JP2000043302A - 熱転写記録装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録時におけるレンチキュラーレンズ材の記
録方向のズレを防止することで、高品位の印刷が可能な
熱転写記録装置を提供すること。 【解決手段】 レンチキュラーレンズ材１０を前後左右
の４方向及び上方向から保持する保持部材（１４，１
５，１６，１９，２２）と、上記保持部材のうち先端保
持部材には、上記レンチキュラーレンズ材１０の前方の
上部、及び前方の端部を保持する保持部材（１４，１
５）を備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はインクシートを用い
た熱転写記録装置に関し、特にレンチキュラーレンズ材
へ印刷を行う際の該レンチキュラーレンズ材の保持機構
の改良を図ったものに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、薄いフイルム基材上に昇華性染料
を含む色材層を設けたインクシートと、合成紙などのフ
ィルム基材上に染着層を有する記録紙とを重ね、サーマ
ルヘッドを用いて上記昇華性染料を上記染着層に移行さ
せて、染着分子の混色画像を記録する装置は、カラー写
真に匹敵する高画質な画像を提供できる記録装置として
知られている。

【０００３】以下、図面を参照しつつ従来の熱転写記録
装置の構成について説明する。図４は、従来の熱転写記
録装置のサーマルヘッド近傍の構成を示す模式図であ
り、図に示すように、インクカートリッジ１にインクシ
ート２が収納され、このインクカートリッジ１を挟んで
上下にサーマルヘッド６，プラテンローラ７が配設さ
れ、さらには記録時の記録紙搬送方向の下流側に、ピン
チローラ８、及びキャプスタンローラ９が配設されてい
る。

【０００４】また、図５は上記インクシート２に設けら
れた色材層の状態を示す図であり、図５に示すように、
前記インクシート２にはその片側面上に、順に、イエロ
ーの色材層３，マゼンダの色材層４，シアンの色材層５
が設けられており、この１単位が繰り返し形成されてい
る。

【０００５】以下、図４を用いて従来の熱転写記録装置
による一連の印刷のプロセスを説明する。まず矢印Ａ方
向に搬送されてくる記録紙１２の先端をピンチローラ
８、及びキャプスタンローラ９で保持し、前記記録紙１
２を記録開始位置まで搬送させる。その後、サーマルヘ
ッド６を矢印Ｂ方向に移動させて、プラテンローラ７に
圧着させる。すると、前記記録紙１２上に、前記サーマ
ルヘッド６により記録すべき画像信号に応じて選択的に
インクシート２上に形成されている、イエローの色材層
３の記録を、前記ピンチローラ８および前記キャプスタ
ンローラ９で前記記録紙１２と前記インクシート２とを
搬送させながら行う。 この記録動作が終了すると、前記
サーマルヘッド６を矢印Ｃ方向に移動させて前記プラテ
ンローラ７とサーマルヘッド６との圧着機構を解除させ
る。さらに前記ピンチローラ８および前記キャプスタン
ローラ９によって、前記記録紙１２をその先端が記録開
始地点に到達するまで矢印Ｄ方向にスイングバックさせ
る。 その後順次、マゼンダの色材層４、シアンの色材層
５の記録を行う。 これらの記録が終了した後、記録紙１
２は排紙ローラ（図示せず）等により、装置外に搬送さ
れる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】従来の熱転写記録装置
は以上のように構成されており、上述のように２対のロ
ーラで記録紙を保持して搬送を行う構成となっている
が、この搬送プロセスにおいて、上記記録紙と代えてレ
ンチキュラーレンズ材を搬送した場合、レンチキュラー
レンズ材はその厚さが約１ｍｍ程度の板材であり、その
一面には平滑な印刷面を有するが、他面では、カマボコ
形状のレンズ面を有する構造となっているため、スムー
ズな搬送を行いにくく、また、印刷後のインクシートの
レンチキュラーレンズ材からの剥離力によって、レンチ
キュラーレンズ材が記録方向上向きに移動してしまい、
各色の重ね合せ精度が低下し、そのため得られる画質が
低下するという問題点があった。

【０００７】この発明は以上のような問題点を解消する
ためになされたもので、レンチキュラーレンズ材を用い
て印刷を行った場合の画質の低下を抑制することがで
き、高画質な印刷の実現を行うことのできる熱転写記録
装置を得ることを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この発明の請求項１にか
かる熱転写記録装置は、インクシートを介してサーマル
ヘッドをレンチキュラーレンズ材上に押圧して該レンチ
キュラーレンズ材上に熱転写記録を行う熱転写記録装置
において、上記レンチキュラーレンズ材を搭載するステ
ージと、上記ステージに搭載されたレンチキュラーレン
ズ材を、上記サーマルヘッドによる印字方向と直交する
２方向から保持する第１の保持部材と、上記ステージに
搭載されたレンチキュラーレンズ材を、上記サーマルヘ
ッドによる印字方向と平行する２方向から保持するとと
もに、少なくとも上記サーマルヘッド上流側のレンズ上
面端部を押下するように保持する第２の保持部材とを備
えたものである。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
熱転写記録装置について説明する。 実施の形態１．図１、及び図２は本発明の実施の形態１
による熱転写記録装置の構成を示す図であり、図１は、
図２のＩ−Ｉ線における断面図であり、図において、図
４と同一部分は同一、または相当部分を示す。 本実施の
形態と従来例との差異は、レンチキュラーレンズ材をロ
ーラで直接保持して搬送するのではなく、ステージ上に
保持して記録を行うことである。

【００１０】上記図１，図２において、１１は、レンチ
キュラーレンズ材（以後、単にレンズという）１０を載
せるステージであり、その上にはプラテンと呼ばれる、
印刷時にレンズ１０を保持するためのシート状の弾性部
材１３を有する。そして、このステージ１１上方に、カ
ートリッジ１に収納されたインクシート２、サーマルヘ
ッド６が配置されている。

【００１１】また、前記ステージ１１の下方面には、該
ステージ１１を搬送するためのラック１７が形成されて
おり、該ラック１７は、図示しないエンジンにより駆動
されるスクリュー１８と噛合して、該スクリュー１８が
回転することによって、該スクリュー１８に対して相対
的に前記ステージ１１をスイングバックできる構成とな
っている。

【００１２】また、前記ステージ１１の紙面左方向端部
には、車輪軸２７が設置され、この車輪軸２７の中央部
には、断面略Ｌ字型のレンズ先端上部保持部材１４が回
動可能に軸支され、上記車輪軸２７の端部には、レンズ
先端端部保持部材位置制御用カム２５、回転制御用の歯
車２３が、それぞれ係合されている。

【００１３】また、１５は、回転中心軸２４を介して前
記ステージ１１に回動自在に嵌合されている略コ字型の
レンズ先端端部保持部材である。

【００１４】さらに、前記ステージ１１の紙面右側端部
には、断面略Ｌ字型のレンズ後端保持部材１６が車輪軸
２８に回動可能に軸支されている。 また、図２におい
て、前記ステージ１１の紙面下側側面部には、二つのコ
イルバネ２０，２１で係架されたレンズ右端保持部材１
９が設置され、このレンズ右端保持部材１９は、前記ス
テージ１１の位置によって開閉可能に構成されている。
また、前記ステージ１１の紙面上部側面部には、レンズ
左端保持部材２２が設置されている。

【００１５】上記構成において、レンズ右端保持部材１
９，レンズ左端保持部材２２が、第１の保持部材を構成
し、レンズ先端上部保持部材１４，レンズ先端端部保持
部材１５，レンズ後端保持部材１６が、第２の保持部材
を構成するものとなっている。

【００１６】次に動作について説明する。 図１、図２に
おいて、レンズ材１０は、搬送用のピンチローラ８、及
びキャプスタンローラ９によってローラの搬送力がなく
なるまで、前記ステージ１１上に搬送される。次に前記
ステージ１１が矢印Ａ方向に移動すると、前記レンズ後
端保持部材１６が矢印Ｆ方向に回動し、前記レンズ１０
の後端部分を押して、前記レンズ１０の先端部分が前記
レンズ先端上部保持部材１４の下側に、さらに前記レン
ズ先端端部保持部材１５に当接するまで前記レンズ１０
を移動させる。ここで前記レンズ１０は、その先端部、
及び後端部にそれぞれ先端段差部１０ａ，後端段差部１
０ｂを有しているため、前記レンズ１０が前記レンズ先
端端部保持部材１５に当接するときには、前記レンズ１
０の先端段差部１０ａが、前記レンズ先端上部保持部材
１４で保持されるようになり、前記レンズ１０の後端段
差部１０ｂは、前記レンズ後端保持部材１６の先端部で
保持されるようになる。ここでさらに前記ステージ１１
を矢印Ａ方向に移動すると、前記レンズ右端保持部材１
９は、矢印Ｇ方向に移動するのに伴い、前記レンズ１０
を前記レンズ左端保持部材２２に押圧するようになる。
以上の行程によって、前記レンズ１０は前記ステージ１
１上に搬送され、保持動作が完了したことになる。

【００１７】次に、前記サーマルヘッド６により記録す
べき画像信号に応じて選択的に、前記インクシート２上
に形成されているイエローの色材層３の前記ステージ１
１上で保持された前記レンチキュラーレンズ材１０上へ
の記録が、前記ステージ１１と前記インクシート２とを
搬送させながら行なわれる。

【００１８】ここで各色の記録時に前記インクシート２
の剥離力によって前記レンズ１０に上向きの力が加わ
り、中央に前記レンズ先端上部保持部材１４を矢印Ｉ方
向に回転する力が発生したとしても、前記レンズ先端端
部保持部材位置制御用カム２５がある一定量回転しなけ
れば、前記レンズ先端端部保持部材１５が開放できない
ように構成しているので、前記レンズ１０は前記レンズ
先端端部保持部材１５がストッパーとなって記録方向に
移動することはない。

【００１９】次に各色の記録が終了した後、前記ステー
ジ１１が矢印Ａ方向に移動すると、前記歯車２３がエン
ジンに固定されているラック（図示せず）と噛み合って
矢印Ｈ方向に回転する。 これに同期して前記レンズ先端
上部保持部材１４、及び前記レンズ先端端部保持部材位
相制御用カム２５も矢印Ｈ方向に回転する。その後、図
３に示すように、排紙ローラ２６と前記レンズ１０とが
当接するまで前記ステージ１１を移動することにより、
前記レンズ１０は前記排紙ローラ２６の搬送力によって
前記レンズ先端端部保持部材１５を矢印Ｅ方向に回動さ
せてストッパー機構の解除を行いながら、レンズ１０を
機外に排出することになる。

【００２０】このように、本実施の形態によれば、レン
ズ１０を搭載するステージ１１と、ステージ１１に搭載
されたレンズの先端上部を保持するレンズ先端上部保持
部材１４、及びレンズの先端端部を保持するレンズ先端
端部保持部材１５、及びレンズの後端を保持するレンズ
後端保持部材１６、及びレンズ１０を左右から保持する
レンズ左端保持部材２２、及びレンズ右端保持部材１９
を設け、ステージ１１上にレンズ１０を固定して印刷を
行うようにしたので、インクシート２の剥離時に矢印Ｉ
に示す方向の応力が加わってもレンズ１０の位置を強固
に保持することができ、従って各色の重ね合わせ精度が
向上し、高品位な画像をレンズ１０に印刷することがで
きるようになる。

【００２１】

【発明の効果】以上のように、本発明にかかる熱転写記
録装置によれば、第１の保持部材と、第２の保持部材と
で、ステージに搭載されたレンチキュラーレンズ材を保
持するようにしたので、印刷時におけるインクシートと
レンズの剥離に伴うレンズのズレを防止することがで
き、レンチキュラーレンズ材上での各色のインクの重ね
合せ精度が高まり、その結果、高品位の画像を提供する
ことができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態１における熱転写記録装置
の主要部品を示す要部側面断面図である。

【図２】上記熱転写記録装置の主要部品を示す要部上面
図である。

【図３】上記熱転写記録装置の排紙状態を示す要部側面
図である。

【図４】従来の熱転写記録装置を示す要部側面図であ
る。

【図５】従来の熱転写記録装置のインクシートの概略構
成図である。

【符号の説明】

１ インクカートリッジ ２ インクシート ３ イエローの色材層 ４ マゼンダの色材層 ５ シアンの色材層 ６ サーマルヘッド ７ プラテンローラ ８ ピンチローラ ９ キャプスタンローラ １０ レンチキュラーレンズ材 １０ａ 先端段差部 １０ｂ 後端段差部 １１ ステージ １２ 記録紙 １３ 弾性部材 １４ レンズ先端上部保持部材 １５ レンズ先端端部保持部材 １６ レンズ後端保持部材 １７ ラック １８ スクリュー １９ レンズ右端保持部材 ２０，２１コイルバネ ２２ レンズ左端保持部材 ２３ 歯車 ２４ レンズ先端端部保持部材の回転中心軸 ２５ レンズ先端端部保持部材位置制御用カム ２６ 排紙ローラ ２７ 車輪軸 ２８ 車輪軸

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 インクシートを介してサーマルヘッドを
   レンチキュラーレンズ材上に押圧して該レンチキュラー
   レンズ材上に熱転写記録を行う熱転写記録装置におい
   て、 上記レンチキュラーレンズ材を搭載するステージと、 上記ステージに搭載されたレンチキュラーレンズ材を、
   上記サーマルヘッドによる印字方向と直交する２方向か
   ら保持する第１の保持部材と、 上記ステージに搭載されたレンチキュラーレンズ材を、
   上記サーマルヘッドによる印字方向と平行する２方向か
   ら保持するとともに、少なくとも上記サーマルヘッド上
   流側のレンズ上面端部を押下するように保持する第２の
   保持部材とを備えたことを特徴とする熱転写記録装置。