JP2000037004A - 動力出力装置およびその制御方法 - Google Patents
動力出力装置およびその制御方法Info
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Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B60—VEHICLES IN GENERAL
- B60W—CONJOINT CONTROL OF VEHICLE SUB-UNITS OF DIFFERENT TYPE OR DIFFERENT FUNCTION; CONTROL SYSTEMS SPECIALLY ADAPTED FOR HYBRID VEHICLES; ROAD VEHICLE DRIVE CONTROL SYSTEMS FOR PURPOSES NOT RELATED TO THE CONTROL OF A PARTICULAR SUB-UNIT
- B60W20/00—Control systems specially adapted for hybrid vehicles
-
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- B60—VEHICLES IN GENERAL
- B60W—CONJOINT CONTROL OF VEHICLE SUB-UNITS OF DIFFERENT TYPE OR DIFFERENT FUNCTION; CONTROL SYSTEMS SPECIALLY ADAPTED FOR HYBRID VEHICLES; ROAD VEHICLE DRIVE CONTROL SYSTEMS FOR PURPOSES NOT RELATED TO THE CONTROL OF A PARTICULAR SUB-UNIT
- B60W30/00—Purposes of road vehicle drive control systems not related to the control of a particular sub-unit, e.g. of systems using conjoint control of vehicle sub-units
- B60W30/18—Propelling the vehicle
- B60W30/188—Controlling power parameters of the driveline, e.g. determining the required power
- B60W30/1882—Controlling power parameters of the driveline, e.g. determining the required power characterised by the working point of the engine, e.g. by using engine output chart
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- Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
- Hybrid Electric Vehicles (AREA)
- Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 電動機の結合位置を切り替え可能なハイブリ
ッド車両において、結合状態の切り替えを適切に制御す
る。 【解決手段】 原動機から出力された動力をクラッチモ
ータを介して駆動輪に伝達可能とする。また、スプライ
ンにより、電動機を駆動軸および原動機の出力軸に切り
替えて結合可能とする。原動機の回転数が駆動軸の回転
数よりも高い場合には電動機を駆動軸に結合し、逆の場
合には原動機の出力軸に結合する切り替えを行う。切り
替え処理においては、駆動軸と原動機の回転数を一致さ
せ、次に電動機を中立状態にしてから切り替える。駆動
軸と原動機のトルクを一致させた段階で、切り替えを行
うか否かを再度判定する。こうすることにより、結合状
態の切り替えを滑らかに行うとともに、過度の切り替え
を回避することができる。トルクを一致させる代わりに
回転数を一致させるものとしてもよい。
ッド車両において、結合状態の切り替えを適切に制御す
る。 【解決手段】 原動機から出力された動力をクラッチモ
ータを介して駆動輪に伝達可能とする。また、スプライ
ンにより、電動機を駆動軸および原動機の出力軸に切り
替えて結合可能とする。原動機の回転数が駆動軸の回転
数よりも高い場合には電動機を駆動軸に結合し、逆の場
合には原動機の出力軸に結合する切り替えを行う。切り
替え処理においては、駆動軸と原動機の回転数を一致さ
せ、次に電動機を中立状態にしてから切り替える。駆動
軸と原動機のトルクを一致させた段階で、切り替えを行
うか否かを再度判定する。こうすることにより、結合状
態の切り替えを滑らかに行うとともに、過度の切り替え
を回避することができる。トルクを一致させる代わりに
回転数を一致させるものとしてもよい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動力源として原動
機と電動機を備えるハイブリッド車両およびその制御方
法に関し、詳しくは、前記電動機の結合位置を前記原動
機の出力軸と駆動軸とに切り替え可能な切り替え装置を
有するハイブリッド車両に関する。
機と電動機を備えるハイブリッド車両およびその制御方
法に関し、詳しくは、前記電動機の結合位置を前記原動
機の出力軸と駆動軸とに切り替え可能な切り替え装置を
有するハイブリッド車両に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、エンジンと電動機とを動力源とす
るハイブリッド車両が提案されている(例えば特開平9
−47094に記載の技術等)。ハイブリッド車両の一
種としていわゆるパラレルハイブリッド車両がある。パ
ラレルハイブリッド車両では、エンジンから出力された
動力の一部は動力調整装置により駆動軸に伝達される。
残余の動力は動力調整装置によって電力に変換される。
この電力はバッテリに蓄電されたり、エンジン以外の動
力源としての電動機を駆動するのに用いられる。かかる
構成により、パラレルハイブリッド車両はエンジンから
出力された動力を任意の回転数およびトルクで出力軸に
出力することができる。エンジンは運転効率の高い運転
ポイントを選択して運転することができるため、ハイブ
リッド車両はエンジンのみを駆動源とする従来の車両に
比べて省資源性および排気浄化性に優れている。
るハイブリッド車両が提案されている(例えば特開平9
−47094に記載の技術等)。ハイブリッド車両の一
種としていわゆるパラレルハイブリッド車両がある。パ
ラレルハイブリッド車両では、エンジンから出力された
動力の一部は動力調整装置により駆動軸に伝達される。
残余の動力は動力調整装置によって電力に変換される。
この電力はバッテリに蓄電されたり、エンジン以外の動
力源としての電動機を駆動するのに用いられる。かかる
構成により、パラレルハイブリッド車両はエンジンから
出力された動力を任意の回転数およびトルクで出力軸に
出力することができる。エンジンは運転効率の高い運転
ポイントを選択して運転することができるため、ハイブ
リッド車両はエンジンのみを駆動源とする従来の車両に
比べて省資源性および排気浄化性に優れている。
【0003】パラレルハイブリッド車両における電動機
の結合は、2通り考えられる。一つは駆動軸に結合する
場合である。かかる結合では、エンジンから出力された
動力は、動力調整装置を経て伝達された後、電動機で不
足分のトルクが調整され要求された回転数およびトルク
に変換されて駆動軸に出力される。もう一つは電動機を
エンジンの出力軸に結合する場合である。かかる結合で
は、エンジンから出力された動力は、電動機によってト
ルクの調整を受けた後、動力調整装置によって要求され
た回転数およびトルクに変換されて駆動軸に出力され
る。
の結合は、2通り考えられる。一つは駆動軸に結合する
場合である。かかる結合では、エンジンから出力された
動力は、動力調整装置を経て伝達された後、電動機で不
足分のトルクが調整され要求された回転数およびトルク
に変換されて駆動軸に出力される。もう一つは電動機を
エンジンの出力軸に結合する場合である。かかる結合で
は、エンジンから出力された動力は、電動機によってト
ルクの調整を受けた後、動力調整装置によって要求され
た回転数およびトルクに変換されて駆動軸に出力され
る。
【0004】ハイブリッド車両の走行状態には、エンジ
ンの回転数よりも駆動軸の回転数が低いアンダードライ
ブ走行と、その逆のオーバードライブ走行とがある。一
般に、電動機を駆動軸に結合した前者の結合状態は、オ
ーバードライブ走行時に運転効率が低くなる特性があ
る。逆に電動機をエンジンの出力軸に結合した後者の結
合状態は、アンダードライブ走行時に運転効率が低くな
る特性がある。これらの特性は、以下に示す動力の循環
の発生に基づくものである。
ンの回転数よりも駆動軸の回転数が低いアンダードライ
ブ走行と、その逆のオーバードライブ走行とがある。一
般に、電動機を駆動軸に結合した前者の結合状態は、オ
ーバードライブ走行時に運転効率が低くなる特性があ
る。逆に電動機をエンジンの出力軸に結合した後者の結
合状態は、アンダードライブ走行時に運転効率が低くな
る特性がある。これらの特性は、以下に示す動力の循環
の発生に基づくものである。
【0005】電動機を駆動軸に結合した場合を考える。
アンダードライブ走行時は、エンジンから出力された動
力は、回転数を下げトルクを増した状態に変換されて駆
動軸に出力される。駆動軸に結合された電動機は、トル
クをアシストするためにいわゆる力行運転される。力行
には動力調整装置がエンジンから出力された動力の一部
を回生した電力が用いられる。一方、オーバードライブ
走行時には、エンジンから出力された動力は回転数を上
げトルクを減じた状態に変換されて駆動軸に出力され
る。駆動軸に結合された電動機は、トルクを低減させる
するために、いわゆる回生運転される。動力調整装置は
回転数を増速するために力行運転がされる。動力調整装
置の力行運転には電動機で回生された電力が用いられ
る。
アンダードライブ走行時は、エンジンから出力された動
力は、回転数を下げトルクを増した状態に変換されて駆
動軸に出力される。駆動軸に結合された電動機は、トル
クをアシストするためにいわゆる力行運転される。力行
には動力調整装置がエンジンから出力された動力の一部
を回生した電力が用いられる。一方、オーバードライブ
走行時には、エンジンから出力された動力は回転数を上
げトルクを減じた状態に変換されて駆動軸に出力され
る。駆動軸に結合された電動機は、トルクを低減させる
するために、いわゆる回生運転される。動力調整装置は
回転数を増速するために力行運転がされる。動力調整装
置の力行運転には電動機で回生された電力が用いられ
る。
【0006】両者を比較する。アンダードライブ走行時
には、エンジンから出力された動力が駆動軸に伝達され
る経路において、上流側に位置する動力調整装置で回生
された電力が下流側に位置する電動機に供給される。オ
ーバードライブ走行時には、逆に、下流側に位置する電
動機で回生された電力が上流側に位置する動力調整装置
に供給される。動力調整装置に供給された電力は、再び
機械的な動力として下流側に位置する電動機に供給され
る。こうしてオーバードライブ走行時には、動力の循環
が生じる。かかる循環が生じると、エンジンから出力さ
れた動力のうち、有効に駆動軸に伝達される動力が低減
するため、ハイブリッド車両の運転効率は低下する。
には、エンジンから出力された動力が駆動軸に伝達され
る経路において、上流側に位置する動力調整装置で回生
された電力が下流側に位置する電動機に供給される。オ
ーバードライブ走行時には、逆に、下流側に位置する電
動機で回生された電力が上流側に位置する動力調整装置
に供給される。動力調整装置に供給された電力は、再び
機械的な動力として下流側に位置する電動機に供給され
る。こうしてオーバードライブ走行時には、動力の循環
が生じる。かかる循環が生じると、エンジンから出力さ
れた動力のうち、有効に駆動軸に伝達される動力が低減
するため、ハイブリッド車両の運転効率は低下する。
【0007】電動機をエンジンの出力軸に結合した状態
では、上述とは逆の現象が起きる。アンダードライブ走
行時には、下流側に位置する動力調整装置で回生された
電力が上流側に位置する電動機に供給される。オーバー
ドライブ走行時には、上流側に位置する電動機により回
生された電力が下流側に位置する動力調整装置に供給さ
れる。従って、かかる電動機をエンジンの出力軸に結合
した状態では、アンダードライブ時にハイブリッド車両
の運転効率は低下する。
では、上述とは逆の現象が起きる。アンダードライブ走
行時には、下流側に位置する動力調整装置で回生された
電力が上流側に位置する電動機に供給される。オーバー
ドライブ走行時には、上流側に位置する電動機により回
生された電力が下流側に位置する動力調整装置に供給さ
れる。従って、かかる電動機をエンジンの出力軸に結合
した状態では、アンダードライブ時にハイブリッド車両
の運転効率は低下する。
【0008】かかる特性に鑑み、電動機の結合状態を、
駆動軸側とエンジンの出力軸側とで切り替え可能に構成
したハイブリッド車両も提案されている(例えば、特開
平10−75501記載のハイブリッド車両)。かかる
車両では、電動機とエンジンの出力軸との結合および解
放を行う第1のクラッチ、およびこの電動機と駆動軸と
の結合および解放を行う第2のクラッチを設けている。
エンジンの回転数が駆動軸の回転数よりも大きくなった
場合には、第1のクラッチを解放するとともに、第2の
クラッチを結合することによって、電動機を駆動軸側に
結合する。逆の場合には、第1のクラッチを結合すると
ともに、第2のクラッチを解放することによって、電動
機をエンジンの出力軸側に結合する。こうすることによ
ってアンダードライブ走行、オーバードライブ走行の双
方において、効率の高い運転を実現している。
駆動軸側とエンジンの出力軸側とで切り替え可能に構成
したハイブリッド車両も提案されている(例えば、特開
平10−75501記載のハイブリッド車両)。かかる
車両では、電動機とエンジンの出力軸との結合および解
放を行う第1のクラッチ、およびこの電動機と駆動軸と
の結合および解放を行う第2のクラッチを設けている。
エンジンの回転数が駆動軸の回転数よりも大きくなった
場合には、第1のクラッチを解放するとともに、第2の
クラッチを結合することによって、電動機を駆動軸側に
結合する。逆の場合には、第1のクラッチを結合すると
ともに、第2のクラッチを解放することによって、電動
機をエンジンの出力軸側に結合する。こうすることによ
ってアンダードライブ走行、オーバードライブ走行の双
方において、効率の高い運転を実現している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、電動機の結合
状態を切り替え可能なハイブリッド車両において、切り
替えの制御に関しては十分検討されてはいなかった。例
えば、電動機の結合先をエンジンの出力軸側から駆動軸
側に切り替える場合を考える。電動機の運転状態を適切
に制御することなく電動機をエンジンの出力軸側から切
り離せば、その際に車両にショックが生じる。また、電
動機を駆動軸に結合する際には、電動機の運転を制御し
て駆動軸の回転状態に適合させる必要がある。これらの
制御が適切に実行されない場合には、切り替え時にショ
ックが生じ、ハイブリッド車両の乗り心地を大きく損ね
てしまう。回転状態を適合させることなく切り替えを強
行すれば、切り替え機構の寿命を大きく損ねることもあ
る。
状態を切り替え可能なハイブリッド車両において、切り
替えの制御に関しては十分検討されてはいなかった。例
えば、電動機の結合先をエンジンの出力軸側から駆動軸
側に切り替える場合を考える。電動機の運転状態を適切
に制御することなく電動機をエンジンの出力軸側から切
り離せば、その際に車両にショックが生じる。また、電
動機を駆動軸に結合する際には、電動機の運転を制御し
て駆動軸の回転状態に適合させる必要がある。これらの
制御が適切に実行されない場合には、切り替え時にショ
ックが生じ、ハイブリッド車両の乗り心地を大きく損ね
てしまう。回転状態を適合させることなく切り替えを強
行すれば、切り替え機構の寿命を大きく損ねることもあ
る。
【0010】また、従来のハイブリッド車両では、切り
替えが頻繁に行われるという課題もあった。切り替え時
にショックを低減する制御を行ったとしてもショックを
完全になくすことは困難である。従って、切り替えが頻
繁に行われれば、ハイブリッド車両の乗り心地は損ねら
れる。また、切り替えが頻繁に行われることにより、切
り替え機構の寿命を短くすることもある。さらに、結合
先を切り替える制御が行われている際には、エンジンか
ら出力された動力を変換して駆動軸から出力する範囲が
制限されるため、車両の応答性が損なわれることもあ
る。
替えが頻繁に行われるという課題もあった。切り替え時
にショックを低減する制御を行ったとしてもショックを
完全になくすことは困難である。従って、切り替えが頻
繁に行われれば、ハイブリッド車両の乗り心地は損ねら
れる。また、切り替えが頻繁に行われることにより、切
り替え機構の寿命を短くすることもある。さらに、結合
先を切り替える制御が行われている際には、エンジンか
ら出力された動力を変換して駆動軸から出力する範囲が
制限されるため、車両の応答性が損なわれることもあ
る。
【0011】以上で説明した課題は、ハイブリッド車両
のみならず、ハイブリッド式の動力出力装置一般に生じ
得るものである。本発明はこれらの課題の少なくとも一
部を解決するためになされ、電動機の結合先を滑らかに
切り替える制御に関する技術を提供することを第1の目
的とする。また、過度の切り替えが行われることによっ
て、切り替え装置の寿命、車両の乗り心地、応答性など
を損ねることを回避しつつ、高効率な運転を実現する技
術を提供することを第2の目的とする。
のみならず、ハイブリッド式の動力出力装置一般に生じ
得るものである。本発明はこれらの課題の少なくとも一
部を解決するためになされ、電動機の結合先を滑らかに
切り替える制御に関する技術を提供することを第1の目
的とする。また、過度の切り替えが行われることによっ
て、切り替え装置の寿命、車両の乗り心地、応答性など
を損ねることを回避しつつ、高効率な運転を実現する技
術を提供することを第2の目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】本
発明の動力出力装置およびその制御方法は、上述の目的
の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採っ
た。本発明の動力出力装置は、原動機と、該原動機の出
力軸および動力を出力するための駆動軸に結合され原動
機から出力された動力を電力のやりとりによって調整し
て前記駆動軸に伝達可能な動力調整装置と、切り替え装
置によって結合先を前記出力軸と前記駆動軸に切り替え
て結合し得る電動機とを備える動力出力装置であって、
前記駆動軸から出力すべき要求動力を入力する入力手段
と、前記要求動力が、前記電動機の結合先を切り替える
べき所定の範囲に入ったとき、前記動力調整装置および
電動機を制御して、前記原動機の出力軸と前記駆動軸と
の回転状態に関与するパラメータを一致させる制御手段
と、前記パラメータの一致が得られた後、前記要求動力
を再度入力し、前記切り替えを行うか否かを再度判定す
る第2の判定手段と、該第2の判定手段により切り替え
を行うべきと判定された場合に、前記切り替え装置を制
御して前記電動機の結合先を切り替える切り替え制御手
段とを備えることを要旨とする。
発明の動力出力装置およびその制御方法は、上述の目的
の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採っ
た。本発明の動力出力装置は、原動機と、該原動機の出
力軸および動力を出力するための駆動軸に結合され原動
機から出力された動力を電力のやりとりによって調整し
て前記駆動軸に伝達可能な動力調整装置と、切り替え装
置によって結合先を前記出力軸と前記駆動軸に切り替え
て結合し得る電動機とを備える動力出力装置であって、
前記駆動軸から出力すべき要求動力を入力する入力手段
と、前記要求動力が、前記電動機の結合先を切り替える
べき所定の範囲に入ったとき、前記動力調整装置および
電動機を制御して、前記原動機の出力軸と前記駆動軸と
の回転状態に関与するパラメータを一致させる制御手段
と、前記パラメータの一致が得られた後、前記要求動力
を再度入力し、前記切り替えを行うか否かを再度判定す
る第2の判定手段と、該第2の判定手段により切り替え
を行うべきと判定された場合に、前記切り替え装置を制
御して前記電動機の結合先を切り替える切り替え制御手
段とを備えることを要旨とする。
【0013】本発明の動力出力装置は、原動機の出力軸
と前記駆動軸との回転状態に関与するパラメータを一致
させてから電動機の結合先の切り替えを実行する。回転
状態に関与するパラメータとしては、後述する種々のパ
ラメータが挙げられる。これらのパラメータを一致させ
てから切り替えを実行することにより、切り替え時のシ
ョックを軽減することができる。なお、必ずしも回転状
態に関する複数のパラメータの全てを一致させなくて
も、一部のパラメータを一致させればショックを軽減す
ることが可能である。当然、パラメータを一部ずつ順次
一致させていく制御を行うものとしてもよい。また、一
致とは実質的に一致する範囲であればよい。実質的に一
致する範囲は、切り替え時のショックを許容可能な範囲
および切り替え機構が許容しうる偏差に基づいて設定す
ることができる。
と前記駆動軸との回転状態に関与するパラメータを一致
させてから電動機の結合先の切り替えを実行する。回転
状態に関与するパラメータとしては、後述する種々のパ
ラメータが挙げられる。これらのパラメータを一致させ
てから切り替えを実行することにより、切り替え時のシ
ョックを軽減することができる。なお、必ずしも回転状
態に関する複数のパラメータの全てを一致させなくて
も、一部のパラメータを一致させればショックを軽減す
ることが可能である。当然、パラメータを一部ずつ順次
一致させていく制御を行うものとしてもよい。また、一
致とは実質的に一致する範囲であればよい。実質的に一
致する範囲は、切り替え時のショックを許容可能な範囲
および切り替え機構が許容しうる偏差に基づいて設定す
ることができる。
【0014】上記発明の動力出力装置では、このように
切り替え時の制御を実行するとともに、切り替えの過程
において、要求動力を再度入力し、前記切り替えを行う
か否かを再度判定する。動力出力装置の運転状態が電動
機の結合状態を切り替えるべき状態に至った場合であっ
ても、しばらくして切り替えるべき状態からはずれる場
合もある。かかる場合に切り替え制御を継続すれば、切
り替えの制御が完了した後、結合状態を再び切り替え前
の状態に戻すことが必要になる。上記発明によれば、切
り替え制御が開始された後に、再度切り替えの判断を行
うことにより、結合状態を再び切り替え前の状態に戻す
必要が生じることを回避し、切り替えが頻繁に行われる
ことを回避することができる。
切り替え時の制御を実行するとともに、切り替えの過程
において、要求動力を再度入力し、前記切り替えを行う
か否かを再度判定する。動力出力装置の運転状態が電動
機の結合状態を切り替えるべき状態に至った場合であっ
ても、しばらくして切り替えるべき状態からはずれる場
合もある。かかる場合に切り替え制御を継続すれば、切
り替えの制御が完了した後、結合状態を再び切り替え前
の状態に戻すことが必要になる。上記発明によれば、切
り替え制御が開始された後に、再度切り替えの判断を行
うことにより、結合状態を再び切り替え前の状態に戻す
必要が生じることを回避し、切り替えが頻繁に行われる
ことを回避することができる。
【0015】本発明の動力出力装置において、前記第2
の判定手段は、前記パラメータの一致が得られた後、前
記切り替えを行うべき状態が所定の期間維持されたか否
かを判定する手段であるものとすることができる。
の判定手段は、前記パラメータの一致が得られた後、前
記切り替えを行うべき状態が所定の期間維持されたか否
かを判定する手段であるものとすることができる。
【0016】こうすれば、切り替えが頻繁に行われるこ
とを適切に回避することができる。電動機の結合状態を
切り替えるか否かは、動力出力装置の使用者の操作によ
って設定される要求動力に基づいて判断される。要求動
力は短期間に頻繁に変化することは少ない。従って、切
り替え制御を開始した直後に要求動力を読み込んでも結
合状態を切り替えるか否かの条件には変化が生じていな
いことが多い。上記発明では、切り替え制御が開始さ
れ、回転状態に関与するパラメータの一致が得られた
後、切り替えを行うべき条件が所定の期間維持されたか
否かの判定を行うため、切り替え条件の変化を適切に検
出することができ、頻繁な切り替えを抑制することがで
きる。
とを適切に回避することができる。電動機の結合状態を
切り替えるか否かは、動力出力装置の使用者の操作によ
って設定される要求動力に基づいて判断される。要求動
力は短期間に頻繁に変化することは少ない。従って、切
り替え制御を開始した直後に要求動力を読み込んでも結
合状態を切り替えるか否かの条件には変化が生じていな
いことが多い。上記発明では、切り替え制御が開始さ
れ、回転状態に関与するパラメータの一致が得られた
後、切り替えを行うべき条件が所定の期間維持されたか
否かの判定を行うため、切り替え条件の変化を適切に検
出することができ、頻繁な切り替えを抑制することがで
きる。
【0017】切り替えを行うべき条件が所定の期間維持
されたか否かの判定は種々の方法で行うことができる。
所定の期間中に要求動力を繰り返し入力して判定するも
のとしてもよいし、所定の期間が経過した時点で要求動
力を入力した判定するものとしてもよい。前者を採用す
れば要求動力の変化を的確に把握できる利点がある一
方、要求動力の判定処理に時間を要するという欠点があ
る。後者ではその逆の利点がある。いずれの方法を採用
するかは、要求動力が変化する周期として想定される値
に応じて決めることができる。なお、所定の期間は、要
求動力が変化する間隔に応じて設定することができる。
当然、上記発明の動力出力装置が適用される装置によっ
ても異なる値となる。また、所定の期間は必ずしも「時
間」で設定する必要はなく、特定の制御処理を実行する
ステップ数や駆動軸の回転数などで定義するものとして
も構わない。
されたか否かの判定は種々の方法で行うことができる。
所定の期間中に要求動力を繰り返し入力して判定するも
のとしてもよいし、所定の期間が経過した時点で要求動
力を入力した判定するものとしてもよい。前者を採用す
れば要求動力の変化を的確に把握できる利点がある一
方、要求動力の判定処理に時間を要するという欠点があ
る。後者ではその逆の利点がある。いずれの方法を採用
するかは、要求動力が変化する周期として想定される値
に応じて決めることができる。なお、所定の期間は、要
求動力が変化する間隔に応じて設定することができる。
当然、上記発明の動力出力装置が適用される装置によっ
ても異なる値となる。また、所定の期間は必ずしも「時
間」で設定する必要はなく、特定の制御処理を実行する
ステップ数や駆動軸の回転数などで定義するものとして
も構わない。
【0018】前記回転状態に関与するパラメータも種々
選択可能である。例えば、前記回転状態に関与するパラ
メータは、前記原動機の出力軸と前記駆動軸のトルクと
したり、前記回転状態に関与するパラメータは、前記原
動機の出力軸と前記駆動軸の回転数とすることができ
る。
選択可能である。例えば、前記回転状態に関与するパラ
メータは、前記原動機の出力軸と前記駆動軸のトルクと
したり、前記回転状態に関与するパラメータは、前記原
動機の出力軸と前記駆動軸の回転数とすることができ
る。
【0019】一般に回転軸の回転状態は、回転数とトル
クとから表される。ハイブリッド式の動力出力装置で
は、原動機から出力された動力を動力調整装置および電
動機により、要求された回転数およびトルクに変換して
駆動軸から出力する。変換の過程には当然、損失が生じ
る。損失は未知量であるため、原動機の出力軸と駆動軸
との回転状態に関与するパラメータの全てを完全に一致
させることは非常に困難である。また、原動機の出力軸
の回転状態と駆動軸の回転状態を一致させた場合、原動
機から出力される動力と駆動軸から出力される動力とが
等しくなるから、上記損失に相当するエネルギは原動機
以外のエネルギ源、例えばバッテリから供給することに
なる。従って、原動機の回転状態と駆動軸の回転状態を
一致させて切り替えを行えば、上記エネルギ源のエネル
ギをいたずらに消費することにもなる。
クとから表される。ハイブリッド式の動力出力装置で
は、原動機から出力された動力を動力調整装置および電
動機により、要求された回転数およびトルクに変換して
駆動軸から出力する。変換の過程には当然、損失が生じ
る。損失は未知量であるため、原動機の出力軸と駆動軸
との回転状態に関与するパラメータの全てを完全に一致
させることは非常に困難である。また、原動機の出力軸
の回転状態と駆動軸の回転状態を一致させた場合、原動
機から出力される動力と駆動軸から出力される動力とが
等しくなるから、上記損失に相当するエネルギは原動機
以外のエネルギ源、例えばバッテリから供給することに
なる。従って、原動機の回転状態と駆動軸の回転状態を
一致させて切り替えを行えば、上記エネルギ源のエネル
ギをいたずらに消費することにもなる。
【0020】上述の発明では、これらのパラメータのう
ち、一つのパラメータを一致させてから切り替えを行う
ことにより、切り替え時のショックを低減させることが
できる。また、一つのパラメータの一致は比較的短時間
で得ることができるため、上記動力出力装置によれば、
結合状態の切り替えを比較的短時間に実行することがで
きる。さらに、一つのパラメータを一致させるだけであ
るから、原動機から出力される動力を駆動軸から出力さ
れる動力よりも大きく維持しておくことが可能である。
従って、装置全体に含まれる損失分をも含めて必要な動
力を原動機から出力することができ、原動機以外のエネ
ルギ源のエネルギ消費を抑えることができる。
ち、一つのパラメータを一致させてから切り替えを行う
ことにより、切り替え時のショックを低減させることが
できる。また、一つのパラメータの一致は比較的短時間
で得ることができるため、上記動力出力装置によれば、
結合状態の切り替えを比較的短時間に実行することがで
きる。さらに、一つのパラメータを一致させるだけであ
るから、原動機から出力される動力を駆動軸から出力さ
れる動力よりも大きく維持しておくことが可能である。
従って、装置全体に含まれる損失分をも含めて必要な動
力を原動機から出力することができ、原動機以外のエネ
ルギ源のエネルギ消費を抑えることができる。
【0021】なお、上記動力出力装置において、一つの
パラメータを一致させた後、他のパラメータを順次一致
させるようにすることもできる。例えばトルクを一致さ
せた場合、回転数はその後の切り替えの過程において改
めて一致させることができる。こうすれば、切り替え時
のショックをさらに低減することができる。もとより、
最初から回転数およびトルクの双方を一致させて切り替
えを行うものとしてもよい。
パラメータを一致させた後、他のパラメータを順次一致
させるようにすることもできる。例えばトルクを一致さ
せた場合、回転数はその後の切り替えの過程において改
めて一致させることができる。こうすれば、切り替え時
のショックをさらに低減することができる。もとより、
最初から回転数およびトルクの双方を一致させて切り替
えを行うものとしてもよい。
【0022】また、切り替えの手順も種々可能である。
前記切り替え制御手段は、前記電動機を前記出力軸と前
記駆動軸の双方から切り離した状態を経て前記切り替え
を実行する手段であるものとすることができる。
前記切り替え制御手段は、前記電動機を前記出力軸と前
記駆動軸の双方から切り離した状態を経て前記切り替え
を実行する手段であるものとすることができる。
【0023】こうすれば、双方の軸から切り離された状
態では、電動機の運転状態を自由に変更することができ
る。従って、先に説明したように回転状態に関与するパ
ラメータの一つを一致させて切り替え制御を実行して、
電動機を双方の軸から切り離した状態で他のパラメータ
を一致させることが可能となり、よりショックの少ない
切り替えを実現することができる。
態では、電動機の運転状態を自由に変更することができ
る。従って、先に説明したように回転状態に関与するパ
ラメータの一つを一致させて切り替え制御を実行して、
電動機を双方の軸から切り離した状態で他のパラメータ
を一致させることが可能となり、よりショックの少ない
切り替えを実現することができる。
【0024】本発明は、以下に示す通り、動力出力装置
の制御方法の発明としても成立する。つまり、原動機
と、該原動機の出力軸および動力を出力するための駆動
軸に結合され原動機から出力された動力を電力のやりと
りによって調整して前記駆動軸に伝達可能な動力調整装
置と、切り替え装置によって結合先を前記出力軸と前記
駆動軸に切り替えて結合し得る電動機とを備える動力出
力装置の制御方法であって、(a)前記駆動軸から出力
すべき要求動力を入力する入力手段と、(b)前記要求
動力が、前記電動機の結合先を切り替えるべき所定の範
囲に入ったとき、前記動力調整装置および電動機を制御
して、前記原動機の出力軸と前記駆動軸との回転状態に
関与するパラメータを一致させる工程と、(c)前記パ
ラメータの一致が得られた後、前記要求動力を再度入力
し、前記切り替えを行うか否かを再度判定する工程と、
(d)前記工程(c)において切り替えを行うべきと判
定された場合に、前記切り替え装置を制御して前記電動
機の結合先を切り替える工程とを備える動力出力の制御
方法である。
の制御方法の発明としても成立する。つまり、原動機
と、該原動機の出力軸および動力を出力するための駆動
軸に結合され原動機から出力された動力を電力のやりと
りによって調整して前記駆動軸に伝達可能な動力調整装
置と、切り替え装置によって結合先を前記出力軸と前記
駆動軸に切り替えて結合し得る電動機とを備える動力出
力装置の制御方法であって、(a)前記駆動軸から出力
すべき要求動力を入力する入力手段と、(b)前記要求
動力が、前記電動機の結合先を切り替えるべき所定の範
囲に入ったとき、前記動力調整装置および電動機を制御
して、前記原動機の出力軸と前記駆動軸との回転状態に
関与するパラメータを一致させる工程と、(c)前記パ
ラメータの一致が得られた後、前記要求動力を再度入力
し、前記切り替えを行うか否かを再度判定する工程と、
(d)前記工程(c)において切り替えを行うべきと判
定された場合に、前記切り替え装置を制御して前記電動
機の結合先を切り替える工程とを備える動力出力の制御
方法である。
【0025】かかる制御方法によれば、先に説明した作
用と同様の作用に基づいて、動力出力装置の切り替えを
適切に行うことができる。以上で説明した種々の発明は
直接には動力出力装置に適用されている。その他、該動
力出力装置を適用した種々の装置、例えばハイブリッド
車両として本発明を構成することも可能である。
用と同様の作用に基づいて、動力出力装置の切り替えを
適切に行うことができる。以上で説明した種々の発明は
直接には動力出力装置に適用されている。その他、該動
力出力装置を適用した種々の装置、例えばハイブリッド
車両として本発明を構成することも可能である。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例に基づいて説明する。 (1)実施例の構成:はじめに、実施例の構成について
図1を用いて説明する。図1は本実施例の動力出力装置
を搭載したハイブリッド車両の概略構成を示す説明図で
ある。このハイブリッド車両の動力系統は、次の構成か
ら成っている。動力系統に備えられた原動機としてのエ
ンジン150は通常のガソリンエンジンであり、クラン
クシャフト156を回転させる。エンジン150の運転
はEFIECU170により制御されている。EFIE
CU170は内部にCPU、ROM、RAM等を有する
ワンチップ・マイクロコンピュータであり、CPUがR
OMに記録されたプログラムに従い、エンジン150の
燃料噴射料その他の制御を実行する。これらの制御を可
能とするために、EFIECU170にはエンジン15
0の運転状態を示す種々のセンサが接続されている。そ
の一つとしてクランクシャフト156の回転数を検出す
る回転数センサ152がある。その他のセンサおよびス
イッチなどの図示は省略した。
例に基づいて説明する。 (1)実施例の構成:はじめに、実施例の構成について
図1を用いて説明する。図1は本実施例の動力出力装置
を搭載したハイブリッド車両の概略構成を示す説明図で
ある。このハイブリッド車両の動力系統は、次の構成か
ら成っている。動力系統に備えられた原動機としてのエ
ンジン150は通常のガソリンエンジンであり、クラン
クシャフト156を回転させる。エンジン150の運転
はEFIECU170により制御されている。EFIE
CU170は内部にCPU、ROM、RAM等を有する
ワンチップ・マイクロコンピュータであり、CPUがR
OMに記録されたプログラムに従い、エンジン150の
燃料噴射料その他の制御を実行する。これらの制御を可
能とするために、EFIECU170にはエンジン15
0の運転状態を示す種々のセンサが接続されている。そ
の一つとしてクランクシャフト156の回転数を検出す
る回転数センサ152がある。その他のセンサおよびス
イッチなどの図示は省略した。
【0027】エンジン150のクランクシャフト156
はクラッチモータ130に結合されている。クラッチモ
ータ130は、インナロータ軸133に結合されたイン
ナロータ132とアウタロータ軸135に結合されたア
ウタロータ134を備え、両者が相対的に回転可能な対
ロータ電動機である。クラッチモータ130のインナロ
ータ軸133はダンパ157を介してクランクシャフト
156に結合されている。アウタロータ軸135はディ
ファレンシャルギヤ114を介して、駆動輪116R,
116Lを備えた車軸116に結合されている。また、
アシストモータ140と結合するために、アウタロータ
軸135には第1ギヤ111が設けられており、インナ
ロータ軸133には第2ギヤ112が設けられている。
はクラッチモータ130に結合されている。クラッチモ
ータ130は、インナロータ軸133に結合されたイン
ナロータ132とアウタロータ軸135に結合されたア
ウタロータ134を備え、両者が相対的に回転可能な対
ロータ電動機である。クラッチモータ130のインナロ
ータ軸133はダンパ157を介してクランクシャフト
156に結合されている。アウタロータ軸135はディ
ファレンシャルギヤ114を介して、駆動輪116R,
116Lを備えた車軸116に結合されている。また、
アシストモータ140と結合するために、アウタロータ
軸135には第1ギヤ111が設けられており、インナ
ロータ軸133には第2ギヤ112が設けられている。
【0028】本実施例のハイブリッド車両では、アシス
トモータ140が設けられている。アシストモータ14
0はステータ144がケースに固定され、ロータ142
は上述した中空のロータ軸143を有している。このロ
ータ軸143には上述した第1ギヤ111,第2ギヤ1
12と噛合する第3ギヤ113が設けられている。ロー
タ軸143はスプラインにより支持されており、回転す
るとともに軸方向にスライド可能になっている。その作
動は制御ユニット190により制御される。
トモータ140が設けられている。アシストモータ14
0はステータ144がケースに固定され、ロータ142
は上述した中空のロータ軸143を有している。このロ
ータ軸143には上述した第1ギヤ111,第2ギヤ1
12と噛合する第3ギヤ113が設けられている。ロー
タ軸143はスプラインにより支持されており、回転す
るとともに軸方向にスライド可能になっている。その作
動は制御ユニット190により制御される。
【0029】ロータ軸143が、図1中の破線で示した
位置UDにあるときは、第1ギヤ111と第3ギヤ11
3とが噛合する。図1中の位置UDにあるときは、アシ
ストモータ140のロータ142はアウタロータ軸13
5にのみ結合された状態となる。この結果、エンジン1
50から出力された動力は、クラッチモータ130、ア
シストモータ140をこの順に経て前車軸116に出力
される。この構成を模式的に示したのが図2である。ロ
ータ軸143が位置UDにあるときは、図2の構成と等
価である。以下、この結合状態をアンダードライブ結合
と呼ぶ。
位置UDにあるときは、第1ギヤ111と第3ギヤ11
3とが噛合する。図1中の位置UDにあるときは、アシ
ストモータ140のロータ142はアウタロータ軸13
5にのみ結合された状態となる。この結果、エンジン1
50から出力された動力は、クラッチモータ130、ア
シストモータ140をこの順に経て前車軸116に出力
される。この構成を模式的に示したのが図2である。ロ
ータ軸143が位置UDにあるときは、図2の構成と等
価である。以下、この結合状態をアンダードライブ結合
と呼ぶ。
【0030】ロータ軸143が、図1中の実線で示した
位置ODにあるときは、第2ギヤ112と第3ギヤ11
3とが噛合する。図1中の位置ODにあるときは、アシ
ストモータ140のロータ142はインナロータ軸13
3にのみ結合された状態となる。この結果、エンジン1
50から出力された動力は、アシストモータ140、ク
ラッチモータ130をこの順に経て前車軸116に出力
される。この構成を模式的に示したのが図3である。ロ
ータ軸143が位置ODにあるときは、図3の構成と等
価である。以下、この結合状態をオーバードライブ結合
と呼ぶ。
位置ODにあるときは、第2ギヤ112と第3ギヤ11
3とが噛合する。図1中の位置ODにあるときは、アシ
ストモータ140のロータ142はインナロータ軸13
3にのみ結合された状態となる。この結果、エンジン1
50から出力された動力は、アシストモータ140、ク
ラッチモータ130をこの順に経て前車軸116に出力
される。この構成を模式的に示したのが図3である。ロ
ータ軸143が位置ODにあるときは、図3の構成と等
価である。以下、この結合状態をオーバードライブ結合
と呼ぶ。
【0031】アンダードライブ結合とオーバードライブ
結合との切り替えの過渡期においては、第3ギヤ113
が第1ギヤ111および第2ギヤ112のいずれとも噛
合してない中立状態になることがある。このときエンジ
ン150から出力された動力は、クラッチモータ130
を経て前車軸116に出力される。この構成を模式的に
示したのが図4である。ロータ軸143が中立状態にあ
るときは、図4の構成と等価である。
結合との切り替えの過渡期においては、第3ギヤ113
が第1ギヤ111および第2ギヤ112のいずれとも噛
合してない中立状態になることがある。このときエンジ
ン150から出力された動力は、クラッチモータ130
を経て前車軸116に出力される。この構成を模式的に
示したのが図4である。ロータ軸143が中立状態にあ
るときは、図4の構成と等価である。
【0032】本実施例では、ロータ軸143の位置に応
じて図2〜図4の3つの構成を採るものとした。さらに
第3ギヤ113を第1ギヤ111および第2ギヤ112
の双方に結合可能としてもよい。かかる結合は、第3ギ
ヤ113の軸方向の長さを十分大きくすること等により
実現可能である。かかる結合状態では、かかる結合状態
では、インナロータ軸133とアウタロータ軸135は
同じ回転数で回転するため、クラッチモータ130は機
能しない。この結果、エンジン150から出力された動
力は、アシストモータ140を経て前車軸116に出力
される。この構成を模式的に示したのが図5である。
じて図2〜図4の3つの構成を採るものとした。さらに
第3ギヤ113を第1ギヤ111および第2ギヤ112
の双方に結合可能としてもよい。かかる結合は、第3ギ
ヤ113の軸方向の長さを十分大きくすること等により
実現可能である。かかる結合状態では、かかる結合状態
では、インナロータ軸133とアウタロータ軸135は
同じ回転数で回転するため、クラッチモータ130は機
能しない。この結果、エンジン150から出力された動
力は、アシストモータ140を経て前車軸116に出力
される。この構成を模式的に示したのが図5である。
【0033】上述した各結合状態は、ハイブリッド車両
の走行状態に応じて切り替えられる。車両の走行状態と
アシストモータ140の結合状態との関係を図6に示
す。図6は、横軸に車速をとり、縦軸にトルクを採って
車両が走行する領域を示したものである。図6中の曲線
LIMで示される範囲がハイブリッド車両が走行可能な
状態を示している。ハッチングを付して示した領域OD
がオーバードライブ結合により走行する領域である。そ
の他の領域UDがアンダードライブ結合により走行する
領域である。後述する通り、両者の境界は車両の運転状
態に応じて変化する。領域EVはエンジン150を停止
し、アシストモータ140のみを動力源として走行する
領域である。エンジン150を停止した状態での走行は
オーバードライブ結合でも可能であるが、本実施例では
制御が容易なアンダードライブ結合で行うものとした。
本実施例のハイブリッド車両は、このように走行状態に
応じてアシストモータ140の結合状態を切り替えなが
ら走行する。図6中に平地を走行する際の走行抵抗を破
線DDで示した。車両がこの破線に沿って運転される場
合には、最初EV走行し、ある時点でオーバードライブ
結合による走行がされる。各結合状態と走行状態との関
係は後に詳述する。
の走行状態に応じて切り替えられる。車両の走行状態と
アシストモータ140の結合状態との関係を図6に示
す。図6は、横軸に車速をとり、縦軸にトルクを採って
車両が走行する領域を示したものである。図6中の曲線
LIMで示される範囲がハイブリッド車両が走行可能な
状態を示している。ハッチングを付して示した領域OD
がオーバードライブ結合により走行する領域である。そ
の他の領域UDがアンダードライブ結合により走行する
領域である。後述する通り、両者の境界は車両の運転状
態に応じて変化する。領域EVはエンジン150を停止
し、アシストモータ140のみを動力源として走行する
領域である。エンジン150を停止した状態での走行は
オーバードライブ結合でも可能であるが、本実施例では
制御が容易なアンダードライブ結合で行うものとした。
本実施例のハイブリッド車両は、このように走行状態に
応じてアシストモータ140の結合状態を切り替えなが
ら走行する。図6中に平地を走行する際の走行抵抗を破
線DDで示した。車両がこの破線に沿って運転される場
合には、最初EV走行し、ある時点でオーバードライブ
結合による走行がされる。各結合状態と走行状態との関
係は後に詳述する。
【0034】なお、本実施例における第1ギヤ111,
第2ギヤ112,第3ギヤ113を2つのクラッチに置
き換えることも可能である。つまり、これらのギヤに代
えて、アウタロータ軸135とロータ軸143の結合お
よび解放を行う第1のクラッチを設け、またインナロー
タ軸133とロータ軸143の結合および解放を行う第
2のクラッチを設けるものとしてもよい。この場合、ロ
ータ142はスプラインではなく、通常の軸受けで軸支
すれば済む。
第2ギヤ112,第3ギヤ113を2つのクラッチに置
き換えることも可能である。つまり、これらのギヤに代
えて、アウタロータ軸135とロータ軸143の結合お
よび解放を行う第1のクラッチを設け、またインナロー
タ軸133とロータ軸143の結合および解放を行う第
2のクラッチを設けるものとしてもよい。この場合、ロ
ータ142はスプラインではなく、通常の軸受けで軸支
すれば済む。
【0035】次に、クラッチモータ130、アシストモ
ータ140の構成について説明する。クラッチモータ1
30は、既に説明した通り、対ロータの同期電動発電機
として構成されており、外周面に複数個の永久磁石を有
するインナロータ132と、回転磁界を形成する三相コ
イルが巻回されたアウタロータ134とを備える。アウ
タロータ134とインナロータ132とは、共に相対的
に回転可能に軸支されている。クラッチモータ130は
インナロータ132に備えられた永久磁石による磁界と
アウタロータ134に備えられた三相コイルによって形
成される磁界との相互作用により両者が相対的に回転駆
動する電動機として動作し、場合によってはこれらの相
互作用によりアウタロータ134に巻回された三相コイ
ルの両端に起電力を生じさせる発電機としても動作す
る。
ータ140の構成について説明する。クラッチモータ1
30は、既に説明した通り、対ロータの同期電動発電機
として構成されており、外周面に複数個の永久磁石を有
するインナロータ132と、回転磁界を形成する三相コ
イルが巻回されたアウタロータ134とを備える。アウ
タロータ134とインナロータ132とは、共に相対的
に回転可能に軸支されている。クラッチモータ130は
インナロータ132に備えられた永久磁石による磁界と
アウタロータ134に備えられた三相コイルによって形
成される磁界との相互作用により両者が相対的に回転駆
動する電動機として動作し、場合によってはこれらの相
互作用によりアウタロータ134に巻回された三相コイ
ルの両端に起電力を生じさせる発電機としても動作す
る。
【0036】クラッチモータ130はインナロータ13
2とアウタロータ134の双方が回転可能であるため、
インナロータ軸133およびアウタロータ軸135の一
方から入力された動力を他方に伝達することができる。
クラッチモータ130を電動機として力行運転すれば他
方の軸にはトルクが付加された動力が伝達されることに
なるし、電動発電機として回生運転すれば動力の一部を
電力の形で取り出しつつ残余の動力を伝達することがで
きる。また、力行運転も回生運転も行わなければ、動力
が伝達されない状態となる。この状態は機械的なクラッ
チを解放にした状態に相当する。
2とアウタロータ134の双方が回転可能であるため、
インナロータ軸133およびアウタロータ軸135の一
方から入力された動力を他方に伝達することができる。
クラッチモータ130を電動機として力行運転すれば他
方の軸にはトルクが付加された動力が伝達されることに
なるし、電動発電機として回生運転すれば動力の一部を
電力の形で取り出しつつ残余の動力を伝達することがで
きる。また、力行運転も回生運転も行わなければ、動力
が伝達されない状態となる。この状態は機械的なクラッ
チを解放にした状態に相当する。
【0037】クラッチモータ130のアウタロータ13
4はスリップリングおよび駆動回路191を介してバッ
テリ194に電気的に接続されている。駆動回路191
は内部にスイッチング素子としてのトランジスタを複数
備えたトランジスタインバータであり、制御ユニット1
90と電気的に接続されている。制御ユニット190が
駆動回路191のトランジスタのオン・オフの時間をP
WM制御するとバッテリ194を電源とする三相交流が
スリップリング138を介してクラッチモータ130の
アウタロータ134に流れる。この三相交流によりアウ
タロータ134には回転磁界が形成されクラッチモータ
130は回転する。
4はスリップリングおよび駆動回路191を介してバッ
テリ194に電気的に接続されている。駆動回路191
は内部にスイッチング素子としてのトランジスタを複数
備えたトランジスタインバータであり、制御ユニット1
90と電気的に接続されている。制御ユニット190が
駆動回路191のトランジスタのオン・オフの時間をP
WM制御するとバッテリ194を電源とする三相交流が
スリップリング138を介してクラッチモータ130の
アウタロータ134に流れる。この三相交流によりアウ
タロータ134には回転磁界が形成されクラッチモータ
130は回転する。
【0038】アシストモータ140も、クラッチモータ
130と同様に同期電動発電機として構成され、外周面
に複数個の永久磁石を有するロータ142と、回転磁界
を形成する三相コイルが巻回されたステータ144とを
備える。ステータ144がケースに固定されている点
で、クラッチモータ130とは異なっている。アシスト
モータ140は駆動回路192を介してバッテリ194
に接続されている。駆動回路192もトランジスタイン
バータにより構成されており、制御ユニット190に電
気的に接続されている。制御ユニット190の制御信号
により駆動回路192のトランジスタをスイッチングす
ると、ステータ144に三相交流が流れて回転磁界を生
じ、アシストモータ140は回転する。
130と同様に同期電動発電機として構成され、外周面
に複数個の永久磁石を有するロータ142と、回転磁界
を形成する三相コイルが巻回されたステータ144とを
備える。ステータ144がケースに固定されている点
で、クラッチモータ130とは異なっている。アシスト
モータ140は駆動回路192を介してバッテリ194
に接続されている。駆動回路192もトランジスタイン
バータにより構成されており、制御ユニット190に電
気的に接続されている。制御ユニット190の制御信号
により駆動回路192のトランジスタをスイッチングす
ると、ステータ144に三相交流が流れて回転磁界を生
じ、アシストモータ140は回転する。
【0039】本実施例のハイブリッド車両の運転状態は
制御ユニット190により制御されている。制御ユニッ
ト190もEFIECU170と同様、内部にCPU、
ROM、RAM等を有するワンチップ・マイクロコンピ
ュータであり、CPUがROMに記録されたプログラム
に従い、後述する種々の制御処理を行うよう構成されて
いる。これらの制御を可能とするために、制御ユニット
190には、各種のセンサおよびスイッチが電気的に接
続されている。制御ユニット190に接続されているセ
ンサおよびスイッチとしては、アクセルペダルの操作量
を検出するためのアクセルペダルポジションセンサ16
5、車軸116の回転数を検出する回転数センサ117
等が挙げられる。制御ユニット190は、EFIECU
170とも電気的に接続されており、EFIECU17
0との間で種々の情報を、通信によってやりとりしてい
る。制御ユニット190からエンジン150の制御に必
要な情報をEFIECU170に出力することにより、
エンジン150を間接的に制御することができる。逆に
エンジン150の回転数などの情報をEFIECU17
0から入力することもできる。この制御ユニット190
は、本発明における切り替え制御手段、抑制手段、回避
手段として機能する。
制御ユニット190により制御されている。制御ユニッ
ト190もEFIECU170と同様、内部にCPU、
ROM、RAM等を有するワンチップ・マイクロコンピ
ュータであり、CPUがROMに記録されたプログラム
に従い、後述する種々の制御処理を行うよう構成されて
いる。これらの制御を可能とするために、制御ユニット
190には、各種のセンサおよびスイッチが電気的に接
続されている。制御ユニット190に接続されているセ
ンサおよびスイッチとしては、アクセルペダルの操作量
を検出するためのアクセルペダルポジションセンサ16
5、車軸116の回転数を検出する回転数センサ117
等が挙げられる。制御ユニット190は、EFIECU
170とも電気的に接続されており、EFIECU17
0との間で種々の情報を、通信によってやりとりしてい
る。制御ユニット190からエンジン150の制御に必
要な情報をEFIECU170に出力することにより、
エンジン150を間接的に制御することができる。逆に
エンジン150の回転数などの情報をEFIECU17
0から入力することもできる。この制御ユニット190
は、本発明における切り替え制御手段、抑制手段、回避
手段として機能する。
【0040】(2)運転制御処理:次に、本実施例のハ
イブリッド車両の運転制御処理について説明する。本実
施例のハイブリッド車両は、種々の運転モードにより走
行することができる。図6を用いて説明した通り、例え
ば、エンジン150を停止してアシストモータ140を
動力源として走行することができる。当然、エンジン1
50からの動力を利用して走行することもできる(以
下、この運転モードを通常走行と呼ぶ)。また、車軸の
回転を電力として回生しながら制動をかけることもでき
る。制御ユニット190内のCPU(以下、単に「CP
U」という)は車両の走行状態に応じて運転モードを判
定し、それぞれのモードについてエンジン150、クラ
ッチモータ130、アシストモータ140等の制御を実
行する。これらの制御は種々の制御処理ルーチンを周期
的に実行することにより行われる。以下では、これらの
運転モードのうち、本発明に最も関連の深い通常走行モ
ードについてトルク制御処理の内容を説明する。
イブリッド車両の運転制御処理について説明する。本実
施例のハイブリッド車両は、種々の運転モードにより走
行することができる。図6を用いて説明した通り、例え
ば、エンジン150を停止してアシストモータ140を
動力源として走行することができる。当然、エンジン1
50からの動力を利用して走行することもできる(以
下、この運転モードを通常走行と呼ぶ)。また、車軸の
回転を電力として回生しながら制動をかけることもでき
る。制御ユニット190内のCPU(以下、単に「CP
U」という)は車両の走行状態に応じて運転モードを判
定し、それぞれのモードについてエンジン150、クラ
ッチモータ130、アシストモータ140等の制御を実
行する。これらの制御は種々の制御処理ルーチンを周期
的に実行することにより行われる。以下では、これらの
運転モードのうち、本発明に最も関連の深い通常走行モ
ードについてトルク制御処理の内容を説明する。
【0041】図7は、通常走行時のトルク制御ルーチン
の内容を示すフローチャートである。この処理が開始さ
れるとCPUは駆動軸、つまり車軸116から出力すべ
きエネルギPdを設定する(ステップS10)。この動
力は、アクセルペダルポジションセンサ165により検
出されたアクセルの踏み込み量に基づいて設定される。
駆動軸から出力すべきエネルギPdは、車軸116の目
標回転数Nd*とトルクTd*の積で表される。フロー
チャートには図示を省略したが、駆動軸から出力すべき
エネルギPdの設定とともに車軸116の目標回転数N
d*および目標トルクTd*の組み合わせも設定されて
いる。次に、充放電電力Pbおよび補機駆動エネルギP
hを算出する(ステップS15,S20)。充放電電力
Pbとは、バッテリ194の充放電に要するエネルギで
あり、バッテリ194を充電する必要がある場合には正
の値、放電する必要がある場合には負の値を採る。補機
駆動エネルギPhとは、エアコンなどの補機を駆動する
ために必要となる電力である。こうして算出された電力
の総和が要求動力Peとなる(ステップS25)。
の内容を示すフローチャートである。この処理が開始さ
れるとCPUは駆動軸、つまり車軸116から出力すべ
きエネルギPdを設定する(ステップS10)。この動
力は、アクセルペダルポジションセンサ165により検
出されたアクセルの踏み込み量に基づいて設定される。
駆動軸から出力すべきエネルギPdは、車軸116の目
標回転数Nd*とトルクTd*の積で表される。フロー
チャートには図示を省略したが、駆動軸から出力すべき
エネルギPdの設定とともに車軸116の目標回転数N
d*および目標トルクTd*の組み合わせも設定されて
いる。次に、充放電電力Pbおよび補機駆動エネルギP
hを算出する(ステップS15,S20)。充放電電力
Pbとは、バッテリ194の充放電に要するエネルギで
あり、バッテリ194を充電する必要がある場合には正
の値、放電する必要がある場合には負の値を採る。補機
駆動エネルギPhとは、エアコンなどの補機を駆動する
ために必要となる電力である。こうして算出された電力
の総和が要求動力Peとなる(ステップS25)。
【0042】なお、トルク制御ルーチンでは、単位時間
当たりのエネルギ収支を考慮してエンジン150等の制
御を実行する。従って、本明細書でエネルギという場合
は、全て単位時間当たりのエネルギを意味するものとす
る。この意味で、本明細書においては、機械的なエネル
ギは動力と同義であり、電気的なエネルギは電力と同義
である。また、説明の容易のため、以下では車軸116
とアウタロータ軸135との間には変速機は設けられて
いないものとする。つまり、車軸116の回転数および
トルクは、アウタロータ軸135の回転数およびトルク
と等しいものとする。
当たりのエネルギ収支を考慮してエンジン150等の制
御を実行する。従って、本明細書でエネルギという場合
は、全て単位時間当たりのエネルギを意味するものとす
る。この意味で、本明細書においては、機械的なエネル
ギは動力と同義であり、電気的なエネルギは電力と同義
である。また、説明の容易のため、以下では車軸116
とアウタロータ軸135との間には変速機は設けられて
いないものとする。つまり、車軸116の回転数および
トルクは、アウタロータ軸135の回転数およびトルク
と等しいものとする。
【0043】次に、こうして設定された要求動力Peに
基づいてエンジン150の運転ポイントを設定する(ス
テップS30)。運転ポイントとは、エンジン150の
目標回転数Neと目標トルクTeの組み合わせをいう。
エンジン150の運転ポイントは、予め定めたマップに
従って、基本的にはエンジン150の運転効率を優先し
て設定する。
基づいてエンジン150の運転ポイントを設定する(ス
テップS30)。運転ポイントとは、エンジン150の
目標回転数Neと目標トルクTeの組み合わせをいう。
エンジン150の運転ポイントは、予め定めたマップに
従って、基本的にはエンジン150の運転効率を優先し
て設定する。
【0044】図8はかかるマップの例である。図8はエ
ンジンの回転数Neを横軸に、トルクTeを縦軸にとり
エンジン150の運転状態を示している。図8中の曲線
Bはエンジン150の運転が可能な限界範囲を示してい
る。曲線α1からα6まではエンジン150の運転効率
が一定となる運転ポイントを示している。α1からα6
の順に運転効率は低くなっていく。また、曲線C1から
C3はそれぞれエンジン150から出力される動力(回
転数×トルク)が一定となるラインを示している。
ンジンの回転数Neを横軸に、トルクTeを縦軸にとり
エンジン150の運転状態を示している。図8中の曲線
Bはエンジン150の運転が可能な限界範囲を示してい
る。曲線α1からα6まではエンジン150の運転効率
が一定となる運転ポイントを示している。α1からα6
の順に運転効率は低くなっていく。また、曲線C1から
C3はそれぞれエンジン150から出力される動力(回
転数×トルク)が一定となるラインを示している。
【0045】エンジン150は図8に示す通り、回転数
およびトルクに応じて、運転効率が大きく相違する。図
8中の曲線C1〜C3に相当する動力を出力する場合の
エンジン150の回転数Neと効率αの関係を図9に示
す。エンジン150から曲線C1に相当する動力を出力
する場合には、図8および図9中のA1点に相当する運
転ポイント(回転数およびトルク)でエンジン150を
運転するときが最も運転効率が高くなる。同様に曲線C
2およびC3に相当する動力を出力する場合には図8お
よび図9中のA2およびA3点で運転する場合が最も効
率が高くなる。出力すべき動力ごとに最も運転効率が高
くなる運転ポイントを選択すると、図8中の曲線Aが得
られる。これを動作曲線と呼ぶ。
およびトルクに応じて、運転効率が大きく相違する。図
8中の曲線C1〜C3に相当する動力を出力する場合の
エンジン150の回転数Neと効率αの関係を図9に示
す。エンジン150から曲線C1に相当する動力を出力
する場合には、図8および図9中のA1点に相当する運
転ポイント(回転数およびトルク)でエンジン150を
運転するときが最も運転効率が高くなる。同様に曲線C
2およびC3に相当する動力を出力する場合には図8お
よび図9中のA2およびA3点で運転する場合が最も効
率が高くなる。出力すべき動力ごとに最も運転効率が高
くなる運転ポイントを選択すると、図8中の曲線Aが得
られる。これを動作曲線と呼ぶ。
【0046】図7のステップS30における運転ポイン
トの設定では、予め実験的に求められた動作曲線を制御
ユニット190内のROMにマップとして記憶してお
き、かかるマップから要求動力Peに応じた運転ポイン
トを読み込んで、エンジン150の目標回転数Neおよ
び目標トルクTeを設定するのである。こうすることに
より、最も運転効率の高い運転ポイントを設定すること
ができる。
トの設定では、予め実験的に求められた動作曲線を制御
ユニット190内のROMにマップとして記憶してお
き、かかるマップから要求動力Peに応じた運転ポイン
トを読み込んで、エンジン150の目標回転数Neおよ
び目標トルクTeを設定するのである。こうすることに
より、最も運転効率の高い運転ポイントを設定すること
ができる。
【0047】こうして設定されたエンジン150の運転
ポイントに応じて、CPUは結合状態切り替え制御処理
を行う(ステップS100)。この処理内容は後述す
る。この処理では、ハイブリッド車両の走行状態に応じ
て第3ギヤ113が噛合する先を第1ギヤ111、第2
ギヤ112に切り替える処理である。本実施例では、こ
の処理を実行することにより、アシストモータ140は
クラッチモータ130のインナロータ軸133側に結合
された状態(図2のアンダードライブ結合)またはアウ
タロータ軸135側に結合された状態(図3のオーバー
ドライブ結合)のいずれかを採る。本実施例では、両者
の切り替えの途中において、アシストモータ140がイ
ンナロータ軸133側およびアウタロータ軸135側の
双方から切り離された中立状態(図4の状態)を採る。
ポイントに応じて、CPUは結合状態切り替え制御処理
を行う(ステップS100)。この処理内容は後述す
る。この処理では、ハイブリッド車両の走行状態に応じ
て第3ギヤ113が噛合する先を第1ギヤ111、第2
ギヤ112に切り替える処理である。本実施例では、こ
の処理を実行することにより、アシストモータ140は
クラッチモータ130のインナロータ軸133側に結合
された状態(図2のアンダードライブ結合)またはアウ
タロータ軸135側に結合された状態(図3のオーバー
ドライブ結合)のいずれかを採る。本実施例では、両者
の切り替えの途中において、アシストモータ140がイ
ンナロータ軸133側およびアウタロータ軸135側の
双方から切り離された中立状態(図4の状態)を採る。
【0048】次にCPUはクラッチモータ130および
アシストモータ140のトルクおよび回転数の指令値を
設定する(ステップS200)。この設定は、アンダー
ドライブ結合かオーバードライブ結合かによって異な
る。それぞれの結合状態について、トルクおよび回転数
の指令値の設定方法を説明する。
アシストモータ140のトルクおよび回転数の指令値を
設定する(ステップS200)。この設定は、アンダー
ドライブ結合かオーバードライブ結合かによって異な
る。それぞれの結合状態について、トルクおよび回転数
の指令値の設定方法を説明する。
【0049】アンダードライブ結合の場合、図2の構成
図から明らかな通り、アシストモータ140の回転数N
aは駆動軸116の回転数Ndと等しい。クラッチモー
タ130の回転数Ncは、駆動軸116の回転数Ndと
エンジン150の回転数Neとの差分となる。一方、ト
ルクは次の通り設定される。作用・反作用の原理から明
らかな通り、クラッチモータ130のトルクTcは、エ
ンジン150のトルクTeに等しい。アシストモータ1
40のトルクTaは、駆動軸116の目標トルクTdと
エンジン150のトルクTeとの差分となる。以上よ
り、アンダードライブ結合の場合には、アシストモータ
140及びクラッチモータ130の回転数、トルクは次
式(1)の通り設定される。 クラッチモータ130の回転数Nc=Nd−Ne; トルクTc=Te; アシストモータ140の回転数Na=Nd; トルクTa=Td−Te;・・・(1)
図から明らかな通り、アシストモータ140の回転数N
aは駆動軸116の回転数Ndと等しい。クラッチモー
タ130の回転数Ncは、駆動軸116の回転数Ndと
エンジン150の回転数Neとの差分となる。一方、ト
ルクは次の通り設定される。作用・反作用の原理から明
らかな通り、クラッチモータ130のトルクTcは、エ
ンジン150のトルクTeに等しい。アシストモータ1
40のトルクTaは、駆動軸116の目標トルクTdと
エンジン150のトルクTeとの差分となる。以上よ
り、アンダードライブ結合の場合には、アシストモータ
140及びクラッチモータ130の回転数、トルクは次
式(1)の通り設定される。 クラッチモータ130の回転数Nc=Nd−Ne; トルクTc=Te; アシストモータ140の回転数Na=Nd; トルクTa=Td−Te;・・・(1)
【0050】アンダードライブ結合では、各モータの回
転数およびトルクを上式(1)の通り設定することによ
り、エンジン150から出力された動力を駆動軸116
の目標回転数NdおよびトルクTdに変換して出力す
る。この変換の様子を図10〜図13を用いて場合を分
けて説明する。図10、図11は、エンジン150の運
転ポイントPeと駆動軸116の回転ポイントPdを、
横軸に回転数N、縦軸にトルクTを採って示した図であ
る。図10は、エンジン150から出力された動力Pe
を、回転数が低くトルクが高い状態に変換して駆動軸1
16から出力する場合を示している。図11は、逆にエ
ンジン150から出力された動力Peを回転数が高くト
ルクが低い状態に変換して駆動軸116から出力する場
合を示している。図12、図13はこうした回転数およ
びトルクの変換の様子を模式的に示した図である。図1
2は図10に示した変換を行う際の様子を示したもので
あり、図13は図11に示した変換を行う際の様子を示
したものである。
転数およびトルクを上式(1)の通り設定することによ
り、エンジン150から出力された動力を駆動軸116
の目標回転数NdおよびトルクTdに変換して出力す
る。この変換の様子を図10〜図13を用いて場合を分
けて説明する。図10、図11は、エンジン150の運
転ポイントPeと駆動軸116の回転ポイントPdを、
横軸に回転数N、縦軸にトルクTを採って示した図であ
る。図10は、エンジン150から出力された動力Pe
を、回転数が低くトルクが高い状態に変換して駆動軸1
16から出力する場合を示している。図11は、逆にエ
ンジン150から出力された動力Peを回転数が高くト
ルクが低い状態に変換して駆動軸116から出力する場
合を示している。図12、図13はこうした回転数およ
びトルクの変換の様子を模式的に示した図である。図1
2は図10に示した変換を行う際の様子を示したもので
あり、図13は図11に示した変換を行う際の様子を示
したものである。
【0051】図10に示した変換を行う場合、駆動軸1
16の回転数Ndはエンジン150の回転数Neよりも
小さい。従って、クラッチモータ130の回転数Ncは
負の値となる。クラッチモータ130のトルクTcは正
の値である。つまり、クラッチモータ130はエンジン
150から出力された動力の一部を駆動軸116に伝達
しつつ、残りを電力として回生する状態で運転される。
このとき、回生される電力はクラッチモータ130の回
転数とトルクの積に等しく、図10中のハッチングを施
した領域GU1の面積に等しい。一方、駆動軸116の
トルクTdはエンジン150のトルクTeよりも大き
い。従って、アシストモータ140は正のトルク、正の
回転数で運転される。つまり、アシストモータ140は
電力の供給を受け力行される。このとき供給される電力
はアシストモータ140の回転数とトルクの積に等し
く、図10中のハッチングを施した領域CU1の面積に
等しい。両モータでの運転効率を100%と仮定すれば
クラッチモータ130で回生される電力と、アシストモ
ータ140に供給される電力とは等しくなる。つまり、
クラッチモータ130で領域GU1に相当する分のエネ
ルギを電力の形で取り出し、領域CU1に相当する分の
エネルギとして供給することによりエンジン150の運
転ポイントPeで表される動力を、ポイントP2の状態
に変換しているのである。
16の回転数Ndはエンジン150の回転数Neよりも
小さい。従って、クラッチモータ130の回転数Ncは
負の値となる。クラッチモータ130のトルクTcは正
の値である。つまり、クラッチモータ130はエンジン
150から出力された動力の一部を駆動軸116に伝達
しつつ、残りを電力として回生する状態で運転される。
このとき、回生される電力はクラッチモータ130の回
転数とトルクの積に等しく、図10中のハッチングを施
した領域GU1の面積に等しい。一方、駆動軸116の
トルクTdはエンジン150のトルクTeよりも大き
い。従って、アシストモータ140は正のトルク、正の
回転数で運転される。つまり、アシストモータ140は
電力の供給を受け力行される。このとき供給される電力
はアシストモータ140の回転数とトルクの積に等し
く、図10中のハッチングを施した領域CU1の面積に
等しい。両モータでの運転効率を100%と仮定すれば
クラッチモータ130で回生される電力と、アシストモ
ータ140に供給される電力とは等しくなる。つまり、
クラッチモータ130で領域GU1に相当する分のエネ
ルギを電力の形で取り出し、領域CU1に相当する分の
エネルギとして供給することによりエンジン150の運
転ポイントPeで表される動力を、ポイントP2の状態
に変換しているのである。
【0052】この様子を図12に基づいて説明する。エ
ンジン150から出力された動力PU1は、クラッチモ
ータ130で2つに分配され、一部の動力PU2はアシ
ストモータ140が結合される駆動軸側に伝達される。
残りのエネルギは電力EUとして取り出される。この電
力EUはアシストモータ140に供給される。アシスト
モータ140では、機械的に伝達されたエネルギPU2
と電力EUとを併合して、動力PU3を駆動軸に出力す
る。なお、電力EUのやりとりにはバッテリ194への
充放電が関与することもあるが、以上の説明および図1
2では省略した。
ンジン150から出力された動力PU1は、クラッチモ
ータ130で2つに分配され、一部の動力PU2はアシ
ストモータ140が結合される駆動軸側に伝達される。
残りのエネルギは電力EUとして取り出される。この電
力EUはアシストモータ140に供給される。アシスト
モータ140では、機械的に伝達されたエネルギPU2
と電力EUとを併合して、動力PU3を駆動軸に出力す
る。なお、電力EUのやりとりにはバッテリ194への
充放電が関与することもあるが、以上の説明および図1
2では省略した。
【0053】図11に示した変換を行う場合、駆動軸1
16の回転数Ndはエンジン150の回転数Neよりも
大きい。従って、クラッチモータ130の回転数Ncは
正の値となる。クラッチモータ130のトルクTcは正
の値である。つまり、クラッチモータ130は電力の供
給を受けて力行される。このとき、供給される電力はク
ラッチモータ130の回転数とトルクの積に等しく、図
11中のハッチングを施した領域「GU2+GU3」の
面積に等しい。一方、駆動軸116のトルクTdはエン
ジン150のトルクTeよりも小さい。従って、アシス
トモータ140は負のトルク、正の回転数で運転され
る。つまり、アシストモータ140は回生運転される。
このとき回生される電力はアシストモータ140の回転
数とトルクの積に等しく、図11中のハッチングを施し
た領域「CU2+GU3」の面積に等しい。両モータで
の運転効率を100%と仮定すればクラッチモータ13
0で回生される電力と、アシストモータ140に供給さ
れる電力とは等しくなる。実際には運転効率が100%
になることはないため、バッテリ194からの電力の持
ち出しを伴ったり、損失に相当する動力をエンジン15
0から余分に出力したりして、上記変換を実現する。
16の回転数Ndはエンジン150の回転数Neよりも
大きい。従って、クラッチモータ130の回転数Ncは
正の値となる。クラッチモータ130のトルクTcは正
の値である。つまり、クラッチモータ130は電力の供
給を受けて力行される。このとき、供給される電力はク
ラッチモータ130の回転数とトルクの積に等しく、図
11中のハッチングを施した領域「GU2+GU3」の
面積に等しい。一方、駆動軸116のトルクTdはエン
ジン150のトルクTeよりも小さい。従って、アシス
トモータ140は負のトルク、正の回転数で運転され
る。つまり、アシストモータ140は回生運転される。
このとき回生される電力はアシストモータ140の回転
数とトルクの積に等しく、図11中のハッチングを施し
た領域「CU2+GU3」の面積に等しい。両モータで
の運転効率を100%と仮定すればクラッチモータ13
0で回生される電力と、アシストモータ140に供給さ
れる電力とは等しくなる。実際には運転効率が100%
になることはないため、バッテリ194からの電力の持
ち出しを伴ったり、損失に相当する動力をエンジン15
0から余分に出力したりして、上記変換を実現する。
【0054】この様子を図13に基づいて説明する。エ
ンジン150から出力された動力PU1は、クラッチモ
ータ130により増大され、動力PU2としてアシスト
モータ140が結合される駆動軸側に伝達される。アシ
ストモータ140は伝達された動力の一部の動力PU3
を駆動軸に出力するとともに、残りのエネルギは電力E
Uとして取り出す。この電力EUはクラッチモータ13
0に供給される。なお、電力EUのやりとりにはバッテ
リ194への充放電が関与することもあるが、以上の説
明および図12では省略した。
ンジン150から出力された動力PU1は、クラッチモ
ータ130により増大され、動力PU2としてアシスト
モータ140が結合される駆動軸側に伝達される。アシ
ストモータ140は伝達された動力の一部の動力PU3
を駆動軸に出力するとともに、残りのエネルギは電力E
Uとして取り出す。この電力EUはクラッチモータ13
0に供給される。なお、電力EUのやりとりにはバッテ
リ194への充放電が関与することもあるが、以上の説
明および図12では省略した。
【0055】以上の運転状態を比較すると、エンジン1
50の回転数Neよりも駆動軸の回転数Ndが低い場
合、つまりアンダードライブ走行時には、回生された電
力EUは、エンジン150から出力された動力が駆動軸
に伝達される上流側から下流側に供給されている(図1
2参照)。上流側とはクラッチモータ130であり、下
流側とはアシストモータ140である。これに対し、エ
ンジン150の回転数Neよりも駆動軸の回転数Ndが
高い場合、つまりオーバードライブ走行時には、回生さ
れた電力EUは下流側から上流側に供給されている(図
13参照)。この結果、後者の変換では、動力の循環γ
1が生じることになる。動力の循環γ1が生じている場
合には、エンジン150から出力される動力のうち駆動
軸に有効に出力されない動力が生じることを意味するた
め、ハイブリッド車両の運転効率は低下する。つまり、
アンダードライブ結合(図2の状態)では、「エンジン
150の回転数Ne>駆動軸の回転数Nd」の場合に高
い効率で車両を運転することができる。
50の回転数Neよりも駆動軸の回転数Ndが低い場
合、つまりアンダードライブ走行時には、回生された電
力EUは、エンジン150から出力された動力が駆動軸
に伝達される上流側から下流側に供給されている(図1
2参照)。上流側とはクラッチモータ130であり、下
流側とはアシストモータ140である。これに対し、エ
ンジン150の回転数Neよりも駆動軸の回転数Ndが
高い場合、つまりオーバードライブ走行時には、回生さ
れた電力EUは下流側から上流側に供給されている(図
13参照)。この結果、後者の変換では、動力の循環γ
1が生じることになる。動力の循環γ1が生じている場
合には、エンジン150から出力される動力のうち駆動
軸に有効に出力されない動力が生じることを意味するた
め、ハイブリッド車両の運転効率は低下する。つまり、
アンダードライブ結合(図2の状態)では、「エンジン
150の回転数Ne>駆動軸の回転数Nd」の場合に高
い効率で車両を運転することができる。
【0056】次に、オーバードライブ結合の場合におけ
るトルクおよび回転数の指令値の設定について説明す
る。オーバードライブ結合の場合、図3の構成図から明
らかな通り、アシストモータ140の回転数Naはエン
ジン150の回転数Neと等しい。クラッチモータ13
0の回転数Ncは、駆動軸116の回転数Ndとエンジ
ン150の回転数Neとの差分となる。一方、トルクは
次の通り設定される。作用・反作用の原理から明らかな
通り、クラッチモータ130のトルクTcは、駆動軸1
16の目標トルクTdと等しい。アシストモータ140
のトルクTaは、駆動軸116の目標トルクTdとエン
ジン150のトルクTeとの差分となる。以上より、オ
ーバードライブ結合の場合には、アシストモータ140
及びクラッチモータ130の回転数、トルクは次式
(2)の通り設定される。 クラッチモータ130の回転数Nc=Nd−Ne; トルクTc=Td; アシストモータ140の回転数Na=Ne; トルクTa=Td−Te; ・・・(29
るトルクおよび回転数の指令値の設定について説明す
る。オーバードライブ結合の場合、図3の構成図から明
らかな通り、アシストモータ140の回転数Naはエン
ジン150の回転数Neと等しい。クラッチモータ13
0の回転数Ncは、駆動軸116の回転数Ndとエンジ
ン150の回転数Neとの差分となる。一方、トルクは
次の通り設定される。作用・反作用の原理から明らかな
通り、クラッチモータ130のトルクTcは、駆動軸1
16の目標トルクTdと等しい。アシストモータ140
のトルクTaは、駆動軸116の目標トルクTdとエン
ジン150のトルクTeとの差分となる。以上より、オ
ーバードライブ結合の場合には、アシストモータ140
及びクラッチモータ130の回転数、トルクは次式
(2)の通り設定される。 クラッチモータ130の回転数Nc=Nd−Ne; トルクTc=Td; アシストモータ140の回転数Na=Ne; トルクTa=Td−Te; ・・・(29
【0057】オーバードライブ結合では、各モータの回
転数およびトルクを上式(2)の通り設定することによ
り、エンジン150から出力された動力を駆動軸116
の目標回転数NdおよびトルクTdに変換して出力して
いる。この変換の様子を図14〜図17を用い、場合を
分けて説明する。図14は、エンジン150から出力さ
れた動力Peを回転数が低く、トルクが高い状態に変換
して駆動軸116から出力する場合のエネルギの関係を
示している。図15は、逆にエンジン150から出力さ
れた動力Peを回転数が高く、トルクが低い状態に変換
して駆動軸116から出力する場合を示している。図1
6、図17はこうした回転数およびトルクの変換の様子
を模式的に示した図である。図16は図14に示した変
換を行う際の様子を示したものであり、図17は図15
に示した変換を行う際の様子を示したものである。
転数およびトルクを上式(2)の通り設定することによ
り、エンジン150から出力された動力を駆動軸116
の目標回転数NdおよびトルクTdに変換して出力して
いる。この変換の様子を図14〜図17を用い、場合を
分けて説明する。図14は、エンジン150から出力さ
れた動力Peを回転数が低く、トルクが高い状態に変換
して駆動軸116から出力する場合のエネルギの関係を
示している。図15は、逆にエンジン150から出力さ
れた動力Peを回転数が高く、トルクが低い状態に変換
して駆動軸116から出力する場合を示している。図1
6、図17はこうした回転数およびトルクの変換の様子
を模式的に示した図である。図16は図14に示した変
換を行う際の様子を示したものであり、図17は図15
に示した変換を行う際の様子を示したものである。
【0058】図14に示した変換を行う場合、クラッチ
モータ130は回生運転される。回生される電力は図1
4中のハッチングを施した領域「GO1+GO2」の面
積に等しい。アシストモータ140は電力の供給を受け
力行される。供給される電力は図14中のハッチングを
施した領域CO1の面積に等しい。両モータでの運転効
率を100%と仮定すればクラッチモータ130で回生
される電力と、アシストモータ140に供給される電力
とは等しくなる。
モータ130は回生運転される。回生される電力は図1
4中のハッチングを施した領域「GO1+GO2」の面
積に等しい。アシストモータ140は電力の供給を受け
力行される。供給される電力は図14中のハッチングを
施した領域CO1の面積に等しい。両モータでの運転効
率を100%と仮定すればクラッチモータ130で回生
される電力と、アシストモータ140に供給される電力
とは等しくなる。
【0059】この様子を図16に基づいて説明する。エ
ンジン150から出力された動力PO1は、アシストモ
ータ140で増大され、動力PO2としてクラッチモー
タ130に伝達される。クラッチモータ130は、アシ
ストモータ140から伝達されたエネルギPO2の一部
を動力PO3として駆動軸に出力しつつ、残りを電力E
Uとして回生する。この電力は、アシストモータ140
に供給される。従って、「エンジン150の回転数Ne
>駆動軸の回転数Nd」のときは、図16に示す通り、
動力の循環γ2が生じる。
ンジン150から出力された動力PO1は、アシストモ
ータ140で増大され、動力PO2としてクラッチモー
タ130に伝達される。クラッチモータ130は、アシ
ストモータ140から伝達されたエネルギPO2の一部
を動力PO3として駆動軸に出力しつつ、残りを電力E
Uとして回生する。この電力は、アシストモータ140
に供給される。従って、「エンジン150の回転数Ne
>駆動軸の回転数Nd」のときは、図16に示す通り、
動力の循環γ2が生じる。
【0060】図15に示した変換を行う場合、クラッチ
モータ130は電力の供給を受けて力行される。供給さ
れる電力は図15中のハッチングを施した領域GO3の
面積に等しい。アシストモータ140は回生運転され
る。回生される電力は図15中のハッチングを施した領
域CO2の面積に等しい。両モータでの運転効率を10
0%と仮定すればクラッチモータ130に供給される電
力と、アシストモータ140で回生される電力とは等し
くなる。
モータ130は電力の供給を受けて力行される。供給さ
れる電力は図15中のハッチングを施した領域GO3の
面積に等しい。アシストモータ140は回生運転され
る。回生される電力は図15中のハッチングを施した領
域CO2の面積に等しい。両モータでの運転効率を10
0%と仮定すればクラッチモータ130に供給される電
力と、アシストモータ140で回生される電力とは等し
くなる。
【0061】この様子を図17に基づいて説明する。エ
ンジン150から出力された動力PO1は、アシストモ
ータ140により2つに分配され、一部を動力PO2と
してクラッチモータ130に伝達されるとともに、残り
を電力EOとして回生される。クラッチモータ130は
伝達された動力に電力EOを併合して、動力PO3を駆
動軸に出力する。従って、「エンジン150の回転数N
e<駆動軸の回転数Nd」のときは、動力の循環は生じ
ない。以上より、オーバードライブ結合では、「エンジ
ン150の回転数Ne<駆動軸の回転数Nd」の場合に
高い効率で車両を運転することができる。
ンジン150から出力された動力PO1は、アシストモ
ータ140により2つに分配され、一部を動力PO2と
してクラッチモータ130に伝達されるとともに、残り
を電力EOとして回生される。クラッチモータ130は
伝達された動力に電力EOを併合して、動力PO3を駆
動軸に出力する。従って、「エンジン150の回転数N
e<駆動軸の回転数Nd」のときは、動力の循環は生じ
ない。以上より、オーバードライブ結合では、「エンジ
ン150の回転数Ne<駆動軸の回転数Nd」の場合に
高い効率で車両を運転することができる。
【0062】以上で説明した通り、アンダードライブ結
合の場合、上式(1)に基づいて各モータのトルクおよ
び回転数の指令値を設定すれば、アンダードライブ走行
中であるかオーバードライブ走行中であるかに関わら
ず、エンジンから出力される動力を要求された回転数お
よびトルクに変換して出力することができる。但し、オ
ーバードライブ走行時には動力循環の発生により運転効
率が低下する。オーバードライブ結合の場合は、上式
(2)に基づいて各モータのトルクおよび回転数の指令
値を設定すれば、アンダードライブ走行中であるかオー
バードライブ走行中であるかに関わらず、エンジンから
出力される動力を要求された回転数およびトルクに変換
して出力することができる。但し、アンダードライブ走
行時には動力循環の発生により運転効率が低下する。
合の場合、上式(1)に基づいて各モータのトルクおよ
び回転数の指令値を設定すれば、アンダードライブ走行
中であるかオーバードライブ走行中であるかに関わら
ず、エンジンから出力される動力を要求された回転数お
よびトルクに変換して出力することができる。但し、オ
ーバードライブ走行時には動力循環の発生により運転効
率が低下する。オーバードライブ結合の場合は、上式
(2)に基づいて各モータのトルクおよび回転数の指令
値を設定すれば、アンダードライブ走行中であるかオー
バードライブ走行中であるかに関わらず、エンジンから
出力される動力を要求された回転数およびトルクに変換
して出力することができる。但し、アンダードライブ走
行時には動力循環の発生により運転効率が低下する。
【0063】こうしてアシストモータ140の結合状態
に応じて設定されたトルク指令値および回転数指令値に
基づいて、CPUはクラッチモータ130、アシストモ
ータ140、エンジン150の運転を制御する(ステッ
プS205)。モータの運転制御処理は、同期モータの
制御として周知の処理を適用することができる。本実施
例では、いわゆる比例積分制御による制御を実行してい
る。つまり、各モータの現在のトルクを検出し、目標ト
ルクとの偏差および目標回転数に基づいて、各相に印加
する電圧指令値を設定する。印加される電圧値は上記偏
差の比例項、積分項、累積項によって設定される。それ
ぞれの項にかかる比例係数は実験などにより適切な値が
設定される。こうして設定された電圧は、駆動回路19
1,192を構成するトランジスタインバータのスイッ
チングのデューティに置換され、いわゆるPWM制御に
より各モータに印加される。
に応じて設定されたトルク指令値および回転数指令値に
基づいて、CPUはクラッチモータ130、アシストモ
ータ140、エンジン150の運転を制御する(ステッ
プS205)。モータの運転制御処理は、同期モータの
制御として周知の処理を適用することができる。本実施
例では、いわゆる比例積分制御による制御を実行してい
る。つまり、各モータの現在のトルクを検出し、目標ト
ルクとの偏差および目標回転数に基づいて、各相に印加
する電圧指令値を設定する。印加される電圧値は上記偏
差の比例項、積分項、累積項によって設定される。それ
ぞれの項にかかる比例係数は実験などにより適切な値が
設定される。こうして設定された電圧は、駆動回路19
1,192を構成するトランジスタインバータのスイッ
チングのデューティに置換され、いわゆるPWM制御に
より各モータに印加される。
【0064】CPUは駆動回路191,192のスイッ
チングを制御することによって、上述の通り、クラッチ
モータ130およびアシストモータ140の運転を直接
制御する。これに対し、エンジン150の運転は現実に
はEFIECU170が実施する処理である。従って、
制御ユニット190のCPUはEFIECU170に対
してエンジン150の運転ポイントの情報を出力するこ
とで、間接的にエンジン150の運転を制御する。
チングを制御することによって、上述の通り、クラッチ
モータ130およびアシストモータ140の運転を直接
制御する。これに対し、エンジン150の運転は現実に
はEFIECU170が実施する処理である。従って、
制御ユニット190のCPUはEFIECU170に対
してエンジン150の運転ポイントの情報を出力するこ
とで、間接的にエンジン150の運転を制御する。
【0065】以上の処理を周期的に実行することによ
り、本実施例のハイブリッド車両は、エンジン150か
ら出力された動力を所望の回転数およびトルクに変換し
て駆動軸から出力し、走行することができる。
り、本実施例のハイブリッド車両は、エンジン150か
ら出力された動力を所望の回転数およびトルクに変換し
て駆動軸から出力し、走行することができる。
【0066】次に、結合状態の切り替えについて説明す
る。図18は結合状態切り換え制御ルーチンのフローチ
ャートである。本ルーチンが開始されると、CPUは車
軸116の目標運転ポイント、即ち目標回転数Nd*お
よび目標トルクTd*を読み込む(ステップS10
2)。車軸116の目標運転ポイントは先に図7のトル
ク制御ルーチンのステップS10で説明した通り、アク
セルの踏み込み量に基づいて設定された値である。
る。図18は結合状態切り換え制御ルーチンのフローチ
ャートである。本ルーチンが開始されると、CPUは車
軸116の目標運転ポイント、即ち目標回転数Nd*お
よび目標トルクTd*を読み込む(ステップS10
2)。車軸116の目標運転ポイントは先に図7のトル
ク制御ルーチンのステップS10で説明した通り、アク
セルの踏み込み量に基づいて設定された値である。
【0067】次に、CPUは車軸116の目標運転ポイ
ントに基づいて結合状態の切換が必要であるか否かを判
定する(ステップS104)。図19および図20は、
運転モードの切換が必要であるか否かを判定する様子を
説明する説明図である。図19はアンダードライブ結合
からオーバードライブ結合への切り替えの判断に関する
説明図であり、図20はオーバードライブ結合からアン
ダードライブ結合への切り替えの判断に関する説明図で
ある。
ントに基づいて結合状態の切換が必要であるか否かを判
定する(ステップS104)。図19および図20は、
運転モードの切換が必要であるか否かを判定する様子を
説明する説明図である。図19はアンダードライブ結合
からオーバードライブ結合への切り替えの判断に関する
説明図であり、図20はオーバードライブ結合からアン
ダードライブ結合への切り替えの判断に関する説明図で
ある。
【0068】図19中の曲線Aはエンジン150の動作
曲線である。破線HHはアンダードライブ結合からオー
バードライブ結合に切り換えるポイントを示す曲線であ
る。曲線DUはハイブリッド車両の走行中における車速
とトルクの変遷を示している。図中の矢印で示す通り、
車両は走行抵抗DDよりも大きなトルクを出力して加速
される。加速とともに出力トルクが低下し、出力トルク
と走行抵抗DDとが釣り合った速度で定常的に走行す
る。アンダードライブ結合からオーバードライブ結合へ
の切り替えは、例えばこうした加速の過程で生じる。車
速の変化に伴って車軸116の回転状態が、図19中の
矢印で示されるように変化し、曲線HHと交差するポイ
ントPD1に至ったとき、CPUはオーバードライブ結
合への切り換えを行うべきと判断する。
曲線である。破線HHはアンダードライブ結合からオー
バードライブ結合に切り換えるポイントを示す曲線であ
る。曲線DUはハイブリッド車両の走行中における車速
とトルクの変遷を示している。図中の矢印で示す通り、
車両は走行抵抗DDよりも大きなトルクを出力して加速
される。加速とともに出力トルクが低下し、出力トルク
と走行抵抗DDとが釣り合った速度で定常的に走行す
る。アンダードライブ結合からオーバードライブ結合へ
の切り替えは、例えばこうした加速の過程で生じる。車
速の変化に伴って車軸116の回転状態が、図19中の
矢印で示されるように変化し、曲線HHと交差するポイ
ントPD1に至ったとき、CPUはオーバードライブ結
合への切り換えを行うべきと判断する。
【0069】図20は、オーバードライブ結合からアン
ダードライブ結合への切り替え判断の様子を示す説明図
である。図中の破線HLはオーバードライブ結合からア
ンダードライブ結合に切り換えるポイントを示す曲線で
ある。ある車速で走行中に運転者がアクセルを踏み込む
と、車両の出力トルクは図20中の曲線DOに示すよう
に増加し車両は加速する。オーバードライブ結合からア
ンダードライブ結合への切り替えは、例えばこうした過
程で生じる。図20中の矢印に従って車軸116の回転
状態が変化し、曲線HLと交差するポイントPO1に至
ったとき、CPUはアンダードライブ結合への切り替え
を行うべきと判断する。
ダードライブ結合への切り替え判断の様子を示す説明図
である。図中の破線HLはオーバードライブ結合からア
ンダードライブ結合に切り換えるポイントを示す曲線で
ある。ある車速で走行中に運転者がアクセルを踏み込む
と、車両の出力トルクは図20中の曲線DOに示すよう
に増加し車両は加速する。オーバードライブ結合からア
ンダードライブ結合への切り替えは、例えばこうした過
程で生じる。図20中の矢印に従って車軸116の回転
状態が変化し、曲線HLと交差するポイントPO1に至
ったとき、CPUはアンダードライブ結合への切り替え
を行うべきと判断する。
【0070】図18の結合状態切り替え制御ルーチンの
ステップS104では、このような判断によって切り替
えを行うべきか否かが判断される。切り替えが必要と判
断された場合には、切り替え処理が実行され(ステップ
S106)、切り替え不要と判断された場合には、この
処理をスキップして結合状態切り替え制御ルーチンを終
了する。
ステップS104では、このような判断によって切り替
えを行うべきか否かが判断される。切り替えが必要と判
断された場合には、切り替え処理が実行され(ステップ
S106)、切り替え不要と判断された場合には、この
処理をスキップして結合状態切り替え制御ルーチンを終
了する。
【0071】切り替えは、クランクシャフト156と車
軸116との回転状態に関与するパラメータを一致させ
てから実行される。回転状態に関与するパラメータとし
ては、回転数とトルクとがある。従って、切り替え処理
には、トルクを優先して一致させてから切り替える場
合、回転数を優先して一致させてから切り替える場合、
双方を同じ重みで一致させて切り替える場合の3通りが
可能である。以下では、場合を分けてそれぞれの切り替
え処理について説明する。
軸116との回転状態に関与するパラメータを一致させ
てから実行される。回転状態に関与するパラメータとし
ては、回転数とトルクとがある。従って、切り替え処理
には、トルクを優先して一致させてから切り替える場
合、回転数を優先して一致させてから切り替える場合、
双方を同じ重みで一致させて切り替える場合の3通りが
可能である。以下では、場合を分けてそれぞれの切り替
え処理について説明する。
【0072】最初に、クランクシャフト156と車軸1
16のトルクを優先的に一致させてから切り替える場合
について説明する。図21は、トルク優先の切り替え処
理ルーチンのフローチャートである。この処理が開始さ
れると、CPUはまず車軸116からの出力トルクTd
*にエンジン150の目標トルクTe*を代入する(ス
テップS110)。次に、この設定値に基づいてクラッ
チモータ130、アシストモータ140の制御を実行す
る(ステップS112)。これらの制御内容は、図7の
ステップS205で説明した制御と同じであり、車軸1
16のトルクが目標値Td*となるように運転が制御さ
れる。エンジン150の出力トルクTe*と駆動軸のト
ルクTd*とがほぼ一致するまで、即ち両者の差分の絶
対値が所定の値T1以下になるまで、上述した処理が繰
り返し実行される(ステップS114)。所定の値T1
はトルクが実質的に一致したものとみなせる値として、
切り替え機構、つまりスプラインが許容するトルク偏差
に基づいて設定される。
16のトルクを優先的に一致させてから切り替える場合
について説明する。図21は、トルク優先の切り替え処
理ルーチンのフローチャートである。この処理が開始さ
れると、CPUはまず車軸116からの出力トルクTd
*にエンジン150の目標トルクTe*を代入する(ス
テップS110)。次に、この設定値に基づいてクラッ
チモータ130、アシストモータ140の制御を実行す
る(ステップS112)。これらの制御内容は、図7の
ステップS205で説明した制御と同じであり、車軸1
16のトルクが目標値Td*となるように運転が制御さ
れる。エンジン150の出力トルクTe*と駆動軸のト
ルクTd*とがほぼ一致するまで、即ち両者の差分の絶
対値が所定の値T1以下になるまで、上述した処理が繰
り返し実行される(ステップS114)。所定の値T1
はトルクが実質的に一致したものとみなせる値として、
切り替え機構、つまりスプラインが許容するトルク偏差
に基づいて設定される。
【0073】本実施例のハイブリッド車両は、作用反作
用の原理に基づき、クラッチモータ130のインナロー
タ軸133とアウタロータ軸135のトルクは等しい。
従って、アウタロータ軸135に結合された車軸116
と、インナロータ軸133に結合されたクランクシャフ
ト156のトルクを概ね一致させた場合には、アシスト
モータ140の出力トルクはほぼ値0となっている。上
記制御ではエンジン150と車軸116のトルクがほぼ
一致するものの回転数は一致していない。従って、クラ
ッチモータ130はインナロータ132とアウタロータ
134との間で滑りを生じた状態で回転している。
用の原理に基づき、クラッチモータ130のインナロー
タ軸133とアウタロータ軸135のトルクは等しい。
従って、アウタロータ軸135に結合された車軸116
と、インナロータ軸133に結合されたクランクシャフ
ト156のトルクを概ね一致させた場合には、アシスト
モータ140の出力トルクはほぼ値0となっている。上
記制御ではエンジン150と車軸116のトルクがほぼ
一致するものの回転数は一致していない。従って、クラ
ッチモータ130はインナロータ132とアウタロータ
134との間で滑りを生じた状態で回転している。
【0074】次に、CPUはトルクが一致した状態のま
ま所定の時間th経過するのを待つ(ステップS11
6)。フローチャートでは明示していないが、この間ト
ルクの一致が維持されるようにクラッチモータ130、
アシストモータ140の制御が行われていることはいう
までもない。所定の時間thの設定については後述す
る。こうして所定時間th経過した後、CPUは要求動
力の入力を行う(ステップS118)。要求動力の入力
は、図7のトルク制御ルーチンのステップS10と同
様、アクセルポジションセンサ165により検出された
信号に基づいて行われる。CPUはこの要求動力に基づ
いて切り替えの実行を行うか否かを判定する(ステップ
S120)。
ま所定の時間th経過するのを待つ(ステップS11
6)。フローチャートでは明示していないが、この間ト
ルクの一致が維持されるようにクラッチモータ130、
アシストモータ140の制御が行われていることはいう
までもない。所定の時間thの設定については後述す
る。こうして所定時間th経過した後、CPUは要求動
力の入力を行う(ステップS118)。要求動力の入力
は、図7のトルク制御ルーチンのステップS10と同
様、アクセルポジションセンサ165により検出された
信号に基づいて行われる。CPUはこの要求動力に基づ
いて切り替えの実行を行うか否かを判定する(ステップ
S120)。
【0075】図21の切り替え処理ルーチンは、車軸1
16の回転状態が結合状態の切り替えを行うべき状態に
一旦は達したために実行されるルーチンであるため、本
来はステップS120の判断なしで切り替えを実行して
も差し支えない。本実施例では、切り替え処理を実行し
ている間に要求動力が変化し、切り替えを実行すべき条
件が満たされなくなった場合を想定し、ステップS12
0において切り替えを実行するか否かの判定を再度行っ
ているのである。
16の回転状態が結合状態の切り替えを行うべき状態に
一旦は達したために実行されるルーチンであるため、本
来はステップS120の判断なしで切り替えを実行して
も差し支えない。本実施例では、切り替え処理を実行し
ている間に要求動力が変化し、切り替えを実行すべき条
件が満たされなくなった場合を想定し、ステップS12
0において切り替えを実行するか否かの判定を再度行っ
ているのである。
【0076】ステップS116で用いられる所定の待ち
時間thは、上記ステップS120の判定と相まって切
り替えが頻繁に行われることを回避するために設けられ
ている。上述の通り、ステップS120における切り替
えの判断は、要求動力に基づいてなされる。従って、所
定の時間thは運転者が要求動力を変更する周期を考慮
して実験などにより設定することができる。
時間thは、上記ステップS120の判定と相まって切
り替えが頻繁に行われることを回避するために設けられ
ている。上述の通り、ステップS120における切り替
えの判断は、要求動力に基づいてなされる。従って、所
定の時間thは運転者が要求動力を変更する周期を考慮
して実験などにより設定することができる。
【0077】ステップS120において切り替えを実行
すべきと判断された場合には、以下の処理によりアシス
トモータ140の結合先の切り替えを実行する。切り替
えを実行すべきではないと判断された場合には、何も処
理を行わずに本ルーチンを終了し、図7のトルク制御ル
ーチンに戻る。
すべきと判断された場合には、以下の処理によりアシス
トモータ140の結合先の切り替えを実行する。切り替
えを実行すべきではないと判断された場合には、何も処
理を行わずに本ルーチンを終了し、図7のトルク制御ル
ーチンに戻る。
【0078】アシストモータ140の切り替えは次の手
順で実行される。まず、アシストモータ140を中立状
態、即ちクランクシャフト156および車軸116のい
ずれとも結合していない状態にする(ステップS12
2)。本実施例のハイブリッド車両では、アシストモー
タ140が結合されているスプラインを軸方向に移動さ
せることにより、アシストモータ140を中立状態にす
ることができる。
順で実行される。まず、アシストモータ140を中立状
態、即ちクランクシャフト156および車軸116のい
ずれとも結合していない状態にする(ステップS12
2)。本実施例のハイブリッド車両では、アシストモー
タ140が結合されているスプラインを軸方向に移動さ
せることにより、アシストモータ140を中立状態にす
ることができる。
【0079】次に、アシストモータ140の回転数を結
合先の回転数に一致させる(ステップS124)。例え
ば、アンダードライブ結合からオーバードライブ結合に
切り替える場合、アシストモータ140は、エンジン1
50のクランクシャフト156側に結合されることにな
るため、アシストモータ140の回転数をエンジ150
の回転数に一致させる。オーバードライブ結合からアン
ダードライブ結合に切り替える場合には、アシストモー
タ140は車軸116側に結合されることになるため、
アシストモータ140の回転数を車軸116の回転数に
一致させる。アシストモータ140は中立状態にあるた
め、回転数は任意に制御可能である。本実施例では、結
合先の回転数を目標値とし、現時点でのアシストモータ
140の回転数との偏差に基づいてアシストモータ14
0のトルクを比例積分制御することにより、回転数を一
致させている。この制御については周知の技術であるた
め、ここでは詳述を省略する。
合先の回転数に一致させる(ステップS124)。例え
ば、アンダードライブ結合からオーバードライブ結合に
切り替える場合、アシストモータ140は、エンジン1
50のクランクシャフト156側に結合されることにな
るため、アシストモータ140の回転数をエンジ150
の回転数に一致させる。オーバードライブ結合からアン
ダードライブ結合に切り替える場合には、アシストモー
タ140は車軸116側に結合されることになるため、
アシストモータ140の回転数を車軸116の回転数に
一致させる。アシストモータ140は中立状態にあるた
め、回転数は任意に制御可能である。本実施例では、結
合先の回転数を目標値とし、現時点でのアシストモータ
140の回転数との偏差に基づいてアシストモータ14
0のトルクを比例積分制御することにより、回転数を一
致させている。この制御については周知の技術であるた
め、ここでは詳述を省略する。
【0080】こうしてアシストモータ140の回転数が
結合先の回転数にほぼ一致した時点で、アシストモータ
140を結合する(ステップS126)。本実施例で
は、スプラインを軸方向に移動してそれぞれの結合先へ
の結合を実現している。図1に示した通り、アンダード
ライブ結合を実現する場合にはスプラインの位置を図中
のUDの位置にし、オーバードライブ結合を実現する場
合には図中のODの位置にするのである。こうして、ア
シストモータ140の切り替えが終了すると、切り替え
処理ルーチンを終了して、図7のトルク制御ルーチンに
戻る。
結合先の回転数にほぼ一致した時点で、アシストモータ
140を結合する(ステップS126)。本実施例で
は、スプラインを軸方向に移動してそれぞれの結合先へ
の結合を実現している。図1に示した通り、アンダード
ライブ結合を実現する場合にはスプラインの位置を図中
のUDの位置にし、オーバードライブ結合を実現する場
合には図中のODの位置にするのである。こうして、ア
シストモータ140の切り替えが終了すると、切り替え
処理ルーチンを終了して、図7のトルク制御ルーチンに
戻る。
【0081】以上で説明した切り替えの手順について、
運転ポイントとの関係で具体的に説明する。最初にアン
ダードライブ結合からオーバードライブ結合に切り替え
る場合について図22、図23を用いて説明する。図2
2は、アンダードライブ結合からオーバードライブ結合
に切り替える場合の運転ポイントの変化を示した説明図
であり、図19の一部を拡大したものである。図中の曲
線A、HH、PUは先に図19で説明した曲線と同じで
ある。点PD1,PD2は車軸116の回転状態を表す
ポイントである。点αはエンジン150の運転ポイント
である。図23は、切り替え処理時のタイミングを示す
チャートである。図23の左側に、車軸の回転状態を示
した。図23の横軸は時間の経過を表している。
運転ポイントとの関係で具体的に説明する。最初にアン
ダードライブ結合からオーバードライブ結合に切り替え
る場合について図22、図23を用いて説明する。図2
2は、アンダードライブ結合からオーバードライブ結合
に切り替える場合の運転ポイントの変化を示した説明図
であり、図19の一部を拡大したものである。図中の曲
線A、HH、PUは先に図19で説明した曲線と同じで
ある。点PD1,PD2は車軸116の回転状態を表す
ポイントである。点αはエンジン150の運転ポイント
である。図23は、切り替え処理時のタイミングを示す
チャートである。図23の左側に、車軸の回転状態を示
した。図23の横軸は時間の経過を表している。
【0082】図22の点αに示すように、エンジン15
0は動作曲線A上の点で運転している。先に説明した通
り、本実施例のハイブリッド車両はエンジン150から
出力される動力を所望の回転数およびトルクに変換して
車軸116から出力している。エネルギの損失なくこの
変換を行うことができれば、エンジン150の運転ポイ
ントαは車軸116から出力される動力PUと動作曲線
Aとの交点になるはずである。現実には上記変換には種
々の損失が伴うため、本実施例のハイブリッド車両で
は、エンジン150の運転ポイントAは車軸116から
出力される動力PUよりも若干大きい動力を出力し得る
状態になる。
0は動作曲線A上の点で運転している。先に説明した通
り、本実施例のハイブリッド車両はエンジン150から
出力される動力を所望の回転数およびトルクに変換して
車軸116から出力している。エネルギの損失なくこの
変換を行うことができれば、エンジン150の運転ポイ
ントαは車軸116から出力される動力PUと動作曲線
Aとの交点になるはずである。現実には上記変換には種
々の損失が伴うため、本実施例のハイブリッド車両で
は、エンジン150の運転ポイントAは車軸116から
出力される動力PUよりも若干大きい動力を出力し得る
状態になる。
【0083】アンダードライブ結合からオーバードライ
ブ結合への切り替えは、車軸116の回転状態が図22
中の運転ポイントPD1に至った時点で開始される。切
り替えが開始されると、図21のフローチャートで説明
した通り、車軸116とエンジン150の出力トルクを
一致させる制御が実行される(図21中のステップS1
12,S114)。この結果、車軸116の回転状態は
ポイントPD2に移行する。ポイントPD2とエンジン
150の運転ポイントαはトルクが等しい。
ブ結合への切り替えは、車軸116の回転状態が図22
中の運転ポイントPD1に至った時点で開始される。切
り替えが開始されると、図21のフローチャートで説明
した通り、車軸116とエンジン150の出力トルクを
一致させる制御が実行される(図21中のステップS1
12,S114)。この結果、車軸116の回転状態は
ポイントPD2に移行する。ポイントPD2とエンジン
150の運転ポイントαはトルクが等しい。
【0084】図23のタイミングチャートに基づいて説
明する。運転ポイントPD1において、切り替えを実行
すべき判断がなされると、運転ポイントはPD2に移行
する。図23では、瞬間的に移行するように示されてい
るが、この移行は徐々に連続的に移行される。この運転
状態でth秒経過を待つ。その後、切り替えの再確認が
行われる。この確認において結合の切り替えを行うべき
と判断されると、次に、アシストモータ140を中立に
し、その回転数を一致させる処理が行われる。オーバー
ドライブ結合では、アシストモータ140はエンジン1
50に結合されるため、アシストモータ140の回転数
をエンジン150の回転数に合わせる。本実施例では、
クラッチモータ130により車軸116に伝達されるト
ルクは、エンジン150が出力するトルクと等しくなる
から、アシストモータ140の結合が終了するまで、車
軸116の運転状態はポイントPD2で表される状態に
維持される。こうして両者が一致すると、アシストモー
タ140をエンジン150のクランクシャフト156側
に結合する。以後はオーバードライブ結合における制御
に従って走行する。
明する。運転ポイントPD1において、切り替えを実行
すべき判断がなされると、運転ポイントはPD2に移行
する。図23では、瞬間的に移行するように示されてい
るが、この移行は徐々に連続的に移行される。この運転
状態でth秒経過を待つ。その後、切り替えの再確認が
行われる。この確認において結合の切り替えを行うべき
と判断されると、次に、アシストモータ140を中立に
し、その回転数を一致させる処理が行われる。オーバー
ドライブ結合では、アシストモータ140はエンジン1
50に結合されるため、アシストモータ140の回転数
をエンジン150の回転数に合わせる。本実施例では、
クラッチモータ130により車軸116に伝達されるト
ルクは、エンジン150が出力するトルクと等しくなる
から、アシストモータ140の結合が終了するまで、車
軸116の運転状態はポイントPD2で表される状態に
維持される。こうして両者が一致すると、アシストモー
タ140をエンジン150のクランクシャフト156側
に結合する。以後はオーバードライブ結合における制御
に従って走行する。
【0085】次にオーバードライブ結合からアンダード
ライブ結合に切り替える場合について図24、図25を
用いて説明する。図24は、オーバードライブ結合から
アンダードライブ結合に切り替える場合の運転ポイント
の変化を示した説明図であり、図20の一部を拡大した
ものである。図中の曲線A、HL、POは先に図20で
説明した曲線と同じである。点PO1,PO2は車軸1
16の回転状態を表すポイントである。点αはエンジン
150の運転ポイントである。図24は、切り替え処理
時のタイミングを示すチャートである。
ライブ結合に切り替える場合について図24、図25を
用いて説明する。図24は、オーバードライブ結合から
アンダードライブ結合に切り替える場合の運転ポイント
の変化を示した説明図であり、図20の一部を拡大した
ものである。図中の曲線A、HL、POは先に図20で
説明した曲線と同じである。点PO1,PO2は車軸1
16の回転状態を表すポイントである。点αはエンジン
150の運転ポイントである。図24は、切り替え処理
時のタイミングを示すチャートである。
【0086】エンジン150の運転ポイントαは、先に
図22について説明したと同様の理由によって、車軸1
16から出力される動力よりも高い動力を出力し得るポ
イントとなっている。なお、図24に示した曲線POは
回転数およびトルクの双方が増加する曲線、即ち車軸1
16から出力される動力が増加する曲線となっている。
従って、車軸116の回転状態が曲線PO上を移行する
につれて、エンジン150の運転ポイントも動作曲線A
上を右側に移行する。図24のエンジン150の運転ポ
イントαは、このように変化する運転ポイントのある時
刻における状態を示したに過ぎない。
図22について説明したと同様の理由によって、車軸1
16から出力される動力よりも高い動力を出力し得るポ
イントとなっている。なお、図24に示した曲線POは
回転数およびトルクの双方が増加する曲線、即ち車軸1
16から出力される動力が増加する曲線となっている。
従って、車軸116の回転状態が曲線PO上を移行する
につれて、エンジン150の運転ポイントも動作曲線A
上を右側に移行する。図24のエンジン150の運転ポ
イントαは、このように変化する運転ポイントのある時
刻における状態を示したに過ぎない。
【0087】オーバードライブ結合からアンダードライ
ブ結合への切り替えは、車軸116の回転状態が図24
中の運転ポイントPO1に至った時点で開始される。切
り替えが開始されると、図21のフローチャートで説明
した通り、車軸116とエンジン150の出力トルクを
一致させる制御が実行される(図21中のステップS1
12,S114)。この結果、車軸116の回転状態は
ポイントPO2に移行する。ポイントPO2とエンジン
150の運転ポイントαはトルクが等しい。
ブ結合への切り替えは、車軸116の回転状態が図24
中の運転ポイントPO1に至った時点で開始される。切
り替えが開始されると、図21のフローチャートで説明
した通り、車軸116とエンジン150の出力トルクを
一致させる制御が実行される(図21中のステップS1
12,S114)。この結果、車軸116の回転状態は
ポイントPO2に移行する。ポイントPO2とエンジン
150の運転ポイントαはトルクが等しい。
【0088】図25のタイミングチャートに基づいて説
明する。運転ポイントPO1において、切り替えを実行
すべき判断がなされると、運転ポイントはPO2に移行
する。図25では、瞬間的に移行するように示されてい
るが、この移行は徐々に連続的に移行される。この運転
状態でth秒経過を待つ。その後、切り替えの再確認が
行われる。この確認において結合の切り替えを行うべき
と判断されると、次に、アシストモータ140を中立に
し、その回転数を結合先の回転数に一致させる処理が行
われる。アンダードライブ結合では、アシストモータ1
40は車軸116側に結合されるため、アシストモータ
140の回転数を車軸116の回転数に合わせる。本実
施例では、アシストモータ140の結合が終了するま
で、車軸116のトルクは、エンジン150が出力する
トルクと等しい。但し、先に説明した通り、エンジン1
50の運転ポイントは徐々に変化していくから、車軸1
16の回転状態も図24中のPO2から矢印に沿って移
行していく。アシストモータ140の回転数を車軸11
6の回転数が一致すると、アシストモータ140をエン
ジン150のクランクシャフト156側に結合する。以
後はアンダードライブ結合の制御に従って走行する。
明する。運転ポイントPO1において、切り替えを実行
すべき判断がなされると、運転ポイントはPO2に移行
する。図25では、瞬間的に移行するように示されてい
るが、この移行は徐々に連続的に移行される。この運転
状態でth秒経過を待つ。その後、切り替えの再確認が
行われる。この確認において結合の切り替えを行うべき
と判断されると、次に、アシストモータ140を中立に
し、その回転数を結合先の回転数に一致させる処理が行
われる。アンダードライブ結合では、アシストモータ1
40は車軸116側に結合されるため、アシストモータ
140の回転数を車軸116の回転数に合わせる。本実
施例では、アシストモータ140の結合が終了するま
で、車軸116のトルクは、エンジン150が出力する
トルクと等しい。但し、先に説明した通り、エンジン1
50の運転ポイントは徐々に変化していくから、車軸1
16の回転状態も図24中のPO2から矢印に沿って移
行していく。アシストモータ140の回転数を車軸11
6の回転数が一致すると、アシストモータ140をエン
ジン150のクランクシャフト156側に結合する。以
後はアンダードライブ結合の制御に従って走行する。
【0089】以上で説明した通り、本実施例のハイブリ
ッド車両では、トルクを優先して結合状態を切り替える
ことができる。車軸116とエンジン150との出力ト
ルクを概ね一致させるとアシストモータ140のトルク
はほとんど値0になる。従って、アシストモータ140
を中立状態にする際に生じるショックを低減することが
できる。車軸116とエンジン150との出力トルクと
が完全に一致していない場合には、アシストモータ14
0のトルクは完全に値0にはなっていないため、中立状
態にする際に若干とはいえショックが生じる可能性もあ
る。かかるショックをなくすために、アシストモータ1
40を中立状態にする前に、そのトルクを徐々に減らし
値0にする制御を伴うものとしてもよい。こうすれば、
ショックをより確実に解消することができる。
ッド車両では、トルクを優先して結合状態を切り替える
ことができる。車軸116とエンジン150との出力ト
ルクを概ね一致させるとアシストモータ140のトルク
はほとんど値0になる。従って、アシストモータ140
を中立状態にする際に生じるショックを低減することが
できる。車軸116とエンジン150との出力トルクと
が完全に一致していない場合には、アシストモータ14
0のトルクは完全に値0にはなっていないため、中立状
態にする際に若干とはいえショックが生じる可能性もあ
る。かかるショックをなくすために、アシストモータ1
40を中立状態にする前に、そのトルクを徐々に減らし
値0にする制御を伴うものとしてもよい。こうすれば、
ショックをより確実に解消することができる。
【0090】また、上記手順では、車軸116とエンジ
ン150のトルクを一致させてから、所定の時間thの
経過を待ち、再度切り替えの判定を行ってからアシスト
モータ140の結合を切り替えている。かかる手順を踏
むことにより、本実施例のハイブリッド車両は、結合状
態が頻繁に切り替わることを回避することができる。例
えば、アンダードライブ結合からオーバードライブ結合
に切り替える場合において、図19に示した曲線PUに
沿って車軸116の回転状態が移行する途中で、さらに
アクセルが踏み込まれ加速が要求された場合を考える。
一旦切り替え処理を開始したらその後の要求動力の変化
に関わらず切り替えを完全に実行する処理を採用するこ
とも可能であるが、かかる処理を適用すれば、上述の通
り、途中で加速が要求された場合には、結合状態を再度
アンダードライブ結合に切り替える必要が生じ、切り替
え回数が増えることになる。また、運転者の加速要求に
対する車両の応答も遅れる。さらに、切り替え中は運転
効率が低下するから、頻繁な切り替えが実行されること
により、車両の運転効率は全体として低下することにも
なる。
ン150のトルクを一致させてから、所定の時間thの
経過を待ち、再度切り替えの判定を行ってからアシスト
モータ140の結合を切り替えている。かかる手順を踏
むことにより、本実施例のハイブリッド車両は、結合状
態が頻繁に切り替わることを回避することができる。例
えば、アンダードライブ結合からオーバードライブ結合
に切り替える場合において、図19に示した曲線PUに
沿って車軸116の回転状態が移行する途中で、さらに
アクセルが踏み込まれ加速が要求された場合を考える。
一旦切り替え処理を開始したらその後の要求動力の変化
に関わらず切り替えを完全に実行する処理を採用するこ
とも可能であるが、かかる処理を適用すれば、上述の通
り、途中で加速が要求された場合には、結合状態を再度
アンダードライブ結合に切り替える必要が生じ、切り替
え回数が増えることになる。また、運転者の加速要求に
対する車両の応答も遅れる。さらに、切り替え中は運転
効率が低下するから、頻繁な切り替えが実行されること
により、車両の運転効率は全体として低下することにも
なる。
【0091】本実施例のハイブリッド車両では、一旦切
り替え処理を開始した後も要求動力の変化に応じて切り
替えを実行するか否かを再度判定するため、切り替えが
頻繁に行われることを回避することができる。なお、本
実施例では、所定時間th待った後、切り替えの判定を
行うものとしているが、所定時間thを待つ間に繰り返
し切り替えの判定を行うものとしても構わない。また、
トルクを一致させる制御を実行する途中にも繰り返し切
り替えの判定を行うものとしても構わない。
り替え処理を開始した後も要求動力の変化に応じて切り
替えを実行するか否かを再度判定するため、切り替えが
頻繁に行われることを回避することができる。なお、本
実施例では、所定時間th待った後、切り替えの判定を
行うものとしているが、所定時間thを待つ間に繰り返
し切り替えの判定を行うものとしても構わない。また、
トルクを一致させる制御を実行する途中にも繰り返し切
り替えの判定を行うものとしても構わない。
【0092】本実施例のハイブリッド車両では、アシス
トモータ140を中立状態にした後、その回転数を結合
先の回転数に合わせてから結合するものとしている。か
かる手順を踏むことにより、アシストモータ140を結
合する際のショックを低減することができる。本実施例
のハイブリッド車両では、アシストモータ140が車軸
116およびクランクシャフト156のいずれにも結合
していない中立状態を経て結合状態を切り替え可能な構
成を採用することにより、かかる制御を実現している。
トモータ140を中立状態にした後、その回転数を結合
先の回転数に合わせてから結合するものとしている。か
かる手順を踏むことにより、アシストモータ140を結
合する際のショックを低減することができる。本実施例
のハイブリッド車両では、アシストモータ140が車軸
116およびクランクシャフト156のいずれにも結合
していない中立状態を経て結合状態を切り替え可能な構
成を採用することにより、かかる制御を実現している。
【0093】本実施例のハイブリッド車両では、車軸1
16とエンジン150のトルクのみを一致させてから切
り替えを行っている。先に説明した通り、エンジン15
0から出力される動力と車軸116に出力される動力と
の間には所定の損失が存在する。車軸116とエンジン
150のトルクを一致させた場合には、エンジン150
から出力される動力を車軸116から出力される動力よ
りも大きい状態に維持しておくことが可能である。従っ
て、本実施例のハイブリッド車両によれば、装置全体に
含まれる損失分をも含めて必要な動力をエンジン150
から出力することができる。この結果、バッテリ194
の電力消費を抑えることができる。
16とエンジン150のトルクのみを一致させてから切
り替えを行っている。先に説明した通り、エンジン15
0から出力される動力と車軸116に出力される動力と
の間には所定の損失が存在する。車軸116とエンジン
150のトルクを一致させた場合には、エンジン150
から出力される動力を車軸116から出力される動力よ
りも大きい状態に維持しておくことが可能である。従っ
て、本実施例のハイブリッド車両によれば、装置全体に
含まれる損失分をも含めて必要な動力をエンジン150
から出力することができる。この結果、バッテリ194
の電力消費を抑えることができる。
【0094】次に、クランクシャフト156と車軸11
6の回転数を優先的に一致させてから切り替える場合に
ついて説明する。図26は、回転数優先の切り替え処理
ルーチンのフローチャートである。この処理が開始され
ると、CPUはまず車軸116の回転数Nd*にエンジ
ン150の目標回転数Ne*を代入する(ステップS1
30)。次に、この設定値に基づいてクラッチモータ1
30、アシストモータ140の制御を実行する(ステッ
プS132)。これらの制御内容は、図7のステップS
205で説明した制御と同じである。エンジン150の
回転数Ne*と車軸116の回転数Nd*とがほぼ一致
するまで、即ち両者の差分の絶対値が所定の値N1以下
になるまで、上述した処理が繰り返し実行される(ステ
ップS114)。所定の値N1は回転数が実質的に一致
したものとみなせる値として、切り替え機構、つまりス
プラインが許容する回転数偏差に基づいて設定される。
回転数が一致した場合、クラッチモータ130のインナ
ロータ132とアウタロータ134とは同じ回転数で回
転する。
6の回転数を優先的に一致させてから切り替える場合に
ついて説明する。図26は、回転数優先の切り替え処理
ルーチンのフローチャートである。この処理が開始され
ると、CPUはまず車軸116の回転数Nd*にエンジ
ン150の目標回転数Ne*を代入する(ステップS1
30)。次に、この設定値に基づいてクラッチモータ1
30、アシストモータ140の制御を実行する(ステッ
プS132)。これらの制御内容は、図7のステップS
205で説明した制御と同じである。エンジン150の
回転数Ne*と車軸116の回転数Nd*とがほぼ一致
するまで、即ち両者の差分の絶対値が所定の値N1以下
になるまで、上述した処理が繰り返し実行される(ステ
ップS114)。所定の値N1は回転数が実質的に一致
したものとみなせる値として、切り替え機構、つまりス
プラインが許容する回転数偏差に基づいて設定される。
回転数が一致した場合、クラッチモータ130のインナ
ロータ132とアウタロータ134とは同じ回転数で回
転する。
【0095】こうして回転数が一致した後の処理内容は
図21で示した処理と同じである。つまり、CPUは所
定時間th経過するのを待ち(ステップS136)、要
求動力を入力して(ステップS138)、切り替えの実
行を行うべきか否かを判定する(ステップS140)。
切り替えを実行すべきと判定された場合には、アシスト
モータ140を中立状態にし(ステップS142)、そ
の回転数を結合先の回転数に一致させてから(ステップ
S144)、結合する(ステップS146)。切り替え
を実行しないものと判定された場合には、アシストモー
タ140の切り替えを行わずに切り替え処理を終了す
る。
図21で示した処理と同じである。つまり、CPUは所
定時間th経過するのを待ち(ステップS136)、要
求動力を入力して(ステップS138)、切り替えの実
行を行うべきか否かを判定する(ステップS140)。
切り替えを実行すべきと判定された場合には、アシスト
モータ140を中立状態にし(ステップS142)、そ
の回転数を結合先の回転数に一致させてから(ステップ
S144)、結合する(ステップS146)。切り替え
を実行しないものと判定された場合には、アシストモー
タ140の切り替えを行わずに切り替え処理を終了す
る。
【0096】以上で説明した切り替えの手順について、
運転ポイントとの関係で具体的に説明する。最初にアン
ダードライブ結合からオーバードライブ結合に切り替え
る場合について図27、図28を用いて説明する。図2
7は、アンダードライブ結合からオーバードライブ結合
に切り替える場合の運転ポイントの変化を示した説明図
であり、図19の一部を拡大したものである。図中の記
号は図22と同じ意味である。エンジン150の運転ポ
イントαと車軸116から出力される動力との関係も図
22と同じである。図28は、切り替え処理時のタイミ
ングを示すチャートである。
運転ポイントとの関係で具体的に説明する。最初にアン
ダードライブ結合からオーバードライブ結合に切り替え
る場合について図27、図28を用いて説明する。図2
7は、アンダードライブ結合からオーバードライブ結合
に切り替える場合の運転ポイントの変化を示した説明図
であり、図19の一部を拡大したものである。図中の記
号は図22と同じ意味である。エンジン150の運転ポ
イントαと車軸116から出力される動力との関係も図
22と同じである。図28は、切り替え処理時のタイミ
ングを示すチャートである。
【0097】アンダードライブ結合からオーバードライ
ブ結合への切り替えは、車軸116の回転状態が図27
中の運転ポイントPD1に至った時点で開始される。切
り替えが開始されると、図26のフローチャートで説明
した通り、車軸116とエンジン150の回転数を一致
させる制御が実行される(図26中のステップS13
2,S134)。この結果、車軸116の回転状態はポ
イントPD2に移行する。ポイントPD2とエンジン1
50の運転ポイントαは回転数が等しい。
ブ結合への切り替えは、車軸116の回転状態が図27
中の運転ポイントPD1に至った時点で開始される。切
り替えが開始されると、図26のフローチャートで説明
した通り、車軸116とエンジン150の回転数を一致
させる制御が実行される(図26中のステップS13
2,S134)。この結果、車軸116の回転状態はポ
イントPD2に移行する。ポイントPD2とエンジン1
50の運転ポイントαは回転数が等しい。
【0098】図28のタイミングチャートに基づいて説
明する。運転ポイントPD1において、切り替えを実行
すべき判断がなされると、運転ポイントはPD2に移行
する。図28では、瞬間的に移行するように示されてい
るが、この移行は徐々に連続的に移行される。この運転
状態でth秒経過を待つ。その後、切り替えの再確認が
行われる。この確認において結合の切り替えを行うべき
と判断されると、次に、アシストモータ140を中立に
し、その回転数を一致させる処理が行われる。オーバー
ドライブ結合では、アシストモータ140はエンジン1
50に結合されるため、アシストモータ140の回転数
をエンジン150の回転数に合わせる。運転ポイントP
D2では、車軸116の回転数とエンジン150の回転
数とはほとんど等しいため、アシストモータ140の回
転数もエンジン150の回転数にほとんど等しいが、本
実施例では中立状態でアシストモータ140の回転数を
エンジン150の回転数に正確に一致させることによ
り、結合時のショックの低減を図っている。
明する。運転ポイントPD1において、切り替えを実行
すべき判断がなされると、運転ポイントはPD2に移行
する。図28では、瞬間的に移行するように示されてい
るが、この移行は徐々に連続的に移行される。この運転
状態でth秒経過を待つ。その後、切り替えの再確認が
行われる。この確認において結合の切り替えを行うべき
と判断されると、次に、アシストモータ140を中立に
し、その回転数を一致させる処理が行われる。オーバー
ドライブ結合では、アシストモータ140はエンジン1
50に結合されるため、アシストモータ140の回転数
をエンジン150の回転数に合わせる。運転ポイントP
D2では、車軸116の回転数とエンジン150の回転
数とはほとんど等しいため、アシストモータ140の回
転数もエンジン150の回転数にほとんど等しいが、本
実施例では中立状態でアシストモータ140の回転数を
エンジン150の回転数に正確に一致させることによ
り、結合時のショックの低減を図っている。
【0099】本実施例では、クラッチモータ130によ
り車軸116に伝達されるトルクは、エンジン150が
出力するトルクと等しくなる。従って、アシストモータ
140の結合が終了するまで、エンジン150の運転状
態は動作曲線Aを離れ、車軸116の運転ポイントPD
2とトルクが等しいポイントに移行する。こうして両者
が一致すると、アシストモータ140をエンジン150
のクランクシャフト156側に結合する。アシストモー
タ140が結合されると、エンジン150の運転ポイン
トも動作曲線A上に戻る。以後はオーバードライブ結合
における制御に基づいて走行する。
り車軸116に伝達されるトルクは、エンジン150が
出力するトルクと等しくなる。従って、アシストモータ
140の結合が終了するまで、エンジン150の運転状
態は動作曲線Aを離れ、車軸116の運転ポイントPD
2とトルクが等しいポイントに移行する。こうして両者
が一致すると、アシストモータ140をエンジン150
のクランクシャフト156側に結合する。アシストモー
タ140が結合されると、エンジン150の運転ポイン
トも動作曲線A上に戻る。以後はオーバードライブ結合
における制御に基づいて走行する。
【0100】次にオーバードライブ結合からアンダード
ライブ結合に切り替える場合について図29、図30を
用いて説明する。図29は、オーバードライブ結合から
アンダードライブ結合に切り替える場合の運転ポイント
の変化を示した説明図であり、図20の一部を拡大した
ものである。図中の記号は図24で示したのと同じ意味
である。エンジン150の運転ポイントαと車軸116
から出力される動力との関係も図22と同じである。車
軸116の回転状態が曲線PO上を移行するにつれて、
エンジン150の運転ポイントも動作曲線A上を右側に
移行する点も図24の場合と同じである。図30は、切
り替え処理時のタイミングを示すチャートである。
ライブ結合に切り替える場合について図29、図30を
用いて説明する。図29は、オーバードライブ結合から
アンダードライブ結合に切り替える場合の運転ポイント
の変化を示した説明図であり、図20の一部を拡大した
ものである。図中の記号は図24で示したのと同じ意味
である。エンジン150の運転ポイントαと車軸116
から出力される動力との関係も図22と同じである。車
軸116の回転状態が曲線PO上を移行するにつれて、
エンジン150の運転ポイントも動作曲線A上を右側に
移行する点も図24の場合と同じである。図30は、切
り替え処理時のタイミングを示すチャートである。
【0101】オーバードライブ結合からアンダードライ
ブ結合への切り替えは、車軸116の回転状態が図24
中の運転ポイントPO1に至った時点で開始される。切
り替えが開始されると、図26のフローチャートで説明
した通り、車軸116とエンジン150の回転数を一致
させる制御が実行される(図26中のステップS13
2,S134)。この結果、車軸116の回転状態はポ
イントPO2に移行する。ポイントPO2とエンジン1
50の運転ポイントαは回転数が等しい。
ブ結合への切り替えは、車軸116の回転状態が図24
中の運転ポイントPO1に至った時点で開始される。切
り替えが開始されると、図26のフローチャートで説明
した通り、車軸116とエンジン150の回転数を一致
させる制御が実行される(図26中のステップS13
2,S134)。この結果、車軸116の回転状態はポ
イントPO2に移行する。ポイントPO2とエンジン1
50の運転ポイントαは回転数が等しい。
【0102】図30のタイミングチャートに示す通り、
運転ポイントPO1において、切り替えを実行すべき判
断がなされると、運転ポイントはPO2に移行する。図
30では、瞬間的に移行するように示されているが、こ
の移行は徐々に連続的に移行される。この運転状態でt
h秒経過を待つ。その後、切り替えの再確認が行われ
る。この確認において結合の切り替えを行うべきと判断
されると、次に、アシストモータ140を中立にし、そ
の回転数を結合先の回転数に一致させる処理が行われ
る。アンダードライブ結合では、アシストモータ140
は車軸116側に結合されるため、アシストモータ14
0の回転数を車軸116の回転数に合わせる。運転ポイ
ントPO2において、アシストモータ140の回転数は
車軸116の回転数にほぼ一致しているが、本実施例の
ハイブリッド車両は、上記制御によって結合時のショッ
クをより低減しようとしている。
運転ポイントPO1において、切り替えを実行すべき判
断がなされると、運転ポイントはPO2に移行する。図
30では、瞬間的に移行するように示されているが、こ
の移行は徐々に連続的に移行される。この運転状態でt
h秒経過を待つ。その後、切り替えの再確認が行われ
る。この確認において結合の切り替えを行うべきと判断
されると、次に、アシストモータ140を中立にし、そ
の回転数を結合先の回転数に一致させる処理が行われ
る。アンダードライブ結合では、アシストモータ140
は車軸116側に結合されるため、アシストモータ14
0の回転数を車軸116の回転数に合わせる。運転ポイ
ントPO2において、アシストモータ140の回転数は
車軸116の回転数にほぼ一致しているが、本実施例の
ハイブリッド車両は、上記制御によって結合時のショッ
クをより低減しようとしている。
【0103】本実施例では、クラッチモータ130によ
り車軸116に伝達されるトルクは、エンジン150が
出力するトルクと等しくなる。従って、アシストモータ
140の結合が終了するまで、エンジン150の運転状
態は動作曲線Aを離れ、車軸116の運転ポイントPD
2とトルクが等しいポイントに移行する。こうして両者
が一致すると、アシストモータ140をエンジン150
のクランクシャフト156側に結合する。アシストモー
タ140が結合されると、エンジン150の運転ポイン
トも動作曲線A上に戻る。以後は、アンダードライブ結
合における制御に基づいて走行する。
り車軸116に伝達されるトルクは、エンジン150が
出力するトルクと等しくなる。従って、アシストモータ
140の結合が終了するまで、エンジン150の運転状
態は動作曲線Aを離れ、車軸116の運転ポイントPD
2とトルクが等しいポイントに移行する。こうして両者
が一致すると、アシストモータ140をエンジン150
のクランクシャフト156側に結合する。アシストモー
タ140が結合されると、エンジン150の運転ポイン
トも動作曲線A上に戻る。以後は、アンダードライブ結
合における制御に基づいて走行する。
【0104】以上で説明した通り、本実施例のハイブリ
ッド車両では、回転数を優先して結合状態を切り替える
ことができる。車軸116とエンジン150との回転数
が概ね一致した状態は、アシストモータ140が現在結
合している軸の回転数と結合先の回転数とが概ね一致し
ている。従って、切り替えの際にアシストモータ140
の回転数を結合先の回転数に合わせる時間を短くするこ
とができる。結合先の回転数の変化が緩やかである場合
には、かかる制御を伴うことなく切り替えることも可能
である。この結果、上記手順で切り替えを行えば、短時
間で切り替えを完了することができ、ハイブリッド車両
の応答性や運転効率を向上することができる。当然、所
定時間th待つことにより頻繁な切り替えを抑制する利
点も有している。
ッド車両では、回転数を優先して結合状態を切り替える
ことができる。車軸116とエンジン150との回転数
が概ね一致した状態は、アシストモータ140が現在結
合している軸の回転数と結合先の回転数とが概ね一致し
ている。従って、切り替えの際にアシストモータ140
の回転数を結合先の回転数に合わせる時間を短くするこ
とができる。結合先の回転数の変化が緩やかである場合
には、かかる制御を伴うことなく切り替えることも可能
である。この結果、上記手順で切り替えを行えば、短時
間で切り替えを完了することができ、ハイブリッド車両
の応答性や運転効率を向上することができる。当然、所
定時間th待つことにより頻繁な切り替えを抑制する利
点も有している。
【0105】次に、車軸116とエンジン150の動
力、つまり回転数とトルクの双方を一致させて切り替え
る処理について説明する。図31は、動力を一致させて
切り替える処理のフローチャートである。この処理が開
始されると、CPUはまず車軸116の回転数Nd*に
エンジン150の目標回転数Ne*を代入し、車軸11
6のトルクTd*にエンジン150の目標トルクTe*
を代入する(ステップS150)。次に、この設定値に
基づいてクラッチモータ、アシストモータの制御を実行
する(ステップS152)。これらの制御内容は、図7
のステップS205で説明した制御と同じである。エン
ジン150の回転数Ne*およびトルクTe*と車軸1
16の回転数Nd*およびトルクTd*とがほぼ一致す
るまで、即ち両者の差分の絶対値がそれぞれ所定の値N
1,T1以下になるまで、上述した処理が繰り返し実行
される(ステップS154)。
力、つまり回転数とトルクの双方を一致させて切り替え
る処理について説明する。図31は、動力を一致させて
切り替える処理のフローチャートである。この処理が開
始されると、CPUはまず車軸116の回転数Nd*に
エンジン150の目標回転数Ne*を代入し、車軸11
6のトルクTd*にエンジン150の目標トルクTe*
を代入する(ステップS150)。次に、この設定値に
基づいてクラッチモータ、アシストモータの制御を実行
する(ステップS152)。これらの制御内容は、図7
のステップS205で説明した制御と同じである。エン
ジン150の回転数Ne*およびトルクTe*と車軸1
16の回転数Nd*およびトルクTd*とがほぼ一致す
るまで、即ち両者の差分の絶対値がそれぞれ所定の値N
1,T1以下になるまで、上述した処理が繰り返し実行
される(ステップS154)。
【0106】こうして回転数が一致した後の処理内容は
図21で示した処理と同じである。つまり、CPUは所
定時間th経過するのを待ち(ステップS156)、要
求動力を入力して(ステップS158)、切り替えの実
行を行うべきか否かを判定する(ステップS160)。
切り替えを実行すべきと判定された場合には、アシスト
モータ140を中立状態にし(ステップS162)、そ
の回転数を結合先の回転数に一致させてから(ステップ
S164)、結合する(ステップS166)。切り替え
を実行しないものと判定された場合には、アシストモー
タ140の切り替えを行わずに切り替え処理を終了す
る。
図21で示した処理と同じである。つまり、CPUは所
定時間th経過するのを待ち(ステップS156)、要
求動力を入力して(ステップS158)、切り替えの実
行を行うべきか否かを判定する(ステップS160)。
切り替えを実行すべきと判定された場合には、アシスト
モータ140を中立状態にし(ステップS162)、そ
の回転数を結合先の回転数に一致させてから(ステップ
S164)、結合する(ステップS166)。切り替え
を実行しないものと判定された場合には、アシストモー
タ140の切り替えを行わずに切り替え処理を終了す
る。
【0107】以上で説明した切り替えの手順について、
運転ポイントとの関係で具体的に説明する。最初にアン
ダードライブ結合からオーバードライブ結合に切り替え
る場合について図32、図33を用いて説明する。図3
2は、アンダードライブ結合からオーバードライブ結合
に切り替える場合の運転ポイントの変化を示した説明図
であり、図19の一部を拡大したものである。図中の記
号は図22と同じ意味である。エンジン150の運転ポ
イントαと車軸116から出力される動力との関係も図
22と同じである。図33は、切り替え処理時のタイミ
ングを示すチャートである。
運転ポイントとの関係で具体的に説明する。最初にアン
ダードライブ結合からオーバードライブ結合に切り替え
る場合について図32、図33を用いて説明する。図3
2は、アンダードライブ結合からオーバードライブ結合
に切り替える場合の運転ポイントの変化を示した説明図
であり、図19の一部を拡大したものである。図中の記
号は図22と同じ意味である。エンジン150の運転ポ
イントαと車軸116から出力される動力との関係も図
22と同じである。図33は、切り替え処理時のタイミ
ングを示すチャートである。
【0108】アンダードライブ結合からオーバードライ
ブ結合への切り替えは、車軸116の回転状態が図32
中の運転ポイントPD1に至った時点で開始される。切
り替えが開始されると、図31のフローチャートで説明
した通り、車軸116とエンジン150の回転数および
トルクを一致させる制御が実行される(図26中のステ
ップS152,S154)。この結果、車軸116の回
転状態はポイントPD2に移行する。ポイントPD2と
エンジン150の運転ポイントαは回転数およびトルク
が等しい。先に説明した通り、動力伝達の損失を考慮す
れば、エンジン150から出力される動力は車軸116
から出力される動力よりも大きくなっている必要があ
る。図32では、この条件が満たされない。従って、図
32の運転ポイントPD2およびαでは、バッテリ19
4の電力により、動力伝達の損失分を補っている。
ブ結合への切り替えは、車軸116の回転状態が図32
中の運転ポイントPD1に至った時点で開始される。切
り替えが開始されると、図31のフローチャートで説明
した通り、車軸116とエンジン150の回転数および
トルクを一致させる制御が実行される(図26中のステ
ップS152,S154)。この結果、車軸116の回
転状態はポイントPD2に移行する。ポイントPD2と
エンジン150の運転ポイントαは回転数およびトルク
が等しい。先に説明した通り、動力伝達の損失を考慮す
れば、エンジン150から出力される動力は車軸116
から出力される動力よりも大きくなっている必要があ
る。図32では、この条件が満たされない。従って、図
32の運転ポイントPD2およびαでは、バッテリ19
4の電力により、動力伝達の損失分を補っている。
【0109】図33のタイミングチャートに基づいて説
明する。運転ポイントPD1において、切り替えを実行
すべき判断がなされると、運転ポイントはPD2に移行
する。図33では、瞬間的に移行するように示されてい
るが、この移行は徐々に連続的に移行される。この運転
状態でth秒経過を待つ。その後、切り替えの再確認が
行われる。この確認において結合の切り替えを行うべき
と判断されると、次に、アシストモータ140を中立に
し、その回転数を一致させる処理が行われる。オーバー
ドライブ結合では、アシストモータ140はエンジン1
50に結合されるため、アシストモータ140の回転数
をエンジン150の回転数に合わせる。
明する。運転ポイントPD1において、切り替えを実行
すべき判断がなされると、運転ポイントはPD2に移行
する。図33では、瞬間的に移行するように示されてい
るが、この移行は徐々に連続的に移行される。この運転
状態でth秒経過を待つ。その後、切り替えの再確認が
行われる。この確認において結合の切り替えを行うべき
と判断されると、次に、アシストモータ140を中立に
し、その回転数を一致させる処理が行われる。オーバー
ドライブ結合では、アシストモータ140はエンジン1
50に結合されるため、アシストモータ140の回転数
をエンジン150の回転数に合わせる。
【0110】本実施例では、クラッチモータ130によ
り車軸116に伝達されるトルクは、エンジン150が
出力するトルクと等しくなる。従って、アシストモータ
140の結合が終了するまで、車軸116の運転状態は
ポイントPD2に維持される。アシストモータ140の
回転数がエンジン150の回転数に一致すると、アシス
トモータ140をエンジン150のクランクシャフト側
に結合する。以後はオーバードライブ結合における制御
に基づいて走行する。
り車軸116に伝達されるトルクは、エンジン150が
出力するトルクと等しくなる。従って、アシストモータ
140の結合が終了するまで、車軸116の運転状態は
ポイントPD2に維持される。アシストモータ140の
回転数がエンジン150の回転数に一致すると、アシス
トモータ140をエンジン150のクランクシャフト側
に結合する。以後はオーバードライブ結合における制御
に基づいて走行する。
【0111】次にオーバードライブ結合からアンダード
ライブ結合に切り替える場合について図34、図35を
用いて説明する。図34は、オーバードライブ結合から
アンダードライブ結合に切り替える場合の運転ポイント
の変化を示した説明図であり、図20の一部を拡大した
ものである。図中の記号は図24で示したのと同じ意味
である。エンジン150の運転ポイントαと車軸116
から出力される動力との関係も図22と同じである。車
軸116の回転状態が曲線PO上を移行するにつれて、
エンジン150の運転ポイントも動作曲線A上を右側に
移行する点も図24の場合と同じである。図35は、切
り替え処理時のタイミングを示すチャートである。
ライブ結合に切り替える場合について図34、図35を
用いて説明する。図34は、オーバードライブ結合から
アンダードライブ結合に切り替える場合の運転ポイント
の変化を示した説明図であり、図20の一部を拡大した
ものである。図中の記号は図24で示したのと同じ意味
である。エンジン150の運転ポイントαと車軸116
から出力される動力との関係も図22と同じである。車
軸116の回転状態が曲線PO上を移行するにつれて、
エンジン150の運転ポイントも動作曲線A上を右側に
移行する点も図24の場合と同じである。図35は、切
り替え処理時のタイミングを示すチャートである。
【0112】オーバードライブ結合からアンダードライ
ブ結合への切り替えは、車軸116の回転状態が図34
中の運転ポイントPO1に至った時点で開始される。切
り替えが開始されると、図31のフローチャートで説明
した通り、車軸116とエンジン150の回転数および
トルクを一致させる制御が実行される(図31中のステ
ップS152,S154)。この結果、車軸116の回
転状態はポイントPO2に移行する。ポイントPO2と
エンジン150の運転ポイントαは回転数およびトルク
が等しい。
ブ結合への切り替えは、車軸116の回転状態が図34
中の運転ポイントPO1に至った時点で開始される。切
り替えが開始されると、図31のフローチャートで説明
した通り、車軸116とエンジン150の回転数および
トルクを一致させる制御が実行される(図31中のステ
ップS152,S154)。この結果、車軸116の回
転状態はポイントPO2に移行する。ポイントPO2と
エンジン150の運転ポイントαは回転数およびトルク
が等しい。
【0113】図35のタイミングチャートに基づいて説
明する。運転ポイントPO1において、切り替えを実行
すべき判断がなされると、運転ポイントはPO2に移行
する。図35では、瞬間的に移行するように示されてい
るが、この移行は徐々に連続的に移行される。この運転
状態でth秒経過を待つ。その後、切り替えの再確認が
行われる。この確認において結合の切り替えを行うべき
と判断されると、次に、アシストモータ140を中立に
し、その回転数を結合先の回転数に一致させる処理が行
われる。アンダードライブ結合では、アシストモータ1
40は車軸116側に結合されるため、アシストモータ
140の回転数を車軸116の回転数に合わせる。本実
施例では、クラッチモータ130により車軸116に伝
達されるトルクは、エンジン150が出力するトルクと
等しくなる。従って、アシストモータ140の結合が終
了するまで、車軸116の運転ポイントは点PO2に維
持される。アシストモータ140の回転数がエンジン1
50の回転数に一致すると、アシストモータ140を車
軸116側に結合する。以後はアンダードライブ結合に
おける制御に基づいて走行する。
明する。運転ポイントPO1において、切り替えを実行
すべき判断がなされると、運転ポイントはPO2に移行
する。図35では、瞬間的に移行するように示されてい
るが、この移行は徐々に連続的に移行される。この運転
状態でth秒経過を待つ。その後、切り替えの再確認が
行われる。この確認において結合の切り替えを行うべき
と判断されると、次に、アシストモータ140を中立に
し、その回転数を結合先の回転数に一致させる処理が行
われる。アンダードライブ結合では、アシストモータ1
40は車軸116側に結合されるため、アシストモータ
140の回転数を車軸116の回転数に合わせる。本実
施例では、クラッチモータ130により車軸116に伝
達されるトルクは、エンジン150が出力するトルクと
等しくなる。従って、アシストモータ140の結合が終
了するまで、車軸116の運転ポイントは点PO2に維
持される。アシストモータ140の回転数がエンジン1
50の回転数に一致すると、アシストモータ140を車
軸116側に結合する。以後はアンダードライブ結合に
おける制御に基づいて走行する。
【0114】以上で説明した通り、本実施例のハイブリ
ッド車両では、回転数およびトルクを一致させて結合状
態を切り替えることができる。車軸116とエンジン1
50との回転数およびトルクが概ね一致した状態を達成
するまでに時間を要するという課題および両者が一致し
た状態ではバッテリ194の電力消費を伴うという課題
はあるものの、かかる状態で切り替えを実行すれば、切
り替え時のショックを最も低く抑えることができ、滑ら
かな切り替えを実現することができる。
ッド車両では、回転数およびトルクを一致させて結合状
態を切り替えることができる。車軸116とエンジン1
50との回転数およびトルクが概ね一致した状態を達成
するまでに時間を要するという課題および両者が一致し
た状態ではバッテリ194の電力消費を伴うという課題
はあるものの、かかる状態で切り替えを実行すれば、切
り替え時のショックを最も低く抑えることができ、滑ら
かな切り替えを実現することができる。
【0115】以上で説明した本実施例のハイブリッド車
両は、車両の運転状態に応じてアンダードライブ結合と
オーバードライブ結合とを切り替えて用いることがで
き、高い効率で運転することができる。また、上述した
通り、トルクを優先した切り替え、回転数を優先した切
り替え、回転数およびトルクを一致した切り替えを適用
することにより、適用した手段に応じて、結合状態の切
り替えを滑らかに行うことができる。特に、トルクを優
先した切り替え、および回転数を優先した切り替えで
は、先に述べた通り、バッテリ194の電力消費を抑制
することができる利点や切り替えの制御に要する時間を
短くすることができる利点などがある点で好ましい。
両は、車両の運転状態に応じてアンダードライブ結合と
オーバードライブ結合とを切り替えて用いることがで
き、高い効率で運転することができる。また、上述した
通り、トルクを優先した切り替え、回転数を優先した切
り替え、回転数およびトルクを一致した切り替えを適用
することにより、適用した手段に応じて、結合状態の切
り替えを滑らかに行うことができる。特に、トルクを優
先した切り替え、および回転数を優先した切り替えで
は、先に述べた通り、バッテリ194の電力消費を抑制
することができる利点や切り替えの制御に要する時間を
短くすることができる利点などがある点で好ましい。
【0116】さらに、切り替え処理において、所定時間
thの経過を経てから再度切り替えの判定を行うことに
より、結合状態の切り替えが頻繁に行われることを回避
することができる。この結果、切り替え機構の寿命を不
要に短くすることを回避できるとともに、出力トルクに
制限がある切り替え処理中の運転状態を減らすことによ
って車両の運転効率および応答性を向上することができ
る。
thの経過を経てから再度切り替えの判定を行うことに
より、結合状態の切り替えが頻繁に行われることを回避
することができる。この結果、切り替え機構の寿命を不
要に短くすることを回避できるとともに、出力トルクに
制限がある切り替え処理中の運転状態を減らすことによ
って車両の運転効率および応答性を向上することができ
る。
【0117】なお、本実施例のハイブリッド車両には、
種々の変形例によって実現可能である。例えば、車両を
図36に示す構成としてもよい。変形例としてのハイブ
リッド車両は、動力系統におけるクラッチモータ130
に代えて、プラネタリギヤ200と電動発電機210が
用いられている。その他の構成は、第1実施例のハイブ
リッド車両(図1参照)と同じである。
種々の変形例によって実現可能である。例えば、車両を
図36に示す構成としてもよい。変形例としてのハイブ
リッド車両は、動力系統におけるクラッチモータ130
に代えて、プラネタリギヤ200と電動発電機210が
用いられている。その他の構成は、第1実施例のハイブ
リッド車両(図1参照)と同じである。
【0118】プラネタリギヤ200は、中心で回転する
サンギヤ201、サンギヤ201の外周を自転しながら
公転するプラネタリピニオンギヤを備えるプラネタリキ
ャリア203と、更にその外周で回転するリングギヤ2
02とから構成されている。サンギヤ201、プラネタ
リキャリア203,およびリングギヤ202はそれぞれ
別々の回転軸を有している。サンギヤ201の回転軸で
あるサンギヤ軸204は中空になっており、電動発電機
210のロータ212に結合されている。プラネタリキ
ャリア203の回転軸であるプラネタリキャリア軸20
6はエンジン150のクランクシャフト156と結合さ
れている。リングギヤ202の回転軸であるリングギヤ
軸205はディファレンシャルギヤ114を介して前車
軸116に結合されている。
サンギヤ201、サンギヤ201の外周を自転しながら
公転するプラネタリピニオンギヤを備えるプラネタリキ
ャリア203と、更にその外周で回転するリングギヤ2
02とから構成されている。サンギヤ201、プラネタ
リキャリア203,およびリングギヤ202はそれぞれ
別々の回転軸を有している。サンギヤ201の回転軸で
あるサンギヤ軸204は中空になっており、電動発電機
210のロータ212に結合されている。プラネタリキ
ャリア203の回転軸であるプラネタリキャリア軸20
6はエンジン150のクランクシャフト156と結合さ
れている。リングギヤ202の回転軸であるリングギヤ
軸205はディファレンシャルギヤ114を介して前車
軸116に結合されている。
【0119】プラネタリギヤ200は、サンギヤ軸20
4,プラネタリキャリア軸206およびリングギヤ軸2
05の3軸の回転数およびトルクに以下の関係が成立す
ることが機構学上よく知られている。即ち、上記3つの
回転軸のうち2つの回転軸の動力状態が決定されると、
以下の関係式に基づいて残余の一つの回転軸の動力状態
が決定される。 Ns=(1+ρ)/ρ×Nc−Nr/ρ; Nc=ρ/(1+ρ)×Ns+Nr/(1+ρ); Nr=(1+ρ)Nc−ρNs; Ts=Tc×ρ/(1+ρ)=ρTr; Tr=Tc/(1+ρ); ρ=サンギヤ121の歯数/リングギヤ122の歯数 ・・・(3);
4,プラネタリキャリア軸206およびリングギヤ軸2
05の3軸の回転数およびトルクに以下の関係が成立す
ることが機構学上よく知られている。即ち、上記3つの
回転軸のうち2つの回転軸の動力状態が決定されると、
以下の関係式に基づいて残余の一つの回転軸の動力状態
が決定される。 Ns=(1+ρ)/ρ×Nc−Nr/ρ; Nc=ρ/(1+ρ)×Ns+Nr/(1+ρ); Nr=(1+ρ)Nc−ρNs; Ts=Tc×ρ/(1+ρ)=ρTr; Tr=Tc/(1+ρ); ρ=サンギヤ121の歯数/リングギヤ122の歯数 ・・・(3);
【0120】ここで、 Nsはサンギヤ軸204の回転数; Tsはサンギヤ軸204のトルク; Ncはプラネタリキャリア軸206の回転数; Tcはプラネタリキャリア軸206のトルク; Nrはリングギヤ軸205の回転数; Trはリングギヤ軸205のトルク; である。
【0121】電動発電機210は、アシストモータ14
0と同様の構成をしている。つまり、電動発電機210
はステータ214にコイルが巻回され、ロータ212に
永久磁石が貼付された三相同期モータとして構成されて
いる。ステータ214はケースに固定されている。ステ
ータ214に巻回されたコイルに三相交流を流すと回転
磁界が生じ、ロータ212に貼付された永久磁石との相
互作用によってロータ212が回転する。電動発電機2
10は、ロータ212が外力によって回転されると、そ
の動力を電力として回生する発電機としての機能も奏す
る。なお、電動発電機210のステータ214に巻回さ
れたコイルは、インバータ191と電気的に接続されて
いる。制御ユニット190がインバータ191のトラジ
スタをオン・オフすることにより電動発電機210の運
転を制御することができる。
0と同様の構成をしている。つまり、電動発電機210
はステータ214にコイルが巻回され、ロータ212に
永久磁石が貼付された三相同期モータとして構成されて
いる。ステータ214はケースに固定されている。ステ
ータ214に巻回されたコイルに三相交流を流すと回転
磁界が生じ、ロータ212に貼付された永久磁石との相
互作用によってロータ212が回転する。電動発電機2
10は、ロータ212が外力によって回転されると、そ
の動力を電力として回生する発電機としての機能も奏す
る。なお、電動発電機210のステータ214に巻回さ
れたコイルは、インバータ191と電気的に接続されて
いる。制御ユニット190がインバータ191のトラジ
スタをオン・オフすることにより電動発電機210の運
転を制御することができる。
【0122】本発明の実施例(図1)におけるクラッチ
モータ130は、インナロータ132とアウタロータ1
34の間の相対的な滑りによって、インナロータ132
に入力された動力の一部を電力として回生しつつ、残余
の動力をアウタロータ134に伝達する機能を奏するこ
とができた。また、クラッチモータ130を力行するこ
とにより、インナロータ132から入力された動力を増
大してアウタロータ134に伝達することもできた。こ
のように、クラッチモータ130は一方の軸から入力さ
れた動力を電力のやりとりを通じて増減し、他方の軸に
伝達する動力調整装置としての機能を奏するものであっ
た。
モータ130は、インナロータ132とアウタロータ1
34の間の相対的な滑りによって、インナロータ132
に入力された動力の一部を電力として回生しつつ、残余
の動力をアウタロータ134に伝達する機能を奏するこ
とができた。また、クラッチモータ130を力行するこ
とにより、インナロータ132から入力された動力を増
大してアウタロータ134に伝達することもできた。こ
のように、クラッチモータ130は一方の軸から入力さ
れた動力を電力のやりとりを通じて増減し、他方の軸に
伝達する動力調整装置としての機能を奏するものであっ
た。
【0123】変形例のハイブリッド車両では、プラネタ
リギヤ200と電動発電機210の組み合わせにより、
クラッチモータ130と同等の機能を奏することができ
る。クラッチモータ130のインナロータ軸133に相
当するのがプラネタリキャリア軸206であり、アウタ
ロータ軸135に相当するのがリングギヤ軸205であ
る。変形例では、これらの組み合わせにより動力調整装
置としての機能を奏する。
リギヤ200と電動発電機210の組み合わせにより、
クラッチモータ130と同等の機能を奏することができ
る。クラッチモータ130のインナロータ軸133に相
当するのがプラネタリキャリア軸206であり、アウタ
ロータ軸135に相当するのがリングギヤ軸205であ
る。変形例では、これらの組み合わせにより動力調整装
置としての機能を奏する。
【0124】エンジン150からプラネタリキャリア軸
206に動力が入力されると、上式(3)に従い、リン
グギヤ202およひサンギヤ201が回転する。リング
ギヤ202およびサンギヤ201のいずれか一方の回転
を止めることも可能である。リングギヤ202が回転す
ることにより、エンジン150から出力された動力の一
部を前車軸116に機械的な形で伝達することができ
る。また、サンギヤ201が回転することにより、エン
ジン150から出力された動力の一部を電動発電機21
0により電力として回生することができる。一方、電動
発電機210を力行すれば、電動発電機210から出力
されたトルクは、サンギヤ201、プラネタリキャリア
203およびリングギヤ202を介して車軸116に機
械的に伝達することができる。従って、電動発電機21
0を力行することにより、エンジン150から出力され
たトルクを増大して前車軸116に出力することも可能
である。このように、第2実施例では、プラネタリギヤ
200と電動発電機210の組み合わせにより、クラッ
チモータ130と同様の機能を奏することができるので
ある。
206に動力が入力されると、上式(3)に従い、リン
グギヤ202およひサンギヤ201が回転する。リング
ギヤ202およびサンギヤ201のいずれか一方の回転
を止めることも可能である。リングギヤ202が回転す
ることにより、エンジン150から出力された動力の一
部を前車軸116に機械的な形で伝達することができ
る。また、サンギヤ201が回転することにより、エン
ジン150から出力された動力の一部を電動発電機21
0により電力として回生することができる。一方、電動
発電機210を力行すれば、電動発電機210から出力
されたトルクは、サンギヤ201、プラネタリキャリア
203およびリングギヤ202を介して車軸116に機
械的に伝達することができる。従って、電動発電機21
0を力行することにより、エンジン150から出力され
たトルクを増大して前車軸116に出力することも可能
である。このように、第2実施例では、プラネタリギヤ
200と電動発電機210の組み合わせにより、クラッ
チモータ130と同様の機能を奏することができるので
ある。
【0125】変形例においても、第1ギヤ111,第2
ギヤ112,第3ギヤ113の噛合状態に応じて、種々
の構成を採ることができる。この構成を模式的に示した
のが図37および図38である。図37は、第1ギヤ1
11と第3ギヤ113を噛合した状態を示している。ア
シストモータ140のロータ142はプラネタリギヤ2
00のリングギヤ軸205と結合する。従って、図37
に示す通り、エンジン150から出力された動力は、プ
ラネタリギヤ200、アシストモータ140を経て駆動
軸116に伝達される。これは、実施例におけるアンダ
ードライブ結合(図2)に相当する結合状態である。
ギヤ112,第3ギヤ113の噛合状態に応じて、種々
の構成を採ることができる。この構成を模式的に示した
のが図37および図38である。図37は、第1ギヤ1
11と第3ギヤ113を噛合した状態を示している。ア
シストモータ140のロータ142はプラネタリギヤ2
00のリングギヤ軸205と結合する。従って、図37
に示す通り、エンジン150から出力された動力は、プ
ラネタリギヤ200、アシストモータ140を経て駆動
軸116に伝達される。これは、実施例におけるアンダ
ードライブ結合(図2)に相当する結合状態である。
【0126】図38は、第2ギヤ112と第3ギヤ11
3を噛合した状態を示している。アシストモータ140
のロータ142はプラネタリギヤ200のプラネタリキ
ャリア軸206と結合する。従って、図38に示す通
り、エンジン150から出力された動力は、アシストモ
ータ140、プラネタリギヤ200を経て駆動軸116
に伝達される。これは、実施例におけるオーバードライ
ブ結合(図3)に相当する結合状態である。
3を噛合した状態を示している。アシストモータ140
のロータ142はプラネタリギヤ200のプラネタリキ
ャリア軸206と結合する。従って、図38に示す通
り、エンジン150から出力された動力は、アシストモ
ータ140、プラネタリギヤ200を経て駆動軸116
に伝達される。これは、実施例におけるオーバードライ
ブ結合(図3)に相当する結合状態である。
【0127】このようにプラネタリギヤ200を用いた
構成を採用した場合でも、アンダードライブ結合とオー
バードライブ結合の双方の結合状態を実現可能であるた
め、本発明を適用することができる。当然、アシストモ
ータ140を双方から切り離した構成も採ることができ
る。従って、図36の構成を有するハイブリッド車両に
も本発明を適用することができる。その効果は、本実施
例のハイブリッド車両について説明したのと同様であ
る。
構成を採用した場合でも、アンダードライブ結合とオー
バードライブ結合の双方の結合状態を実現可能であるた
め、本発明を適用することができる。当然、アシストモ
ータ140を双方から切り離した構成も採ることができ
る。従って、図36の構成を有するハイブリッド車両に
も本発明を適用することができる。その効果は、本実施
例のハイブリッド車両について説明したのと同様であ
る。
【0128】また、本発明は4輪駆動車に適用すること
もできる。実施例(図1)または変形例(図36)の構
成による動力系統を車両の前輪に適用し、後輪の車軸に
別途駆動用の電動機を設けることによって4輪駆動可能
なハイブリッド車両を構成することができる。かかる車
両でも、前車軸の回転数とエンジン150の回転数の大
小関係に応じて、結合状態を切り替えることにより効率
の高い運転を行うことができる。従って、かかる切り替
えの制御に本発明を適用するものとすれば、先に実施例
で説明した種々の効果を得ることができる。
もできる。実施例(図1)または変形例(図36)の構
成による動力系統を車両の前輪に適用し、後輪の車軸に
別途駆動用の電動機を設けることによって4輪駆動可能
なハイブリッド車両を構成することができる。かかる車
両でも、前車軸の回転数とエンジン150の回転数の大
小関係に応じて、結合状態を切り替えることにより効率
の高い運転を行うことができる。従って、かかる切り替
えの制御に本発明を適用するものとすれば、先に実施例
で説明した種々の効果を得ることができる。
【0129】本実施例では、アシストモータ140の切
り替え機構をスプラインにより実現したが、クラッチを
用いて構成してもよい。例えば、図1の構成においてス
プラインに代えて、アシストモータ140とインナロー
タ軸133との結合・切り離しを行う第1のクラッチ、
アシストモータ140とアウタロータ軸135との結合
・切り離しを行う第2のクラッチを設けるものとしても
よい。
り替え機構をスプラインにより実現したが、クラッチを
用いて構成してもよい。例えば、図1の構成においてス
プラインに代えて、アシストモータ140とインナロー
タ軸133との結合・切り離しを行う第1のクラッチ、
アシストモータ140とアウタロータ軸135との結合
・切り離しを行う第2のクラッチを設けるものとしても
よい。
【0130】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内におい
て、更に種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
例えば、本実施例のハイブリッド車両では、原動機とし
てガソリンエンジン150を用いたが、ディーゼルエン
ジンその他の動力源となる装置を用いることができる。
また、本実施例では、モータとして全て三相同期モータ
を適用したが、誘導モータその他の交流モータおよび直
流モータを用いるものとしてもよい。また、本実施例で
は、種々の制御処理をCPUがソフトウェアを実行する
ことにより実現しているが、かかる制御処理をハード的
に実現することもできる。当然、本発明は実施例のよう
なハイブリッド車両に限られず、種々の動力出力装置に
適用可能であることはいうまでもない。
たが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内におい
て、更に種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
例えば、本実施例のハイブリッド車両では、原動機とし
てガソリンエンジン150を用いたが、ディーゼルエン
ジンその他の動力源となる装置を用いることができる。
また、本実施例では、モータとして全て三相同期モータ
を適用したが、誘導モータその他の交流モータおよび直
流モータを用いるものとしてもよい。また、本実施例で
は、種々の制御処理をCPUがソフトウェアを実行する
ことにより実現しているが、かかる制御処理をハード的
に実現することもできる。当然、本発明は実施例のよう
なハイブリッド車両に限られず、種々の動力出力装置に
適用可能であることはいうまでもない。
【図1】本発明の実施例としてのハイブリッド車両の全
体構成を示す説明図である。
体構成を示す説明図である。
【図2】実施例のハイブリッド車両について、アンダー
ドライブ結合時の動力系統の概略構成を示す説明図であ
る。
ドライブ結合時の動力系統の概略構成を示す説明図であ
る。
【図3】実施例のハイブリッド車両について、オーバー
ドライブ結合時の動力系統の概略構成を示す説明図であ
る。
ドライブ結合時の動力系統の概略構成を示す説明図であ
る。
【図4】実施例のハイブリッド車両について、アシスト
モータ140を中立位置にした場合の動力系統の概略構
成を示す説明図である。
モータ140を中立位置にした場合の動力系統の概略構
成を示す説明図である。
【図5】実施例のハイブリッド車両について、アシスト
モータ140をエンジン150と駆動軸の双方に結合時
の前輪動力系統の概略構成を示す説明図である。
モータ140をエンジン150と駆動軸の双方に結合時
の前輪動力系統の概略構成を示す説明図である。
【図6】実施例のハイブリッド車両について、結合状態
と車両の走行状態との関係を示す説明図である。
と車両の走行状態との関係を示す説明図である。
【図7】トルク制御ルーチンのフローチャートである。
【図8】エンジンの運転ポイントと運転効率との関係を
示す説明図である。
示す説明図である。
【図9】出力動力が一定の場合について、エンジンの回
転数と運転効率との関係を示す説明図である。
転数と運転効率との関係を示す説明図である。
【図10】アンダードライブ結合時にエンジン150の
回転数を低回転の状態に変換して出力する様子を示す説
明図である。
回転数を低回転の状態に変換して出力する様子を示す説
明図である。
【図11】アンダードライブ結合時にエンジン150の
回転数を高回転の状態に変換して出力する様子を示す説
明図である。
回転数を高回転の状態に変換して出力する様子を示す説
明図である。
【図12】アンダードライブ結合時にエンジン150の
回転数を低回転の状態に変換して出力する際の動力のや
りとりを示す説明図である。
回転数を低回転の状態に変換して出力する際の動力のや
りとりを示す説明図である。
【図13】アンダードライブ結合時にエンジン150の
回転数を高回転の状態に変換して出力する際の動力のや
りとりを示す説明図である。
回転数を高回転の状態に変換して出力する際の動力のや
りとりを示す説明図である。
【図14】オーバードライブ結合時にエンジン150の
回転数を低回転の状態に変換して出力する様子を示す説
明図である。
回転数を低回転の状態に変換して出力する様子を示す説
明図である。
【図15】オーバードライブ結合時にエンジン150の
回転数を高回転の状態に変換して出力する様子を示す説
明図である。
回転数を高回転の状態に変換して出力する様子を示す説
明図である。
【図16】オーバードライブ結合時にエンジン150の
回転数を低回転の状態に変換して出力する際の動力のや
りとりを示す説明図である。
回転数を低回転の状態に変換して出力する際の動力のや
りとりを示す説明図である。
【図17】オーバードライブ結合時にエンジン150の
回転数を高回転の状態に変換して出力する際の動力のや
りとりを示す説明図である。
回転数を高回転の状態に変換して出力する際の動力のや
りとりを示す説明図である。
【図18】結合状態切り替え制御ルーチンのフローチャ
ートである。
ートである。
【図19】アンダードライブ結合からオーバードライブ
結合への切り替え時の運転状態の変化を示す説明図であ
る。
結合への切り替え時の運転状態の変化を示す説明図であ
る。
【図20】オーバードライブ結合からアンダードライブ
結合への切り替え時の運転状態の変化を示す説明図であ
る。
結合への切り替え時の運転状態の変化を示す説明図であ
る。
【図21】トルク優先でアシストモータの結合を切り替
える処理のフローチャートである。
える処理のフローチャートである。
【図22】トルク優先でアシストモータの結合をアンダ
ードライブ結合からオーバードライブ結合に切り替える
際の運転ポイントの関係を示す説明図である。
ードライブ結合からオーバードライブ結合に切り替える
際の運転ポイントの関係を示す説明図である。
【図23】トルク優先でアシストモータの結合をアンダ
ードライブ結合からオーバードライブ結合に切り替える
タイミングと運転ポイントとの関係を示す説明図であ
る。
ードライブ結合からオーバードライブ結合に切り替える
タイミングと運転ポイントとの関係を示す説明図であ
る。
【図24】トルク優先でアシストモータの結合をオーバ
ードライブ結合からアンダードライブ結合に切り替える
際の運転ポイントの関係を示す説明図である。
ードライブ結合からアンダードライブ結合に切り替える
際の運転ポイントの関係を示す説明図である。
【図25】トルク優先でアシストモータの結合をオーバ
ードライブ結合からアンダードライブ結合に切り替える
タイミングと運転ポイントとの関係を示す説明図であ
る。
ードライブ結合からアンダードライブ結合に切り替える
タイミングと運転ポイントとの関係を示す説明図であ
る。
【図26】回転数優先でアシストモータの結合を切り替
える処理のフローチャートである。
える処理のフローチャートである。
【図27】回転数優先でアシストモータの結合をアンダ
ードライブ結合からオーバードライブ結合に切り替える
際の運転ポイントの関係を示す説明図である。
ードライブ結合からオーバードライブ結合に切り替える
際の運転ポイントの関係を示す説明図である。
【図28】回転数優先でアシストモータの結合をアンダ
ードライブ結合からオーバードライブ結合に切り替える
タイミングと運転ポイントとの関係を示す説明図であ
る。
ードライブ結合からオーバードライブ結合に切り替える
タイミングと運転ポイントとの関係を示す説明図であ
る。
【図29】回転数優先でアシストモータの結合をオーバ
ードライブ結合からアンダードライブ結合に切り替える
際の運転ポイントの関係を示す説明図である。
ードライブ結合からアンダードライブ結合に切り替える
際の運転ポイントの関係を示す説明図である。
【図30】回転数優先でアシストモータの結合をオーバ
ードライブ結合からアンダードライブ結合に切り替える
タイミングと運転ポイントとの関係を示す説明図であ
る。
ードライブ結合からアンダードライブ結合に切り替える
タイミングと運転ポイントとの関係を示す説明図であ
る。
【図31】トルクおよび回転数一致でアシストモータの
結合を切り替える処理のフローチャートである。
結合を切り替える処理のフローチャートである。
【図32】トルクおよび回転数一致でアシストモータの
結合をアンダードライブ結合からオーバードライブ結合
に切り替える際の運転ポイントの関係を示す説明図であ
る。
結合をアンダードライブ結合からオーバードライブ結合
に切り替える際の運転ポイントの関係を示す説明図であ
る。
【図33】トルクおよび回転数一致でアシストモータの
結合をアンダードライブ結合からオーバードライブ結合
に切り替えるタイミングと運転ポイントとの関係を示す
説明図である。
結合をアンダードライブ結合からオーバードライブ結合
に切り替えるタイミングと運転ポイントとの関係を示す
説明図である。
【図34】トルクおよび回転数一致でアシストモータの
結合をオーバードライブ結合からアンダードライブ結合
に切り替える際の運転ポイントの関係を示す説明図であ
る。
結合をオーバードライブ結合からアンダードライブ結合
に切り替える際の運転ポイントの関係を示す説明図であ
る。
【図35】トルクおよび回転数一致でアシストモータの
結合をオーバードライブ結合からアンダードライブ結合
に切り替えるタイミングと運転ポイントとの関係を示す
説明図である。
結合をオーバードライブ結合からアンダードライブ結合
に切り替えるタイミングと運転ポイントとの関係を示す
説明図である。
【図36】変形例としてのハイブリッド車両の構成を示
す説明図である。
す説明図である。
【図37】変形例としてのハイブリッド車両について、
アンダードライブ結合時の構成を示す説明図である。
アンダードライブ結合時の構成を示す説明図である。
【図38】変形例としてのハイブリッド車両について、
オーバードライブ結合時の構成を示す説明図である。
オーバードライブ結合時の構成を示す説明図である。
111…第1ギヤ 112…第2ギヤ 113…第3ギヤ 114…ディファレンシャルギヤ 116…車軸 116R,116L…駆動輪 117…回転数センサ 130…クラッチモータ 132…インナロータ 133…インナロータ軸 134…アウタロータ 135…アウタロータ軸 140…アシストモータ 142…ロータ 143…ロータ軸 144…ステータ 150…エンジン 152…回転数センサ 156…クランクシャフト 157…ダンパ 165…アクセルペダルポジションセンサ 170…EFIECU 190…制御ユニット 191,192…インバータ 194…バッテリ 200…プラネタリギヤ 201…サンギヤ 202…リングギヤ 203…プラネタリキャリア 204…サンギヤ軸 205…リングギヤ軸 206…プラネタリキャリア軸 210…電動電動発電機 212…ロータ 214…ステータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G093 AA03 AA07 AA16 AB01 BA02 BA17 BA19 CB06 DA00 DA01 DB00 DB01 DB23 EB00 EB02 EC02 FA10 FA11 FA14 5H111 BB06 CC01 CC16 DD05 DD08 DD12 FF05 GG17 HB01
Claims (6)
- 【請求項1】 原動機と、該原動機の出力軸および動力
を出力するための駆動軸に結合され原動機から出力され
た動力を電力のやりとりによって調整して前記駆動軸に
伝達可能な動力調整装置と、切り替え装置によって結合
先を前記出力軸と前記駆動軸に切り替えて結合し得る電
動機とを備える動力出力装置であって、 前記駆動軸から出力すべき要求動力を入力する入力手段
と、 前記要求動力が、前記電動機の結合先を切り替えるべき
所定の範囲に入ったとき、前記動力調整装置および電動
機を制御して、前記原動機の出力軸と前記駆動軸との回
転状態に関与するパラメータを一致させる制御手段と、 前記パラメータの一致が得られた後、前記要求動力を再
度入力し、前記切り替えを行うか否かを再度判定する第
2の判定手段と、 該第2の判定手段により切り替えを行うべきと判定され
た場合に、前記切り替え装置を制御して前記電動機の結
合先を切り替える切り替え制御手段とを備える動力出力
装置。 - 【請求項2】 請求項1記載の動力出力装置であって、 前記第2の判定手段は、前記パラメータの一致が得られ
た後、前記切り替えを行うべき状態が所定の期間維持さ
れたか否かを判定する手段である動力出力装置。 - 【請求項3】 請求項1記載の動力出力装置であって、 前記回転状態に関与するパラメータは、前記原動機の出
力軸と前記駆動軸のトルクである動力出力装置。 - 【請求項4】 請求項1記載の動力出力装置であって、 前記回転状態に関与するパラメータは、前記原動機の出
力軸と前記駆動軸の回転数である動力出力装置。 - 【請求項5】 請求項1記載の動力出力装置であって、 前記切り替え制御手段は、前記電動機を前記出力軸と前
記駆動軸の双方から切り離した状態を経て前記切り替え
を実行する手段である動力出力装置。 - 【請求項6】 原動機と、該原動機の出力軸および動力
を出力するための駆動軸に結合され原動機から出力され
た動力を電力のやりとりによって調整して前記駆動軸に
伝達可能な動力調整装置と、切り替え装置によって結合
先を前記出力軸と前記駆動軸に切り替えて結合し得る電
動機とを備える動力出力装置の制御方法であって、
(a)前記駆動軸から出力すべき要求動力を入力する入
力手段と、(b)前記要求動力が、前記電動機の結合先
を切り替えるべき所定の範囲に入ったとき、前記動力調
整装置および電動機を制御して、前記原動機の出力軸と
前記駆動軸との回転状態に関与するパラメータを一致さ
せる工程と、(c)前記パラメータの一致が得られた
後、前記要求動力を再度入力し、前記切り替えを行うか
否かを再度判定する工程と、(d)前記工程(c)にお
いて切り替えを行うべきと判定された場合に、前記切り
替え装置を制御して前記電動機の結合先を切り替える工
程とを備える動力出力の制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10219647A JP2000037004A (ja) | 1998-07-16 | 1998-07-16 | 動力出力装置およびその制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10219647A JP2000037004A (ja) | 1998-07-16 | 1998-07-16 | 動力出力装置およびその制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000037004A true JP2000037004A (ja) | 2000-02-02 |
Family
ID=16738804
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10219647A Pending JP2000037004A (ja) | 1998-07-16 | 1998-07-16 | 動力出力装置およびその制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000037004A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6656082B1 (en) | 1999-10-12 | 2003-12-02 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Hybrid vehicle and method of controlling the same |
US7306064B2 (en) | 2003-07-30 | 2007-12-11 | Nissan Motor Co., Ltd. | Hybrid transmission and mode-shift control for hybrid vehicle |
US7693637B2 (en) | 2004-07-06 | 2010-04-06 | Nissan Motor Co., Ltd. | Hybrid vehicle control system |
-
1998
- 1998-07-16 JP JP10219647A patent/JP2000037004A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6656082B1 (en) | 1999-10-12 | 2003-12-02 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Hybrid vehicle and method of controlling the same |
US7306064B2 (en) | 2003-07-30 | 2007-12-11 | Nissan Motor Co., Ltd. | Hybrid transmission and mode-shift control for hybrid vehicle |
US7693637B2 (en) | 2004-07-06 | 2010-04-06 | Nissan Motor Co., Ltd. | Hybrid vehicle control system |
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