JP2000042510A - 廃棄物処分場の遮水シート用保護マットの施工方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃棄物処分場の遮水シート上に敷き並べられ
る保護マットの縁部同士を強固に、かつ簡便に固定する
遮水シート用保護マットの施工方法を提供する。 【解決手段】 廃棄物処分場の遮水シート２上に複数枚
の保護マット１を並べて敷設する、廃棄物処分場の遮水
シート用保護マット１の施工方法において、隣接する保
護マット１の縁部３同士を縫い上げ、固定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物処分場内の
水が遮水シートの損傷により地盤に漏れ出ないようにす
るために、廃棄物処分場の遮水シート上に複数枚の保護
マットを並べて敷設する、廃棄物処分場の遮水シート用
保護マットの施工方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の廃棄物処分場の遮水構造は、遮水
シートを貼り合わせ、水密性を保持することが一般的で
あった。しかしながら、種々の原因によって遮水シート
が損傷を受ける場合があり、遮水シートが損傷を受ける
と水密性が低下するという問題があった。遮水シートの
損傷原因としては、鳥獣類に起因する損傷、管理上の不
具合に起因する損傷、遮水シート工事後のその他の工事
に起因する損傷、地盤沈下等の地盤変化に起因する損
傷、その他、天変地異等の不可抗力による損傷等が考え
られる。

【０００３】上述のように、遮水シートは諸々の要因で
損傷を受ける場合があることから、今日では廃棄物処分
場の遮水シート上に保護マットを敷設することが義務づ
けられ、今後はその使用がますます増えることが予想さ
れる。廃棄物処分場の遮水シート用の保護マットとして
は、概ね２ｍ幅程度のものが一般的である。

【０００４】現場で遮水シート上に保護マットを敷き並
べる場合、保護マット同士を風等で捲き上げらないよう
するために固定する必要がある。保護マットが化学繊維
である場合に、従来、熱融着による固定法が一般に行わ
れ、場合によっては接着剤による固定も行われていた
（図３）。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、保護マ
ットには織り込み繊維ではなく、ニードルパッチ方法で
製造され、構造そのものもが崩れ易く、また表面だけが
熱融着や接着処理されている不織布も広く用いられてい
るため、図３に示すように遮水シート２上に敷設された
保護マット１の熱融着や接着剤による片面同士の接合面
５による固定法では、強度が弱く、剥がれが生じかねな
いという問題があった。特に、廃棄物処分場は風当たり
も強く、最上層にある保護マット２はまともに風を受け
る他、十数年の耐久性が要求される条件下では、乾湿が
繰り返され、それにより収縮も生じ、より接合面５が剥
がれ易い傾向となる。

【０００６】そこで本発明の目的は、廃棄物処分場の遮
水シート上に敷き並べられる保護マットの縁部同士を強
固に、かつ簡便に固定する遮水シート用保護マットの施
工方法を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、隣接する保護マットの縁
部同士を縫い上げることにより、上記目的を達成し得る
ことを見出し、本発明を完成するに至った。

【０００８】即ち、本発明の廃棄物処分場の遮水シート
用保護マットの施工方法は、廃棄物処分場の遮水シート
上に複数枚の保護マットを並べて敷設する施工方法にお
いて、隣接する保護マットの縁部同士を縫い上げ、固定
することを特徴とするものである。

【０００９】本発明の施工方法において、前記縫い上げ
に簡易型ミシンを用いることが好ましい。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を具体
的に説明する。本発明においては、図１に示すように、
廃棄物処分場の遮水シート２上に、例えば、幅２ｍｍ程
度の複数枚の保護マット１を並べて敷設するにあたり、
隣接する保護マット１の縁部３同士を縫糸４で縫い上
げ、固定する。

【００１１】図１に示す縫い上げ方法は、１本縫製の拝
み縫いである。この拝み縫いの場合、簡易型のミシンを
利用することができ、作業性が極めて良好である。簡易
型のミシンとしては、例えば、ユニオンスペシャルドイ
ツ工場で製造されている２２００クラスミシン（ポータ
ブル１本針、２本糸、上下送り２重環縫ミシン）を好適
に使用することができる。

【００１２】かかるミシンは、本来、麻袋、紙袋、段ボ
ール等の各種袋口縫い等に使用されるものである。ま
た、簡易型であるがために、重量が軽く（約５ｋｇ）、
作業性も良好である。さらに、保護マットの縁部３同士
を縫糸４で縫い上げるため、該保護マットがニードルパ
ッチ方法で製造され崩れ易い不織布や、表面だけが熱融
着や接着処理されている不織布に対しても、良好に固定
することができる。

【００１３】簡易型のミシンを利用する場合、図１や図
２の（イ）に示すように１本縫製の拝み縫いとなるが、
他のミシンを用いることにより、図２の（ロ）に示すよ
うに、１本或は複数縫製の重ね縫いとしてもよい。

【００１４】本発明においては、保護マットの種類、保
護マットの縁部同士の縫い上げ方、および縫糸は特に限
定されるべきものではなく、いずれも使用目的に応じ適
宜選定されるべきものである。

【００１５】

【発明の効果】以上説明してきたように、本発明におい
ては、廃棄物処分場の遮水シート用保護マットの縁部を
表面同士のみで固定するのではなく、保護マット全体を
縫製することで、保護マットの不織布の種類に依存せず
に接合強度を高めることができるので、容易に剥離せ
ず、長期耐久性が期待できる。また、重量の軽い簡易型
ミシンを用いて縫い上げることにより、作業性も極めて
良好である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明により縁部同士が縫い上げられた保護マ
ットの部分斜視図である。

【図２】本発明による保護マット同士の縫い上げ方の一
例を示す断面図である。

【図３】従来法により敷設された保護マットの部分斜視
図である。

【符号の説明】

１ 保護マット ２ 遮水シート ３ 縁部 ４ 縫糸 ５ 接合面

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 廃棄物処分場の遮水シート上に複数枚の
   保護マットを並べて敷設する、廃棄物処分場の遮水シー
   ト用保護マットの施工方法において、隣接する保護マッ
   トの縁部同士を縫い上げ、固定することを特徴とする廃
   棄物処分場の遮水シート用保護マットの施工方法。
2. 【請求項２】 前記縫い上げに簡易型ミシンを用いる請
   求項１記載の施工方法。