JP2000043506A - 二輪自動車用空気入りタイヤ - Google Patents
二輪自動車用空気入りタイヤInfo
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Abstract
性能を満足させた二輪自動車用空気入りタイヤを提供す
ることにある。 【解決手段】 対をなすビードコア2,2 間でトロイド状
に延びるカーカス3 のクラウン部4 とトレッド部5 との
間に、コード6 をタイヤ赤道面7 に対して実質上平行に
配列してなる少なくとも1層の周方向ベルト層8 を具
え、周方向ベルト層8 は、1本乃至複数本のコードをゴ
ム被覆してなる長尺の被覆コード、又は複数本のコード
を帯状にゴム引きしてなる帯状プライをらせん巻回する
ことにより形成し、二輪自動車に装着するタイヤのう
ち、少なくとも前輪タイヤは、周方向ベルト層8 とカー
カスクラウン部4 との間に、室温でのゴム硬さが55〜8
5、ゴム厚さが0.4 〜2.0 mmである少なくとも1層の硬
ゴム層9 を具えることを特徴とする。
Description
とも1層の周方向ベルト層で構成してなる二輪自動車用
空気入りタイヤ、特に二輪自動車の前輪に装着したタイ
ヤ(以下、「前輪タイヤ」という。)に関するものであ
り、より具体的には、良好な操舵性を維持しつつ、路面
の凹凸乗り越し時などに発生しがちな微小振動、いわゆ
るシミーの発生を抑制し、走行時の直進安定性を高め
る。
ルト構造を、2層以上のコードゴム引き層をこれらのコ
ードがタイヤ赤道面を挟んで交差配置となるように積層
した、いわゆる交差ベルト構造にするのが一般的であ
る。
量化に伴い、二輪自動車の後輪に装着するタイヤ(以
下、「後輪タイヤ」という。)については、高速耐久性
の向上を図ることを主な目的として、ベルトを、交差ベ
ルトで構成する代わりに、コードがタイヤ赤道面に対し
実質上の平行配列になる周方向ベルト層で構成したタイ
ヤが開発されるようになってきた。
イヤについては、ハンドリング等の操舵性が特に重視さ
れるため、仮にベルトを周方向ベルト層で構成した上記
タイヤを前輪タイヤに適用したとしても、そのままでは
タイヤの曲げ剛性が十分に得られず、満足な操舵性が得
られなかった。
自動車においては、路面の凹凸乗り越し時などに発生し
がちな微小振動、いわゆるシミーの発生に伴う直進安定
性の悪化が問題になるようになり、そのため、シミーの
発生を抑制するための手段を開発する必要があった。
は、例えばタイヤを柔軟な構造にして振動吸収性を向上
させることが有用であり、この振動吸収性は、ベルトを
交差ベルトで構成したタイヤに比べて、ベルトを周方向
ベルト層で構成したタイヤの方が優れている。
向ベルト層で構成するとともに、周方向ベルト層とカー
カスクラウン部の間に硬ゴム層を適正に配設することに
より、シミーの発生が少なく、走行時の直進安定性に優
れ、ベルトを交差ベルトで構成した従来タイヤと同等レ
ベルの操舵性を有する二輪自動車用空気入りタイヤ、特
に前輪タイヤを提供することにある。
め、この発明の二輪自動車用空気入りタイヤは、対をな
すビードコア間でトロイド状に延びるカーカスのクラウ
ン部とトレッド部との間に、コードをタイヤ赤道面に対
して実質上平行に配列してなる少なくとも1層の周方向
ベルト層を具える二輪自動車用空気入りタイヤにおい
て、周方向ベルト層は、1本乃至複数本のコードをゴム
被覆してなる長尺の被覆コード、又は複数本のコードを
帯状にゴム引きしてなる帯状プライをらせん巻回するこ
とにより形成し、二輪自動車に装着するタイヤのうち、
少なくとも前輪タイヤは、周方向ベルト層とカーカスク
ラウン部との間に、室温でのゴム硬さが55〜85、ゴム厚
さが0.4 〜2.0 mmである少なくとも1層の硬ゴム層を具
えることにある。
上」平行に配列するとは、被覆コードをらせん巻回して
周方向ベルト層を形成する場合には、コードをタイヤ赤
道面に対し幾分傾斜する角度で配設せざるをえないた
め、この場合を含めるためである。また、ゴム硬さの測
定は、JIS K 6253(1993)に規定するデュロメータ硬さ試
験( タイプA) により行った。
側方域に仮想区分するとき、少なくとも前輪タイヤは、
シミー性能を重視する場合には、周方向ベルト層を少な
くとも中央域全域にわたって配設し、かつ、硬ゴム層を
周方向ベルト層の幅と実質的に同等な幅で配設すること
が好ましく、また、直進走行時と旋回走行時の双方の操
舵性をより一層バランスよく満足させる必要がある場合
には、周方向ベルト層を少なくとも中央域全域にわたっ
て配設し、かつ、硬ゴム層を2分割し、各分割した硬ゴ
ム層をそれぞれの側方域内に配設することが好ましい。
図1に示すようにトレッド部を展開した状態にて、タイ
ヤ赤道面を中心とする領域であって、かつトレッド幅の
20〜30%の幅の領域を意味し、両側方域とは、中央
域の両側に位置するトレッド部の領域を意味する。
面を参照しながら以下に説明する。図1は、この発明に
従う二輪自動車用空気入りタイヤの代表的な幅方向断面
であり、図中1は二輪自動車用空気入りタイヤ、2はビ
ードコア、3はカーカス、4はカーカス3のクラウン
部、5はトレッド部、7はタイヤ赤道面、8は周方向ベ
ルト層、9は硬ゴム層である。
ア2,2間でトロイド状に延びるカーカス3のクラウン
部4とトレッド部5との間に、コード6をタイヤ赤道面
7に対して実質上平行に配列してなる少なくとも1層の
周方向ベルト層8を具えている。
構成する周方向ベルト層8を、1本乃至複数本のコード
をゴム被覆してなる長尺の被覆コード、又は複数本のコ
ードを帯状にゴム引きしてなる帯状プライをらせん巻回
することにより形成したタイヤであって、少なくとも前
輪タイヤを、周方向ベルト層8とカーカスクラウン部4
との間に、室温でのゴム硬さが55〜85、ゴム厚さが0.4
〜2.0 mmである少なくとも1層の硬ゴム層9を具えるこ
とにあり、この構成を採用することによって、シミーの
発生が少なく、走行時の直進安定性に優れ、しかも、ベ
ルトを交差ベルトで構成した従来タイヤと同等レベルの
操舵性を有する二輪自動車用空気入りタイヤ、特に前輪
タイヤを提供することが可能になる。
した周方向ベルト層8で構成することにより、高速耐久
性の向上が図れることに加えて、ベルトを交差ベルトで
構成した従来タイヤに比べてタイヤ構造が柔軟になり振
動吸収性が向上するため、シミーの発生が抑制され、走
行時の直進安定性が向上する。
ルト層8で構成したタイヤは、ベルトを交差ベルトで構
成したタイヤに比べると、ベルトの幅方向曲げ剛性が柔
軟になりすぎるため、特に高速コーナリング走行時など
のように過酷な走行条件下では十分な操舵性が得られな
い。
巻回した周方向ベルト層で構成することに加えて、さら
に、周方向ベルト層8とカーカスクラウン部4との間に
比較的高剛性の硬ゴム層9を配設し、不足しがちなベル
トの幅方向曲げ剛性を補強する構成を採用することと
し、この構成によって初めて、シミーが発生しにくくな
り、優れた直進安定性を具備するとともに、上述した過
酷な走行条件下でもベルトを交差ベルトで構成したタイ
ヤと同等レベルの操舵性を併せもつ二輪自動車用空気入
りタイヤを開発することに成功したのである。
85の範囲に限定したのは、55よりも小さいと、ベルトの
幅方向曲げ剛性を補強する効果が十分に得られなくな
り、また、85よりも大きいと、十分な構造柔軟性が得ら
れなくなり振動吸収性が低下してシミーの発生を十分に
抑制できなくなるからである。
0 mmの範囲に限定したのは、0.4mmよりも薄いと、ベル
トの幅方向曲げ剛性を補強する効果が十分に得られなく
なり、また、2.0mm よりも厚いと、十分な構造柔軟性が
得られなくなり振動吸収性が低下してシミーの発生を十
分に抑制できなくなるからである。
周方向ベルト層8の幅と実質的に同等な幅で配設するこ
とが好ましいが、例えば、一般道走行等において比較的
頻度の多い中低速コーナリング時の接地性( ロードホー
ルディング性) を向上させて、直進走行時あるいは旋回
走行時の操舵性をより一層向上させる必要がある場合に
は、硬ゴム層9を2分割し、各分割した硬ゴム層9a,9b
をそれぞれの側方域内に配設することによって、トレッ
ド部の曲げ剛性を各部位ごとに適正に設定することが好
ましい。
点から、少なくとも中央域全域にわたって配設すること
が好ましく、より好ましくは、図1に示すように、中央
域全域から両側方域にわたって配設する。
一例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更
を加えることができる。
向ベルト層8及び硬ゴム層9がそれぞれ1層の場合を示
してあるが、この配設層数については必要に応じて増加
させることができる。
タイヤを試作し、性能を評価したので以下で説明する。
実施例1及び2は、タイヤサイズが 120/70ZR17であ
り、ベルト及び硬ゴム層をそれぞれ表1に示す構成の前
輪タイヤを用い、また、後輪タイヤには、いずれもタイ
ヤサイズが 180/55ZR17であり、ベルトをゴム被覆した
ケブラーコードをらせん巻回してなる1 層の周方向ベル
ト層で構成したタイヤを用いたものであり、これらの前
後輪タイヤをそれぞれ二輪自動車に装着し、これを走行
させて性能を評価した。尚、その他のタイヤ構造につい
ては、一般の二輪自動車用空気入りタイヤとほぼ同様な
構造とした。
図3に示すように2層のコードゴム引き層10a,10b をコ
ードがタイヤ赤道面7を挟んで交差する配置になるよう
に積層した交差ベルト10で構成し、硬ゴム層を配設しな
い従来タイヤ(従来例)を用いた場合と、ベルトを図4
に示すように1層の周方向ベルト層11で構成し、硬ゴム
層を配設しない比較タイヤ(比較例)を用いた場合につ
いても併せて性能評価した。
で定める標準リムに装着してタイヤ車輪とし、タイヤ内
圧を前輪用タイヤで2.5kgf/cm2, 後輪用タイヤで2.9kgf
/cm2としたタイヤ車輪を二輪車に装着し、平坦な路面上
を実車走行したときのプロドライバーによるフィーリン
グによって、シミー性能、高速走行時の直進走行性、及
び操舵性について評価した。表1にこれらの評価結果を
併記する。尚、表1中の数値は、いずれも従来例を100
とした指数比で示してあり、大きいほど優れている。
2は、いずれも従来例に比べて、シミー性能と高速走行
時の直進走行性とが優れており、また、操舵性について
も、従来例とほぼ同等レベルであった。
く、高速走行時の直進安定性に優れ、しかも、十分な操
舵性を有する二輪自動車用空気入りタイヤの提供が可能
になった。
幅方向断面図である。
ある。
ある。
Claims (3)
- 【請求項1】 対をなすビードコア間でトロイド状に延
びるカーカスのクラウン部とトレッド部との間に、コー
ドをタイヤ赤道面に対して実質上平行に配列してなる少
なくとも1層の周方向ベルト層を具える二輪自動車用空
気入りタイヤにおいて、 周方向ベルト層は、1本乃至複数本のコードをゴム被覆
してなる長尺の被覆コード、又は複数本のコードを帯状
にゴム引きしてなる帯状プライをらせん巻回することに
より形成し、 二輪自動車に装着するタイヤのうち、少なくとも前輪タ
イヤは、周方向ベルト層とカーカスクラウン部との間
に、室温でのゴム硬さが55〜85、ゴム厚さが0.4〜2.0 m
mである少なくとも1層の硬ゴム層を具えることを特徴
とする二輪自動車用空気入りタイヤ。 - 【請求項2】 タイヤのトレッド部を中央域と両側方域
に仮想区分するとき、 少なくとも前輪タイヤは、周方向ベルト層を少なくとも
中央域全域にわたって配設し、かつ、硬ゴム層を周方向
ベルト層の幅と実質的に同等な幅で配設することを特徴
とする請求項1記載の二輪自動車用空気入りタイヤ。 - 【請求項3】 タイヤのトレッド部を中央域と両側方域
に仮想区分するとき、 少なくとも前輪タイヤは、周方向ベルト層を少なくとも
中央域全域にわたって配設し、かつ、硬ゴム層を2分割
し、各分割した硬ゴム層をそれぞれの側方域内に配設す
ることを特徴とする請求項1記載の二輪自動車用空気入
りタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21103998A JP4187833B2 (ja) | 1998-07-27 | 1998-07-27 | 二輪自動車用空気入りタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21103998A JP4187833B2 (ja) | 1998-07-27 | 1998-07-27 | 二輪自動車用空気入りタイヤ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000043506A true JP2000043506A (ja) | 2000-02-15 |
JP4187833B2 JP4187833B2 (ja) | 2008-11-26 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP21103998A Expired - Fee Related JP4187833B2 (ja) | 1998-07-27 | 1998-07-27 | 二輪自動車用空気入りタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4187833B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002347410A (ja) * | 2001-05-28 | 2002-12-04 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 自動二輪車用タイヤ |
US6977020B2 (en) * | 2000-04-25 | 2005-12-20 | Bridgestone Corporation | Method of mounting a pneumatic radial tire |
JP2008087494A (ja) * | 2006-09-29 | 2008-04-17 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 自動二輪車用タイヤ |
-
1998
- 1998-07-27 JP JP21103998A patent/JP4187833B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US6977020B2 (en) * | 2000-04-25 | 2005-12-20 | Bridgestone Corporation | Method of mounting a pneumatic radial tire |
JP2002347410A (ja) * | 2001-05-28 | 2002-12-04 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 自動二輪車用タイヤ |
JP4709425B2 (ja) * | 2001-05-28 | 2011-06-22 | 住友ゴム工業株式会社 | 自動二輪車用タイヤ |
JP2008087494A (ja) * | 2006-09-29 | 2008-04-17 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 自動二輪車用タイヤ |
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