JP2000035413A - 脱水素酵素と補酵素を用いたバイオセンサ - Google Patents

脱水素酵素と補酵素を用いたバイオセンサ

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JP2000035413A
JP2000035413A JP10201553A JP20155398A JP2000035413A JP 2000035413 A JP2000035413 A JP 2000035413A JP 10201553 A JP10201553 A JP 10201553A JP 20155398 A JP20155398 A JP 20155398A JP 2000035413 A JP2000035413 A JP 2000035413A
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reaction
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dehydrogenase
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Masuo Aizawa
益男 相澤
Kenji Nakamura
健治 中村
Toru Yokoyama
徹 横山
Naoki Shinozuka
直樹 篠塚
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Sapporo Immuno Diagnostic Laboratory
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Sapporo Immuno Diagnostic Laboratory
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 脱水素酵素と補酵素が関与する酵素反応にお
いて、高精度にかつ短時間で簡便に基質濃度を電気化学
的に定量するための、安価で作製が容易なバイオセンサ
を提供する。 【解決手段】 絶縁性支持体に導電性材料を用いて形成
された電極系と、電極反応部分に反応用試薬として少な
くとも脱水素酵素、補酵素、ならびに電子メディエータ
が含有された吸収性担体が配置されたバイオセンサにお
いて、該吸収性担体は試料と反応用試薬との酵素反応お
よび電子メディエータと電極表面との電極反応の双方の
反応層となることを特徴とするバイオセンサ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血液、尿、唾液、汗等
の生体試料や、食品等、環境試料等の種々の試料に含ま
れる脱水素酵素と補酵素が関与する酵素反応の基質とな
る対象物質濃度を、高精度にかつ短時間で簡便に定量が
可能なバイオセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、血液などの生体試料中の特定成分
について、試料の希釈や分離などの前処理を必要としな
い簡便に定量が可能なバイオセンサが実用化されてい
る。ここで、バイオセンサもしくは酵素電極とは、電極
系と酵素等を一体化したものであり、酵素反応における
基質の濃度を電子メディエータ等の酸化還元反応を介し
て電極により電気信号として検出するものである。
【0003】前記バイオセンサの一例を以下に示す。ま
ず代表的な例として、スクリーン印刷による電極系と酸
化還元酵素、電子メディエータ、親水性高分子との組合
せからなるバイオセンサ(例えば、特公平8−2040
0号)が挙げられる。ここではバイオセンサ作製の際、
電極系に酵素等を一体化させる作業としては、まず親水
性高分子層を電極表面に構成してから、酵素や電子メデ
ィエータなどを電極表面の該親水性高分子層中に物質毎
に溶液状にして滴下および乾燥を順次繰り返し、層を重
ねて形成している。これは複雑な工程を繰り返すので作
製に手数がかかり、簡易性に欠ける。
【0004】次に、多孔性膜を使用したバイオセンサ
(特開平8−304329号)が挙げられ、これは脱水
素酵素、NAD+もしくはNADP+、電子メディエータ
としてフェノチアジンを多孔性膜に吸着させグラッシー
カーボン電極上に装着したバイオセンサである。ここで
は、独立した電極であるグラッシーカーボンを作用極と
して用いており、電極系が一体化されていないため小型
化が困難である。
【0005】また、乳酸脱水素酵素(LDH)、NAD
+、電子メディエータを固定化したスクリーンプリント
カーボン電極型乳酸センサ(Analytica Chimica Acta,
Vol.304, p.17 (1995))は、LDH、NAD+、電子メ
ディエータとしてメルドラブルーをセルロースアセテー
トによりスクリーンプリントカーボン電極上に固定化し
た乳酸センサである。これは、作用極のみスクリーン印
刷で作製されているが、対極には白金、参照極には飽和
カロメル電極が使用されており、電極材料および構造が
高価な貴金属であったり独立した電極であるため価格や
小型化への問題がある。
【0006】最後に、LDHを用いたスクリーンプリン
トカーボン電極型乳酸センサ(Analytica Chimica Act
a, Vol.336, p.57 (1996))は、LDHとNAD+の組合
せのみで電子メディエータを使用せずにNADHを電極
で直接酸化させて検出する乳酸センサである。この方法
では、試料中に共存物質として還元性を有する物質が存
在した場合、NADHを酸化させるために印加する電位
によって、それらの還元性物質も酸化してしまう影響が
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のバイ
オセンサでは、電極系の材料、バイオセンサの構造、作
製時の工程について改良、改善の余地が多大に含まれ、
脱水素酵素と補酵素の組合せからなる酵素反応において
基質濃度の定量を簡便に行うには困難な状況にある。そ
こで本発明が解決しようとする課題は、安価で作製が簡
易な電極系を設け、測定対象物質を基質とする脱水素酵
素と補酵素が関与する酵素反応において、必要とする反
応用試薬を該電極系と一体化したバイオセンサを提供す
ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、絶縁性支持体に少なくとも作用極と対極が
対向した構造を有する電極系を設け、該電極系の電極間
に生じる反応空間部分に反応用試薬として少なくとも脱
水素酵素、NAD+もしくはNADP+、ならびに電子メ
ディエータが含有された吸収性担体を配置し、その吸収
性担体は試料と反応用試薬との酵素反応および電子メデ
ィエータと電極表面との電極反応の双方の反応層となる
バイオセンサを提供するものである。また本発明のバイ
オセンサは、簡易な印刷手法を用いて電極系を作製し、
酵素反応および電極反応の双方に必要とする反応用試薬
類を吸収性担体に含有させ該電極系と一体化させた構造
とすることから、煩雑な前処理を行うことなく試料を添
加するだけで簡便に電気化学的な定量が実現される。ま
た、吸収性担体を利用することで、試料の添加をスムー
ズにし、かつ一定量の添加も可能になる。以上のような
構成による本発明のバイオセンサは、電極系および反応
用試薬が含有された吸収性担体を一体化することで小型
化が可能となり、特別な機器、技術を用いることなく迅
速に簡便な定量が実現される。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる電極系として
は、導電性物質であれば特に制限はなく、材料について
はイリジウム、オスミウム、カーボン、金、銀、銀/塩
化銀、鉄、銅、ニッケル、白金、白金黒、パラジウム、
ルテニウム、ロジウム等およびそれらの合金を使用でき
る。その中でも種々の材料を検討した結果、カーボン材
料が安価で化学的に安定しており本発明のバイオセンサ
における電極系の作用極として好ましいことを見出し
た。
【0010】ここでのカーボン材料とは、カーボンを含
む材料全般を意味する。利用できるカーボン材料は特に
限定されるものではなく、従来のいわゆるカーボン電極
において使用されているものであれば良く、例えばカー
ボンファイバ、カーボンブラック、カーボンペースト、
グラッシーカーボン、グラファイト等を使用できる。こ
のようなカーボン材料は常套の方法によって絶縁性の支
持体上に電極部分として形成される。通常、カーボン材
料を樹脂バインダー等によりペースト状にしたものをス
クリーン印刷し、それを加熱乾燥することにより形成で
きる。
【0011】絶縁性支持体としては、ガラス、ガラスエ
ポキシ、セラミックス、プラスチック等が挙げられる
が、電極部分の印刷形成の際や、試料の添加の際に侵さ
れない物質であれば特に制限はない。例えばポリエステ
ル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
スチレン、ポリプロピレン等のプラスチックフィルムが
安価であり、さらに導電性インクとの密着性や加工性の
良さから、ここではポリエステルフィルムが好ましいこ
とを見出した。
【0012】印刷方法としては、スクリーン印刷に限定
されることは特になく、その他、グラビア印刷、オフセ
ット印刷、インクジェット印刷等が応用できる。以上の
ように簡易な印刷手法を用いて作用極や対極を形成する
ことと、さらに酵素類、電子メディエータ等を一体化す
ることでバイオセンサの小型化が実現される。なお、バ
イオセンサの小型化に伴い反応用試薬の少量化も可能と
なり、さらに微量の試料で定量も行えるという大きな利
点が挙げられる。
【0013】本発明に用いられる脱水素酵素としては、
NAD+もしくはNADP+を補酵素とする酵素であれば
特に制限はなく、また由来についても特に限定されるこ
とはない。例えば、アラニン脱水素酵素、アルコール脱
水素酵素、アルデヒド脱水素酵素、イソクエン酸脱水素
酵素、ウリジン−5'−ジホスフォ−グルコース脱水素
酵素、ガラクトース脱水素酵素、ギ酸脱水素酵素、グリ
セルアルデヒド−3−リン酸脱水素酵素、グリセロール
脱水素酵素、グリセロール−3−リン酸脱水素酵素、グ
ルコース脱水素酵素、グルコース−6−リン酸脱水素酵
素、グルタミン酸脱水素酵素、コレステロール脱水素酵
素、サルコシン脱水素酵素、ソルビトール脱水素酵素、
炭酸脱水素酵素、乳酸脱水素酵素、3−ヒドロキシ酪酸
脱水素酵素、ピルビン酸脱水素酵素、フルクトース脱水
素酵素、6−ホスフォグルコン酸脱水素酵素、ホルムア
ルデヒド脱水素酵素、マンニトール脱水素酵素、リンゴ
酸脱水素酵素、ロイシン脱水素酵素等が利用できる。ま
た、NAD+もしくはNADP+を補酵素とする脱水素酵
素が関与する酵素反応は数多く存在し様々な分野におけ
る測定方法として有用であり、さらに酸化酵素に比べて
脱水素酵素を利用することで、試料中の溶存酸素の影響
を回避できるという利点もある。
【0014】本発明において電子メディエータとは、酵
素反応の結果生成されたNADHもしくはNADPHに
より電気化学的に還元され、電極において酸化される物
質であれば特に制限はない。例えば、キノン類、シトク
ロム類、ビオロゲン類、フェナジン類、フェノキサジン
類、フェノチアジン類、フェリシアン化物、フェレドキ
シン類、フェロセンおよびその誘導体等を使用できる。
その中でもフェナジン類がここでは応答の安定性が見ら
れ、特に1−メトキシ−5−メチルフェナジニウムメチ
ルサルフェート(1−メトキシ PMS)が試薬反応層
での保存安定性、電極反応の応答の安定性が高かったこ
とから本発明における電子メディエータとして好ましい
ことを見出した。
【0015】また、NADHを電極で直接酸化させる方
法に比べて、電子メディエータを使用する方法は、高い
印加電位を必要とせず、その電位の領域において試料中
の妨害物質である還元性の物質を酸化してしまう影響も
ない。さらに、電池により駆動する携帯型もしくは小型
センサでは、高い印加電位を必要とする場合、消費電力
が大きくなり電池寿命が短縮されてしまう欠点がある。
【0016】本発明において種々の反応層である吸収性
担体とは、前記電極系に接触して反応用試薬を保持し、
かつ該試薬が試料中の測定対象物質と酵素反応を進行さ
せる層を意味しており、少なくとも脱水素酵素、NAD
+もしくはNADP+、ならびに電子メディエータを含有
するものである。さらに酵素反応および電子メディエー
タと電極表面との電極反応の結果として、電気化学的に
応答電流を測定できる層を意味する。この反応層の作製
にあたっては、従来用いられる様々な方法が応用でき
る。
【0017】例えば、試薬溶液を電極上に滴下後乾燥さ
せたり、多孔体であるナイロン不織布等に吸収後乾燥さ
せ電極上に装着する方法がある。その中でも種々の方法
を検討した結果、吸収性担体として高分子材料等を使用
し、各試薬を単独あるいは混合して滴下後乾燥させる
か、あるいは試薬溶液中に浸漬後乾燥させることによっ
て得られたものを、前記電極系の少なくとも作用極と対
極からなる電極間に生じる電極反応部分に配置する構造
で反応層を形成することが、本発明における測定で好ま
しいことを見出した。
【0018】すなわちこの吸収性担体による反応層を用
いることで、試料の添加が吸収性担体の持つ吸収性の性
質から、特別な器具を用いることなく一定量の試料をす
みやかに添加することが可能となる。また、バイオセン
サ製造の際も電極反応部分に直接、加工等の操作を加え
ることなく簡易な作製が可能である。
【0019】前記の吸収性担体としては、溶液を吸収で
きる材質であり親水性であれば特に制限はない。例え
ば、ガラス繊維、シリカ繊維、セルロース繊維等の繊維
類、およびカルボキシメチルセルロース、ジエチルアミ
ノエチルセルロース、セルロースアセテート、セルロー
ス混合エステル、ナイロン不織布、ニトロセルロース、
ポリエーテルスルホン、ポリエステル不織布、ポリテト
ラフルオロエチレン(PTFE)、ポリプロピレン等が
使用できる。その中でもセルロース繊維が、酵素、NA
+もしくはNADP+、ならびに電子メディエータを含
有させた際に、各物質の機能性が低下することなく安定
であり、応答検出時に妨害される影響も見られなく、高
精度な定量が可能になったことから、本発明におけるバ
イオセンサの吸収性担体として好ましいことを見出し
た。
【0020】
【実施例】 以下に、本発明の一実施例について具体的
に説明する。 実施例1 電極および吸収性担体の作製 第1図は、バイオセンサの一実施例について示したもの
で、構成部分の分解図である。
【0021】ポリエステルフィルム(ダイアホイルヘキ
スト(株)製)の絶縁性支持体1に導電性グラファイト
インク(日本アチソン(株)製)を用いて作用極2を、
導電性銀/塩化銀インク(日本アチソン(株)製)を用
いて対極3をスクリーン印刷し、加熱乾燥(60℃、1
時間)した。次に、両極の一部分に絶縁性塗料(日本ア
チソン(株)製)を用いて絶縁層4を形成し加熱乾燥
(60℃、1時間)することにより電極系を印刷形成し
た。
【0022】セルロース繊維(アドバンテック東洋
(株)製)からなる吸収性担体5に、種々の基質に対応
した脱水素酵素、補酵素としてNAD+もしくはNAD
+(オリエンタル酵母(株)製)、電子メディエータ
として1−メトキシ PMS((株)同仁化学研究所
製)をホウ酸緩衝溶液(pH8.0,20mM)に溶解
して反応用試薬混合溶液を調製し、それを吸着させて乾
燥後(40℃、15分間)、反応用試薬が含有された吸
収性担体5を得た。対向させた作用極2と対極3からな
る電極系の電極間に生じる電極反応部分に、反応層とし
て反応用試薬が含有された吸収性担体5を配置してバイ
オセンサとした。
【0023】実施例2 D−グルコースの定量 D−グルコースを含む全血を試料として実施例1で作製
したバイオセンサを用いて測定した結果を第2図に示
す。反応用試薬混合溶液にはD−グルコース脱水素酵素
(GDH:EC 1.1.1.47)(東洋紡績(株)
製)を付加して吸収性担体5を作製した。なお、一測定
あたりにおける反応用試薬の終濃度をここでは、GDH
は10U、NAD+は20mM、1−メトキシ PMS
は0.5mMとした。試料を該センサの吸収性担体5の
端面に5μl添加し、60秒後に対極を基準にここでは
0mVの電位を印加(北斗電工(株)製 HZ−300
0)して、応答電流値を測定した(北斗電工(株)製
HZ−3000)。
【0024】試料が反応層である吸収性担体5に導入さ
れると、含有された反応用試薬のGDH、NAD+、1
−メトキシ PMSが溶解する。試料中のD−グルコー
スはGDHとNAD+の酵素反応によってグルコノラク
トンが生成され、NAD+はNADHに還元されてそれ
に伴い電子移動により1−メトキシ PMSが還元され
る。続いて、前記の電位印加により還元型の1−メトキ
シ PMSの酸化電流が得られ、この電流値が基質であ
るD−グルコース濃度に依存する。本結果から、D−グ
ルコースの濃度が0〜20mMの範囲で直線的なきわめ
て良好な応答が得られた。
【0025】実施例3 L−乳酸の定量 実施例2と同様に、L−乳酸を含む標準溶液を試料とし
て実施例1で作製したバイオセンサを用いて測定した結
果を第3図に示す。なお、一測定あたりにおける反応用
試薬の終濃度をここでは、L−乳酸脱水素酵素(LD
H:EC 1.1.1.27)(東洋紡績(株)製)は
5U、NAD+は50mM、1−メトキシ PMSは
0.5mMとした。試料を該センサに5μl添加し、1
20秒後に対極を基準にここでは−220mVの電位を
印加して、応答電流値を測定した。試料が反応層である
吸収性担体5に導入されると、試料中のL−乳酸はLD
HとNAD+の酵素反応によってピルビン酸が生成さ
れ、その後の電極反応によって還元型の1−メトキシ
PMSの酸化電流値から基質であるL−乳酸濃度を求め
た。本結果から、L−乳酸の濃度が0〜10mMの範囲
で直線的なきわめて良好な応答が得られた。
【0026】実施例4 エタノールの定量 実施例2、3と同様に、エタノールを含む標準溶液を試
料として実施例1で作製したバイオセンサを用いて測定
した結果を第4図に示す。なお、一測定あたりにおける
反応用試薬の終濃度をここでは、アルコール脱水素酵素
(ADH:EC 1.1.1.1)(シグマ アルドリ
ッチ ジャパン(株)製)は5U、NAD+は20m
M、1−メトキシ PMSは0.5mMとした。試料を
該センサに5μl添加し、60秒後に対極を基準にここ
では−130mVの電位を印加して、応答電流値を測定
した。試料中のエタノールはADHとNAD+の酵素反
応によってアセトアルデヒドが生成され、その後の電極
反応によって還元型の1−メトキシ PMSの酸化電流
値から基質であるエタノール濃度を求めた。本結果か
ら、エタノールの濃度が0〜1.5mMの範囲で直線的
なきわめて良好な応答が得られた。
【0027】実施例5 コレステロールの定量 実施例2〜4と同様に、コレステロールを含む標準溶液
を試料として実施例1で作製したバイオセンサを用いて
測定した結果を第5図に示す。なお、一測定あたりにお
ける反応用試薬の終濃度をここでは、コレステロール脱
水素酵素(CDH)(天野製薬(株)製)は7U、NA
+は10mM、1−メトキシ PMSは1mMとし
た。試料を該センサに5μl添加し、60秒後に対極を
基準に−150mVの電位を印加して、応答電流値を測
定した。試料中のコレステロールはCDHとNAD+
酵素反応によってコレステノンが生成され、その後の電
極反応によって還元型の1−メトキシ PMSの酸化電
流値から基質であるコレステロール濃度を求めた。本結
果から、コレステロールの濃度が0〜4mMの範囲で直
線的なきわめて良好な応答が得られた。
【0028】実施例6 D−ガラクトースの定量 実施例2〜5と同様に、D−ガラクトースを含む標準溶
液を試料として実施例1で作製したバイオセンサを用い
て測定した結果を第6図に示す。なお、一測定あたりに
おける反応用試薬の終濃度をここでは、D−ガラクトー
ス脱水素酵素(GalDH:EC 1.1.1.48)
(ベーリンガー・マンハイム(株)製)は1U、NAD
+は5mM、1−メトキシ PMSは0.5mMとし
た。試料を該センサに5μl添加し、30秒後に対極を
基準に−100mVの電位を印加して、応答電流値を測
定した。試料中のD−ガラクトースはGalDHとNA
+の酵素反応によってガラクトノラクトンが生成さ
れ、その後の電極反応によって還元型の1−メトキシ
PMSの酸化電流値から基質であるD−ガラクトース濃
度を求めた。本結果から、D−ガラクトースの濃度が0
〜2mMの範囲で直線的なきわめて良好な応答が得られ
た。
【0029】実施例7 L−ロイシンの定量 実施例2〜6と同様に、L−ロイシンを含む標準溶液を
試料として実施例1で作製したバイオセンサを用いて測
定した結果を第7図に示す。なお、一測定あたりにおけ
る反応用試薬の終濃度をここでは、L−ロイシン脱水素
酵素(LeuDH:EC 1.4.1.9)(東洋紡績
(株)製)は1U、NAD+は5mM、1−メトキシ
PMSは0.5mMとした。試料を該センサに5μl添
加し、60秒後に対極を基準に−160mVの電位を印
加して、応答電流値を測定した。試料中のL−ロイシン
はLeuDHとNAD+の酵素反応によってケトイソカ
プロン酸が生成され、その後の電極反応によって還元型
の1−メトキシ PMSの酸化電流値から基質であるL
−ロイシン濃度を求めた。本結果から、L−ロイシンの
濃度が0〜2mMの範囲で直線的なきわめて良好な応答
が得られた。
【0030】なお、前記実施例では作用極と対極のみの
2電極系であったが、参照極を加えた3電極系を用いれ
ば、より正確な測定が可能となる。
【0031】
【発明の効果】本発明のバイオセンサは、少なくとも作
用極と対極が対向した構造をもつ電極系に加えて該電極
間の反応空間部分に種々の脱水素酵素と補酵素等からな
る反応用試薬が含有された酵素反応および電極反応の双
方の反応層となる吸収性担体を配置する構造を有するも
のである。しかも本発明のバイオセンサは容易に作製で
きる。本発明のバイオセンサによれば、煩雑な前処理を
必要とせずに試料を吸収性担体に添加するだけで脱水素
酵素と補酵素が関与する酵素反応における基質の濃度
を、高精度にかつ短時間で簡便に定量することができ
る。さらに、本発明のバイオセンサは、電極系および反
応用試薬が含有された吸収性担体を一体化することで小
型化が可能となり、特別な機器、技術を用いることなく
迅速に簡便な定量が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例におけるバイオセンサの構
成部分の分解図である。
【図2】 実施例2におけるD−グルコースに対する応
答の結果を示すグラフである。
【図3】 実施例3におけるL−乳酸に対する応答の結
果を示すグラフである。
【図4】 実施例4におけるエタノールに対する応答の
結果を示すグラフである。
【図5】 実施例5におけるコレステロールに対する応
答の結果を示すグラフである。
【図6】 実施例6におけるD−ガラクトースに対する
応答の結果を示すグラフである。
【図7】 実施例7におけるL−ロイシンに対する応答
の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1・・・絶縁性支持体 2・・・作用極 3・・・対極 4・・・絶縁層 5・・・吸収性担体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横山 徹 北海道札幌市北区新川2条2丁目12−20 株式会社札幌イムノ・ダイアグノスティッ ク・ラボラトリー内 (72)発明者 篠塚 直樹 北海道札幌市北区新川2条2丁目12−20 株式会社札幌イムノ・ダイアグノスティッ ク・ラボラトリー内 Fターム(参考) 2G045 CA25 CB03 CB07 CB12 DA31 FA34 FB01 FB05 GC20 HA09 HA14

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性支持体に導電性材料を用いて形成
    された電極系において、少なくとも作用極と対極からな
    る該電極系の電極間に、反応用試薬が含有された吸収性
    担体を配置する構造を特徴とし、該吸収性担体は試料と
    反応用試薬ならびに該電極系との反応層となることを特
    徴とするバイオセンサ。
  2. 【請求項2】 少なくとも作用極と対極から構成される
    前記電極系において、該電極を対向させる構造を特徴と
    する請求項1記載のバイオセンサ。
  3. 【請求項3】 少なくとも作用極と対極を対向させて構
    成される前記電極系において、該電極系は導電性材料を
    用いて印刷手法によって形成されることを特徴とし、該
    作用極には主にカーボンからなる材料を用いることを特
    徴とする請求項1または2記載のバイオセンサ。
  4. 【請求項4】 前記吸収性担体に含有される反応用試薬
    が、少なくとも脱水素酵素、補酵素として酸化型ニコチ
    ンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)もしくは
    酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸
    (NADP+)、ならびに電子メディエータであること
    を特徴とする請求項1記載のバイオセンサ。
  5. 【請求項5】 少なくとも作用極と対極からなる前記電
    極系において、該電極間に配置される反応用試薬が含有
    された前記吸収性担体は、試料と反応用試薬との酵素反
    応および電子メディエータと電極表面との電極反応の双
    方の反応層となることを特徴とする請求項1または4記
    載のバイオセンサ。
  6. 【請求項6】 反応用試薬が含有され酵素反応および電
    極反応の反応層となる前記吸収性担体は、親水性である
    ことを特徴とする請求項1、4または5記載のバイオセ
    ンサ。
  7. 【請求項7】 反応用試薬が含有され酵素反応および電
    極反応の反応層となる前記吸収性担体は、少なくとも作
    用極と対極を対向させて構成される前記電極系によって
    外界からの接触に対する部分的な保護がされており、該
    電極系が吸収性担体の少なくとも保護層となる構造を特
    徴とする請求項1、2、4または5記載のバイオセン
    サ。
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