JP2000038331A

JP2000038331A - 化粧料

Info

Publication number: JP2000038331A
Application number: JP10205320A
Authority: JP
Inventors: Hiroshi Ota; 浩史大田; Kumiko Hosokawa; 久美子細川
Original assignee: Kao Corp
Current assignee: Kao Corp
Priority date: 1998-07-21
Filing date: 1998-07-21
Publication date: 2000-02-08

Abstract

(57)【要約】【解決手段】粘土鉱物及び多価アルコールを含有し、
実質的に水を含有しない化粧料。【効果】粘度の温度安定性に優れ、塗布時ののびやな
じみが良く、しかも洗い流しが容易である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、粘度の温度安定性
に優れ、塗布時ののびやなじみが良く、しかも洗い流し
が容易な化粧料に関する。

【０００２】

【従来の技術】多価アルコールを含有する化粧料は、保
湿効果、温熱効果を有することから、マッサージ化粧
料、洗浄剤などに適用されている（特開平５−３２００
３８号）。また、このような化粧料には、皮膚に塗布し
やすい粘度にするため、多価アルコールに可溶の増粘性
高分子や、無水ケイ酸が配合されている（特開平９−８
７１５８号、特開平９−１９４３２７号、特開平９−８
７１６５号）。

【０００３】しかし、増粘性高分子のみで増粘させる化
粧料は、増粘のために多量の増粘性高分子を必要とし、
また温度依存性が大きく、低温時に皮膚に塗布する際の
のびが悪くなる。また、増粘剤を多量に配合しているに
もかかわらず、高温時に流動性が上昇して指とれが悪く
なったり、粉体を含有する場合にはそれが沈降してしま
う。更に、増粘性高分子は多くの場合水溶性であるた
め、洗い流し時などに水が存在すると急速に増粘し、す
すぎ性が低下する等の問題があった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、粘度
の温度安定性に優れ、肌上への塗布時ののびやなじみが
良く、洗い流しが容易な化粧料を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、多価アル
コールとともに粘土鉱物を用いれば、粘土鉱物により系
が増粘され、温度安定性に優れ、塗布時ののびやなじみ
が良く、しかもすすぎ性が良好で洗い流しが容易な化粧
料が得られることを見出した。

【０００６】すなわち、本発明は、粘土鉱物及び多価ア
ルコールを含有し、実質的に水を含有しない化粧料を提
供するものである。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明で用いる粘土鉱物として
は、通常の化粧料に用いられるものであれば制限され
ず、例えばカオリン、ベントナイト、スメクタイト、タ
ルク、マイカ等が挙げられる。これらのうち、特にカオ
リンが好ましい。

【０００８】これらの粘土鉱物は、１種以上を用いるこ
とができ、全組成中に、５〜６０重量％、特に５〜３０
重量％配合するのが、好適な粘度を与えるので好まし
い。本発明の化粧料は、２５℃における粘度が１０〜１
０００Pa・s、特に２０〜５００Pa・s、更に２０〜２０
０Pa・sであるのが好ましい。

【０００９】本発明で用いる多価アルコールとしては、
エーテル結合を有していてもよい飽和又は不飽和の炭化
水素骨格に、水酸基を２以上有する化合物が挙げられ
る。ここで炭化水素基としては、直鎖、分岐鎖又は環状
のアルキル基やアルケニル基が好ましい。更に糖のごと
くエーテル結合を介して環を形成しているものも含まれ
る。具体的には、例えばエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ブチレングリコール、アミレングリコー
ル、ヘキシレングリコール等のアルキレングリコール
類；ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、
ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノエチルエーテル等のジアルキレングリコ
ール類；グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、
ポリグリセリン等のグリセリン類；ソルビトール、マル
チトール、メチルグルコース等の糖アルコール類；ポリ
エチレングリコール類、ポリプロピレングリコール類な
どが挙げられる。これらのうち、特にポリエチレングリ
コール、ブチレングリコール、プロピレングリコールが
使用感及び保湿性の点から好ましい。ポリエチレングリ
コールは、平均分子量２００〜１０００００、特に２０
０〜６０００のものが好ましい。ブチレングリコールと
しては、１，３−ブタンジオール、３−メチル−１，３
−ブタンジオールが好ましい。

【００１０】これらの多価アルコールは、１種以上を用
いることができ、全組成中に１〜９５重量％、特に５〜
９０重量％、更に１０〜７０重量％配合すると、使用感
に優れるので好ましい。

【００１１】本発明の化粧料には、更に多価アルコール
に可溶の増粘性高分子を配合でき、系の粘度を調整し、
粉体の沈降を防止するのに効果がある。このような高分
子としては、例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒ
ドロキシメチルプロピルセルロース等のセルロース系高
分子、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体等が
挙げられ、特にヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロ
キシメチルプロピルセルロースが好ましい。

【００１２】上記高分子は１種以上を用いることがで
き、全組成中に０．０１〜１０重量％、特に０．０１〜
５重量％、更に０．０５〜１重量％配合するのが、使用
感の点で好ましい。

【００１３】また、本発明の化粧料には、更に活性化ゼ
オライトを配合でき、温熱効果をより高めることができ
る。活性化ゼオライトとしては、特に制限されないが、
入手容易性や経済性などの面から、次式：

【００１４】

【化１】M_xO・Al₂O₃・ySiO₂・zH₂O

【００１５】（Ｍはアルカリ金属又はアルカリ土類金属
を示し、ｘ、ｙ及びｚは任意の数を示す）で表わされる
ゼオライトＡ−３、ゼオライトＡ−４、ゼオライトＡ−
５等の活性化ゼオライトが好ましい。また、イオン交
換、中性化等の処理を施したゼオライトも使用できる。
これらのゼオライトの粒径は、水和速度、使用感などの
点から０．１〜２００μｍ、特に１〜１００μｍが好ま
しい。

【００１６】このようなゼオライトは、通常の方法によ
り製造、精製、粉砕、焼成、分級して得られる。例えば
ヨーロッパ特許第１８７９１２号（特開昭６１−２０４
１１１号）記載の如く、ゼオライト原体を約３００〜６
００℃で焼成・脱水を行った後、乾燥空気中で保存する
と、所望の活性のゼオライトが得られる。

【００１７】活性化ゼオライトは１種以上を用いること
ができ、全組成中に１〜６０重量％、特に５〜４０重量
％、更に１０〜３０重量％配合するのが、発熱量、のび
やすさの点で好ましい。

【００１８】本発明の化粧料には、前記成分のほか、通
常の化粧料に用いられる成分、例えば界面活性剤、前記
以外の粉体、油剤、潤滑剤、湿潤剤、防腐剤、殺菌剤、
消炎剤、収斂剤、止血剤、鎮痛剤、ビタミン及びその誘
導体、キレート剤、粘度調整剤、起泡剤、清涼剤、冷感
剤、金属防錆剤、動植物エキス、色素、抗酸化剤、香料
等を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合でき
る。

【００１９】本発明の化粧料は、常法により上記成分を
混合して製造され、実質的に水を含有しないものであ
る。実質的に水を含有しないとは、化粧料中に水分が少
量存在することを排除するものではなく、化粧料が外部
の水と接触した場合に十分な水和熱を発生することがで
きればよく、化粧料中での水の含有量は多くて５％程度
である。

【００２０】また、本発明の化粧料は、ボディや顔等の
マッサージ剤やパック剤等として使用するのが好まし
い。マッサージ剤として使用するには、例えばマッサー
ジする部分、例えば顔を濡らして塗布し、マッサージ
し、その後洗い流す。また、パック剤として使用するに
は、例えば顔を濡らして塗布し、適当な時間保ち、その
あと洗い流す。

【００２１】

【発明の効果】本発明の化粧料は、温度安定性に優れ、
粉体成分が沈降することなく均一に分散しており、高温
下でも粘度が低下せず、指取れが良く、塗布時ののびや
なじみが良く、しかもすすぎ性が良好で、洗い流しが容
易である。また優れた温熱感と使用感を有するものであ
る。

【００２２】

【実施例】実施例１表１に示す組成のマッサージ化粧料を常法により製造
し、２５℃及び５０℃での粘度を測定するとともに、安
定性及び塗布時ののび・なじみについて評価した。結果
を表１に併せて示す。

【００２３】（評価方法）（１）粘度測定：東機産業社製、Ｂ型粘度計、ローター
Ｔ−Ｄを用い、２５℃及び５０℃にて５rpmで６０秒間
回転させて測定した。

【００２４】（２）安定性：各マッサージ化粧料を２５
℃で１週間保存した後の外観を目視により以下の基準で
評価した。 ○：分離なし。 ×：分離あり。

【００２５】（３）塗布時ののび・なじみ：３名の専門
パネラーにより、マッサージ化粧料を塗布したときのの
び、なじみを官能評価し、以下の基準で判定した。 ◎：３名が良いと答えた。 ○：１〜２名が良いと答えた。 ×：良いと答えた者はいなかった。

【００２６】

【表１】

【００２７】実施例２以下に示す組成のマッサージ剤を常法により製造した。
得られたマッサージ剤は、温度安定性に優れ、塗布時の
のびやなじみが良く、優れた温熱感と使用感を有し、し
かも洗い流しが容易であった。

【００２８】

【表２】（成分）（重量％）ポリエチレングリコール（分子量２０００）８．０ポリエチレングリコール（分子量２００）１０．０プロピレングリコール６９．０微粒子酸化アルミニウム２．０（比表面積１００m²／ｇ、一次粒子径13nm）ヒドロキシプロピルセルロース１．０カオリン１０．０

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号ＦＩテーマコート゛(参考）Ａ６１Ｋ 7/00 Ａ６１Ｋ 7/00 Ｕ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】粘土鉱物及び多価アルコールを含有し、
実質的に水を含有しない化粧料。
【請求項２】粘土鉱物がカオリンである請求項１記載
の化粧料。
【請求項３】更に、多価アルコール可溶性高分子を含
有する請求項１又は２記載の化粧料。
【請求項４】更に、活性化ゼオライトを含有する請求
項１〜３のいずれか１項記載の化粧料。