JP2000033273A - 排ガス浄化用触媒の製造方法 - Google Patents

排ガス浄化用触媒の製造方法

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JP2000033273A
JP2000033273A JP10202032A JP20203298A JP2000033273A JP 2000033273 A JP2000033273 A JP 2000033273A JP 10202032 A JP10202032 A JP 10202032A JP 20203298 A JP20203298 A JP 20203298A JP 2000033273 A JP2000033273 A JP 2000033273A
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zeolite
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alkali treatment
powder
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Hitoshi Kato
加藤  仁志
Masahiko Takeuchi
雅彦 竹内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ゼオライトを含む担体を用いた触媒の耐久性を
向上させる。 【解決手段】担体をpHが7を超えるアルカリ性溶液に
接触させるアルカリ処理を行う。ゼオライトの非晶質部
分がアルカリ性溶液中に溶出しゼオライトから除去され
る。したがって熱的に不安定な非晶質部分が除去される
ため、非晶質部分の成長がなく結晶構造が安定し、その
結果ミクロ細孔の消失が防止されるので、触媒性能の劣
化が抑制され耐久性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は少なくともゼオライ
トを含む担体を用いた排ガス浄化用触媒の製造方法に関
する。本発明の製造方法によって得られる触媒は、使用
中の触媒性能の低下が抑制され耐久性が向上する。
【0002】
【従来の技術】ゼオライトは、別名分子篩いとも称され
るように、分子の大きさに匹敵する細孔を有し、吸着材
として利用されるほか、触媒として多くの反応に利用さ
れている。また主成分である酸化アルミニウムの負電荷
を中和するために陽イオンを含み、この陽イオンは水溶
液中で他の陽イオンと容易に交換されるため、陽イオン
交換体としても利用されている。
【0003】ゼオライトのこのような性質を利用して、
近年、自動車の排ガス浄化用触媒への利用が検討され、
例えば特開平3-232533号公報には、ゼオライトに白金や
パラジウムなどの貴金属を担持した排ガス浄化用触媒が
開示されている。またゼオライトはHCの吸着特性に優れ
ている。したがってゼオライトを担体とした触媒によれ
ば、低温時に排ガス中のHCがゼオライトに吸着されて排
出が抑制され、排ガス温度が上昇すると吸着されていた
HCがゼオライトから放出される。そして放出されたHC
は、活性化温度となっている貴金属により酸化浄化され
る。したがって低温から高温までHCの排出を抑制するこ
とができる。
【0004】このような触媒として、例えば特開平4-29
3519号公報には、ZSM-5ゼオライトにCu, Pdをそれぞれ
イオン交換担持した粉末の混合物を用いた排ガス浄化用
装置が開示されている。この装置によれば、吸着材は 1
00〜 300℃の広い温度範囲において高いHC吸着能を示
す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところがゼオライトは
耐熱性が十分ではなく、期待するほどの効果が得られて
いない。特にインライン型の排ガス浄化システムにおい
ては、システムの構成要素が高温の排ガスにさらされる
ため、熱によるゼオライトの結晶構造の破壊などによっ
て、吸着特性の劣化を招きやすかった。
【0006】このようになる原因は、ゼオライトの結晶
構造が熱によって崩壊して非晶質化し、ゼオライトの結
晶構造に由来する本来のミクロ細孔が減少するためと考
えられている。本発明はこのような事情に鑑みてなされ
たものであり、少なくともゼオライトを含む担体を用い
た触媒の耐久性を向上させることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求
項1に記載の排ガス浄化用触媒の製造方法の特徴は、少
なくともゼオライトを含む担体と、担体に担持された貴
金属とよりなる排ガス浄化用触媒の製造方法であって、
担体をpHが7を超えるアルカリ性溶液に接触させるア
ルカリ処理を行うことにある。
【0008】また請求項2に記載の排ガス浄化用触媒の
製造方法の特徴は、請求項1に記載の製造方法におい
て、アルカリ性溶液のpHは11以上であることにある。
【0009】
【発明の実施の形態】ゼオライトは大部分が結晶質のア
ルミノシリケートであるが、稀に非晶質の部分が存在す
る場合がある。例えばゼオライトには、構造に由来する
数Å程度のミクロ細孔の他に、構造欠陥などに起因する
数nm〜数10nmのメソ細孔が存在する。近年の研究の
結果、メソ細孔にはシラノール基に起因する水酸基(O
H)が多いことが確認され、貴金属のイオン交換担持後
にはOH基の量が減少することも確認された。したがって
これらの事実から、メソ細孔には非晶質部分が多いため
にOH基が多く、そのOH基に貴金属が優先的にイオン交換
担持されると考えられている。
【0010】ところがさらなる研究の結果、非晶質部分
が熱的に不安定であることが判明した。すなわち触媒使
用中の熱によって、ゼオライトの非晶質部分が起点とな
って結晶構造が崩壊して非晶質部分が成長し、その結
果、結晶構造に由来する本来のミクロ細孔が減少するた
め、HC吸着能などの特性が劣化し触媒性能が劣化するこ
とが明らかとなった。
【0011】そこで請求項1に記載の製造方法では、少
なくともゼオライトを含む担体を、pHが7を超えるア
ルカリ性溶液に接触させるアルカリ処理を行っている。
このアルカリ処理により、ゼオライトの非晶質部分がア
ルカリ性溶液中に溶出しゼオライトから除去される。し
たがって触媒として使用中に高熱が作用しても、熱的に
不安定な非晶質部分が除去されているため、非晶質部分
の成長がなく結晶構造が安定し、その結果ミクロ細孔の
消失が防止されるので、触媒性能の劣化が抑制され耐久
性が向上する。
【0012】ゼオライトの非晶質部分はSiO2及びSiOHで
構成されていると考えられ、アルカリ処理によってアル
カリ性溶液に溶出する。ここでアルカリ性溶液のpHが
7以下であると、非晶質部分の溶出が生じず効果が得ら
れない。なおpHが高いほど非晶質部分の溶出が速やか
に生じ、短時間の処理で熱安定性に優れた担体となるた
め工数が小さく生産性が向上する。しかしpHが11未満
では溶出速度が遅く、pHが11以上で溶出速度が急激に
増大するので、アルカリ性溶液のpHは11以上とするの
が望ましい。
【0013】アルカリ性溶液の溶質としては、アルカリ
金属元素の水酸化物、アルカリ土類金属元素の水酸化
物、アルカリ金属炭酸塩、アンモニア、アミン類などを
用いることができる。触媒中にアルカリ金属などが残存
すると触媒性能に悪影響を及ぼす場合もあるので、加熱
により焼失あるいは揮発するアンモニア、アミンなどを
用いることが望ましい。またアルカリ性溶液の溶媒とし
ては水、アルコール、水とアルコールの混合物などを用
いることができる。
【0014】アルカリ処理の条件には特に制約はなく、
大気圧下であればアルカリ性溶液の融点以上及び沸点以
下の温度で行うことができる。pHが11以上のアルカリ
性溶液を用いれば、室温でも1分程度の短時間で非晶質
部分をほとんど溶出させることができる。触媒の製造に
あたり、上記したアルカリ処理は担体への貴金属の担持
前に行ってもよいし、貴金属の担持後に行うこともでき
る。ただしアルカリ処理により担体の担持点が減少する
ことも考えられるので、貴金属の担持後にアルカリ処理
を行うことが好ましい。
【0015】また貴金属の担持とアルカリ処理とを同時
に行うこともできる。すなわちテトラアンミン白金ヒド
ロキシドあるいはヘキサアンミン白金ヒドロキシドのよ
うな塩基性塩を用いて貴金属をイオン交換担持すれば、
これらの水溶液はpHが12程000度のアルカリ性とな
るので、貴金属の担持と同時にゼオライトの非晶質部分
を溶出させることができる。この場合、貴金属の担持が
進行するにつれてアルカリ度が低下してpHが上昇す
る。したがってテトラアンミン白金ヒドロキシドのよう
な担持効率の高いものを用いると、貴金属が速やかに担
持されるためにアルカリ性の状態が短時間となり、非晶
質部分の溶出量が少なくなってしまう。したがって例え
ばヘキサアンミン白金ヒドロキシドなど、貴金属の担持
効率の低いものを用いることが好ましい。
【0016】本発明に用いられる担体としては、少なく
ともゼオライトを含めばよく、ゼオライトのみから担体
を構成してもよいし、アルミナ、シリカ、シリカアルミ
ナ、チタニア、ジルコニアなどの多孔質酸化物をゼオラ
イトと混合して用いることもできる。またゼオライトの
構造としては、ホウフッ石群、ホウソーダ群、A型ゼオ
ライト群、ホージャサイト群、ソーダフッ石群、モルデ
ナイト群、キフッ石群のほか、構造がまだ不明の合成ゼ
オライトなどから選ばれるものが例示され、モルデナイ
ト、ZSM-5、Y型ゼオライト、ペンタシル型ゼオライ
ト、X型ゼオライト、L型ゼオライト、シリカライトな
どを用いることができる。
【0017】またゼオライトとしては、SiO2/ Al2O3
が1000以上の高シリカゼオライトを用いることが好まし
い。このように高SiO2のゼオライトでは、耐久試験時の
脱Alが生じにくいため耐久性に一層優れている。さらに
好ましいことには、このようなゼオライトには通常のミ
クロ細孔より大きな径のメソ細孔をもつ歪な形状の結晶
が混在し、このようなゼオライトに貴金属をイオン交換
担持させると、貴金属がきわめて高分散担持されるため
高温時の粒成長が抑制され耐久性が一層向上する。
【0018】上記担体に担持される貴金属としては、白
金、ロジウム、パラジウム、イリジウムなど従来と同様
のものを用いることができる。これらの貴金属を担持す
るために用いられる薬剤としては、例えばテトラアンミ
ン白金ヒドロキシド、ヘキサアンミン白金ヒドロキシ
ド、テトラアンミン白金クロライド、ヘキサアンミン白
金クロライド、ヘキサアンミンロジウムヒドロキシド、
ヘキサアンミンロジウムクロライドなどの塩基性塩、ジ
ニトロジアンミン白金、塩化ロジウム、硝酸ロジウム、
塩化パラジウム、硝酸パラジウムなどが例示され、イオ
ン交換担持法、含浸担持法などで担持することができ
る。また銅、鉄、コバルト、ニッケルなどの卑金属を併
用してもよい。
【0019】なお、担体への貴金属の担持量は特に制限
されず、従来と同様に担体1リットルに対して0.01〜30
重量%の範囲とすることができる。また担体には、貴金
属以外にセリア、セリア−ジルコニアなどの酸素吸蔵放
出材を担持することも好ましい。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 (実施例1)ZSM-5(モル比Si/Al=2000)粉末2gを
用意し、pHが12に調整されたアンモニア水溶液24gに
投入して、室温で2時間攪拌後、濾過・乾燥して実施例
1の担体を調製した。
【0021】アルカリ処理前後のアンモニア水溶液中の
ケイ素(Si)濃度を測定し、結果を図1に示す。図1か
ら明らかなように、アルカリ処理によってアンモニア水
溶液中のSi濃度がきわめて増大し、ZSM-5からSiが溶出
したことがわかる。アルカリ処理前のZSM-5粉末を電子
顕微鏡にて観察すると、図2は、ZSM-5粉末にヘキサア
ンミン白金ヒドロキシド水溶液により白金を担持し、耐
久試験を行った後の粒子内部構造を示したものである
が、図2に示すように核が存在し、核から外周部へ向か
ってメソ細孔が放射状に延びているのが見られる。この
ような構造は、白金を担持する前のアルカリ処理を行っ
ていないZSM-5粉末にも存在する。そして、白金を担持
する前のZSM-5粉末を電子線回折分析すると、図3に示
すように外周部の結晶性は高いが、図4に示す核部分及
び図5に示すメソ細孔の部分では散漫散乱となって結晶
性が低く非晶質であることがわかる。
【0022】さらにアルカリ処理前後のZSM-5粉末を電
子顕微鏡にて観察すると、図7に示すアルカリ処理後の
方が図6に示すアルカリ処理前よりメソ細孔が拡がって
いることが観察される。したがってアルカリ処理により
メソ細孔内部が優先的に溶出していることがわかり、非
晶質部分が優先的に溶出していることがわかる。なお、
アルカリ処理前後のZSM-5粉末についてX線回折分析し
た結果を図8に示す。図8からわかるように、アルカリ
処理前後とも同様の鋭いピークが観察され、ともに非晶
質部分に起因するブロードなピークは観察されなかっ
た。これは、メソ細孔内部の非晶質部分の量が僅かであ
るために、X線回折ではアルカリ処理による有意差が検
出できなかったためと考えられる。
【0023】次に、アルカリ処理しない未処理のZSM-5
粉末と、上記アルカリ処理を施したZSM-5粉末につい
て、大気中にて1000℃で5時間加熱する耐久試験を行っ
た。そして耐久試験後のそれぞれのZSM-5粉末について
X線回折分析を行い、結果を図9に示す。図9より、未
処理品では耐久試験によりブロードなピークが成長して
いるのがわかり、非晶質部分が増大している。しかしア
ルカリ処理を行った処理品では、耐久試験前後のピーク
の変化がなく非晶質部分の成長が抑制されていることが
明らかである。
【0024】すなわちアルカリ処理を行うことで、耐久
試験時における結晶質部分の崩壊及び非晶質化が抑制さ
れ、本来のミクロ細孔の消失が防止される。したがって
そのZSM-5粉末を担体とし貴金属を担持した触媒は、使
用時に高温が作用してもHC吸着性などの特性が損なわれ
ず耐久性に優れている。 (実施例2)ZSM-5(モル比Si/Al=2000)粉末2gを
用意し、pHが5水準で異なるアンモニア水溶液24gに
それぞれ投入して、室温で2時間攪拌後、それぞれ濾過
・乾燥した。
【0025】それぞれのZSM-5粉末についてアルカリ処
理後の液中Si濃度から重量減少率を算出して図10に示
す。図10より、アンモニア水溶液のpHが11までは重量
減少率が小さいが、pHが11以上で重量減少率が急激に
増大し、ZSM-5中の成分がアンモニア水溶液中に多量に
溶出していることがわかる。またアルカリ処理されたそ
れぞれのZSM-5粉末、及び未処理のZSM-5粉末について
実施例1と同様の耐久試験を行い、その後それぞれX線
回折分析を行って結果を図11に示す。この図からも、p
Hが11まではブロードな非晶質部分のピークが観察さ
れ、耐久試験時に非晶質部分が成長していることがわか
る。しかしアンモニア水溶液のpHが11以上であれば、
耐久試験時における非晶質部分の成長が抑制されている
ことが明らかである。
【0026】(実施例3)ZSM-5(モル比Si/Al=200
0)粉末2gを用意し、pH12のアンモニア水溶液24g
にそれぞれ投入して、室温にて1分間、5分間、30分間
及び2時間の4水準で攪拌後、それぞれ濾過・乾燥し
た。それぞれの ZSM-5粉末についてアルカリ処理前後
の重量を測定しアルカリ処理前の重量と比較することで
重量減少率を算出して図12に示す。図12より、アルカリ
処理時間が長いほど重量減少率が大きく、1分間の処理
でも0.04重量%溶出している。
【0027】またアルカリ処理されたそれぞれのZSM-5
粉末、及び未処理のZSM-5粉末について実施例1と同様
の耐久試験を行い、その後それぞれX線回折分析を行っ
て結果を図13に示す。この図からも、アルカリ処理時間
が1分間以上あれば、耐久試験時における非晶質部分の
成長が抑制されていることが明らかである。 (実施例4)白金を 0.16g含有するヘキサアンミン白
金ヒドロキシド水溶液 200mlと、 ZSM-5(モル比Si/A
l=2000)粉末10gとを混合し、2時間攪拌後、濾過・
乾燥し、 500℃で1時間焼成してPt/ZSM-5触媒粉末を調
製した。
【0028】ここで、ZSM-5粉末混合前と混合・濾過後
のヘキサアンミン白金ヒドロキシド水溶液中のSi濃度
をそれぞれ測定し、結果を図14に示す。図14より、ZSM-
5粉末の混合・濾過後の方がSi濃度がきわめて高くなっ
ており、ZSM-5中のSiがテトラアンミン白金ヒドロキシ
ド水溶液中に溶出したことがわかる。そこで得られたPt
/ZSM-5触媒粉末について、大気中にて1000℃で5時間加
熱する耐久試験を行った。そして耐久試験後のPt/ZSM-5
触媒粉末のX線回折分析を行い、結果を図15に示す。図
15よりブロードなピークは観察されず、非晶質部分の成
長が生じていないことがわかる。
【0029】すなわちアルカリ処理を行うことで、耐久
試験時における結晶質部分の崩壊及び非晶質化が抑制さ
れ、本来のミクロ細孔の消失が防止される。したがって
本実施例の触媒は、使用時に高温が作用してもHC吸着性
などの特性が損なわれず耐久性に優れている。 (実施例5)一方、白金を 0.16g含有するテトラアン
ミン白金ヒドロキシド水溶液 200mlと、 ZSM-5(モル
比Si/Al=2000)粉末10gとを混合し、2時間攪拌後、
濾過・乾燥し、 500℃で1時間焼成してPt/ZSM-5触媒粉
末を調製した。
【0030】ここで、ZSM-5粉末混合前と混合・濾過後
のテトラアンミン白金ヒドロキシド水溶液中のSi濃度
をそれぞれ測定し、結果を図16に示す。図16より、ZSM-
5粉末の混合・濾過後の方が僅かにSi濃度が高くなって
いるが、実施例4より遙かに少ない。次に、得られたPt
/ZSM-5触媒粉末について、大気中にて1000℃で5時間加
熱する耐久試験を行った。そして耐久試験後のPt/ZSM-5
触媒粉末のX線回折分析を行い、結果を図17に示す。図
17よりブロードなピークが観察され、非晶質部分の成長
が生じていることがわかる。
【0031】白金の担持に、実施例4ではヘキサアンミ
ン白金ヒドロキシド水溶液を用い、実施例5ではテトラ
アンミン白金ヒドロキシド水溶液を用いたことのみが相
違している。そこで、各水溶液にZSM-5粉末を混合して
からのpHの変化を測定したところ、実施例4では混合
・攪拌中のpHは約12を保持していた。しかし実施例5
では、ZSM-5粉末混合前のpHは約12であったが、ZSM-
5粉末を混合直後にpHは急激に約7に低下した。これ
は、テトラアンミン白金ヒドロキシド水溶液は担持効率
がきわめて高いことを示している。
【0032】この結果から、実施例4ではpHが約12の
水溶液と長時間接しているために、ZSM-5中の非晶質部
分の溶出量が多く、実施例5では溶出量が少ないと考え
られ、これは図14及び図16の結果と一致している。した
がって本発明の製造方法において、白金の担持とアルカ
リ処理とを同時に行う場合には、白金源としてヘキサア
ンミン白金ヒドロキシドの方がテトラアンミン白金ヒド
ロキシドより好ましいことがわかる。
【0033】なお、実施例4と実施例5のPt/ZSM-5触媒
粉末の電子顕微鏡写真をそれぞれ図18及び図19に示す。
これらの図を比較すると、図18に示す実施例4のPt/ZSM
-5触媒の方がメソ細孔の幅が広がっていることがわか
り、これはメソ細孔内から非晶質部分が溶出したことを
示している。
【0034】
【発明の効果】すなわち本発明の排ガス浄化用触媒の製
造方法によれば、簡単なアルカリ処理により結晶崩壊の
起点となる非晶質部分を除去することができる。したが
って高熱が作用しても、ゼオライトの結晶構造が有する
ミクロ細孔の消失が防止され、HC吸着特性及び浄化特性
の耐久性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるアルカリ処理前後の
アルカリ水溶液中のSi濃度を示す棒グラフである。
【図2】アルカリ処理前のZSM-5の粒子構造を示す電子
顕微鏡写真である。
【図3】アルカリ処理前のZSM-5の外周部の結晶構造を
示す電子線回折写真である。
【図4】アルカリ処理前のZSM-5の核部分の結晶構造を
示す電子線回折写真である。
【図5】アルカリ処理前のZSM-5のメソ細孔部分の結晶
構造を示す電子線回折写真である。
【図6】アルカリ処理前のZSM-5の粒子構造を示す電子
顕微鏡写真である。
【図7】本発明の一実施例におけるアルカリ処理後のZS
M-5の粒子構造を示す電子顕微鏡写真である。
【図8】本発明の一実施例におけるアルカリ処理前後の
ZSM-5の耐久試験前のX線回折チャート図である。
【図9】本発明の一実施例におけるアルカリ処理前後の
ZSM-5の耐久試験後のX線回折チャート図である。
【図10】本発明の第2の実施例において、アルカリ処理
前後のZSM-5の重量減少率を示すグラフである。
【図11】本発明の第2の実施例において、それぞれのp
Hのアンモニア水で処理されたZSM-5の耐久試験後のX
線回折チャート図である。
【図12】本発明の第3の実施例において、アルカリ処理
前後のZSM-5の重量減少率を示すグラフである。
【図13】本発明の第3の実施例において、それぞれの時
間アンモニア水で処理されたZSM-5の耐久試験後のX線
回折チャート図である。
【図14】本発明の第4の実施例における白金担持前後の
アンモニア水溶液中のSi濃度を示す棒グラフである。
【図15】本発明の第4の実施例において耐久試験後のPt
/ZSM-5触媒のX線回折チャート図である。
【図16】本発明の第5の実施例において白金担持前後の
アンモニア水溶液中のSi濃度を示す棒グラフである。
【図17】本発明の第5の実施例において耐久試験後のPt
/ZSM-5触媒のX線回折チャート図である。
【図18】本発明の第4の実施例において白金担持後のPt
/ZSM-5触媒の粒子構造を示す電子顕微鏡写真である。
【図19】本発明の第5の実施例において白金担持後のPt
/ZSM-5触媒の粒子構造を示す電子顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D048 AA06 AA13 AA18 AB05 BA11X BA11Y BA30X BA30Y BA31Y BA33Y BB17 BB20 BD05 BD10 CC38 EA04 EA10 4G069 AA03 AA08 AA12 BA07A BA07B BC69A BC71A BC72A BC74A BC75A BC75B CA03 CA06 CA09 FA08 FA10 FB80 FC04 FC09 ZA03A ZA04A ZA06A ZA08A ZA10A ZA11A ZA11B ZA36A ZB02 ZD01 ZD10 ZE03 ZF05A

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともゼオライトを含む担体と、該
    担体に担持された貴金属とよりなる排ガス浄化用触媒の
    製造方法であって、該担体をpHが7を超えるアルカリ
    性溶液に接触させるアルカリ処理を行うことを特徴とす
    る排ガス浄化用触媒の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記アルカリ性溶液のpHは11以上であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の排ガス浄化用触媒
    の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017006720A1 (ja) * 2015-07-08 2017-01-12 大塚化学株式会社 排ガス浄化フィルタの製造方法、排ガス浄化フィルタ及び排ガス浄化装置

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WO2017006720A1 (ja) * 2015-07-08 2017-01-12 大塚化学株式会社 排ガス浄化フィルタの製造方法、排ガス浄化フィルタ及び排ガス浄化装置
JPWO2017006720A1 (ja) * 2015-07-08 2017-09-28 大塚化学株式会社 排ガス浄化フィルタの製造方法、排ガス浄化フィルタ及び排ガス浄化装置

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