JP2008126214A - 高圧気流式粉砕装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高純度の微粉を得ることができる高圧気流式粉砕装置を提供する。
【解決手段】高圧気流式粉砕装置は、高圧気流を噴き出す複数の噴出ノズル3L、3Rを備えており、噴出ノズル3L、3Rから噴出された高圧気流に乗った粉体同士を衝突させて粉砕する装置である。噴出ノズル3L、3Rの噴出側を構成するノズル口部50は炭化ケイ素焼結体で構成されている。従って、ノズル口部50に粉体が衝突してもノズル口部50から発生する微粉の組成は、ノズル口部50以外の噴出ノズル部分の組成ではないので、ステンレスなどの金属からなる微粉が発生することはない。
【選択図】図2

Description

本発明は、噴出ノズルから高圧気流を噴き出すことにより粉体を衝突させて粉砕する高圧気流式粉砕装置に関する。
対面衝突型の高圧気流式粉砕機は、微粉化能(粉砕能)及び分級能を有し、従来より、各種分野において広範に用いられており、例えば、これを用いてセラミックス粉体を微粉化(粉砕)して粉径分布の小さな微粉を得ることにより、高密度のセラミックス焼結体を得ることができる。
高圧気流式粉砕機は、一般に、原料である粉体(原料粉体)を対向する高圧気流にのせて対面衝突させて粉砕する粉砕手段と、粉砕手段によって生成された微粉を分級する分級ロータと、この分級ロータにより分級した粉体を搬送して回収する粉体搬送手段とを備えている。粉砕手段には、高圧気流を噴出する噴出ノズルが互いに対向するように設けられている(例えば特許文献1〜4参照)。
高圧気流式粉砕機では、粉砕手段により、粉体が、対向する高圧気流により互いに強い衝撃力で衝突し微粉化(粉砕)される。所定の粒径に微粉化(粉砕)されてなる微粉は、回転している分級ロータの外部に弾き飛ばされずに該分級ロータの内部に侵入して通過し、粉体搬送手段により搬送されることによって分級される。分級ロータの外部に弾き飛ばされた粉体は、所定の粒径になるまで高圧気流により互いに衝突させられ、微粉化(粉砕)される。高圧気流式粉砕機においては、以上のプロセスにより、粉体の微粉化(粉砕)及び分級が行なわれる。
ところで、この噴出ノズルは、通常、SUS(ステンレス合金)からなっているため、噴出ノズルの接粉部に粉体が衝突するとSUSからなる微粉が発生する。これを防止するため、従来、噴出ノズルの接粉部には、ウレタンゴム等からなるライニング膜を保護膜として形成している。
しかし、噴出ノズルのうち高圧気流を噴出するエア吐出部では、製作する際、ライニング膜を被覆した後に吐出口の穴あけ加工を行うのでライニング膜を形成することができない。このため、エア吐出部に粉体が衝突して噴出ノズルを構成する金属(通常はSUS)からなる微粉が発生し、粉体を粉砕してなる微粉に混入してしまい、純度が低下するという難点がある。
特開平11−171647号公報 特開2000−33282号公報 特開2001−149809号公報 特開2002−119882号公報
本発明は、上記事実を考慮して、高純度の微粉を得ることができる高圧気流式粉砕装置を提供することを課題とする。
請求項1に記載の発明は、高圧気流を噴き出す複数の噴出ノズルを備え、前記噴出ノズルから噴出された高圧気流に乗った粉体同士を衝突させて粉砕する高圧気流式粉砕装置であって、前記複数の噴出ノズルの噴出側を構成するノズル口部が炭化ケイ素焼結体で構成されている、ことを特徴とする。
上記複数の噴出ノズルの配置位置、噴き出し方向は、粉体同士が衝突し易い形態であれば、特に限定しない。
請求項1に記載の発明では、このように、噴出ノズルの噴出側を構成するノズル口部が炭化ケイ素焼結体で構成されている。従って、ノズル口部に粉体が衝突してもノズル口部から発生する微粉の組成は、ノズル口部以外の噴出ノズル部分の組成ではないので、ステンレスなどの金属からなる微粉が発生することはない。従って、高純度の微粉を得ることが可能となる。
請求項2に記載の発明は、前記粉体が炭化ケイ素からなる、ことを特徴とする。
これにより、ノズル口部に粉体が衝突してノズル口部から発生する微粉の組成は、粉体同士が衝突して発生する微粉と同じ炭化ケイ素である。従って、高純度の炭化ケイ素の微粉を得ることができる。
請求項3に記載の発明は、複数の前記噴出ノズルが互いに対向するように配置されている、ことを特徴とする。
これにより、効率良く粉体を破砕して微粉を発生させることができる。
請求項4に記載の発明は、前記噴出ノズルの噴出側には、前記ノズル口部で覆われていない露出部が形成されていて、前記露出部が炭化ケイ素焼結体で構成されている、ことを特徴とする。
請求項4に記載の発明では、噴出ノズルの噴出側にノズル口部で覆われていない露出部が形成されていても、この露出部はステンレス等の金属では構成されておらずに炭化ケイ素焼結体で構成されている。従って、粉体が露出部に衝突しても、噴出ノズルから金属の微粉が発生することはない。従って、高純度の微粉を得ることが可能となる。
請求項5に記載の発明は、前記ノズル口部が着脱可能に取付けられている、ことを特徴とする。
これにより、長期間の使用等によってノズル口部が変形しても、ノズル口部のみを交換することによって引き続き高圧気流式粉砕装置を使用することができるので、噴出ノズルの寿命を延ばすことができる。
請求項6に記載の発明は、前記噴出ノズルの噴出側には、前記ノズル口部で覆われていない露出部が形成されていて、前記露出部がウレタンゴムからなる保護部材で構成され、前記ノズル口部が取付けられる噴出ノズル本体に前記保護部材が覆い被せられている、ことを特徴とする。
請求項6に記載の発明では、噴出ノズルの噴出側にノズル口部で覆われていない露出部が形成されていても、この露出部は噴出ノズル本体で構成されてはいない。従って、粉体が噴出ノズル本体に衝突することが回避されるので、噴出ノズル本体から微粉が発生して混入することが回避される。また、噴出ノズル本体の寿命が長くなる。更に、保護部材を噴出ノズル本体とは別に製造しておき、噴出ノズルの組み立て時に露出部を噴出ノズル本体に覆い被せることができるので、噴出ノズルの製造工程が簡素になる。
なお、保護部材の材質を、ウレタンゴム(ポリウレタン樹脂)以外に、ポリアセタール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート、アクリル樹脂、シリコンゴム、塩化ビニル樹脂などの他の材質とすることも可能である。
本発明によれば、高純度の微粉を得ることができる高圧気流式粉砕装置を実現させることができる。
以下、実施形態を挙げ、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る高圧気流式粉砕装置1の構成を示す側面断面図である。高圧気流式粉砕装置1は、下段部から中段部にかけて容器状になっている装置本体10と、装置本体の上段部を覆う蓋体20とを備えている。
(装置本体)
装置本体10は、原料粉体供給部2と、原料粉体供給部2の下方に配置されて高圧気流を噴き出す2つの噴出ノズル3L、3Rと、蓋体20に設けられた分級ロータ4を通過した微粉を搬送する微粉搬送部5と、微粉搬送部5の下流端に設けられた微粉収容器6と、を主要素として備えている。
原料粉体供給部2は、微粉化される原料粉体(粉体P)が投入される原料粉体投入口2aと、投入された粉体Pを装置本体10の内部にまで重力で導く原料粉体導入路2bと、を有している。原料粉体導入路2bは、高圧気流粉砕装置1の内部に連通する筒体である。
2つの噴出ノズル3L、3Rは、装置本体10の内部かつ下段部で、原料粉体導入路2bの下端側開口部2cよりも下方位置に、互いに対向するように設けられている。2つの噴出ノズル3L、3Rは、気体を同時に対向噴射し、高圧気流を、装置本体10の内部の底部から上方の蓋体20方向に生じさせることができるように設計されている。
粉体搬送部5は、装置本体10の内部で原料粉体導入路2bの下端側開口部2cよりも上方位置に配置されている。粉体搬送部5は、分級ロータ4により分級した粉体を導入する開口部5aと、開口部5aから導入された粉体を外部に搬送するための搬送路5bとを有する。
開口部5aは、分級ロータ4の下端面と対向する位置に設けられ、その大きさは分級ロータ4の下端面に設けられた開口の大きさとほぼ同等の大きさに設計されている。また、搬送路5bの下流部分はサイロ様に設計されており、微粉収容器6に向けて粉体を落下させることができるようになっている。
微粉収容器6は、開口部5aより粉体搬送部5に導入されて搬送路5bの下流部分から落下される微粉を収容可能に設計された容器である。
(噴出ノズル)
装置本体10の下段部には、噴出ノズル3L、3Rをそれぞれ着脱自在に取付可能とされたノズル被取付部7L、7Rが設けられている。ノズル被取付部7L、7Rは装置本体10の側壁8を貫通しており、装置本体10の内部で噴出ノズル3L、3Rが取付可能とされている。また、ノズル被取付部7L、7Rの装置本体外部側には、高圧の空気流が供給される高圧空気供給配管(図示せず)が接続される。噴出ノズル3Lと噴出ノズル3Rとの構成は同一であり、ノズル被取付部7Lとノズル被取付部7Rとの構成は同一である。
図2、図3に示すように、噴出ノズル3Rは、ノズル被取付部7Rの雌ねじ部(図示せず)にねじ係合する雄ねじ部38が形成された噴出ノズル本体40と、噴出ノズル3Rの噴出側に着脱自在にねじ係合するノズル口部50と、噴出ノズル本体40の噴出側の構成部分のうちノズル口部50との接続部42を除く部分に覆い被された保護部材60と、で構成される。
噴出ノズル本体40に形成された雄ねじ部38は短筒状とされており、雄ねじ部38の内側には、高圧空気が通過可能なように空洞部44が形成されている。また、噴出ノズル本体40の噴出側は、ノズル口部50と接続するように延び出す短筒状の上記接続部42と、接続部42の外周側に張り出したリング状の張り出し部46とで構成される。張り出し部46の外周側には鍔部48が形成されている。
図5に示すように、ノズル口部50は、接続部42に形成されている雌ねじ部43にねじ係合する雄ねじ部52と、雄ねじ部52に連続し、外径が雄ねじ部52よりも大きい略円板状のノズル口部本体54と、で構成される。ノズル口部50には、雄ねじ部52及びノズル口部本体54を貫通し高圧空気流を通過させる貫通孔56が形成されている。また、ノズル口部50には、噴出側に向けてテーパ状に広がるテーパ部58が形成されており、テーパ部58の中心部が貫通孔56に連通している。
図4に示すように、保護部材60は、接続部42の外周側から鍔部48も含めて張り出し部46の噴出側を覆う中空円板状の被覆部62と、被覆部62の外縁部から後方側(雄ねじ部38の側)に延び出すリング状の中間部64と、中間部64の後方側に連続し、鍔部48の背面側(雄ねじ部38の側)に引っ掛けられるリング状の引っ掛け部66と、で構成されており、保護部材60は鍔部48で係止される形状となっている。
このような構成により、噴出ノズル3の噴出側であって、張り出し部46のうちノズル口部50で覆われていない露出部Nは、上記の保護部材60で構成されている。
本実施形態では、噴出ノズル本体40の材質がSUS鋼(ステンレス鋼)であり、保護部材60の材質がウレタンゴムであり、ノズル口部50の材質が高純度の炭化ケイ素焼結体(炭化ケイ素の純度が95%以上)である。
図4に示すように、保護部材60では、被覆部62の内径D4は接続部42の外径D4(図3参照)と同じであり、中間部64の内径D2は鍔部48の外径D2(図3参照)と同じである。被覆部62の厚みL1は接続部42の延び出し長さL1(図3参照)と同じであり、中間部64の厚みt1は鍔部48の厚みt1(図3参照)と同じである。また、引っ掛け部66の厚みt2は、図3に示すように、張り出し部46の厚みのうち鍔部48を除く部分の厚みt2と同じであり、引っ掛け部66の内径D3は鍔部48の内径D3と同じである。
(蓋体)
図1に示すように、蓋体20は、装置本体10の上方開口部に開閉自在に装着されており、分級ロータ4を備えている。
分級ロータ4は、固定板4aと、回転軸4bと、回転体4cと、棒状体(羽根ピン)4dと、棒状体(羽根ピン)4dと着脱可能にネジ止めされた環状体4eと、を備えている。
固定板4aは、装置本体10の外部(蓋体20の上方)に露出した状態で、かつ細目ネジである細目アジャストボルト21により昇降可能に蓋体20に螺合されている。
固定板4aは、円板状であり、その外周部から外方に向けて略等間隔に3箇所、突出部4gが設けられている。突出部4gの上面は、固定板4aの上面と平行な平面であり、これが露出平面として機能する。細目アジャストボルト21は、固定板4aの外周縁部において、隣接する突出部4gから等距離の位置に固定板4aを貫通した状態で3箇所設けられている。細目アジャストボルト21の螺旋ピッチは、例えば0.75mm/360°である。
固定板4aを貫通した細目アジャストボルト21には、ナット22及び23と、固定板4aの位置を昇降可能な調整具24とが螺合されている。そして、ナット22は、固定板4aの上側に、調整具24とナット23とは上からこの順に固定板4aの下側に、それぞれ固定板4aを挟み込むようにして配置されている。
また、露出平面として機能する突出部4gの上面には、高精度変位計30が対向して配置されており、この高精度変位計30により、該露出平面の位置及びその設定値に対する変位が連続して計測可能である。高精度変位計30は、蓋体20に固定された取付具31に、ネジ止めされて設けられている。
回転軸4bは、蓋体20を貫通した状態で固定板4aに軸支されており、図示しない動力源により速度可変自在に回転可能である。
回転体4cは、円板状部材であり、回転軸4bに対し垂直に固定され、回転軸4bの回転に伴い同速で回転可能である。
棒状体(羽根ピン)4dは、円柱形状であり、その一端が回転体4cの外周縁部における同一円周上に着脱可能に複数ネジ止めされている。
環状体4eは、回転体4cと略同径でその中心部に開口が設けられた円板状部材であり、棒状体(羽根ピン)4dにおける上記一端とは反対側の他端と着脱可能にネジ止めされている。
なお、棒状体(羽根ピン)4dに摩耗等が生じた場合には、棒状体(羽根ピン)4dは、回転体4cと環状体4eとにネジ止めされているので、このネジとめを解けば、容易に取り外すことができるので、摩耗時の取り替えが容易である。
分級ロータ4の下端面である平面4f(即ち環状体4eの表面(開口面))と、開口部5aとの間隙は、所定間隔以下(例えば0.2mm以下)である。
以下に、高圧気流式粉砕装置1の作用を説明する。高圧気流式粉砕装置1においては、原料粉体供給手段2の原料粉末投入口6から供給された粉体Pが、原料粉体導入路2bを通って装置本体10の内部へ導入される。なお、本実施形態での粉体Pは炭化ケイ素焼結体である。
装置本体10の内部へ導入された粉体Pは、原料粉体導入路2bより下方に、互いに対向して設けられた噴出ノズル3L、3Rから対向して供給される高圧気流により、互いに強い衝撃力で衝突し合うことにより微粉化(粉砕)される。
その際、衝突せずに噴出ノズル3L、3Rにまで到達した粉体は噴出ノズル3L、3Rのノズル口部50及び保護部材60に衝突する。本実施形態では、ノズル口部50は炭化ケイ素焼結体で構成されており、保護部材60はウレタンゴムで構成されている。従って、粉体がノズル口部50や保護部材60に衝突してもステンレスの微粉が発生して混入することが回避されている。
発生した微粉は、高圧気流による上昇流により、上方で高速回転する分級ロータ4へと搬送される。分級ロータ4の回転力により、搬送されてきた粉体のうち、所定の粒径にまで微粉化(粉砕)されていない粉体は弾き飛ばされ、所定の粒径にまで微粉化(粉砕)された微粉のみが分級ロータ4の内部に侵入し分級ロータ4を通過する。
分級ロータ4を通過した微粉は、環状体4eの開口を通過し、開口部5aを通過し、粉体搬送手段5により微粉収容器6内に搬送され、そこに収容される。
以上説明したように、本実施形態では、粉体Pが炭化ケイ素焼結体からなり、噴出ノズル3L、3Rの噴出側を構成するノズル口部50が高純度の炭化ケイ素焼結体で構成されているので、ノズル口部50に粉体が衝突してノズル口部50から発生する微粉の組成は高純度の炭化ケイ素であり、粉体同士が衝突して発生する微粉の組成と同じである。従って、高純度の炭化ケイ素の微粉を得ることができる高圧気流式粉砕装置1とすることができる。
また、噴出ノズル3L、3Rが互いに対向するように配置されている。これにより、効率良く粉体を破砕して微粉を発生させることができる。
更に、ノズル口部50が噴出ノズル本体40に着脱可能に取付けられている。これにより、ノズル口部50が粉体によって削られて変形しても、ノズル口部50のみを交換することによって引き続き高圧気流式粉砕装置1を使用することができるので、噴出ノズル3L、3Rの寿命を延ばすことができる。
また、噴出ノズル3L、3Rの噴出側には、ノズル口部50で覆われていない露出部Nが形成されている。そして、この露出部Nがウレタンゴムからなる保護部材60で構成されており、ノズル口部50が取付けられる噴出ノズル本体40にこの保護部材60が覆い被せられている。従って、粉体が噴出ノズル本体40に衝突することが回避されるので、噴出ノズル本体40からステンレスの微粉が発生して混入することが回避されるとともに、噴出ノズル本体40の寿命が長くなる。また、露出部Nを噴出ノズル本体40とは別に製造しておき、噴出ノズル3の組み立て時に露出部Nを噴出ノズル本体40に覆い被せることができるので、噴出ノズル3Rの製造工程が簡素になる。
<試験例>
本発明の効果を確かめるために、本発明者は、上記実施形態に係る高圧気流式粉砕装置1の一例(以下、実施例の高圧気流式粉砕装置という)、及び、従来の高圧気流式粉砕装置の一例(以下、比較例の高圧気流式粉砕装置という)を用い、粉体Pとして炭化ケイ素からなる粉体(平均粒径21μm)を装置内に投入し、装置内で発生して微粉収容器6に捕集された微粉に含まれる不純物量を測定した。なお、比較例の高圧気流式粉砕装置は、実施例の高圧気流式粉砕装置に比べ、噴出ノズル3L、3Rに代えて従来の噴出ノズルを取付けた装置である。
本試験例における炭化ケイ素粉体の投入量、及び、粉砕条件を以下に示す。
炭化ケイ素粉体の投入量 :1000g
噴出ノズルのノズル空気圧 :7kgf/cm2
分級ロータ4の回転数 :8000rpm
なお、実施例の高圧気流式粉砕装置、比較例の高圧気流式粉砕装置とも、装置本体内で発生して分級ロータ4を通過して捕集された微粉の平均粒径は2.1μmであった。
この条件で5回/日で2ヶ月連続稼動した後、捕集された微粉に含まれる金属系不純物の含有量を測定した。実施例の高圧気流式粉砕装置、比較例の高圧気流式粉砕装置の両者についての測定結果を表1に示す。
Figure 2008126214
表1及び表2の結果から分かるように、噴出ノズル3L、3Rを取付けた実施例の高圧気流式粉砕装置では、長期間粉砕を継続して行っても、金属系の不純物の増加量がトータルで0.1ppmと低いレベルに維持できた。一方、比較例の高圧気流式粉砕装置の場合では金属系の不純物の増加量がトータルで0.15ppmであった。従って、実施例の高圧気流式粉砕装置では、Fe、Cr、Niなどの金属系の不純物のうち特にFeの増加量を大幅に低減させることができた。
以上、実施形態を挙げて本発明の実施の形態を説明したが、上記実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。
本発明の一実施形態に係る高圧気流式粉砕装置の構成を示す側面断面図である。 本発明の一実施形態に係る高圧気流式粉砕装置に取付けられた噴出ノズルの側面断面図である。 図2に示した噴出ノズルを構成する噴出ノズル本体の側面断面図である。 図2に示した噴出ノズルを構成する保護部材の側面断面図である。 図5(A)及び(B)は、それぞれ、図2に示した噴出ノズルを構成するノズル口部の正面図、及び、側面断面図である。
符号の説明
1 高圧気流式粉砕装置
3L 噴出ノズル
3R 噴出ノズル
40 噴出ノズル本体
50 ノズル口部
60 保護部材
N 露出部
P 粉体

Claims (6)

  1. 高圧気流を噴き出す複数の噴出ノズルを備え、前記噴出ノズルから噴出された高圧気流に乗った粉体同士を衝突させて粉砕する高圧気流式粉砕装置であって、
    前記複数の噴出ノズルの噴出側を構成するノズル口部が炭化ケイ素焼結体で構成されている、ことを特徴とする高圧気流式粉砕装置。
  2. 前記粉体が炭化ケイ素からなる、ことを特徴とする請求項1に記載の高圧気流式粉砕装置。
  3. 複数の前記噴出ノズルが互いに対向するように配置されている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の高圧気流式粉砕装置。
  4. 前記噴出ノズルの噴出側には、前記ノズル口部で覆われていない露出部が形成されていて、
    前記露出部が炭化ケイ素焼結体で構成されている、ことを特徴とする請求項1〜3のうち何れか1項に記載の高圧気流式粉砕装置。
  5. 前記ノズル口部が着脱可能に取付けられている、ことを特徴とする請求項1〜4のうち何れか1項に記載の高圧気流式粉砕装置。
  6. 前記噴出ノズルの噴出側には、前記ノズル口部で覆われていない露出部が形成されていて、
    前記露出部がウレタンゴムからなる保護部材で構成され、前記ノズル口部が取付けられる噴出ノズル本体に前記保護部材が覆い被せられている、ことを特徴とする請求項5に記載の高圧気流式粉砕装置。
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