JP2000038338A - 経皮吸収用組成物 - Google Patents
経皮吸収用組成物Info
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Abstract
物およびパーキンソン病治療用経皮吸収用製剤を提供す
る。 【効果】 本発明の経皮吸収組成物によれば、L-dopaを
経皮吸収させることが可能となる。また、本発明によ
り、持続時間の長いパーキンソン病治療剤を提供するこ
とができる。また、本発明の製剤は皮膚を介して投与で
きるため、痴呆と嚥下困難とをきたしているパーキンソ
ン病の患者にも、L-dopaを無理なく投与することができ
る。さらに、常に一定量のL-dopaを提供するため、L-do
paの血中濃度の変動による副作用が出現しない。
Description
る経皮吸収製剤に関する。より詳細には、レボドパを有
効成分とする経皮吸収用ヒドロゲル製剤に関する。
して使用する場合、体内への移行がゆっくりと行われ、
活性成分の血中レベルが長時間にわたって一定に維持さ
れることから、経皮投与が好ましいことが一般的に知ら
れている。一般的に、薬剤の投与経路としては、経口、
静脈内、筋肉内、腹腔内、及び直腸内等が代表的なもの
として知られているが、薬剤中の活性成分の性質によっ
ては投与経路に適する剤形とすることができない場合が
ある。例えば、消化管に存在する酵素によって分解され
てしまうタンパク質などを活性成分とする薬剤の場合に
は、経口剤とすることが困難な場合が多い。また、水溶
性の活性成分を含む薬剤の場合には、皮膚経路からの吸
収効率が低いため、経皮吸収剤とすることが難しい。
的、精神的条件によっては、ある活性成分を含む薬剤を
患者に投与しやすい剤系にする必要が生じることがあ
る。例えば、患者が老齢で嚥下困難を合併するために薬
剤の経口投与ができない場合や、または、患者が基礎疾
患に加えて痴呆症を合併している場合には、注射ができ
なかったり、または点滴静注用の針を腕から引き抜いて
しまう場合などである。こうした場合には、治療効果を
上げるために、他の経路から薬剤を投与することを検討
しなければならない。
ンソン症候群を挙げることができる。パーキンソン症候
群は、脳幹神経節の疾患で、運動失調、硬直、振戦を特
徴とする疾病であり、その治療薬としては、ベンツトロ
ピン、ベンツヘキソールなどのコリン作用性ムスカリン
拮抗薬、ブロモクリプチン、アマンタジン、レボドパな
どのドーパミン作用薬、デプレニルなどの MAOB阻害薬
などが使用されるが、最も汎用されているのはレボドパ
(以下、L-dopaという)である。
門を通過して脳に達することができ、そこでドーパミン
に変換される。経口剤として開発されたL-dopaは、その
ままでは大部分が消化管粘膜で脱炭酸されてドーパミン
になり、ドーパミン受容体の広汎な刺激によって、悪
心、嘔吐、血圧下降、運動異常(dyskinesia)などの有害
反応や、副作用などが生じる(Shoulson,I., Glaubiger,
G.A. and Chase,T.N.(1975) On-off response. Clinic
al and biochemical correlations during oraland int
ravenous levodopa administration in parkinsonian p
atients. Neurology 25:1144-1148)。こうした有害反応
を抑制するために、L-dopaは脱炭酸阻害薬であるカルビ
ドパまたはベンセラジドと併用する必要があるなど、種
々の制約がある。また、これまで、L-dopaは皮膚からの
吸収が悪く、経皮吸収剤とはできないといわれてきた。
減少させるためには、体内においてL-dopaを標的部位に
速やかに移行させ、かつ、一定の濃度を持続することが
できる剤形を開発することが好ましい。かかる課題を開
発すべく、本発明の発明者らは、鋭意研究を進めた結
果、L-dopaを有効成分とする経皮吸収用組成物の開発に
成功し、本発明発明を完成させたものである。
して、5〜25重量%の水溶性高分子基剤、1〜10重量%
のL-dopaを有効成分とする主剤、15〜60重量%の皮膚吸
収増強剤、及び他の補助剤を全体を100重量%とするに
必要な量を含有してなる経皮吸収用組成物である。ここ
で上記水溶性基剤は、カルボキシビニルポリマー、ヒド
ロキシプロピルセルロース、及びマクロゴールからなる
群から選ばれる少なくとも1種以上の化合物と、炭素数
2〜5の多価アルコールとからなることが好ましく、炭
素数2〜5の多価アルコールがプロピレングリコールで
あることがさらに好ましい。
ン、ジテルペンおよびセスキテルペンからなる群から選
ばれる少なくとも1種以上のテルペンと、エタノールと
からなることが好ましく、組成物の総重量に対して、約
14%〜約59%のエタノール、および約1〜5重量%のd-
リモネンまたはL-メントールからなることがさらに好ま
しい。上記補助剤は、炭素数4〜8のジアルキルエタノ
ールアミンおよび炭素数2〜8のアジピン酸ジアルキ
ル、および水からなることが好ましく、ジイソプロピル
エタノールアミン、アジピン酸ジイソプロピル、及び水
からなるものであることがさらに好ましい。
5〜25重量%の水溶性高分子基剤、1〜10重量%のL-do
paを有効成分とする主剤、15〜60重量%の皮膚吸収増強
剤、及び他の補助剤を全体を100重量%とするに必要な
量を含有してなるパーキンソン病治療用経皮吸収用組成
物である。ここで上記水溶性基剤、上記皮膚吸収増強
剤、および上記補助剤は、上述の通りである。
約1重量%のカルボキシビニルポリマー、約10重量%の
プロピレングリコール、約5重量%のL-dopa、約1重量
%のジイソプロピルエタノールアミン、約2重量%のア
ジピン酸ジイソプロピル、及び約2重量%のL-メントー
ル、約20%〜約40%エタノール、および約39〜59重量%
の水を含んでなる、パーキンソン病治療用経皮吸収製剤
である。
して、約10重量%のヒドロキシプロピルセルロース、約
5重量%のL-dopa、約2重量%のL-メントール、約20%
〜約40%のエタノール、および約33〜53重量%の水を含
んでなる、パーキンソン病治療用経皮吸収製剤である。
本発明は、組成物の総重量に対して、約10重量%のヒド
ロキシプロピルセルロース、約1.25gのベンセラジド、
約5重量%のL-dopa、約2重量%のL-メントール、約20
%〜約40%エタノール、及び約31.75〜約51.75重量%の
水を含んでなる、パーキンソン病治療用経皮吸収製剤で
ある。
る。本発明においては、経皮吸収用組成物は、組成物の
総重量に対して、0.5〜25重量%の水溶性基剤、1〜10
重量%のL-dopa、15〜60重量%の皮膚吸収増強剤、及び
他の補助剤を全体を100重量%とするに必要な量を含有
する。ここで、基剤とは、軟膏剤の基礎となる賦形剤を
いい、単に形をとるだけでなく、軟膏の吸収性や保存性
その他の製剤の性質を決定付けるものをいう。
数2〜5の多価アルコールからなる群から選ばれる1種
以上のアルコールからなるものをいう。水溶性高分子基
剤とは、上記の基剤に含まれる油脂性基剤、乳剤性基
剤、水溶性基剤のうちの一種で、日本薬局方に規定する
軟膏剤の基剤のうち、基剤そのものがきわめて水に溶け
やすいものをいう。具体的には、カルボキシビニルポリ
マー、ヒドロキシプロピルセルロース、及びマクロゴー
ル等が挙げられ、これらの基剤からなる群から選ばれる
少なくとも1種以上であることが好ましい。これらの基
剤は単独で使用してもよく、2種以上を適宜組み合わせ
て使用してもよい。
ル基を持った水溶性のビニルポリマーであり、アクリル
酸を主として、これに少量のショ糖などを配した共重合
体である。Goodrich Chemical Co.(Cleaveland, Ohio,
USA)によって開発され、濃化、分散、及び乳化剤とし
て、934、940、及び941の3つのグレードのものが市販
されている。分子量は、934、940が2,000,000〜3,000,0
00、941が1,000,000〜1,500,000である。
造に良好な再現性を与えること、流動性を失わずに高度
の増粘(濃化)を示すこと、10〜70℃の温度範囲では温
度の変化によって粘度がほとんど変わらないこと、エタ
ノール、グリセリンに対して親和性が良いこと、バクテ
リアなどによる生物学的分解を受けにくいこと、さら
に、適当な中和剤が用いられた場合に、広いpH範囲でゲ
ル安定性を示すこと、及び多くの化粧品及び医薬品類に
用いられる原材料との親和性が高いことなどの特性を有
する。
合体で、HOCH2(CH2OCH2)n CH2OH で表されるポリエチレ
ングリコールの総称である。ポリエチレングリコール40
0、1500、4000、6000、20000が日本薬局方に収載されて
いる。これらは、いずれも水、エタノール、有機溶剤に
溶けやすく、400は軟膏、坐剤、錠剤の基剤、乳化剤と
して、1500も医薬品、化粧品の基剤として、4000は固形
化化粧品の可塑剤または医薬品の軟膏基剤としてそれぞ
れ応用されている。マクロゴール4000と400とを半量ず
つ加えて製造したものはマクロゴール軟膏と呼ばれ、水
溶性軟膏基剤として用いられている。
は、以下のようにして得られる。まず、木材パルプまた
はリンターパルプからアルカリセルロースを得て、酸化
プロピレンを作用させて粗製HPCを得る。これを弱酸
により中和した後、熱湯でゲル化精製し、乾燥、粉砕し
て得る。HPCは構造中に親水基と親油基をもち、非イ
オン性であるため、塩類や酸、アルカリにも安定であ
る。水、メタノール、エタノール又はイソプロパノール
を加えると、粘性の液となる。適度の界面活性があり、
プロピレングリコールなどとの相溶性に優れる。このた
め、ローション、クリームなどに用いられる。
マクロゴール、HPC以外に、ハイビスワコー(和光純
薬工業製)等を使用することもできる。ハイビスワコー
は酸性が強いため、基剤として使用する際には、カルボ
キシビニルポリマーを使用する場合と同様に、中和剤を
使用することが必要である。炭素数2〜5の多価アルコ
ールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコ
ールなどの2価のアルコール、グリセリン等の3価のア
ルコール等を例示することができる。これらの多価アル
コールは、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わ
せて使用してもよいが、プロピレングリコールを使用す
ることが好ましい。
ップ状の液体で、医薬品に多く用いられる有機薬品、水
溶性ビタミン類、色素、香料などをよく溶かし、湿潤性
があり、殺菌性もある。また、医薬品などに配合すると
ねばっこさを残さずに皮膚を柔らげ、つきやのびをよく
するため、軟膏の基剤として好適に使用できることによ
る。基剤の量を組成物の総重量に対して5〜25重量%と
したのは、5重量%未満では、適当な稠度の全質均等な
半固形状の軟膏とならず、25重量%を超えると軟膏が硬
くなることによる。
リマーを使用すると、一定の幅の分子量の化合物が選択
できるため、軟膏基剤となる組成物の特性が一定になる
という利点がある。また、カルボキシビニルポリマーを
使用する場合には、多量に使用すると軟膏が酸性とな
り、皮膚刺激性が出てくるため、約0.5〜約2重量%と
することが好ましく、約1重量%とすることがさらに好
ましい。
る場合には、中和剤は不要であり、5〜15重量%の量で
使用することが好ましい。5重量%未満ではヒドロゲル
の硬度が低くなって柔らかくなりすぎ、15重量%を超え
るとヒドロゲルが硬すぎて塗布しにくくなるからであ
る。約10重量%で使用することがもっとも好ましい。同
様の理由から、ハイビスワコーについても、5〜15重量
%で使用することが好ましい。
で使用すると、適度なのびのある組成物を調製すること
ができる。すなわち、5重量%未満では組成物がパサパ
サした感じになり、また、15重量%を超えると組成物が
べとべとするためである。もっとも好ましくは、約10重
量%で使用する。皮膚吸収増強剤とは、皮膚からの主剤
の吸収を高めるものをいう。本発明においては、皮膚吸
収増強剤は、モノテルペン、ジテルペンおよびセスキテ
ルペンからなる群から選ばれる少なくとも1種以上のテ
ルペンと、エタノールとからなるものであることが好ま
しい。
重量に対して14〜59%であることが好ましい。エタノー
ル濃度が14%未満では主剤の吸収が不十分であり、55%
を超えると皮膚へのダメージが出現するからである。エ
タノールの量を20%〜40%とすると、L-dopaの吸収効率
が高い。モノテルペンは炭素数10のテルペン化合物の集
合をいい、具体的には、ミルセン、リモネン、カンフェ
ンなどの炭化水素類、シトロネロール、ゲラニオール、
メントールなどのアルコール類、シトラール、ペリルア
ルデヒドなどのアルデヒド類、メントン、ヨノンなどの
ケトン類、およびシネオール、ピノールなどが含まれ
る。
物の集合をいい、ビサボレン、ジンギベレンなどの炭化
水素類、ファルネソール、オイデスモール、セドロール
などのアルコール類、シベロンなどのケトン類、その他
ヒノキ酸などが含まれる。ジテルペンは炭素数20のテル
ペン化合物の集合をいい、カンホレン、ミレンなどの炭
化水素類、フィトール、ヒノキチオールなどのアルコー
ル類、その他アビエチン酸、ピマル酸、マノイルオキシ
ドなどが含まれる。
ものとしては、d-リモネンまたはL-メントールが好まし
い。L-メントールを使用すると吸収増強効果が高く、ま
た、経皮剤にも多く使用されており、清涼感があるため
患者が使用するに際しても受け入れやすいという利点が
ある。d-リモネンおよびL-メントールの含有量は、組成
物の総重量に対して、約1重量%〜約5重量%とするこ
とが好ましい。1重量%未満では、吸収増強効果および
清涼感ともに不十分であり、5重量%を超えると皮膚に
対して刺激性が出てくることによる。約1〜3重量%と
するとL-dopaの吸収効率が高まる。
の組み合わせは、以下のようにして決定する。すなわ
ち、ある濃度のエタノールとL-メントールとの組み合わ
せを用いた場合にK'値の上昇が見られ、エタノール濃度
をさらに高めてもそれ以上のK'値の上昇が観察されない
場合には、K'値の上昇が見られた組み合わせを、L-dopa
のドナー溶液から皮膚への分配率の面から選択する。
ントールとの混合液と、50%以上のエタノールと1〜5
%のL-メントールの組み合わせとを比較したときに、K'
値は50%以上のエタノールと1〜5%のL-メントールと
の組み合わせでは上昇しないとする。この場合には、約
40%以下のエタノールと2%のL-メントールとの組み合
わせが好ましいということになる。
%のL-メントールとの組み合わせからなる皮膚吸収増強
剤を使用すると、L-dopaの吸収効率がもっとも高くな
る。本発明において補助剤は、上述した水溶性基剤の中
和剤からなる。したがって、水溶性基剤が中性の場合に
は補助剤のうち、中和作用を有する成分は必要とされな
い。上述のカルボキシビニルポリマーを使用した場合に
は、補助剤は、炭素数4〜8のジアルキルエタノールア
ミンおよび炭素数2〜8のアジピン酸ジアルキルからな
る群から選ばれる少なくとも1種以上の化合物、及び水
を含むことが好ましい。
ンとしては、ジエチルエタノールアミン、ジプロピルエ
タノールアミン、ジイソプロピルアタノールアミン、ジ
ブチルエタノールアミン、ジイソブチルエタノールアミ
ンなどを例示することができる。また、炭素数2〜8の
アジピン酸アルキルとしては、アジピン酸ジメチル、ア
ジピン酸ジエチル、アジピン酸ジプロピル、アジピン酸
ジイソプロピル、アジピン酸ジブチルなどを例示するこ
とができる。
ールアミン、アジピン酸イソプロピル、及び水を含むこ
とが好ましい。これらの化合物は、ジイソプロピルエタ
ノールアミンを約0.5〜2重量%、アジピン酸ジイソプ
ロピルを約1〜4重量%で使用することが、カルボキシ
ビニルポリマーの酸性を中和すること、および使用感が
良く肌になめらかであることから好ましい。さらに好ま
しくは、ジイソプロピルエタノールアミンを約1重量
%、アジピン酸ジイソプロピルを約2重量%で使用す
る。
る。L-dopaの含有量は、組成物の総重量に対して、約1
〜10重量%とすることが好ましい。約1重量%未満で
は、本発明の組成物を薬剤として使用する場合に投与回
数が多くなって投薬の管理が難しくなり、また、約10重
量%を超えると吸収しきれないL-dopaがむだになること
による。約5重量%とすると、投与回数を1日1回とす
ることができ、さらにL-dopaもむだなく吸収される。
り、ドーパミンデカルボキシラーゼによってドーパミン
へと変換される。主剤に、この変換を阻害するベンセラ
ジドまたはカルビドパを含めても良く、これらを含める
ことによりL-dopaの投与量を減少させ、副作用を減少さ
せることができる。
0.5〜15重量%の水溶性高分子基剤、1〜10重量%のL-d
opaを有効成分とする主剤、15〜60重量%の皮膚吸収増
強剤、及び他の補助剤を全体を100重量%とするに必要
な量を含有してなる。ここで、水溶性基剤、皮膚吸収増
強剤、主剤、及び補助剤は上述のとおりである。
する。カルボキシビニルポリマーを約30mLの蒸留水と混
和し、一昼夜放置する。水分を吸収してゲル状となった
ら、プロピレングリコールジイソプロピルエタノールア
ミン、アジピン酸イソプロピルを混和する。吸収促進剤
のアルコール溶液、例えば、L-メントールのアルコール
溶液を加えて混和した後、L-dopaを加えて再度混和し、
水を加えて表示量になるようにした。
ドーパミンまたはベンセラジドを含有する製剤を以下の
処方に従って調製した。これらの製剤の調製に当たって
は、L-dopa(Sigma製)、ドーパミン(和光純薬工業
製)、ベンセラジド(ホフマン・ラ・ロシュ製)、HPC-
H(ヒドロキシプロピルセルロース、和光純薬工業
製)、ハイビスワコー105(和光純薬工業製)、カルボ
キシビニルポリマー(934、B.F.Goodrich Chemical C
o., Cleaveland,Ohio, USA)、プロピレングリコール
(Sigma製)、ジイソプロピルエタノールアミン(和光
純薬製)、アジピン酸ジイソプロピル(和光純薬工業
製)、d-リモネンおよびL-メントール(和光純薬製)、
エタノール(和光純薬工業製)、並びに蒸留水(大塚製
薬製)を、それぞれ使用した。
基剤とし、活性成分としてL-dopa、皮膚吸収増強剤とし
て40%エタノールとd-リモネン、補助剤としてジイソプ
ロピルエタノールアミン、アジピン酸ジイソプロピル、
及び水を含有する製剤を以下の表1に示す処方に従って
調製した。
基剤とし、活性成分としてのL-dopaと、皮膚吸収増強剤
として40%エタノールとL-メントールとを含有する製剤
を以下の表2に示す処方に従って調製した。
活性成分としてのL-dopaと、皮膚吸収増強剤として20%
エタノールとL-メントールとを含有する製剤を以下の表
3に示す処方に従って調製した。
ンソン病用配合薬であるベンセラジド、皮膚吸収増強剤
として20%エタノールとL-メントールとを含有する製剤
を以下の表4に示す処方に従って調製した。
膚吸収増強剤として20%エタノールとL-メントールとを
含有する製剤を以下の表5に示す処方に従って調製し
た。
配合薬であるベンセラジド、皮膚吸収増強剤として20%
エタノールとL-メントールとを含有する製剤を以下の表
6に示す処方に従って調製した。
が、本発明はこれらに限定されるものではない。 (実施例1)動物および試薬 (1)動物 体重200±10gの雄性ウィスター系ラット(ホクドー
(株)、北海道虻田郡虻田町)を、試験前に通常のケー
ジで飼育し、標準の固形試料(CE-2、日本クレア
(株)、東京)と水とを自由に摂取させた。 (2)試薬 L-dopa(L-3-4-ジヒドロキシフェニルアラニン)をシグ
マ社より購入し(St. Louis, MO, U.S.A.)、他の試薬は
最も上の等級の市販品を購入して使用した。
の検討 (1)in vitroにおける皮膚透過性試験 L-dopaの皮膚透過性を、以下に示すようにOharaら(Ohar
a, N. et al., Combined effect of d-limonene and te
mperature on the skin permiation of ketoprofen. In
t. J. Pharma. 105, 31-38(1994))の方法に準じてin vi
troで調べた。あらかじめ電気バリカンで毛を刈った腹
部皮膚の全厚をラットから切り出し、切り出した皮膚を
透過膜として使用した。ウォータージャケット付きの2
チャンバー拡散セル(有効拡散面積0.785cm2;各半セル
体積3.0mL)を使用した。水、20%(v/v)エタノール及び
2%(w/v) L-メントールを含む溶液、並びに40%エタノ
ール及び2%L-メントールを含む溶液の3種類にL-dopa
を過剰量で懸濁した。
濁してドナーチャンバーに入れ、レシーバーチャンバー
をリン酸緩衝生理食塩水(pH7.4)で満たした。これらの
チャンバーは両方とも40℃に温め、マグネティックスタ
ーラーで攪拌した。L-dopa懸濁液をドナーチャンバーに
注入した後、0分(懸濁前)、30分、60分、120分、及
び180分に、レシーバーチャンバーから0.5 mLの溶液を
吸引した。その後、等容量のリン酸緩衝生理食塩水をレ
シーバーチャンバーに補充した。
いたin vitroにおける検討において、皮膚を介してレシ
ーバーチャンバー液中へ浸透するL-dopaの蓄積量を定量
した(図1参照)。図1中、点と棒とは、5回の実験に
おける平均値±S.E.M.(標準偏差)を表す。L-dopaの水
懸濁液により、L-dopaは、時間の経過につれてラットの
皮膚を介してレシーバーチャンバー液中へ経皮的に浸透
することが明らかになった。20%エタノールと2%L-メ
ントール溶液中でのL-dopaの懸濁より、L-dopaの経皮的
浸透が促進され、エタノールを40%に増加することによ
ってさらに促進された。
がどのように透過を促進するかを見るために、皮膚を介
するL-dopaの透過のプロファイルを分析した(図1及び
表1参照)。L-dopaのD'の上昇が、40%エタノールと2
%L-メントールとを含む溶液中で観察された。K'値は水
と比較すると、20%エタノールと2%L-メントールとを
含む溶液中で多少上昇したが、エタノールの割合を多く
しても(40%)それ以上のK'値の上昇は観察されなかっ
た。L-dopaの透過速度(J)(ng/cm2/min)は水中で146、
20%エタノールと2%L-メントールとを含む溶液中で43
6、40%エタノールと2%L-メントールとを含む溶液中
で1375であった。
路および代謝物の同定の検討 (1)測定対象とするL-dopaの代謝産物の決定 L-dopaはDOPAカルボキシラーゼによってドーパミンに代
謝され、ついでドーパミンβ−ヒドロキシラーゼによっ
てノルエピネフリンへ代謝され、さらにフェニルエタノ
ールアミンN-メチルトランスフェラーゼによってエピネ
フリンへと代謝されることが知られている(Kato,T., et
al., Biochem. Pharmacol. 27, 829-831(1978); Rahma
n M.K., et al., Biochem. Pharmacol. 30, 645-649(19
81))。このため、L-dopa、ドーパミン、ノルエピネフリ
ン、およびエピネフリンの血中濃度を測定することとし
た。
チューブ(PE-50)カテーテルを入れた。この経路を介し
て、生理食塩水を0.1mL/kg体重/分で持続静注し、ウレ
タン(500mg/kg体重)とα-クロラロース((R)-1,2-O-
(2,2,2-トリクロロエチリデン)-α-D-グルコフラノー
ス)(70mg/kg体重)とを、深麻酔と不動化のために与えた
(Terui,J. et al.,Proteinuric potentials of angiote
nsin II, and [des-Asp1]-angiotensin II, and [des-A
sp1, des-Arg2]-angiotensin II inrats. Biol. Pharm.
Bull. 17, 1516-1518(1984)) 。必要な場合には、生理
食塩水に2.5mg/mLの濃度で溶解したL-dopaを、この経路
を介して2.5mg/ kg体重の用量で注入した。
した。採血の30分前に、生理食塩水に溶解した0.2MのEG
TAで満たしたポリエリレンチューブ(PE-50)を、左大腿
動脈に挿入した(Sudo et al., Higher dopamine level
on lymph from the cervicallumph trunk than in plas
ma following intravenous bolus injection of L-dopa
in rats. Biol. Pharm. Bull. 18, 610-614(1995)) 。
L-dopaを静脈内に単回ボーラス投与後0分、5分、15
分、25分、37.5分、52.5分で採血し、0.2MのEGTAと0.2M
の還元グルタチオンとを含む40μLの溶液を含む冷却し
たチューブ中に入れた(Eriksson B.-M. and Persson,B.
-A., Determination of catecholamines in rat heart
tissue and plasma samples by liquid chromatography
with electrochemical detection. J. Chromatogr. 22
8, 143-154(1982))。集める血液の量を2mL以下に制限
して、血液の損失によって誘導されるアミンの濃度の生
理学的変化を避けた。血液はラット当たり1回サンプリ
ングした。
/kg体重)後に定量した(図2及び3参照)。図2及び3
中、点と棒とは、5回の実験における平均値±S.E.M.を
表す。図3において得られたデータ統計処理をしたとこ
ろ、b)では、0分と比較して、P<0.01であった。
ンは、L-dopaの静注後5分で、最高濃度に達した(L-do
paで664.0±59.7、ドーパミンで21.3±3.5、ノルエピネ
フリンで2.0±0.1(単位はいずれもng/mL))。その
後、それらは、時間の経過につれて対照のレベルまで低
下した。ノルエピネフリンは、実験期間中、有意な傾向
を示さなかった。
パミンとノルエピネフリンとは注射5分後で速やかに現
れることが示された。このドーパミンとノルエピネフリ
ンとの速やかな出現から、注射されたL-dopaがL-アミノ
酸デカルボキシラーゼによってドーパミンに変換され、
さらに、器官中よりも血漿中のドーパミンβ−ヒドロキ
シラーゼによってドーパミンがノルエピネフリンへと変
換されるということが示唆された(Kato et al., 1978
(前出); Rahman et al., 1981(前出))。
検討 (1)in vivoにおける皮膚吸収試験 (1−1)皮膚吸収促進剤中にL-メントールを含む組成
物 活性成分としてL-dopaを含むヒドロゲル(本発明例
1)、および活性成分としてノルエピネフリン、エピネ
フリンおよびドーパミンを含むヒドロゲル(比較例1〜
3)を、以下の表7に示す組成で調製した。
を含む組成物 活性成分としてL-dopaを含むヒドロゲル(本発明例
2)、および活性成分としてノルエピネフリン、エピネ
フリンおよびドーパミンを含むヒドロゲル(比較例4〜
6)を、以下の表8に示す組成で調製した。
着面積1cm2;高さ1cm)を接着剤(シアノアクリレート
タイプ;アロンα、サンキョウ(株))で腹部の皮膚に
貼った。ついで、ガラスチューブを生理食塩水(対照)
又はヒドロゲルで満たし、パラフィルムで覆った。直前
(0分)、及びガラスチューブをヒドロゲルで満たした
後、30分、60分、180分で、上記の静脈投与の検討で記
載した場合と同様の方式で、血液を採取した。血液はラ
ット1匹当たり、1回サンプリングした。
貼着したときに、L-dopaがin vitroでの検討の場合と同
程度に血漿中で検出された。皮膚透過速度はinvitroで1
375 ng/cm2/min 、in vivoで1236±62ng/cm2/minであっ
た。L-dopaおよびアミンの血漿中レベルを、L-dopa含有
ヒドロゲルを皮膚に貼着(貼布)させた後に定量した。
L-dopaおよびノルエピネフリンのレベルは180分まで上
昇した(図4及び6参照)。ドーパミンは、30分でプラ
トーレベルに達し、30分〜180分までこのレベルが維持
された(図5参照)。データは、5匹のラットにおける
平均値±S.E.M.で示した。
時点で対照の値と比較して、P<0.01であった。図7に
は、in vivoでのL-dopa含有ヒドロゲルの皮膚への貼着
の間の血漿中のエピネフリンレベルを示す。対照群とL-
dopa含有ヒドロゲル投与群との間では、各時点における
エピネフリンの濃度は顕著な変化を示さず、有意差も見
られなかった。データは5匹のラットにおける平均値±
S.E.M.で示した(図7参照)。
昇すると、消化、循環、精神医学的、その他の効果が生
じることが知られている(Quinn,N.P. Anti-parkinsonia
n drugs today. Drugs 28, 236-262(1984); Ellenhorn
M. J. and Barceloux,D.G. Medical toxucology: Diagn
osis and Treatment of Human Poisoning, Elsevior Ne
w York, Amsterdum, London, pp. 16(1988)) 。L-dopa
含有ヒドロゲルのin vivo経皮投与では、ドーパミンお
よびL-dopa双方の血漿レベルが持続的に上昇した。
トを、L-dopaの単回ボーラス投与後、5分、15分、25
分、37.5分、52.5分の5つの時点で行った(1時点当た
り1匹のラットを使用した)。in vivoにおける皮膚吸
収では、L-dopaヒドロゲルを皮膚へ貼着した後、0分、
30分、60分、及び180分の4時点について、1群4匹で
行った。いずれの検討も5群で行った。
時点における血漿濃度(C0)、排泄速度定数(ke )、半減
期(T1/2)、分布容積(Vd )、総ボディクリアランス
(CL)、血漿濃度−時間曲線下面積(AUC )を、最少二乗
法を用いた1コンパートメントオープンモデルによって
概算した。ついで、in vivoにおける皮膚吸収におけるL
-dopaのみかけの皮膚浸透速度(Rp ) を、上記のパラメ
ーター Vdおよび keにより、皮膚を介する浸透定数の仮
定の上に立つ単純モデルに基づく下記の式
t は時間tにおけるL-dopaの血漿濃度である。in vitro
での皮膚透過データにFickの拡散式を適用し、拡散及び
分配におけるパラメーターの概算によってその促進の度
合いを検討した。血漿中におけるL-dopaのプロファイル
は、以下の拡散モデル(Okamoto H. et al., Structure-
activity relationship of 1-alkyl- or 1-alkenylazac
yclo-alkanone derivatives aspercutaneous penetrati
on enhancers. J. Pharm. Sci. 774, 418-424(1988))に
よって分析した。
(-D'n2 π2t)] D' =D/L2 K' =KL
有効拡散長、Kは膜とドナー相との間の浸透剤の分配係
数、 Qt は時間tにおけるレシーバー液中の浸透剤の蓄
積量、Aは適用面積、C0はドナー相中におけるL-dopaの
溶解性を示す。上記の式より得られたL-dopaの拡散係数
(D')と分配パラメーター(K')に対するドナー溶液の
影響を表9に示す。
(J)は以下のように求められる。 J=AC0KD/L=AC0K'D' データは平均±S.E.M.で表し、スチューデントの片側t-
検定で統計的に分析した。0.05以下のP値を有意である
とした。
た。表10に、in vivoでのL-dopaの静脈内投与における
データに関するキネティックパラメータを示す。
eは排泄速度定数、T1/2は半減期、Vdは分布容積、 CLは
総ボディクリアランス、AUCは血漿濃度曲線下の面積を
表し、値はすべて、5回の実験の値の平均±S.E.M.で表
す。in vivoでの皮膚吸収実験でのL-dopaの懸濁液にお
けるL-dopaのみかけの皮膚透過速度(Rp ) を Vd と ke
というパラメーターに基づいて求めると、5回の実験で
1236±62ng/cm2/minであった。さらに、皮膚を透過する
L-dopaの量を Rp 値より求めると、180分間で1.112±0.
056mg/kg体重であった。
への移行の検討 (1)使用した製剤および動物 製剤は、製剤例1および2に示した処方で調製したRp-1
およびRp-2を使用した。動物は、ウィスター系ラット
(ホクドー(株)、北海道虻田郡虻田町)、体重200±1
0gの雄性を使用した。ラットは試験前に通常のケージで
飼育し、標準の固形試料(CE-2、日本クレア(株)、東
京)と水とを自由に摂取させ、馴化した。1群6匹と
し、各測定時点でn=2で測定した。
血中のL-dopa、ドーパミン、ノルエピネフリンおよびエ
ピネフリンの濃度を測定した。実施例3のin vitroにお
けるL-dopa、ノルエピネフリン、ドーパミンの皮膚透過
性の経時的変化の検討結果および実施例4のin vivoに
おけるヒドロゲル軟膏による経皮投与後の血漿中の代謝
産物の濃度の検討結果から、測定時間を0〜180分とし
た。
L-dopaの経皮吸収剤を用いると、L-dopaおよびドーパミ
ンの血漿中の濃度はいずれも経時的に上昇するが、L-do
pa濃度の上昇率に比べてドーパミン濃度の上昇率が非常
に低いことが明らかになった。また、ノルエピネフリン
およびエピネフリンの上昇率も同様にL-dopaの上昇率に
比べて非常に低かった。これらのことから、L-dopaは経
皮吸収剤から皮膚へ速やかに移行しているが、ノルエピ
ネフリンを経てエピネフリンへとゆっくりと代謝されて
いることが明らかになった。
たL-dopaの血漿レベル、および代謝産物の出現のプロフ
ァイルから、投与経路によって、器官中または血漿中の
L-アミノ酸デカルボキシラーゼとドーパミンβ−ヒドロ
キシラーゼのどちらがより強く関与するかに相違のある
ことが示された(L-dopaからこれらの代謝物への代謝に
関与する芳香族L-アミノ酸デカルボキシラーゼとドーパ
ミンβ−ヒドロキシラーゼとは、いくつかの器官に分布
することが見出されている(Kato et al., Biochem. Pha
rmacol. 27, 829-831(1978); Sprek et al., J. Neuroc
hem. 35, 972-976(1980); Rahman et al., Biochem. Ph
armacol. 30, 645-649(1981))を参照のこと)。
ーパミンとノルエピネフリンとは投与5分後には出現す
ることから、静脈内投与したL-dopaは、器官中よりも血
漿中のL-アミノ酸デカルボキシラーゼによってドーパミ
ンに変換され、さらにドーパミンβ−ヒドロキシラーゼ
によってドーパミンがノルエピネフリンへと変換される
ことが示された。他方、in vivoでのL-dopa含有ヒドロ
ゲルを経皮投与すると、ノルエピネフリンの血漿中レベ
ルは180分まで次第に上昇するが、ドーパミンレベルは3
0分〜180分までプラトーレベルに達していた。そのた
め、L-dopaとドーパミンとは器官中の酵素反応にとって
十分に長い時間、体内に残留し、器官中並びに血漿中の
酵素がL-dopaの脱炭酸とドーパミンのβ−ヒドロキシル
化に関与しているものと考えられた。
を用いると、L-dopaは速やかに皮膚を介して血漿中へ移
行するが、移行したL-dopa濃度に比べてドーパミンの濃
度が低く、持続時間が長いことが示された。以上のよう
に、本発明のパーキンソン病治療剤は、パーキンソン病
の治療における新たな方向性を提供するものである。
paを経皮吸収させることが可能となる。また、本発明に
より、持続時間の長いパーキンソン病治療剤を提供する
ことができる。本発明のパーキンソン病治療剤は、常に
一定量のL-dopaを提供するため、L-dopaの血中濃度の変
動による副作用が出現しないという利点がある。また、
本発明の治療剤は皮膚を介して投与できるため、痴呆と
嚥下困難をきたしているパーキンソン病の患者にも無理
なく投与することができる。
におけるラットの腹部皮膚を介するL-dopaの蓄積量を示
す図である。
のL-dopaの血漿レベルを示すグラフである。
のドーパミン、ノルエピネフリン、及びエピネフリンの
血漿レベルを示すグラフである。
の間のL-dopaの血漿レベルを示すグラフである。
の間のドーパミンの血漿レベルを示すグラフである。
の間のノルエピネフリンの血漿レベルを示すグラフであ
る。
の間のエピネフリンの血漿レベルを示すグラフである。
4)
して、0.5〜25重量%の酸性または中性の水溶性高
分子基剤、1〜10重量%のL-dopaを有効成分とする主
剤、15〜60重量%のテルペンとアルコールとからな
る皮膚吸収増強剤、及び他の補助剤を全体を100重量
%とするに必要な量を含有してなる経皮吸収用組成物で
ある。ここで上記水溶性基剤は、カルボキシビニルポリ
マー、ヒドロキシプロピルセルロース、及びマクロゴー
ルからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の化合物
と、炭素数2〜5の多価アルコールとからなることが好
ましく、炭素数2〜5の多価アルコールがプロピレング
リコールであることがさらに好ましい。
0.5〜25重量%の酸性または中性の水溶性高分子基
剤、1〜10重量%のL-dopaを有効成分とする主剤、1
5〜60重量%のテルペンとアルコールとからなる皮膚
吸収増強剤、及び他の補助剤を全体を100重量%とす
るに必要な量を含有してなるパーキンソン病治療用経皮
吸収組成物である。ここで上記水溶性基剤は、上記皮膚
吸収増強剤、および上記補助剤は、上述の通りである。
ップ状の液体で、医薬品に多く用いられる有機薬品、水
溶性ビタミン類、色素、香料などをよく溶かし、湿潤性
があり、殺菌性もある。また、医薬品などに配合すると
ねばっこさを残さずに皮膚を柔らげ、つきやのびをよく
するため、軟膏の基剤として好適に使用できることによ
る。基剤の量を組成物の総重量に対して、0.5〜25
重量%としたのは、0.5重量%未満では、適当な稠度
の全質均等な半固形状の軟膏とならず、25重量%を超
えると軟膏が硬くなることによる。
の組合わせは、以下のようにして決定する。すなわち、
ある濃度のエタノールとL-メントールとの組合せを用い
た場合に、分配パラメーターであるK’値の上昇が見ら
れ、エタノール濃度をさらに高めてもそれ以上のK’値
の上昇が観察されない場合には、K’値の上昇が見られ
た組み合わせを、L-dopaのドナー溶液から皮膚への分配
率の面から選択する。
て、1〜10重量%とすることが好ましい。1重量%未
満では、本発明の組成物を薬剤として使用する場合に投
与回数が多くなって投薬の管理が難しくなり、また、1
0重量%を超えると吸収しきれないL-dopaがむだになる
ことによる。約5重量%とすると、投与回数を1日1回
とすることができ、さらにL-dopaもむだなく吸収され
る。
Claims (8)
- 【請求項1】 組成物の総重量に対して、5〜25重量%
の水溶性基剤、1〜10重量%のレボドパを有効成分とす
る主剤、15〜60重量%の皮膚吸収増強剤、及び他の補助
剤を全体を100重量%とするに必要な量を含有してなる
経皮吸収用組成物。 - 【請求項2】 前記水溶性基剤が、カルボキシビニルポ
リマー、ヒドロキシプロピルセルロース、及びマクロゴ
ールからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の化合
物と、炭素数2〜5の多価アルコールから選ばれる少な
くとも1種以上の化合物とからなることを特徴とする請
求項1に記載の経皮吸収用組成物。 - 【請求項3】 前記皮膚吸収増強剤が、モノテルペン、
ジテルペンおよびセスキテルペンからなる群から選ばれ
る少なくとも1種以上のテルペンと、エタノールとから
なることを特徴とする請求項1または2に記載の経皮吸
収用組成物。 - 【請求項4】 前記補助剤が、炭素数4〜8のジアルキ
ルエタノールアミンおよび炭素数2〜8のアジピン酸ジ
アルキル、及び水からなることを特徴とする請求項1〜
3いずれかに記載の経皮吸収用組成物。 - 【請求項5】 製剤の総重量に対して、5〜25重量%の
水溶性基剤、1〜10重量%のレボドパを有効成分とする
主剤、15〜60重量%の皮膚吸収増強剤、及び他の補助剤
を全体を100重量%とするに必要な量を含有してなるパ
ーキンソン病治療用経皮吸収用製剤。 - 【請求項6】 製剤の総重量に対して、約1重量%のカ
ルボキシビニルポリマー、約10重量%のプロピレングリ
コール、約5重量%のレボドパ、約1重量%のジイソプ
ロピルエタノールアミン、約2重量%のアジピン酸ジイ
ソプロピル、及び約2重量%のL-メントールまたはd-リ
モネン、約20%〜約40%のエタノール、および約39〜59
重量%の水を含んでなる、パーキンソン病治療用経皮吸
収製剤。 - 【請求項7】 製剤の総重量に対して、約10重量%のヒ
ドロキシプロピルセルロース、約5重量%のレボドパ、
約2重量%のL-メントールまたはd-リモネン、約20%〜
約40%エタノール、及び約33%〜約53%の水を含んでな
る、パーキンソン病治療用経皮吸収製剤。 - 【請求項8】 製剤の総重量に対して、約10重量%のヒ
ドロキシプロピルセルロース、約5重量%のレボドパ及
び約1.25%のベンセラジド、約2重量%のL-メントール
またはd-リモネン、約20%〜約40%エタノール、及び約
31.75%〜約51.75%の水を含んでなる、パーキンソン病
治療用経皮吸収製剤。
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