JP2000040687A - 基板乾燥装置 - Google Patents

基板乾燥装置

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JP2000040687A
JP2000040687A JP10207382A JP20738298A JP2000040687A JP 2000040687 A JP2000040687 A JP 2000040687A JP 10207382 A JP10207382 A JP 10207382A JP 20738298 A JP20738298 A JP 20738298A JP 2000040687 A JP2000040687 A JP 2000040687A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フード部材から液が舞い上がり基板の下面に
付着する現象、及び基板の下方の空間が負圧状態となる
現象を抑える。 【解決手段】 基板乾燥装置は、第1回転体61と、モ
ータと、モータ上方のフード部材40と、小孔50aを
有する蓋プレート50とを備える。第1回転体61は、
中央に円孔61aを有し、支持ピン63を介して基板W
を保持する。蓋プレート50は、基板Wとフード部材4
0との間に位置し、円孔61aを概ね覆う。蓋プレート
50と第1回転体61との間には、スペーサー51によ
り隙間Cが開けられる。基板乾燥時には、この隙間Cを
通って、第1回転体61よりも下方にある空間から第1
回転体61と基板Wとの間の空間へと雰囲気が流れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液の付着した基板
を回転させて基板から液を除去する基板乾燥装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体ウエハや液晶表示パネル用ガラス
基板等の基板を乾燥する装置の1つとして、スピンドラ
イヤと呼称される回転式基板乾燥装置が使用されてい
る。この回転式基板乾燥装置は、基板を水平状態に支持
し鉛直軸を中心として高速回転させることで、回転に伴
う遠心力と回転により発生する基板に沿った雰囲気の流
れとによって基板に付着している液滴を除去して基板を
乾燥させるものである。
【0003】また、基板の上面に洗浄用ブラシを摺接さ
せて基板の上面を洗浄するスピンスクラバと呼称される
基板洗浄装置においても、洗浄後に基板を高速回転させ
ることで同様に基板を乾燥させる。図7及び図8に回転
式基板乾燥装置の一例を示す。図7は主要部の鋭角縦断
面図であり、図8は斜め上方から見た斜視図である。こ
の装置では、同期して回転する第1及び第2回転体6
1,62からなるスピンチャックに支持ピン63を介し
て基板Wが保持された後に、これら(回転体61,6
2)と連結されているモータの中空回転軸21を回転さ
せることによって基板Wを回転させ、基板Wに付着して
いる液を除去して乾燥させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この図7及び図8に示
す装置においては、モータの中空回転軸21内の中空部
に、窒素ガスを基板Wの下面の回転中心近傍に供給する
ための内管22が配置されている。これは、基板Wの回
転中心付近では遠心力が殆ど作用しないため、この部分
に雰囲気の流れを生じさせるためにノズル41から窒素
ガスを供給するためのものである。また、基板Wの上方
からも窒素ガスが供給される(図7の中実の矢印参
照)。
【0005】内管22の上部には、第1回転体61の中
央に形成されている円孔61aを通って基板Wから落下
する液滴から図示しないモータや軸受等を保護するため
の傘状のフード部材40が固定されている。これらの内
管22及びフード部材40は、中空回転軸21が回転し
ても回転しないように、回転不能に設置されている。し
たがって、乾燥前に基板Wからの液の落下によりフード
部材40に液が付着すると、その液自身には遠心力が作
用しない。
【0006】基板Wを乾燥させるためにスピンチャック
を回転させると、基板Wの周囲に図7の中空の矢印で示
すような雰囲気の流れが生じる。基板W周囲の雰囲気は
遠心力によって外方に流れる。また、基板Wの下方の空
間から雰囲気が外方に流れ出るため、第1回転体61の
下方からこの空間に雰囲気が流れ込んでくる。すると、
この流れによって、乾燥前に基板Wからの液の落下によ
り液が付着しているフード部材40の上面から液滴Dが
舞い上がって、これが基板Wの下面に再付着する。この
ような現象は、基板Wの乾燥を遅らせるとともに、一旦
フード部材40上に落ちて汚れた液が基板Wに再付着す
るので基板Wの下面を汚してしまう。図7及び図8に示
す装置の上記のような問題を解消するために、図9及び
図10に示すように、乾燥前の基板Wからフード部材4
0への液の落下を防ぐ蓋プレート150を設けることが
考えられる。この蓋プレート150は、第1回転体61
の中央に形成されている円孔61aを塞ぐように第1回
転体61に固定されるもので、中央部に内管22からの
窒素ガスの通り道を確保するための小孔150aが形成
されているプレートである。このようにすれば、フード
部材40にあまり液が落下しなくなり、また、基板Wの
中央部下方の空間(以下、空間Sという。)に流れ込む
雰囲気の流れも少なくなる。
【0007】しかしながら、図9及び図10に示すよう
に蓋プレート150を設置すると、小孔150aだけが
第1回転体61の下方から空間Sへの雰囲気の通り道と
なり、第1回転体61の下方から空間Sに流れ込む雰囲
気の流れが殆どなくなる。一方、回転中には空間Sの雰
囲気に遠心力が作用して雰囲気が外方へ流れていくた
め、空間Sは負圧状態となる。この負圧状態に加えて、
上方からは基板Wの中央部に窒素ガスが吹き付けられる
ため、基板Wが割れたり、支持ピン63に当接している
基板Wの下面部に傷がついたりする不具合が発生する。
【0008】これを回避するために小孔150aの直径
を大きくすることも考えられるが、これにより負圧状態
を許容できるレベルとすると前述の問題が再発してしま
う。本発明の課題は、フード部材から液が舞い上がって
基板の下面に付着する現象、及び基板の下方の空間が負
圧状態となる現象を抑え、これらの現象に起因する不具
合を抑えることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る基板乾燥
装置は、液の付着した基板を回転させて基板から液を除
去する装置であって、保持板と、回転手段と、気体供給
手段と、フード部材と、蓋部材とを備えている。保持板
は、中央に第1開口を有しており、支持部材を介して上
方に基板を水平状態に保持する。回転手段は、保持板を
回転させる。気体供給手段は、保持板に保持された基板
の回転中心及びその近傍に、下から気体を吹き付ける。
フード部材は、回転手段の上方に配置され、基板から第
1開口を通り回転手段に向かって落下する液が回転手段
にかかることを防ぐ。蓋部材は、基板とフード部材との
間に位置し、保持板の第1開口を概ね覆う。この蓋部材
には、気体供給手段から吹き付けられる気体が通る第2
開口が設けられている。また、この基板乾燥装置には、
保持板よりも下方にある空間から保持板と基板との間の
空間へと第1開口を介して雰囲気を流す流路が、第2開
口とは別に形成されている。
【0010】この基板乾燥装置により基板を乾燥させる
ときには、まず、支持部材を介して保持板に基板を保持
する。支持部材が介在しているため、保持板と基板との
間には空間が存在する。この状態で回転手段によって保
持板を回転させながら、気体供給手段によって基板の回
転中心及びその近傍に下から気体を吹き付ける。する
と、遠心力及び基板周囲の雰囲気の流れによって基板か
ら液が除去されていく。また、遠心力が殆ど作用しない
基板の回転中心近傍部においても、気体の吹き付けによ
り液が除去されていく。
【0011】保持板を回転させている間は、保持板と基
板との間の空間にある雰囲気が遠心力により外方に移動
するため、この空間に第1開口を通って保持板よりも下
方にある空間から雰囲気が流れ込もうとする。この流れ
は、保持板により第1開口が概ね覆われているため、主
として流路を通る。これは、第2開口が、気体供給手段
から吹き付けられる気体を通すためのものであって、所
定量以上の雰囲気を流すことができないためである。
【0012】ここでは、流路を通って保持板と基板との
間の空間に雰囲気が流れ込むことでこの空間が負圧状態
となることが抑えられるため、基板が割れたり、支持部
材に当接している部分に傷がついたりする不具合が抑え
られる。また、ここでは、蓋部材により第1開口を概ね
覆っているため、乾燥前の基板から第1開口を通ってフ
ード部材に落下する液の量が少なくなる。したがって、
フード部材から液が舞い上がって基板の下面に付着する
現象が抑えられ、基板の乾燥が不十分となったり基板の
下面が汚れるという不具合が抑えられる。
【0013】請求項2に係る基板乾燥装置は、請求項1
に記載の装置であって、フード部材は回転不能に設置さ
れている。この基板乾燥装置の場合、保持板及び基板が
回転しているときにもフード部材は回転しないため、フ
ード部材に付着した液が液自身の遠心力によって除去さ
れることはなく、この液がフード部材から舞い上がって
基板の下面に付着する恐れが高い。しかしながら、ここ
では、蓋部材により第1開口を概ね覆い乾燥前の基板か
ら第1開口を通ってフード部材に落下する液の量を抑え
ているため、液がフード部材から舞い上がって基板の下
面に付着する現象が抑えられており、基板の乾燥が不十
分となったり基板の下面が汚れることの少ない基板乾燥
装置となっている。
【0014】請求項3に係る基板乾燥装置は、請求項1
又は2に記載の装置であって、保持板よりも下方にある
空間から保持板と基板との間の空間へと流路を流れる雰
囲気は、流路を通る際に、その流れの方向が水平方向に
近づく。保持板よりも下方にある空間から保持板と基板
との間の空間へと流れる雰囲気は、当然上向きのベクト
ルを含む流れとなる。しかしながら、垂直方向に近い流
れの向きで雰囲気が流れると、基板に対して大きな角度
でこの流れが衝突して、雰囲気に含まれるミストが基板
に付着しやすい。また、雰囲気の流れに従って液滴が舞
い上がる場合、この液滴が基板に付着しやすい。
【0015】ここでは、保持板よりも下方にある空間か
ら保持板と基板との間の空間へと流路を流れる雰囲気に
よりミストや液滴が基板に付着することを抑えるため
に、流路を通る際に雰囲気の流れの方向が水平方向に近
づくようにしている。これにより、雰囲気の流れが基板
に衝突するとしても小さな角度でぶつかることとなり、
基板にミストや液滴が付着して乾燥を遅らせたり基板の
下面を汚したりする現象が抑えられる。
【0016】請求項4に係る基板乾燥装置は、請求項1
から3のいずれかに記載の装置であって、蓋部材は、ス
ペーサーを介して保持板に取り付けられる。これによ
り、蓋部材と保持板との間には、隙間が生じた状態とな
っている。そして、この蓋部材と前記保持板との間の隙
間が、保持板よりも下方にある空間から保持板と基板と
の間の空間へと雰囲気を流す流路である。
【0017】ここでは、概ね保持板の第1開口を覆う蓋
部材と保持板との間に隙間が開くように、スペーサーを
設け、このスペーサーを介して蓋部材を保持板に取り付
けている。これにより、第2開口以外に、保持板よりも
下方にある空間から保持板と基板との間の空間へと雰囲
気を流すことのできる流路を確保している。請求項5に
係る基板乾燥装置は、請求項4に記載の装置であって、
蓋部材は、平面視において第1開口と重なるか、あるい
は第1開口よりも大きい。
【0018】ここでは、必然的に、第1開口を通る雰囲
気が鉛直上向きに流れることがなくなる。すなわち、第
1開口を通る雰囲気は蓋部材の下面に当たってその向き
が水平方向に近づくことになる。これにより、この雰囲
気の流れが基板に衝突するとしてもより小さな角度でぶ
つかることとなり、基板にミストや液滴が付着して乾燥
を遅らせたり基板の下面を汚したりする現象が抑えられ
る。
【0019】請求項6に係る基板乾燥装置は、請求項1
から3のいずれかに記載の装置であって、蓋部材は、第
2開口とは別に第3開口を有している。そして、この第
3開口が、保持板よりも下方にある空間から保持板と基
板との間の空間へと雰囲気を流す流路である。ここで
は、概ね保持板の第1開口を覆う蓋部材に第3開口を形
成することによって、第2開口以外に、保持板よりも下
方にある空間から保持板と基板との間の空間へと雰囲気
を流すことのできる流路を確保している。
【0020】請求項7に係る基板乾燥装置は、請求項1
から6のいずれかに記載の装置であって、気体供給手段
から基板に吹き付けられる気体は、窒素ガス又はドライ
エアーである。ここでは、不活性ガスである窒素ガス、
あるいは含有水分の少ないドライエアーを基板に吹き付
けることで、良好に基板を乾燥させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】<基板乾燥装置の構成及び動作>
本発明の一実施形態である基板乾燥装置を図1に示す。
この基板乾燥装置は、角形の液晶表示パネル用ガラス基
板Wに対して処理を行うものであり、基板搬入部2と、
基板乾燥部3と、基板搬出部4と、基板搬送部5とを備
えている。
【0022】基板搬入部2は、前段の処理液を使用した
処理工程から、純水等の処理液が付着した状態の基板W
を基板乾燥部3に搬入するためのものであり、基板Wを
搬送する複数の搬送ローラ12を備えている。基板乾燥
部3は、後述するように、基板Wを高速で回転させるこ
とにより基板Wを乾燥するものであり、基板Wを保持し
て回転するスピンチャック13と、基板Wの上面に上方
から乾燥促進用のガスを供給する上部乾燥用ガス供給機
構14と、処理液の飛散防止用カップ15とを備えてい
る。
【0023】基板搬出部4は、基板乾燥部3により乾燥
処理を行った基板Wを後段の処理工程へ搬出するための
ものであり、基板搬入部2と同様に基板Wを搬送する複
数の搬送ローラ12を備えている。基板搬送部5は、基
板搬入部2と、基板乾燥部3と、基板搬出部4との間で
基板Wを搬送するためのものであり、基板搬入部2の搬
送ローラ12上に載置された基板Wを基板乾燥部3のス
ピンチャック13上に搬送するための第1のチャック1
6と、基板乾燥部3のスピンチャック13上に載置され
た基板Wを基板搬出部4の搬送ローラ12上に搬送する
ための第2のチャック17とを備えている。第1,第2
のチャック16,17は、いずれもモータ18により駆
動を受ける同期ベルト19に連結されており、互いに同
期して図1における左右方向に移動する。 <基板乾燥部の構成>次に、基板乾燥部3について説明
する。図2は、基板乾燥部3の一部断面の側面図であ
り、図3は斜め上方から見たスピンチャック13の斜視
図である。また、図4はスピンチャック13近傍の鋭角
縦断面図(図1参照)である。
【0024】基板Wを保持して回転するスピンチャック
13は、主として、第1回転体(保持板)61と第2回
転体62とから構成されている。第1回転体61の上面
には、図3に示すように、基板Wを下方から支持するた
めの複数の支持ピン(支持部材)63が固定されてい
る。第1回転体61の中央部には、円孔61aが形成さ
れている。
【0025】第2回転体62は、円孔61aよりも径の
大きな円孔62aを中央部に有し、また、互いに直交す
る4つの内側面62bを有している。基板Wがスピンチ
ャック13に保持されると、基板Wは、第2回転体62
の4つの内側面62bで囲われた空間に収容され、下面
を支持ピン63に支持された状態となる。このとき、基
板Wの各側面は、第2回転体の各内側面62bによって
水平移動が規制される。また、第2回転体62には、図
3に示すように、スピンチャック13に基板Wが保持さ
れた状態において基板Wの下方の空間と上方の空間とを
連通させる複数の切欠き62cが形成されている。
【0026】第1回転体61及び第2回転体62は、連
結具24,25あるいは連結具26,27を介して中空
回転軸21と連結されており、図2に示すモータ31の
駆動により、そこに保持した基板Wと共に、鉛直方向に
延びる中空回転軸21を軸芯として回転する。また、モ
ータ31にはロータリエンコーダ30が付設されてお
り、中空回転軸21の回転数や回転角度位置は、このロ
ータリエンコーダ30により検出される。なお、連結具
25及び連結具27は、円周方向に複数(ここでは、3
つ)設けられるもので、その上端に第1回転体61の内
周端あるいは第2回転体62の内周端がねじ止め又はボ
ルト止めされる。第1回転体61の場合は、図4に示す
ように、ボルト25aによって連結具25の上端に固着
される。
【0027】このモータ31の回転軸として中空軸(中
空回転軸21)が採用されている。すなわち、このモー
タ31は、柱状のモータ同様、中空回転軸21の周囲に
磁石やコイル等を配設した構成を有するが、特にその回
転軸として中空軸を使用した構成になっている。そし
て、この中空回転軸21の中空部内には、内管22が中
空回転軸21を貫通するように配設されている。
【0028】内管22は、その上部が、中空回転軸21
の上部に固定されている環状部材23に軸受を介して支
持されており、その下部が基板乾燥装置全体を支える下
部フレーム7に固定されている。したがって、中空回転
軸21が回転しても、内管22は回転しない。この内管
22は、基板Wの下面における回転中心付近に窒素ガス
を供給するためのものであり、下部において図2に示す
窒素ガスの導入管71と接続されている。また、この導
入管71は、電磁弁72を介して窒素ガス供給源73と
接続されている。内管22の先端には、細い穴が複数開
いているノズル41が装着されており、このノズル41
から窒素ガスが鉛直上方に向けて吹き出される。
【0029】上記のように第1回転体61は内周部、す
なわち円孔61aの近傍部分がボルト25aによって連
結具25に固定されているが、図3及び図4に示すよう
に、このボルト25aによってさらに蓋プレート(蓋部
材)50が取り付けられる。この蓋プレート50は、円
孔61aよりも直径の大きな円板であって、周囲に3つ
のボルト通し孔を有し、中央には小孔50aが開けられ
ている。
【0030】連結具25上の第1回転体61と蓋プレー
ト50との間には、ボルト25aが貫通する穴を有する
スペーサー51が挿入される。そして、この状態でボル
ト25aが締められて、蓋プレート50、スペーサー5
1、第1回転体61、連結具25,及び中空回転軸21
が一体化される。このように第1回転体61と蓋プレー
ト50との間にスペーサー51を介在させることによっ
て、図3〜図5に示すように、上下を蓋プレート50及
び第1回転体61に挟まれた隙間C(流路)が形成され
る。また、円孔61aは、その上方が蓋プレート50に
よって覆われる。
【0031】蓋プレート50の中央部分に開けられる小
孔50aは、ノズル41から鉛直上方に吹き出される窒
素ガスを基板Wの下面の回転中心近傍に通すために設け
られる孔であり、内管22及びノズル41の直上に位置
する。この小孔50aは、上部の径よりも下部の径の方
が大きく形成されており、図4及び図5に示すように内
側面が傾斜している。これにより、ノズル41からの窒
素ガスが蓋プレート50の上方へと流れ易くなってい
る。
【0032】上部乾燥用ガス供給機構14は、基板Wの
上面に基板Wの乾燥促進用の窒素ガスを供給するための
ものであり、図1及び図2に示すように、軸33を中心
に揺動可能な基部34と、基部34に支持され、管路3
6を介して図示しない窒素ガス供給源に連結するノズル
35とを有する。ノズル35は、図2において二点鎖線
で示すように多段に屈曲した形状を有し、その基端は飛
散防止用カップ15の上端15aを越えて基部34に連
結されている。また、ノズル35の先端は、図2におい
て二点鎖線で示す窒素ガスの供給位置に移動した場合
に、スピンチャック13に支持された基板Wの上面に数
mm程度まで近接する高さとなっている。
【0033】上部乾燥用ガス供給機構14の基部34
は、リンク機構を介して飛散防止用カップ15の外側に
配置されたエアシリンダ37と連結されている。このた
め、ノズル35は、エアシリンダ37の駆動により、図
2において実線で示す待機位置と二点鎖線で示す窒素ガ
スの供給位置との間を往復する。飛散防止用カップ15
は、スピンチャック13とともに回転する基板Wから飛
散する処理液の液滴の外部への飛散を防止するためのも
のであり、スピンチャック13の外周を覆う略円筒状の
形状を有する。
【0034】飛散防止用カップ15の内側下方には、基
板Wより飛散した処理液を排出するための4個の廃液口
38が、モータ31の中空回転軸21に対して周方向に
略等分に配設されている。また、廃液口38の内側に
は、4個の排気口39が、モータ31の中空回転軸21
に対して周方向に略等分に配設されている。この排気口
39は、飛散防止用カップ15の内部を排気することに
より飛散防止用カップ15内に下降気流を形成し、基板
Wから飛散した処理液が飛散防止用カップ15と衝突す
ることにより生じる微細な液滴(ミスト)を下降気流と
共に系外に排出するためのものである。
【0035】<基板乾燥部の動作>次に、基板乾燥部3
における基板Wの乾燥工程について説明する。まず、基
板搬入部2において、複数の搬送ローラ12により、前
段の処理工程より純水等の処理液が付着した状態で搬送
された基板Wを、第1のチャック16により挟持して、
基板乾燥部3のスピンチャック13上に載置する。この
とき、第1チャック16には、図示しない処理液供給ノ
ズルが付設されており、搬送中の基板Wに純水等の処理
液を供給して、基板Wの搬送時に基板Wの上面が不均一
な状態で乾燥することによる処理ムラを防止する。
【0036】基板Wがスピンチャック13の支持ピン6
3上に載置されると、モータ31の駆動により、スピン
チャック13を中空回転軸21を中心として回転させ
る。このとき、飛散防止用カップ15内においては、排
気口39から排気を行うことにより、予め下降気流が形
成されている。スピンチャック13を回転させ、これに
保持されている基板Wが回転すると、回転に伴う遠心力
と回転により発生する基板に沿った雰囲気の流れとによ
って、基板に付着している液滴が除去され基板が乾燥し
ていく。
【0037】この状態において、電磁弁52が開けら
れ、内管22に窒素ガスが供給される。窒素ガスは、内
管22の先端にあるノズル41より第1回転体61の円
孔61a及び蓋プレート50の小孔50aを通り、基板
Wの下面における回転中心付近に吹き出される(図5の
下方からの中実の矢印参照)。この窒素ガスの供給によ
り、基板Wの下面における回転中心部付近に付着してい
る処理液が除去されるとともにその乾燥が促進される。
なお、図5の記号Wcは、基板Wの回転中心を表してお
り、基板WのこのWcの部分に付着している処理液には
遠心力が作用しない。
【0038】この基板Wの下面への窒素ガスの供給と並
行して、エアシリンダ37の駆動により、上部乾燥用ガ
ス供給機構14のノズル35を図2において実線で示す
待機位置から二点鎖線で示す気体供給位置まで移動させ
る。これにより、ノズル35の先端がスピンチャック1
3に保持されて回転する基板Wの上面における回転中心
の上方数mm程度まで接近した位置に移動する。この状
態において、管路36からノズル35に対して窒素ガス
を供給することにより、回転する基板Wの回転中心に向
けて窒素ガスを吹き付ける(図5の上方からの中実の矢
印参照)。この窒素ガスの供給により、基板Wの下面と
同様、基板Wの上面における回転中心部付近に付着して
いる処理液が除去されるとともにその乾燥が促進され
る。
【0039】なお、基板Wを高速回転させた場合、基板
Wから飛散した処理液が飛散防止用カップ15に衝突す
ることにより、微細な液滴(ミスト)が発生するが、飛
散防止用カップ15内には排気口39により均一な下降
気流が形成されているため、この液滴は下降気流と共に
系外に排出され、飛散防止用カップ15から外部に拡散
することはない。
【0040】図5に、スピンチャック13及び基板Wを
回転させているときの周囲の雰囲気の流れ(中空の矢印
で表示)と窒素ガスの流れ(中実の矢印で表示)とを示
す。第1回転体61及び基板Wが回転することによっ
て、これらの間の空間や基板Wの上面近傍にある雰囲気
も回転して遠心力を受ける。この遠心力によって、雰囲
気は外方に移動する。第1回転体61と基板Wとの間の
空間にある雰囲気は、第2回転体62の切欠き62cを
通って、第2回転体62の外方を回り、下方に流れる。
一方、第1回転体61と基板Wとの間の空間からは遠心
力により雰囲気が外方に流れていくため、この空間には
第1回転体61の下方の空間から雰囲気が流れ込んでく
る。この雰囲気は、主として、隙間Cを通って流入す
る。また、基板Wの回転中心Wcに向けて上下から吹き
付けられる窒素ガスは、基板Wの回転中心Wcの上面及
び下面やその近傍に当たって、その後遠心力によって外
方に流れていく。
【0041】所定の時間が経過し基板Wの乾燥が終了す
れば、スピンチャック13の回転を停止させ、ノズル3
5を待機位置まで移動させる。そして、スピンチャック
13上の基板Wを、第2のチャック17により挟持して
基板搬出部4の搬送ローラ12上に載置し、搬送ローラ
12により後段の処理工程へ搬出する。 <本基板乾燥装置の特徴> (1)本装置では、スピンチャック13を回転させてい
る間は、第1回転体61と基板Wとの間の空間にある雰
囲気が遠心力により外方に移動するため、この空間に円
孔61aを通ってスピンチャック13よりも下方にある
空間から雰囲気が流れ込もうとする。この流れは、蓋プ
レート50により円孔61aが概ね覆われているため、
主として隙間Cを通る。これは、小孔50aがノズル4
1から吹き付けられる窒素ガスを通すため小さな孔であ
って、所定量以上の雰囲気を流すことができないためで
ある。
【0042】このように隙間Cを通って第1回転体61
と基板Wとの間の空間に雰囲気が流れ込むので、本装置
では、この空間が負圧状態となることが抑えられる。こ
のため、基板Wが割れたり、基板Wの下面の支持ピン6
3に当接している部分に傷がついたりする不具合が殆ど
発生しない。また、ここでは、蓋プレート50により第
1回転体61の円孔61aを概ね覆っているため、乾燥
前の基板Wからフード部材40に処理液が落下してフー
ド部材40に多量に処理液が付着することがなくなる。
したがって、フード部材40から液が舞い上がって基板
Wの下面に付着する現象が抑えられ、基板Wの乾燥が不
十分となったり、基板Wの下面が汚れるという不具合が
ほぼ解消されている。 (2)本装置では、蓋プレート50の直径が円孔61a
の直径よりも大きく、平面視において蓋プレート50は
小孔50aの部分を除いて円孔61aを完全に覆ってい
る。したがって、隙間Cの上方には蓋プレート50が存
在し、円孔61aを通り上方に流れようとする雰囲気が
そのまま鉛直上向きに流れることはできない。すなわ
ち、円孔61aを通る雰囲気は、蓋プレート50の下面
に当たって、その向きが水平方向に近づくことになる。
例えば隙間Cを通って第1回転体61と基板Wとの間の
空間に流れる雰囲気は、図5において中空の矢印A1で
示すような向きに流れる。これにより、この雰囲気の流
れが基板Wに衝突するとしてもより小さな角度でぶつか
ることとなり、基板Wにミストや液滴が付着して乾燥を
遅らせたり基板Wの下面を汚したりする現象が抑えられ
る。
【0043】[他の実施形態] (A)上記実施形態では、第1回転体61と蓋プレート
50との間にスペーサー51を介在させることによっ
て、図3〜図5に示すように、上下を蓋プレート50及
び第1回転体61に挟まれた隙間C(流路)を形成して
いる。そして、この隙間Cから第1回転体61と基板W
との間の空間に雰囲気を流れ込ませることで、この空間
が負圧状態となることを抑えている。しかし、これに代
えて図6に示すような構造とすることもできる。
【0044】図6に示す構造では、スペーサー51を介
在させずに第1回転体61の内周部と蓋プレート50の
外周部とを接触させた状態で両者を連結具25に固定し
ている。したがって、第1回転体61と蓋プレート50
との間には隙間が存在しない。しかしながら蓋プレート
50の小孔50a以外にも雰囲気を第1回転体61の下
方の空間から基板Wと第1回転体61との間の空間に通
す流路が必要なため、蓋プレート50に円周方向に所定
の間隔で複数の開口(第3開口)50bを設けている。
この開口50bは、ここを通って乾燥前の基板Wからフ
ード部材40に処理液が落下してフード部材40に処理
液が多量に付着することを避けるため、必要最小限の大
きさ及び数量だけ設けられる。また、この開口50b
は、ここを通って基板Wと第1回転体61との間の空間
に流れる雰囲気の向きが水平方向外方に向かう向きに近
づくように、斜め向きに開けられている。すなわち、開
口50bの内側面は垂直面に対して傾斜を有している。 (B)上記実施形態においては、この発明を基板Wを回
転させることによりその乾燥を行う基板乾燥装置に適用
した場合について述べたが、回転する基板Wの上面に洗
浄用ブラシを当接させて基板Wを洗浄する工程や、超音
波を付与した洗浄液を基板Wの上面に供給して基板Wを
洗浄する工程の後に、基板Wを回転して乾燥する基板W
の洗浄機能をも備えた基板乾燥装置にこの発明を適用す
ることも可能である。 (C)上記実施形態においては、気体として窒素ガスを
利用した場合について述べたが、ドライエアー等の他の
気体を利用することも可能である。 (D)上記実施形態においては、角形の液晶表示パネル
用ガラス基板Wに対して処理を行う場合について述べた
が、半導体ウエハに対して処理を行う装置にこの発明を
適用することもできる。
【0045】
【発明の効果】本発明では、流路を通って基板の下方の
空間に雰囲気が流れ込むことでこの空間が負圧状態とな
ることが抑えられるため、基板が割れたり、支持部材に
当接している部分に傷がついたりする不具合が抑えられ
る。また、本発明では、蓋部材により第1開口を概ね覆
っているため、乾燥前の基板から第1開口を通ってフー
ド部材に落下する液の量が少なくなり、フード部材から
液が舞い上がって基板の下面に付着する現象が抑えら
れ、基板の乾燥が不十分となったり基板の下面が汚れる
という不具合が抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における基板乾燥装置の平
面図。
【図2】基板乾燥部の一部断面側面図。
【図3】スピンチャックの斜視図。
【図4】図1のIV−IV矢視鋭角縦断面図。
【図5】基板乾燥時の雰囲気の流れ状態図。
【図6】他の実施形態の基板乾燥時の雰囲気の流れ状態
図。
【図7】従来のスピンチャック近傍の鋭角縦断面図。
【図8】従来のスピンチャックの斜視図。
【図9】従来のスピンチャック近傍の鋭角縦断面図。
【図10】従来のスピンチャックの斜視図。
【符号の説明】
3 基板乾燥部 13 スピンチャック 21 中空回転軸 22 内管(気体供給手段) 31 モータ(回転手段) 40 フード部材 41 ノズル(気体供給手段) 50 蓋プレート(蓋部材) 50a 小孔(第2開口) 50b 開口(第3開口) 51 スペーサー 61 第1回転体(保持板) 61a 円孔(第1開口) 63 支持ピン(支持部材) 73 窒素ガス供給源(気体供給手段) C 隙間 W 基板 Wc 基板の回転中心

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液の付着した基板を回転させて基板から液
    を除去する基板乾燥装置であって、 中央に第1開口を有し、支持部材を介して上方に基板を
    水平状態に保持する保持板と、 前記保持板を回転させる回転手段と、 前記保持板に保持された基板の回転中心及びその近傍に
    下から気体を吹き付ける気体供給手段と、 前記回転手段の上方に配置され、基板から前記第1開口
    を通り前記回転手段に向かって落下する液が前記回転手
    段にかかることを防ぐフード部材と、 基板と前記フード部材との間に位置し、前記気体供給手
    段から吹き付けられる気体が通る第2開口を有し、前記
    第1開口を概ね覆う蓋部材と、を備え、 前記第2開口とは別に、前記保持板よりも下方にある空
    間から前記保持板と基板との間の空間へと前記第1開口
    を介して雰囲気を流す流路が形成されている、基板乾燥
    装置。
  2. 【請求項2】前記フード部材は回転不能に設置されてい
    る、請求項1に記載の基板乾燥装置。
  3. 【請求項3】前記保持板よりも下方にある空間から前記
    保持板と基板との間の空間へと前記流路を流れる雰囲気
    は、前記流路を通る際に、その流れの方向が水平方向に
    近づく、請求項1又は2に記載の基板乾燥装置。
  4. 【請求項4】前記蓋部材は、スペーサーを介して前記保
    持板に取り付けられ、前記保持板との間に隙間を有して
    おり、 前記流路は、前記蓋部材と前記保持板との間の隙間であ
    る、請求項1から3のいずれかに記載の基板乾燥装置。
  5. 【請求項5】前記蓋部材は、平面視において前記第1開
    口と重なるか、あるいは前記第1開口よりも大きい、請
    求項4に記載の基板乾燥装置。
  6. 【請求項6】前記蓋部材は、前記第2開口とは別に第3
    開口を有しており、 前記流路は、前記第3開口である、請求項1から3のい
    ずれかに記載の基板乾燥装置。
  7. 【請求項7】前記気体供給手段から基板に吹き付けられ
    る気体は窒素ガス又はドライエアーである、請求項1か
    ら6のいずれかに記載の基板乾燥装置。
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