,粉
剤では通常0.3〜25重量%,水和剤及び顆粒水和剤
では通常1〜90重量%,粒剤では通常0.5〜10重
量%,懸濁剤では通常0.5〜40重量%,乳濁剤では
通常1〜30重量%,可溶化製剤では通常0.5〜20
重量%,油剤では0.1〜50重量%,エアゾールでは
通常0.1〜5重量%である。
【0023】これらの製剤を適当な濃度に希釈して、そ
れぞれの目的に応じて、植物茎葉,土壌,水田の水面に
散布するか、又は直接施用することによって各種の用途
に供することができる。
【0024】また、配合剤としては、乳化剤、分散剤、
展着剤、噴射剤、浸透剤、界面活性剤、安定剤、塗膜形
成剤、揮散調整剤などが適当であり、これらの1種又は
2種以上の混合物を使用することができる。更に、本発
明の有害生物防除薬剤は、各種の殺虫剤、協力剤、酸化
防止剤、殺菌剤、防かび剤、忌避剤、香料、着色料など
と配合してもよい。配合可能な殺虫剤としては、屋内ダ
ニ類の場合はアレスリン、ペルメトリン、レスメスリン
などのピレスロイド剤、スミチオン、ダイアジノンなど
の有機リン剤、プロポキザール、カルバリルなどのカー
バメート剤などを挙げることができる。マツノザイセン
チュウの場合は酒石酸トランスモランテルやメスルフェ
ンポス、エマメクチン、ミルベメクチンなどマクロライ
ド系薬剤を挙げることができる。本発明の有害生物防除
薬剤の有効成分量及び使用量はその剤型や適用対象、適
用方法、適用場所などに応じて適宜決定することができ
る。
【0025】例えば、本発明化合物(1)を有効成分と
して屋内ダニを散布防除する場合、その施用量は、屋内
の適用空間1m3あたり、有効成分が10mg以上であ
るのが望ましい。また、畳やカーペットに処理する場合
は、処理面積1m2あたり、有効成分が1mg以上であ
るのが望ましい。また、本発明化合物(1)を有効成分
として基材に保持させてなるダニ防除剤を提供すること
もできる。基材としては、例えば、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリエステルなどの合成樹脂シートや天然
繊維、紙などを用いることができる。本発明化合物
(1)を有効成分としてマツノザイセンチュウを防除す
る場合の施用法としては、松類の樹幹に注射するなり、
穴をあけた後、本組成物を埋め込んだり、注入したりす
る方法を取ることができる。以下、本発明を参考例及び
実施例によって具体的に説明する。なお、これらの実施
例は、本発明を限定するものではない。
【0026】
【参考例】参考例1〔化合物(1)の合成〕 (1)n-ヘキシルオキシエチルアセテート(化合物番号
1)の合成 エチレングリコールモノn-ヘキシルエーテル(14.6
g)と無水酢酸(20.2g)の混合液に硫酸1滴を加
え、100℃で1時間加熱撹拌した。反応終了後、水
(100ml)を加え、n-ヘキサン(50ml)で2回
抽出した。抽出液を5%炭酸水素ナトリウム水溶液(1
00ml)で2回、水(100ml)で2回洗浄後、無
水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下に溶媒を留去
し、得られた油状物をクーゲルロール蒸留装置を用いて
蒸留し、無色液体である目的物10.5gをを得た(収
率:56%)。
【0027】(2)2−(n-ヘキシルオキシ)エチルクロ
ロアセテート(化合物番号5)の合成 クロロアセチルクロライド(11.3g)をn-ヘキサン
(40ml)に溶解し、氷冷撹拌下にエチレングリコー
ルモノn-ヘキシルエーテル(29.3g)とトリエチル
アミン(30ml)の溶液を滴下した。滴下終了後、1
時間撹拌し、水(100ml)を加え、n-ヘキサン(5
0ml)で2回抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た。減圧下に溶媒を留去し、得られた油状物をクーゲル
ロール蒸留装置を用いて蒸留し、無色液体である目的物
16.2gを得た(収率:73%)。
【0028】(3)2−[2−(エチルオキシ)エチルオ
キシ]エチル4-トリフルオロメチルベンゾエート(化合
物番号29)の合成 ジエチレングリコールモノエチルエーテル(2.5g)
とトリエチルアミン(3g)をトルエン(30ml)に
溶解し、氷冷撹拌下に4−トリフルオロメチルベンゾイ
ルクロライド(4.1g)のトルエン(30ml)溶液
を滴下した。滴下終了後、室温で1時間、50℃で1時
間撹拌し反応を完結させた。水(100ml)を加え、
トルエン層を分取し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液
(100ml)で2回、水(100ml)で2回洗浄
後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下に溶媒を
留去し、得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(ワコーゲルC−200,トルエン:酢酸エチ
ル=4:1で溶出)で精製することにより、無色液体で
ある目的物5.7gを得た(収率:93%)。
【0029】(4)表1及び2中のその他の化合物
(1)の合成 前記(1)〜(3)の方法に準じて、表1及び2中のそ
の他の化合物(1)を合成した。以上の様にして合成し
た化合物(1)及びそれらの物性を表1及び2に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】実施例1〔製剤の調製〕 (1)粒剤の調製 化合物(1)を5重量部、ベントナイト35重量部、タ
ルク57重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ1
重量部及びリグニンスルホン酸ソーダ2重量部を均一に
混合し、次いで少量の水を添加して混練した後、押出し
造粒、乾燥して粒剤を得た。
【0033】(2)水和剤の調製 化合物(1)を10重量部、カオリンクレー70重量
部、ホワイトカーボン18重量部、ドデシルベンゼンス
ルホン酸ソーダ1.5重量部及び無水マレイン酸イソブ
チレンコポリマーナトリウム塩0.5重量部を均一に混
合し、次いでエアミル粉砕して水和剤を得た。
【0034】(3)乳剤の調製 化合物(1)を10重量部、N−メチルピロリドン30
重量部、キシレン10重量部、フェニルキシリルエタン
40重量部及びソルポール3005X(商品名;東邦化
学製)10重量部を加えて均一に混合し、溶解して乳剤
を得た。
【0035】(4)粉剤の調製 化合物(1)を5重量部、タルク50重量部及びカオリ
ンクレー45重量部を均一に混合して粉剤を得た。
【0036】(5)油剤 化合物(1)を0.2重量部、キシレン2重量部および
白灯油97.8重量部を混合して油剤を得た。
【0037】(6)シート剤 長さ2.5cm、幅0.5cmのろ紙に化合物(1)の
所定量を適量のアセトンに溶解した溶液を均一に含浸し
(ろ紙に1g/m2含浸させた)、風乾して防ダニシー
トを得た。
【0038】実施例2〔効力試験〕 (1)室内ダニ(ケナガコナダニ)に対する効力試験 実施例1の(6)に記載の方法に準じて、表1及び2に
示す化合物(1)の所定量を含浸させ、防ダニシートを
調製した。各ろ紙片2枚を6ml容の各スクリューキャ
ップ付き管瓶に入れ、各々10頭のケナガコナダニを放
って、1週間後にダニの生死虫数を数え死虫率を求め
た。殺虫効果の判定は、死虫率の範囲により4段階(1
00%=A、50〜99%=B、1〜49%=C、0%
=D)で示した。その結果を、表3に示す。
【0039】
【表3】
【0040】(2)マツノザイセンチュウに対する効力
試験(浸漬試験) 精白大麦25gと3%蔗糖水溶液25mlとを径9cm
シャーレに入れてオートクレーブ滅菌し、これに灰色か
び病菌を接種し、培地一面に広がるまで培養した。この
培地にマツノザイセンチュウを接種し増殖させた後、ベ
ールマン漏斗法で培地からマツノザイセンチュウを分離
遊出させた。次に、96穴マイクロプレートの各ウエル
に、実施例1に準じて調製した表1及び2に示す化合物
(1)の各水和剤を水で各々30ppmに希釈した薬液
を入れ、各ウエルに上記マツノザイセンチュウ100頭
を放った.マイクロプレートは25℃の定温室に放置
し、2日後に顕微鏡(40倍視野)下で生死虫数を数え
て殺センチュウ率を求めた。殺センチュウ効果の評価の
結果は、殺センチュウ率の範囲によって、4段階(A:
100%、B:100未満〜80%、C:80未満〜6
0%、D:60未満)で示した。その結果を、表4に示
す。
【0041】
【表4】
【0042】(3)土壌センチュウ(サツマイモネコブ
センチュウ)に対する効力試験 96穴プレートの各ウエルに、実施例1に準じて調製し
た表1及び2に示す化合物(1)の各水和剤を水で各々
30ppmに希釈した薬液を入れ、各ウエルにサツマイ
モネコブセンチュウの2期幼虫100頭を放った。次
に、25℃の定温室に放置し、2日後に顕微鏡(40倍
視野)で生死虫数を数えて殺センチュウ率を求めた。殺
センチュウ効果の評価の結果を、前記(2)に記載した
4段階の評価方法で表5に示す。
【0043】
【表5】
【発明の効果】本発明のエチレングリコールエステル誘
導体を有効成分として含有することを特徴とする有害生
物防除薬剤は、難防除害虫である屋内ダニ類、マツノザ
イセンチュウ、土壌センチュウ類を効果的に防除するこ
とができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式(1): 【化1】 (式中、R1は炭素原子数1〜10個のアルキル基を表
    し:R2は炭素原子数1〜10個のアルキル基、炭素原
    子数1〜10個のハロアルキル基又はハロゲン原子,炭
    素原子数1〜4個のアルキル基,炭素原子数1〜4個の
    ハロアルキル基,炭素原子数1〜4個のアルコキシ基も
    しくは水酸基で置換されてもよいフェニル基を表し、n
    は1〜4の整数を表わす。)で示されるエチレングリコ
    ールエステル誘導体を有効成分として含有することを特
    徴とする有害生物防除薬剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007508244A (ja) * 2003-08-01 2007-04-05 バイオコン・リミテッド 加水分解可能なプロドラッグのためのアリールカルバメートオリゴマーおよびこれを含むプロドラッグ
US20120259049A1 (en) * 2011-04-08 2012-10-11 Donate Felipe A Low/zero voc glycol ether-esters and use as clean-up solvents and paint thinners

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