JP2000034639A - 補強用繊維シート - Google Patents

補強用繊維シート

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JP2000034639A
JP2000034639A JP10216438A JP21643898A JP2000034639A JP 2000034639 A JP2000034639 A JP 2000034639A JP 10216438 A JP10216438 A JP 10216438A JP 21643898 A JP21643898 A JP 21643898A JP 2000034639 A JP2000034639 A JP 2000034639A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】樹脂含浸性が良く遇角部にも良く沿う、作業性
に優れた高耐力の補強用繊維シートを提供する。 【解決手段】タテ糸に補強用繊維を用い、ヨコ糸に前記
タテ糸より細い繊度の糸を用いて製織された補強用繊維
シートにおいて、 x=(タテ糸カバーファクター)=〔タテ糸繊度(デニ
ール)〕1/2 ×〔タテ糸密度(本/cm)〕、 y=(ヨコ糸カバーファクター)=〔ヨコ糸繊度(デニ
ール)〕1/2 ×〔ヨコ糸密度(本/cm)〕、 としたとき、xとyとの関係が下記(1)および(2)
式を満足することを特徴とする補強用繊維シート。 (−0.09)x+183≧y≧(−0.09)x+1
37 …(1) 450≦x≦950
…(2)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は補強用繊維シートに
関し、さらに詳細には、高架の鉄道や高速道路などの橋
脚や梁などの土木コンクリート構造物、建物の柱、およ
び壁などを補強する補強用繊維シートに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】鉄道の高架橋や、高速道路の高架橋な
ど、コンクリート製の土木建築物が多数存在するが、地
震による破壊、交通量の増加による耐久性の改善などの
問題がある。
【0003】また、耐震性が十分であっても、コンクリ
ートの乾燥収縮や外的圧力によって、ひび割れや部分的
に剥落したものが多数存在し、これらの補修も実施され
ている。コンクリート構造物の補強、補修方法は、対象
となる鉄道高架などのコンクリート製の柱を鋼板で覆う
方法、アラミド繊維や炭素繊維などの補強用繊維シート
をコンクリート面に張り付け、もしくは巻き付けて補
強、補修する方法などがある。
【0004】鋼板で覆う方法は、重い鋼板を扱うため、
施工には重機や頑丈な足場が必要である。また、溶接の
設備や熟練した作業者も必要である。
【0005】アラミド繊維や炭素繊維などの補強用繊維
シートを巻き付ける方法は、重量物を扱う重機の必要が
なく、施工が容易であり、狭いところでの施工も容易
で、また工期が短縮できるなどの利点がある。
【0006】繊維シートによる補強、補修方法は、引張
強力が高い補強用繊維シートを、エポキシ樹脂によって
コンクリートの表面に接着させることにより行われる。
繊維として、炭素繊維やアラミド繊維が一般に用いられ
ている。その際、エポキシ樹脂は繊維シートをコンクリ
ートに接着させるだけでなく、繊維シートに含浸し、シ
ートの強度を向上させ、さらに繊維シートの強度をコン
クリートに伝える媒体としての役割を果たす。
【0007】補強用繊維シートをコンクリート柱に巻き
付ける場合、必要な耐力を得るために補強用繊維シート
の重ね巻きを行う。この場合、たとえば、3層巻きする
よりも、その3倍の耐力の補強用繊維シートを用いて巻
き付け補強をすれば、巻き付け作業時間は1/3に短縮
され、工期の短縮、工事のコストダウンなどの利点があ
る。最近では、100トン/m以上の耐力の補強用繊維
シートも望まれている。このように、補強用繊維シート
においては、高い耐力のシートが望まれるが、高い耐力
にするには、単位幅あたりの繊維量、すなわちトータル
繊度を多くしなければならない。その手段として、繊維
集合体としてのヤーンの太さを太くするか、単位幅あた
りのヤーンの本数を増加する手段がとられるが、いずれ
も補強用繊維シートの曲げ硬さを増加し、また樹脂含浸
性を阻害する要因である。曲げ硬さの増加は、補強用繊
維シートの、コンクリート構造物の遇角部への密着性を
低下させるとともに、樹脂含浸性は作業効率に影響す
る。
【0008】高架橋柱の場合、そのサイズは、一辺が7
0cm、高さが5m程度の角柱である。作業に先立ち、
隅角部は削って半径10mm以上に調整されるが、使用
する繊維シートは隅角部にぴったりと添う必要がある。
補強用繊維シートが隅角部で浮き上がると、貼り付ける
面と補強用繊維シートの間に空気層ができ、樹脂による
接着を阻害するばかりか、補強効果を十分に発揮するこ
とができない。そのため、スクレーパーなどで補強用繊
維シートを上から押さえて、貼り付ける面に補強用繊維
シートを密着させるが、使用する補強用繊維シートの曲
げ硬さが大であると、空気層ができやすく、作業性を著
しく阻害する。
【0009】特開平5−332031号公報には、多数
本の炭素繊維に樹脂を含浸させることにより、一方向に
配列した補強用繊維シートを、柱に一層ずつ巻き付ける
方法が提案されている。樹脂を含浸した補強用繊維シー
トは、繊維のみの場合にくらべ曲げ硬さが高くなる。特
に補強用繊維シートの耐力を高くする場合は、繊維量が
多く必要で曲げ硬さは増加し、遇角部への密着性に問題
を生じる。
【0010】特開平6−288099号公報には、補強
用繊維の繊度を高くして布状に製織し、これをコンクリ
ート構造物に巻き付けて、含浸させた樹脂を固化する方
法が提案されている。上記の公開公報には、補強用繊維
シートは平織りで製織されたものが例示されているが、
タテヨコ糸の本数の比率については何ら述べられていな
い。しかしながら、一般的に、平織りはタテ、ヨコ糸そ
れぞれが互いに相手を高度に拘束する織物組織であるた
め、曲げ硬さの高い織物となり、樹脂の含浸性が悪くな
る。特に補強用繊維の繊度を高くした場合この傾向が顕
著となる。
【0011】特開平8−218645号公報には、長さ
方向にコンクリートより引っ張り強度が大きい繊維を、
幅方向に長さ方向より高い引っ張り弾性率の繊維を用い
て編織した補強用テープが提案されているが、補強用繊
維シートの耐力を高くした場合に問題となる曲げ硬さの
改善方法や、樹脂含浸性の改善方法について具体的に述
べられていない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、樹脂含浸性
が良く遇角部にも良く沿う、作業性に優れた高耐力の補
強用繊維シートを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】下記の様な補強用繊維シ
ートを採用することにより、上記の問題を解決すること
ができる。 (1)タテ糸に補強用繊維を用い、ヨコ糸に前記タテ糸
より細い繊度の糸を用いて製織した補強用繊維シートに
おいて、 x=(タテ糸カバーファクター)=〔タテ糸繊度(デニ
ール)〕1/2 ×〔タテ糸密度(本/cm)〕、 y=(ヨコ糸カバーファクター)=〔ヨコ糸繊度(デニ
ール)〕1/2 ×〔ヨコ糸密度(本/cm)〕、 としたとき、xとyとの関係が下記(1)および(2)
式を満足することを特徴とする補強用繊維シート。
【0014】 (−0.09)x+183≧y≧(−0.09)x+137 …(1) 450≦x≦950 …(2) (2)耐力が40トン/m以上であることを特徴とする
前記(1)記載の補強用繊維シート。
【0015】(3)耐力が100トン/m以上であるこ
とを特徴とする前記(1)記載の補強用繊維シート。
【0016】(4)前記補強用繊維が、引張強度18g
/デニール以上のものであることを特徴とする前記
(1)〜(3)のいずれかに記載の補強用繊維シート。
【0017】(5)ヨコ糸の繊度がタテ糸の繊度の1/
5以下であることを特徴とする前記(1)〜(4)のい
ずれかに記載の補強用繊維シート。
【0018】(6)前記補強用繊維が、パラ系アラミド
繊維からなることを特徴とする前記(1)〜(5)のい
ずれかに記載の補強用繊維シート。
【0019】(7)パラ系アラミド繊維が、ポリパラフ
ェニレンテレフタルアミド繊維であることを特徴とする
前記(6)に記載の補強用繊維シート。
【0020】(8)前記(1)における(2)式が、8
00≦x≦950であることを特徴とする前記(1)〜
(7)のいずれかに記載の補強用繊維シート。
【0021】
【発明の実施の形態】コンクリート表面に補強用繊維シ
ートを貼り付ける手順として、先ず、コンクリート表面
を適当にはつり、研磨等によって表面の脆弱な層を取り
除き、また、場合によっては隅角部を削り、適度に丸め
たり、窪んだ部分にパテ等を充填して不陸調整を行う。
このような下地処理を行った後、コンクリートの表面に
プライマーと呼ばれる樹脂を塗布し、乾燥させる。プラ
イマーは、通常、繊維シートに含浸させる樹脂と同種類
の樹脂を使用する。従って、エポキシ樹脂を含浸樹脂と
して使用する場合には、コンクリートに浸透しやすいよ
うに、粘度等を調整されたエポキシ樹脂がプライマーと
して用いられる。コンクリート表面にプライマーが塗布
され、十分に乾燥させたのち、含浸樹脂であるエポキシ
樹脂がその上に塗布される。塗布後、あらかじめ必要と
する長さ、たとえばコンクリート柱の場合、周長に継ぎ
手長さ20cmを加えた長さに切断した補強用繊維シー
トをタテ糸の方向が周長方向になるように直ちに貼り付
け、ローラーなどを用いて、樹脂を十分に繊維シートに
含浸させる。補強用繊維シートの巾は、10cmから5
0cmのものが一般に用いられる。
【0022】下塗り樹脂が十分含浸したことを確認した
後、同じ樹脂を用いて、上塗りを行う。補強用繊維シー
ト全面に均一にエポキシ樹脂を塗布した後、樹脂が完全
に硬化するまで、養生をしておく。補強の程度によって
は、補強用繊維シートを何層も重ねて貼り付けする。そ
の際は上記の工程を繰り返す。最上層のシート貼り付け
が終了し、表面のエポキシ樹脂が完全に硬化したことを
確認したら、仕上げとして、耐久性、耐火性を向上させ
るため、表面をフッ素樹脂やアクリル樹脂塗装する。場
合によってはモルタル塗装する。
【0023】本発明の補強用繊維シートは、シートの長
さ方向に平行に配置されるタテ糸に、好ましくは引張強
度18g/デニール以上の補強用繊維を配置し、シート
の幅方向に平行に配置されるヨコ糸には、前記タテ糸よ
り細い繊度の糸、好ましくはタテ糸繊度の1/5以下の
太さの糸を用いて製織された織物である。
【0024】タテ糸方向に補強効果を発揮させるため
に、補強繊維は大部分タテ糸として配置される。ヨコ糸
はタテ糸をシート状に保持するための役割りをする。補
強用繊維シートに必要な柔軟性と樹脂含浸性を持たせる
ために、タテ糸とヨコ糸とは次の一定の関係を存在させ
ることが重要である。すなわち、その関係は次の通りで
ある。
【0025】x=(タテ糸カバーファクター)、y=
(ヨコ糸カバーファクター)とすると、 (−0.09)x+183≧y≧(−0.09)x+1
37 である。ただし、 タテ糸カバーファクター=〔タテ糸繊度(デニール)〕
1/2 ×〔タテ糸密度(本/cm)〕、 ヨコ糸カバーファクター=〔ヨコ糸繊度(デニール)〕
1/2 ×〔ヨコ糸密度(本/cm)〕で定義される。
【0026】y>(−0.09)x+183の場合は、
タテ糸がヨコ糸によって必要以上に拘束され、樹脂含浸
性が低下する。Y<(−0.09)x+137の場合
は、ヨコ糸のタテ糸に対する拘束力が不足し、取り扱い
の間にタテ糸が目ずれをおこす。
【0027】ヨコ糸の繊度はタテ糸繊度の1/5以下と
するのがよい。ヨコ糸の繊度がタテ糸繊度の1/5より
大きくなると、ヨコ糸のタテ糸に対する拘束割合が高く
なるため、補強用繊維シートの曲げ硬さが高くなり、柔
軟性の低下と樹脂含浸性が低下してくる。
【0028】タテ糸のカバーファクター(x)は、45
0≦x≦950であり、800≦x≦950が好まし
く、850≦x≦950がより好ましい。x<450の
場合補強用繊維シートとして十分な引張り強度が得られ
ない。x>950の場合はタテ糸の充填度が高く、製織
が難しくなる。
【0029】本発明の補強用繊維シートの耐力は、40
トン/m以上が好ましい。それより小さいと、コンクリ
ート柱等の補強において、巻き付け層数が多く合理的で
ない。
【0030】補強用繊維の強度は、18g/デニール以
上であることが好ましい。18g/デニールより小さい
と、補強用繊維シートとして十分な耐力が得られにくく
なる。
【0031】本発明に用いられる補強用繊維の繊度は、
1000デニール以上が好ましい。1000デニールよ
り小さいと、補強用繊維シートとして40トン/m以上
の耐力が得にくくなる。
【0032】補強用繊維を構成する単糸の繊度は0.2
から6デニールが好ましい。単糸繊度が0.2デニール
より小さいと、補強用繊維シートの製織時に毛羽が発生
しやすくなり、また単糸繊度が6デニールを越えると、
補強用繊維シートとしての柔軟性が損なわれてくる。
【0033】本発明に用いられる補強用繊維は、炭素繊
維、ガラス繊維、アラミド繊維、PBO繊維、全芳香族
ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維などを選定できる
が、柔軟性の優れたアラミド繊維が好ましい。中でも強
度の高いパラ系アラミド繊維が好ましく、たとえば、ポ
リパラフェニレンテレフタルアミド繊維や、コポリパラ
フェニレン−3,4’オキシジフェニレンテレフタルア
ミド繊維が特に好ましい。
【0034】ヨコ糸はポリエステル繊維、ナイロン繊維
などが挙げられるが、特に湿度による寸法変化の少ない
ポリエステル繊維が好ましい。
【0035】100トン/m以上の高耐力の補強用繊維
シートを得るためにはx≧800とすることが好まし
い。
【0036】また、本発明の補強用繊維シートは、織物
組織は平織、綾織、朱子織などが適用され、特に制限は
ないが、模紗織り組織で製織されたものが好ましい。模
紗織り組織の例としては、例えば図3、図4に示すよう
なものである。 [測定方法] (1)樹脂含浸性:ショーボンド化学(株)製のエポキ
シ樹脂・AE−Wの主剤と硬化剤を2:1に混合し、補
強用繊維シートの目付重量と同重量の樹脂を下塗りし、
その上に補強用繊維シートを張り付けスクレーパーで補
強用繊維シートに樹脂を良く含浸させた後、400g/
2 の樹脂で上塗りをする。このときコンクリート面と
補強用繊維シートとの間に1個/1m2 以上の空気層の
できたものを、含浸性不良と判定した。 (2)曲げ硬さ:直径20mmの金属棒2本の中心線と
の間の距離が5cmとなるように間隔をあけて並行に配
置された支持体と、支持体と並行に配置され、二本の支
持体の中央部を垂直に上下できる直径20mmの圧子と
からなる、3点曲げ試験器と同様の形状の曲げ硬さ試験
器(図5参照)を用いた。圧子はインストロン型引張試
験器の圧縮セルに接続されている。曲げ硬さ試験器の支
持体と圧子の間に、30×30(cm)の試験片を置
き、10mm/minの速度で降下させて、試験片のタ
テ糸方向の最大曲げ応力を測定し、幅1cmあたりの曲
げ応力に換算して曲げ硬さとし、n=5の平均値で表し
た。
【0037】曲げ硬さ36g/cm以上の補強用繊維シ
ートは、コンクリート柱の半径10mmの偶角部へのシ
ートの密着性が不良となり、コンクリートと繊維シート
の間に空気層ができて好ましくない。 (3)目ずれ:直径0.8mmの針金で作ったフックを
取り付けた重さ300gの錘を用意する。補強用繊維シ
ートを、タテ糸方向に20cmの長さに切り取って試験
片とする。試験片のタテ糸が水平になるように試験片の
一片を固定して垂直に垂らし、錘のフックをタテ糸とタ
テ糸の間に差し込む。10秒間放置後、錘によって開い
たタテ糸間の距離を読みとり、n=5の平均値を目ずれ
長さとする(図2参照)。目ずれ長さ6mm以上を”目
ずれ大”と判定する。 (4)シート耐力:ショーボンド化学(株)製のエポキ
シ樹脂・AE−Wの主剤と硬化剤を2:1に混合し、補
強用繊維シートの目付重量と同重量の樹脂をポリエチレ
ンフィルム等に下塗りし、その上に補強用繊維シートを
張り付け繊維シートに樹脂を良く含浸させた後、400
g/m2 の樹脂で上塗りをする。樹脂が硬化後、上記フ
ィルムをはがして樹脂含浸試験片とする。
【0038】JIS K 7073−1988に準拠し
て、樹脂含浸試験片の破断強さを測定し、幅1mあたり
に換算してシート耐力とした。
【0039】
【実施例】実施例1〜3、比較例1、2 タテ糸に東レ・デュポン(株)製のパラ系アラミド繊維
(登録商標”ケブラー”)7200デニール、引張強度
22g/デニール、引張弾性率850g/デニール、ヨ
コ糸に東レ(株)製のポリエステル繊維を用いて、織物
組織:模紗織(図3参照)で幅30cmの補強用繊維シ
ートを製織した。結果を表1に示す。
【0040】実施例1〜3は、耐力132トン/mの、
曲げ硬さ、樹脂含浸性、目ずれ安定性がともに良好な、
補強用繊維シートとして申し分のないものであった。
【0041】比較例1は目ずれ大で補強用繊維シートと
して適さなかった。比較例2は樹脂含浸性不良でかつ、
曲げ硬さが高く偶角部への密着性に問題があった。 実施例4〜8、比較例3〜5 タテ糸の太さを変更した他は、実施例1と同様の方法で
の補強用繊維シートを製織した。実施例4〜8は、曲げ
硬さ、樹脂含浸性、目ずれ安定性がともに良好な、補強
用繊維シートとして申し分のないものであった。
【0042】比較例3は、タテ糸に対しヨコ糸の太さの
割合いが大きすぎるため、タテ糸に対するヨコ糸の拘束
割合が高く、樹脂含浸不良である。比較例4、5は、そ
れぞれ目ずれ大、樹脂含浸不良であった。結果を表2に
示す。
【0043】図1はこれらの結果から得られたタテ糸カ
バーファクターとヨコ糸カバーファクターの関係を示し
たグラフである。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】本発明の補強用繊維シートは、高耐力で
あってもタテ糸カバーファクターとヨコ糸カバーファク
ターの適切な配分により柔軟性に富み、目ずれがなく、
樹脂含浸性の良い、コンクリート補強用繊維シートであ
る。それ故、高架の鉄道や高速道路等の橋脚や梁などの
土木コンクリート構造物、建物の柱、および壁などの補
強用繊維シートとして利用価値の極めて高いものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】タテ糸カバーファクターとヨコ糸カバーファク
ターの関係を示すグラフである。
【図2】目ずれ測定方法の説明図である。
【図3】模紗織組織の一例を示す織物組織図である。
【図4】模紗織組織の他の一例を示す織物組織図であ
る。
【図5】曲げ硬さ試験器の説明図である。
【符号の説明】
1:支持体 2:圧着子 3:タテ糸 4:ヨコ糸
フロントページの続き Fターム(参考) 2E164 AA05 BA06 CA17 EA05 2E176 AA02 AA04 BB29 4L048 AA20 AA25 AC09 BA02 BA07 CA01 DA30 DA41

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タテ糸に補強用繊維を用い、ヨコ糸に前記
    タテ糸より細い繊度の糸を用いて製織された補強用繊維
    シートにおいて、 x=(タテ糸カバーファクター)=〔タテ糸繊度(デニ
    ール)〕1/2 ×〔タテ糸密度(本/cm)〕、 y=(ヨコ糸カバーファクター)=〔ヨコ糸繊度(デニ
    ール)〕1/2 ×〔ヨコ糸密度(本/cm)〕、としたと
    き、xとyとの関係が下記(1)および(2)式を満足
    することを特徴とする補強用繊維シート。 (−0.09)x+183≧y≧(−0.09)x+137 …(1) 450≦x≦950 …(2)
  2. 【請求項2】耐力が40トン/m以上であることを特徴
    とする請求項1記載の補強用繊維シート。
  3. 【請求項3】耐力が100トン/m以上であることを特
    徴とする請求項1記載の補強用繊維シート。
  4. 【請求項4】前記補強用繊維が、引張強度18g/デニ
    ール以上のものであることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれかに記載の補強用繊維シート。
  5. 【請求項5】ヨコ糸の繊度がタテ糸の繊度の1/5以下
    であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    の補強用繊維シート。
  6. 【請求項6】前記補強用繊維が、パラ系アラミド繊維か
    らなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載
    の補強用繊維シート。
  7. 【請求項7】パラ系アラミド繊維が、ポリパラフェニレ
    ンテレフタルアミド繊維であることを特徴とする請求項
    6に記載の補強用繊維シート。
  8. 【請求項8】前記請求項1における(2)式が、800
    ≦x≦950であることを特徴とする請求項1〜7のい
    ずれかに記載の補強用繊維シート。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002070323A (ja) * 2000-08-31 2002-03-08 Chishin Go コンクリート構造物の補強方法及び補強コンクリート構造物
JP2014088652A (ja) * 2012-10-05 2014-05-15 Toyobo Co Ltd 補強用繊維シート
JP6064070B1 (ja) * 2016-06-17 2017-01-18 前田工繊株式会社 コンクリート構造物の補強方法及びその補強構造

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