JP2000033282A - 対面衝突型ジェット粉砕機及びこれを用いて製造される高密度炭化けい素粉体 - Google Patents

対面衝突型ジェット粉砕機及びこれを用いて製造される高密度炭化けい素粉体

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JP2000033282A
JP2000033282A JP10205545A JP20554598A JP2000033282A JP 2000033282 A JP2000033282 A JP 2000033282A JP 10205545 A JP10205545 A JP 10205545A JP 20554598 A JP20554598 A JP 20554598A JP 2000033282 A JP2000033282 A JP 2000033282A
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face
silicon carbide
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type jet
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Shinobu Endo
忍 遠藤
Keichi Takahashi
佳智 高橋
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Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粉砕・分級後の粉体の金属系不純物を低減
し、高純度で高品質の粉体、特にセラミックス粉体、な
かんずく炭化けい素粉体を製造することのできるカウン
タージェットミルを提供すること、またこのカウンター
ジェットミルを使用して製造される、高純度で高品質の
炭化けい素粉体を提供すること。 【解決手段】 少なくとも2つの締結される部材からな
り、かつ少なくとも粉砕タンクの内壁及び分級ローラが
金属系不純物の含有量が少ない樹脂材料で被覆されたカ
ウンタージェットミルであって、前記部材の締結部の表
面の少なくとも粉体が接触する部分に、金属系不純物の
含有量が少ない樹脂材料が被覆されたカウンタージェッ
トミル、及びこのカウンタージェットミルによって製造
され、金属系不純物の総含有量が1ppm以下であり、
平均粒径が1.50〜8.00μmであり、かさ比重が
1.1〜1.9g/cm3 であることを特徴とする炭化
けい素粉体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉体の微粉化と分
級に使用される対面衝突型ジェット粉砕機及びそれを使
用して得られるセラミックス粉体に関する。
【0002】
【従来の技術】非酸化物系セラミックスは難焼結材料で
あり、高密度のセラミックス焼結体を得るには、セラミ
ックス粉体を微粉化し、粉体径のバラツキを小さくする
必要がある。微粉化及び分級機能を有する対面衝突型ジ
ェット粉砕機において、微粉化は粉体同士の衝突により
行われるので、装置内の部品に起因する不純物の混入は
効果的に防止される。そのため、非酸化物系セラミック
スの微粉化と分級には一般的に対面衝突型ジェット粉砕
機が使用されている。しかし、対面衝突型ジェット粉砕
機は耐摩耗性、耐薬品性、耐候性に優れるステンレスに
より構成されているとはいえ、微粉化時あるいは分級時
にセラミックス粉体が衝突することにより、そのステン
レス表面は削られ、削り取られたステンレスは金属不純
物としてセラミックス粉体内に混入してしまう。中でも
炭化ケイ素は高温強度、耐熱性、耐磨耗性、耐薬品性な
どの優れた特性を有するため、炭化ケイ素粉体を焼結す
ることにより得られる焼結体は電子情報機器材料、半導
体製造用材料等に使用されているが、特に半導体製造用
の場合、金属系不純物の混入は厳しく制限しなければな
らない。
【0003】このような問題を解決する手段として、本
発明者らは、特願平09−335816号で対面衝突型
ジェット粉砕機の粉砕タンク内壁、分級ローターにポリ
ウレタン樹脂やポリアセタール樹脂などを被覆すること
によって、炭化けい素粉体とステンレス表面の衝突を回
避し、炭化けい素粉体中の金属不純物の含有率が5pp
m以下にする発明を出願した。一方、近年対面衝突型ジ
ェット粉砕機の大型化やハンドリング面の改善のため
に、個々の部品を締結してなる対面衝突型ジェット粉砕
機が普及しつつあるが、長期間使用した場合、締結部品
間にわずかな隙間が生じ、そこにセラミックス粉体が衝
突することによりステンレス表面が削られ、金属不純物
がセラミックス粉体に混入することが判明した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点に
鑑みなされたもので、その目的は、微粉化・分級後の粉
体内に混入する金属系不純物を低減し、高純度な粉体、
特にセラミックス粉体、なかんずく炭化けい素粉体を製
造することのできる対面衝突型ジェット粉砕機を提供す
ることにあり、またこの対面衝突型ジェット粉砕機を使
用して製造される、高純度な炭化けい素粉体を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は、下記の対面
衝突型ジェット粉砕機およびこれを用いて製造される炭
化けい素粉体を提供することによって解決される。 (1)少なくとも2つの締結される部品からなり、かつ
少なくとも粉砕タンクの内壁及び分級ローターが金属系
不純物の含有量が少ない樹脂材料で被覆された対面衝突
型ジェット粉砕機であって、前記部品の締結部の表面の
少なくとも粉体が接触する部分に、金属系不純物の含有
量が少ない樹脂材料を被覆されている対面衝突型ジェッ
ト粉砕機。 (2)上記の対面衝突型ジェット粉砕機を使用して製造
される炭化けい素粉体であって、金属系不純物の総含有
量が1ppm以下であり、平均粒径が1.50〜8.0
0μmであり、かさ比重が1.1〜1.9g/cm3
ある炭化けい素粉体。上記粉砕タンクの内壁及び分級ロ
ーターが金属系不純物含有量が少ないポリウレタンまた
はポリアセタールで被覆され、上記部品の締結部の表面
の少なくとも粉体が接触する部分が、金属系不純物の含
有量が少ない四フッ化エチレン樹脂で被覆されている対
面衝突型ジェット粉砕機が好ましい。また、上記(2)
の炭化けい素粉体において、90%累積粉径(D90)と
10%累積粉径(D10)との比(D90/D10)の値が4
〜15であるものが好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明の対面衝突型ジェット粉砕機を図を用いて説
明する。図1は、本発明の対面衝突型ジェット粉砕機の
一例の概略図である。図1中、10は本発明の対面衝突
型ジェット粉砕機、12は分級ローター、14は原料投
入口、16はダブルフラップ弁、17は原料供給ダク
ト、18は粉砕ノズル、20は粉砕タンク、22はギャ
ップシール、24は軸リール、26はコンプレッサー、
28はサイクロン、30は粉体回収容器、32は粉体流
出防止用バグフィルターをさす。次に、図1で示される
対面衝突型ジェット粉砕機10を用いて、例えば炭化け
い素粉体を微粉化・分級する工程について説明する。炭
化けい素粉体を製造する際、特に原料や焼成条件を調整
しない場合、得られる炭化けい素粉体の粒径は5〜50
μm程度であるが、この焼成された粉体をジェットミル
10の原料投入口14より投入する。粉体はダブルフラ
ップ弁16を通過して、原料供給ダクト17から、粉砕
ノズル18が対向位置に配置された粉砕タンク20の底
部へと導入される。粉砕タンク20の分級ローター12
の配置部分は、ギャップシール22、軸シール24など
により、気密性を保持しうるようになしてある。ここ
で、粉体はノズル18より噴出する高圧の空気流に乗っ
て加速され、粉砕タンク20内で互いに衝突することに
より粉砕が行われる。空気流は、装置に付属して配置さ
れたコンプレッサー26により加圧され、供給される。
【0007】粉砕され、微粉化された粉体は装置内の上
昇流に乗って、粉砕タンク20の上部に配置された分級
ローター12へと搬送され、分級ローター12の回転力
により、所定の粒径となった時点でローター12を通過
し、サイクロン28へ搬送され、その下部に配置された
回収容器30に補集される。サイクロン28には、粉体
の流出防止用バグフィルター32が接続され、濾過され
た空気が排出される。
【0008】本発明の対面衝突型ジェット粉砕機は、粉
砕タンク20の内壁及び分級ローター22、粉砕ノズル
18などの粉体と接触する部品は、金属系不純物含有量
が少ない樹脂材料で被覆される。本発明において、金属
系不純物の含有量が少ないとは、B、Na、Al、K、
Cr、Fe、Ni、Cu、Zn、Wなどの金属系の不純
物が各10ppm以下のものをいう。このような樹脂材
料としては、例えば、ポリウレタンゴム、ポリアセター
ル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート、アクリ
ル樹脂、シリコンゴム、塩化ビニル樹脂などが挙げられ
る。中でもポリウレタン樹脂及びポリアセタール樹脂が
好ましく用いられる。また、原料粉体を粉砕タンク20
に供給する原料供給ダクト17の金属部分、粉砕タンク
20とサイクロン28とを結ぶ連結部の金属部分や、サ
イクロン28の内部、サイクロンから微粉体を排出する
部分等の、粉砕タンクの内部以外にも、粉体と接触する
部分には、前記の如き金属系不純物を含まない被覆層を
形成することが好ましい。前記被覆層は、1〜15m
m、好ましくは2〜10mmの膜厚に被覆することが望
ましい。
【0009】また、本発明の対面衝突型ジェット粉砕機
は、少なくとも2つの部品が締結されるものであり、締
結される部品の締結部の表面の、少なくとも粉体が接触
する部分に金属系不純物の含有量が少ない樹脂材料が被
覆される。このような材料としては、四フッ化エチレン
樹脂、ポリウレタン樹脂等が使用され、中でも四フッ化
エチレン樹脂が薄膜性、均一性、付着性の点により好ま
しく用いられる。四フッ化エチレン樹脂は、バインダー
を含む溶媒に分散させたものをスプレー塗布等により締
結部に塗布される。塗膜は10〜50μm、好ましくは
20〜40μm厚さに被覆される。締結部の締結機能を
低下させることなく金属系不純物の混入を防止するため
には、30μm程度に被覆すれば効果的である。
【0010】図2に、本発明の、締結される部品からな
る対面衝突型ジェット粉砕機の一例を示す。図2には粉
砕タンクが3つの締結される部品からなる対面衝突型ジ
ェット粉砕機が示されている。すなわち粉砕タンクは、
上部蓋34、タンク中間部36、及び下部タンク38を
有し、これらは各々締結するためのフランジ部を備えて
いる。これらの3つの部品のフランジ同士がボルト等に
より締結されて粉砕タンクが組み立てられる。また、原
料粉体を粉砕タンクに供給する、原料供給ダクト17も
フランジ部により粉砕タンク本体に取りつけられてい
る。これらのフランジ部には、上記のような金属系不純
物の含有量が少ない樹脂材料が被覆される。フランジ全
域に被覆することが好ましい。また、この他に、サイク
ロンの微粉体排出部におけるフランジ45、46も同様
にその表面に金属系不純物の含有量が少ない樹脂材料が
被覆される。
【0011】次に、本発明の装置を使用して微粉化及び
分級を行う炭化けい素について説明する。本発明の炭化
ケイ素粉体は、例えば、液状のケイ素化合物と、酸素を
分子内に含有し、加熱により炭素を生成する液状の有機
化合物(以下、適宜、炭素源と称する)と、少なくとも
有機化合物と均一に溶化する重合又は架橋触媒とを均質
に混合して得られた混合物を、非酸化性雰囲気下で加熱
焼成して製造され、好ましくは、前記液状のケイ素化合
物と炭素源と触媒と、を均質に混合して得られた混合物
を、非酸化性雰囲気下で焼成する焼成工程と、得られた
焼成物を微粉化及び分級する工程とを含む製造方法によ
り得ることができる。
【0012】この炭化ケイ素粉体の製造方法に用いられ
るケイ素源としては、高純度のテトラアルコキシシラ
ン、その重合体、酸化ケイ素から選択される1種以上を
用いる。本発明において酸化ケイ素とは、二酸化ケイ
素、一酸化ケイ素を包含するものとする。ケイ素源とし
ては、具体的には、テトラエトキシシランに代表される
アルコキシシラン、その低分子量重合体(オリゴマ
ー)、及び、さらに重合度が高いケイ酸ポリマー等や、
シリカゾル、微粉体シリカ等の酸化ケイ素化合物が挙げ
られる。アルコキシシランとしては、メトキシシラン、
エトキシシラン、プロポキシシラン、ブトキシシラン等
が例示され、なかでも、ハンドリング性の観点から、エ
トキシシランが好ましく用いられる。ここでオリゴマー
とは重合度2〜15程度の重合体を指す。
【0013】これらケイ素源のなかでも、均質性やハン
ドリング性が良好な観点から、テトラエトキシシランの
オリゴマーや、テトラエトキシシランのオリゴマーと微
粉体シリカとの混合物等が好適である。また、これらの
ケイ素源は用途に応じて高純度の物質を用いることが好
ましく、その場合には、初期の不純物含有量が20pp
m以下であることが好ましく、5ppm以下であること
がさらに好ましい。
【0014】また、本発明の方法において、前記炭化ケ
イ素粉体と混合される、加熱により炭素を生成する有機
化合物として用いられる物質は、具体的には、残炭率の
高いコールタールピッチ、フェノール樹脂、フラン樹
脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂やグルコース等の単
糖類、蔗糖等の少糖類、セルロース、デンプン等の多糖
類などの各種糖類が挙げられる。これらはケイ素源と均
質に混合するという目的から、常温で液状のもの、溶媒
に溶解するもの、熱可塑性或いは熱融解性のように加熱
することにより軟化するもの或いは液状となるものが好
適に用いられるが、なかでも、残炭率が高く、触媒又は
加熱により重合又は架橋する炭素原子、水素原子、及び
窒素原子のみから構成される化合物、具体的には例え
ば、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸
ビニルなどが好ましい。
【0015】本発明の原料粉体である炭化ケイ素粉体を
製造するにあたっての、炭素とケイ素の比(以下、C/
Si比と略記)は、混合物を炭化して得られる炭化物中
間体を、元素分析することにより定義される。化学量論
的には、C/Si比が3.0の時に生成炭化ケイ素中の
遊離炭素が0%となるはずであるが、実際には同時に生
成するSiOガスの揮散により低C/Si比において遊
離炭素が発生する。この生成炭化ケイ素粉体中の遊離炭
素量が焼結体製造用途に適当でない量にならないように
予め配合を決定することが重要である。通常、1気圧近
傍で1600℃以上での焼成では、C/Si比を2.0
〜2.5にすると遊離炭素を抑制することができ、この
範囲を好適に用いることができる。C/Si比を2.5
以上にすると遊離炭素が顕著に増加するが、この遊離炭
素は粒成長を抑制する効果を持つため、粒子形成の目的
に応じて適宜選択しても良い。但し、雰囲気の圧力を低
圧又は高圧で焼成する場合は、純粋な炭化ケイ素を得る
ためのC/Si比は変動するので、この場合は必ずしも
前記C/Si比の範囲に限定するものではない。
【0016】本発明の炭化ケイ素粉体は、前記の常温で
液状のケイ素化合物と、炭素源とをよく混合した後、こ
れらの化合物と均一に溶化する触媒とを均質に混合して
混合物を得るものであるが、触媒はこれらの原料を十分
攪拌した後に添加することが好ましい。
【0017】本発明の炭化ケイ素粉体を得るにあたって
使用される触媒としては、少なくとも有機化合物と均一
に溶化し、炭素原子、水素原子及び酸素原子のみから構
成される化合物が好ましく、具体的には、反応に使用さ
れる有機化合物と均一に溶化しうる、カルボキシル基を
含む化合物が好ましい。
【0018】カルボキシル基を含む化合物としては、例
えば、飽和又は不飽和のカルボン酸、ジカルボン酸類、
芳香族カルボン酸、なかでも、飽和脂肪族ジカルボン酸
類、不飽和脂肪族カルボン酸類及びその誘導体等が好適
である。好ましい触媒としては、具体的には、マレイン
酸(pKa=1.75)、アクリル酸(pKa=4.2
6)、シュウ酸(pKa1 =1.04、pKa2 =3.
82)、イタコン酸(pKa1 =3.85、pKa2
5.45)、マロン酸(pKa1 =2.62、pKa2
=5.28)、コハク酸(pKa1 =4.00、pKa
2 =5.24)等が挙げられ、なかでもpKa、水に対
する溶解度の観点からマレイン酸及びその誘導体から選
択される少なくとも1種が好ましい。マレイン酸誘導体
としては、無水マレイン酸等が挙げられる。なお、芳香
族カルボン酸としては、サリチル酸(pKa=2.8
1)、フェノキシ酢酸(pKa=2.99)、フタル酸
(pKa=2.75)等が挙げられる。
【0019】本発明に係る触媒であるマレイン酸を例に
挙げれば、(1) pKaの値がトルエンスルホン酸(pK
a=1.4)にほぼ匹敵し(pKa=1.75)、酸強
度がある、(2) 不飽和結合とカルボキシル基両方を分子
内に含むため、疎水性部分親水性部分同士の親和性を有
しており、ケイ素源と炭素源を均一混合し易い、(3)反
応自体が強い発熱反応ではないため、硬化反応が緩やか
で、触媒の添加量により反応速度を制御しうる等の利点
を有するものである。
【0020】本発明の製造方法に用いる混合物の配合比
としては、例えば、ケイ素源100重量部に対して、炭
素源が40〜60重量部、触媒が5〜10重量部程度で
あることが好ましい。触媒は、不純物を含有しない溶媒
に溶解して配合することもでき、例えば、水、アセトン
等の飽和溶液として配合することができる。この混合物
を均質に混合することが、その後の炭化・焼成工程の均
一な反応に重要であるため、混合物の均質度合いに応じ
適宜、混合物に界面活性剤を添加してもよい。ここで用
い得る界面活性剤としては、スパン(Span)20、ツィ
ーン(Tween )20(商品名、関東化学社製)などが挙
げられ、添加量としては、混合物総量に対して5〜10
重量%程度であることが好ましい。
【0021】こうして、配合後によく攪拌されて均一化
された混合物は焼成工程に付されるが、その前処理とし
て、あらかじめ混合物を非酸化雰囲気下で加熱し、固化
してもよい。即ち、必要に応じて、該混合物を窒素、ア
ルゴン等の非酸化性雰囲気中800℃〜1000℃の温
度において30〜120分間加熱することで炭化する工
程を加えてもよい。こうして得られた炭化物は、アルゴ
ン雰囲気中において、1350℃〜2000℃で加熱す
ることにより炭化ケイ素になる。焼成温度と時間は希望
する粒径などの特性に応じて適宜選択できるが、より効
率的な生産のためには、1600〜1900℃での焼成
が好ましい。
【0022】焼成された炭化けい素は、上記のような対
面衝突型ジェット粉砕機を用いて粉砕、分級が行われ、
得られる炭化けい素粉体の平均粒径が1.50〜8.0
0μmであり、かさ比重が1.1〜1.9g/cm3
なるように制御される。粒径が1.50μm未満である
と、スラリー調製の際、粘度が高くなりすぎて鋳込み性
が低下し、成形体を製造する際に乾燥切れ等が発生しや
すくなり好ましくない。また、8.00μmを超えると
比表面積が小さく、即ち、隣接する粉体との接触面積が
小さくなって成形性が低下する虞があり、スラリー調製
の際にも、粒子の沈降が生じやすくなり、いずれも好ま
しくない。この平均粒径は常法、例えば、レーザー法回
折法により測定することができる。
【0023】また、粒度分布は、その粉体の粒度分布よ
り算出される90%累積径(D90)と10%累積径(D
10)との比、即ち、D90/D10の値が8〜15であるこ
とが好ましい。D90/D10の値が15を超えて粒度分布
が広くなると、好適な平均粒径よりも大きい粒子や小さ
い粒子が多く混入することになり、いずれの粒径に偏っ
ても、前記したのと同様の不都合が生じやすくなり、一
方、8未満であると粒子の充填率が低くなるため、得ら
れる成形体のかさ比重が小さくなり、いずれも好ましく
ない。
【0024】また、かさ比重が1.1g/cm3 未満で
あるとスラリーを調製する際に、気孔を満たすための水
分量が多く必要になるため好ましくなく、一方、このか
さ比重は大きければ大きいほど成形性の観点からは好ま
しいが、製造の簡易性の観点から、現実的には1.9g
/cm3 以下が好適である。粉末のかさ比重は、以下の
ようにして求める。即ち、直径50.3mm、高さ5
0.3mm(容積100cm3 )の円筒容器に円筒のキ
ャップを接続して、試験粉体を24メッシュのふるいを
通して上方から均一にキャップの上面まで供給する。次
に、タップ高さ18mmのタッピングを180回行った
後、キャップを外して、円筒容器上端部ですり切り秤量
して密充填状態のかさ比重を算出することができる。
【0025】このようにして得られた、平均粒径、粒度
分布とかさ密度が制御された炭化ケイ素粉体は、炭化ケ
イ素成形体の製造特に、炭化ケイ素粉体含有スラリーを
調製して型に鋳込んで成型する方法に好適に使用しう
る。この鋳込み成形法について説明する。本発明の炭化
ケイ素粉体を、解こう剤やバインダーとともに分散媒に
混合してスラリーを調製し、ボールミルで所定時間(6
〜10時間程度)混合した後、石膏型に鋳込み、脱型、
乾燥して得た成形体を非酸化性雰囲気下で1600℃3
0分間仮焼きし、仮焼体を製造する。この仮焼体を焼結
して成形体を得るものである。
【0026】この仮焼体のかさ比重は、その後の成形体
の物性に関連するが、仮焼体のかさ比重は、下記式によ
り、アルキメデス法で算出することができる。 かさ比重=固形物の乾燥重量/(飽水重量−水中重量) 仮焼体の好ましいかさ比重は、1.7〜2.4g/cm
3 程度である。
【0027】以下に、参考例として、炭化けい素粉体の
製造例を挙げる。 [参考例]−炭化けい素製造例− 原料として、常温で液状のケイ素化合物であるエチルシ
リケート3050gと、加熱により炭素を発生する有機
化合物であるレゾール型フェノール1420gを約30
00r.p.m.の攪拌速度で5分間攪拌した後、この
混合物に触媒として無水マレイン酸(三菱化学社製)の
飽和水溶液255gを添加してさらに3000r.p.
m.の攪拌速度で約15分間攪拌した。
【0028】次に、この混合物を100〜180℃の温
度で約2時間硬化させた後、得られた樹脂状固形物を窒
素雰囲気中、900℃の温度で約1.5時間炭化処理を
行った。また、この熱処理物は、残炭率からC/Si=
2.5と算出された。
【0029】最後にこの熱処理物をアルゴン雰囲気中、
1800℃の温度で約2時間焼成処理を行った。得られ
た炭化ケイ素粉体は、X線回折の結果、実質的にβ型炭
化ケイ素のみからなり、その平均粒径は約18.8μm
であった。
【0030】
【実施例】以下に、実施例をあげてさらに詳細に説明す
るが、本発明はこの実施例に制限されるものではない。 実施例1 図2に示すような全体構成を有し、また、上部蓋内面、
タンク中間部内面、下部タンク内面、分級ローター、粉
砕ノズルに膜厚8mmのポリウレタン被覆を有する対面
衝突型ジェット粉砕機において、上部蓋34、タンク中
間部36及び下部タンク38の各フランジ40、41、
42、43の全体に四フッ化エチレン樹脂の分散液を、
エアースプレー塗装法により塗布し、乾燥して、塗膜厚
さ30μmの被膜を形成した。同様にして、原料供給ダ
クト17のフランジ44及びサイクロン28の微粉体排
出部のフランジ45、46も四フッ化エチレン樹脂によ
り被覆した。前記の[炭化けい素製造例]で製造した炭
化ケイ素粉体(平均粒径21μm)1000gを、締結
部及びタンク内面等に被覆処理を行った上記の対面衝突
型ジェット粉砕機に投入し、粉砕タンク内部で、高圧の
空気流によって粉砕を行った。粉砕条件は、粉砕ノズル
空気圧:7kgf/cm2 、キャップシール空気圧:
5.5kgf/cm2 、軸シール空気圧:2kgf/c
2 、分級ローター回転数8000rpmであった。粉
砕され、分級ローターへと搬送され、分級ローターを通
過してサイクロンにおいて捕集された炭化けい素粉体の
平均粒径は2.1μmであり、かさ比重は1.2g/c
3 であり、粉体の粒度分布から算出されるD90/D10
は8.4であった。この条件で5回/日で2ヶ月連続稼
動した後、炭化けい素粉体に含まれる金属系不純物の含
有量を測定した。結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】比較例1 図2で示す対面衝突型ジェット粉砕機の各フランジに、
四フッ化エチレン樹脂を被覆しない他は、実施例1と同
様の対面衝突型ジェット粉砕機を使用して、同様な条件
を用いて炭化けい素粉体の微粉化及び分級を行い、炭化
けい素粉体に含まれる金属系不純物の含有量を測定し
た。結果を表2に示す。
【0033】
【表2】
【0034】表1及び表2の結果から分かるように、本
発明のように締結部の表面を金属系不純物の含有量が小
さい樹脂材料で被覆することにより、長期間粉砕を継続
して行っても、金属系の不純物がトータルで0.64p
pmと低いレベルに維持でき、対面衝突型ジェット粉砕
機のタンク内面や分級ローターに被覆処理を行っただけ
の場合には、金属系の不純物がトータルで1.43pp
mであるのに比較して、改良された金属系不純物レベル
を達成することが可能となる。
【0035】
【発明の効果】対面衝突型ジェット粉砕機の締結部及び
タンク内面等を、金属系不純物の含有量が少ない樹脂材
料で被覆することにより、微粉化及び分級後の炭化けい
素粉体の金属系不純物を低減させることができ、高純度
で高品質の炭化ケイ素粉体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の分級ローターを備えたジェットミル
粉砕装置を示す概略構成図である。
【図2】 締結される部品を締結させてなる本発明の対
面衝突型ジェット粉砕機を示す概略構成図である。
【符号の説明】
10 対面衝突型ジェット粉砕機 12 分級ローター 17 原料供給ダクト 18 粉砕ノズル 20 粉砕タンク 28 サイクロン 30 回収容器 34 上部蓋 36 タンク中間部 38 下部タンク 40、42、44、46 フランジ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2つの締結される部品からな
    り、かつ少なくとも粉砕タンクの内壁及び分級ローター
    が金属系不純物の含有量が少ない樹脂材料で被覆された
    対面衝突型ジェット粉砕機であって、前記部品の締結部
    の表面の少なくとも粉体が接触する部分に、金属系不純
    物の含有量が少ない樹脂材料が被覆されていることを特
    徴とする対面衝突型ジェット粉砕機。
  2. 【請求項2】 前記粉砕タンクの内壁及び分級ローター
    が金属系不純物含有量が少ないポリウレタンまたはポリ
    アセタールで被覆されていることを特徴とする請求項1
    に記載の対面衝突型ジェット粉砕機。
  3. 【請求項3】 前記部品の締結部の表面の少なくとも粉
    体が接触する部分が、金属系不純物の含有量が少ない四
    フッ化エチレン樹脂で被覆されていることを特徴とす
    る、請求項1又は2に記載の対面衝突型ジェット粉砕
    機。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1に記載の対
    面衝突型ジェット粉砕機を使用して製造される炭化けい
    素粉体であって、金属系不純物の総含有量が1ppm以
    下であり、平均粒径が1.50〜8.00μmであり、
    かさ比重が1.1〜1.9g/cm3 であることを特徴
    とする炭化けい素粉体。
  5. 【請求項5】 90%累積粉径(D90)と10%累積粉
    径(D10)との比(D90/D10)の値が4〜15である
    ことを特徴とする請求項4に記載の炭化けい素粉体。
JP10205545A 1998-07-21 1998-07-21 対面衝突型ジェット粉砕機及びこれを用いて製造される高密度炭化けい素粉体 Pending JP2000033282A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005270780A (ja) * 2004-03-24 2005-10-06 Mitsui Mining Co Ltd 乾式メディア攪拌型粉砕機
JP2008126214A (ja) * 2006-11-24 2008-06-05 Bridgestone Corp 高圧気流式粉砕装置
JP2008238105A (ja) * 2007-03-28 2008-10-09 Bridgestone Corp 粉砕装置
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WO2022244781A1 (ja) * 2021-05-17 2022-11-24 関西ペイント株式会社 導電性顔料ペーストを製造する方法

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