JP2000037185A - 冷凍耐性酵母の製造方法 - Google Patents

冷凍耐性酵母の製造方法

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JP2000037185A JP20807498A JP20807498A JP2000037185A JP 2000037185 A JP2000037185 A JP 2000037185A JP 20807498 A JP20807498 A JP 20807498A JP 20807498 A JP20807498 A JP 20807498A JP 2000037185 A JP2000037185 A JP 2000037185A
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fatty acid
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公一朗 佐野
Noriki Nio
式希 丹尾
Tetsuya Miwa
哲也 三輪
Katsuya Seguro
勝也 背黒
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Ajinomoto Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酵母の冷凍耐性を決定づけている遺伝形質を
明らかにし、実用冷凍耐性酵母の新規な育種法を提供す
る。 【解決手段】 パン酵母細胞内のデルタ−9−脂肪酸デ
サチュラーゼ活性を上昇させ、細胞の全脂肪酸含量に占
める不飽和脂肪酸含量の割合を80%以上に高めること
により、冷凍耐性パン酵母を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍耐性パン酵母
の製造方法、及び該方法で製造されたパン酵母を用いた
冷凍パン生地とその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】パンは、その製品の完成の過程でパン酵
母による生地の膨張、熟成を必要とする。このことから
パンは発酵食品に分類されるが、一定した品質のパンを
提供するためには、パンの発酵の過程に細心の注意を払
い、制御することが必要である。さらにこの過程は最初
の原料混和から焼成にいたるまで6〜7時間続くことか
ら、製パン業界では従来その工程上、深夜、早朝の作業
がつきものであり、パン製造に関わる労働者の労働条件
を厳しいものとしてきた。
【0003】そこで、製パン業界では、このような労働
条件を改善するため、1970年代より冷凍生地製パン
法の検討がなされてきた。冷凍生地製パン法とは、従来
連続的であった原料混和から焼成までの工程の中で、一
旦製造途中の生地を冷凍保存し、必要に応じて適宜解凍
して最終製品とするという技術である。この技術の導入
により、労働時間の調整がかなり無理なく行えるように
なった。
【0004】更に最近、この冷凍生地製パン法は別の意
味で注目を浴びている。それは近年のコンビニエンスス
トアを中心とした「焼き立てパン」ブームにおいて、こ
の技術の導入により大規模かつタイムリーな焼き立てパ
ンの供給が可能になったからである。セントラル工場で
集中的に製造された冷凍生地を、それぞれ販売店舗に近
接した焼成工場において、注文に応じて必要な種類のパ
ンを必要な数だけ一日三回配送するということが現在行
われている。
【0005】このような冷凍生地を用いたオペレーショ
ンを適切に機能させるためには、冷凍−解凍といった処
理を行っても、通常の製パン法において作られた生地に
近い品質を安定的に維持できることが重要である。冷凍
生地の品質が低下する原因の一つとしては、生地中のパ
ン酵母の冷凍障害による発酵力の低下が大きいと言われ
ている。
【0006】冷凍生地製パン法における上記の問題を解
決すべく、日本のパン酵母メーカーを中心に、冷凍に強
い”冷凍耐性酵母”が開発、販売されてきた。最初の実
用冷凍耐性酵母が1980年代初めに発売されて以来、
各メーカーの努力によりその性能は向上を続け、現在で
は中種冷凍生地にも用いることの出来る冷凍耐性パン酵
母が販売されるまでに至っている。
【0007】この様に、性能の向上した実用冷凍耐性酵
母が世に出てゆく中、酵母の冷凍耐性を如何にして強め
るかという研究も近年盛んに行われるようになってき
た。その一つに酵母細胞内トレハロース含量の高さが酵
母の冷凍耐性を高めているという説がある。実際酵母の
トレハロース分解系酵素を破壊し、細胞内に著量のトレ
ハロースを蓄積するようになった酵母は冷凍耐性が高ま
ったというデータが発表されている(特公平10−11
7771)。
【0008】また、細胞内に極性の高いアミノ酸を著量
蓄積した酵母は冷凍耐性が高まるとの報告がある。この
例についてもプロリン、アルギニンを高蓄積させた酵母
は、冷凍耐性が高まったとの報告も出ている(App
l.Microbiol.Biotechnol.,4
7巻,405−411,1997年)。
【0009】一方、市販されている実用冷凍耐性パン酵
母がすべてトレハロース含量が高いというわけでもない
という報告(日本食品科学工学会第42回大会講演集,
136頁,演題番号2Gp4,1995年)もあり、他
にも冷凍耐性に寄与している因子の存在が考えられてい
る。またプロリン、アルギニンについても実験室酵母に
おいての知見であり、トレハロース同様、それだけで実
用冷凍耐性パン酵母の冷凍耐性を決定しているのかは不
明である。
【0010】さらに、上記の手法により、酵母の冷凍耐
性が上昇することは明らかとなったが、特記すべきはい
ずれも”人工的な”酵母の改良の結果であるということ
である。このことは、実際冷凍に強い酵母、冷凍耐性酵
母においてどのような原理が働いているのかという疑問
に対しては充分な解答とはなっていないとも解釈でき
る。トレハロースやプロリンの蓄積が酵母の冷凍耐性の
上昇に関わっていることは事実であるが、このことが実
用パン酵母に必ずしも当てはまるというわけでない以
上、実用パン酵母の冷凍耐性を決定している未知の機構
の存在が考えられる。
【0011】実用冷凍耐性酵母は主として、冷凍に強い
酵母とパン酵母との交雑育種により取得されてきた。こ
のことは、酵母の冷凍耐性とは、遺伝する形質;遺伝形
質であるということを示している。しかしその遺伝形質
は何であるかについては、未だ十分な知見がない。
【0012】ところで、細胞膜の流動性と酵母の冷凍障
害についてはいくつかの報告がある。細胞膜の流動性を
変化させる因子として、不飽和度の高い脂肪酸若しくは
ステロールの存在がある。予め不飽和度の異なる脂肪酸
を取り込ませていた酵母間で、冷凍−解凍後の生存率に
差が見られることが示されている。この結果は、細胞膜
の流動性が酵母の冷凍耐性に関わりをもつことを示唆し
た例として興味深いが、ここで酵母に取り込ませ、効果
の見られた脂肪酸は、酵母によって作られない不飽和度
の高い脂肪酸であること(J.General Mic
robiol.,128巻,549−555,1982
年)、さらに好気的培養か嫌気的培養かで冷凍耐性と不
飽和度の高さに逆の傾向が見られる(Criobiol
ogy,15巻,73−79,1978年)など、膜の
流動性を上げる不飽和度の高い脂肪酸の添加と冷凍耐性
とは単純な関係にはない。
【0013】また、冷凍耐性酵母トルラスポラ・デルブ
レッキイ(Torulaspora delbreckii)に変異処理を行
い、冷凍に弱くなった変異株と元株との脂質組成を比較
したデータがあるが、ステロール含量を示すS/P比に
は差が見られるが、不飽和脂肪酸組成には差が見られな
かったとの報告もある(Appl.Environ.M
icrobiol.,57巻,463−468,199
1年)。さらに、実用パン酵母は培養条件で冷凍耐性が
変化するが、このときの各条件で培養した酵母の脂質組
成を比較しても、その差はなかったという報告もある
(Appl.Microbiol.Biotechno
l.,44巻,167−171,1995年)。
【0014】一方、パン酵母の冷凍耐性を向上させる方
法として、リノール酸を生合成できるような遺伝学的改
変が提案されている(特開平10−75782号)。そ
の具体的手段としては、パルミチン酸よりステアリン酸
に基質特異性の高い△−9−脂肪酸不飽和化酵素遺伝子
を酵母に導入して、リノール酸の前駆体であるオレイン
酸を増加させる方法が挙げられている。これは、植物由
来の△−12−脂肪酸不飽和化酵素遺伝子を導入した酵
母はリノール酸を生合成できるが(PlantPhys
iol,111,223−226,1996)、依然パ
ルミトレイン酸含量が高く、膜の相転移温度の低下を望
める改変は達成されていないと結論付けられたことによ
る。このような考えに基づいて、サッカロマイセス・セ
レビシエ以外の多価不飽和脂肪酸合成能を持った酵母に
由来する、パルミチン酸よりステアリン酸に基質特異性
の高い△−9−脂肪酸不飽和化酵素遺伝子を導入された
酵母は、バルミトレイン酸含量が低く、オレイン酸含量
が増加した。しかし、この酵母の冷凍耐性については明
らかにされていない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、酵母
の冷凍耐性は遺伝形質であり、この形質が何であるかを
明らかにすることは、実用酵母の冷凍耐性機構を考慮し
た新規な育種系を設定するために重要であると考えられ
る。
【0016】本発明は、上記観点からなされたものであ
り、酵母の冷凍耐性を決定づけている遺伝形質を明らか
にし、実用冷凍耐性酵母の新規な育種法を提供すること
を課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、実用冷凍耐性酵
母においてその冷凍耐性を決定づけている遺伝形質を、
酵母遺伝学的手法を用いて明らかにすることに成功し
た。即ち、実用冷凍耐性酵母と同等の性能を持つ一倍体
酵母を取得し、この酵母を変異処理する事によって冷凍
耐性の低下した変異株を得た。それらの変異株から冷凍
耐性を復帰する遺伝子を取得し、同定したところ、該遺
伝子はデルタ−9−脂肪酸デサチュラーゼをコードする
OLE1遺伝子であることが明らかとなった。そこで、
変異株のOLE1遺伝子のみを元株のそれと置換した株
(OLE1遺伝子置換変異株)を作出し、両者の冷凍耐
性を比較したところ、変異株に対しOLE1遺伝子置換
変異株の冷凍耐性が上昇することを確認した。
【0018】さらに、デルタ−9−脂肪酸デサチュラー
ゼは、サッカロマイセス セレビシエにおいて唯一の脂
肪酸不飽和化酵素である。そこで、変異株、及びOLE
1遺伝子置換変異株の全脂質に占める不飽和脂肪酸組成
を測定したところ、変異株に対してOLE1遺伝子置換
変異株は、酵母において産生される不飽和脂肪酸のパル
ミトレイン酸、オレイン酸の量比が明らかに上昇してい
た。このことから、このOLE1遺伝子置換を行った変
異株は、全脂肪酸含量に占める、上記不飽和脂肪酸量比
の上昇により冷凍に対して強くなったことが示された。
【0019】上記のように、冷凍耐性酵母において、酵
母自身が産生する脂肪酸含量の大小が大きな影響を持つ
ことが明らかとなったことは、実用冷凍耐性酵母で実際
に冷凍耐性を決定づけている機構のひとつとして、酵母
の全脂質に占める不飽和脂肪酸の組成比が機能している
ことを示している。この結果は、酵母自身の産生する不
飽和脂肪酸(パルミトレイン酸、オレイン酸)を増加さ
せることにより、酵母の冷凍耐性を上昇させることが出
来るという、新規な冷凍耐性酵母育種法を提供する。
【0020】本願発明は上記新知見に基づくものであ
り、(1)パン酵母細胞の全脂肪酸含量に占める不飽和
脂肪酸含量の割合を80%以上に高めることを特徴とす
る、冷凍耐性パン酵母の製造方法、(2)前記不飽和脂
肪酸が、パルミトレイン酸及びオレイン酸であることを
特徴とする(1)の方法、(3)細胞内のデルタ−9−
脂肪酸デサチュラーゼ活性を上昇させることにより、細
胞の全脂肪酸含量に占める不飽和脂肪酸含量の割合を8
0%以上に高めることを特徴とする(1)の方法、
(4)OLE1遺伝子の発現量を上昇させることによ
り、デルタ−9−脂肪酸デサチュラーゼ活性を上昇させ
ることを特徴とする(3)の方法、(5)パン酵母を操
作する工程と、操作された酵母から、細胞の全脂肪酸含
量に占める不飽和脂肪酸含量の割合が上昇した株を選択
する工程とを含む、冷凍耐性パン酵母の製造方法、
(6)パン酵母の全脂肪酸含量に占める不飽和脂肪酸含
量の割合を指標として選抜することを特徴とする冷凍耐
性パン酵母の育種方法。(7)前記(1)の方法により
製造された冷凍耐性パン酵母を用いて製造された冷凍耐
性パン生地、および(8)パン酵母を操作する工程と、
操作された酵母から、細胞の全脂肪酸含量に占める不飽
和脂肪酸含量の割合が上昇した株を選択する工程と、こ
の工程で選択された冷凍耐性パン酵母を用いてパン生地
を製造する工程とを含む、冷凍耐性パン生地の製造方
法、である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、前述したように、パン酵母の冷凍耐性を、酵
母細胞の全脂肪酸含量に占める不飽和脂肪酸含量の割合
を指標として評価できることを見出し、特に前記割合が
80%以上であると優れた冷凍耐性を示すことを見出し
た結果、なされたものである。尚、本発明において「冷
凍耐性」とは、冷凍−解凍後の発酵力の維持の程度が、
後述の実施例に示すES法で0.4以上、かつAP法で
0.7以上であることをいう。
【0022】本発明の酵母としてはパン酵母として使用
できるものであればよく、例えばサッカロマイセスセレ
ビシエ、サッカロマイセスウバルム、サッカロマイセス
シュバリエ、サッカロマイセスロゼイ等が利用できる
が、特にサッカロマイセスセレビシエに属するものが好
ましい。サッカロマイセス属以外のパン酵母であるトル
ラスポラ属(たとえば、トルラスポラデルブルツキ)や
クルイベロマイセス属(たとえば、クルイベロマイセス
サーモトレランス)等についても、本発明を適用するこ
とが可能である。以下、これらのパン酵母を単に酵母と
もいう。
【0023】本発明において、不飽和脂肪酸としては、
特にパルミトレイン酸及びオレイン酸が挙げられる。こ
れまでの研究では、オレイン酸含量を高めることに努力
が払われ、パルミトレイン酸含量については特に注目さ
れてこなかったが、本発明により、パルミトレイン酸を
含めた不飽和脂肪酸含量が冷凍耐性にとって重要である
ことが示された。
【0024】細胞の全脂肪酸含量に占める不飽和脂肪酸
含量の割合を80%以上に高める方法としては、例え
ば、酵母細胞内の脂肪酸不飽和化酵素、具体的にはデル
タ−9−脂肪酸デサチュラーゼの活性を上昇させること
が挙げられる。ここで細胞内とは、細胞膜の内部のみを
いうものではなく、細胞壁又は細胞膜も含まれる。デル
タ−9−脂肪酸デサチュラーゼとしては、サッカロマイ
セス・セレビシエ由来のデルタ−9−脂肪酸デサチュラ
ーゼが好ましい。同酵素は、パルミチン酸とステアリン
酸のみを基質とするため、パルミトレイン酸及びオレイ
ン酸の含量を特異的に上昇させるのに適している。
【0025】脂肪酸不飽和化酵素活性を上昇させるに
は、脂肪酸不飽和化酵素をコードする遺伝子、例えばO
LE1遺伝子の発現量を高めればよい。OLE1遺伝子
は公知であり(Stukey,J.E. et al., J. Biol. Chem. 2
65, 20144-20149 (1990)、DDBJaccession No: J0567
6)、PCR又はハイブリダーゼイゼーション法等を用
いた通常の遺伝子クローニング法により酵母から取得す
ることができる。これらの手法は、J. Sambrook, Molec
ular Cloning 2nd edition, Cold Spring Harbor Labor
atory Press, 1989等に詳細に記載されている。また、
酵母染色体DNAからOLE1遺伝子をPCRで増幅す
るためのプライマーとしては、特開平10−75782
号公報に記載されているプライマーが挙げられる。
【0026】脂肪酸不飽和化酵素をコードする遺伝子の
発現量は、例えば、該遺伝子を含む多コピー型ベクター
で酵母を形質転換し、該遺伝子の細胞内のコピー数を増
幅すること、脂肪酸不飽和化酵素をコードするDNA断
片を酵母細胞内で効率よく機能するプロモーター配列に
連結して得られる組換えDNAを用いて酵母を形質転換
すること、あるいは、染色体DNA上の脂肪酸不飽和化
酵素遺伝子のプロモーター配列を、酵母で効率よく機能
する他のプロモーター配列に置き換えること等によっ
て、高めることができる。また、プラスミド上又は染色
体上の脂肪酸不飽和化酵素遺伝子のプロモーター配列等
の発現調節配列を改変し、高発現型に変えてもよい。さ
らには、脂肪酸不飽和化酵素遺伝子を、該遺伝子から転
写されるmRNAを安定化するように改変してもよい。
また、脂肪酸不飽和化酵素を蛋白質工学的に改変し、比
活性を高めたものをコードする遺伝子を酵母に導入し、
発現させてもよい。さらに、脂肪酸不飽和化酵素遺伝子
のターミネーターを、他の遺伝子のターミネーターに置
換してもよい。
【0027】尚、脂肪酸不飽和化酵素遺伝子としてOL
E1遺伝子を用いる場合、OLE1遺伝子は飽和脂肪酸
添加等による誘導によって発現するため、発現を誘導す
る条件で処理した酵母を、パン生地の製造に用いてもよ
い。また、パルミトレイン酸、オレイン酸等の不飽和脂
肪酸を飽和化する酵素又は代謝する酵素の活性が減少す
るように酵母を改変することによっても、不飽和脂肪酸
の割合を高めることができる。
【0028】脂肪酸不飽和化酵素遺伝子を酵母に導入す
るためのベクターとしては、YEp13(J. R. Broac
h, et al., Gene, 9, 287 (1980))、pYES2等のY
Ep型ベクター等が挙げられる。酵母で効率よく機能す
るプロモーターとしては、GAL7、ADH、TPI、
PHO5等のプロモーターが挙げられる。また、脂肪酸
不飽和化酵素遺伝子以外の遺伝子のターミネーターとし
ては、TPI、GAPDH、GAL10等のターミネー
ターが挙げられる。
【0029】組換えDNAで酵母を形質転換するには、
プロトプラスト法、KU法、KUR法、エレクトロポレ
ーション法等、通常酵母の形質転換に用いられる方法を
採用することができる。
【0030】上記のような遺伝子組換え手法を用いた方
法以外にも、通常の突然変異処理によって酵母を処理す
ることによっても、不飽和脂肪酸含量が上昇した酵母は
取得され得る。突然変異処理としては、酵母を紫外線照
射またはN−メチル−N'−ニトロ−N−ニトロソグアニジ
ン(NTG)もしくは亜硝酸等の通常人工突然変異に用い
られている変異剤によって処理する方法が挙げられる。
また、脂肪酸不飽和化酵素遺伝子をヒドロキシルアミン
等でインビトロ処理し、これを酵母に導入しても良い。
【0031】上記のようにして操作された酵母から、細
胞の全脂肪酸含量に占める不飽和脂肪酸含量の割合を指
標として選抜することにより、冷凍耐性酵母を育種する
ことができる。具体的には、細胞の全脂肪酸含量に占め
る不飽和脂肪酸含量の割合が上昇した株、例えば前記割
合が80%以上となった株を選択することにより、冷凍
耐性酵母を取得することができる。
【0032】また、酵母自身により産生される不飽和脂
肪酸であるパルミトレイン酸、オレイン酸の組成比が上
昇するような条件で培養することによっても、不飽和脂
肪酸の割合を高めることができる。具体的には、Journa
l of General Microbiology,77, 371-382 (1973)等に示
されているように、嫌気的発酵条件下で培地中に不飽和
脂肪酸を添加することにより、酵母細胞膜における不飽
和脂肪酸含量を上昇させることができる。
【0033】上記のようにして得られた冷凍耐性パン酵
母を用いてパン生地を製造ことによって、冷凍耐性パン
生地、すなわち冷凍−解凍処理を行っても、通常の製パ
ン法において作られた生地に近い品質を安定的に維持す
ることができるパン生地を製造することができる。本発
明のパン生地は、本発明の冷凍耐性酵母を用いる以外
は、通常のパン生地と同様にして製造することができ
る。
【0034】本発明におけるパン生地は、食パン、菓子
パン、デニッシュペストリーのほか、中華まんじゅう、
イーストドーナツ等、膨張剤としてパン酵母を使用する
すべての生地を含む。
【0035】
【実施例】以下に、本発明を実施例によりさらに具体的
に説明する。
【0036】<1>冷凍耐性酵母の選択 種々の市販実用パン酵母の中から、最も冷凍耐性の高い
酵母を選抜した。冷凍耐性の評価方法としては、水分組
成を上げ、液状の物性を呈する小麦粉ドウをシリンジに
詰め、シリンジごと冷凍−解凍処理を行った際のシリン
ジ内のドウの体積膨張を見る方法(液種−シリンジ法;
以下「ES法」という)と、酵母のみを冷凍−解凍した
後の、液体培地中でのエタノール放出量をもって発酵力
を評価する方法(エタノール法(AP法))の二法を用
いた。
【0037】ES法は、以下のようにして行った。小麦
粉10g、水14.0g、食塩0.1gと酵母0.15
gを混合し、均一になった液状のドウを10ml容のシ
リンジに1ml分吸い取り、吸い取り口をパラフィルム
で塞いだものを、酵母1株につき冷凍用、非冷凍用のサ
ンプルとして2つずつ作製した。この状態で混合時点か
ら室温で1時間放置した後、ドウの入っているシリンジ
部分を30℃の恒温水槽に10分間漬けた後、気相の3
0℃恒温器にて1時間前発酵させた。その後、シリンジ
内のドウの膨張位置をチェックし、非冷凍サンプルはそ
のまま、冷凍用サンプルは−25℃の冷凍庫に入れて、
それぞれ静置した。非冷凍サンプルはその後1時間後及
び2時間後にシリンジ内のドウの膨張位置をチェックし
た。冷凍サンプルは24時間冷凍した後、解凍と同時に
30℃で培養を行い、1時間後及び2時間後のシリンジ
内のドウの膨張位置をチェックした。このとき、冷凍サ
ンプルの解凍を均一かつ迅速に行うため、最初の30分
間の培養を恒温水槽中で行い、残りの1時間30分間を
気相の恒温機中で行った。ドウが膨張した分のシリンジ
上の長さをノギスを用いて測定し、ドウの膨張量とし
た。この様にして得た結果を、冷凍、非冷凍サンプルで
比較し、酵母の冷凍耐性を評価した。
【0038】エタノール法は、以下のようにして行っ
た。0.4mlYPM培地(20gバクトペプトン、1
0gイーストエキストラクト、20gマルトース/1L
水)中で24時間振とう培養して得た酵母菌体を、適当
量マイクロタイタープレート上に集菌し、培地を除いた
ものを冷凍区と非冷凍区で用意した。非冷凍区はそのま
ま、冷凍区は−25℃フリーザーに入れて、それぞれ3
日間保存したものに、新たに0.15mlYPM培地を
入れ、30℃の恒温水槽に1時間30分間漬けて培養し
た。培養開始時及び1時間30分後の培地を採取し、培
地中に放出されたエタノール含量を測定した。エタノー
ル含量は、0.05mlの培地を以下の反応液0.2m
lに加え、37℃で15分間保温後、550nmでの吸
光度を測定することにより求めた。
【0039】 反応液組成(用時調製;3ml当たりの組成) 2.8ml 0.1M トリス塩酸(シグマ) 0.1ml 0.1M TOPS(N−エチル−N−スルホプロピル−m−ト ルイジン;同仁化学) 0.1ml 0.1M 4−アミノアンチピリン(ナカライテスク) 0.5 U ペルオキシダーゼ(ナカライテスク) 0.25U アルコールオキシダーゼ(ナカライテスク)
【0040】以上の2法を用いて市販パン酵母の冷凍耐
性を評価した。その結果を図1に示す。この図に示した
「冷凍耐性度」という概念は、冷凍前の「発酵力」(E
S法ではシリンジ中でドウが膨張した量、エタノール法
では培地中に放出されたエタノール量)に対する冷凍後
の発酵力の比をもって表わされる。図1の結果より、冷
凍耐性酵母として市販されている酵母と通常酵母とでは
冷凍耐性の高さに差が観察された。そして冷凍耐性酵母
の中でも最も冷凍耐性の高い部類に入るA株に着目し、
この株の冷凍耐性に寄与する遺伝子の取得を行うことに
した。その方法の概略を図2に示す。
【0041】<2>冷凍耐性酵母の遺伝子解析 (1)冷凍耐性酵母の一倍体の取得 酵母の遺伝子解析を行う場合、解析対象株が一倍体(染
色体のセットを1セットしか持たない)である必要があ
る。そこで、上記で得られた冷凍耐性酵母であるA株か
ら、親株に近い性能(冷凍耐性、発酵力)を保持した一
倍体株を取得し、それらを遺伝子解析することにより、
親株の性質を解析した。まずA株に胞子を形成させ、胞
子を超音波処理して子嚢から一個一個に分散させた後
に、57℃で30分間処理することにより栄養細胞を選
択的に殺した。この状態の酵母を、2%寒天を含んだY
PM培地にまき、30℃で3日間培養して一倍体のコロ
ニーを形成させた。この様にして得た一倍体酵母928
株について、前述2方法に加え、ファーモグラフSS
(アトー製)を用いて、より実際のパン生地組成に近い
実験系での冷凍耐性評価を行い、A株に近い発酵力及び
冷凍耐性を保持したAH4−40株を得た。AH4−4
0株はプライベートナンバーAJ14762が付され、
1998年7月6日より通商産業省工業技術院生命工学
工業技術研究所(日本国茨城県つくば市東一丁目1番3
号)にFERM P−16870の受託番号で寄託され
ている。
【0042】(2)AH4−40由来冷凍感受性変異株
の取得 AH4−40株をメタンスルホン酸エチルによる変異処
理を行い、10%生存率を示す条件下で生育してきた株
を変異株とみなした。このようにして得た変異株105
00株について、上記のエタノール法を用いて冷凍耐性
評価を行い、冷凍後の発酵力が明らかに低下した株(冷
凍感受性変異株)を99株得た。
【0043】(3)冷凍耐性復帰遺伝子の取得 上記のようにして得た冷凍感受性変異株のうち、37℃
で生育阻害の起こる株が45株存在した。そこで、常法
によりAH4−40の逆接合型株を作製し、上記の各変
異株と交雑させて4胞子分析を行ったところ、変異表現
型が劣性であり、かつ、冷凍感受性と37℃生育阻害の
表現型が同じ分離を示した株(AHM77)が見出され
た。AHM77株は、プライベートナンバーAJ147
63が付され、1998年7月6日より通商産業省工業
技術院生命工学工業技術研究所(日本国茨城県つくば市
東一丁目1番3号)にFERM P−16871の受託
番号で寄託されている。
【0044】以上のデータからAHM77株において、
冷凍感受性と37℃生育阻害が同一の変異遺伝形質によ
るものであることが考えられたので、37℃生育阻害の
復帰を指標とした冷凍耐性復帰遺伝子のスクリーニング
を行った。AH4−40株から調製した染色体DNAを
制限酵素BamHIで切断し、プラスミドpYES2
(Invitrogen社)のBamHI部位に挿入した。得られ
たAH4−40染色体DNA由来遺伝子プラスミドライ
ブラリーでAHM77株を形質転換して得た約7万株の
形質転換株の中から、37℃での生育が復活した株を7
株取得した。これら7株から導入されたプラスミドを抽
出し、プラスミドに挿入された染色体遺伝子断片の塩基
配列を決定したところ、すべてデルタ−9−脂肪酸デサ
チュラーゼをコードする遺伝子であるOLE1を含むD
NA断片であった。
【0045】<3>冷凍耐性株OLE1遺伝子による冷
凍感受性株の遺伝子置換 上記で取得された冷凍耐性株由来のOLE1遺伝子で、
冷凍感受性株AHM77株の染色体上のOLE1遺伝子
を常法により置換した株AHM77REP株を作製し
た。遺伝子置換の具体的方法としては、まず酵母YEp
型ベクターpYES2の酵母における自律複製起点を制
限酵素SspI、Nheで切り出し、切断された末端を
クレノウ酵素で平滑化した後、再び連結させて新規プラ
スミドpYES−YIpを作製した。pYES−YIp
は酵母における自律複製能を持たないので、染色体組み
込み用ベクターとして用いることができる。上記pYE
S−YIpのXhoI及びXbaI認識部位に、OLE
1遺伝子を導入し、OLE1/pYES−YIpを作製
した。このプラスミドのOLE1遺伝子において、蛋白
質に翻訳されない部位に存在する制限酵素部位TthII
IIを切断し、直鎖状にしたものを用いてAHM77株
を形質転換した。その結果、AHM77株のOLE1遺
伝子を介した相同組換えによりプラスミドが導入され
る。その後、相同組換えの逆反応を利用して、元々染色
体上に存在していたOLE1遺伝子が脱落したものを選
抜することによって、AHM77REPを得た。尚、p
YES−YIpにはURA3が搭載されており、同プラ
スミドが染色体に組み込まれた形質転換株は、ウラシル
要求性を失ったことを指標にして選別できる。
【0046】上記のようにして作製したAHM77株、
AHM77REP株の冷凍耐性をエタノール法で評価し
た(図3)。その結果、AHM77REP株の冷凍耐性
は、AHM77株のそれに対し上昇し、非冷凍区並に発
酵力が保たれていることが明らかとなった。このことか
ら、AHM77株のOLE1遺伝子のみを元株由来のO
LE1遺伝子に置換しただけで冷凍耐性が大きく復活し
たことがわかる。即ちパン酵母サッカロマイセス セレ
ビシエにおいて、冷凍耐性を付与している遺伝子の一つ
としてOLE1遺伝子が寄与していることが明らかとな
った。
【0047】<4>酵母の冷凍耐性と不飽和脂肪酸組成
比 デルタ−9−脂肪酸デサチュラーゼが冷凍耐性付与に関
与することが明らかとなったため、その酵素反応主要産
物である不飽和脂肪酸の量比と冷凍耐性との関わりが推
察された。そこで、AHM77株の全脂肪酸に占める不
飽和脂肪酸の組成比が、AHM77REP株に比較して
どう変化しているかを調べてみることにした。脂肪酸の
組成比は、常法(酵母の実験技術、廣川書店、294〜
296頁、平成4年)を用いて調製した酵母の全脂質
を、けん化、メチルエステル化した後、ガスクロマトグ
ラフィーにて分離した各種脂肪酸のピークの大きさを比
較することにより測定した。その結果、表1に示したよ
うに、全脂肪酸含量に占める不飽和脂肪酸(パルミトレ
イン酸+オレイン酸)組成比がAHM77株の約65%
に対し、AHM77REP株においては約80%まで上
昇していることが明らかとなった。このことから、酵母
の冷凍耐性の発現には全脂肪酸含量に占める不飽和脂肪
酸組成比が80%以上であることが重要であることが明
らかとなった。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】本発明により、酵母の冷凍耐性を決定づ
けている遺伝形質が明らかとなり、実用冷凍耐性酵母の
新規な育種法が提供される。本発明の方法により育種さ
れた冷凍耐性酵母を用いて製造されるパン生地は、冷凍
−解凍処理を行っても、通常の製パン法において作られ
た生地に近い品質を安定的に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 液種−シリンジ法(ES法)とエタノール法
(AP法)による各種酵母の冷凍耐性の評価を示す図。
【図2】 冷凍耐性遺伝子の取得法の概略を示す図。
【図3】 エタノール法によるAHM77株及びAHM
77REP株の冷凍耐性の比較を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C12N 1/18 C12R 1:865) (C12N 1/19 C12R 1:865) (72)発明者 三輪 哲也 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1味の素 株式会社食品総合研究所内 (72)発明者 背黒 勝也 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1味の素 株式会社食品総合研究所内 Fターム(参考) 4B024 AA05 AA20 BA07 BA08 CA03 DA12 EA04 FA10 FA20 GA11 GA25 HA20 4B032 DB01 DB36 DP37 DP80 4B065 AA72X AA72Y AB01 AC01 AC03 AC20 BA02 BA16 BA18 BA25 CA27 CA28 CA42

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パン酵母細胞の全脂肪酸含量に占める不
    飽和脂肪酸含量の割合を80%以上に高めることを特徴
    とする、冷凍耐性パン酵母の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記不飽和脂肪酸が、パルミトレイン酸
    及びオレイン酸であることを特徴とする請求項1記載の
    方法。
  3. 【請求項3】 細胞内のデルタ−9−脂肪酸デサチュラ
    ーゼ活性を上昇させることにより、細胞の全脂肪酸含量
    に占める不飽和脂肪酸含量の割合を80%以上に高める
    ことを特徴とする請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 OLE1遺伝子の発現量を上昇させるこ
    とにより、デルタ−9−脂肪酸デサチュラーゼ活性を上
    昇させることを特徴とする請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 パン酵母を操作する工程と、操作された
    酵母から、細胞の全脂肪酸含量に占める不飽和脂肪酸含
    量の割合が上昇した株を選択する工程とを含む、冷凍耐
    性パン酵母の製造方法。
  6. 【請求項6】 パン酵母の全脂肪酸含量に占める不飽和
    脂肪酸含量の割合を指標として選抜することを特徴とす
    る冷凍耐性パン酵母の育種方法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の方法により製造された冷
    凍耐性パン酵母を用いて製造された冷凍耐性パン生地。
  8. 【請求項8】 パン酵母を操作する工程と、操作された
    酵母から、細胞の全脂肪酸含量に占める不飽和脂肪酸含
    量の割合が上昇した株を選択する工程と、この工程で選
    択された冷凍耐性パン酵母を用いてパン生地を製造する
    工程とを含む、冷凍耐性パン生地の製造方法。
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