JP2000037869A - インクジェットヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

インクジェットヘッドおよびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 噴射溝内の電極が、絶縁保護膜がなくてもイ
ンクに対する耐食性に優れ、また接続端子と配線材との
ろう付け性がよいインクジェットヘッドおよびその製造
方法を提供する。 【解決手段】 複数の噴射溝を含む溝14,15をもつ
アクチュエータ基板に、インクに対する耐食性のよいN
iからなる導電層を形成し、その導電層を、研削および
レーザ加工により、溝内の電極22,23と、接続端子
43,46に対応する部分とに分割する。接続端子に対
応する部分の導電層上に、ろう付け性のよいAuの導電
層を形成する。そして、Auの導電層上に、外部の駆動
制御部からのびるフレキシブル印刷配線基板32をろう
付けにより接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクをノズル孔
から噴射させ文字や図形を記録するインクジェットヘッ
ドおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットヘッドは、通常、ノズル
孔に連通された噴射溝で、圧電材料を変形させたり、イ
ンクを局部的に加熱して気化させる等して、インクに圧
力を作用させることによりインクをノズル孔から噴射さ
せるように構成されている。
【0003】従来、圧電材料を使用したインクジェット
ヘッドとしては、圧電材料からなるアクチュエータ基板
の上面に平行な複数の溝を、また裏面に複数の接続端子
を備え、各接続端子から各溝側面の電極に選択的に電圧
を印加し、溝間の隔壁を変形させるものがある。このよ
うなインクジェットヘッドを製造する場合には、まず、
圧電材料からなるアクチュエータ基板の上面に複数の溝
を平行に形成した後、溝内を含めたアクチュエータ基板
の全表面に無電解メッキ等で導電層を形成する。そし
て、導電層を溝ごとに、研削やレーザ加工により分割加
工することによって、各溝の隔壁に導電層からなる電極
を形成し、またアクチュエータ基板の前端面から裏面の
導電層に対して分割加工をすることによって、各溝の電
極に個々に接続された複数の接続端子を形成する。そし
て、接続端子に、フレキシブル印刷配線基板等の配線材
を接続することで、インクジェット記録装置の駆動制御
部に接続され、記録データにもとづいて駆動制御部から
出力された駆動電圧をフレキシブル印刷配線基板、各接
続端子を介して各隔壁に印加して変形させ、各溝内のイ
ンクをノズル孔から噴出させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のインクジェット
ヘッドでは、圧電材料製のアクチュエータ基板の全表面
に導電層としてのニッケル層を無電解メッキ等で形成
し、そのニッケル層の上に金を電解メッキで被覆し、さ
らにその上に絶縁保護膜をスピンコート法またはCVD
法等により形成している。これは、ニッケルに対しては
配線材をろう付けしにくいため、金を介在させること
で、ろう付け性をよくするものである。また、ニッケル
自体はインクに対して耐食性が高いが、ニッケルの上に
金がのっていると、界面に電位差が生じることでニッケ
ルがイオン化されやすくなり、インクに接触する(圧電
材料の凹凸の影響および金が非常に薄いことにより金で
ニッケルを完全に覆うことができず、その隙間からイン
クがニッケルに接触する)と腐食されやすくなるため、
絶縁保護膜で覆っている。
【0005】このように、絶縁保護膜をスピンコート法
またはCVD法等により形成するのは、相当の設備を必
要とし、工数も多くなる。特に、特開平7−10105
7号公報に記載のように、保護膜を確実にするために、
有機膜および無機膜を複数層形成するものでは、非常に
工数が多くなって、コストもかさむ。
【0006】本発明は、この問題を解決するもので、絶
縁保護膜を省略して、しかもインクに対する耐食性、配
線材とのろう付け性のよいインクジェットヘッドおよび
その製造方法を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】上記問
題を解決するため、請求項1のインクジェットヘッドで
は、アクチュエータ基板に、インクを噴射するための複
数の噴射溝と、前記各噴射溝に露出した複数の電極と、
前記噴射溝外の位置で前記各電極に接続した複数の接続
端子とを備え、前記接続端子に配線材をろう付けするイ
ンクジェットヘッドにおいて、前記電極をインクに対す
る耐食性の高い材料からなる導電層で、前記接続端子の
少なくとも表面をろう付け性のよい材料からなる導電層
でそれぞれ構成する。
【0008】これにより、一連に接続した電極と接続端
子とが、インクによって腐食することを防ぎ、かつ接続
端子と配線材とのろう付け性をよくすることを、同時に
実現することができる。
【0009】好ましくは、請求項2に記載のように、前
記電極を構成する導電層が、前記噴射溝から前記接続端
子に相当する位置まで、メッキ、蒸着等によって形成さ
れ、前記接続端子の少なくとも表面を構成する導電層
が、前者の導電層上の前記接続端子に相当する位置に重
ねて形成されることで、接続端子が電極に対して容易に
形成される。特に、接続端子を構成する導電層が、絶縁
材料のアクチュエータ基板に対してメッキ等で形成しに
くい材料であるとき、予め形成された電極を構成する導
電層上に容易に形成される。例えば、請求項3に記載の
ように電極を構成する導電層が、ニッケルであり、噴射
溝から前記接続端子に相当する位置まで形成され、その
上の接続端子に相当する位置にのみ金の導電層が形成さ
れる。つまり、ニッケルからなる導電層が絶縁材料のア
クチュエータ基板の上に無電解メッキにより形成され、
金は無電解メッキにより形成されにくいが、ニッケルの
導電層の上には容易に形成される。また、インクに露出
する部分ではニッケルが、配線材と接続される部分では
金がそれぞれ位置し、耐食性とろう付け性が同時に達成
される。
【0010】また、請求項4に記載のように、導電層と
してパラジウムを用いることにより耐食性とろう付け性
を同時に達成でき、電極および接続端子を1つの導電層
で構成することができる。
【0011】また、請求項5に記載のように、請求項1
記載のインクジェットヘッドは、前記アクチュエータ基
板が、前記各噴射溝の両側を、すくなくとも一部が分極
された圧電材料の隔壁で構成し、前記電極をその隔壁の
側面に形成し、前記接続端子を、前記噴射溝と反対側の
アクチュエータ基板の裏面に形成した構成のものにおい
て、噴射溝からそれと反対側のアクチュエータ基板の裏
面にわたって導電層を形成し、アクチュエータ基板の裏
面における一部を接続端子とすることができ、製作が容
易となる。
【0012】請求項6のインクジェットヘッドの製造方
法では、アクチュエータ基板に、インクを噴射するため
の複数の噴射溝と、前記各噴射溝に露出した複数の電極
と、前記噴射溝外の位置で前記各電極に接続した複数の
接続端子とを備え、前記接続端子に配線材をろう付けす
るインクジェットヘッドの製造方法において、前記アク
チュエータ基板に、複数の噴射溝を形成する工程と、前
記噴射溝を含む前記アクチュエータ基板に、インクに対
する耐食性の高い導電材料で導電層を形成する工程と、
前記導電層を各噴射溝に対応した前記電極と前記接続端
子に対応する部分とに分割する工程と、前記接続端子に
対応する部分の導電層上に、ろう付け性のよい導電材料
の層を形成する工程とを有する。
【0013】この製造方法においては、噴射溝を含む前
記アクチュエータ基板に相互につながった導電層を形成
して、そのあと、各噴射溝と接続端子に対応する部分に
分割することで、複数の電極と接続端子との相互の接続
の信頼性を上げ、かつ容易に製作することができる。
【0014】上記製造方法において、前者の導電層の上
に後者の導電層を形成した後、両導電層を同時に分割す
ることもできるが、前者の導電層の上に後者の導電層を
電解メッキする場合には、前者の導電層のみを分割した
あと、後者の導電層を電解メッキにより前者の導電層の
みに重ねて形成することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
もとづいて説明する。
【0016】インクジェットヘッドは、アクチュエータ
基板1とプレート部材4とノズルプレート6とマニホー
ルド部材7とを有している。アクチュエータ基板1は、
チタン酸ジルコン酸鉛系(PZT)またはチタン酸鉛系
(PT)等のセラミックスからなる複数の圧電材料を積
層して構成されており、各層の圧電材料は相互に反対方
向(それぞれアクチュエータ基板1の厚さ方向、図1の
矢印27)に分極処理されている。そして、アクチュエ
ータ基板1の上面には、各層にわたって切削加工された
複数の溝14,15が形成されている。その複数の溝の
うち、1つおきのものをインクを噴射するための噴射溝
14とし、両端のものと噴射溝14間の1つおきのもの
をダミー溝15としている。
【0017】各噴射溝14は、アクチュエータ基板1の
先端1a(図中左端)から後端1d(図中右端)にわた
って所定深さで貫通形成されている。各ダミー溝15
は、アクチュエータ基板1の先端から後端側の近傍まで
所定深さとなるように形成され、そのダミー溝の後端部
は、アクチュエータ基板1の上面と面一となるように立
ち上げられて閉塞されている。また、アクチュエータ基
板1の先端部には、ダミー溝15に対応した位置に縦溝
40が形成されている。そして、各噴射溝14とダミー
溝15は、アクチュエータ隔壁20を介して交互に平行
に配列されており、アクチュエータ隔壁20は互いに反
対方向に分極された複数層の圧電材料により構成されて
いる。
【0018】アクチュエータ基板1の各噴射溝14、各
ダミー溝15、後端面1d及び裏面1cを含む全表面に
は、Ni(ニッケル)の導電層41が蒸着や無電解メッ
キにより形成される。アクチュエータ基板1の先端面1
aおよび上面1bは、面状に切削または研削することに
より導電層が除去されている。そして、各ダミー溝15
の底面における中央には、第1分割溝44aが先端側か
ら後端上面の導電層のない面にわたって形成されてい
る。その結果、各噴射溝14の内面には、それぞれ1つ
の電極23が形成され、各ダミー溝15の内面には、2
つの独立した電極22,22が形成される。そして、ダ
ミー溝15に連通した各縦溝40には、第1分割溝44
aに連続する第2分割溝44bが形成されている。さら
に、アクチュエータ基板1の裏面1cには、図2に示す
ように、各第2分割溝44aに接続された複数の第3分
割溝44cが先端側から後端近傍まで各ダミー溝15と
平行に形成されており、各第3分割溝44cの後端側に
は第3分割溝44cに直交するように第4分割溝44d
が形成されている。
【0019】アクチュエータ基板1の裏面1cには、A
u(金)の導電層42が、Niの導電層41の上のみに
形成される。
【0020】これにより、各分割溝44c〜44dは、
アクチュエータ基板1の裏面に複数の接続端子43を平
行に形成させ、そのまわりに共通電位側の接続端子46
を形成させている。噴射溝14とそれを挟んで隣接する
2つのアクチュエータ隔壁20とを1組のアクチュエー
タとして、各接続端子43は、その両アクチュエータ隔
壁20の各ダミー溝15側の電極22,22に、縦溝4
0内の導電層41を介してそれぞれ電気的に接続され、
他の組のアクチュエータとは、分割溝44a〜44cに
よって分離独立している。共通電位側の接続端子46
は、アクチュエータ基板1後端面1dの導電層41を介
して噴射溝14内の電極23に接続されている。
【0021】また、図2に示すように、各接続端子4
3,46が形成されたアクチュエータ基板1の裏面1c
には、配線材すなわちフレキシブル印刷配線基板32が
ろう付け(例えば半田付け等)により接続される。フレ
キシブル印刷配線基板32には、接続端子43,46に
対応して端子64,67が形成されている。端子64,
67は、図示しないインクジェット記録装置の駆動制御
部に接続されている。
【0022】上記のように構成されたアクチュエータ基
板1の上面には、セラミックス材料や樹脂材料からなる
平板状のプレート部材4がエポキシ系の接着剤等により
液密状態に接合されている。これにより、各噴射溝14
は、プレート部材4で覆われることによって、先端およ
び後端のみを開口する。また、各ダミー溝15は、プレ
ート部材4で覆われることによって、先端のみを開口す
る。
【0023】アクチュエータ基板1およびプレート部材
4の先端には、ノズルプレート6がエポキシ系の接着剤
等を用いて液密状態に接合されている。ノズルプレート
6には、噴射溝14からインク滴を噴射させるように、
各噴射溝14に対応して複数のノズル孔30が形成され
ている。
【0024】アクチュエータ基板1およびプレート部材
4の後端には、マニホールド部材7が接合されている。
マニホールド部材7の中心部には、図示しないインクタ
ンクと接続するインク供給口31が形成され、全噴射溝
14にインクを分配する。
【0025】図6は、各分割溝44a〜44cを形成す
るための加工装置、例えばYAGレーザ等のレーザ加工
装置を示す。レーザ加工装置80は、レーザ光82を出
射するレーザ発振器81と、レーザ光を反射してX軸方
向(溝の配列方向)に走査させる反射鏡83を有するX
軸用ガルバノメータ84と、レーザ光82を反射してY
軸方向(溝の長手方向)に走査させる反射鏡85を有す
るY軸用ガルバノメータ86と、レーザ光82を光する
集光レンズ87とを備えている。そして、レーザ光82
を、導電層に沿って走査し照射することで、導電層を線
状に除去して各分割溝44a〜44dを形成する。
【0026】次に、インクジェットヘッドの製造方法に
ついて説明する。
【0027】まず、積層した圧電材料からなる平板を帯
状にスライス加工することで、アクチュエータ基板1を
形成した後、ダイヤモンドブレード等により、複数の噴
射溝14、ダミー溝15、および縦溝40を形成する。
この後、アクチュエータ基板1の各溝14,15,40
を含む全表面にNi等の導電層41を蒸着や無電解メッ
キにより形成する。そののち、アクチュエータ基板1の
上面1bを面状に切削または研削することによりその上
面の導電層を除去し、各溝14,15内の導電層を上面
において独立させる。
【0028】アクチュエータ基板1を、図6に示すよう
に、レーザ加工装置80の下方に装着し、導電層41の
分割加工を行う。まず、ダミー溝15の底面を走査して
その導電層を線状に除去することによって、第1分割溝
44aを形成する。順次隣のダミー溝15の底面にも同
様の加工を行う。縦溝40の底面に対しても、同様に走
査して導電層を線状に除去して第2の分割溝44bを形
成する。さらに、アクチュエータ基板1の裏面1cにお
いてもレーザ光82を照射して導電層を線状に除去し、
第3、4の分割溝44c、44dを形成する。この分割
加工における第1〜第4分割溝44a〜44dの形成、
及びアクチュエータ基板1の上面1b、前端面1aの切
削または研削(前端面の加工については後述する)によ
って、導電層41が各アクチュエータごとに、ダミー溝
15内、裏面1cにおいて独立化される。
【0029】分割溝44a〜44dの加工ののち、アク
チュエータ基板1裏面の各接続端子43,46の上のみ
にAuの導電層42を電解メッキにより形成する。電解
メッキする際に、Niの導電層41を一方の電極とすれ
ば、AuはNiの上のみに付着するので、分割溝を埋め
ることなくAuの導電層が形成される。また、電解メッ
キする際に、アクチュエータ基板1裏面1cをのぞい
て、他の面はメッキが形成されないようにマスクする
が、少なくともインクが接触する噴射溝14と後端面1
dのみマスクしてもよい。また、噴射溝14と後端面1
dをマスクすることが困難な場合は、アクチュエータ基
板1裏面1cのみをメッキ液に浸漬することで、その部
分のみをメッキするようにしてもよい。
【0030】なお、分割溝44a〜44dの加工の前
に、NiだけでなくAuの導電層も形成しておき、その
あと、Auの導電層にもいっしょに分割溝44a〜44
dを加工することも可能である。Auの導電層の形成
は、蒸着等他の方法で行うこともできる。
【0031】次いで、アクチュエータ基板1の上面にプ
レート部材4を接合し、アクチュエータ基板1およびプ
レート部材4の先端面を面状に切削または研削して面一
状にするとともに、先端面1aの導電層41を除去す
る。そして、噴射溝14とノズル孔30とが対応するよ
うに、先端面にノズルプレート6を接合すると共に、後
端面にマニホールド部材7を接合する。この後、フレキ
シブル印刷配線基板32とアクチュエータ基板1の各接
続端子43、46とを接続する。この接続は、フレキシ
ブル印刷配線基板32の各端子64、67を、アクチュ
エータ基板1の各接続端子43,46に一致するように
当接させた後、ろう付け(例えば、半田付け)すること
により接続されてインクジェットヘッドとして組み立て
られる。なお、フレキシブル印刷配線基板32の各端子
64、67には、予め半田層が形成されており、加熱に
より溶融されて各接続端子43,46に固着される。
【0032】このように、本実施形態のインクジェット
ヘッドによれば、図示しないインクジェット記録装置の
駆動制御部からフレキシブル印刷配線基板32をとおし
て出力された駆動信号を各アクチュエータの一対の電極
22,22印加し、電極23を接地することにより、一
対の隔壁20に分極方向27に対して直角方向の電界を
生成し、隔壁20をそれぞれ変形させて噴射溝14内の
インクを噴射させるようになっている。
【0033】噴射溝14内に形成された電極23は、N
iで構成され、Ni自体はインクに対し耐食性が高い。
またアクチュエータ基板1裏面1cの各接続端子43,
46は、Niの上にAuをのせたもので構成され、Au
自体はろう付け性がよいから、フレキシブル印刷配線基
板32の各端子64、67が良好に接合される。また、
Auがアクチュエータ基板の圧電材料に対し無電解メッ
キしにくいとしても、予めアクチュエータ基板の裏面に
もNiの導電層41を形成しておくことで、接続端子に
対応する位置にAuの導電層42を容易に形成すること
ができる。従来のように、噴射溝14内のNiの上まで
Auを形成しないので、AuによってNiがイオン化さ
れやすくなって、腐食するということがなく、絶縁保護
膜が不要となる。
【0034】また、導電層として、Pd(パラジウム)
を用いることができる。Pdは、インクに対する耐食
性、ろう付け性がともに優れ、電極23、接続端子4
3,46とも1つの材料で構成することができる。Pd
は、前記Niと同様のメッキによってアクチュエータ基
板に形成できる。この場合、Auの導電層を形成する工
数が省ける。
【0035】なお、本発明は、導電層として、Ni,A
u,Pdだけでなく、その他のインクに対する耐食性が
高い材料、ろう付け性のよい材料を使用することができ
る。また、噴射溝14の隔壁を変形させてインクを噴射
するものだけでなく、他の形式のヘッドにおいても、接
続端子43,46をとおしてインク噴射用のアクチュエ
ータに給電するものに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェットヘッドを上側から見た分解斜視
図である。
【図2】インクジェットヘッドを下側から見た分解斜視
図である。
【図3】図2のインクジェットヘッドの一部を溝列方向
に断面にした拡大図である。
【図4】図3のA−A線断面図である。
【図5】図3のB−B線断面図である。
【図6】レーザ加工装置からアクチュエータ基板にレー
ザ光を照射して分割溝を形成する状態を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1 アクチュエータ基板 14 噴射溝 15 ダミー溝 20 アクチュエータ隔壁 22 電極 23 電極 32 配線材 41 Ni導電層 42 Au導電層 43 接続端子 46 接続端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C057 AF70 AF93 AG12 AG45 AG90 AP02 AP53 AP54 AP55 BA03 BA14

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクチュエータ基板に、インクを噴射す
    るための複数の噴射溝と、前記各噴射溝に露出した複数
    の電極と、前記噴射溝外の位置で前記各電極に接続した
    複数の接続端子とを備え、前記接続端子に配線材をろう
    付けするインクジェットヘッドにおいて、 前記電極をインクに対する耐食性の高い材料からなる導
    電層で、前記接続端子の少なくとも表面をろう付け性の
    よい材料からなる導電層でそれぞれ構成したことを特徴
    とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 前記電極を構成する導電層は、前記噴射
    溝から前記接続端子に相当する位置まで、メッキ、蒸着
    等によって形成され、前記接続端子の少なくとも表面を
    構成する導電層は、前者の導電層上の前記接続端子に相
    当する位置に重ねて、メッキ、蒸着等によって形成され
    ていることを特徴とする請求項1記載のインクジェット
    ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記電極を構成する導電層は、ニッケル
    であり、前記接続端子の少なくとも表面を構成する導電
    層は、金であることを特徴とする請求項2記載のインク
    ジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 前記電極および前記接続端子を構成する
    導電層は、パラジウムであることを特徴とする請求項1
    記載のインクジェットヘッド。
  5. 【請求項5】 前記アクチュエータ基板は、前記各噴射
    溝の両側を、すくなくとも一部が分極された圧電材料の
    隔壁で構成し、前記電極をその隔壁の側面に形成し、前
    記接続端子を、前記噴射溝と反対側のアクチュエータ基
    板の裏面に形成したことを特徴とする請求項1記載のイ
    ンクジェットヘッド。
  6. 【請求項6】 アクチュエータ基板に、インクを噴射す
    るための複数の噴射溝と、前記各噴射溝に露出した複数
    の電極と、前記噴射溝外の位置で前記各電極に接続した
    複数の接続端子とを備え、前記接続端子に配線材をろう
    付けするインクジェットヘッドの製造方法において、 前記アクチュエータ基板に、複数の噴射溝を形成する工
    程と、 前記噴射溝を含む前記アクチュエータ基板に、インクに
    対する耐食性の高い導電材料で導電層を形成する工程
    と、 前記導電層を各噴射溝に対応した前記電極と前記接続端
    子に対応する部分とに分割する工程と、 前記接続端子に対応する部分の導電層上に、ろう付け性
    のよい導電材料の層を形成する工程とを有するインクジ
    ェットヘッドの製造方法。
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