JP2000038363A - オルトアルキルフェノール化合物の製造方法 - Google Patents

オルトアルキルフェノール化合物の製造方法

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JP2000038363A
JP2000038363A JP10205577A JP20557798A JP2000038363A JP 2000038363 A JP2000038363 A JP 2000038363A JP 10205577 A JP10205577 A JP 10205577A JP 20557798 A JP20557798 A JP 20557798A JP 2000038363 A JP2000038363 A JP 2000038363A
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compound
reaction
catalyst
orthoalkylphenol
alcohol
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Tomoharu Oku
智治 奥
Yoshiyuki Onda
義幸 恩田
Hideaki Tsuneki
英昭 常木
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 選択率に優れるオルトアルキルフェノール化
合物の製造方法を提供する。 【解決手段】 オルト位に少なくとも1つの水素原子を
有するフェノール化合物とアルコールによるアルキル化
反応を、超臨界領域または亜臨界領域で金属酸化物触媒
存在下に行うことを特徴とするオルトアルキルフェノー
ル化合物の製造方法である。金属酸化物触媒の酸・塩基
強度が、+1.5<H0 <+12.2であること、およ
び酸化ジルコニウムを含有することが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オルトアルキルフ
ェノール化合物の製造方法に関し、より詳細には、金属
酸化物触媒を存在させかつ超臨界領域または亜臨界領域
で、オルト位に少なくとも1つの水素原子を有するフェ
ノール化合物のオルト位をアルキル化する、選択率に優
れるオルトアルキルフェノール化合物の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】オル
トアルキルフェノール化合物は、工業的に有用な化合物
である。例えば、オルトクレゾールは工業原料、殺菌消
毒剤として有用であり、ジアルキルフェノール体である
2,6−キシレノールはフェニレンオキシドの製造原料
となり、トリアルキルフェノール体である2,3,6−
トリメチルフェノールはビタミンEの製造原料として使
用できる。
【0003】これらオルトアルキルフェノール化合物を
製造するには、オルト位に選択的にアルキル基を導入す
る必要があり、この様なオルトアルキルフェノール化合
物の製造方法として気相法や液相法がある。
【0004】気相法として、例えば、フェノールとメタ
ノールとによるアルキル化反応では、酸化マグネシウム
を触媒とする気相反応が一般に行われる。しかし、気相
反応では選択率は高いがアルキル化剤であるメタノール
の分解が激しい。例えば、特公昭42−6894号公報
では、これを防ぎコストバランスを図るために反応温度
を低下させているが、生成物の選択率が犠牲となってし
まう。即ち、アルキル化剤であるアルコールの分解と選
択率の低下の二者択一を余儀なくされるのである。一
方、フェノール化合物とアルコールとのアルキル化反応
は、発熱反応であり、発生熱を効率よく除去する必要が
あるが、効率的な除熱にはコストがかかる一方、不十分
な除熱では選択率の低下を招く。更に、高温で原料化合
物が触媒に気体状態で接触する場合には、触媒のコーキ
ングが生じ、触媒が劣化しやすく触媒の再生工程が必要
となる等種々の問題がある。更に、露点の問題から反応
濃度を上昇させることができず、大量生産においては、
反応器サイズを大きくする必要がある。更に、特開昭5
4−135733号公報には、気相でチタンまたはジル
コニウム、アンチモンおよび酸素を含有する触媒を使用
し、常圧でアルキル化反応を行わせているが、オルトア
ルキル化選択率は90%以下と低く、しかもメタノール
の分解抑制効果も不十分である。
【0005】一方、液相法としてアルミニウムメトキシ
ドを反応触媒としてアルキル化反応を実施することがで
きる。しかしながら、アルミニウムメトキシドは、均一
系の触媒であるため、生成物と触媒との分離工程が必要
となる。また、アルミニウムメトキシド自体が高価であ
るため、製造コストが高くなる。液相でアルミナ触媒を
使用すれば、製造コストを押さえ触媒の分離工程が不要
である利点があるが、選択率が低く収率よく生成物を得
ることができない。
【0006】従って選択率がたかく、アルキル化剤であ
るアルコールの分解が少なく、且つ収率の高いオルトア
ルキルフェノール化合物の製造方法が望まれる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記現状に鑑み
てなされたものであり、アルコールの分解を抑制し、触
媒のコーキング等を防止して触媒寿命を延ばし、収率の
よいオルトアルキルフェノール化合物の製造を目的とす
る。かかる目的は、下記(1)〜(6)により達成され
る。
【0008】(1) 下記式(1)
【0009】
【化5】
【0010】で示されるオルト位に少なくとも1つの水
素原子を有するフェノール化合物と、下記式(2)
【0011】
【化6】
【0012】で示されるアルコールとのアルキル化反応
を、超臨界領域または亜臨界領域で金属酸化物触媒存在
下に行うことを特徴とする下記式(3)
【0013】
【化7】
【0014】で示されるオルトアルキルフェノール化合
物の製造方法。
【0015】
【化8】
【0016】(2) 前記アルキル化反応に際し、下記
式(II)で表されるエーテル化反応によってアルコキ
シベンゼン化合物が副生する場合において、当該アルコ
キシベンゼン化合物をアルキル化反応にリサイクルする
ことを特徴とする前項(1)記載のオルトアルキルフェ
ノール化合物の製造方法。
【0017】
【化9】
【0018】(3) 前記式(1)中の化合物が、フェ
ノール、メタクレゾール、オルトクレゾール、キシレノ
ールであることを特徴とする前項(1)記載のオルトア
ルキルフェノール化合物の製造方法。
【0019】(4) 前項(1)中の化合物(1)がメ
タクレゾールであり、アルコール(2)がメタノールで
あり、化合物(3)が、2,3,6−トリメチルフェノ
−ルであることを特徴とする前項(1)記載のオルトア
ルキルフェノール化合物の製造方法。
【0020】(5) 金属酸化物触媒の酸・塩基強度
が、+1.5<H0 <+12.2であることを特徴とす
る前項(1)記載のオルトアルキルフェノール化合物の
製造方法。
【0021】(6) 金属酸化物触媒が酸化ジルコニウ
ムを含有することを特徴とする前項(1)記載のオルト
アルキルフェノール化合物の製造方法。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明は以下のごとく作用する。
即ち本発明は、超臨界領域または亜臨界領域で金属酸化
物触媒存在下に上記式(I)で表されるアルキル化反応
を行うことを特徴とするオルトアルキルフェノール化合
物の製造方法である。超臨界領域近傍でアルキル化反応
を行わせると、アルコキシベンゼンへの平衡が抑制され
アルコキシベンゼンの副生とリサイクル量が低減する。
また、選択率が向上し、特に酸化ジルコニウム触媒では
気相法より超臨界領域で選択率が向上する。また、アル
キル化剤であるアルコールの分解が抑制される。このた
め、未反応原料やアルコキシベンゼン化合物、さらには
メタクレゾール等のオルト位に2つの水素原子を有する
原料を用いた場合には、そのモノオルトアルキル化物等
を、反応系にリサイクルした場合にも、更にアルキル化
が進行し、例えば2,3,6−トリアルキルフェノール
などのオルトアルキルフェノール化合物を収率よく製造
することができる。
【0023】本発明で使用する触媒は、選択率に優れパ
ラ位へのアルキル化は生じない。更に、特定の酸・塩基
強度を選択することで、オルトアルキル化選択性が向上
する。以下、本発明を詳細に説明する。
【0024】本発明の製造方法で原料として使用される
フェノール化合物(1)としては、オルト位に少なくと
も1つの水素原子を有するフェノール化合物である。式
中、R2 、R3 、R4 およびR5 は、互いに同一でも異
なっていてもよく、各々独立に水素原子または炭素数1
〜4のアルキル基を示す。炭素数1〜4のアルキル基と
しては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピ
ル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基が例示で
きる。より具体的には、フェノール化合物(1)とし
て、フェノールの他、アルキル基を1つ有する、メタク
レゾール、オルトクレゾール、パラクレゾール等のクレ
ゾール、アルキル基を2つ有する2,3−キシレノー
ル、2,5−キシレノール,3,5−キシレノール等の
キシレノールが例示できる。これらの中でも、メタクレ
ゾールを使用することが特に好ましい。この化合物を用
いれば、ビタミンEの原料となる2,3,6−トリメチ
ルフェノールを製造することができ、しかも従来法で製
造原料として使用すると製造が困難であるが、本発明で
は、容易に2,3,6−トリメチルフェノールを製造す
ることができるからである。
【0025】本発明で使用するアルコール(2)は、フ
ェノール化合物(1)のアルキル化剤として作用するも
のである。最終製品に対応させ適宜選択することがで
き、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、
ブタノール等を使用することができる。本発明では、メ
タノールを使用することが反応選択性の点で好ましい。
【0026】本発明は、上記(I)式で表されるアルキ
ル化反応を使用するアルコールの超臨界領域または亜臨
界領域で行うことを特徴とする。本発明の超臨界領域と
は、その物質の臨界温度と臨界圧力を越えた非凝縮性流
体となる領域をいい、ここでは気体と液体の中間的な性
質をもち、既存の溶媒には認められない様々な特徴を有
する。
【0027】また、亜臨界領域とは、臨界点近傍または
それ以下の高温・高圧領域をいい、ここでは高圧気相あ
るいは高温液相状態またはそれらの共存状態となる。
【0028】本発明における反応温度及び反応圧力は、
使用するアルコールの種類によって定まる超臨界または
亜臨界領域の範囲から選択することができるが、反応温
度が高すぎると副反応が生じ、オルトアルキル化選択性
の低下やアルキル化剤であるアルコールの分解反応が進
行し、選択率が低下する。さらに触媒のコーキングが進
行し、触媒寿命が短縮される。一方、反応温度が低すぎ
ると、反応速度の低下や液相に近い条件での物質移動過
程の影響が大きくなる場合があり好ましくない。
【0029】このため通常、反応温度が使用するアルコ
ールの臨界点のケルビン温度の0.9倍以上の温度であ
り、反応圧力が臨界圧力の0.75倍以上の亜臨界条件
下、または使用するアルコールの超臨界条件下で実施さ
れることが好ましい。より好ましくは、温度が臨界点の
ケルビン温度の0.95〜1.7倍の範囲であり、圧力
が、臨界圧の0.85〜3倍の範囲の超臨界または亜臨
界領域で実施される。例えば、メタノール(臨界点;5
12K、80(kg/cm2 ・G))を使用する場合には、反応
温度が、188℃(461K)以上、圧力が60(kg/cm
2 ・G)以上の超臨界または亜臨界領域で実施し、より好
ましくは、温度213〜597℃(486〜870
K)、圧力が68〜240(kg/cm2 ・G)の範囲の超臨界
または亜臨界領域で実施する。反応圧力が高すぎると高
圧設備が必要になるため設備コストが高くなる。その一
方低すぎると、気相に近くなって選択率の低下や触媒劣
化が顕著になる場合があり工業的に不利となるおそれが
あるからである。本発明では、上記超臨界領域または亜
臨界領域で反応させることにより反応速度を早めること
ができると共にメタノールの分解を抑制することがで
き、また反応装置を小型化することができる。アルキル
化反応は発熱反応であるが、気相法に比べて伝熱係数が
大きいため、効果的な除熱が可能である。
【0030】本発明の実施は、金属酸化物触媒の存在下
にアルキル化反応を実施する。本発明で使用する金属酸
化物触媒は、オルト位アルキル化の選択性が高く、触媒
の使用により高収率でオルトアルキルフェノール化合物
を製造することができる。
【0031】本発明で使用する金属酸化物触媒の酸化物
の形態は、特に限定されるものではなく、酸素以外は一
種類のみの構成元素からなる金属酸化物や二種類以上の
構成元素からなる複合酸化物を使用することができる。
反応条件下で安定に存在することが好ましく、耐熱性に
優れる固体の金属酸化物を使用することが好ましい。必
要とされる耐熱性は反応条件により異なり、融点が反応
温度より高い酸化物を使用することができるが、一般に
は400℃以上の融点を有する固体の酸化物である。
【0032】使用できる酸化物触媒の具体例としては、
4族の酸化チタン、酸化ジルコニウム、高温焼成ジルコ
ニア、酸化ハフニウム、5族の酸化バナジウム、酸化ニ
オブ、6族の酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タング
ステン、7族の酸化マンガン、8族の酸化鉄、9族の酸
化コバルト、12族の酸化亜鉛、13族の酸化アルミニ
ウム、酸化ガリウム、酸化インジウム、14族の二酸化
ケイ素、酸化ゲルマニウム、酸化スズ、酸化鉛、15族
の酸化アンチモン、2族の酸化マグネシウム、酸化カル
シウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、3族の酸
化イットリウム、ランタノイドの酸化ランタン等を例示
することができる。
【0033】本発明で使用する金属酸化物触媒は、上記
酸化物を単独でまたは2種以上を組み合わせて、または
1種以上の成分を添加することによって、酸・塩基強度
が+1.5<H0 <+12.2としたものであることが
好ましく、より好ましくは+1.5<H0 <+9.3で
ある。ここに添加できる成分としては、アルカリ金属、
アルカリ土類金属、希土類、貴金属、カルコゲン元素、
ホウ素、リン等の各元素またはその化合物がある。
【0034】本発明では、上記酸・塩基強度を有する触
媒を使用することにより選択率を向上させることができ
る。従来はアルコールの分解を防止しようとすれば、選
択率の低下を招きつつも触媒の使用を控える必要があっ
たが、本発明では、上記範囲にある弱酸弱塩基を示す金
属酸化物を使用することにより、選択率を向上させると
共に、アルコールの分解を防止することができるのであ
る。この様な酸・塩基強度の金属酸化物触媒として本発
明では、酸化ジルコニウム、高温度焼成ジルコニアを使
用することが好ましい。尚、酸・塩基強度は、ハメット
滴定法により測定した値である。
【0035】本発明の金属酸化物触媒は、BET比表面
積が0.1〜40m2 /gであることが好ましく、より
好ましくは0.1〜20m2 /gである。BET比表面
積が40m/gを越えるものは性能面で選択性の低下
が大きい。一方、0.1m/g未満の低い表面積の触
媒では、活性及び選択率が低く収率を向上させることが
できない。この様な触媒は、例えば水酸化ジルコニウム
を400〜1200℃、より好ましくは500〜120
0℃、特に好ましくは800〜1100℃で焼成して調
製して得られる。
【0036】つぎに、前記触媒を用いて超臨界領域また
は亜臨界領域でフェノール化合物(1)をアルキル化し
て、オルトアルキルフェノール化合物を製造する方法に
ついて図1を用いて説明する。但し、本発明は本製造工
程に限られるものではない。
【0037】本発明におけるアルキル化反応は、超臨界
領域または亜臨界領域で行うため、反応系内に存在する
金属酸化物触媒以外の反応原料や生成物等の各成分が、
それぞれ全量もしくは一部が超臨界または亜臨界アルコ
ール中に溶解していることが好ましい。従って、反応は
フェノール化合物(1)1モルに対するアルコール
(2)のモル比(アルコール(2)/フェノール化合物
(1))を100〜1、より好ましくは50〜2の範囲
内にし、原料供給速度(LHSV)0.1〜15
−1、より好ましくは0.5〜10h−1で反応器2
に供給する。
【0038】上記アルキル化反応により、原料化合物に
あらかじめ存在するアルキル基以外に少なくとも1つの
オルト位にアルキル基が導入されたオルトアルキルフェ
ノール化合物が合成される。
【0039】反応器出口からの流出流体は、アルコール
の臨界温度以下まで冷却して凝縮させた後、適当な圧力
または常圧まで減圧後にアルコール溶液として回収され
る。次いで、分離工程3で、水およびアルコールと、ア
ルキルフェノール化合物およびアルキルベンゼン化合物
とに分離することが好ましい。水およびアルコールは更
に脱水工程6にて分離脱水し、アルコールを反応器2に
リサイクルすることができる。脱水の程度は、得られた
脱水後のアルコール濃度を測定して適宜選択することが
できる。これによりリサイクルするメタノール/水の割
合を調整することができる。一方、アルキルフェノール
化合物およびアルコキシベンゼン化合物は、更に生成物
分離工程4で目的生成物およびテトラアルキルフェノー
ル等の重質成分と、その他のアルキルフェノール化合物
およびアルコキシベンゼン化合物および未反応原料とに
分離し、当該他のアルキルフェノール化合物およびアル
コキシベンゼン化合物とを未反応原料とともに反応系に
リサイクルすることができる。
【0040】フェノール化合物(1)としてメタクレゾ
ールを使用し、アルキル化剤としてメタノールを使用
し、2,3,6−トリメチルフェノールを製造する場合
には、生成物5として、2,3,6−トリメチルフェノ
ール及び副生成物である2,3,5,6−テトラメチル
フェノールとが含まれる。また、ライン7には、メタク
レゾール、3−メトキシトルエン、2,3−キシレノー
ル、2,5−キシレノールが含まれる。生成物5から副
生成物である2,3,5,6−テトラメチルフェノール
を分離精製すれば容易に高純度の2,3,6−トリメチ
ルフェノールを得ることができる。
【0041】本発明におけるアルキル化反応は超臨界領
域または亜臨界領域で行うため、副反応であるアルコキ
シベンゼン化合物への平衡が気相反応に比較して抑制さ
れる。従って、アルコキシベンゼン化合物をリサイクル
しても、気相に比べてそのリサイクル量を低減でき、収
率よく目的物を製造することができる。この場合、反応
原料とともに外部から水を供給するか、もしくはアルキ
ル化反応液中に含まれる水分を上記のごとく脱水工程6
で適当脱水割合で分離して得たものを使用することによ
り、反応器2に戻された水はアルコキシベンゼン化合物
と反応し、式(III)で示すエーテルの加水分解反応
を行い、製造原料たるフェノール化合物(1)となる。
これによりアルコキシベンゼン化合物を再使用し、収率
を向上させることができる。
【0042】
【化10】
【0043】なお、所望の転化レベルを達成するために
必要な実際の接触時間は、容器の大きさ、触媒への助触
媒あるいは、反応温度及び反応圧力などの要因に依存し
て広い範囲内で適宜選択することができる。
【0044】
【実施例】つぎに、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明する。なお、各数値はつぎの方法により測定した
ものである。
【0045】(1)メタクレゾールの転化率(%)=
{1−(反応管出口での未反応メタクレゾールのモル数
/供給したメタクレゾールのモル数)}×100 (2)2,5−キシレノールの収率(%)=(反応管出
口の2,5−キシレノールの生成モル数/供給したメタ
クレゾールのモル数)×100 (3)2,3−キシレノールの収率(%)=(反応管出
口の2,3−キシレノールの生成モル数/供給したメタ
クレゾールのモル数)×100 (4)2,3,6−トリメチルフェノールの収率(%)
=(反応管出口の2,3,6−トリメチルフェノールの
生成モル数/供給したメタクレゾールのモル数)×10
0 (5)2,3,5,6−テトラメチルフェノールの収率
(%)=(反応管出口の2,3,5,6−テトラメチル
フェノールの生成モル数/供給したメタクレゾールのモ
ル数)×100 (6)3−メトキシトルエンの収率(%)=(反応管出
口の3−メトキシトルエンの生成モル数/供給したメタ
クレゾールのモル数)×100 (7)選択率(%)={(2,5−キシレノール収率+
2,3−キシレノール収率+2,3,6−トリメチルフ
ェノール収率)/メタクレゾール転化率)}×100 (8)メタノール回収率(%)={1−(1−反応管出
口での反応液流出速度(g/hr)/反応管入口での原
料液供給速度(g/hr))/原料液中のメタノールモ
ル分率}×100 (9)LHSV(hr−1)=(反応管入口での原料液
供給速度(ml/hr)/触媒体積(ml)) [参考例1]3000mlのビーカーにオキシ硝酸ジル
コニル2水和物(54.2g)を蒸留水1000mlに
溶解させ、氷水浴中で冷却しつつ撹拌しながら28%ア
ンモニア水30gを5分間かけて滴下した。室温で2時
間撹拌を続けた後、生じた沈澱をイオン交換水3リット
ルで洗浄し、窒素雰囲気下150℃で一昼夜乾燥した。
得られた乾燥沈澱を空気気流中500℃で5時間焼成
し、0.5〜1.7mmφに粉砕した。これを触媒1と
した。触媒1の酸・塩基強度は+1.5〜+9.3、B
ET比表面積は65m2 /gであった。
【0046】[参考例2、3]参考例1で得られた乾燥
沈澱を空気気流中で850℃で5時間焼成し、0.5〜
1.7mmφに粉砕した。これを触媒2とした。同様
に、乾燥沈澱を空気気流中で1000℃で5時間焼成
し、0.5〜1.7mmφに粉砕した。これを触媒3と
した。触媒2の酸・塩基強度は+1.5〜+9.3、B
ET比表面積は9.2m2 /gであった。また、触媒3
の酸度は+1.5〜+9.3、 BET比表面積は1.
0m2 /gであった。
【0047】[実施例1]内径10mm、長さ150m
mのSUS−304製直管反応管の下部にガラスウール
2mlを充填し、その上に参考例1で調製した酸化ジル
コニウム(触媒1)を5ml(3.75g)充填した。
反応器出口には空冷式冷却管を介してフィルターと背圧
弁を取り付けて、圧力制御できるようにした。精密高圧
定量ポンプを使用してメタクレゾール濃度が20重量%
のメタノール溶液を0.333ml/minの流量(L
HSV=4.0hr−1)で反応器下部より上向きに流
通させながら、背圧弁で反応管内の圧力を82kg/c
2 ・Gに設定した。反応管部分をサンドバスを使用し
て外部から加熱し、温度を370℃に設定した。温度と
圧力が安定してから1時間後の反応器出口におけるメタ
クレゾール転化率は76%であり、オルトメチル化選択
率は85%、メタノール回収率は97%であった。反応
結果の詳細を表1に示す。
【0048】[実施例2]触媒1に代えて参考例2で得
た触媒2(酸化ジルコニウム)5ml(5.95g)を
使用し、反応温度を400℃にした以外は実施例1と同
様にして反応を行った。反応結果の詳細を表1に示す。
【0049】[実施例3]触媒1に代えて参考例3で得
た触媒3(酸化ジルコニウム)5ml(8.30g)を
使用した以外は実施例1と同様にして反応を行った。反
応結果の詳細を表1に示す。
【0050】[実施例4]触媒1に代えて参考例3で得
た触媒3(酸化ジルコニウム)5ml(8.30g)を
使用し、反応温度を400℃にした以外は実施例1と同
様にして反応を行った。反応結果の詳細を表1に示す。
【0051】[実施例5]参考例2で得た触媒2(酸化
ジルコニウム)40ml(47.6g)を、内径20m
m長さ200mmのSUS−304製1インチ直管反応
管に充填し、反応温度400℃、圧力82kg/cm2
・G、LHSV=3(hr−1)の条件で、図2に模式
的に示した中間体および副生成物のリサイクル実験を行
った。反応器出口で回収される未反応のメタクレゾール
及びメタノール、中間体の2,5−キシレノール、2,
3−キシレノール、副生成物の3−メトキシトルエンを
全量回収し、生成水はその80%を除去して残りを反応
器入り口に供給した。反応系が安定化したときの各箇所
での物質収支を表2に示す。このときのメタクレゾール
の転化率は91.4%であり、2,3,6−トリメチル
フェノール収率は91.5%であった。
【0052】[比較例1]反応圧力を常圧とし、キャリ
アガスとして窒素を180ml/minの流量で供給し
た以外は実施例1と同様にして、気相反応を行った。結
果を表3に示す。
【0053】[比較例2]反応温度を450℃、反応圧
力を常圧とし、キャリアガスとして窒素を180ml/
minの流量で供給した以外は実施例1と同様にして、
気相反応を行った。結果を表3に示す。
【0054】[比較例3]塩基性炭酸マグネシウムを空
気気流中で550℃5時間焼成し、1.7〜0.5mm
φに破砕した触媒を使用して、実施例2と同様にして反
応を行った。結果を表3に示す。なお、当該触媒の最高
塩基強度はHo≧18.4、BET比表面積は109m
2 /gであった。
【0055】[比較例4]触媒として、1.7〜0.5
mmφに破砕したシリカアルミナ(日揮社製N632H
N)を使用し、反応温度を330℃にした以外は、実施
例1と同様にして反応を行った。結果を表3に示す。な
お、当該触媒の酸・塩基強度はHo関数−5.6〜−1
2で、 BET比表面積は400m2 /gであった。
【0056】[比較例5]触媒の代わりに直径1mmの
ステンレス製鋼球5mlを使用した以外は、実施例1と
同様にして反応を行った。m−クレゾールの転化率は極
わずかであり、オルトメチル化物として2,5−キシレ
ノールが痕跡量生成したのみであった。またこのとき、
ジメチルオキシアントラセンが副生するため反応管が閉
鎖し、反応を連続的に行うことが困難であった。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】
【発明の効果】(1) 超臨界領域でフェノール化合物
をアルキル化してオルトアルキルフェノール化合物を製
造する際に、金属酸化物触媒存在下にアルキル化反応を
させたところ効率的に反応が進行し、またアルキル化剤
であるメタノールの分解を極めて高効率に防止すること
ができメタノールの回収率が極めて高かった(実施例1
〜4、比較例5)。
【0061】(2) 超臨界領域でアルキル化反応を行
うことにより選択率が向上し、メタノールの分解を抑制
した(実施例1、比較例1、実施例2、比較例2)。
【0062】(3) 850℃以上で焼成した触媒を使
用すると、更に高い選択率90%以上を示した(実施例
2〜4)。
【0063】(4) 触媒の焼成温度が一定でも、反応
温度を代えることにより転化率が変化するが、いずれの
場合も極めて高い選択率を示した(実施例3、4)。
【0064】(5) メタクレゾールから2,3,6−
トリメチルフェノールを製造する際に、ジメチルフェノ
ール体やメトキシトルエンをリサイクルすることにより
高収率で2,3,6−トリメチルフェノールを製造する
ことができた(実施例5)。これによりビタミンEの製
造原料として有用な化合物が収率よく製造できた。
【0065】(6) 金属酸化物触媒の酸・塩基強度が
+1.5<H0 <+12.2の範囲を越えると選択率が
低下した。また、シリカアルミナ触媒の使用ではメタノ
ールの分解が著しく進み、メタノール回収率が低下した
(比較例3、4)。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、オルトアルキルフェノール化合物の製造工
程図である。
【図2】は、実施例5のリサイクル実験における反応液
回収部位を示す。
【付号の説明】
1、7、8 ライン 2 反応器 3 分離工程 4 生成物分離工程 5 生成物 6、9 脱水工程
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 常木 英昭 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内 Fターム(参考) 4G069 BA05B BB04A BB04B BB12C BC51A BC51B BC51C CB01 CB59 CB62 EA01Y EC02Y FA01 FB08 FB30 FB57 4H006 AA02 AC23 BA06 BA07 BA08 BA09 BA10 BA11 BA12 BA13 BA14 BA16 BA18 BA20 BA30 BA33 BB14 BC10 BD34 BN30

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1) 【化1】 で示されるオルト位に少なくとも1つの水素原子を有す
    るフェノール化合物と、下記式(2) 【化2】 で示されるアルコールとのアルキル化反応を、超臨界領
    域または亜臨界領域で金属酸化物触媒存在下に行うこと
    を特徴とする下記式(3) 【化3】 で示されるオルトアルキルフェノール化合物の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記アルキル化反応に際し、下記式
    (4)で表される副生するアルコキシベンゼン化合物を
    アルキル化反応にリサイクルすることを特徴とする請求
    項1記載のオルトアルキルフェノール化合物の製造方
    法。 【化4】
  3. 【請求項3】 前記式(1)中の化合物が、フェノー
    ル、メタクレゾール、オルトクレゾール、キシレノール
    であることを特徴とする請求項1記載のオルトアルキル
    フェノール化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】 金属酸化物触媒の酸・塩基強度が、+
    1.5<H0 <+12.2であることを特徴とする請求
    項1記載のオルトアルキルフェノール化合物の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 金属酸化物触媒が酸化ジルコニウムを含
    有することを特徴とする請求項1記載のオルトアルキル
    フェノール化合物の製造方法。
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