JP2000226264A - 炭素・セラミックス複合成形体の製造方法 - Google Patents

炭素・セラミックス複合成形体の製造方法

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JP2000226264A
JP2000226264A JP11024537A JP2453799A JP2000226264A JP 2000226264 A JP2000226264 A JP 2000226264A JP 11024537 A JP11024537 A JP 11024537A JP 2453799 A JP2453799 A JP 2453799A JP 2000226264 A JP2000226264 A JP 2000226264A
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composite molded
ceramic composite
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Kunimasa Takahashi
邦昌 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 原料、混合、造粒、成形、焼成の各系におけ
る条件を選択することにより、より高い複合特性、特に
高強度の炭素・セラミックス複合成形体を提供する。 【解決手段】 平均粒径10μm以下の炭素質微粒子及
び平均粒径5μm以下のセラミックス微粒子を主構成成
分とする複合成形体微粒子成分を吸湿しない条件下に撹
拌混合し、次いで造粒材を加えて平均10mmφ以下の
造粒体とし、乾燥後、粉砕、成形し、不活性雰囲気下焼
成して炭素化及び黒鉛化することを特徴とする製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は炭素粉とセラミック
ス粉を使用して炭素・セラミックス複合成形体を製造す
る方法に関する。特に、本発明は強度が高く、耐熱性、
耐磨耗性、耐油性、異種材料との摺動特性等に優れた炭
素・セラミックス複合成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭素材料とセラミックスとからなる複合
材料の製造方法は種々提案されており、有機質炭素、炭
素質炭素、黒鉛質炭素から選ばれた少なくとも1種類の
炭素粉と炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミ、窒化ホ
ウ素、炭化ホウ素等から選ばれた少なくとも1種類のセ
ラミックス粉を使用するものが多い。これらの組合せの
中で炭化ケイ素中に黒鉛を分散させた複合材料が特に摺
動材用途で炭化ケイ素焼結体の強度と黒鉛材料の摺動性
を兼ね備えた素材として注目されてきた。この組合せ系
での克服すべき問題点が難焼結性の炭化ケイ素の焼結と
難分散性の炭素粉末の分散にあることは公知である。
【0003】炭化ケイ素の焼結には一般的に少量のホウ
素と炭素の存在が好ましいことは知られている。その一
方または双方が過剰である場合、かえって焼結が阻害さ
れて、低強度の素材しか得られなくなる。従って摺動性
を確保するために含有される10%以上の多量の炭素粉
の存在下で機械強度の大きい炭素・炭化ケイ素焼結体を
得ることは通常困難である。従って、従来摺動材用途で
は炭化ケイ素単独焼結体または黒鉛質単独焼結体が主流
であった。
【0004】セラミックス粉と黒鉛粉を分散混合する方
法として例えば特開昭59−131577号公報に示さ
れるバインダー、炭素粉末及び分散媒を混練する方法が
提案されている。しかしこの方法はプロセスが複雑で、
処理に長時間を要するにもかかわらず、炭素粉末が分散
し難いという問題点がある。また、炭素粉末を均一に分
散させる方法として特開昭59−213674号公報に
示唆されている生コークス粉末とセラミックス粉末を磨
砕・混合する方法が提案されている。しかしながらこの
方法に於いても長時間の磨砕・混合を行う必要があり、
実用性に欠けるとともに成形体曲げ強度が11kgf/
mm2 程度と低い水準にあることが指摘されている。
【0005】また、特開昭61−275166号公報に
はバルクメソフェーズ粉末を使用して、バインダーを使
用することなく炭素・炭化ケイ素焼結体を製造する方法
が提案されているが、これも14.2kgf/mm2
度の曲げ強度しか得られないことが難点である。また、
特開平3−33064号公報では自己焼結性のコールタ
ールを原料とする平均粒径が20μm以下の球状炭素質
微粒子(メソカーボンマイクロビーズ、以下MCMBと
略記する。)5〜30重量部と平均粒径が1μm以下の
炭化ケイ素粉末95〜70重量部及びこれら混合物の合
計100重量部に対しホウ素及びその化合物からなる群
から選ばれた少なくとも一種類の焼結助剤粉体0.5〜
5重量部を配合した粉末組成物を成形し、焼成してなる
炭素・炭化ケイ素複合材料を提案している。該発明では
曲げ強度が20〜36kgf/mm2 の成形体が得られ
る技術が開示されている。
【0006】該発明の特徴は粉末粒径をそれぞれ厳しく
規制して、炭素質由来粒の強度低下要素を排除し、実施
例では0.3μm以下で粒径の揃った特殊な炭化ケイ素
を用いることで異常焼結の発生を抑制しセラミックス由
来の強度を維持している点にある。該発明では1μm以
下、好ましくは0.3μmのごく微細な炭化ケイ素の使
用が必須条件になっているが、当業者には公知の事実で
あるが該発明で使用された0.3μm級の微粉はその製
法、結晶形態によらず極めて高価である。従って得られ
た成形体も高価にならざるを得ない弱点がある。
【0007】更に該発明では粉体の混合は擂潰機で乾式
混合するだけで容易に達成できるとしているが、本発明
者はこのような微粒子の混合は単なる擂潰機混合では微
細な領域迄の均一混合は達成できないことを経験してい
る。即ちμm単位の微細な粒子間で均一混合状態を得て
それを維持することはかなり難しい技術領域に属する。
特に数成分を均一に混合する時見た目での混合状態とミ
クロ領域での混合状態は必ずしも合致しないことが多
く、成形体で所望の物性が発現されず、複合素材の本来
の特徴が発揮できなくなることが多く知られている。
【0008】更にはセラミックス粉と炭素粉とは比重差
が大きいケースが多く、一旦混合しても輸送中の振動や
成形に際してのタッピング充填操作等でセラミックス粉
と炭素粉が種々の段階の層分離を起こすことが知られて
いる。この対応として例えば水を加えて湿った状態で輸
送や充填を行うことも考えられるが、製品の経時変化や
静水圧プレスのように成形原理上高圧成形時には乾燥状
態が好ましい用途には適さない等の派生する問題があ
る。従って乾燥状態での複合粉体は結果として強度、弾
性率、摺動性、耐磨耗性、耐酸化性等用途によって種々
異なるが、複合材に期待される所望の物性の発現が不十
分になる問題も常に抱えている。
【0009】また、炭化ケイ素に代表されるセラミック
ス粉体は擂潰機等の粉体の圧縮を伴う混合方法では物質
特有の相互固着現象を起こし易く他の成分との均一混合
が難しくなる傾向が強い。また、これらセラミックス系
素材は一般的に吸湿性が高い為に、擂潰作業中に空気中
の水分を吸って固着が急速に進んだり、回転混合機能を
兼ね備える混合機内で撹拌する場合は他の成分との均一
分散が得られる前に造粒されてしまうという問題点が見
出された。また単純な混合機能装置でも造粒に至らない
までも板状塊を形成し、均一な混合体が得られない問題
が起きる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】炭素粉末とセラミック
ス粉末からなる複合材料を用いる炭素・セラミックス複
合成形体の製造方法、とりわけ材料の混合、成形に係る
先行技術の抱える問題点を纏めると次の通りである。 1)炭素粉末の分散が難しい。 2)セラミックス粉末の分散が難しい。 3)複数の成分の均一混合粉体を得ることは難しい。磨
砕生コークス法のような週間単位に及ぶ磨砕混合を必要
とする場合がある。また吸湿性の高い成分を用いる時は
混合時に造粒、顆粒形成が進み、多成分の均一混合上好
ましくない結果が得られる。 4)セラミックス焼結を完全にするには1μm以下の高
価な微粒子が必要。 5)炭素粉体は自己焼結性を有することが成形性を支配
する重要な要素であり、β−レジンが5%以上、好まし
くは10%以上であることが要求される。 6)混合粉体は輸送や成型時のタッピング等の結果成分
乖離を起こす恐れがある。
【0011】本発明は上に述べた炭素・セラミックス複
合材料調製に係る普遍的な問題点を高価な設備や原料を
用いることなく解決することにより、優れた炭素・セラ
ミックス複合成形体を製造することを目的とし、鋭意研
究を重ねた結果、簡単な操作条件を組み合わせることに
よって先行技術が部分的には解決できても全体として解
決できなかった問題を一気に解決できることを見出して
本発明を完成した。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、平均粒径が1
0μm以下の炭素質微粒子及び平均粒径が5μm以下の
セラミックス微粒子を主構成成分とし、必要に応じて金
属ケイ素及び炭化ホウ素から成る助剤群から選ばれた少
なくとも1種の平均粒径が5μm以下の助剤成分微粒子
を加えて成る複合成形体微粒子成分を吸湿しない条件
下、撹拌、混合し、次いで造粒材を加えて造粒して平均
粒径10mm以下の造粒体とし、これを乾燥後粉砕、成
形し、不活性雰囲気下焼成して炭素化及び黒鉛化するこ
とを特徴とする炭素・セラミックス複合成形体の製造方
法を要旨とするものである。
【0013】本発明によれば、先行技術では達成できな
かった複合成形体微粒子成分の高度均一分散と経時変化
の抑止及び成形性の向上などがもたらされる。更に炭化
ケイ素系では金属ケイ素の導入によって炭素−炭化ケイ
素の結合が強固にして炭素の抜け落ちが防止されるとと
もに炭化ケイ素相互の焼結性向上という効果をももたら
される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳細に説明す
る。実施態様を、原料、混合、造粒、成形、焼成系に大
別して説明する。 原料系 炭素質微粒子としてはMCMBに代表される球状炭素質
微粒子は高価且つ自己焼結性の貯蔵時経時劣化の問題が
あることから好ましいものとしてコールタール由来の生
コークスを一部空気酸化して自己焼結性を安定化したγ
レジン5%の変成生コークス(商品名:MPC−1)を
使用した。
【0015】なお、MPC−1はジェットミルで比較的
容易に粉砕することができるので平均粒径10μm以
下、好ましいものとして3μmに粉砕した製品が用いら
れる。セラミックス微粒子としては、炭化ケイ素微粒子
が一般的であり、好ましい。1μm以下の炭化ケイ素微
粒子は調達費用がα、β型を問わず極めて高価なことか
ら本発明においては、5μm以下のもの、好ましくは研
磨材用途に市販されれている平均粒径1.2μmのα−
炭化ケイ素微粒子が用いられる。
【0016】なお、炭素含有量30%で高密度且つ高強
度の成形体を得るためには、平均粒径0.3μmのβ−
炭化ケイ素微粒子が用いられる。必要に応じて配合され
る助剤としては、金属ケイ素、炭化ホウ素が挙げられる
が、例えば炭化ホウ素の場合、ダイアモンド並みの硬度
を有する炭化ホウ素の平均粒径1μm級の微粒子は高価
である。しかし炭化ケイ素微粒子の焼結助剤として重要
な役割を担うものであり、炭化ホウ素の局在化がもたら
す炭化ケイ素の異常粒成長問題にも配慮すれば炭化ケイ
素中に可能な限り均一分散させる必要がある。よって好
ましいものとして炭化ホウ素は平均粒径1μmの微粒子
が用いられる。炭素と炭化ケイ素微粒子の間で傾斜機能
材形成の役を果たす金属ケイ素は炭素の使用時脱落防止
という重要な役割を担うものであるが、炭化ケイ素形成
に際して溶融状態を経ると考えられる。従って超微細化
は原則不要である。複合粉体内での適切な均一分散状態
を確保する目的に添って、好ましいものとして平均粒径
5μmの微粒子が選定される。
【0017】炭素と炭化ケイ素微粒子の間で傾斜機能材
形成の役を果たす金属ケイ素は炭素の使用時脱落防止と
いう重要な役割を担うことから判断して、好ましいもの
として平均粒径1μmの微粒子が選定される。本発明者
はジェットミルで容易に粉砕できるMPC−1を平均粒
径3μmまで粉砕すると少量の炭素粉の使用でも炭化ケ
イ素微粒子表面には従来技術では予想できなかった量の
炭素被覆が起きるため炭化ケイ素微粒子相互の焼結が阻
害され、また大粒の金属ケイ素ではその傾斜機能形成助
剤としての機能が十分発揮されず、結果として成形体強
度が低下することを危惧した。しかし本発明の方法によ
ればそのような心配は一掃され、平均粒径1μm以上の
炭化ケイ素微粒子を用いた成形体でも従来技術を凌駕す
る曲げ強度が発現される。
【0018】混合・造粒系 1)各構成成分粉体は混合に供する前に、個別にまたは
必要に応じて数種類の構成成分を取りまとめて少なくと
も80℃、好ましくは100℃、更に好ましくは120
℃で乾燥し、恒量状態を得る。この工程は吸湿性成分が
撹拌中に造粒されて他成分との均一混合ができなくなる
ことを抑止するための必須事項である。
【0019】2)混合・均一分散は混合槽を少なくとも
70℃以上好ましくは80℃以上の温度に保持できる機
構を有するミキサーにて実施する。さらに該ミキサーは
槽内部を乾燥窒素または乾燥空気で置換する構造を有
し、撹拌装置として低速高トルクのアジテータと高速回
転チョッパーの2種類を標準装備していることが好まし
い。更に混合槽には外気の侵入を遮断できる蓋が装備さ
れていることが望まれる。この実施態様は撹拌混合中に
大気から吸湿して特定成分が造粒や造塊を受けて他成分
との均一混合ができなくなるのを抑止する為に必要であ
る。また混合を速やかに実施するために非圧縮型撹拌装
置が好ましい。
【0020】3)恒量に達した粉体を熱い状態で所定温
度に維持された混合槽に投入して混合・均一分散を図る
時、好ましい実施態様として、量の少ない粉体、例えば
炭素と金属ケイ素及び炭化ホウ素を予め混合し、次いで
量の多い粉体、例えば炭化ケイ素を少量ずつ混合する形
態をとる。炭素粉末の均一分散にこの方法が効果的であ
る。
【0021】4)混合が終了後少なくとも30秒好まし
くは1分、より好ましくは2分程度撹拌を継続して均一
分散を図る。この場合、槽温度の維持と乾燥窒素または
乾燥空気の供給の継続が重要である。 5)混合終了後造粒操作を行う際に使用される造粒材は
常圧で凝固点が20℃以上、好ましくは30℃以上更に
好ましくは40℃以上の水溶性粘結剤から選ばれる。常
温液体の造粒材を用いた場合、液体を高圧で圧縮すると
液の流れが圧力の微妙な差異に添って発生し、炭化ケイ
素のようにチキソトロピック特性を有する素材と炭素粉
のようにチキソトロピック特性を持たない素材との間で
動きに違いを生じ、均一混合状態が壊される恐れがあ
り、好ましくない。
【0022】具体的にはポリエチレングリコール(以下
PEGと省略することがある)、蔗糖、溶性澱粉、ゼラ
チンなどをあげることができるが、工業的な入手の容易
さ及び物性の安定性から分子量1000以上のPEGの
使用が好ましい。特に好ましい造粒材としてPEG20
00、最も好ましい造粒材としてPEG4000〜PE
G6000をあげることができる。PEGは水溶液とし
て造粒の用に供することができる。造粒に用いる水溶液
量は対象とする混合物がべたべたにならない領域の吸水
量を求めることで別途決定される。また、PEGの添加
量が多すぎると後続する粉砕工程で粉砕機分級フィルタ
ーの目詰まりを起こす可能性が高くなり、工業生産上支
障を来すことがあるので、外割で10重量%以下に抑制
することが好ましい。造粒水溶液中のPEG濃度は所要
液量との関係で決定される。
【0023】6)造粒用水溶液は常温添加、加温添加の
いずれも採用できる。水溶液の添加方法に関しては造粒
技術において普遍的な操作を行えば良く、大量の水溶液
を一度に添加して局所的に液状スラリーを形成する操作
を避ける以外は特殊な工夫は必要としない。例えば深江
工業(株)のハイスピードミキサーでの一般的な造粒条
件を適用し、数mmφの顆粒好ましくは2〜5mmφの
顆粒更に好ましくは1〜4mmφの顆粒を製造する。顆
粒の大きさは本発明で得られる複合成形体の物性支配因
子ではないが後に続く乾燥及び粉砕工程の容易さ、特に
粉砕工程の原料供給の容易さを考えて選定される。
【0024】造粒材添加の主たる目的は均一混合された
粉体組成物の位置関係を固定することにある。従って大
量の造粒材水溶液を一度に添加して流動性のあるスラリ
ーを形成することは避けなければならない。この場合、
例えば炭化ケイ素粉末はそのチキソトロピック特性によ
って、水の流れに乗って動いてしまうので組成の局在化
が発生する危険が有る。従ってミキサーの撹拌翼回転数
及び粉体の混合状態見合いで造粒材水溶液供給速度を決
定することが好ましい。また造粒段階を通り過ぎて水ス
ラリー状態になるまで造粒材水溶液を添加することは避
けねばならない。予め吸液量を小さなスケールで確認し
て水量を設定し、所要造粒材濃度を決定することが好ま
しい実施態様である。
【0025】7)造粒物は水を除去するために乾燥され
る。この場合少なくとも80℃好ましくは100℃更に
好ましくは120℃で恒量値まで乾燥される。但し、1
20℃以上で酸化を始める素材が共存する場合は80℃
以上の適切な温度域での空気中乾燥または120℃以上
での不活性ガス雰囲気乾燥の実施態様のいずれかが選択
される。乾燥工程で水が除かれると同時に構成成分は固
体化した造粒材によってその位置関係を固定される。以
降輸送時振動や成形時タッピング等の比重差分級を生じ
させる因子が加えられても、ミキサーで与えられた粒子
相互の位置関係は不変となる。
【0026】成形系 1)乾燥が終わった造粒物は一旦冷却後吸湿しない措置
を施して貯蔵することができる。成形前に粉砕に供され
る。粉砕機は通常の破砕式機器でよく、機器能力、目的
に応じて平均粒径10〜50μm程度に粉砕して成形に
供される。PEGを用いる場合粉砕機の温度とPEG含
有量の関係で粉砕機分級フィルターの目詰まりが発生す
る場合がある。PEG4000で例示すると、その含有
量が乾燥粉体100重量部に対して5重量部程度の時は
連続粉砕が可能であるが10重量部を越えると目詰まり
が急速に起きる。粉砕機を冷却してPEG融点以下での
粉砕に供する等の対応でPEG含有量を増やすことがで
きる。
【0027】2)粉砕された造粒物は一軸プレス、二軸
プレス、湿式等方プレス、乾式等方プレスなどを用いて
成形される。成形圧は目的に応じて使用機器上限圧力ま
で選択できる。PEG4000を用いた粉砕造粒物は加
圧充填性に優れ、PEG4000を含まない乾燥混合品
と比較して同じ成形圧力でより高密度な生成形体を与え
る。この現象は化粧品や医薬品製造に於いて重用されて
いるPEGの固体潤滑性に起因するものと思われるが、
本発明の組成物位置固定という当初のPEG使用目的か
らは予期できなかった効果である。
【0028】生成形体密度は一軸プレス成形圧2トン/
cm2 で嵩密度>1.7g/cm3を容易に達成でき
る。条件によっては嵩密度>1.8g/cm3 が得られ
る。微細な粒子からなる粉体を高圧で成形する際によく
見られるビビリによる表面荒れや成形圧の偏在によるク
ラックの発生は本発明の複合粉体では起こらない。また
切削加工に耐える強度を有しているので、生成形体の段
階で旋盤等でニアネットシェイプ加工を施すことも可能
である。
【0029】焼成系 1)生成形体の1000℃前後迄の炭素化は酸素フリー
の状態で行われることが好ましい。このような場合常用
されるガス雰囲気は高純度窒素である。しかし、窒化物
を形成する素材を含有する場合は高純度窒素ガスの使用
は好ましくない。また窯業で常用されるガス燃焼型加熱
炉で匣鉢中のコークスブリーズに生成形体を埋設して焼
成する場合には窒素を用いることはできない。このよう
な場合本発明者等が特開平5−186265号公報で開
示したコークスブリーズにアマニ油を混ぜて得た酸素透
過抑止層を匣鉢上部に設置して500℃領域までの酸素
の侵入を実質零とする方法を利用することができる。
【0030】炭化ホウ素や金属ケイ素のように1000
℃域での炭素化が終了するまで酸素に触れることを忌避
する必要のある素材が含有される場合は更に匣鉢の最上
部にコークスブリーズに炭化ホウ素、金属ケイ素等を数
%混合して得た保護層を設置することで炭素化工程での
酸素の影響を完全に回避することができる。この場合の
炭化四ホウ素、金属ケイ素等は複合材料に用いる微細な
粒子の必要は無く大粒子且つ低純度品でその機能を十分
果たすことができる。従って炭素化は所有機器の機能に
従って実施することができる。
【0031】2)造粒材として使用される化合物、特に
PEGは400℃前後の温度で分解する。しかしこれを
取り除くために通常の微粒子セラミックス成形体の脱脂
工程に見られる極めて緩やかな昇温速度を採用する必要
はなく、炭素工業で採用されている通常の昇温速度の範
囲で炭素化を行うことができる。得られた炭素化成形体
は通常のダイアモンドカッターで容易に切削加工するこ
とができる。
【0032】3)高純度アルゴン中での黒鉛化が好まし
い実施態様である。真空脱気雰囲気での黒鉛化も黒鉛化
炉内へのppm単位の酸素の漏れ込みが完全に抑止され
る条件下では許容されるが、もしシールが不完全なとき
は炭化ケイ素、炭化四ホウ素及び金属ケイ素の酸化によ
って所望物性の発現が不可能になるので十分な注意が必
要である。
【0033】4)黒鉛化温度は2200〜2400℃が
好ましい。この場合黒鉛化炉の発熱体の輻射線が直接被
黒鉛化成形体に入射しない手法を採用することが好まし
い実施態様である。黒鉛化炉発熱体の輻射線は測温体温
度より高く、幾何学的要因によって被黒鉛化成形体の局
所加熱を生起する。従って発熱体輻射線を直接受けると
部分熱歪みによって成形体が歪む、一部の成分が局所的
に揮散する等の好ましくない効果が伴い、強度や組成の
均一性を損なう結果となる。特に炭化ケイ素含有率が高
い複合成形体では熱伝導率が黒鉛単独品より小さくなる
のでこの現象は顕著となる。
【0034】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明の内容を更に具
体的に説明する。 実施例1 120℃に保持された熱風循環型乾燥機で乾燥恒量に達
した金属ケイ素(平均粒径5μm)15g、炭化ホウ素
(平均粒径1μm)5g及びγレジン5%の生コークス
(平均粒径3μm)66gをスパチュラで軽く混ぜ合わ
せた混合物を深江工業(株)製ハイスピードミキサー
(LFS−GS−2J型)の撹拌槽温度を80℃に設定
し、アジテーター及びチョッパー軸から乾燥窒素を吹き
出した状態の混合槽に投入し、アジテーター回転数=2
00rpm、チョッパー回転数=1000rpmで5分
間混合した。同じく120℃で恒量値に達したα−炭化
ケイ素(平均粒径1.2μm)434gをアジテーター
回転数=500rpm、チョッパー回転数=2500r
pmの撹拌混合条件下15分間で投入し更に5分間撹拌
混合を継続した。蓋の覗き窓から観察したところ粉体は
滑らかに混合していた。撹拌を停止して粉の状態を観察
したところ、造粒品や板状品は見あたらず、種々位置の
粉を採取して指の間で擦り伸ばしてみても、炭素粉や炭
化ケイ素粉が単独で存在するときに特有な現象である黒
い筋や泥状の筋の発生は全く認められなかった。また、
アジテーター羽根と混合槽底部の隙間に圧縮粉が充填す
るような現象も認められず、槽全体で均一な混合粉体が
得られた。PEG4000の13.7重量%の室温の水
溶液144gをアジテーター回転数=1000rpm、
チョッパー回転数=2500rpmの回転撹拌状態にあ
る80℃に保持されたままの混合槽に5分間で注入して
平均粒径3mmφの造粒品を得た。造粒品は手で触れて
も壊れず、手を濡らすことのない製品であった。混合槽
から取り出した造粒品を120℃で乾燥した。得られた
乾燥造粒品のPEG含有量は外割で3.8重量%であっ
た。
【0035】全量を0.3mm目の分級シーブを備えた
サンプルミルで粉砕した。一軸プレス機を用いて直径5
0mmの金型内面及び上下の押し棒と台座の表面を離型
剤(東芝シリコーンスプレー)で被覆した円筒形金型に
充填された重量180.5gの粉砕品を成形圧力2トン
/cm2 で成形し、直径50.7mm、高さ51.8m
m、容積104.5cm3 、嵩比重1.728g/cm
3 の円柱状生成形体を得た。これを非酸素雰囲気下10
00℃で炭素化し、重量171.0g、直径50.6m
m、高さ51.8mm、容積103.9cm3 、嵩密度
1.645g/cm3 の炭素化成形体を得た。金型成形
時のビビリ割れや炭素化後のヘアークラックの形成は認
められなかった。ダイアモンドカッターで強度試験に供
する試験片(長さ51.9mm、厚み8.0mm、幅
9.0mm)を切り出した。アルゴン雰囲気下2300
℃で2時間処理し、長さ42.9mm、厚み6.88m
m、幅7.66mm、嵩密度2.644g/cm3 の黒
鉛化品を得た。スパン幅30.00mm、クロスヘッド
速度0.5mm/分で3点曲げ試験を行い、曲げ強度4
1.5kgf/mm2 を得た。
【0036】実施例2 120℃に保持された熱風循環型乾燥機で乾燥恒量に達
した金属ケイ素(平均粒径5μm)15g、炭化ホウ素
(平均粒径1μm)5g及びγレジン5%の生コークス
(平均粒径3μm)150gをスパチュラで軽く混ぜ合
わせた混合物を深江工業(株)製ハイスピードミキサー
(LFS−GS−2J型)の撹拌槽温度を80℃に設定
し、アジテーター及びチョッパー軸から乾燥窒素を吹き
出した状態の混合槽に投入し、アジテーター回転数=2
00rpm、チョッパー回転数=1000rpmで5分
間混合した。同じく120℃で恒量値に達したβ−炭化
ケイ素(平均粒径0.3μm)350gをアジテーター
回転数=500rpm、チョッパー回転数=2500r
pmの撹拌混合条件下15分間で投入し更に5分間撹拌
混合を継続した。蓋の覗き窓から観察したところ粉体は
滑らかに混合していた。撹拌を停止して粉の状態を観察
したところ、造粒品や板状品は見あたらず、種々位置の
粉を採取して指の間で擦り伸ばしてみても、炭素粉や炭
化ケイ素粉が単独で存在するときに特有な現象である黒
い筋や泥状の筋の発生は全く認められなかった。また、
アジテーター羽根と混合槽底部の隙間に圧縮粉が充填す
るような現象も認められず、槽全体で均一な混合粉体が
得られた。PEG4000の13.7重量%の室温の水
溶液207gをアジテーター回転数=1000rpm、
チョッパー回転数=2500rpmの回転撹拌状態にあ
る80℃に保持されたままの混合槽に5分間で注入して
平均粒径3mmφの造粒品を得た。造粒品は手で触れて
も壊れず、手を濡らすことのない製品であった。混合槽
から取り出した造粒品を120℃で乾燥した。得られた
乾燥造粒品のPEG含有量は外割で5.4重量%であっ
た。
【0037】全量を0.3mm目の分級シーブを備えた
サンプルミルで粉砕した。一軸プレス機を用いて直径5
0mmの金型内面及び上下の押し棒と台座の表面を離型
剤(東芝シリコーンスプレー)で被覆した円筒形金型に
充填された重量179.9gの粉砕品を成形圧力2トン
/cm2 で成形し、直径50.5mm、高さ49.7m
m、容積99.7cm3 、嵩比重1.805g/cm3
の円柱状生成形体を得た。これを非酸素雰囲気下100
0℃で炭素化し、重量167.8g、直径49.4m
m、高さ48.3mm、容積92.6cm3 、嵩密度
1.811g/cm3 の炭素化成形体を得た。金型成形
時のビビリ割れや炭素化後のヘアークラックの形成は認
められなかった。ダイアモンドカッターで強度試験に供
する試験片(長さ48.3mm、厚み8.3mm、幅
8.9mm)を切り出した。アルゴン雰囲気下2300
℃で2時間処理し、長さ44.5mm、厚み7.67m
m、幅8.26mm、嵩密度2.185g/cm3 の黒
鉛化品を得た。スパン幅30.00mm、クロスヘッド
速度0.5mm/分で3点曲げ試験を行い、曲げ強度2
9.5kgf/mm2 を得た。
【0038】実施例3 120℃に保持された熱風循環型乾燥機で乾燥恒量に達
した金属ケイ素(平均粒径5μm)15g、炭化ホウ素
(平均粒径1μm)5g及びγレジン5%の生コークス
(平均粒径3μm)150gをスパチュラで軽く混ぜ合
わせた混合物を深江工業(株)製ハイスピードミキサー
(LFS−GS−2J型)の撹拌槽温度を80℃に設定
し、アジテーター及びチョッパー軸から乾燥窒素を吹き
出した状態の混合槽に投入し、アジテーター回転数=2
00rpm、チョッパー回転数=1000rpmで5分
間混合した。同じく120℃で恒量値に達したα−炭化
ケイ素(平均粒径1.2μm)350gをアジテーター
回転数=500rpm、チョッパー回転数=2500r
pmの撹拌混合条件下15分間で投入し更に5分間撹拌
混合を継続した。蓋の覗き窓から観察したところ粉体は
滑らかに混合していた。撹拌を停止して粉の状態を観察
したところ、造粒品や板状品は見あたらず、種々位置の
粉を採取して指の間で擦り伸ばしてみても、炭素粉や炭
化ケイ素粉が単独で存在するときに特有な現象である黒
い筋や泥状の筋の発生は全く認められなかった。また、
アジテーター羽根と混合槽底部の隙間に圧縮粉が充填す
るような現象も認められず、槽全体で均一な混合粉体が
得られた。PEG4000の13.7重量%の室温の水
溶液140gをアジテーター回転数=1000rpm、
チョッパー回転数=2500rpmの回転撹拌状態にあ
る80℃に保持されたままの混合槽に5分間で注入して
平均粒径3mmφの造粒品を得た。造粒品は手で触れて
も壊れず、手を濡らすことのない製品であった。混合槽
から取り出した造粒品を120℃で乾燥した。得られた
乾燥造粒品のPEG含有量は外割で3.6重量%であっ
た。
【0039】全量を0.3mm目の分級シーブを備えた
サンプルミルで粉砕した。一軸プレス機を用いて直径5
0mmの金型内面及び上下の押し棒と台座の表面を離型
剤(東芝シリコーンスプレー)で被覆した円筒形金型に
充填された重量180.4gの粉砕品を成形圧力2トン
/cm2 で成形し、直径50.7mm、高さ53.6m
m、容積107.8cm3 、嵩比重1.673g/cm
3 の円柱状生成形体を得た。これを非酸素雰囲気下10
00℃で炭素化し、重量167.8g、直径49.6m
m、高さ52.2mm、容積100.7cm3 、嵩密度
1.667g/cm3 の炭素化成形体を得た。金型成形
時のビビリ割れや炭素化後のヘアークラックの形成は認
められなかった。ダイアモンドカッターで強度試験に供
する試験片(長さ52.2mm、厚み8.23mm、幅
9.37mm)を切り出した。アルゴン雰囲気下230
0℃で2時間処理し、長さ47.6mm、厚み7.49
mm、幅8.71mm、嵩密度2.063g/cm3
黒鉛化品を得た。スパン幅30.00mm、クロスヘッ
ド速度0.5mm/分で3点曲げ試験を行い、曲げ強度
16.9kgf/mm2 を得た。
【0040】実施例4 実施例3で示した炭素化成形体から以下の寸法の強度試
験用試験片(長さ52.2mm、厚み8.19mm、幅
9.65mm)を切り出した。アルゴン雰囲気下240
0℃で2時間処理し、以下の寸法の黒鉛化品を得た。長
さ47.5mm、厚み7.56mm、幅8.92mm、
嵩密度2.057g/cm3 。スパン幅30.00m
m、クロスヘッド速度0.5mm/分で3点曲げ試験を
行い、曲げ強度14.9kgf/mm2 を得た。
【0041】比較例1 120℃に保持された熱風循環型乾燥機で乾燥恒量に達
した金属ケイ素(平均粒径5μm)15g、炭化ホウ素
(平均粒径1μm)5g及びγレジン5%の生コークス
(平均粒径20μm)150gをスパチュラで軽く混ぜ
合わせた混合物を深江工業(株)製ハイスピードミキサ
ー(LFS−GS−2J型)の撹拌槽温度を80℃に設
定し、アジテーター及びチョッパー軸から乾燥窒素を吹
き出した状態の混合槽に投入し、アジテーター回転数=
200rpm、チョッパー回転数=1000rpmで5
分間混合した。同じく120℃で恒量値に達したα−炭
化ケイ素(平均粒径1.2μm)350gをアジテータ
ー回転数=500rpm、チョッパー回転数=2500
rpmの撹拌混合条件下15分間で投入し更に5分間撹
拌混合を継続した。PEG4000の13.7重量%の
室温の水溶液130gをアジテーター回転数=1000
rpm、チョッパー回転数=2500rpmの回転撹拌
状態にある80℃に保持されたままの混合槽に5分間で
注入して平均粒径5mmφの造粒品を得た。造粒品は手
で触れても壊れず、手を濡らすことのない製品であっ
た。混合槽から取り出した造粒品を120℃で乾燥し
た。得られた乾燥造粒品のPEG含有量は外割で3.4
重量%であった。
【0042】全量を0.3mm目の分級シーブを備えた
サンプルミルで粉砕した。一軸プレス機を用いて直径5
0mmの金型内面及び上下の押し棒と台座の表面を離型
剤(東芝シリコーンスプレー)で被覆した円筒形金型に
充填された重量180.4gの粉砕品を成形圧力2トン
/cm2 で成形し、直径50.7mm、高さ54.4m
m、容積109.7cm3 、嵩比重1.644g/cm
3 の円柱状生成形体を得た。これを非酸素雰囲気下10
00℃で炭素化し、重量168.1g、直径50.1m
m、高さ53.7mm、容積105.8cm3 、嵩密度
1.589g/cm3 の炭素化成形体を得た。金型成形
時のビビリ割れや炭素化後のヘアークラックの形成は認
められなかった。ダイアモンドカッターで強度試験に供
する試験片(長さ53.7mm、厚み8.04mm、幅
8.91mm)を切り出した。アルゴン雰囲気下230
0℃で2時間処理し、長さ47.8mm、厚み7.20
mm、幅8.14mm、嵩密度2.108g/cm3
黒鉛化品を得た。スパン幅30.00mm、クロスヘッ
ド速度0.5mm/分で3点曲げ試験を行い、曲げ強度
10.3kgf/mm2 を得た。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、上記の原料、混合、造
粒、成形、焼成系のそれぞれ個別には容易な操作を順次
実施することで従来の技術では達成できなかった高い複
合特性を有する炭素・セラミックス複合成形体を提供す
ることができる。本発明の方法に従えば相互に混ざり難
い時として自身で団子状の塊を作りやすい微細な複数の
組成物同士を、混合時に乾燥状態を保持することで工業
的なスケールアップが容易な即ち大量生産が可能な設備
を用いて均一に混合することができる。更に特に好まし
い例として常温では極めて硬いワックス状の固体である
PEG4000〜6000の水溶液で該均一混合粉体を
混合装置内で加温造粒することで均一混合の位置関係が
微細なレベルで固定された成形性に優れた複合粉体を工
業規模で供給することができる。
【0044】本発明の方法では例えば炭素・炭化ケイ素
複合材の炭化ケイ素焼結助剤として添加される1%前後
の炭化ホウ素も均一混合時の位置関係を保持されるの
で、局在化による炭化ケイ素の異常粒成長などの弊害を
予め抑止できる。一方本発明者が先に公開した炭素化時
の酸化防止方法を適用することで、大規模炭素化法であ
るブリーズ埋設焼成方法でも金属ケイ素や炭化ホウ素等
の酸化によってその添加目的を達成できなくなる成分を
任意量導入してその添加目的を達成させることができ
る。金属ケイ素は炭素微粉と反応して炭化ケイ素となり
その時点で本来存在する炭化ケイ素粒との粒界反応によ
って反応焼結現象を起こすので炭素粒−炭化ケイ素粒の
傾斜機能材を形成することができる。その結果として炭
素由来の炭素粉または黒鉛粉の炭素・セラミックス複合
成形体中でのセラミックスとの結合力が飛躍的に高ま
り、従来製品の欠点であった摺動時の炭素質の選択的な
欠落等を抑止できる。
【0045】特に好ましい造粒材であるPEG4000
〜6000の固体潤滑性がもたらすと考えられる複合粉
体の加圧成形性の向上は、高密度生成形体を得るために
行われる高圧成型時に粉体相互の滑り性の悪さが元で発
生する生成形体のクラック形成を完全なまでに抑制でき
る。また炭素化成形体に時として発生するヘアークラッ
クは生成形体に蓄積された成形歪み応力の解放時に発生
すると考えられるが本発明の造粒添加剤の使用によって
高圧成形時に於いてもこの発生を抑制できる。生成形体
のクラック及び炭素化成形体のヘアークラックの同時抑
制は高圧成形で緻密な成形体が作れることを意味すると
同時に製品歩留まりの飛躍的な向上を意味する。またビ
ビリ割れや応力歪み割れが大きな損失に直結する大型成
形品の生産をも可能にした点注目に値するものである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年4月8日(1999.4.8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】本発明者はジェットミルで容易に粉砕でき
るMPC−1を平均粒径3μmまで粉砕すると少量の炭
素粉の使用でも炭化ケイ素微粒子表面には従来技術では
予想できなかった量の炭素被覆が起きるため炭化ケイ素
微粒子相互の焼結が阻害され、また大粒の金属ケイ素で
はその傾斜機能形成助剤としての機能が十分発揮され
ず、結果として成形体強度が低下することを危惧した。
しかし本発明の方法によればそのような心配は一掃さ
れ、平均粒径1μm以上の炭化ケイ素微粒子を用いた成
形体でも従来技術を凌駕する曲げ強度が発現される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】炭化ホウ素や金属ケイ素のように1000
℃域での炭素化が終了するまで酸素に触れることを忌避
する必要のある素材が含有される場合は更に匣鉢の最上
部にコークスブリーズに炭化ホウ素、金属ケイ素等を数
%混合して得た保護層を設置することで炭素化工程での
酸素の影響を完全に回避することができる。この場合の
炭化ホウ素、金属ケイ素等は複合材料に用いる微細な粒
子の必要は無く大粒子且つ低純度品でその機能を十分果
たすことができる。従って炭素化は所有機器の機能に従
って実施することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G001 BA02 BA22 BA23 BA32 BA36 BA60 BA62 BA68 BA75 BB22 BB23 BB32 BB36 BB60 BC16 BC24 BC54 BD01 BD12 BD13 4G030 AA46 AA47 AA51 AA52 AA60 BA18 BA19 BA21 GA05 GA11 GA13 GA15 GA22 GA26 PA01 4G032 AA03 AA33 AA34 AA35 AA36 AA41 AA42 BA03 GA03 GA04 GA06 GA12

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径が10μm以下の炭素質微粒子
    及び平均粒径が5μm以下のセラミックス微粒子を主構
    成成分とし、必要に応じて金属ケイ素及び炭化ホウ素か
    ら成る助剤群から選ばれた少なくとも1種の平均粒径が
    5μm以下の助剤成分微粒子を加えて成る複合成形体微
    粒子成分を吸湿しない条件下、撹拌、混合し、次いで造
    粒材を加えて造粒して平均粒径10mm以下の造粒体と
    し、これを乾燥後粉砕、成形し、不活性雰囲気下焼成し
    て炭素化及び黒鉛化することを特徴とする炭素・セラミ
    ックス複合成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】 炭素質微粒子がコールタール由来の生コ
    ークスを一部空気酸化して得られる変性生コークスであ
    る請求項1記載の炭素・セラミックス複合成形体の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 セラミックス微粒子が炭化ケイ素、窒化
    ケイ素、炭化ホウ素及び窒化アルミニウムの群から選ば
    れた一種又は二種以上の微粒子である請求項1又は2記
    載の炭素・セラミックス複合成形体の製造方法。
  4. 【請求項4】 造粒材が常温では固体のポリエチレング
    リコールである請求項1乃至3のいずれかに記載の炭素
    ・セラミックス複合成形体の製造方法。
  5. 【請求項5】 炭素・セラミックス複合成形体が炭素5
    〜30重量部、炭化ケイ素95〜70重量部、炭素、炭
    化ケイ素の合計量100重量部に対して炭化ホウ素0.
    1〜10重量部及び金属ケイ素1〜20重量部を含有す
    る組成物である請求項1乃至4のいずれかに記載の炭素
    ・セラミックス複合成形体の製造方法。
  6. 【請求項6】 炭素化が高純度の窒素気流中で実施され
    る請求項1乃至5のいずれかに記載の炭素・セラミック
    ス複合成形体の製造方法。
  7. 【請求項7】 炭素化が成形体をガス不透過性容器のブ
    リーズ中に埋設し、容器上部をアマニ油含浸ブリーズ及
    び金属ケイ素、金属ホウ素、炭化ホウ素、酸化ホウ素か
    ら選ばれた少なくとも1種類の組成物とブリーズの混合
    物で被覆した系で実施される請求項1乃至6のいずれか
    に記載の炭素・セラミックス複合成形体の製造方法。
  8. 【請求項8】 黒鉛化が高純度アルゴン気流中で実施さ
    れる請求項1乃至7のいずれかに記載の炭素・セラミッ
    クス複合成形体の製造方法。
  9. 【請求項9】 黒鉛化が黒鉛化炉発熱体の輻射熱線が直
    接被黒鉛化物に入射しない条件下で実施される請求項1
    乃至8のいずれかに記載の炭素・セラミックス複合成形
    体の製造方法。
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