JP2000040461A - 電子管用陰極 - Google Patents

電子管用陰極

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JP2000040461A
JP2000040461A JP20949898A JP20949898A JP2000040461A JP 2000040461 A JP2000040461 A JP 2000040461A JP 20949898 A JP20949898 A JP 20949898A JP 20949898 A JP20949898 A JP 20949898A JP 2000040461 A JP2000040461 A JP 2000040461A
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electron tube
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JP20949898A
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Takashi Shinjo
孝 新庄
Riichi Kondo
利一 近藤
Hiroshi Yamaguchi
博 山口
Hiroyuki Teramoto
浩行 寺本
Takuya Ohira
卓也 大平
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カットオフ電圧の変動を低減できる電子管用
陰極を得る。 【解決手段】 主成分がニッケルからなり、少なくとも
一種の還元剤を含有してなる基体1上に、タングステン
を主成分とする金属層20を形成し、更にその上に少な
くともバリウムを含むアルカリ土類金属酸化物を主成分
とする電子放射物質層5を備えた電子管用陰極におい
て、当該タングステンの体積を1基体当たり0.1×1
-3〜2.0×10-3mm3とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はブラウン管などに使
用される電子管用陰極に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図6は例えば特開平3−257735号
公報に開示されるような、テレビまたはディスプレー用
ブラウン管や撮像管に用いられる電子管用陰極を示し、
図6において、1はシリコン(Si)、マグネシウム
(Mg)などの還元性元素を微量含む、主成分がニッケ
ルからなる基体である。4は例えばタングステン等から
なる還元性を有した金属層、5は少なくともバリウムを
含み、他にストロンチウムあるいは/及びカルシウムを
含むアルカリ土類金属酸化物を主成分とし、0.1〜2
0重量%の酸化スカンジウム等の希土類金属酸化物を含
んだ電子放射物質層である。2はニクロム等で構成され
た陰極スリーブである。3は陰極スリーブ2内に配設さ
れたヒータで、加熱により前記電子放射物質層5から熱
電子を放出させるものである。なお、前記電子放射物質
層5、基体1、金属層4、陰極スリーブ2を合わせた構
造体を陰極17と称する。
【0003】更に、図7は例えば特開平9−19076
1号公報に開示されている、上記と同様の用途を持つと
ともに、更に、基体1上の金属層4aの形成部位を狭め
てその形成量を少なくし、長期間の動作中に生ずる基体
1の変形を抑制して、後述するカットオフ電圧の変化を
抑え、ブラウン管の輝度変化を低減することのできる電
子管用陰極17aの断面概略構造を示したものである。
【0004】ここで、このように構成された電子管用陰
極17aについて、その製造方法及び特性について説明
する。まず、例えばタングステンのような還元性を有す
る金属を真空蒸着等の方法で基体1上面に膜厚が1μm
程度となるように被着し、金属層4aを形成する。次に
バリウム、ストロンチウム、カルシウムの三元炭酸塩と
所定量の酸化スカンジウムをバインダー及び溶剤と共に
混合して、懸濁液を作製し、この懸濁液を基体1上にス
プレー法により約80μmの厚みで塗布する。その後ブ
ラウン管の真空排気工程中にヒータ3によって加熱し、
アルカリ土類金属炭酸塩をアルカリ土類金属酸化物に変
える。その後、活性化工程と呼ばれる工程中で、基体1
中の微量な還元剤及び前記金属層4aの還元効果によっ
てアルカリ土類金属酸化物の一部を還元して電子放射源
となる遊離バリウムを形成する。
【0005】この活性化工程において、アルカリ土類金
属酸化物の一部は次のように反応し、遊離バリウムが生
成しているものと考えられる。つまり、基体1中に含有
されたシリコン、マグネシウム等の還元剤は、拡散によ
り電子放射物質層5と基体1の界面に移動し、アルカリ
土類金属酸化物と反応する。例えば、アルカリ土類金属
酸化物として酸化バリウム(BaO)であれば次式
(1)、(2)の様に遊離バリウム生成反応が起こる。 2BaO+1/2Si=Ba+1/2Ba2SiO4・・・(1) BaO+Mg=Ba+MgO・・・(2)
【0006】また、金属層4aと電子放射物質層5の界
面においては、タングステンの持つ還元効果により酸化
バリウムが還元され、同様に遊離バリウムが生成され
る。 2BaO+1/3W=Ba+1/3Ba3WO6・・・(3)
【0007】また、酸化スカンジウムを電子放射物質
(5)中に添加しているので、中間層と呼ばれる主とし
て珪酸バリウム(Ba2SiO4)からなる物質層が、電
子放射物質層5と基体1の界面に堆積することを抑制で
き、基体1中の微量還元剤の上記界面への拡散を阻害す
ることがない。
【0008】ここで、基体1上にタングステンからなる
金属層4aを2μm以下(例えば、上記では1μm程
度)の厚さに形成したのは、前記の式(3)で示した遊
離バリウム生成のため、基体1中の還元元素の電子放射
物質5中への拡散を妨げない程度の厚さにするためであ
る。
【0009】次に、一般的なブラウン管および電子銃の
構造について説明する。図8はブラウン管用電子銃の概
略断面図であり、陰極17の他に、この陰極17を支持
する陰極支持構体13、制御電極6、加速電極7、収束
電極8、高圧電極9、及び、電気的な絶縁性を有し、上
記陰極17及び各電極6〜9のそれぞれが所定の間隔を
保つように支持する支持部材10を備える。
【0010】図9はブラウン管全体の概略断面図である
が、赤、青、緑を発色する蛍光体が塗布された表示用パ
ネル15と、前記電子銃14は一体的にブラウン管管体
16に封着されている。電子銃14の各電極6〜9には
赤、青、緑に対応して電子通過孔が開けられている。
又、通常のテレビセットまたはディスプレーセットで
は、各電極6〜9に印加される電圧は固定されており、
陰極17から放出される電子の量、つまり陰極電流は、
陰極17自身に印加される電圧を変調することによって
制御される。
【0011】ちなみに、制御電極6の電圧を基準とした
場合、陰極17には0〜カットオフ電圧、加速電極7に
はプラス数百ボルトが印加され、陰極17の電圧を制御
電極6の電圧に近づけることによって、制御電極6の電
子通過孔を通して加速電極7からの電界が浸透し、陰極
17の電子放出層5から放出された熱電子が表示用パネ
ル15に向かって放出される。なお、収束電極8及び高
圧電極9は陰極17から放出された電子を収束、加速さ
せるために配設されている。
【0012】ところで、ブラウン管の電気的特性の1つ
にカットオフ電圧がある。本明細書中ではカットオフ電
圧を、「陰極以外の電極に印加される電圧を動作電圧に
固定した状態で、陰極からの電子放射が起こり始める、
陰極への印加電圧」と定義するが、一般的には陰極1
7、制御電極6、加速電極7の3要素で決定され、当該
各電極6、7、17の間隔、電極厚さ、電子通過孔の形
状に依存し、電子銃14の種類によって所定の電圧範囲
になるように設定されている。
【0013】しかしながら、前記のようなタングステン
金属層4を有する電子管用陰極17では、動作中に金属
層4中のタングステンと、基体1の主成分であるニッケ
ルが相互に拡散し、合金の形成での体積膨張による塑性
変形、および陰極17の加熱冷却の繰り返しによる基体
1を構成する金属の降伏による塑性変形が発生するが、
例えば基体1全面に金属層4を厚く形成したような、金
属層4の体積が大きい場合、あるいは基体1上の一部に
金属層4を形成した場合でもその量が大きい時には、こ
の変形が大きくなることが確認されている。また、電子
放射物質層自身についても長期間の動作中に蒸発、焼結
等による収縮が発生することが知られており、その両者
によって陰極17と制御電極6の間隔の経時変化が発生
し、カットオフ電圧の経時変化を引き起こす一因ともな
っている。
【0014】次に、前記のように、カットオフ電圧の経
時変動が起こった場合の影響について説明する。ブラウ
ン管の輝度つまり明るさの変化は、主としてパネルガラ
スの可視光透過率の低下、蛍光体の発光効率の低下、陰
極17からの電流の低下によって引き起こされるが、特
に陰極17からの電流の低下について考えてみた場合、
次の2つの要因が挙げられる。まず第1は陰極17から
の電子放射能力自身の劣化により低下すること。第2
は、カットオフ電圧の経時変化による陰極表面の電界の
変化によって引き起こされるものであり、いずれの場合
も輝度の変化が発生する。
【0015】このような課題を解決するため、上記第1
の問題点については、還元性を有する金属層を基体1上
に形成すると共に、酸化スカンジウムのような希土類金
属酸化物を電子放射物質5中に分散させることで、高電
流密度動作が可能となり、電子放射の長期安定性を実現
できる。また、上記第2の問題点についても、例えば特
開平9−190761号公報に開示されている様に、基
体1の変形を抑えるために、金属層4aの形成部位を基
体1上面の一部のみの形成とするようにして、カットオ
フ電圧の経時変動抑制を図ってきた。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の基体
1上にタングステンを主成分とする金属層4を形成した
電子管用陰極17において、特に、陰極17と制御電極
6の間隔変化がカットオフ変動に大きな影響を及ぼす制
御電極6の電子通過孔の比較的小さい場合、例えば、制
御電極6の電子通過孔が直径0.4mm以下のディスプレ
ー用ブラウン管への適用を考えた場合、電子放射物質層
5の収縮及び基体1の変形の両者を考慮した、長期間の
動作中でもカットオフ電圧の経時変化によって引き起こ
される輝度の変化を抑えることのできる電子管陰極が望
まれている。
【0017】本願発明は、上記の点に鑑みて為されたも
のであり、ブラウン管の長期動作中のカットオフ変動を
低減できる電子管用陰極を得ることを目的とするもので
ある。
【0018】
【課題を解決するための手段】この発明に係る電子管用
陰極は、主成分がニッケルからなり、少なくとも一種の
還元剤を含有する基体と、この基体上に形成された、タ
ングステンからなる金属層と、この金属層上に形成され
た、バリウムを含むアルカリ土類金属酸化物を主成分と
する電子放射物質層とを備えた電子管用陰極において、
上記金属層の体積を1基体当たり約0.1×10-3
2.0×10-3mm3としたことを特徴とするものであ
る。
【0019】又、金属層の体積を1基体当たり0.1×
10-3〜1.0×10-3mm3としたことを特徴とする
ものである。
【0020】又、金属層を形成した基体は、真空中また
は還元性雰囲気中で、ほぼ800〜1100℃の範囲で
熱処理を施されたことを特徴とするものである。
【0021】
【発明の実施の形態】実施の形態1.この発明の実施の
形態1を図1乃至5に基づいて説明する。図1は、この
発明に係る電子管用陰極の要部を示し、特に、(a)は
その断面図を、(b)は上面方向から見た図である。図
1において、20は基体1の上面に形成されたタングス
テンからなる金属層であり、基体1上面における合計面
積がほぼ0.6mm2となるような複数の分割された領域
上に形成されるとともに、厚さが1μm程度になるよう
に真空蒸着法により形成されており、蒸着されたタング
ステンの体積は約0.6×10-3mm3と見積もられる。
5はこの金属層20上に被着され、少なくともバリウム
を含み、他にストロンチウム又は/及びカルシウムを含
むアルカリ土類金属酸化物からなる電子放射物質層であ
る。その他の構成は、図7にて示したものと同様であ
る。
【0022】次に、このように構成された電子管用陰極
の製造方法について図2を用いて説明する。ここで、図
2は、基体1上に金属層20を形成するために、陰極支
持治具19中に基体1を装着し、その上からマスク18
をかぶせた状態を示す断面図である。
【0023】まず、少量のシリコン、マグネシウムを含
有するニッケル基体1を陰極スリーブ2に溶接、固定し
た後、基体上面の一部に蒸着できるように設計されたマ
スク18と共に陰極支持治具19に一体的に固定する。
これを例えば真空蒸着装置内に取り付け、10-6〜10
-7torr程度の真空雰囲気中でタングステンを加熱蒸着す
る。その後、この陰極を例えば水素雰囲気中で約800
〜1100℃で加熱処理する。次に、この陰極基体上に
バリウム、ストロンチウム、カルシウムの三元炭酸塩と
バインダー、溶剤を混合した懸濁液をスプレー法により
塗布して電子放射物質層を約100μmの厚さに形成す
る。
【0024】次に、前記電子管用陰極を図8に示すよう
なディスプレー用の電子銃中に組み込むが、このとき陰
極の電子放射物質層5表面と制御電極6の間隔が所定の
値になるように陰極を陰極支持構体13に一体的に固定
する。
【0025】ここで、実施の形態1に係る電子管用陰極
の長期間の動作中におけるカットオフの経時変化につい
て説明する。図3は本発明の陰極と、基体上面の全面に
2μmの厚さで金属層を形成した従来の陰極との、カッ
トオフ電圧の経時変化をそれぞれ示しており、横軸は動
作時間、縦軸はカットオフ電圧の初期比を表している。
試験条件としては、ヒータ電圧は基体温度が750℃と
なる電圧を印加し、一定の時間間隔で点滅させている。
又、陰極からの平均電子放射電流密度は3A/cm2とし
試験を行った。この図からも判るように、従来の陰極に
比べカットオフ電圧の変化がより少なくなっている。
【0026】次に、タングステンの体積とカットオフの
経時変化との関係を図4に示した。この図で横軸は金属
層の蒸着体積、縦軸は500時間動作後のカットオフ電
圧の初期比を表している。この図において、蒸着量が2
×10-3mm3を超える場合は、カットオフ電圧の低下率
が10%を超えてしまう。
【0027】実際のディスプレーセットでは、先に図8
にて示した各電極6〜9に対して定電圧印加をしてお
り、陰極電流は陰極自身に印加される電圧により調整さ
れるため、上記のようにカットオフ電圧の低下率が10
%を超える場合には、製造段階で設定されたカットオフ
電圧ではカットオフ状態を維持できなくなり、電子放射
が起こってしまい、黒く表示されるべき画面が発光して
しまうという問題が起こる。そのため、このカットオフ
電圧の低下率の許容値は、輝度の変化から考えて10%
以下と考えられ、願わくは5%以内、すなわちタングス
テンの体積は1.0×10ー3mm3以下が望ましいことと
なる。
【0028】ここで、上記のようにタングステンの蒸着
体積が増えるにつれて、カットオフ電圧の初期比が減少
する原因について説明する。蒸着体積が多い場合は、動
作中の金属層20中のタングステンと基体金属の主成分
であるニッケルとの相互拡散の量が増え、タングステン
-ニッケル合金の形成量増加により、金属層20を形成
している側の基体1表面付近の体積膨張が大きくなる。
また、基体1の主成分であるニッケルの膨張率と基体1
表面付近に形成されたタングステン-ニッケル合金の熱
膨張率の差も大きいため、陰極の加熱冷却の繰り返し時
に基体1中に降伏現象が起こり、基体1全体の変形を生
ずる。
【0029】なお、前記2つの効果と共に、基体1の変
形が電子放射物質層5側への凸反りとなり、蒸着体積が
大きいほどその変形量は大きい。また、動作中の電子放
射物質層5の収縮と併せて考えても、電子放射物質層5
表面と制御電極6との間隔が動作時間と共に小さくなり
カットオフ電圧が低くなると考えられる。
【0030】一方、タングステンの蒸着体積が少ない場
合について説明する。図5は蒸着体積と電子放射特性の
関係を表した図であり、横軸はタングステンの蒸着量、
縦軸は4000時間動作後の電子放射量の初期比を示し
ている。この図で、蒸着量が0.1×10-3mm3以下で
は電子放射特性の低下が大きくなり、金属層20を形成
した効果が小さくなる。これは前記に示した金属層20
の還元効果が小さくなり、遊離バリウムの生成量が低下
するためと考えられる。
【0031】なお、本実施の形態では金属層20の形成
部位を基体1上の一部に複数個分散させたものである
が、他に基体1上の電子放射物質層5側の一部分に一カ
所のみの金属層20の形成、あるいは基体1上の電子放
射物質層5側の全面への金属層20の形成であっても同
様の効果が得られた。
【0032】ところで、本実施の形態では、金属層20
の形成後の基体1を、真空中または還元性雰囲気中で約
800〜1100℃で熱処理を行ったが、その理由につ
いて説明する。温度が1100℃を超えるような領域で
熱処理を施した場合は、高温による基体1の変形を生ず
ると共に、基体1中に含まれる微量還元剤であるマグネ
シウム、シリコンの蒸発が大きくなり、基体1中に残存
する還元剤の量が少なくなって、動作中に十分な遊離バ
リウムの供給が行えず、電子放射特性の劣化が大きくな
る。
【0033】また、温度が800℃よりも低い場合で
は、同様に、動作中の電子放射特性の劣化を引き起こす
が、これは金属層20内部あるいは表面に残存する酸素
などの不純物の除去が不十分で、還元剤の一部が最初か
ら酸化されていて、動作中の還元能力が乏しいこと、お
よび金属層20の成分であるタングステンと、基体金属
との合金化による粒界の成長が十分に進行せず、基体1
中のマグネシウム、シリコンの拡散経路が十分に確保で
きないためであると考えられる。
【0034】この発明に係る電子管用陰極は、テレビ用
ブラウン管のみならず、カットオフ電圧の変動し易いデ
ィスプレー用ブラウン管にも適用でき、高電流密度での
動作による高輝度化と共に、カットオフ電圧の変動低減
により、輝度の変化をより少なくすることが可能とな
る。
【0035】
【発明の効果】この発明に係る電子管用陰極は、タング
ステンからなる金属層の体積を1基体当たり約0.1×
10-3〜2.0×10-3mm3と限定しているので、電
子放射物質層の厚さの収縮と併せて、陰極と制御電極の
間隔変化を減らすことができ、そのため、長期間の動作
中のカットオフ変動を低減できる。そのため、カットオ
フ電圧の変動し易いディスプレー用ブラウン管にも適用
できる。
【0036】又、この発明に係る電子管用陰極は、タン
グステンからなる金属層の体積を1基体当たり約0.1
×10-3〜1.0×10-3mm3と限定しているので、
さらにカットオフ変動を低減できる。
【0037】又、金属層形成後の熱処理を、真空中また
は還元性雰囲気中で約800〜1100℃の条件で施し
たことで、ブラウン管の動作初期および長期間の動作中
の電子放射の劣化を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1を示す、陰極の概略断
面図及びそれに対応する上面から見た図である。
【図2】 本発明に使用する蒸着のためのマスク、支持
治具及びそれに装着された基体を示す断面図である。
【図3】 本発明の電子管用陰極のカットオフ電圧の経
時変化を示す図である。
【図4】 本発明の電子管用陰極のタングステンの体積
とカットオフの経時変化との関係を示す図である。
【図5】 本発明の電子管用陰極のタングステンの体積
とカットオフの経時変化との関係を示す図である。
【図6】 従来の電子管用陰極を示す断面図である。
【図7】 従来の他の電子管用陰極を示す断面図であ
る。
【図8】 電子管用陰極を組み込んだ電子銃の概略断面
図である。
【図9】 ブラウン管全体の概略断面図である。
【符号の説明】
1 基体、 2 陰極スリーブ、 3
ヒータ、4、4a 金属層、 5 電子放射物質層、
6 制御電極、7 加速電極、 8 収束電
極、 9 高圧電極、10 支持部材、
13 陰極支持構体、 14 電子銃、15 表示用
パネル、 16 ブラウン管管体、 17、17a 陰
極、18 マスク、 19 陰極支持治具、
20 金属層。
フロントページの続き (72)発明者 山口 博 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 寺本 浩行 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 大平 卓也 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 5C031 DD04 DD09

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主成分がニッケルからなり、少なくとも
    一種の還元剤を含有する基体と、 この基体上に形成された、タングステンからなる金属層
    と、 この金属層上に形成された、バリウムを含むアルカリ土
    類金属酸化物を主成分とする電子放射物質層とを備えた
    電子管用陰極において、 上記金属層の体積を1基体当たり約0.1×10-3
    2.0×10-3mm3としたことを特徴とする電子管用
    陰極。
  2. 【請求項2】 金属層の体積を1基体当たり0.1×1
    -3〜1.0×10-3mm3としたことを特徴とする請
    求項1記載の電子管用陰極。
  3. 【請求項3】 金属層を形成した基体は、真空中または
    還元性雰囲気中で、ほぼ800〜1100℃の範囲で熱
    処理を施されたことを特徴とする請求項1又は2記載の
    電子管用陰極。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004001784A1 (ja) * 2002-06-19 2003-12-31 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha カットオフ電圧の変動低減方法、電子管用カソード及び電子管用カソードの製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004001784A1 (ja) * 2002-06-19 2003-12-31 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha カットオフ電圧の変動低減方法、電子管用カソード及び電子管用カソードの製造方法

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